JP3663742B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合焦用光学系のズーミング動作及びフォーカシング動作を共通して規定するカム溝とそのカム溝に係合するカムピンを1組のみ用い、合焦用光学系を駆動するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレンズ鏡筒は、光学系の少なくと一部を光軸方向に前後移動させることにより焦点距離を変化させ、そのレンズ鏡筒を通して見られる画像の倍率を調整してる。
このようなレンズ鏡筒では、調整できる倍率の範囲が広いほど光学系が移動する距離は長くなる。つまり、焦点距離の範囲が35mm〜70mmのレンズ鏡筒よりも、28mm〜80mmのレンズ鏡筒の方が、その外形が光軸方向に伸縮する程度が大きい。また、焦点距離の範囲が35mm〜70mmのレンズ鏡筒よりも、70mm〜105mmのレンズ鏡筒の方が、すなわち、焦点距離の変化量が同じであっても焦点距離が大きく高倍率であるレンズ鏡筒の方が、光学系の移動量が大きい。
【0003】
一方、上記光学系のさらに一部は、上述の焦点距離調整のための動作の他に、外部からの合焦操作に従い合焦動作をも行う(以下、この光学系を「合焦用光学系」という)。一般に、合焦用光学系を駆動する駆動機構は、光学系を支持するレンズ移動枠と、レンズ移動枠に設置されたカムピンと、そのカムピンの光軸方向の位置を規定するカム溝と、光軸に平行な案内溝を有し、その案内溝に上記カムピンの先端を係合させているフォーカスリング(駆動部材)とから構成されている。この駆動機構では、フォーカスリングを手動又は自動で回転させると、その回転方向の動力は、カムピンとカム溝によって光軸方向の動力に変換されたうえ、カムピンを介してレンズ移動枠に伝達される。この結果、レンズ移動枠は、光軸方向に移動し合焦が行われる。
【0004】
これまで、この種のレンズ鏡筒は、レンズ群の移動量が小さく、レンズ鏡筒の外形をコンパクトにすることが可能である低倍率のものが主に生産されていた。これに対し、近年は、低倍率から高倍率まで広い範囲にわたって焦点距離を変化させることが可能なレンズ鏡筒に対する要求が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来のレンズ鏡筒では、焦点距離が調整可能である範囲を広くすると、上述したように焦点距離調整にともなう光学系の移動量が大きくなり、合焦用光学系がレンズ鏡筒の前方へ大きく移動する。そのために、合焦用光学系の動きに合わせて上記フォーカスリングに設けた案内溝もレンズ鏡筒前方へ長くする必要があり、この結果、フォーカスリングの光軸方向長さが増大し、レンズ鏡筒がコンパクトな形状にならないという問題があった。
【0006】
これに対し、本願出願人は、特願平7−142769において、広い範囲で焦点距離を調整可能でありながら、その形状がコンパクトであるレンズ鏡筒を提案し、上記問題の解決している。
図2は、特願平7−142769において開示されたズームレンズ鏡筒(以下「前実施形態」という)の断面図である。図2(A)は、ズームレンズ鏡筒が各レンズ群を後方に引いたときの断面図を示している。また、図2(B)は、そのズームレンズ鏡筒で用いているキー部材の部分側面図である。
【0007】
固定筒10は、カム筒20その他の構成要素を支持する枠体であり、本レンズ鏡筒をカメラボディに取り付けるためのマウント部12を備えた後部11と、その後部11より前方に位置し、その中心軸がレンズ鏡筒の光軸と一致している大径部13及び中径部15とを有している。大径部13は、ズームリング80及びフォーカスリング100等をその外周面及び先端部において支持するための部位である。また、中径部15は、カム筒20及び第四群レンズ移動枠60等を支持するための部位であり、その内周面にカム溝17及び光軸と平行な案内溝16を備えている。案内溝16は、焦点距離の調整操作時に、光軸を中心とした回転運動を禁止し、光軸に沿った前後運動のみをするように第三群レンズ移動枠50を案内するためのものである。一方、カム溝17は、カム筒20の光軸方向の位置を規定するためのものである。
【0008】
カム筒20は、ズームリング80より駆動力を得て、4つのレンズ移動枠30、40、50、60を駆動するためのものである。カム筒20は、中心軸が同一な3つの環状体、すなわち、大径部21、中径部24及び小径部25より構成される。大径部21と中径部24は後端部において、中径部24と小径部25は先端部において互いに繋がっており、全体として1部材となっている。したがって、図中にみられるカム筒20の断面は、S字と逆S字とが光軸を中心に向かい合った形状となっている。カム筒20は、その小径部25の外周面が固定筒10の中径部15内周面に嵌合するように、また、大径部21及び中径部24が固定筒10の大径部13と中径部15の間に位置するようにレンズ鏡筒内に配置してある。
【0009】
カム筒20の大径部21は、カム筒20の回転運動を第一群レンズ移動枠30に伝達する光軸と平行な案内溝22をその内周面に備えている。一方、外周面後端には、ピン23を設置している。ピン23は、固定筒10に設けてある逃げ溝14を貫通しており、その先端部は、ズームリング80の内周面に光軸と平行に設けてある案内溝81に嵌合している。これにより、カム筒20は、ピン23及び案内溝81を介して、ズームリング80より回転方向の駆動力を伝達される。
【0010】
カム筒20の小径部25は、3つのカム溝26、27及び28を備えている。カム溝26は、第四群レンズ移動枠60の光軸方向の位置を規定するためのカム溝であり、カム筒20と第四群レンズ移動枠60は、カム溝26とカムピン63を介して係合している。一方、カム溝27は、第三群レンズ移動枠50の光軸方向の位置を規定するためのカム溝である。カム溝27には、第四群レンズ移動枠60に光軸に平行に設けてある逃げ溝64を貫通しているカムピン54の先端部が嵌合している。ここで、カムピン54は、三群レンズ移動枠50に設置してあり、カム筒20の回転運動は、カム溝27とこのカムピン54によって光軸方向の直進運動に変換されて第三群レンズ移動枠50に伝達される。カム溝28は、第二群レンズ移動枠40の光軸方向の位置を規定するためのものである。カム溝28には、第二群レンズ移動枠40の外周面に設置され、第三群レンズ移動枠50の逃げ溝57及び第四群レンズ移動枠60の逃げ溝65を貫通しているカムピン42が嵌合しており、これにより、第二群レンズ移動枠40へ光軸方向の駆動力を伝達可能にしている。
さらに、小径部25は、その後端部外周にカムピン29を設置しており、カムピン29は、その先端部を固定筒10のカム溝17に嵌合させている。これにより、カム筒20は、カム溝17の形状に対応してレンズ鏡筒内を光軸方向に移動する。
【0011】
第一群レンズ移動枠30は、第一群レンズL1を光軸方向に位置決めするための枠体である。第一群レンズ移動枠30は、その先端部内周面において第一群レンズL1を支持しており、また、第一群レンズL1を支持している部位より後方に円筒部31を有している。円筒部31の光軸方向長さは、カム筒20の大径部21の長さと等しく、後述する第一群レンズ移動枠30がカム筒20に対して光軸方向に相対移動する長さに等しい。また、円筒部31は、内周面にカム溝32を、後端部外周にピン33をそれぞれ備えている。カム溝32には、第三群レンズ移動枠50の外周面に設置してあるカムピン56がその先端部を嵌合させており、これにより、第一群レンズ移動枠30が回転運動すると、第一群レンズ移動枠30と第三群レンズ移動枠50が光軸方向に相対運動をする。また、ピン33は、その先端部をカム筒20の案内溝22に嵌合させている。したがって、第一群レンズ移動枠30は、ピン33を介してカム筒20から第一群レンズ移動枠30へ光軸を中心とした回転方向の駆動力を伝達され、また、カム筒20に対して光軸方向に滑らかに相対運動することが可能となっている。
【0012】
第二群レンズ移動枠40は、第二群レンズL2を光軸方向に位置決めするための枠体である。第二群レンズ移動枠40は、その内周面に第二群レンズL2を支持しており、また、後端部外周面にカムピン42を設置している。前述のようにカムピン42は、カム筒20のカム溝28に嵌合している。したがって、カム筒20が光軸方向の直進運動、又は、光軸を中心とした回転運動をすると、第二群レンズ移動枠40は、カム溝28及びカムピン42を介して光軸方向へ駆動される。
【0013】
第三群レンズ移動枠50は、第三群レンズL3を光軸方向に位置決めするための枠体であり、後端部51、円筒部52及び先端部55の3つの部位よりなる。後端部51は、その内周面において第三群レンズL3を支持しており、また、その外周面にカムピン54を設置している。カムピン54は、第四群レンズ移動枠60の逃げ溝64とカム筒20のカム溝27を貫通して、その先端部を固定筒10の案内溝16に挿入している。したがって、第三群レンズ移動枠50は、レンズ鏡筒内で回転運動することを案内溝16によって禁止され、光軸方向の直進運動のみを行う。
円筒部52は、内周面において第二群レンズ移動枠40の外周面と嵌合しており、また、第二群レンズ移動枠40に設置してあるカムピン42を通すための逃げ溝57を備えている。さらに、円筒部52は、光軸と平行な溝部53を備えており、この溝部53には、後述する第四群レンズ移動枠60の突起部62が嵌合している。
先端部55は、外周面にカムピン56を設置している。カムピン56は、前述のように、第一群レンズ移動枠30のカム溝32と嵌合しており、カム溝32とともに一群レンズ移動枠30の回転運動を光軸方向の直進運動に変換する機能を果たしている。
【0014】
第四群レンズ移動枠60は、後端部内周面において第四群レンズL4を支持している枠体である。第四群レンズ移動枠60は、第4群レンズL4を支持している部位より前方に伸びる円筒部61を有し、円筒部61の内周面において第三群レンズ移動枠50の外周面と接するようにレンズ鏡筒内に配置してある。また、円筒部61は、その内周面に、光軸と平行であり縦長の形状をした突起部62を備えている。前述のように、突起部62は、第三群レンズ移動枠50に備えてある溝部53と嵌合しており、これにより、第四群レンズ移動枠60は、光軸を中心とした回転方向に第三群レンズ移動枠50と一体となっている。ここで、第三群レンズ移動枠50は、既に説明したように回転運動を行わないことから、第四群レンズ移動枠60も回転方向に運動を行わない。
また、円筒部61の後部外周面には、カムピン63が設置してあり、カムピン63は、その先端部をカム筒20のカム溝26に嵌合させている。したがって、第四群レンズ移動枠60は、カム溝26及びカムピン63を介してカム筒20から光軸方向の駆動力を受ける。
【0015】
フォーカス中継筒70は、カム筒20の中径部24内周面に設置してある円筒状部材であり、カム筒20及び固定筒10の両方に対し光軸を中心とした円周方向に相対運動をする部材である。フォーカス中継筒70は、その後端部外周面にツバ部73を有し、これを中径部24の溝部24aと係合させている。また、フォーカス中継筒70は、光軸に平行な案内溝71を備えており、案内溝71には、カムピン42がその先端部を嵌合させている。したがって、フォーカス中継筒70が回転運動をしない場合には、案内溝71は、直進案内溝として機能し、カムピン42を介して二群レンズ移動枠40の運動方向を光軸方向に制限する。また、フォーカス中継筒70が回転する場合には、その回転運動は、カムピン42とカム溝28によって光軸方向の回転移動運動に変換され、二群レンズ移動枠40は、カム溝28の形状に従い光軸方向に移動する。
【0016】
ズームリング80は、焦点距離の調整操作を行う場合に手動により回転操作を行う環状部材であり、固定筒10の大径部13外周面に回転可能に取り付けてある。ズームリング80は、その内周面に光軸と平行な案内溝81を備えている。案内溝81には、ピン23が嵌合しており、これにより、ズームリング80が回転運動をすると、カム筒20も一体となって回転する。
【0017】
セグメントギアリング90は、自動合焦を行うための駆動力を不図示のカメラボディから伝達される歯車部材であり、固定筒10の大径部13内周面に回転可能に設置してある。セグメントギアリング90は、その内周面にセグメントギア91を備え、セグメントギア91は、図示していない駆動ギアと噛み合っている。また、セグメントギアリング90は、駆動力を後述するキー部材110に伝達するための突起部92をその外周面に設置している。
【0018】
フォーカスリング100は、合焦操作を行う場合に手動により回転操作を行う環状部材である。フォーカスリング100は、固定筒10の先端にバヨネット方式で嵌合しており、所定の角度を回転することが可能になっている。フォーカスリング100の内周面には、フォーカスリング100の回転運動をフォーカス中継筒70に伝達するための部材であるキー部材110が、小ネジ115によって取り付けてある。
【0019】
図2(B)に示すように、キー部材110は、フォーカスリング100の内周面に固定される略円形の形状をしている環状部111と、そこから後方へ、光軸に対して平行に伸びている伸長部112とから構成されている。伸長部112は、その中央部分に光軸と平行な案内溝113を備えている。図2(A)に示すように、案内溝113には、フォーカス中継筒70の外周部に設置してあるカムピン72の先端部が嵌合している。したがって、手動操作によりフォーカスリング100を回転させると、その回転運動は、キー部材110及びカムピン72を介してフォーカス中継筒70に伝達され、フォーカス中継筒70も回転する。さらに、フォーカス中継筒70の回転運動は、カムピン42とカム溝28を介して第二群レンズ移動枠40の光軸方向運動に変換され、合焦動作が行われる。なお、案内溝113は、フォーカス中継筒70がカム筒20と光軸方向に一体的に移動するために、その光軸方向の長さは、後述するカム筒20の光軸方向の移動量Mと等しい長さとなっている。
【0020】
また、キー部材110は、その後端に溝部114を備えており(図2(B))、溝部114には、セグメントギアリング90の突起部92が嵌合している。これにより、自動合焦時にセグメントギアリング90が回転すると、その回転は、突起部92及び溝部114を介してキー部材110に伝達される。この結果、フォーカス中継筒70がセグメントギアリング90に連動して回転運動をし、前述したのと同様にその回転運動は、二群レンズ移動枠40の光軸方向運動に変換され、自動合焦が行われる。なお、このときフォーカスリング100もキー部材110に連動することから、自動合焦機構の動作の様子は、レンズ鏡筒の外側より確認することができる。
【0021】
次に、前実施形態の動作について説明する。
図4は、前実施形態を示す図であり、図4(A)の上半分は、光学系を望遠画像撮影用に配置している(以下、「テレ状態」という)ときの様子を示し、図4(A)の下半分は、ズームレンズ鏡筒が光学系を広角画像撮影用に配置している(以下、「ワイド状態」という)ときの様子を示している。さらに、図4(B)は、前実施形態で用いているキー部材の部分側面図を示している。また、図5及び図6は、前実施形態における各レンズ群の動きを説明するための図であり、図5は、逃げ溝14、カム溝32及び案内溝81の展開図を示し、図6は、案内溝16、カム溝17、カム溝26、カム溝27及びカム溝28の展開図を示している。なお、図5及び図6においては、紙面左側がレンズ鏡筒の前方に相当しており、一点鎖線Fは、レンズ鏡筒の光軸に平行な直線を表している。
【0022】
はじめに、前実施形態において自動合焦モードにより合焦を行う場合について説明する。
自動合焦モードの場合は、カメラボディから図示を省略した公知の動力伝達機構を介して、図2に示すセグメントギアリング90に回転方向の駆動力が伝達される。次に、その駆動力は、突起部92からキー部材110へ、さらにキー部材110からカムピン72を介してフォーカス中継筒70へ伝達され、フォーカス中継筒70を回転運動させる。フォーカス中継筒70の案内溝71には、カムピン42の先端部が嵌合しているために、カムピン42は、フォーカス中継筒70に連動して回転運動を行い、カム溝28内を移動する。
【0023】
レンズ鏡筒がテレ状態にある場合には、カムピン42は、図6に示すカム溝28の上側を上下に移動する。このときのカムピン42の最大回転角はθt であり、光軸方向の移動量はAである。したがって、第二群レンズ移動枠40も光軸方向に距離Aの範囲内を移動し、合焦が行われる。
また、前実施形態のレンズ鏡筒をテレ状態からワイド状態に変えると、後述する動作によりカム筒20が回転するために、カムピン42は、カム溝28の図中下側へ移動する。この状態で、上述した自動合焦を行うと、カムピン42は、回転角θt と等しい回転角θw で示されるカム溝28の領域中を移動する。この結果、第二群レンズ移動枠40は、θw で表される領域の光軸方向長さBだけ光軸方向に前後移動し、合焦が行われる。
【0024】
一方、手動合焦モードにより合焦操作を行う場合には、フォーカスリング100を手動により回転操作する。フォーカスリング100の回転運動は、小ネジ115を介してキー部材110に伝達され、その後、自動合焦モードにおけるのと同じ機構及び動作により、第二群レンズ移動枠40の光軸方向運動に変換され、合焦が行われる。
【0025】
次に、焦点距離調整を行うときの前実施形態の動作について説明する。なお、説明を簡単にするために、以下においてフォーカス中継筒70はカム筒20に対して回転運動をせず、カムピン42は、焦点距離調整に関する動作以外はしないものとする。
【0026】
前実施形態では、レンズ鏡筒をワイド状態とする場合は、ズームリング80をレンズ鏡筒の後方からみて時計回りに回転操作し、その回転運動を案内溝81及びピン23を介してカム筒20に伝達し、同じ角度だけカム筒20を回転させる。ズームリング80を時計回りに回しきると、図6において、カムピン29は、カム溝17の図中上端に位置する。この結果、カム筒20は、固定筒10の中径部15に対して最も後方に位置することになり、図4の下側に示されるようにレンズ鏡筒の外筒にその全部を収納される。
また、カムピン42、54、63は、それぞれ図6に示すカム溝28、27、26の下端に位置する。したがって、第二群レンズ移動枠40は、カム筒20に対して相対移動可能な範囲の中で最も前方に位置し、逆に第三群レンズ移動枠50及び第四群レンズ移動枠60は、最も後方に位置する(図4下側)。
【0027】
一方、カム筒20の後端に設置してあるピン23は、図5に示す逃げ溝14の上端、すなわち、ズームリング80の後端に位置する。
他方、図5に示す第一群レンズ移動枠30のカム溝32は、カム筒20の回転運動に連動することから、カムピン56は、その下端に位置する。したがって、第一群レンズ移動枠30は、カム筒20に対して相対移動可能な範囲の中で、最も後方に位置し、図4下側に示すように、第一群レンズ移動枠30の円筒部31は、その全部をカム筒20の大径部21に収納される。
【0028】
上記の状態からズームリング80を反時計回りに回転操作をすると、前実施形態のレンズ鏡筒は、テレ状態へ移行する。ズームリング80を反時計回りに回しきると、カムピン29は、図6に示すカム溝17の図中下端に移動する。この結果、カム筒20は、固定筒10の中径部15に対して前方へ距離Mだけ繰り出され、図4の上側に示されるようにレンズ鏡筒の外筒から、その一部、特に大径部21を前方に突出させる。同様にピン23は、逃げ溝14の下端に移動し(図5)、カム筒20と同様に距離Mだけ前方へ移動して、ズームリング80の前端に位置するようになる(図4)。なお、距離Mは、大径部21の光軸方向長さより短く設定してあるために、上記動作中、大径部21の後端は、常にレンズ鏡筒の外筒先端より後方に位置する。
【0029】
また、カムピン42、54、63は、それぞれ図6に示すカム溝28、27、26の上端に移動する。このときに、第二群レンズ移動枠40は、カム筒20に対して距離m2だけ後方に移動し、第三群レンズ移動枠50及び第四群レンズ移動枠60は、それぞれm3及びm4だけ前方に移動する。したがって、各レンズ移動枠40、50、60が固定筒10に対して移動する距離は、それぞれM−m2、M+m3、M+m4となる。
【0030】
一方、カムピン56は、カム溝32の上端に移動し、これにより、第一群レンズ移動枠30は、第二群レンズ移動枠40から距離m1だけ前方へ繰り出される。言い換えると、第一群レンズ移動枠30は、カム筒20から距離(m1+m3)だけ、また、固定筒10から(M+m1+m3)だけ前方へ繰り出されることになる。この結果、図4の上側に示されるように、第一群レンズ移動枠30は、その全部がレンズ鏡筒の外筒より前方に位置する。また、これら一連の動作により第一群レンズ移動枠30とカム筒20の係合位置、すなわち、ピン33と案内溝22が係合する位置は、案内溝22の後端から前端へ移動する。
【0031】
ところで、合焦動作を行うための駆動力を第二群レンズ移動枠40に伝達するカムピン42及びキー部材110に着目すると、カムピン42の光軸方向への移動量は、(M−m2+B)であることが、図6に示すカム溝28の形状から理解される。仮にカムピン42が、フォーカス中継筒70を介さずに直接キー部材110と係合するものとすれば、キー部材110の案内溝113は、図4に2点破線で表したように、少なくとも光軸方向の位置Pt 及びPw を含むように、より長く、かつ、レンズ鏡筒のより前側に設けなければならない。しかし、この場合にキー部材110は、位置Pt において第一群レンズ移動枠30と干渉するようになり、これを防止するためには、キー部材110の光軸からの高さ位置を増大させることが必要となる。この結果、レンズ鏡筒は、光軸方向に長く、また外径の大きい大型なものとなってしまう。
【0032】
これに対し、前実施形態は、カムピン42とキー部材110を直接係合させず、フォーカス中継筒70及びカムピン72を介して係合させており、これにより、カムピン72とキー部材110の係合する光軸方向位置が、カムピン42の光軸方向位置より後方となるようにしている。したがって、第二群レンズ移動枠40の光軸方向移動に連動して、カムピン42がレンズ鏡筒前方へ大きく移動した場合であっても、カムピン72とキー部材110の係合位置は、レンズ鏡筒の中部にとどまる。
【0033】
さらに、カムピン42とフォーカス中継筒70は、案内溝71において互いに光軸方向の相対移動が可能であるように係合させてあることから、カムピン42がカム筒20に対してする相対移動は、全て案内溝71において吸収される。したがって、カムピン72の光軸方向移動量は、カムピン42のそれより小さく、前実施形態では、カム筒20の光軸方向移動量と同じMであり、これに伴い、キー部材110の案内溝113の光軸方向長さもMとなっている。
このように、特願平7−142769では、フォーカス中継筒70等を新たに設けることにより、広範囲に焦点距離を変化させることが可能でありながら、外径がコンパクトなレンズ鏡筒を提供することを可能にするものである。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
前実施形態において、セグメントギヤリング90から第二群レンズ移動枠40に至るまでの自動合焦構では、セグメントギアリング90の動力は一旦キー部材110に伝達され、その後カムピン72を介してフォーカス中継筒70に伝達されている。つまり、セグメントギヤリング90の動力は、手動合焦機構の一部を介してフォーカス中継筒70に伝達されている。このような機構を採用することにより、前実施形態は、部品を効率よく使用し、レンズ鏡筒を安価に製造することを可能としている。
【0035】
しかし、前実施形態の機構では、セグメントギアリング90の突起部92とキー部材110との嵌合部、キー部材110とカムピン72との嵌合部、さらには、フォーカス中継筒70とカムピン42との嵌合部の合わせて3カ所において部材間の遊びがある。したがって、自動合焦機構全体では、これら3カ所の遊びが累積し、比較的大きな遊びが存在する。自動合焦機構にこのような大きな遊びがある場合には、セグメントギヤリング90と第二群レンズ移動枠40のそれぞれの動作の間で誤差が大きくなり、自動合焦による合焦用レンズ(第二群レンズ)の位置決め精度が低下する。このために、前実施形態では、高精度で自動合焦を行うことが困難であるという問題があった。また、合焦用レンズの位置決め精度が低い場合には、自動合焦機構の1回の動作により合焦用レンズを合焦が得られる所定の位置に配置することが困難である。このために、前実施形態では、合焦が得られるまでに、自動合焦機構を繰り返し動作させなければならないことがあり、迅速な自動合焦が担保できないという問題もあった。
【0036】
また、自動合焦機構の遊びの量は、その機構が同一であっても、それを構成する部品が異なると変わる。したがって、自動合焦機構の遊びには、レンズ鏡筒ごとにバラツキがある。このバラツキは、前実施形態のように自動合焦機構内の嵌合部の数が多い場合には、特に大きくなる。このために、前実施形態では、レンズ鏡筒ごとの自動合焦精度のバラツキが大きくなりやすく、均一な品質の製品を提供することが困難であるという問題があった。
【0037】
一方、前実施形態では、合焦用レンズを駆動するためのカム溝28及びカムピン42を2組備えていた。すなわち、ズームリング80の回転運動は、2組のカム溝28とカムピン42により光軸方向の運動に変換され、第二群レンズ移動枠40に伝達されていた。このように、同一種類のカム溝−カムピンを2組備えた場合には、一方の組のカム溝−カムピンにおいて生じる遊びは、他方の組みによって打ち消されるという効果が得られる。したがって、一般にレンズ鏡筒では、同一種類のカム溝−カムピンを2組以上備えることにより、カム機構全体の遊びを小さく抑制している。
【0038】
しかし、前実施形態では、調整可能な焦点距離の範囲をより大きくとる場合には、2組のカム溝28及びカムピン42を備えることができなくなる。これは、カム溝28が、第二群レンズ移動枠40の合焦動作と、焦点距離調整動作の双方を規定するカム溝であることに起因する。2つの機能を兼ねるカム溝28は、例えば合焦動作のみを規定するカム溝と比較すると、円周方向により長い。特に、前実施形態のように、調整可能な焦点距離の範囲が大きなレンズ鏡筒では、カム溝28は円周方向へ著しく長くなる。
【0039】
一方、カム溝28が円周方向に長くなると、カムピン42を貫通させるための逃げ溝57も円周方向に大きくなる。また、逃げ溝57が設けられている第三群レンズ移動枠50の強度は、逃げ溝57が大きくなるに従い低下する。このために、逃げ溝57がある程度以上に大きい場合(カム溝28が長い場合)には、逃げ溝57を1つに削減し、第三群レンズ移動枠50が十分な強度を維持できるようにしなければならない。係る事情から、調整可能な焦点距離の範囲を大きくとるべく、カム溝28を長くした場合には、前実施形態に備えることが可能なカム溝28とカムピン42の数は1組のみとなる。
【0040】
このように、レンズ鏡筒に備えるカム溝28とカムピン42の数を1組とした場合には、その1組のカム溝−カムピンにおける遊びを打ち消す他のカム溝−カムピンが存在しない。このために、カム機構の遊びは、カム溝−カムピンを2組備えるときよりも大きくなる。この結果、前実施形態においてカム溝28及びカムピン42を1本のみ備えることとすると、自動合焦機構の遊びが大きくなり、前述と同様の理由により、自動合焦の精度が低下する、あるいは、迅速な自動合焦を行うことが困難になるという問題があった。
【0041】
そこで、本発明の第一の課題は、外形がコンパクトでありながら広範囲に焦点距離を変更可能なレンズ鏡筒において、高精度で迅速な自動合焦を可能にすることである。
また、本発明の第二の課題は、合焦用光学系のズーミング動作及びフォーカシング動作を共通して規定するカム溝とそのカム溝に係合するカムピンを1組のみ用い、合焦用光学系を駆動するレンズ鏡筒において、自動合焦精度の低下を防止し、また、迅速な自動合焦を可能とすることにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、外部操作により、光軸中心に回転可能な手動駆動部(100、110)と、動力源からの動力により光軸中心に回転可能な自動駆動部(90)と、合焦用光学系のズーミング動作及びフォーカシング動作を共通して規定するカム溝(28)と前記カム溝に係合するカムピン(42)を1組用い、前記手動駆動部又は前記自動駆動部の回転運動を直進運動に変換して前記合焦用光学系を駆動する回転直進変換部(20、42、70、72)とを備え、前記手動駆動部、前記自動駆動部及び前記回転直進変換部は、相互に連動するレンズ鏡筒において、前記自動駆動部からの動力を前記手動駆動部を介さずに前記回転直進変換部に直接伝達する動力伝達部材(120)を有することを特徴とする。
【0043】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒おいて、前記回転直進変換部は、前記手動駆動部に係合する第1のカムピン(72)と、前記合焦用光学系に光軸方向の駆動力を伝達する第2のカムピン(42)と、前記第1及び第2のカムピンが、光軸方向に相対移動可能であって、回転方向に一体となるように光軸方向の異なる位置に配置され、前記第1のカムピンから前記第2のカムピンへ駆動力を中継する中継筒(70)と、第1及び/又は第2のカムピンの前記回転方向の運動に伴って、第1及び/又は第2のカムピンを光軸方向に移動させるカム筒(20)とを備え、前記動力伝達部は、前記中継筒に光軸方向へ相対運動可能に係合していることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明に係る実施形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態であるレンズ鏡筒の断面図である。図1において、図2に示した特願平7−142769に開示されたレンズ鏡筒と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付している。また、以下において、図2について記載したものと重複する説明は、適宜省略する。
【0046】
本実施形態は、特願平7−142769に開示されたレンズ鏡筒と比較した場合に、新たに連動キー120を備え、セグメントギアリング90の回転運動を連動キー120を介してフォーカス中継筒70に伝達する点において異なり、その他の構成は同一とするものである。
【0047】
連動キー120は、光軸平行に配置された棒状部材であり、屈曲した一端をセグメントギアリング90にねじ125により固定されている。セグメントギアリング90に固定されていない方の一端を含む連動キー120の部位は、フォーカス中継等の直進溝74に光軸方向の相対運動可能に嵌合している。ここで、直進溝74は、フォーカス中継筒70の内周面において、光軸に平行に備えられた溝部である。
【0048】
このように連動キー120は、セグメントギアリング90に一端を固定され、他端をフォーカス中継筒70に係合させている。したがって、自動合焦動作時にセグメントギアリング90が回転すると、その回転運動は連動キー120を介してフォーカス中継筒70に伝達され、フォーカス中継筒70はセグメントギアリング90と一体となって光軸中心に回転する。さらに、フォーカス中継筒70の回転運動は、カムピン42に伝達され、カムピン42及びカム溝28によって光軸方向の直進運動に変換された後に、第二群レンズ移動枠40に伝達される。
【0049】
このように本実施形態では、新たに連動キー120を設けたので、セグメントギアリング90からフォーカス中継筒70に至るまでの経路(自動合焦機構)で部品間の遊びがある箇所は、連動キー120とフォーカス中継筒70との嵌合部、及びフォーカス中継筒70とカムピン42との嵌合部の2カ所のみとなっている。すなわち、本実施形態の自動合焦機構では、特願平7−142769に開示されたレンズ鏡筒の自動合焦機構より遊びの存在する箇所が削減され、自動合焦機構全体の遊びの量が減少している。この結果、本実施形態では、自動合焦機構による第二群レンズ移動枠40の光軸方向の位置決め精度が向上し、従来より高精度の自動合焦を実現することを可能としている。同時に、本実施形態では、繰り返し自動合焦機構を作動させることなく、迅速に自動合焦を達成することをも可能としてる。
【0050】
また、自動合焦機構における遊びの存在する箇所が減少したことから、レンズ鏡筒間での自動合焦機構における遊びのバラツキが少なくなっている。したがって、本実施形態では、レンズ鏡筒ごとの自動合焦精度のバラツキが少なく、均一な品質の製品を容易に提供することが可能となっている。
さらに、本実施形態では、フォーカスリング100から第二群レンズ移動枠40に至るまでの手動合焦機構を変更することなく上記自動合焦機構の改良を行ったので、手動合焦については、従来通りの良好な操作性を維持しつつ上記効果を取得することを可能としている。
【0051】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態であるレンズ鏡筒の断面図である。本実施形態は、基本的な機構を第1実施形態と同一としながら、調整可能な焦点距離の範囲を第1実施形態よりさらに広く設定したレンズ鏡筒である。したがって、本実施形態では、カム溝28の円周方向長さが第1実施形態のそれよりも長い。このために、前述した理由により、本実施形態ではカム溝28及びカムピン42を2組備えることができず、カム筒20の回転運動は、1組のカム溝28及びカムピン42により光軸方向の直進運動に変換されて、第二群レンズ移動枠40に伝達される。つまり、本実施形態は、カム溝28及びカムピン42を1組のみ備える点において第1実施形態と異なっている。
【0052】
ここで、本実施形態における自動合焦時の動力伝達経路を特願平7−142769のそれと比較する。特願平7−142769では、前述のように、手動合焦機構の一部を介してセグメントギアリング90の動力をフォーカス中継筒70に伝達することとしているために、部品効率がよい機構を有し、安価に製造できるレンズ鏡筒となっている。
【0053】
しかし、特願平7−142769の機構では、既に説明したように3カ所の嵌合部において遊びが存在する。したがって、仮に本実施形態と同じようにカムピン42及びカム溝28を1組に削減すると、この削減により増大するカム機構の遊びが、前述の3カ所の嵌合部における遊びにさらに加わることとなる。この結果、自動合焦機構全体の遊びが増大し、自動合焦の精度が低下するとともに、迅速な自動合焦を行えない恐れが生じる。
【0054】
これに対して本実施形態では、連動キー120を設けているために、自動合焦機構が有する部品点数は、特願平7−142769のレンズ鏡筒より多くなっている。しかし、セグメントギアリング90からフォーカス中継筒70に至るまでの経路で遊びがある箇所は、連動キー120とフォーカス中継筒70の嵌合部、及び、フォーカス中継筒70とカムピン42の嵌合部の2カ所に減少している。すなわち、本実施形態は、カムピン42とカム溝28を1組のみとしたことにより増大した遊びを自動合焦機構全体において打ち消すべく、部品効率を犠牲にしつつも嵌合部の個数を減らし、機構を最適化しているのである。この結果、本実施形態では、焦点調整が可能な範囲を従来以上に拡大したために、合焦用レンズ群を駆動するカム溝及びカムピンを1組しか備えられないにもかかわらず、自動合焦時における合焦精度の低下を防止し、また、迅速な自動合焦を可能としている。
【0055】
また、本実施形態では、焦点距離の調整可能範囲の拡大に伴いカム筒20の回転角が増大していることから、カムピン72を貫通させるためにカム筒20に設けられている逃げ溝も、第1実施形態より拡大している。このために本実施形態では、第1実施形態では2つ備えられていたカムピン72の数を1つに制限し、カム筒20に設けられる逃げ溝の総面積の増大を防止し、もってカム筒20の強度を維持している。この結果、カムピン72とキー部材110の案内溝113との嵌合部における遊びは、既にカム溝28及びカムピン42を例に説明したのと同様の理由から、特願平7−142769のレンズ鏡筒より増大している。しかし、本実施形態では、新たに連動キー120を設け、自動合焦用の動力が案内溝113とカムピン72の嵌合部を経由しないこととしている。したがって、本実施形態では、カムピン72と案内溝113との嵌合部における遊びが増大したにも関わらず、その影響が自動合焦機構に現れることはない。
【0056】
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、連動キー120がフォーカス中継筒70と係合する部位を光軸に平行な直進溝(74)とし、連動キー120とフォーカス中継筒70が光軸方向に相対移動ができる状態としているので、特願平7−142769が奏する全ての効果を維持しつつ、それぞれの実施形態固有の効果をも奏することを可能としている。
【0057】
すなわち、各々の実施形態では、ワイド状態においてカム筒20の大径部21は、その全部をレンズ鏡筒の外筒に収納され、また、第一群レンズ移動枠30の円筒部31は、その全部をカム筒20の大径部21に収納される。このために、各実施形態のレンズ鏡筒は、レンズ群をレンズ鏡筒の後方に引いた場合に、光軸方向の全長が短く、コンパクトな形状となる。
【0058】
一方、各実施形態では、固定筒10よりカム筒20を繰り出し、そのカム筒20より第三群レンズ移動枠50を繰り出し、さらに第三群レンズ移動枠50より第一群レンズ移動枠30を繰り出す構成とすることにより、第一群レンズ移動枠30の移動範囲を広くしている。この結果、各実施形態のレンズ鏡筒は、上述のようにコンパクトな形状をしていながら、広い範囲において焦点距離を変えることを可能としている。
【0059】
また、各実施形態では、第二群レンズ移動枠40とキー部材110をフォーカス中継筒70及びカムピン72を介して係合させたことから、カムピン72とキー部材110の係合位置は、カムピン42の位置によらず、光軸方向に自由に設定することが可能となっている。この結果、各実施形態は、レンズ鏡筒の設計の自由度が増大するという効果を得ている。また、各実施形態においては、カムピン72とキー部材110の係合位置を第一群レンズ移動枠30と干渉することのないレンズ鏡筒の後側に配置したことにより、レンズ鏡筒の光軸方向長さ及び外径を小さくできるという効果を得ている。
【0060】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1に係る発明によれば、撮影光学系のズーミング動作及びフォーカシング動作を共通して規定するカム溝を1つのみ用いて合焦用の光学系を駆動するレンズ鏡筒において、自動合焦精度の低下を防止し、迅速な自動合焦を行うことが可能となった。請求項2に係る発明によれば、外形がコンパクトでありながら広範囲に焦点距離を変更可能なレンズ鏡筒において、請求項1に係る発明の効果を奏することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレンズ鏡筒の断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態であるレンズ鏡筒の断面図である。
【図3】特願平7−142769に記載された発明に係るレンズ鏡筒の断面図及びそのレンズ鏡筒に使用されるキー部材の部分側面図。
【図4】特願平7−142769に記載された発明に係るレンズ鏡筒がワイド状態及びテレ状態であるときの断面図、並びに、そのレンズ鏡筒に使用されるキー部材の部分側面図。
【図5】特願平7−142769に記載された発明に係るレンズ鏡筒に備えたカム溝の展開図。
【図6】特願平7−142769に記載された発明に係るレンズ鏡筒に備えた図5と異なるカム溝の展開図。
【符号の説明】
10 固定筒 20 カム筒
28 カム溝 30 第一群レンズ移動枠
40 第二群レンズ移動枠 42 カムピン
50 第三群レンズ移動枠 60 第四群レンズ移動枠
70 フォーカス中継筒 72 カムピン
80 ズームリング 90 セグメントギアリング
100 フォーカスリング 110 キー部材
120 連動キー
L1 第一群レンズ L2 第二群レンズ
L3 第三群レンズ L4 第四群レンズ
A テレ状態での合焦動作による第二群レンズ移動枠の光軸方向移動距離
B ワイド状態での合焦動作による第二群レンズ移動枠の光軸方向移動距離
F レンズ鏡筒の光軸に平行な直線
M 焦点距離調整によるカムリングの光軸方向移動距離
m1 焦点距離調整による第一群レンズ移動枠の光軸方向移動距離
m2 焦点距離調整による第二群レンズ移動枠の光軸方向移動距離
m3 焦点距離調整による第三群レンズ移動枠の光軸方向移動距離
m4 焦点距離調整による第四群レンズ移動枠の光軸方向移動距離

Claims (2)

  1. 外部操作により、光軸中心に回転可能な手動駆動部と、
    動力源からの動力により光軸中心に回転可能な自動駆動部と、
    合焦用光学系のズーミング動作及びフォーカシング動作を共通して規定するカム溝と前記カム溝に係合するカムピンを1組用い、前記手動駆動部又は前記自動駆動部の回転運動を直進運動に変換して前記合焦用光学系を駆動する回転直進変換部と、
    を備え、
    前記手動駆動部、前記自動駆動部及び前記回転直進変換部は、相互に連動するレンズ鏡筒において、
    前記自動駆動部からの動力を前記手動駆動部を介さずに前記回転直進変換部に直接伝達する動力伝達部材を有する、
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒おいて、
    前記回転直進変換部は、
    前記手動駆動部に係合する第1のカムピンと、
    前記合焦用光学系に光軸方向の駆動力を伝達する第2のカムピンと、
    前記第1及び第2のカムピンが、光軸方向に相対移動可能であって、回転方向に一体となるように光軸方向の異なる位置に配置され、前記第1のカムピンから前記第2のカムピンへ駆動力を中継する中継筒と、
    第1及び/又は第2のカムピンの前記回転方向の運動に伴って、第1及び/又は第2のカムピンを光軸方向に移動させるカム筒と、
    を備え、
    前記動力伝達部材は、前記中継筒に光軸方向へ相対運動可能に係合している、
    ことを特徴とするレンズ鏡筒。
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