JP3663580B2 - ゴルフボールの芯材の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールの芯材の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層構造のゴルフボールの製造方法としては、偏心を避けるため、次のような手法がとられていた。
▲1▼ ある層を設けるときは、それよりも内側の部分、即ち、内核を別に加硫成形してから外層金型内の所定の位置に可動ホールドピンなどで固定し、外層を形成する材料を射出成形機またはトランスファー金型により射出すると共に適当なタイミングでホールドピンを引き抜いて、そのまま加硫成形する方法。
▲2▼ 外層を、半球状凹型と半球状凸型で半球殻状に半加硫し、又は、未加硫の状態でシュリンクしない程度に一定時間熱を加えて半球殻状に成形し、半球状凸型を除去後、半球殻状外層を半球状凹型につけたまま、別に加硫成形していた内核をセットし、加硫プレス成形する方法(いわゆる中子方式)。
▲3▼ ▲2▼の方法に於て、外層を半球殻状とせずにシート状のまま用いる方法。
以上の方法は、例えば、特開昭63−105774号、特開平2−228978号、特開平6−218077号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のゴルフボールの製造方法では、内核(内層)の偏心を減らすために作業性を犠牲にしていた。例えば、前記従来技術▲1▼においては、射出成形機又はトランスファー金型内にて内核を可動ホールドピンで保持し、次いで外層材料注入とともにピン引き抜きを行うために金型の構造が非常に複雑となり、コスト増を招くと共に注入時の圧力の限界により1回のプレスでの取り数が少なくなって大量生産には不向きであった。さらに、可動ピンと金型のクリアランス調整及び管理が煩雑で、狭ければ摺動不良、広ければゴムはみ出しなどの問題も生じていた。
【0004】
また、前記従来技術▲2▼では、▲3▼の欠点の1回のプレスでの取り数の少なさや金型の問題は克服されてはいるものの、外層を一旦半球殻状に成形したときには、その半球殻状外層は外層形成用の半球状凹型に付着している必要があるにもかかわらず、半球状凸型の方に大部分付着し、半球状凹型の方に移す作業が必要で、やはり大量生産には採用できなかった。また、従来技術▲3▼では、▲2▼の半球殻状外層成形の仕込みをシート状に変更しただけで依然同じ問題は残っている。このように▲1▼〜▲3▼の従来技術は大量生産に致命的な欠点を有していた。また、▲1▼〜▲3▼の従来技術以外にも、特開昭61− 25579号により、内核の表面に外層厚みと同じ長さの突起を一体成形により設け、準球殻構造で外層を被覆する方法が公知であった。その方法では、理論上の偏心を0にできるものの突起を一体成形で設けるときは金型からの離型性が問題となる。そこで外層径で成形した後削り出して突起をつくることも考えられるが、非常に手間がかかり現実的ではない。
【0005】
そこで、本発明は、上述の問題を解決して、芯材の外層に対する内層の偏心量の著しい減少と大量生産とを実現できると共に優れた耐久性と飛行性能を有するゴルフボールを製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係るゴルフボールの芯材の製法は、未加硫材料を半加硫乃至加硫して半球殻状の外層半割体を形成した後、未加硫の内層形成材を一対の上記外層半割体にて挾んで加硫プレス成形して外層と内層から成る芯材を形成すると同時に、該外層半割体の間に該内層形成材を流し込ませ該外層のシーム部の少なくとも一部に上記内層が貫通又は食い込んだ侵出部分を形成、上記貫通又は食い込んだ侵出部分の体積を、上記外層が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1/5とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0008】
図1は、外層2と内層3から成る2層構造のゴルフボールの芯材1を示す。ゴルフボールは、その内部にこのような芯材1を有し、その芯材1の外面に、図示省略のカバー材が積層された3層構造のいわゆる3ピースゴルフボール乃至4層以上の多層構造とされる。しかして、外層2のシーム部4に内層3が貫通しており、その内層3の外層2への侵出部分5の体積を、外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1/5とする。ここで、シーム部4とは、外層2を成す一対の半球殻状の外層半割体の対向端縁部乃至その近傍の部分のことを言うものと定義する。
【0009】
また、図2は、後述の外層半割体を成形するための金型6を示し、この金型6は、半球状凹部7を有する凹型8と半球状凸部9を有する凸型10とから成る。具体的には、凹型8の半球状凹部7を半球よりも浅く形成すると共に、凸型10の半球状凸部9を半球よりも低く突出形成する。かつ、半球状凹部7・凸部9のオフセンター値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定する。さらに好ましくは、オフセンター値A,Bを0.05〜0.70mmに設定する。
【0010】
ここで、オフセンター値Aとは、半球状凹部7の半球の中心点としての点Pがその半球状凹部7よりも外方に位置し半球状凹部7の開口端縁を含む平面から点Pまでの距離のことをいうと定義する。また、オフセンター値Bとは、半球状凸部9の半球の中心点としての点Qがその半球状凸部9の円形端面よりも外方に位置しその円形端面から点Qまでの距離のことをいうと定義する。つまり、半球状凹部7は、点Pを中心とする半径R1 の凹面から成り、その凹面の深さ寸法は半径R1 よりもオフセンター値Aだけ小さく設定されている。また、半球状凸部9は、点Qを中心とする半径R2 の凸面を有し、その突出寸法は半径R2 よりもオフセンター値Bだけ小さく設定されている。また、凹型8と凸型10を合わせたときに空隙部(キャビティ)が生じるように、半球状凹部7の半径R1 を半球状凸部9の半径R2 よりも所定寸法だけ大きく設定する。
【0011】
また、図3の拡大断面図に示すように、半球状凸部9を、転写性のない離型剤11にて被覆する。その離型剤11としては、例えば、フッ素樹脂があげられる。さらに具体的な例としては、旭硝子株式会社製:商品名「サイトップCTL−109S」等の溶剤可溶性フッ素樹脂が好ましい。なお、一般的なフッ素樹脂コーティングを用いてもよい。
【0012】
しかして、本発明に係るゴルフボールの芯材の製法を説明する。まず、図4の(a)(b)(c)に示すように、未加硫材料12を半加硫して半球殻状の外層半割体13を形成する。具体的には、(a)の如く未加硫材料12を金型6の凹型8の半球状凹部7に挿入する。なお、未加硫材料12を凹型8に挿入する前又は挿入後に半球状凸部9に転写性のない離型剤11を塗布する。その後、(b)に示すように凹型8と凸型10を合わせて半加硫プレス成形する。その後、(c)の如く凹型8と凸型10を離間させて外層半割体13(ハーフシェル)を取り出す。このとき、半球状凸部9が転写性のない離型剤11にて被覆されているので、外層半割体13を簡単に外すことができると共に、その半割体13の内面に離型剤11が転写されることがない。こうして形成した外層半割体13は、図5に示すように、完全な半球殻よりも小さく、その凹面14と凸面15の中心点Cは、端面16よりも所定寸法Eだけ外方に位置する。
【0013】
次に、図6に示すように、未加硫の内層形成材17を一対の外層半割体13, 13にて挾んで、さらに、図7に示すように、完全な半球とされた半球凹部18, 18を有する2つの芯材形成用凹型19, 19にて、加硫プレス成形する。このとき、外層半割体13, 13は半球よりも小さいため、外層半割体13, 13の間に僅かな隙間が生じて、その隙間に内層形成材17が流れ込む。その流れ込んだ部分により、内層形成材17を外層半割体13, 13の中央に保持することができる。そして、その流れ込んだ部分が内層3の侵出部分5となり、その後、図8に示すように、凹型19, 19を離間させれば、芯材1を取り出すことができる。このように、未加硫の内層形成材17を一対の外層半割体13, 13にて挾んで加硫プレス成形して外層2と内層3から成る2層構造の芯材1を形成する。
【0014】
ところで、上述の図4の(a)(b)(c)に示した外層半割体13の成形に於て、外層半割体13の半加硫の程度を、次のように調整する。まず、図9は、未加硫材料(生ゴム)を完全に加硫させた場合のキュラストメータ(日本合成ゴム株式会社製:商品名「JSRキュラストメータIII D型」)のトルクと時間の関係を示すグラフ図であり、トルクが大きくなるほど加硫が進んで材料が硬くなっていることを示す。なお、測定条件は温度 160℃( 150〜 170℃で可能)、振幅3°であり、その他はJIS規格K6300に従った。また、加硫開始直後の時間t1 にてトルクの最小値Fが現れた後、トルクは次第に増加し、その後、加硫が完了する時間t4 にてトルクの最大値Gが現れる。
【0015】
しかして、外層半割体13の半加硫の程度を、キュラストメータのトルクの最小値Fと最大値Gとの差Hの5〜80%となるように設定する。つまり、時間t2 に於けるトルクIが上記差Hの5%に相当し、時間t3 に於けるトルクJが上記差Hの80%に相当する。そして、その時間t2 から時間t3 の間で、加硫を中断する。例えば、未加硫材料12のゴム配合が、BR01を100 重量部、アクリル酸亜鉛を24.5重量部、亜鉛華を19.8重量部、老化防止剤を0.5 重量部、ジクミルパーオキサイドを1.0 重量部とした場合に、 150℃にて時間t2 を3分、時間t3 を14分とする。つまり、加硫開始からの経過時間が3分から14分までの間にて、加硫を中断させる。
【0016】
半加硫の程度を上記のように設定する理由は、トルクの最小値Fと最大値Gとの差Hが5%未満であると、外層半割体13の弾性が不足して形が維持できなくなり、内層3が大きく偏心する虞れがあり、差Hが80%を越えると内層3と外層2との密着性が低下して剥離が生じ易くなるからである。また、好ましくは、外層半割体13の半加硫の程度を、キュラストメータのトルクが加硫開始直後の最小値Fと加硫を完了させた場合の最大値Gとの差Hの15〜70%となるように設定する。なお、外層半割体13全体を半加硫させるのが好ましいが、それ以外にも、凸型10を冷却しつつ凹型8を加熱して、外層半割体13の凹面14のみ不完全に加硫───即ち半加硫───させてもよい。その場合、外層半割体13の凹面14の硬度を、上述の如く半加硫した場合の硬度と同一となるようにする。
【0017】
また、図10の(a)に示す外層半割体13の内径Kと、外層半割体13を自由状態にて加硫して形成した図10の(b)に示す仮想外層20の内径Lの差が、図10の(a)に示す外層半割体13の内径Kと図11の(b)に示す加硫プレス成形完了後の内層3の外径Mの差に対して、0.5 〜3.0 倍となるように、加硫プレス時の成分配合を設定する。これを言い換えると、図10の(a)に示す外層半割体13の内径Kと、その外層半割体13を自由状態にて加硫して形成した図10の(b)に示す仮想外層20の内径Lの差が、図11の(a)に示す加硫プレス開始直後の内層形成材17の外径Nと図11の(b)に示す加硫プレス成形完了後の内層3の外径Mの差に対して、0.5 〜3.0 倍となるように、加硫プレス時の成分配合を設定する。
【0018】
ところで、ゴム組成物は、一般に、ゴム分が多いほど縮みが大きくなる。このため、例えば、外層2と内層3が、BR01、アクリル酸亜、亜鉛華、老化防止剤、及び、ジクミルパーオキサイドにて形成される場合、外層2に於て、硬度が変化しない程度まで亜鉛華を減じて(最低5重量部は必要)縮みを増し、かつ、外層2の重量が減る分、加硫に影響のない亜鉛華、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等で内層3を重くして、芯材1全体の重量を調整しつつ同時に内層の縮みを小さくする。
【0019】
これにより、外層2が内層3よりも大きく収縮するので、外層2と内層3の密着性が良くなる。なお、外層半割体13の内径Kと、その外層半割体13を自由状態にて加硫して形成した仮想外層20の内径Lの差が、外層半割体13の内径Kと加硫プレス成形完了後の内層3の外径Mの差に対して、0.5 倍未満であると、外層2と内層3の密着性が悪くなり、剥離が生じる虞れがある。また、3.0 倍を越えると、外層2に周方向の大きな張力が作用するため耐久性が悪くなる。
【0020】
しかして、このゴルフボールの芯材の製法によれば、シンプルな構造の金型にて、偏心量が著しく小さく、かつ、外層2と内層3の密着が良好な芯材1を容易に製造することができる。そして、作業性が高く、かつ、工数を低減することができ、大量生産に好適である。また、飛行性能に悪影響を及ぼすことが無く、かつ、十分大きな耐久性が得られる。
【0021】
なお、半球状凹部7・凸部9のオフセンター値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定した理由は、オフセンター値A,Bが0.01mm未満であると、芯材1の内層3の外層2への侵出部分5の形状や体積にばらつきが生じ易くなって内層3の偏心量が増加する虞れがあるからであり、0.70mmを越えると、侵出部分5の体積が大きくなり過ぎて───即ち侵出部分5の体積が外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/5を越えて───飛行性能に悪影響を及ぼすからである。
【0022】
また、本発明のゴルフボールに於て、芯材1の内層3の外層2への侵出部分5の体積を、外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1/5とした理由は、1/300 未満であると、内層3の偏心量が大きくなって飛距離等の飛行性能が低下するからであり、1/5を越えた場合も飛行性能が低下するからである。
【0023】
次に、図12は、厚み寸法Tが0.1 〜1.5 mmかつ幅寸法Wが0.5 〜15.0mmの外鍔部21を、外層半割体13の開口端部に、一体に形成する場合を示す。外層半割体13の凹面14は完全な半球よりも浅く、その凹面14の上端縁に厚み寸法Tと同一寸法のストレート部22が連続状に形成される。また、半球の中心点Cは、凹面14の上端縁よりも所定寸法Eだけ外方に位置し、その所定寸法Eは、厚み寸法Tの1/2に設定されている。このようにすれば、加硫プレス成形の際に、芯材形成用凹型19の半球凹部18に嵌め込まれる外層半割体13の姿勢(座り)が安定するため、内層3の外層2への侵出部分5の形状や体積のばらつきが少なくなり、侵出部分5の体積を外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1/5の範囲とし易くなって、内層3の偏心量を確実に小さくし得る。
【0024】
ここで、厚み寸法Tを0.1 〜1.5 mmとした理由は、0.1 mm未満では、加硫プレス成形時に外層半割体13自身を支える力が弱すぎるからであり、1.5 mmを越えると加硫プレス成形時に外層半割体13の一部が内側に入り込み過ぎて飛行性能が低下するからである。また、幅寸法Wを0.5 〜15.0mmとした理由は、0.5 mm未満では、加硫プレス成形時に外層半割体13自身を支える力が弱すぎるからであり、15.0mmを越えると材料が無駄となるからである。
【0025】
なお、図1は、外層2のシーム部4の略全体に内層3が貫通して侵出部分5が円環状に形成されている場合を示したが、それ以外にも、図13に示すように、外層2のシーム部4全体に内層3が食い込んで、侵出部分5の形状は外径方向に次第に肉薄に形成されたものであってもよい。また、図14の(a)(b)に示すように、外層2のシーム部4の一部に内層3が貫通して(又は食い込んで)、侵出部分5がシーム部4上に複数形成されたものであってもよい。
【0026】
また、半球状凹部7・凸部9のオフセンター値A,Bを0mmに設定した金型6にて、外層半割体13を形成してもよい。その場合、外層半割体13を半加硫するのが好ましい。また、外層半割体13を形成するときに、未加硫材料12を(完全に)加硫してもよい場合がある。その場合は、内層3の外層2への侵出部分5を確実に形成するために、金型6の半球状凹部7・凸部9のオフセンター値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定するのが望ましい。
【0027】
なお、外層2は、1層のみならず、2層、3層とするも好ましい。つまり、芯材1全体として最大4層構造とすることができる。例えば、外層2を3層構造とする場合、図15の(a)に示すように、外層半割体13, 13を、外から第1層31、第2層32、第3層33の3層構造として、内層形成材17を挾んで加硫プレス成形すればよい。これにより、(b)に示すように、第1層34、第2層35、第3層36の3層から成る外層2と、その外層2に食い込んだ侵出部分5を有する内層3と、から成る4層構造の芯材1を形成できる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例を示す。
2層構造の芯材1を有するゴルフボールを作成した。具体的には、外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積に対する内層3の外層2への侵出部分5の体積の比(以下はみ出し割合と呼ぶことがある)、凸型10の半球状凸部9のオフセンター値B、凹型8の半球状凹部7のオフセンター値A、半加硫の程度、外層半割体13の内径Kと加硫プレス成形完了後の内層3の外径Mの差に対する外層半割体13の内径Kと外層半割体13を自由状態にて加硫して形成した仮想外層20の内径Lの差の比(以下縮みの比と呼ぶことがある)を、変えた芯材1を有するゴルフボールを実際に作製した。そして、夫々のボールについて、スウィングロボットに1番ウッド(ドライバー)を取付けて45m/sのヘッドスピードにて打撃し、キャリーを測定した。その際、各ボールについて、内層3の外層2への侵出部分5側の部分の打撃と、侵出部分5から最も離れた点(侵出部分5が形成されたシーム部4に対して90°の中心角をなす点)の打撃との、2通りの打撃を、50打ずつ行ってその平均値をとった。また、外層2と内層3の密着の良否と、外層2に対する内層3の偏心量を、測定した。その詳細を次の表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003663580
【0030】
上記表1より、実施例1〜7は、外層2と内層3の密着が良好であり、かつ、偏心量は0.08〜0.13mmと著しく小さい。そして、打撃部分の違いによるキャリーの差は無く、かつ、キャリーの値が十分に大きい───即ちよく飛ぶボールである───。
【0031】
これに対し、比較例1は、侵出部のはみ出し割合が1/4と大きい。そして、偏心量は0.13mmと小さいが、外層と内層の剥離が起こり、かつ、侵出部分5の打撃によるキャリーよりも侵出部分5から離れた位置での打撃によるキャリーの方が6ヤードも小さかった。また、比較例2は、侵出部のはみ出し割合が1/4と大きく、外層と内層の密着は良好であるが、偏心量が0.35mmと大きく、かつ、侵出部分5の打撃によるキャリーよりも侵出部分5から離れた位置での打撃によるキャリーの方が6ヤードも小さかった。また、比較例3は、侵出部のはみ出し割合が1/600 と小さく、偏心量が0.40mmと大きく、かつ、外層と内層の剥離が起こり、さらに、侵出部分5の打撃によるキャリーよりも侵出部分5から離れた位置での打撃によるキャリーの方が7ヤードも小さかった。
【0032】
以上の結果から、本発明のゴルフボールの芯材の製法によれば、芯材1の外層2に対する内層3の偏心量の著しい減少と、外層2と内層3の密着性の向上を実現でき、かつ、ゴルフボールとしての優れた飛距離性能が得られると言える。
【0033】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0034】
本発明に係る製法にて得られた芯材を用いたゴルフボールは、外層2に対する内層3の偏心量が著しく減少でき、かつ、外層2と内層3の密着性が向上できて、飛距離等の飛行性能に優れ、かつ、打撃による大きな衝撃に十分に耐える優れた耐久性を発揮できる。特に、外層2と内層3の密着性が大きいため、打撃によって外層2と内層3が剥離せず、耐久性に優れたゴルフボールが得られる。かつ、侵出部分5の体積割合が適切なため、ゴルフボール打撃箇所が侵出部分5に近いか、離れているかによって、キャリーに差異を生じないという利点がある。
【0035】
また、本発明に係るゴルフボールの芯材の製法は、作業性が高く、工数を低減することができ、大量生産に好適である。また、金型の構造を簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法によって得られるゴルフボールの芯材の一例を示す断面図である。
【図2】外層半割体形成用の金型の断面図である。
【図3】凸型の要部拡大断面図である。
【図4】芯材の製造方法説明図である。
【図5】外層半割体の断面図である。
【図6】芯材の製造方法説明図である。
【図7】芯材の製造方法説明図である。
【図8】金型から芯材を取り出した状態の説明図である。
【図9】キュラストメータのトルクと加硫時間の関係を示すグラフ図である。
【図10】加硫による収縮の説明図である。
【図11】加硫による収縮の説明図である。
【図12】他の外層半割体の断面図である。
【図13】他の芯材の断面図である。
【図14】別の芯材の断面図である。
【図15】外層を3層構造とする場合の製法の説明図である。
【符号の説明】
1 芯材
2 外層
3 内層
4 シーム部
5 侵出部分
6 金型
7 半球状凹部
8 凹型
9 半球状凸部
10 凸型
12 未加硫材料
13 外層半割体
17 内層形成材
20 仮想外層
21 外鍔部
A オフセンター値
B オフセンター値

Claims (1)

  1. 未加硫材料12を半加硫乃至加硫して半球殻状の外層半割体13, 13を形成した後、未加硫の内層形成材17を一対の上記外層半割体13, 13にて挾んで加硫プレス成形して外層2と内層3から成る芯材1を形成すると同時に、該外層半割体 13 13 の間に該内層形成材 17 を流し込ませ該外層2のシーム部4の少なくとも一部に上記内層3が貫通又は食い込んだ侵出部分5を形成、上記貫通又は食い込んだ侵出部分5の体積を、上記外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1/5とすることを特徴とするゴルフボールの芯材の製法。
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