JP2579230Y2 - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JP2579230Y2
JP2579230Y2 JP1988081511U JP8151188U JP2579230Y2 JP 2579230 Y2 JP2579230 Y2 JP 2579230Y2 JP 1988081511 U JP1988081511 U JP 1988081511U JP 8151188 U JP8151188 U JP 8151188U JP 2579230 Y2 JP2579230 Y2 JP 2579230Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、弦に対するピッキング操作に基づいて、
所定の音高の楽音演奏が可能な電子弦楽器に関する。
[従来の技術] 従来、フレットに対するフレット操作(押圧操作)に
て指定された所定音高の楽音の発音開始を、弦に対する
ピッキング操作(弾奏操作)によって指示する電子弦楽
器においては、ピッキング操作時におけるピッキング速
度の大きさを示すタッチレベルを弦張力の変化として検
出して、その検出出力により楽音特性(楽音の音量、音
色、ピッチ等の特性)を変化させる技術が本件と同一の
出願人によって提案されている(例えば特願昭62−4723
6号記載内容のもの)。
この電子弦楽器構成においては、弦の弾奏により、弦
が振動すると、この弦の一端に連結されている弦トリガ
ースイッチがオン動作して、楽音トリガ信号が出力され
ると同時に、弦がバネの付勢力に抗して弦の長手方向に
振動する(引張られる)こととなるので、ボビンのまわ
りのレスポンスコイルが永久磁石からポールを介しヨー
クへと流れる磁束を切って、レスポンスコイルの両端の
間に誘導起電力が発生し、これがタッチレベル検出回路
に与えられ、弾弦速度の大きさ、つまり弦張力の変化の
大きさを示すタッチレスポンス信号として出力される。
そして、このタッチレスポンス信号のレベルが大きけれ
ば、上記誘電起電力が大きくなり、弦トリガースイッチ
で発音されるべき楽音の特性、たとえば音量、音色、ピ
ッチの変化も大きくなるようにしているのである。
一方、楽音の発音開始後の弦に対するチョーキング操
作(右手によるピッキング操作をした後、音高指定のた
めにフレット操作をしている左手指でピッキング操作し
た弦と同じ弦を押し上げたり、押し下げたりすることに
よって、楽音の音高をなめらかにアップさせたり、ダウ
ンさせたりする演奏操作)や、アーミング操作(トレモ
ロアームを操作して楽音にビブラート効果をかける演奏
操作)を行った際に、その操作量の大きさに従って発生
させるべき楽音信号の特性を可変制御し得る電子弦楽器
も本件と同一の出願人から提案されている(例えば、特
願昭62−259786号記載のもの)。その出願に係る電子弦
楽器のチョーキング機構部の構成、作用について、第8
図を参照しながら述べる。
上記特許出願においては、楽音の音高指定操作(フレ
ット操作)の際に用いるフレット弦と楽音の発音開始を
指示するピッキング操作の際に用いるトリガー弦とが別
個の弦として弦楽器本体Gに張設されているが、これら
の2種類の弦を別体とせず1本の弦として一体化して張
設する場合についても同様である。
すなわち、第8図に示すように、フィンガーボード2
に設けた弦保持板252に、リング状の感圧素子253(例え
ばピエゾ素子)及び保持板254を積層配置するととも
に、フレット弦204の一端を前記弦保持板252に形成した
弦ガイド孔252a、感圧素子253に設けた挿通孔253a、保
持板254に設けた弦係止孔254a内にそれぞれ挿孔させ、
その一端に設けた係止突部255を保持板254に係止する。
上述の構成を採用すれば、チョーキングのためフレッ
ト弦204を押し上げ押し下げると、フレット弦204は矢印
Aの方向に引張られその弦張力によって感圧素子253に
圧力が加わり、感圧素子253が圧迫されることになる。
したがって、フレット弦204の張力に応じた電気信号が
出力され、そのため、発生中の楽音の音高周波数が変化
し、いわゆるチョーキング効果が奏されることになる。
なお、この例はリング状の感圧素子253を用いたが、
フレット弦204の一端をドーム状の感圧素子の頭部に連
結させておき、その感圧素子の頭部を可動制御すること
により、フレット弦の引張り量を検出しチョーキング効
果を得ることも考えられている。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、上述した特願昭62−47236号なる特許
出願に係る従来技術によれば、弦トリガースイッチの構
成が複雑であり、そのため、大量生産に適しないばかり
でなく、各弦トリガースイッチ相互の特性にばらつきが
あり、弦トリガー信号を確実かつ容易に検出できないと
いう問題点がある。
また、上述した特願昭62−259786号記載の従来技術
(第8図参照)によれば、フレット弦204を押圧操作し
て音高指定のためのフレット操作を行っただけの場合に
も、そのフレット弦204の長手方向の変位、つまり弦張
力の変化が検出されてしまい、チョーキング操作がなさ
れた場合と同様な楽音特性の制御がなされる結果、不必
要に音高の変更を行ってしまうという問題点がある。ま
た、フレット弦とトリガー弦とが1本の弦として一体化
されている場合には、そのトリガー弦部分に対するピッ
キング操作がなされると、そのピッキング操作力はフレ
ット弦部分にまで伝達され、やはりそのフレット弦の長
手方向の変化、つまり弦張力の変化が感圧素子253にて
検出されてしまい、チョーキング操作をまったく行わな
い場合でも、発音時の音高が前述のピッキング操作によ
る弦張力変化に基づいて、不必要に変更される結果、所
望する音高の楽音が得られないという問題点がある。
[考案の目的] この考案は上述したような従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、簡単な構成で、楽音の音高を
指定するためのフレット操作に対応した音高の楽音を、
ピッキング操作に基づき発音開始を行なえる電子弦楽器
を得ることを目的とする。
また、この考案は、弦に対するピッキング操作時に、
不必要に音高の変更がなされることがなく、かつ、弦に
対するチョーキング操作あるいはトレモロアームに対す
るアーミング操作がなされた際にのみ、発音中の楽音に
ついて所望する音高変更あるいはビブラート効果の付加
等の楽音特性の制御が行なえる電子弦楽器を得ることを
目的とする。
[考案の要点] 請求項1記載の考案は、上記目的を達成するために、
弦の長手方向または幅方向の張力状態を検出し、その検
出出力が所定の設定値を越えた際に、楽音発生手段に対
して楽音の発音開始を指示するようにしたことを要点と
する。
請求項2記載の考案は、弦の長手方向の移動量が所定
の設定値を越えた際に始めてその移動量を検出し、その
検出出力の大きさに応じて、楽音発生手段から発生させ
るべき楽音の特性を制御するようにしたことを要点とす
る。
請求項3記載の考案は、弦張力検出手段が、弦の長手
方向の移動速度、移動加速度、移動量、または弦の幅方
向の移動速度、移動加速度のいずれかを検出し、その検
出出力が所定の設定値を越えた際に、楽音発生手段に対
して楽音の発音開始を指示するようにしたことを要点と
する。
[実施例] 以下、図面を参照しながらこの考案の実施例に係る電
子弦楽器について述べる。
第1図ないし第6図はこの考案の一実施例を示す。
<電子弦楽器の外観構成> 第1図はこの電子弦楽器の全体外観平面図である。
弦楽器本体Gは、フィンガーボード2を有するネック
4と胴部1とから成っている。フィンガーボード2上に
は、6本の弦3がそれぞれヘッド5に設けたペッグ6に
一端が調節可能に支持され、ネック4上を延び他端は胴
部1上に設けられたブリッジ7に固定されている。そし
てこのブリッジ7の下部には、後述する楽音発音開始指
示のための弦トリガー検出素子TRD及び楽音発音開始後
のアフター情報検出のためのアフター情報検出素子AFD
が各弦3のそれぞれに対応して個々に設けられている。
また、フィンガーボード2上の各フレット8……の間
には、音高指定のためのフレット操作によって押圧され
てオンとなるフレットスイッチFSWがマトリクス状に設
けられている。さらに、胴部1にはパネルスイッチ群PS
Wとして楽音の音色やリズムパターンを選択する音色・
リズムスイッチ群9、楽音に対してビブラート効果を付
与するトレモロ(ビブラート)アーム10、弦楽器本体G
に電源を供給するパワースイッチ11、リズムのテンポや
音量を調節するボリューム群12や楽音の放音用のスピー
カSPがそれぞれ配設されている。
<弦トリガー検出素子及びアフター情報検出素子> 第2図は、弦トリガー検出素子TRD及びアフター情報
検出素子AFDの構造を示す断面図である。弦楽器本体G
における胴部1に設けられたブリッジ7の上部には、上
記各弦3の本数に対応した数の溝部7a……が、互いに所
定の間隔を置いて、各弦3の長手方向に向って形成され
ている。この溝部7a……を設けたブリッジ7の後縁側に
は金属製の弾性板13が取付けられており、この弾性板13
には各弦3の張設方向の延長上の位置にその弦3を挿通
させる挿通孔13a……が弦3の数だけ設けられている。
またブリッジ7のほぼ中央部には、感圧素子(圧電素
子)から成るアフター情報検出素子AFDが設けられてお
り、このアフター情報検出素子AFDにも、同様に各弦3
の張設方向の延長上の位置に挿通孔AFDa……が設けてあ
る。更に弾性板13の後縁部表面には例えば速度センサま
たは加速度センサである弦トリガー検出素子TRDが取付
けられている。そして各弦3は、上記溝部7a、挿通孔13
a及び挿通孔AFDaを貫通し、ストッパーSTPにて弾性板13
に揺動可能に係止されている。
ここでブリッジ7は空隙部7bを有しており、弦3への
ピッキング操作に対応して弦3が矢印Xの方向に引張ら
れると、その弦3の弦張力を受けたストッパーSTPに押
された弾性板13が、空隙7b内において、ブリッジ7の角
部7cを支点として2つに折り曲げられる構造となってい
る。すると、やはり同じブリッジ7の角部7cに対応する
弾性板13の一点を支点として、弾性板13に取付けられた
弦トリガー検出素子TRDもまた、2つに折り曲げられる
構造となっている。さらに、空隙部7b内において、弾性
板13には導電性のばね14が設けられており、このばね14
にも弦3を通すための挿通孔が設けられており、弦3に
対するチョーキング操作あるいはトレモロアーム10に対
するアーミング操作がなされると、弦3はピッキング操
作に比べてより大きな移動量で矢印Xの方向に引張られ
ることになる。そしてその弦3の長手方向(矢印Xの方
向)の移動量が所定の設定値を越えると、ばね14はスト
ッパSTP及び弾性板13に押される結果、アフター情報検
出素子AFDとの間の間隙lが無くなり、ばね14がアフタ
ー情報検出素子AFDと接触し更にそれを押圧する構造と
なっている。
つまり、弦トリガー検出素子TRDは、ピッキング操作
に対応して、弾性板13が降り曲げられる際の単位時間当
りの曲り角度を検出するセンサとして機能するものであ
る。
<全体回路構成> 第3図は、この考案の一実施例に係る電子弦楽器の全
体回路構成図であり、第1図、第2図と同一の参照符号
を付したものは同一機能を有するものである。
第3図において、6本の弦3のピッキング操作時に発
生した各弦の弦振動は、各弦独立の弦トリガー検出素子
群TRDにて電気信号に変換される。その電気信号は、弦
移動速度(加速度)検出回路40に入力され、A/D変換器4
1にてデジタルデータに変換されてマイクロコンピュー
タ(以下マイコンと称す)30に加えられる。マイコン30
は、この全体回路の全ての動作を制御するとともに、弦
3のピッキング操作に対応する弦トリガーの検出を行
う。また、フレットスイッチ群FSWの各スイッチのオン
オフ状態と、パネルスイッチ群PSWの各スイッチのオン
オフ状態はスイッチステータス検出回路50を介してマイ
コン30に伝えられる。更に、マイコン30は、弦3におけ
るアフター情報、すなわち弦3に対するチョーキング操
作またはトレモロアームに対するアーミング操作に対応
するアフター情報(前述の従来技術におけるタッチレス
ポンス信号TD)を、アフター情報検出素子群AFD、アフ
ター情報検出回路45及びA/D変換器46を経て検出する。
そして楽音発生回路60はマイコン30の制御のもとに、楽
音信号を発生し、その楽音信号は増幅器70において増幅
され、スピーカSPを通して外部へ楽音として放音され
る。
<マイコンのジェネラルフロー> 第4図は、マイコン30のジェネラルフローチャート図
であり、このフローに基づいてこの実施例の動作の基本
について述べる。弦楽器本体Gにおけるパワースイッチ
11がオンされ電源が投入されると、マイコン30はまず、
イニシャライズ処理G1を行う。この処理の終了後、G2か
らG9の処理を繰返す。弦トリガー検出処理G2において
は、後に後述するように、各弦3の弦トリガーの有無を
検出し、弦トリガー、つまり弦振動の開始を検出する
と、楽音発生回路60を制御して楽音を発生させる。フレ
ット状態検出処理G3では、スイッチステータス検出回路
50を介してフレットスイッチ群FSWの各スイッチの状態
を読込む。そして、フレット状態変化判別処理G4にてフ
レット状態の変化、つまり音高指定の変更の有無を判別
し、変化があったときはフレット状態変化処理G5を実行
する。この処理は、発音中の弦3に属するフレット8の
フレット操作位置が変化したときは、それに対応する音
高に弦3の音高を再設定するよう、その弦3を発音中の
楽音発生回路60内の対応する音源モジュールに対して指
示を行う。発音中の弦に属するいずれのフレットスイッ
チFSWもオフされた状態、すなわち、いわゆる開放弦の
状態に変化したときには楽音の消音処理を行う。また、
現在発音されていない弦3に属するフレット操作状態の
変化に対しては何も処理は行わない。さらに全ての弦3
が開放状態となったときには発音中の全ての弦3の楽音
を一斉に消音する。
次に、パネルスイッチ状態検出処理G6においては、胴
部1に設けられたパネルスイッチ群PSWの各スイッチの
状態をスイッチステータス検出回路50を介して読込む。
そして、このパネルスイッチ状態変化判別処理G7にてパ
ネルスイッチ状態の変化の有無を判別し、変化があった
ときは、パネルスイッチ状態変化処理G8において、所要
の処理、例えば、楽音発生回路60に対する音色、効果等
の設定・変更処理を行う。
さらに、アフター情報検出処理G9においては、後に詳
述するように、各弦3が所定の楽音を発音中に、その音
高をなめらかにアップまたはダウンさせて発音中の楽音
の音高を変更するためのチョーキング操作がなされたと
き、あるいは楽音を発音中にビブラート効果(周波数変
調)を楽音に付加するためのトレモロアーム10のアーミ
ング操作がなされたとき、それらの操作による各弦3の
長手方向の移動量をアフター情報として検出する。そし
てアフター情報を検出すると、楽音発生回路60を制御し
て楽音の音高を変更させる。
<弦トリガー検出処理> 第5図は第4図に示した弦トリガー検出処理G2の詳細
なフローチャート図である。まず処理T1にて各弦3の長
手方向への移動速度(または移動加速度)、つまり弦3
が矢印X方(長手方向)に引張られる張力状態を検出
し、次の判別処理T2において、その検出出力(デジタル
データ)が予め設定したキーオン、つまり、発音開始用
の設定値を越えたか否かを判別する。この判別処理T2に
てNOのときは、YESとなるまで処理T1と判別処理T2とを
繰返し、YESとなると次の処理T3にてキーオン指令、つ
まり楽音を発生させるための指令を楽音発生回路60へ送
出する。
更に、処理T4にて各弦3の長手方向における張力状態
の検出出力がキーオフ、つまり、発音中の楽音の消音用
の設定値に対して設定値未満となったか否かを判別す
る。この判別処理T4にてNOのときは、YESとなるまでこ
の処理を繰返して判別処理T2を行い、YESとなると、処
理T5において例えばマイコン30内に設けられたタイマの
カウントをスタートさせ、次の判別処理T6にてそのタイ
マのカウント値が設定値を越えたか否か、つまりキーオ
フ用設定値未満となってからの時間が所定時間を経過し
たか否かの判別を実行する。この判別処理T6にてNOのと
きは、YESとなるまでその処理T6を繰返し、YESとなると
処理T7にてキーオフ指令、すなわち発音中の楽音消音す
るための指令を楽音発生回路60へ送出した後、処理T1へ
戻り、以下同様の動作を続ける。
ここで、弦トリガー検出素子TRD(第2図参照)の動
作について更に詳しく述べる。弦3が演奏のためにピッ
キング操作されると、弦3は矢印Xの方向に引張られそ
の弦張力によって弦3が係止されたストッパーSTPも矢
印Xの方向に引張られる。すると、ストッパーSTPに押
されて金属性の弾性板13がブリッジ7の角部7cを支点と
して空隙部7b内で2つに折り曲げられる。そのため、弾
性板13に取付けられた弦トリガー検出素子TRDもまた角
部7cに対応する位置を支点として折り曲げられる。する
と、この速度(または加速度)センサーである弦トリガ
ー検出素子は、弦3に対する弦張力の大きさ、つまり弦
3の張力状態の強さを、弦トリガー検出素子TRDが折り
曲げられる速度(または加速度)の大きさとして検出す
ることになる。そして、この検出出力は弦移動速度検出
回路40、A/D変換器41を経てマイコン30に供給されるの
である。
<アフター情報検出処理> 第6図は第4図に示したアフター情報検出処理G9の内
容を示すフローチャート図である。
まず処理A1にて各弦3に対するチョーキング操作また
はトレモロアーム10に対するアーミング操作によって発
音中の楽音に係る弦3の長手方向の移動量、つまり長手
方向の弦3の張力状態の検出処理を前記アフター情報検
出素子AFDを用いて行う。次の判別処理A2において、そ
の検出出力が予め設定した音高変更用の設定値を越えた
か否かを判断し、NOのときは、YESとなるまで処理A1と
判別処理A2とを繰返し、YESとなると次の処理A3に進
む。処理A3にて発音中の楽音の音高をチョーキング操作
あるいはアーミング操作の操作量、その操作量に伴う弦
の長手方向の移動量に対応して変更するために、音高変
更の指令を楽音発生回路へ送出した後、処理A1に戻り、
以下同様の動作を続ける。
ここで、アフター情報検出素子AFD(第2図参照)の
動作について更に詳しく述べる。現在楽音を発音中の弦
3に対してチョーキング操作がなされると、あるいは、
トレモロアーム10に対してアーミング操作がなされる
と、弦3には、前述したピッキング操作時と比べて、よ
り大きな弦移動量が同じ矢印Xの方向に働く。すると弦
3の一端が係止されたストッパーSTPも矢印Xの方向に
強く引張られ、そのため弾性板13の中央部分がその弾性
力に抗して空隙部7b内に折り曲げられると共に、ばね14
が弾性板13の中央部とともに、同X方向に移動する。そ
の結果、ばね14とアフター情報検出素子AFDの間に設け
られていた間隙lが無くなる。引き続いて、前記弾性板
13の中央部が同X方向に折り曲げられると、その時点か
らはじめて、ばね14が感圧素子から成るアフター情報検
出素子AFDを押圧することになる。従ってアフター情報
検出素子AFDはそのばね14の押圧力、つまり、弦3の矢
印X方向への張力状態の大きさに応じた電気信号を検出
出力としてリード線(図示しない)を介してアフター情
報検出回路45に出力し、A/D変換器46を経てマイコン30
に供給することになる。なお、この間隔lの大きさは、
弦3の長手方向の移動量の設定値として定められるもの
であり、弦3の長手方向の移動量が間隔lを越えたとき
に始めて、その弦3の移動状態に対応する検出出力が得
られるものである。したがって弦3の長手方向の移動量
が間隔lの大きさ以下の場合は、アフター情報検出素子
AFDは何もアフター情報を出力するものではない。その
ためには、間隔lの大きさは、通常のピッキング操作時
における弦3の長手方向の最大移動量よりも大きく設定
しておく必要がある。
<実施例の効果> このように、上記実施例においては、弦トリガー検出
素子TRDを設けて、各弦3に対するピッキング操作にお
ける弦3の張力状態を検出し、具体的には、弦の長手方
向の移動速度(または加速度)を検出し、その移動速度
(または加速度)が所定の設定値を越えたときに、楽音
の発音開始を指示するようにしたので、演奏者により、
弦3に対するピッキング操作がなされると、フレット操
作により指定した音高の楽音が発音されることになる。
また、弦3の長手方向の移動量が所定値、つまり間隙
lより大きくなったときに、始めてその弦3の移動状態
を検出し、楽音の特性(この実施例では、音高)を制御
するようにしたので、ピッキング操作を行っただけでは
弦の移動状態はアフター情報検出素子AFDから検出され
ず、発音中の楽音の音高が不用意に変更されることはな
く、チョーキング操作またはアーミング操作によって、
弦の移動量が所定値以上になった以降からはじめて発音
中の楽音の音高が変更されるのであり、不必要な音高の
変更やビブラート効果の付加がなされない。
<他の実施例> 以下、この考案の他の実施例に係る電子弦楽器につい
て述べる。
他の実施例における外観構成は第1図に示した前述の
実施例と同様であり、全体回路構成についても第3図と
同様であるのでその構成の相違点につき、第7図に示す
弦トリガー検出素子及びアフター情報検出素子断面図に
基づいて述べる。第7図において、第2図と同一の参照
符号を付したものは同一機能を有するものである。
第7図において、ブリッジ7の溝部7a及び弾性板13の
挿通孔13a及びアフター情報検出素子AFDの挿通孔AFDaに
挿入された弦3の外周には、導電性のコイルスプリング
15が密着して巻かれている。また、弾性板13の挿通孔13
aに面した端縁部には速度センサ(または加速度セン
サ)である弦トリガー検出素子TRDが取付けられてい
る。またブリッジ7のほぼ中央部には前述した実施例と
同様に、感圧素子(圧電素子)から成るアフター情報検
出素子AFDが設けられており、このアフター情報検出素
子AFDにも、各弦3を通すための挿通孔AFDaが設けてあ
る。
各弦3は、上記溝部7a挿通孔13a及び挿通孔AFDaを貫
通し、ストッパーSTPにて弾性板13に揺動可能に係止さ
れている。ここでブリッジ7は空隙部7bを有しており、
弦3に対するピッキング操作によって弦3が矢印Yの方
向つまり、弦3の幅方向に引張られると、その弦3の幅
方向の揺動量に応じて、弦トリガー検出素子TRDがコイ
ルスプリング15にて押圧される。すると弦トリガー検出
素子TRDの軸方向中央部は、弾性板13の角部13bを支点と
して折り曲げられる構造となっている。
また、ブリッジ7の空隙部7b内にはお椀形の板ばね16
がブリッジ7に取り付けられており、この板ばね16にも
弦3を挿通するための挿通孔(図示しない)が設けられ
ている。そして、弦3に対するチョーキング操作あるい
はトレモロアーム10に対するアーミング操作がなされる
と、弦3が矢印Xの方向に引張られ、ストッパーSTPに
より弾性板13が同じ矢印Xの方向に押圧される。する
と、弾性板13と板ばね16との間に設けた間隙lが無くな
り、板ばね16によってアフター情報検出素子AFDが押圧
されて、弦3の長手方向の移動状態を検出し、その検出
出力の大きさに対応して楽音発生回路に発音中の楽音の
特性を制御する指令を送出する。
すなわち、この他の実施例においては、楽音の発音開
始を行うための弦トリガー検出の機能として、前述の実
施例と異なり、弦3の静止状態にある位置から移動位置
までの弦3の幅手方向の移動速度(または移動加速度)
を検出し、すなわち、弦トリガー検出素子TRDはその屈
曲角速度を検出し、その屈曲角速度(または屈曲角加速
度)が所定の設定値を越えたときに弦トリガーを出力し
て楽音の発音開始を指令するのである。なお、板ばね16
の形状は、お椀形に限定されず、前述した実施例におけ
るばね14と同様のバネ形状のものであってもよい。
また、発音中の楽音の音高を変更するためには、前述
した実施例と同様の処理動作がなされ、弦3に対するピ
ッキング操作では弦の移動量は極めて小さいので、その
移動量の検出はアフター情報検出素子AFDからはなされ
ず、発音中の楽音の音高が不要に変更されることはな
く、したがって、チョーキング操作またはアーミング操
作に基づいて弦3の長手方向の移動量が間隙lの大きさ
を越えたときに始めて音高の変更がなされるのであり、
その結果、弦3に対するピッキング操作やフレット操作
のみによって楽音の音高が不要に変化してしまうことを
未然に防止することができる。
<変形実施例> 上記実施例では、音高指定手段として、フレットスイ
ッチFSWを用いたが、これに限定されず、例えばネック
の長手方向に、長尺な複数の抵抗体及び導電体を配置し
て、押圧されたフレット位置に対応した抵抗値を検出し
て音高を指定するようにしてもよく、また、各弦に超音
波を伝播させ、その往復時間をカウントして音高を指定
するようにしてもよい。
また、張設する弦はフレット弦とトリガー弦とに分け
た別体構成としてもよい。
更に、上記実施例では、いわゆる弦トリガー方式の電
子弦楽器に、この考案を適用した場合について述べた
が、弦に対するピッキング操作による弦の張力状態の変
化を検出し、あるいは弦の長手方向の移動速度(または
移動加速度)、あるいはまた、弦の幅方向の移動速度
(または移動加速度)を検出して、その検出出力が所定
の設定値を越えた際に、フレット操作に基づく音高指定
に対応したピッチ(基本周期)に基づく音高にて楽音を
発音開始させるタイプの電子弦楽器にも適用するように
構成してもよい。
また、楽音発生回路60、増幅器70、スピーカSP等は弦
楽器本体Gの外部に設けてMIDI規格等に基づく信号の送
受信によってコントロールするようにしてもよい。
また、前記アフター情報検出素子としては、前記実施
例の場合とは異なり、弦3の長手方向の移動に伴って歪
変形する歪変形素子を、第2図中のアフター情報検出素
子AFDと同位置に設けるようにしてもよい。
[考案の効果] 以上述べたように、請求項1記載の考案によれば、弦
張力検出手段にて弦の長手方向または幅方向の張力状態
を検出し、その検出出力が所定の設定値を越えた際に楽
音発生手段に対して楽音の発音開始を指示するようにし
たので、極めて簡単な構成で、フレット操作により指定
した音高の楽音を弦に対するピッキング操作に基づいて
確実に発音することができるという効果がある。
更に、請求項2記載の考案によれば、弦移動量検出手
段が、弦の長手方向の移動量が設定値を越えたときに始
めてその移動量を検出し、その検出出力の大きさに応じ
て楽音発生手段から発生されるべき楽音の特性を制御す
るようにしたので、弦に対するピッキング操作のみによ
っては発音時の楽音の音高の変更あるいは楽音に対する
ビブラート効果の付加等の楽音の特性の制御がなされて
しまうことがなく、楽音の発音後に、弦に対するチョー
キング操作あるいはトレモロアームに対するアーミング
操作がなされて始めて所望の音高変更あるいはビブラー
ト効果等の楽音の特性を制御することができるという効
果がある。
請求項3記載の考案によれば、弦の長手方向の移動速
度または移動加速度、歪変形量、または弦がその静止状
態にある位置から弦の幅方向に移動した場合の移動位置
までの移動速度または移動加速度を検出し、その移動速
度または移動加速度等が所定の設定値を越えた際に、楽
音発生手段に対して楽音の発音開始を指示するようにし
たので、フレット操作により指定した音高の楽音が、極
めて簡単な構成で、ピッキング操作に基づいて確実に発
音される電子弦楽器が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図はこの考案の一実施例に係る電子弦
楽器を説明するためのものであり、第1図は全体外観平
面図、第2図は弦トリガー検出素子及びアフター情報検
出素子断面図、第3図は全体回路構成図、第4図はジェ
ネラルフローチャート図、第5図は弦トリガー検出処理
フローチャート図、第6図はアフター情報検出処理のフ
ローチャート図であり、第7図はこの考案の他の実施例
に係る電子弦楽器における弦トリガー検出素子及びアフ
ター情報検出素子断面図であり、第8図は従来例に係る
電子弦楽器を説明するためのチョーキング機構断面図で
ある。 1……胴部、2……フィンガーボード、3……弦、7…
…ブリッジ、8……フレット、10……トレモロアーム、
13……弾性板、30……マイクロコンピュータ、40……弦
移動速度検出回路、45……アフター情報検出回路、60…
…楽音発生回路、FSW……フレットスイッチ、TRD……弦
トリガー検出素子、AFD……アフター情報検出素子。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】弦楽器本体に張設された少なくとも1本の
    弦と、 所定のフレット位置に対するフレット操作により、発音
    すべき楽音の音高を指定するための音高指定信号を出力
    する音高指定手段と、 この音高指定手段にて指定された音高で、楽音信号を生
    成可能な楽音発生手段とを備える電子弦楽器において、 上記弦の長手方向または幅方向の張力状態を検出する弦
    張力検出手段と、 この弦張力検出手段にて検出された検出出力が所定の設
    定値を越えた際に、上記楽音発生手段に対して楽音の発
    音開始を指示する発音開始指示手段と、 を有することを特徴とする電子弦楽器。
  2. 【請求項2】上記弦の長手方向の移動量が所定の設定値
    を越えたときに始めてその移動量を検出する弦移動量検
    出手段と、この弦移動量検出手段にて検出された検出出
    力の大きさに応じて、上記楽音発生手段から発生させる
    べき楽音の特性を制御する楽音特性制御手段とをさらに
    有することを特徴とする請求項1記載の電子弦楽器。
  3. 【請求項3】上記弦張力検出手段は、上記弦の長手方向
    の移動速度または、移動加速度を検出する弦長手方向移
    動速度検出手段、上記弦の長手方向の移動に伴って歪変
    形してその移動量を検出する歪検出手段、または上記弦
    がそれの静止状態にある位置から上記弦の幅方向に移動
    した場合の移動位置までの移動速度または移動加速度を
    検出する弦幅方向移動速度検出手段のいずれか一方の手
    段であることを特徴とする請求項1または2記載の電子
    弦楽器。
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