JP2001137387A - ゴルフボールの芯材の製法 - Google Patents

ゴルフボールの芯材の製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層構造の芯材を有するゴルフボールの芯材
の製法に於て、芯材の外層に対する内層の偏心量の著し
い減少と大量生産とを実現できると共に優れた耐久性と
飛行性能を有するものとする。 【解決手段】 芯材を形成するには、未加硫材料12を半
加硫乃至加硫して半球殻状の外層半割体13を形成した
後、未加硫の内層形成材を一対の外層半割体13, 13にて
挾んで加硫プレス成形する。芯材の外層のシーム部の少
なくとも一部に内層を貫通させる。内層の外層への侵出
部分の体積を、外層が完全な球殻であると仮想した場合
の体積の1/300 〜1/5とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボールの芯
材の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層構造のゴルフボールの製造方
法としては、偏心を避けるため、次のような手法がとら
れていた。 ある層を設けるときは、それよりも内側の部分、即
ち、内核を別に加硫成形してから外層金型内の所定の位
置に可動ホールドピンなどで固定し、外層を形成する材
料を射出成形機またはトランスファー金型により射出す
ると共に適当なタイミングでホールドピンを引き抜い
て、そのまま加硫成形する方法。 外層を、半球状凹型と半球状凸型で半球殻状に半加
硫し、又は、未加硫の状態でシュリンクしない程度に一
定時間熱を加えて半球殻状に成形し、半球状凸型を除去
後、半球殻状外層を半球状凹型につけたまま、別に加硫
成形していた内核をセットし、加硫プレス成形する方法
(いわゆる中子方式)。 の方法に於て、外層を半球殻状とせずにシート状
のまま用いる方法。以上の方法は、例えば、特開昭63−
105774号、特開平2−228978号、特開平6−218077号に
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のゴルフボールの製造方法では、内核(内
層)の偏心を減らすために作業性を犠牲にしていた。例
えば、前記従来技術においては、射出成形機又はトラ
ンスファー金型内にて内核を可動ホールドピンで保持
し、次いで外層材料注入とともにピン引き抜きを行うた
めに金型の構造が非常に複雑となり、コスト増を招くと
共に注入時の圧力の限界により1回のプレスでの取り数
が少なくなって大量生産には不向きであった。さらに、
可動ピンと金型のクリアランス調整及び管理が煩雑で、
狭ければ摺動不良、広ければゴムはみ出しなどの問題も
生じていた。
【0004】また、前記従来技術では、の欠点の1
回のプレスでの取り数の少なさや金型の問題は克服され
てはいるものの、外層を一旦半球殻状に成形したときに
は、その半球殻状外層は外層形成用の半球状凹型に付着
している必要があるにもかかわらず、半球状凸型の方に
大部分付着し、半球状凹型の方に移す作業が必要で、や
はり大量生産には採用できなかった。また、従来技術
では、の半球殻状外層成形の仕込みをシート状に変更
しただけで依然同じ問題は残っている。このように〜
の従来技術は大量生産に致命的な欠点を有していた。
また、〜の従来技術以外にも、特開昭61− 25579号
により、内核の表面に外層厚みと同じ長さの突起を一体
成形により設け、準球殻構造で外層を被覆する方法が公
知であった。その方法では、理論上の偏心を0にできる
ものの突起を一体成形で設けるときは金型からの離型性
が問題となる。そこで外層径で成形した後削り出して突
起をつくることも考えられるが、非常に手間がかかり現
実的ではない。
【0005】そこで、本発明は、上述の問題を解決し
て、芯材の外層に対する内層の偏心量の著しい減少と大
量生産とを実現できると共に優れた耐久性と飛行性能を
有するゴルフボールを製造する方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るゴルフボールの芯材の製法は、未加
硫材料を半加硫乃至加硫して半球殻状の外層半割体を形
成した後、未加硫の内層形成材を一対の上記外層半割体
にて挾んで加硫プレス成形して外層と内層から成る芯材
を形成すると同時に該外層のシーム部の少なくとも一部
に上記内層が貫通又は食い込んだ侵出部分を形成すると
共に、上記貫通又は食い込んだ侵出部分の体積を、上記
外層が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/30
0 〜1/5とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
【0008】図1は、外層2と内層3から成る2層構造
のゴルフボールの芯材1を示す。ゴルフボールは、その
内部にこのような芯材1を有し、その芯材1の外面に、
図示省略のカバー材が積層された3層構造のいわゆる3
ピースゴルフボール乃至4層以上の多層構造とされる。
しかして、外層2のシーム部4に内層3が貫通してお
り、その内層3の外層2への侵出部分5の体積を、外層
2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300
〜1/5とする。ここで、シーム部4とは、外層2を成
す一対の半球殻状の外層半割体の対向端縁部乃至その近
傍の部分のことを言うものと定義する。
【0009】また、図2は、後述の外層半割体を成形す
るための金型6を示し、この金型6は、半球状凹部7を
有する凹型8と半球状凸部9を有する凸型10とから成
る。具体的には、凹型8の半球状凹部7を半球よりも浅
く形成すると共に、凸型10の半球状凸部9を半球よりも
低く突出形成する。かつ、半球状凹部7・凸部9のオフ
センター値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定する。さら
に好ましくは、オフセンター値A,Bを0.05〜0.70mmに
設定する。
【0010】ここで、オフセンター値Aとは、半球状凹
部7の半球の中心点としての点Pがその半球状凹部7よ
りも外方に位置し半球状凹部7の開口端縁を含む平面か
ら点Pまでの距離のことをいうと定義する。また、オフ
センター値Bとは、半球状凸部9の半球の中心点として
の点Qがその半球状凸部9の円形端面よりも外方に位置
しその円形端面から点Qまでの距離のことをいうと定義
する。つまり、半球状凹部7は、点Pを中心とする半径
1 の凹面から成り、その凹面の深さ寸法は半径R1
りもオフセンター値Aだけ小さく設定されている。ま
た、半球状凸部9は、点Qを中心とする半径R2 の凸面
を有し、その突出寸法は半径R2 よりもオフセンター値
Bだけ小さく設定されている。また、凹型8と凸型10を
合わせたときに空隙部(キャビティ)が生じるように、
半球状凹部7の半径R1 を半球状凸部9の半径R2 より
も所定寸法だけ大きく設定する。
【0011】また、図3の拡大断面図に示すように、半
球状凸部9を、転写性のない離型剤11にて被覆する。そ
の離型剤11としては、例えば、フッ素樹脂があげられ
る。さらに具体的な例としては、旭硝子株式会社製:商
品名「サイトップCTL−109S」等の溶剤可溶性フ
ッ素樹脂が好ましい。なお、一般的なフッ素樹脂コーテ
ィングを用いてもよい。
【0012】しかして、本発明に係るゴルフボールの芯
材の製法を説明する。まず、図4の(a)(b)(c)
に示すように、未加硫材料12を半加硫して半球殻状の外
層半割体13を形成する。具体的には、(a)の如く未加
硫材料12を金型6の凹型8の半球状凹部7に挿入する。
なお、未加硫材料12を凹型8に挿入する前又は挿入後に
半球状凸部9に転写性のない離型剤11を塗布する。その
後、(b)に示すように凹型8と凸型10を合わせて半加
硫プレス成形する。その後、(c)の如く凹型8と凸型
10を離間させて外層半割体13(ハーフシェル)を取り出
す。このとき、半球状凸部9が転写性のない離型剤11に
て被覆されているので、外層半割体13を簡単に外すこと
ができると共に、その半割体13の内面に離型剤11が転写
されることがない。こうして形成した外層半割体13は、
図5に示すように、完全な半球殻よりも小さく、その凹
面14と凸面15の中心点Cは、端面16よりも所定寸法Eだ
け外方に位置する。
【0013】次に、図6に示すように、未加硫の内層形
成材17を一対の外層半割体13, 13にて挾んで、さらに、
図7に示すように、完全な半球とされた半球凹部18, 18
を有する2つの芯材形成用凹型19, 19にて、加硫プレス
成形する。このとき、外層半割体13, 13は半球よりも小
さいため、外層半割体13, 13の間に僅かな隙間が生じ
て、その隙間に内層形成材17が流れ込む。その流れ込ん
だ部分により、内層形成材17を外層半割体13, 13の中央
に保持することができる。そして、その流れ込んだ部分
が内層3の侵出部分5となり、その後、図8に示すよう
に、凹型19, 19を離間させれば、芯材1を取り出すこと
ができる。このように、未加硫の内層形成材17を一対の
外層半割体13, 13にて挾んで加硫プレス成形して外層2
と内層3から成る2層構造の芯材1を形成する。
【0014】ところで、上述の図4の(a)(b)
(c)に示した外層半割体13の成形に於て、外層半割体
13の半加硫の程度を、次のように調整する。まず、図9
は、未加硫材料(生ゴム)を完全に加硫させた場合のキ
ュラストメータ(日本合成ゴム株式会社製:商品名「J
SRキュラストメータIII D型」)のトルクと時間の関
係を示すグラフ図であり、トルクが大きくなるほど加硫
が進んで材料が硬くなっていることを示す。なお、測定
条件は温度 160℃( 150〜 170℃で可能)、振幅3°で
あり、その他はJIS規格K6300に従った。また、加硫
開始直後の時間t1にてトルクの最小値Fが現れた後、
トルクは次第に増加し、その後、加硫が完了する時間t
4 にてトルクの最大値Gが現れる。
【0015】しかして、外層半割体13の半加硫の程度
を、キュラストメータのトルクの最小値Fと最大値Gと
の差Hの5〜80%となるように設定する。つまり、時間
2 に於けるトルクIが上記差Hの5%に相当し、時間
3 に於けるトルクJが上記差Hの80%に相当する。そ
して、その時間t2 から時間t3 の間で、加硫を中断す
る。例えば、未加硫材料12のゴム配合が、BR01を10
0 重量部、アクリル酸亜鉛を24.5重量部、亜鉛華を19.8
重量部、老化防止剤を0.5 重量部、ジクミルパーオキサ
イドを1.0 重量部とした場合に、 150℃にて時間t2
3分、時間t3 を14分とする。つまり、加硫開始からの
経過時間が3分から14分までの間にて、加硫を中断させ
る。
【0016】半加硫の程度を上記のように設定する理由
は、トルクの最小値Fと最大値Gとの差Hが5%未満で
あると、外層半割体13の弾性が不足して形が維持できな
くなり、内層3が大きく偏心する虞れがあり、差Hが80
%を越えると内層3と外層2との密着性が低下して剥離
が生じ易くなるからである。また、好ましくは、外層半
割体13の半加硫の程度を、キュラストメータのトルクが
加硫開始直後の最小値Fと加硫を完了させた場合の最大
値Gとの差Hの15〜70%となるように設定する。なお、
外層半割体13全体を半加硫させるのが好ましいが、それ
以外にも、凸型10を冷却しつつ凹型8を加熱して、外層
半割体13の凹面14のみ不完全に加硫───即ち半加硫─
──させてもよい。その場合、外層半割体13の凹面14の
硬度を、上述の如く半加硫した場合の硬度と同一となる
ようにする。
【0017】また、図10の(a)に示す外層半割体13の
内径Kと、外層半割体13を自由状態にて加硫して形成し
た図10の(b)に示す仮想外層20の内径Lの差が、図10
の(a)に示す外層半割体13の内径Kと図11の(b)に
示す加硫プレス成形完了後の内層3の外径Mの差に対し
て、0.5 〜3.0 倍となるように、加硫プレス時の成分配
合を設定する。これを言い換えると、図10の(a)に示
す外層半割体13の内径Kと、その外層半割体13を自由状
態にて加硫して形成した図10の(b)に示す仮想外層20
の内径Lの差が、図11の(a)に示す加硫プレス開始直
後の内層形成材17の外径Nと図11の(b)に示す加硫プ
レス成形完了後の内層3の外径Mの差に対して、0.5 〜
3.0 倍となるように、加硫プレス時の成分配合を設定す
る。
【0018】ところで、ゴム組成物は、一般に、ゴム分
が多いほど縮みが大きくなる。このため、例えば、外層
2と内層3が、BR01、アクリル酸亜、亜鉛華、老化
防止剤、及び、ジクミルパーオキサイドにて形成される
場合、外層2に於て、硬度が変化しない程度まで亜鉛華
を減じて(最低5重量部は必要)縮みを増し、かつ、外
層2の重量が減る分、加硫に影響のない亜鉛華、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム等で内層3を重くして、芯材1
全体の重量を調整しつつ同時に内層の縮みを小さくす
る。
【0019】これにより、外層2が内層3よりも大きく
収縮するので、外層2と内層3の密着性が良くなる。な
お、外層半割体13の内径Kと、その外層半割体13を自由
状態にて加硫して形成した仮想外層20の内径Lの差が、
外層半割体13の内径Kと加硫プレス成形完了後の内層3
の外径Mの差に対して、0.5 倍未満であると、外層2と
内層3の密着性が悪くなり、剥離が生じる虞れがある。
また、3.0 倍を越えると、外層2に周方向の大きな張力
が作用するため耐久性が悪くなる。
【0020】しかして、このゴルフボールの芯材の製法
によれば、シンプルな構造の金型にて、偏心量が著しく
小さく、かつ、外層2と内層3の密着が良好な芯材1を
容易に製造することができる。そして、作業性が高く、
かつ、工数を低減することができ、大量生産に好適であ
る。また、飛行性能に悪影響を及ぼすことが無く、か
つ、十分大きな耐久性が得られる。
【0021】なお、半球状凹部7・凸部9のオフセンタ
ー値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定した理由は、オフ
センター値A,Bが0.01mm未満であると、芯材1の内層
3の外層2への侵出部分5の形状や体積にばらつきが生
じ易くなって内層3の偏心量が増加する虞れがあるから
であり、0.70mmを越えると、侵出部分5の体積が大きく
なり過ぎて───即ち侵出部分5の体積が外層2が完全
な球殻であると仮想した場合の体積の1/5を越えて─
──飛行性能に悪影響を及ぼすからである。
【0022】また、本発明のゴルフボールに於て、芯材
1の内層3の外層2への侵出部分5の体積を、外層2が
完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300 〜1
/5とした理由は、1/300 未満であると、内層3の偏
心量が大きくなって飛距離等の飛行性能が低下するから
であり、1/5を越えた場合も飛行性能が低下するから
である。
【0023】次に、図12は、厚み寸法Tが0.1 〜1.5 mm
かつ幅寸法Wが0.5 〜15.0mmの外鍔部21を、外層半割体
13の開口端部に、一体に形成する場合を示す。外層半割
体13の凹面14は完全な半球よりも浅く、その凹面14の上
端縁に厚み寸法Tと同一寸法のストレート部22が連続状
に形成される。また、半球の中心点Cは、凹面14の上端
縁よりも所定寸法Eだけ外方に位置し、その所定寸法E
は、厚み寸法Tの1/2に設定されている。このように
すれば、加硫プレス成形の際に、芯材形成用凹型19の半
球凹部18に嵌め込まれる外層半割体13の姿勢(座り)が
安定するため、内層3の外層2への侵出部分5の形状や
体積のばらつきが少なくなり、侵出部分5の体積を外層
2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/300
〜1/5の範囲とし易くなって、内層3の偏心量を確実
に小さくし得る。
【0024】ここで、厚み寸法Tを0.1 〜1.5 mmとした
理由は、0.1 mm未満では、加硫プレス成形時に外層半割
体13自身を支える力が弱すぎるからであり、1.5 mmを越
えると加硫プレス成形時に外層半割体13の一部が内側に
入り込み過ぎて飛行性能が低下するからである。また、
幅寸法Wを0.5 〜15.0mmとした理由は、0.5 mm未満で
は、加硫プレス成形時に外層半割体13自身を支える力が
弱すぎるからであり、15.0mmを越えると材料が無駄とな
るからである。
【0025】なお、図1は、外層2のシーム部4の略全
体に内層3が貫通して侵出部分5が円環状に形成されて
いる場合を示したが、それ以外にも、図13に示すよう
に、外層2のシーム部4全体に内層3が食い込んで、侵
出部分5の形状は外径方向に次第に肉薄に形成されたも
のであってもよい。また、図14の(a)(b)に示すよ
うに、外層2のシーム部4の一部に内層3が貫通して
(又は食い込んで)、侵出部分5がシーム部4上に複数
形成されたものであってもよい。
【0026】また、半球状凹部7・凸部9のオフセンタ
ー値A,Bを0mmに設定した金型6にて、外層半割体13
を形成してもよい。その場合、外層半割体13を半加硫す
るのが好ましい。また、外層半割体13を形成するとき
に、未加硫材料12を(完全に)加硫してもよい場合があ
る。その場合は、内層3の外層2への侵出部分5を確実
に形成するために、金型6の半球状凹部7・凸部9のオ
フセンター値A,Bを夫々0.01〜0.70mmに設定するのが
望ましい。
【0027】なお、外層2は、1層のみならず、2層、
3層とするも好ましい。つまり、芯材1全体として最大
4層構造とすることができる。例えば、外層2を3層構
造とする場合、図15の(a)に示すように、外層半割体
13, 13を、外から第1層31、第2層32、第3層33の3層
構造として、内層形成材17を挾んで加硫プレス成形すれ
ばよい。これにより、(b)に示すように、第1層34、
第2層35、第3層36の3層から成る外層2と、その外層
2に食い込んだ侵出部分5を有する内層3と、から成る
4層構造の芯材1を形成できる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を示す。2層構造の芯材1を有
するゴルフボールを作成した。具体的には、外層2が完
全な球殻であると仮想した場合の体積に対する内層3の
外層2への侵出部分5の体積の比(以下はみ出し割合と
呼ぶことがある)、凸型10の半球状凸部9のオフセンタ
ー値B、凹型8の半球状凹部7のオフセンター値A、半
加硫の程度、外層半割体13の内径Kと加硫プレス成形完
了後の内層3の外径Mの差に対する外層半割体13の内径
Kと外層半割体13を自由状態にて加硫して形成した仮想
外層20の内径Lの差の比(以下縮みの比と呼ぶことがあ
る)を、変えた芯材1を有するゴルフボールを実際に作
製した。そして、夫々のボールについて、スウィングロ
ボットに1番ウッド(ドライバー)を取付けて45m/s
のヘッドスピードにて打撃し、キャリーを測定した。そ
の際、各ボールについて、内層3の外層2への侵出部分
5側の部分の打撃と、侵出部分5から最も離れた点(侵
出部分5が形成されたシーム部4に対して90°の中心角
をなす点)の打撃との、2通りの打撃を、50打ずつ行っ
てその平均値をとった。また、外層2と内層3の密着の
良否と、外層2に対する内層3の偏心量を、測定した。
その詳細を次の表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1より、実施例1〜7は、外層2と
内層3の密着が良好であり、かつ、偏心量は0.08〜0.13
mmと著しく小さい。そして、打撃部分の違いによるキャ
リーの差は無く、かつ、キャリーの値が十分に大きい─
──即ちよく飛ぶボールである───。
【0031】これに対し、比較例1は、侵出部のはみ出
し割合が1/4と大きい。そして、偏心量は0.13mmと小
さいが、外層と内層の剥離が起こり、かつ、侵出部分5
の打撃によるキャリーよりも侵出部分5から離れた位置
での打撃によるキャリーの方が6ヤードも小さかった。
また、比較例2は、侵出部のはみ出し割合が1/4と大
きく、外層と内層の密着は良好であるが、偏心量が0.35
mmと大きく、かつ、侵出部分5の打撃によるキャリーよ
りも侵出部分5から離れた位置での打撃によるキャリー
の方が6ヤードも小さかった。また、比較例3は、侵出
部のはみ出し割合が1/600 と小さく、偏心量が0.40mm
と大きく、かつ、外層と内層の剥離が起こり、さらに、
侵出部分5の打撃によるキャリーよりも侵出部分5から
離れた位置での打撃によるキャリーの方が7ヤードも小
さかった。
【0032】以上の結果から、本発明のゴルフボールの
芯材の製法によれば、芯材1の外層2に対する内層3の
偏心量の著しい減少と、外層2と内層3の密着性の向上
を実現でき、かつ、ゴルフボールとしての優れた飛距離
性能が得られると言える。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。
【0034】本発明に係る製法にて得られた芯材を用い
たゴルフボールは、外層2に対する内層3の偏心量が著
しく減少でき、かつ、外層2と内層3の密着性が向上で
きて、飛距離等の飛行性能に優れ、かつ、打撃による大
きな衝撃に十分に耐える優れた耐久性を発揮できる。特
に、外層2と内層3の密着性が大きいため、打撃によっ
て外層2と内層3が剥離せず、耐久性に優れたゴルフボ
ールが得られる。かつ、侵出部分5の体積割合が適切な
ため、ゴルフボール打撃箇所が侵出部分5に近いか、離
れているかによって、キャリーに差異を生じないという
利点がある。
【0035】また、本発明に係るゴルフボールの芯材の
製法は、作業性が高く、工数を低減することができ、大
量生産に好適である。また、金型の構造を簡単なものと
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法によって得られるゴルフボールの
芯材の一例を示す断面図である。
【図2】外層半割体形成用の金型の断面図である。
【図3】凸型の要部拡大断面図である。
【図4】芯材の製造方法説明図である。
【図5】外層半割体の断面図である。
【図6】芯材の製造方法説明図である。
【図7】芯材の製造方法説明図である。
【図8】金型から芯材を取り出した状態の説明図であ
る。
【図9】キュラストメータのトルクと加硫時間の関係を
示すグラフ図である。
【図10】加硫による収縮の説明図である。
【図11】加硫による収縮の説明図である。
【図12】他の外層半割体の断面図である。
【図13】他の芯材の断面図である。
【図14】別の芯材の断面図である。
【図15】外層を3層構造とする場合の製法の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 芯材 2 外層 3 内層 4 シーム部 5 侵出部分 6 金型 7 半球状凹部 8 凹型 9 半球状凸部 10 凸型 12 未加硫材料 13 外層半割体 17 内層形成材 20 仮想外層 21 外鍔部 A オフセンター値 B オフセンター値

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未加硫材料12を半加硫乃至加硫して半球
    殻状の外層半割体13,13を形成した後、未加硫の内層形
    成材17を一対の上記外層半割体13, 13にて挾んで加硫プ
    レス成形して外層2と内層3から成る芯材1を形成する
    と同時に該外層2のシーム部4の少なくとも一部に上記
    内層3が貫通又は食い込んだ侵出部分5を形成すると共
    に、上記貫通又は食い込んだ侵出部分5の体積を、上記
    外層2が完全な球殻であると仮想した場合の体積の1/
    300 〜1/5とすることを特徴とするゴルフボールの芯
    材の製法。
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