JP3663676B2 - 鍵駆動装置及び自動鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鍵を駆動する鍵駆動装置、及び該鍵駆動装置を各鍵毎に有する自動鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鍵盤に設けられている鍵を手動操作によることなく、自動的に駆動する自動鍵盤装置が知られている。この自動鍵盤装置には、各鍵毎に鍵駆動装置が配置されており、各鍵駆動装置は、鍵を所定の離鍵位置に付勢するスプリングと、このスプリングに抗して鍵を所定の押鍵位置に駆動する電磁アクチュエータとで構成されている。そして、例えば図13(a)に示すような、4分音符長であって音高C4,E4,G4からなる和音の自動演奏情報が入力されると、同図(c)に示すように、この音高C4,E4,G4に対応する鍵の電磁アクチュエータに電流供給を開始し、これにより、音高C4,E4,G4に対応する鍵は、押鍵位置に駆動される。また、対応する電磁アクチュエータへの電流供給は、4分音符長に対応する時間をもって継続し、該時間が経過すると電流供給を停止する。すると、音高C4,E4,G4に対応する鍵は、4分音符長に対応する時間が経過した時点で、スプリングの付勢力によって離鍵位置に復帰し、これにより、自動演奏情報に基づき発生する楽音に合わせて、鍵を自動的に動作させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように従来の装置にあっては、自動演奏データが示す音符長に対応する時間をもって電磁アクチュエータに電流を供給して、鍵を駆動するように構成されている。したがって、各電磁アクチュエータへの電流供給時間が長くなる結果、消費電力も大きくなり、長い音符長を多数含む曲である場合には、消費電力は多大となってしまう。また、電磁アクチュエータは、電流の供給に伴って発熱動作することから、電流供給時間が長いと発熱に伴って電磁アクチュエータの温度が上昇してしまう。したがって、この電磁アクチュエータの温度上昇を防止すべく、耐熱性や放熱性を確保しなければならず、これにより装置が大型化したり高コスト化する不利が生じてしまう。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、短時間の電流供給により動作させることのできる鍵駆動装置及び自動鍵盤装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明にかかる請求項1記載の発明は、所定の離鍵位置と押鍵位置とに回動自在であって、離鍵位置に付勢された鍵と、前記鍵を前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容する駆動手段と、を有して成る鍵駆動装置であって、前記駆動手段は、前記鍵に連係され、前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容するプランジャと、前記離鍵位置から前記押鍵位置に移動したプランジャを当該押鍵位置に保持する永久磁石と、第1のパルスにより動作して、前記プランジャを前記離鍵位置から前記押鍵位置方向に駆動するとともに、第2のパルスにより動作して、前記プランジャを前記永久磁石に抗して当該押鍵位置から離鍵位置方向へ駆動するソレノイドと、を有して成り、
更に、前記駆動手段は、前記鍵の下部に配置され、前記プランジャは、前記鍵を遊嵌状態で挿通し、上端部にストッパが設けられる一方、該ストッパと当該鍵の上面との間に、弾性部材が介挿されている。
【0006】
前記課題を解決するため本発明にかかる請求項2記載の発明は、所定の離鍵位置と押鍵位置とに回動自在であって、離鍵位置に付勢された鍵と、前記鍵を前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容する駆動手段と、を有して成る鍵駆動装置であって、前記駆動手段は、前記鍵に連係され、前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容するプランジャと、前記離鍵位置から前記押鍵位置に移動したプランジャを当該押鍵位置に保持する永久磁石と、第1のパルスにより動作して、前記プランジャを前記離鍵位置から前記押鍵位置方向に駆動するとともに、第2のパルスにより動作して、前記プランジャを前記永久磁石に抗して当該押鍵位置から離鍵位置方向へ駆動するソレノイドと、を有して成り、更に、前記駆動手段は、前記鍵の上部に配置され、前記プランジャは、前記鍵を遊嵌状態で挿通し、下端部に、当該鍵の下面に当接するストッパが設けられている。
【0007】
【作用】
前記構成の鍵駆動装置において、第1のパルスが入力されると、駆動手段は鍵を離鍵位置から押鍵位置に駆動し、これにより鍵は押鍵状態となる。また、第2のパルスが入力されると、駆動手段は鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容し、離鍵位置に付勢されている鍵は、該離鍵位置に復帰する。
【0008】
また、前記構成の自動鍵盤装置において、自動演奏情報発生手段から自動演奏情報が発生すると、制御手段は自動演奏情報に含まれるキー情報に対応する駆動手段に、キーオン情報に基づき第1のパルスを出力する。すると、当該駆動手段は、鍵を離鍵位置から押鍵位置に駆動し、これにより鍵はキーオン情報に応答して、押鍵状態となる。また、自動演奏情報にキーオフ情報が含まれていると、制御手段は対応する駆動手段に、キーオフ情報に基づき第2のパルスを出力する。すると、当該駆動手段は、鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容し、離鍵位置に付勢されている鍵はキーオフ情報に応答して、離鍵状態に復帰する。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図にしたがって説明する。この実施例は、本発明を電子楽器に適用したものであり、図1に示すように、この電子楽器の鍵盤部1には、シャーシ2が設けられている。シャーシ2には、上部水平壁3、この上部水平壁3の端部に連なる凹部4、この凹部4の端部に連なる中央水平壁5、及びこの中央水平壁の端部に開口部6を介して連なる下部水平壁7等が一体的に形成されている。また、中央水平壁5の下面であって開口部6の近傍には、上部パッド8が貼設され、下部水平壁7の上面であって開口部6の近傍には、下部パッド9が貼設されている。
【0010】
中央水平壁5の下面側には、プリント基板10が配設されており、このプリント基板10には、第1鍵盤スイッチ11と第2鍵盤スイッチ12とが設けられている。この両鍵盤スイッチ11,12は、一対の固定接点13aと、この一対の固定接点13aを覆うゴム製のドーム状部材14、及びこのドーム状部材14の下面に装着された可動接点13bを有し、ドーム状部材14の上端部は、前記中央水平壁5よりも上方に突設されている。
【0011】
鍵盤部1に配置されている複数の鍵15は、一端部において前記上部水平壁3に固着され、この固着部位の近傍には、ヒンジ16と貫通孔19とが順次形成されている。ヒンジ16は、同図に示すように、当該鍵15を略水平な離鍵位置Rに弾持する付勢力と、後述する押鍵位置Oに回動させ得る可撓性、及びこの押鍵位置Oから離鍵位置Rに復帰させる復元力を備えている。鍵15の下面には、前記ドーム状部材14,14の上面に対向する第1突起17と第2突起18とが形成されているとともに、前記開口部6内に遊挿された略L字状のアーム部20が設けられている。これにより、鍵15は、アーム部20が前記上部パッド8に当接した離鍵位置Rに弾持されているとともに、アーム部20が下部パッド9に当接する押鍵位置O(図9,10参照)まで回動可能に構成されている。
【0012】
また、このように鍵15が離鍵位置Rから押鍵位置Oまで回動すると、回動時の速度、つまりは押鍵時のタッチの強さに応じた時間間隔で、第1突起17と第2突起18とが順次ドーム状部材14,14に圧接する。これにより、ドーム状部材14,14が順次収縮変形して、可動接点13bが一対の固定接点13aと接触し、第1及び第2鍵盤スイッチ11,12が、タッチの強さに応じた時間差を持って順次オンとなる。このオン時間差により押鍵時のベロシティデータを得ることができ、また、第1鍵盤スイッチ11のオフからオンへの変化により押鍵を、第2鍵盤スイッチ12のオンからオフへの変化により離鍵を検出することが可能となる。
【0013】
他方、前記凹部4内には、駆動手段としてのラッチソレノイド22が配置されている。このラッチソレノイド22は、図2に示すように、円筒形のハウジング23を有している。ハウジング23の内部には、その一端部側に永久磁石24が配置され、他端部側にソレノイド25が配置されているとともに、該ソレノイド25と永久磁石25間には空隙部26が設けられている。ソレノイド25の中心部には、プランジャ27が摺動自在に挿通されており、該プランジャ27の一端部には、前記空隙部26に位置する円盤状のヨーク28が設けられ、他端部には前記ハウジング23の外部に位置し同様に円盤状のストッパ29が設けられている。
【0014】
そして、このラッチソレノイド22は、図1に示すように、ハウジング23を下部にした垂直状態で、凹部4内に固定されているとともに、プランジャ27は前記貫通孔19に遊嵌状態で嵌挿され、鍵15の上部に前記ストッパ29が位置している。また、このストッパ29と鍵15の上面間には、プランジャ27に遊嵌された弾性部材としてのコイルスプリング30が介挿されている。したがって、コイルスプリング30のバネ力により、プランジャ27は垂直上方に付勢されて、図2に実線で示したように、ヨーク28を空隙部26の上端部に位置させた伸長状態に維持される。なお、図1においては白鍵21A部分の断面構造を示したが、黒鍵21B部分の断面構造も同様である。
【0015】
図3は、本実施例の全体構成を示すブロック図である。このブロック図において、前記第1鍵盤スイッチ11及び第2鍵盤スイッチ12のオン・オフ情報は、鍵盤部1より制御部31に入力される。スイッチ部32は、電源スイッチ、音色設定スイッチ、自動駆動モードとマニュアルモードとを選択的に設定するためのモードスイッチ等の、各種機能スイッチを有し、これらスイッチの操作情報を制御部31に送出する。
【0016】
制御部31は、これら入力情報と記憶部33に格納されているプログラム及び自動演奏情報等に従って動作し、この電子楽器において必要な全ての処理を実行し、電流制御部34及び音源部35を制御する。音源部35は、制御部31からの指示に従って楽音波形データを生成し、D/A変換部36はこの楽音波形データをアナログ信号に変換する。このアナログ信号に変換された波形信号はアンプ37により増幅され、この増幅された波形信号がスピーカ38に与えられることによって、スピーカ38からは、制御部31が指示する音高、音量、音長等からなる楽音が発生する。
【0017】
前記記憶部33に記憶されている自動演奏情報は、図4に示したオン/オフデータ、キーデータ、ベロシティデータ、タイムデータを1組とする複数組の演奏データで構成されている。この1組の演奏データにおいて、オン/オフデータは発音を指示するキーオン及び消音を指示するキーオフのいずれかであり、キーデータは、鍵盤部1において音高順に配置されている鍵の鍵番号を示すデータである。また、ベロシティデータは、自動駆動モードにおいて、鍵15を押下駆動する際の速度を示すデータである。
【0018】
すなわち、電流制御部34は、図5に示すベロシティデータ−電流値変換テーブルを有しており、この変換テーブルにはベロシティデータが示す所定の最少値から最大値までに対応して、0.75Aから1Aまでに変化する電流値が記憶されている。したがって、制御部31が記憶部33から読み出した演奏データに含まれているベロシティデータを電流制御部34に送出すると、この電流制御部34は、ベロシティデータを0.75Aから1Aまでの電流値に変換する。また、これと同時に電流制御部34は、制御部31から与えられたキーデータに従って電流供給経路の切り替えを行う。これにより、キーデータが示す鍵番号に対応する鍵のラッチソレノイド22のソレノイド25に、前記電流値が示す電流が供給されるように構成されている。
【0019】
なお、演奏データにおいてタイムデータは、次の1組の演奏データを読み出すまでの時間を示し、制御部31はこのタイムデータが示す時間間隔で、記憶部33から次の1組の演奏データを読み出す。
【0020】
次に、以上の構成にかかる本実施例の動作を図6以降に示したフローチャートに従って説明する。すなわち、制御部31は、電源スイッチのオンの伴って図6に示すフローに従って処理を開始し、レジスタに初期値を設定する等の初期処理(SA1)を実行する。次に、スイッチ処理(SA2)を実行して、スイッチ部32を走査し、設定されている音色やモードを取り込む。引き続き、後述する鍵駆動処理(SA3)を行った後、鍵処理(SA4)を実行し、電源スイッチがオンである間、SA2〜SA4のループを繰り返す。
【0021】
前記鍵処理(SA4)においては、鍵盤部1の各鍵毎に設けられている前記両鍵盤スイッチ11,12を走査し、この両鍵盤スイッチ11,12のオン時間差により押鍵時のベロシティデータを、第1鍵盤スイッチ11のオフからオンへの変化により押鍵を、第2鍵盤スイッチ12のオンからオフへの変化により離鍵を検出するとともに、各スイッチ11,12により対応する鍵のキーデータを検出する。そして、これら検出したデータに基づき、音源部35に発音指示あるいは消音指示することにより、演奏操作されあるいは後述する鍵駆動処理により駆動された鍵に対応する楽音が、順次スピーカ38から発生する。
【0022】
前記鍵駆動処理(SA3)は、図7に示すフローに従って行われ、先ず自動駆動モードが設定されているか否かを判別する(SB1)。この判別の結果、自動駆動モードではなくマニュアルモードが設定されている場合には、図6に示したメインフローのSA4にリターンする。また、自動駆動モードが設定されているならば、現在読み出されている自動演奏データのタイムデータが“0”となったか否かを判別する(SB2)。
【0023】
すなわち、この鍵駆動処理の実行時には、図8に示すインタラプト処理が一定時間間隔で割り込んで実行される。そして、現在読み出されている自動演奏データのタイムデータが“0”となったか否かを判別して(SC1)、“0”となるまで、タイムデータをデクリメントする(SC2)。したがって、読み出された演奏データ中のタイムデータは一定の時間間隔でデクリメントされ、タイムデータが示す時間が経過して、タイムデータ=0となると、図7のフローにおいて、SB2からSB3に進んで、次の新たな1組の演奏データを読み出す(SB3)。
【0024】
引き続き、この読み出した1組の演奏データに含まれているオン/オフデータがキーオンデータであるか否かを判別する(SB4)。この判別の結果、キーオンデータである場合には、当該演奏データのキーデータとベロシティデータとを電流制御部34に送出するとともに(SB5)、電流制御部34に+電流出力を指示する(SB6)。すると、電流制御部34は、前述の図5に示すベロシティデータ−電流値変換テーブルを用いて ベロシティデータが示す値を、0.75Aから1Aまでのいずれかの電流値に変換する。これにと同時に電流制御部34は、キーデータに従って電流供給経路の切り替えを行い、キーデータが示す鍵番号に対応する鍵のラッチソレノイド22のソレノイド25に、前記電流値であって“+”の電流を供給する。
【0025】
すると、ソレノイド25は励磁状態となって、図2に実線で示したように空隙部26の上端部に位置していたヨーク28を、該上端部から下面へ引きつける方向の磁力を発生し、これにより、ヨーク28は下方への移動を開始する。また、このヨーク28と一体的にプランジャ27及びストッパ29も下動する結果、鍵15の上面には、収縮するコイルスプリング30を介して下方への押圧力が作用し、鍵15はヒンジ16の付勢力に抗して、離鍵位置Rから押鍵位置O方向に回動する。
【0026】
このとき、ソレノイド25に供給される電流の値は、前記ベロシティデータの値に対応した大きさであることから、鍵15はベロシティデータに応じた速度で離鍵位置Rから押鍵位置O方向へ回動し、よって、両鍵盤スイッチ11,12は、ベロシティデータに応じた時間差で順次オンとなる。したがって、前述の鍵処理(SA4)で、この両鍵盤スイッチ11,12のオン時間差や、第1鍵盤スイッチ11に基づく押鍵、オンとなった各鍵盤スイッチ11,12に対応する鍵のキーデータを検出して、音源部35に発音指示あるいは消音指示することにより、この鍵駆動処理により駆動された鍵に対応する音高であって、ベロシティデータに応じた特性の楽音がスピーカ38から発生する。
【0027】
そして、次のSB7では、前述のSB6で行った電流出力指示から0.15秒経過したか否かを判別し、経過するまで待機する。したがって、その間電流制御部34は、対応するソレノイド25への電流供給を継続し、0.15秒が経過した時点で、電流制御部34に電流出力停止を指示する(SB8)。よって、電流制御部34は、図13(b)に示すように、パルス幅0.15secからなるパルス電流を対応するソレノイド25に供給することとなる。この間、ヨーク28はソレノイド25からの磁力を受けて下動して、空隙部26の下端部に到達し、これに伴って鍵15は押鍵位置Oに到達する。
【0028】
そして、このように鍵15が押鍵位置Oまで回動すると、空隙部26の下端部には、永久磁石24が設けられていることから、パルス電流の供給が停止しても、ヨーク28は永久磁石24の磁力により吸引されて、空隙部26の下端部に位置し続ける。よって、プランジャ27及びストッパ29もヨーク28と一体的に、押鍵位置Oに到達した時点の位置を維持し、その結果、図9に示すように、鍵15は押鍵位置Oに維持される。
【0029】
他方、SB4の判別の結果、キーオフデータである場合には、当該演奏データのキーデータを電流制御部34に送出するとともに(SB9)、電流制御部34に−電流出力を指示する(SB10)。すると、電流制御部34は、キーデータに従って電流供給経路の切り替えを行い、キーデータが示す鍵番号に対応する鍵のラッチソレノイド22のソレノイド25に、“−”の電流を供給する。
【0030】
すると、ソレノイド25は再度励磁状態となって、永久磁石24の磁力により空隙部26の下端部に拘束されていたヨーク28を、永久磁石24から引き離す方向の磁力を発生し、ヨーク28は永久磁石24に抗して上方への移動を開始する。また、このヨーク28と一体的にプランジャ27及びストッパ29も上動する結果、コイルスプリング30を介して鍵15の上面に作用してた押圧力は、該コイルスプリング30の伸長に伴って、解除される。したがって、鍵15はヒンジ16の復元力により、離鍵位置Rから押鍵位置O方向に回動する。
【0031】
そして、次のSB11では、前述のSB10で行った電流出力指示から0.15秒経過したか否かを判別し、経過するまで待機する。したがって、その間電流制御部34は、対応するソレノイド25への電流供給を継続し、0.15秒が経過した時点で、電流制御部34に電流出力停止を指示する(SB12)。よって、電流制御部34は、図10(b)に示すように、パルス幅0.15secからなるパルス電流を対応するソレノイド25に供給することとなる。この間、ヨーク28はソレノイド25からの磁力を受けて上動して、空隙部26の上端部に到達し、これに伴って鍵15は離鍵位置Rに到達する。
【0032】
そして、このように鍵15が押鍵位置Rまで回動すると、ヒンジ16は、前述のように、鍵15を離鍵位置Rに弾持する付勢力を有していることから、パルス電流の供給が停止しても、鍵15は離鍵位置Rの状態を維持する。また、この離鍵位置Oとなった鍵15上で、コイルスプリング30が伸長状態に復帰する結果、ラッチソレノド22は、ヨーク28を空隙部26の上端部に位置させた初期状態に維持することとなる。
【0033】
このように鍵15が離鍵位置R方向へ回動すると、これに伴って第2鍵盤スイッチ12が先行してオフになる。すると、前述のSA4の処理において制御部31は、対応する楽音の消音を音源部35に指示し、これによりスピーカ38から発生していた当該鍵の音高は消音される。したがって、前述のように鍵15の押鍵位置Rへの回動に伴って発音が指示され、また、このように離鍵位置Rの方向への回動に伴って消音が指示されることにより、自動演奏情報を構成する曲が、鍵15の動きを伴いつつ、自動演奏されることとなる。このとき、図13(a)に示すように、C4、E4、G4からなる4分音符長の和音を発生させるデータであったとしても、同図(b)に示したように、4分音符長時間の開始時と終了時とに各々0.15secをもって、最大1Aの電流が消費されるに過ぎない。よって、同図(c)に示した4分音符長時間に亙って電流を供給し続ける従来の装置と比較して、電力消費量を大幅に削減することができる。
【0034】
また、制御部31が図6及び図7に示すフローに従って動作することにより、図10(a)に示すC4、E4、G4からなる4分音符長の和音を発生させるデータに対応する処理は、時分割で行われることとなる。したがって、同図(b)に示すように、各音高C4,E4,G4の発音時及び消音時に、電流制御部34が発生するパルス電流も時分割で出力される。よって、必要最大電流も1Aで済み、同図(c)に示した従来よりも、必要最大電流の低減を図ることが可能となる。
【0035】
なお、前記自動駆動モードを設定することなくマニュアルモードを設定して、図10に示すように、ユーザーが指Fで押鍵を行った場合には、鍵15はヒンジ16の付勢力に抗して、離鍵位置Rから押鍵位置Oに回動する。しかし、コイルスプリング30の付勢力により、ストッパ29は従前の位置の弾持されることから、このストッパ29が設けられているプランジャ27も下降することなく、そのままの位置を保持する。したがって、手動での押鍵時にプランジャ27が下降してヨーク28が永久磁石24に磁着されてしまうことはなく、離鍵した時点で鍵15はヒンジ16の復元力により、離鍵位置Rに復帰する。よって、ラッチソレノイド22を用いても、支障なく手動での演奏を行うことができる。また、この手動での演奏時に、押鍵に伴って第1鍵盤スイッチ11と第2鍵盤スイッチ12とがオンとなって楽音の発生が指示され、また、離鍵に伴って第2スイッチ12がオフになると消音が指示されることは、前述の自動駆動モード時と同様である。
【0036】
図11は、本発明の他の実施例を示すものである。すなわち、シャーシ2の上部水平壁3上には凸部39が形成されているとともに、鍵15の先端下面にも凸部40が形成されている。そして、この両凸部39,40にピン41を挿通することにより、鍵15はシャーシ2に回動自在に支持されている。また、両凸部39,40の近傍であって、中央水平壁5と鍵15との間にはコイルスプリング42が介挿されており、このコイルスプリング42により鍵15は離鍵位置Rに弾持されている。
【0037】
一方、上部水平壁3の端部には、起立壁43が立設されており、該起立壁43の先端には取付片44が垂設されている。この取付片44には、接着部材45を介して、ラッチソレノイド22のハウジング23が固着されている。ラッチソレノイド22は、前述した実施例とは逆に、ハウジング23を上方にしてプランジャ27を下方にした状態で固定されている。そして、プランジャ27は貫通孔19に遊挿されているとともに、ストッパ29は鍵15の下面に当接している。
【0038】
かかる構成において、前記制御部31は前述の図6〜8に示すフローに従って動作する。したがって、自動駆動モードの状態でキーオンデータが読み出されると、キーデータが示す鍵に対応するラッチソレノイド22のソレノイド25に“+”のパルス電流が供給される。すると、ソレノイド25は励磁状態となって、空隙部26の下端部に位置していたヨーク28を、該下端部から引き離す方向の磁力を発生する。これにより、ヨーク28は上方に移動し、このヨーク28と一体的にプランジャ27及びストッパ29も上動する結果、図12に示すように、鍵15はコイルスプリング42の付勢力に抗して、離鍵位置Rから押鍵位置Oに回動する。
【0039】
そして、このように鍵15が押鍵位置Oまで回動すると、パルス電流の供給は終了するが、空隙部26の上端部には、永久磁石24が設けられていることから、パルス電流の供給が停止しても、ヨーク28は永久磁石24の磁力により吸引されて、空隙部26の下端部に位置し続ける。よって、プランジャ27及びストッパ29もヨーク28と一体的に、押鍵位置に到達した時点の位置を維持し、その結果、鍵15は押鍵位置Oに維持される。
【0040】
また、キーオフデータが読み出されると、キーデータが示す鍵に対応するラッチソレノイド22のソレノイド25に“−”のパルス電流が供給される。すると、ソレノイド25は再度励磁状態となって、永久磁石24の磁力により空隙部26の上端部に位置していたヨーク28を、該上端部から引き離す方向の磁力を発生する。これにより、ヨーク28は下方に移動し、このヨーク28と一体的にプランジャ27及びストッパ29も下動する。その結果、鍵15はコイルスプリング42の付勢力を受けて、押鍵位置Oから押鍵位置Rに回動した後、コイルスプリング42の付勢力により、離鍵位置Rに維持される。
【0041】
また、マニュアルモードにおいてユーザーが指で押鍵を行った場合には、鍵15はコイルスプリング42の付勢力に抗して、離鍵位置Rから押鍵位置Oに回動する。しかし、プランジャ27は自重により従前の位置を保持することから、鍵15が押鍵位置Oに回動しても、ヨーク28が永久磁石24に磁着されてしまうことはなく、よって、離鍵した時点で鍵15はコイルスプリング42の付勢力により、離鍵位置Rに復帰する。したがって、この実施例においても、ラッチソレノイド22を用いつつ支障なく手動での演奏を行うこと可能となる。
【0042】
なお、実施例においては、自動演奏情報に基づき鍵を駆動し、この駆動した鍵の動作に応じてスピーカから楽音を発生するようにしたが、自動演奏情報に基づいて鍵の駆動処理と楽音の発生処理の双方を行うようにしてもよい。また、本発明は、電子楽器のみではなく、アコースティックピアノ等に適用されてもよい。
【発明の効果】
以上説明したように本発明の鍵駆動装置は、第1のパルスにより動作して、鍵を離鍵位置から押鍵位置に駆動し、第2のパルスにより動作して、鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容する構成としことから、鍵駆動時の消費電力を低減することができる。また、電流供給時間を短くして、装置の温度上昇を抑制することができ、これにより、耐熱性や放熱性の確保を不要にして、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0043】
また、駆動手段が、プランジャと永久磁石及びソレノイドで構成されることにより、既存のラッチソレノイドを用いて、低コストで装置を製造することが可能となる。さらに、駆動手段を鍵の下部に配置して、プランジャを鍵に遊嵌状態で挿通するとともに、その上端部にストッパを設けて、該ストッパと鍵の上面間に、弾性部材が介挿する構成により、鍵の自動駆動のみならず、手動での操作も可能となる。また、駆動手段を鍵の上部に配置して、プランジャを鍵に遊嵌状態で挿通するとともに、下端部に、前記鍵の下面に当接するストッパを設ける構成により、同様に鍵の自動駆動のみならず、手動での操作も可能となる。
【0044】
また、本発明の自動鍵盤装置は、キーオン情報に基づき前記第1のパルスを入力するとともに、キーオフ情報に基づき前記第2のパルスを入力することから、長い音符長を多数含む曲の自動演奏情報に基づき鍵を駆動する場合であっても、消費電力を抑制することができる。さらに、複数のキーオン情報と複数のキーオフ情報とに対応する、複数のパルスを時分割出力することにより、必要最大電流の低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した電子楽器における鍵盤部の垂直断面図である。
【図2】ラッチソレノイドの垂直断面斜視図である。
【図3】電子楽器のブロック構成図である。
【図4】自動演奏情報における1組の演奏データの構成を示す図である。
【図5】ベロシティデータ−電流値変換特性図である。
【図6】本実施例のメインフローを示すフローチャートである。
【図7】鍵駆動処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】インタラプト処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】本実施例の押鍵位置に駆動された状態を示す垂直断面図である。
【図10】本実施例の押鍵位置に手動操作した状態を示す垂直断面図である。
【図11】本発明の他の実施例における鍵盤部の垂直断面図である。
【図12】同実施例の押鍵位置に駆動された状態を示す垂直断面図である。
【図13】(a)は和音の構成を示す音符図、(b)は本発明の一実施例における(a)の和音に対応する入力電流波形図、(c)は従来の装置における(a)の和音に対応する入力電流波形図である。
【符号の説明】
1 鍵盤部
15 鍵
16 ヒンジ
19 貫通孔
22 ラッチソレノイド
24 永久磁石
25 ソレノイド
26 空隙部
27 プランジャ
28 ヨーク
29 ストッパ
30 コイルスプリング
31 制御部
34 電流制御部

Claims (2)

  1. 所定の離鍵位置と押鍵位置とに回動自在であって、離鍵位置に付勢された鍵と、
    前記鍵を前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容する駆動手段と、を有して成る鍵駆動装置であって、
    前記駆動手段は、前記鍵に連係され、前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容するプランジャと、
    前記離鍵位置から前記押鍵位置に移動したプランジャを当該押鍵位置に保持する永久磁石と、
    第1のパルスにより動作して、前記プランジャを前記離鍵位置から前記押鍵位置方向に駆動するとともに、第2のパルスにより動作して、前記プランジャを前記永久磁石に抗して当該押鍵位置から離鍵位置方向へ駆動するソレノイドと、を有して成り、
    更に、前記駆動手段は、前記鍵の下部に配置され、前記プランジャは、前記鍵を遊嵌状態で挿通し、上端部にストッパが設けられる一方、該ストッパと当該鍵の上面との間に、弾性部材が介挿されていることを特徴とする鍵駆動装置。
  2. 所定の離鍵位置と押鍵位置とに回動自在であって、離鍵位置に付勢された鍵と、
    前記鍵を前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該鍵の押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容する駆動手段と、を有して成る鍵駆動装置であって、
    前記駆動手段は、前記鍵に連係され、前記離鍵位置から前記押鍵位置に駆動するとともに、当該押鍵位置から離鍵位置への復帰を許容するプランジャと、
    前記離鍵位置から前記押鍵位置に移動したプランジャを当該押鍵位置に保持する永久磁石と、
    第1のパルスにより動作して、前記プランジャを前記離鍵位置から前記押鍵位置方向に駆動するとともに、第2のパルスにより動作して、前記プランジャを前記永久磁石に抗して当該押鍵位置から離鍵位置方向へ駆動するソレノイドと、を有して成り、
    更に、前記駆動手段は、前記鍵の上部に配置され、前記プランジャは、前記鍵を遊嵌状態で挿通し、下端部に、当該鍵の下面に当接するストッパが設けられていることを特徴とする鍵駆動装置。
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