JP4058136B2 - 中空ゴルフボールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空ソリッドゴルフボールの製造方法に関し、更に詳述すると、製造歩留まりの良好な中空ゴルフボールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のゴルフボールの開発において、反発特性の向上については限界に達しているため、その開発方針が打出角を高く、スピンを少なくする方向へと移行してきている。スピンをより少なくする方法としてゴルフボールの中心を中空にして慣性モーメントを大きくすることが考えられる。慣性モーメントを大きくすることにより、飛行中のスピンの減衰を小さくすることができるため、弾道の最高点から揚力を大きくすることができ、飛距離を伸ばすことが可能である。
【0003】
本発明者等は既に、ツーピースゴルフボールのソリッドコアを中空にした中空コアを用い、これにアイオノマーカバーを被覆した中空ゴルフボールを提案した(特願平8-288131号および特願平8-288136号)。この中空ゴルフボールは、前述のように慣性モーメントを大きくすることができるので、初期スピンを抑制する効果および飛行中のスピン減衰を抑制する効果があるために、飛距離が増大する。しかしながら、ゴム材料から成るコアを中空に歩留まり良く成形することは、製造上において多くの克服すべき点が存在し、未だに市場に投入された中空のゴルフボールは存在しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、既にコア部分を2層として、ゴムまたは熱可塑性樹脂から成る中空センター(5)とそれを被覆するゴム製の外殻層(3)とから形成する方法を提案した(特願平8-288099号)。この方法では予め中空センター(5)を形成した後、この中空センターとは別に図2に示すように外殻層形成用ゴム組成物を外殻層成形用金型(7)と中子金型(8)を用いて半加硫成形をして、図3に示すような半加硫ゴムハーフシェル(9)を形成する。このようにして得られた半加硫ゴムハーフシェル(9)2個の凹部に中空センター(5)を図4に示すように挿入して、加硫成形することにより、図5に示す断面を有する中空コア(6)を形成し、これをカバー(4)で被覆することにより、図1に示すような中空ゴルフボールを製造することができる。
【0005】
この製造方法を通常当業者が実施する条件で行うと、図4に示す工程で行われる加圧加硫成形時に中心の中空部分が潰れることが頻発する。中空部分が潰れると、中空にした効果が達せられなくなるばかりでなく、ゴルフボールの偏心が起こり、商品価値が無くなる。
【0006】
本発明は中空ゴルフボール製造時に起こる中空部分の潰れを防止する有効な手段を提供し、製造時の歩留まりを改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(i)ゴムまたは樹脂またはその混合物を主成分とする中空センター(5)を作製する工程、
(ii)外殻層形成用ゴム組成物を半加硫成形して中空センターと同形の凹みを有する半加硫ゴムハーフシェルを作製し、該半加硫ゴムハーフシェル2個の内部に中空センターを封入して、外殻層成形用の上下金型の中で加圧および加熱する工程、
(iii)必要に応じて、工程(ii)を繰り返して中空コア(6)を形成する工程、および
(iv)該中空コア上にカバーを被覆する工程、
を含む、
中空部(1)とそのまわりの内殻層(2)とから成る中空センター(5)、該中空センター上に形成された1層以上の外殻層(3)を有する中空コア(6)、および該中空コア(6)上に形成されたカバー(4)から成る中空ゴルフボールの製造方法において、
該工程(ii)における加圧圧力が、該中空センターを平面で2等分した時の内殻層(2)の断面積をS(cm2)とし、該中空コア全体にかかる加圧力をF(kgf)とした場合に、F/S(kgf/cm2)が20〜80kgf/cm2の範囲で行われることを特徴とする中空ゴルフボールの製造方法を提供する。
【0008】
前述の中空ゴルフボールの製造時に起こる中空部分の潰れは、外殻層の加硫成形時に加える圧力と中空部分の膨張が相俟って起こるものと予想されるが、実際にどのような条件にすると中空の潰れが防止でき、しかも外殻層部分の十分な加硫が行われるのかは、全く知られていない。
【0009】
本発明者等は外殻層加硫時に付加する圧力と中空センター(5)の内殻層(2)の断面積との関係を明確にし、この範囲で加圧加硫すると、中空部分の潰れが有効に防止でき、加硫も十分な程度まで進行することを見い出し、本発明に達した。
【0010】
本発明のゴルフボールの構造を図1に基づいて説明する。図1は本発明の中空ゴルフボールの断面を模式的に示す図である。図1に示す如く、中空部(1)と内殻層(2)とから成る球状の中空センター(5)上には外殻層(3)が形成され、この中空センター(5)と外殻層(3)とがコア(中空コア)(6)を形成する。中空コア(6)上には、カバー(4)が被覆される。
【0011】
内殻層(2)は、ゴムまたは樹脂またはその混合物を主体とする組成物から形成され、2層以上の多層構造を有してもよい。ゴムから形成される場合、通常の中空ゴム球を作る方法で形成される。例えば、ゴム組成物を調製した後、そのゴム組成物を椀状半球体に成形すると同時に半加硫する。半加硫とは、ゴム組成物を完全に加硫するのではなく、架橋反応が完了する前に加硫を一旦中止した状態をいう。半加硫したものは、再度加熱すると架橋が更に進行して、架橋反応を完結することができる。半加硫の条件は、完全加硫の条件の加硫時間の約半分程度である。例えば、完全加硫が150℃で30分間の場合、150℃で約15分間加硫することになる。
【0012】
本発明の中空センターの場合、通常完全加硫が150〜170℃で10〜30分間行われるので、その加硫時間の中間点で中止すれば、半加硫状態になる。椀状半球体に成形する方法は公知であり、例えば中空部分と同じ大きさの中子を用いて椀状半球体を形成してもよい。また、射出成形等の方法を用いてもよい。
【0013】
形成された半加硫状態の椀状半球体を2個接合して、加硫を完結すれば、中空センターが形成される。半球体接合時には、接合面に有機溶剤を塗布して、接着性を向上することが一般に行われる。
【0014】
中空センターに用いられるゴム組成物は、基材ゴム(例えば、ポリブタジエン、天然ゴム、シスイソプレンゴム、またはその混合物等)、加硫剤、充填材等を含有する。加硫剤は、硫黄加硫を行う場合には硫黄であり、過酸化物加硫の場合には有機過酸化物(例えば、ジクミルパーオキサイド)と加硫助剤(例えば、α,β-不飽和カルボン酸の金属塩、具体的にはアクリル酸やメタクリル酸の2価金属塩)との組合せが用いられる。
【0015】
上述のように、中空センター(5)がゴムから成る場合、外殻層(3)を加硫および成形する時の真球度をより向上するために、中空センターの内圧を大気圧を越える圧力、具体的には1〜2気圧になるように空気や窒素等のガス状気体を封入するのが好ましい。ガスの封入方法は公知であるが、例えば完成した中空センターに注射器で注入した後、封止してもよい。また、中空センター形成時に、ガス発生剤を封入してもよい。
【0016】
中空センター(5)が樹脂で形成される場合、通常の金型を用いた方法等で椀状半球体を形成し、これを2個接着剤や溶着等の方法で接合してもよい。なお、樹脂としては、射出成形が可能である熱可塑性樹脂、軟質相(ソフトセグメント)と硬質相(ハードセグメント)とから構成される熱可塑性エラストマー、またはそれらの混合物が好ましく、更に融点が150℃以上、更に160℃以上、更に170℃以上のものがよい。融点が高い樹脂を用いることにより、中空センターの上に外殻層を加硫成形する際に中空コアが変形しにくくなる。
【0017】
熱可塑性樹脂の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアセタール、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリイミドまたはそれらの混合物等を使用することができ、また、熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等や、それらの混合物を使用することができ、ゴルフボールとしての高反発性を達成し得るポリエステル系熱可塑性エラストマーやウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。更に、樹脂中に、比重調整のための充填材、柔軟性を付与するためのゴム微粒子、ゴム微粒子用の架橋剤などを配合することもできる。
【0018】
本発明の中空センター(5)は、好ましくはショアーD硬度30〜90、より好ましくは30〜80、更に好ましくは30〜60、最も好ましくは30〜50を有する。ショアーD硬度が90より大きいと、打撃時のフィーリングが悪くなり、30より小さくなると、軟らか過ぎて中空部の変形が生じ易くなる。中空センターの大きさは特に限定されるものではないが、慣性モーメントを大きくするには、中空部直径5〜30mm、好ましくは10〜20mm、更に好ましくは10〜15mm、内殻層厚さ0.5〜15mmを有することが好ましい。中空部直径を30mmより大きくすると外殻層(3)に比重調整のために充填材を大量に使用する必要があり、反発が低くなり過ぎ、5mmより小さいと中空の効果が見られなくなる。内殻層厚さを15mmより大きくすると中空の部分が小さくなり過ぎるため、中空の効果が見られなくなり、0.5mmより小さいと外部からの圧力に耐えられず、中空部の真球度が保持できない。また、中空コア(5)の直径が36〜41mmであることから、外殻層(3)の厚さは5〜16mmである。
【0019】
本発明の外殻層(3)はゴルフボールのコアに通常用いられるゴム組成物を加硫することにより得られる。ゴム組成物は通常、基材ゴム、不飽和カルボン酸金属の塩、有機過酸化物、充填材等を含有する。基材ゴムとしては、従来からソリッドゴルフボールに用いられている天然ゴムおよび/または合成ゴムが用いられ、特にシス-1,4-構造少なくとも40%以上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、所望により、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)等を配合してもよい。
【0020】
不飽和カルボン酸の金属塩は共架橋剤として作用し、特にアクリル酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8のα,β-不飽和カルボン酸の、亜鉛、マグネシウム塩等の一価または二価の金属塩が挙げられるが、高い反撥性を付与するメタクリル酸亜鉛が好適である。配合量は基材ゴム100重量部に対して、25〜55重量部が好ましい。55重量部より多いと硬くなり過ぎ、フィーリングが悪くなり、25重量部より少ないと反撥が悪くなり飛距離が低下する。
【0021】
有機過酸化物は架橋剤または硬化剤として作用し、例えばジクミルパーオキサイドまたはt-ブチルパーオキサイドが挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。配合量は、基材ゴム100重量部に対して0.5〜3.0重量部であることが好ましい。0.5重量部未満では軟らかくなり過ぎて反撥が悪くなり飛距離が低下する。3.0重量部を越えると硬くなり過ぎ、フィーリングが悪くなる。
【0022】
充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合されるものであればよく、無機塩(例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカゲル)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げられる。本発明に用いる中空コアは通常の中実コアに比べて重量が不足する傾向があるので、無機塩と高比重金属粉末の混合物を用いるのが好ましい。配合量は、基材ゴム100重量部に対して10〜120重量部であることが好ましい。10重量部未満では充填材の効果が見られなくなり、120重量部を越えると反撥性能が低下し過ぎる。
【0023】
本発明の中空コア(6)は、図2に示すように外殻層成形用金型(7)と中空センター(5)と同形の凹みを有する中子金型(8)とを用いて、上記外殻層形成用ゴム組成物で中空センター(5)と同形の凹みを有する半加硫のゴムハーフシェル(9)を形成し(図3)、図4に示すように外殻層成形用金型(7)および(7’)を用いて、上記半加硫ゴムハーフシェル2個(9)および(9’)を接合する際に、上記中空センター(5)を封入して、通常よりかなり低い圧力、即ち上記中空センター(5)を平面で2等分した時の内殻層(2)の断面積をS(cm2)とし、上記中空コア(6)全体にかかる加圧力をF(kgf)とした場合に、F/Sが20〜80kgf/cm2となるように加硫プレス成形することにより中空コア(6)が得られる。本発明の方法を用いることにより、中空部を変形、または破壊することなく、多層構造を有する中空ゴルフボールの成形が可能となる。上記圧力が20kgf/cm2より小さいと、中空コア表面にベアと呼ばれる空気溜まりによる凹部が生じて外観が悪くなり、80kgf/cm2より大きいと中空部が変形するか、または潰れる。表面にベアが生じた中空コア(5)を用いてゴルフボールを作製すると、外殻層(3)との接着性が低下してゴルフボールの耐久性が低下する。また、中空部(1)が潰れた場合、中空コア(5)も変形し、これを用いてゴルフボールを作製すると、部分的にカバー等の厚さが薄くなってゴルフボールの耐久性が低下する。半加硫とは、中空センターの場合と同意義であるが、中空センターの場合より、時間を短縮する方が好ましい(1/10程度)。これは中空センターとの接着をより向上させるためである。上記中空コアの作製方法において、未加硫の外殻層形成用組成物を使用すると、中空センターを封入してプレス成形する際に、金型内での加硫時に膨張が大きくて中空部を変形させ易くなる。従って、半加硫ゴムハーフシェルを用いれば、未加硫の場合より膨張が小さくなり、中空部の変形が低減される。また、上記の方法を用いると、前述のような中空部変形防止効果と共に、中空コア上に外殻層形成用組成物をセットし易くて生産性が向上し、加えて予め中空センター上に均一に外殻層形成用組成物を被覆することができるために加硫成形時にベア等が発生せず、また加硫成形時の中空コアに加わる圧力が均一化されて更に中空部変形防止効果が向上する。
【0024】
本発明の外殻層(3)は2層以上の多層構造を有してもよく、その場合には上記のように作製した1層の外殻層を被覆した部材に、同様の外殻層被覆工程を繰り返して、2層以上の外殻層を被覆するが、その際にも上記F/Sが20〜80kgf/cm2となるような一定圧力でプレス成形することが好ましい。
【0025】
なお、多層構造を有する内殻層や多層構造を有する外殻層は製造工程が増え、製造費が増加するため、内殻層は1層構造であることが好ましく、また、外殻層は1層構造であることが好ましい。
【0026】
次いで、上記中空コア(5)上にはカバー(4)を被覆する。カバーはソリッドゴルフボールのカバー材として通常使用されるアイオノマー樹脂やバラタで形成することができ、少量の他の樹脂を加えてもよい。また、上記カバー用組成物には、硫酸バリウム等の充填材や着色のために二酸化チタン等の添加物や、その他の添加剤、例えば紫外線吸収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量はカバー樹脂100重量部に対して0.1〜0.5重量部が好ましい。
【0027】
本発明のカバー層は、ゴルフボールのカバーの形成に使用されている一般に公知の方法、例えば射出成形、プレス成型等により形成される。カバー層厚さは1〜3mmが好ましく、カバー層を被覆する際に通常、ディンプルと呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるために、通常ペイントで被覆され、市場に投入される。
【0028】
本発明の方法を用いることにより、真球の中空部を有し、かつ良好な打撃時のフィーリングを有する中空ゴルフボールを提供する。
【0029】
【実施例】
本発明を実施例により更に詳細に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
中空センターの作製
以下の表1に示すゴム組成物を150℃で1分間成形して椀状半球体を形成し、この椀状半球体2個を接合して、140〜170℃で15分間加硫成形して、中空部直径17mm、ゴム厚さ2mmおよび外径21mmの中空センターを作製した。上記加硫温度を140〜170℃と変更することにより、ショアーD硬度20〜80を有する中空センターを得た。
【0031】
コアの作成
以下の表1に示す中空センターと同様のゴム組成物を、図2のような外殻層成形用金型(7)と中子金型(8)を用いて、加圧力1000kgfで160℃で30秒間予備成形して、ハーフシェル(9)を作製し、中子金型(8)を抜き取り、図3のようにハーフシェル2個(9)および(9’)の内部に前記のようにして得られた中空センター(5)を封止し、上記中空センターを平面で2等分した時の内殻層の断面積当たりのコア全体にかかる加圧力が15〜90kgf/cm2となるような一定圧力で160℃で20分間加硫成形することにより、外径38mmを有する中空コアを得た。上記圧力を20、40、80kgf/cm2としたものをそれぞれ実施例1、2、3のゴルフボール用コアとし、15、90kgf/cm2としたものをそれぞれ比較例1、2のゴルフボール用コアとした。得られた中空コアの中空部の形状およびコア外観を評価し、その結果をそれぞれ表3および表4に示す。試験方法は後記の通り行った。
【0032】
【表1】
Figure 0004058136
【0033】
(実施例1〜3および比較例1〜2)
カバー被覆
上記のように得られた中空コア上に、以下の表2に示す配合のカバー組成物を被覆してカバー層を形成し、ペイント塗装を施して、直径42.7mmの中空ソリッドゴルフボールを作製した。得られたゴルフボールの打撃時のフィーリングを評価し、その結果を表5に示す。試験方法は後記の通り行った。
【0034】
【表2】
Figure 0004058136
【0035】
(試験方法)
▲1▼中空部形状
得られた中空コアを切断し、中空部の形状を以下に示す判定基準により、目視評価した。
判定基準
〇 … 真球
△ … 変形(真球でない)
× … 破損(中空部が潰れている)
▲2▼コア外観
得られた中空コアの外観を、以下に示す判定基準により、目視評価した。
判定基準
〇 … 良好
× … コア表面にベア(空気溜まりによる凹部)あり
×× … 変形(真球でない)
▲3▼打撃時のフィーリング
プロゴルファー10人によりドライバーで実打して評価する。評価基準は下記の通りである。
評価基準
◎ … 8人以上が良いと回答
○ … 5〜7人が良いと回答
△ … 2〜4人が良いと回答
× … 1人以下が良いと回答
【0036】
(試験結果)
【表3】
Figure 0004058136
【0037】
【表4】
Figure 0004058136
【0038】
【表5】
Figure 0004058136
【0039】
以上の結果より、成形圧力が20〜80kgf/cm2である本発明の製造方法を用いた中空ゴルフボール(実施例1〜3)は、成形圧力がその範囲外である方法を用いた中空ゴルフボール(比較例1〜2)に比較して、中空部が潰れずに真球に近く、かつコアの外観も良好であることが認められた。更に、本発明の製造方法を用いた中空ゴルフボールは、中空センターの硬度が大きいと打撃時のフィーリングが悪くなるため、中空センターのショアーD硬度30〜50を有することが好ましい。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、中空部が真球で良好な製造歩留まりを有し、かつ良好な打撃時のフィーリングを有する中空ゴルフボールの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の中空ゴルフボールの断面概略図である。
【図2】 本発明の中空ゴルフボールの外殻層成形用金型の断面概略図である。
【図3】 本発明の中空ゴルフボールの外殻層用のハーフシェルの概略斜視図である。
【図4】 本発明の中空ゴルフボールの中空コア成形方法を説明する断面概略図である。
【図5】 本発明の中空ゴルフボールの中空コアの断面概略図である。
【符号の説明】
1 … 中空部
2 … 内殻層
3 … 外殻層
4 … カバー
5 … 中空センター
6 … 中空コア
7、7’ … 外殻層成形用金型
8 … 中子金型
9、9’ … ハーフシェル

Claims (1)

  1. (i)ゴムまたは樹脂またはその混合物を主成分とする中空センター(5)を作製する工程、
    (ii)外殻層形成用ゴム組成物を半加硫成形して中空センターと同形の凹みを有する半加硫ゴムハーフシェルを作製し、該半加硫ゴムハーフシェル2個の内部に中空センターを封入して、外殻層成形用の上下金型の中で加圧および加熱する工程、
    (iii)必要に応じて、工程(ii)を繰り返して中空コア(6)を形成する工程、および
    (iv)該中空コア上にカバーを被覆する工程、
    を含む、
    中空部(1)とそのまわりの内殻層(2)とから成る中空センター(5)、該中空センター上に形成された1層以上の外殻層(3)を有する中空コア(6)、および該中空コア(6)上に形成されたカバー(4)から成る中空ゴルフボールの製造方法において、該工程(ii)における加圧圧力が、該中空センターを平面で2等分した時の内殻層(2)の断面積をS(cm)とし、該中空コア全体にかかる加圧力をF(kgf)とした場合に、F/S(kgf/cm)が20〜80kgf/cmの範囲で行われ、
    該中空部が直径5〜30mmを有し、
    該内殻層が厚さ0.5〜15mmを有し、
    該中空センターがショアD硬度30〜50を有し、
    該中空コアが直径36〜41mmを有し、
    該外殻層が厚さ5〜16mmを有する
    ことを特徴とする中空ゴルフボールの製造方法。
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