JP3663123B2 - 灯火監視制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空港滑走路の誘導路出口付近に設置される停止線灯の監視制御を行う灯火監視制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機の発着場である空港に設置される停止線灯の監視制御装置は、航空機の航行の安全を確保するための視覚援助施設の一部であって、滑走路への取付け誘導路出口付近に設置される停止線灯の点灯・消灯制御を行うことにより、誘導路から滑走路へ進入してくる航空機と滑走路へ着陸してくる航空機とのニアミス事故や衝突事故を未然に防止する機能をもつものであり、非常に重要な監視制御の1つである。
【0003】
特に、停止線灯の監視制御装置は、降雨や濃霧等の視界不良時などの低視程時における空港の運用には必要不可欠なものであり、それだけに停止線灯の点灯・消灯制御には高い信頼性及び確実性が要求されている。
【0004】
ところで、従来、以上のような停止線灯の監視制御装置は、航空機の航行理想ルートにそって設置される各アンテナにより形成されるアウターマーカー、ミドルマーカーおよびインナーマーカーを通過する航空機のマーカー通過有無情報を取り込んで航空機の進入・離陸状態を表示する管制室に設置される無線装置と、この無線装置に表示される航空機の発着状態を操作員(以下、管制官と呼ぶ)が確認し、その確認のもとに管制官からの操作指示を受けたとき、当該操作指示に従って停止線灯の点灯・消灯を行う監視制御装置本体部とによって構成されている。
【0005】
従って、停止線灯の監視制御装置では、監視制御装置本体部が設けられているが、空港に接近する航空機のマーカー通過情報の直接のインタフェースを備えておらず、専ら人間系である管制官が無線装置の表示内容を監視し、判断及び決定のもとに操作指示が行われたときに初めて停止線灯の点灯・消灯制御を行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のような監視制御装置では、以下に述べるような種々の問題が指摘されている。
【0007】
(1) 空港の灯火としては、主に着陸してくる航空機のための滑走路側の灯火とターミナルから滑走路に向けて走行し離陸する航空機及び着陸後にターミナルに向けて走行する誘導路側の灯火とに分けられるが、それら灯火の数は空港によって異なるが、数百から数万にのぼる場合があり、管制官による監視・判断・決定・操作等の作業にもおのずと限界があること。
【0008】
(2) 一般の空港においては、管制官が滑走路の運用方向、背景輝度、雲底高、視程などの4条件を判断しつつ操作スイッチを選択し、現在時点の最適な灯火の状態を制御している。例えば背景輝度が昼間の状態、視程の悪い状態、雲底高が低い状態のときには灯火が明るくなるように設定し、逆に夜間、規程がよい状態、雲底高が高い状態ときには灯火が暗くなるように制御している。従って、パイロットはその灯火の状態のもとに航空機の航行または走行を行っている。このように管制官は、無数に設置されている各種灯火の監視業務だけでなく、諸種の条件を考慮しつつ灯火の明るさを調整する作業も含まれており、空港の運用に携わる管制官の業務は肉体的、精神的に非常に激しい状況にある。
【0009】
(3) また、空港運用上の安全面から考えたとき、その業務の多くが人間系の判断に頼っているところがあり、それだけに人間系の判断及び操作の誤りによって事故等につながる可能性がないとは言えず、管制官の業務の負担軽減が不可欠な状況にある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、管制官の業務の負担軽減及び空港の安全な運用を確保する灯火監視制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係わる灯火監視制御装置は、空港滑走路の誘導路出口付近に設置される停止線灯の点灯・消灯制御を行うものであって、航空機航行理想ルートにそって設置される複数のアンテナにより設定されるマーカーの航空機通過に関する無線情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信される無線情報と操作盤からの管制官の操作指示情報とを用いて前記停止線灯の点灯・消灯制御を行う停止線灯処理制御部とを備えた構成である。
【0012】
本発明は以上のような構成とすることにより、停止線灯処理制御部は、操作盤から入力される管制官の操作指示情報を優先するが、例えば管制官が停止線灯の点灯操作指示情報を出し忘れても、各アンテナから送信される航空機のマーカー通過に関する情報に基づいて自動的に停止線灯の点灯制御を行うことができ、管制官の業務の負担軽減及び航空機の航行の安全を確保することが可能である。
【0013】
なお、前記受信手段と前記前記停止線灯処理制御部とが有線伝送ラインで接続すれば、受信手段は停止線灯処理制御部のインターフェイスとなり、管制官が補線情報を監視することなく、受信手段の受信出力から航空機のマーカー通過状態を取り込んで停止線灯の点灯制御を行うことが可能である。
【0014】
また、前記受信手段は、停止線灯処理制御部内に一体的に組み込むことも可能であり、これによって装置全体をコンパクトに実現可能である。
【0015】
さらに、前記停止線灯処理制御部としては、操作盤からの管制官の操作指示情報または前記受信手段からのマーカー通過有り確認情報に基づいて前記停止線灯の点灯制御を行う点灯制御判断手段と、この点灯制御判断手段による前記停止線灯の点灯制御後、受信手段の出力から前記滑走路に最も近いインナーマーカーの航空機通過有りを判断するインナーマーカー通過判断手段と、この判断手段によってインナーマーカー通過有りと航空機の着陸確認指示とに基づいて前記停止線灯の消灯制御を行う消灯制御手段とを設けることにより、点灯制御判断手段が操作盤からの管制官の点灯操作指示情報または前記受信手段からのマーカー通過有り確認情報を受けると、停止線灯の点灯制御を実施する一方、消灯制御手段では、受信手段の出力から滑走路に最も近いインナーマーカー通過有り確認情報を受けた後、航空機の着陸確認指示を受けたとき、停止線灯の消灯制御を実施するので、管制官の業務の軽減はもとより、空港運用の確実な安全を確保可能である。
【0016】
さらに、別の停止線灯処理制御部としては、上記構成要素に新たに、インナーマーカー通過判断手段によって先行航空機のインナーマーカー通過有りと判断されたとき、滑走路から最も離れているアウターマーカーに対する後続航空機の位置を判断し、危険相当位置に存在する場合には前記点灯制御を継続させる後続機判断手段を設けるようにすれば、先行航空機の着陸時に後続航空機の状態を見ながら、経験上危険域の範囲内にあれば、引き続き、点灯を継続し、航空機のより確実な安全性を確保することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は本発明に係わる灯火監視制御装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0019】
同図において、10は一般的な空港の停止線灯制御に関連する空港関連設備であって、この空港関連設備10には滑走路誘導路出口付近に取付けられる停止線灯の点灯・消灯制御を行う管制室や電気室等に設置される灯火監視制御装置30が設けられている。
【0020】
この空港関連設備10は、航空機の発着陸の用に供する滑走路11の側方に少なくとも1つ以上の誘導路12,…が取付けられ、この誘導路12,…はエプロン13を介して乗客の乗降目的その他の用途に利用されるターミナル14に結ばれている。15は誘導路出口付近に設置される停止線灯、16は誘導路12から滑走路11に進入しようとする航空機である。
【0021】
また、空港関連設備10としては、滑走路11へ着陸しようとする航空機21の着陸航行理想ルート22が設定され、そのルート真下には所要の間隔をもってアウター用アンテナ23,ミドル用アンテナ24およびインナー用アンテナ25が設置されている。これらアンテナ23〜25は、航空機通過検知エリアとなるアウターマーカ26、ミドルマーカー27およびインナーマーカー28を形成し、それぞれ航空機21のマーカー通過有無を検知する構成となっている。なお、各アンテナ23〜25からは航空機21のマーカー通過有無に関する無線情報29が灯火監視制御装置30に送信されている。
【0022】
この灯火監視制御装置30は、各アンテナ23〜25から送信されてくる無線情報29を受信した後、それぞれの受信内容に基づいて航空機21のマーカ通過有無を判断しマーカーIDとともにマーカー通過有無確認情報31を送出する無線設備32と、停止線灯15,…の点灯・消灯制御を行う灯火監視制御装置本体部33が設けられている。
【0023】
この灯火監視制御装置本体部33は、管制官が停止線灯15,…の点灯・消灯制御に関する点灯・消灯操作指示を行うための操作盤34、管制官の操作指示に基づいて操作盤34から送出される操作指示情報35と無線設備32からのマーカー通過有無確認情報31とを判断しながら停止線灯15の点灯・消灯制御信号を送出するコントローラ36およびこのコントローラ36からの停止線灯15の点灯・消灯制御信号を受けて実際に各停止線灯15,…の点灯・消灯制御を行う現場盤37が設けられている。
【0024】
なお、前記操作盤34、コントローラ36及び現場盤37は、主に停止線灯15,…の点灯・消灯制御のみについて記載されているが、実際にはその他の灯火例えば誘導路灯(図示せず)の操作,制御なども行う機能をもっているが、ここではその説明は省略する。
【0025】
前記コントローラ36は、CPUによって構成され、所定のプログラムに基づいて停止線灯の点灯・消灯処理制御を行う停止線灯処理制御部であって、機能的には、操作盤34から出力される管制官の点灯操作指示情報35と無線設備32からの航空機21のアウター・ミドルマーカー通過有り確認情報31との何れかを用いて、航空機21が例えばアウターマーカー26の通過によって危険な状態にあると判断し停止線灯15の点灯制御を実施する点灯制御判断手段と、この点灯制御判断手段による点灯制御の後に無線設備32の出力から航空機21がインナーマーカー28を通過したか否かを判断するインナーマーカー通過判断手段と、無線設備32から航空機21のインナーマーカー通過有り確認情報を受けた後、無線設備32または当該無線設備以外の受信手段または操作盤34の何れかから着陸確認指示情報が入力されたか否かを確認する着陸指示確認手段と、この手段によって着陸確認指示情報が入力されたとき、停止線灯の消灯制御を実施する消灯制御手段とが設けられている。
【0026】
次に、以上のような灯火監視制御装置の動作について図2および図3を参照して説明する。
【0027】
今、停止線灯15,…が消灯状態にあり、かつ、航空機21がアウターマーカー26から十分離れた位置を航行しているとき、離陸すべき航空機16はエプロン13から誘導路12を通って滑走路11の方向に進行する。
【0028】
このとき、コントローラ36は、図2に示す所定のプログラムに従って所定の処理を実行する。すなわち、コントローラ36は、動作を開始すると、点灯制御判断手段を実行する。この点灯制御判断手段は、管制官の操作のもとに操作盤34から停止線灯15,…を点灯するための点灯操作指示情報の有無を判断し(S1)、点灯操作指示情報無し判断されたときには航空機21がアウターマーカー26またはミドルマーカー27を通過したか否かを判断する(S2)。通常、該当アンテナ23,24はそれぞれ所要のエリアをもつアウターマーカー26またはミドルマーカー27を形成し、航空機21のマーカー通過有無に関する無線情報29を送信している。一方、無線設備32は、常時,無線情報29を受信するとともに、その無線情報から航空機21のマーカー通過有無を確認し、マーカー通過有無確認情報31をコントローラ36に伝送している。
【0029】
よって、点灯制御判断手段は、操作盤34から点灯操作指示情報が出ておらず、また無線設備32からマーカー通過無し確認情報を受けているとき、停止線灯15,…が消灯状態にある(図3(a)参照)。一方、操作盤34から点灯操作指示情報が有るか、無線設備32からアウターマーカー26,ミドルマーカー27のマーカー通過有り確認情報を受けたとき、危険状態にあると判断し、現場盤37及び信号ケーブル38を介して点灯制御情報を送信し、停止線灯15,…を点灯する(S3,図3(b)参照)。従って、この状態においては、停止線灯15,…は例えば赤色に点灯され、航空機16が誘導路12から滑走路11に進入できない進入不可状態となる(図3(c)参照)。
【0030】
この停止線灯15の点灯制御の後、インナーマーカー通過判断手段を実行する。このインナーマーカー通過判断手段は、航空機21がアウターマーカー26及びミドルマーカー27を通過した後、インナーマーカー28を通過したか否かを判断する(S4)。つまり、無線設備32の出力内容からインナーマーカー通過有無確認情報を取り込み、未だ航空機21がインナーマーカー28を通過していないときには点灯制御を継続するが、無線設備32からインナーマーカー通過有り確認情報を受けたときには、次のステップS5に移行し、着陸指示確認手段を実行する。
【0031】
この着陸指示確認手段は、航空機21に搭乗するパイロットの指示のもとに無線にて送信されてくる着陸確認指示情報を無線設備32で受信するか、または灯火監視制御装置本体部33のコントローラ36で当該情報を直接受信するか、或いは管制官の判断のもとに操作盤34から着陸確認指示情報を受けたとき、消灯制御であると判断し、以上のような着陸確認指示情報が無いときにはその指示を待つことになる。
【0032】
そして、ステップS5において着陸確認指示情報有りと判断したとき、消灯制御手段を実行し、消灯制御情報を送出し、停止線灯15,…を消灯制御する(S5,図3(d)参照)。
【0033】
従って、以上のような実施の形態によれば、各マーカー26〜28の航空機通過有無に関係する無線情報を無線設備32で受信した後、その無線情報の内容を判断し、航空機通過有無確認情報31をコントローラ36に送出するので、従来のように管制官が無線装置の表示状態を監視しながら逐一操作盤34から操作指示を出すといった煩雑な作業が無くなり、管制官の業務の負担が大幅に軽減でき、またコントローラ36が予め定めるプログラムに従って無線設備32から航空機通過有り確認情報を受けたとき、または管制官から点灯操作指示が有ったときに危険な状態と判断し、停止線灯の点灯制御を実施するので、同様に管制官の業務の負担が大幅に軽減でき、しかも管制官の判断を優先しつつも無線設備32から航空機通過有り確認情報を受けたときには自動的に停止線灯の点灯制御を行うので、人間系による監視,判断等の誤りを未然に回避でき、また空港運用の安全性および航空機の航行の安全・確実性を確保できる。
【0034】
(他の実施の形態)
(1) 他の実施形態としてのコントローラ36は、点灯制御判断手段、インナーマーカー通過判断手段、着陸指示確認手段および消灯制御手段の他、新たに後続機判断手段を追加したことにある。前述のコントローラ36は、先行航空機のみを対象としたときの停止線灯の制御の例であるが、先行航空機と後続航空機との関係を判断しながら停止線灯の制御を行う必要があり、そのために後続機判断手段が設けられている。
【0035】
この後続機判断手段は、インナーマーカー通過判断手段によってインナーマーカ通過と判断されたとき、滑走路11から最も離れているアウターマーカー26に対する後続航空機の存在を確認し、当該後続航空機がアウターマーカー26から比較的近く、かつ、過去の経験から危険相当位置に存在していると判断したとき、停止線灯15,…の点灯制御を継続させる機能をもっている。
【0036】
次に、後続機判断手段を備えたコントローラ36の動作について図4を参照しながら説明する。
【0037】
コントローラ36は、図4に示す所定のプログラムに従って所定の処理を実行する。すなわち、コントローラ36における点灯制御判断手段は、管制官の操作のもとに操作盤34から停止線灯15,…を点灯するための点灯操作指示情報の有無を判断し(S11)、点灯操作指示情報無しと判断されたときには航空機21がアウターマーカー26またはミドルマーカー27を通過したか否かを判断する(S12)。このとき、操作盤34から操作指示情報が出ておらず、また無線設備32からマーカー通過無し確認情報を受けているとき、停止線灯15,…の消灯制御を継続するが、操作盤34から点灯操作指示情報が有るか、無線設備32からアウターマーカー26,ミドルマーカー27のマーカー通過有り確認情報を受けている場合には、危険状態にあると判断し、停止線灯15,…を点灯制御する(S13)。
【0038】
そして、停止線灯15の点灯制御の後、インナーマーカー通過判断手段は、アウターマーカー26及びミドルマーカー27を通過した後、先行航空機21がインナーマーカー28を通過したか否かを判断する(S4)。未だ無線設備32からインナーマーカー通過無し確認情報を受けている場合には停止線灯の点灯制御を継続するが、無線設備32からインナーマーカー通過有り確認情報を受けたときには、次のステップS15に移行し、後続機判断手段を実行する。
【0039】
この後続機判断手段は、インナーマーカー通過有り確認情報を受けた後、メッセージに従って管制官に後続機有りか否かの確認指示入力を促し、操作盤34から後続航空機有り情報が入力されたとき、アウターマーカー26から比較的近く過去の経験から危険状態であるか、或いは相当遠くの位置にあって安全な状態にあるかの指示を促し(S16)、アウターマーカー26から比較的遠い位置にあって安全である操作指示を受けたときには前述するステップS17に移行し、また後続航空機がアウターマーカー26から比較的近く、かつ、過去の経験から危険相当位置に存在していると判断したとき、操作盤32から消灯操作指示情報が無い場合に限り、ステップS11に戻り、後続航空機の着陸状態に入るのを待つことになる。
【0040】
従って、以上のような実施の形態によれば、先行航空機のインナーマーカー通過後、後続機の航行位置を確認し、過去の経験から危険な位置にある場合には停止線灯15の点灯を継続し、安全な状態にあるときには先行航空機の着陸確認指示を前提に消灯するので、航空機の航行の確実な安全を確保でき、ひいては空港の安全な運用を確保できる。
【0041】
(2) また、上記実施の形態では、灯火監視制御装置本体部33と無線設備32とは有線伝送ラインを介して接続されているが、例えば灯火監視制御装置本体部33に受信用アンテナを含む受信手段を設ければ、図1に示す無線設備32は必ずしも必要でない。
【0042】
その他、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、航空機の各マーカー通過状態に応じて自動的に危険有無の状態を判断し、停止線灯の点灯・消灯制御を行うので、管制官の業務の負担を大幅に軽減でき、また空港の安全な運用を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる灯火監視制御装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】 図1に示すコントローラの動作を説明するフローチャート。
【図3】 航空機と停止線灯の点灯・消灯との関係を説明する図。
【図4】 図1に示すコントローラのさらに別の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
10…空港関連設備
11…滑走路
12…誘導路
15…停止線灯
21…航空機
22…航空機航行理想ルート
23〜25…アンテナ
26〜28…マーカー
29…無線情報
30…灯火監視制御装置
32…無線設備
33…灯火監視制御装置本体部
34…操作盤
36…コントローラ

Claims (5)

  1. 空港滑走路の誘導路出口付近に設置される停止線灯の点灯・消灯制御を行う灯火監視制御装置において、
    航空機航行理想ルートにそって設置される複数のアンテナにより設定されるマーカーの航空機通過に関する無線情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信される無線情報と操作盤からの管制官の操作指示情報とを用いて前記停止線灯の点灯・消灯制御を行う停止線灯処理制御部とを備えたことを特徴とする灯火監視制御装置。
  2. 請求項1記載の灯火監視制御装置において、
    前記受信手段は、前記無線情報を受信し、前記航空機のマーカー通過有無確認情報を有線伝送ラインを経由して前記停止線灯処理制御部に送出する無線設備であることを特徴とする灯火監視制御装置。
  3. 請求項1記載の灯火監視制御装置において、
    前記受信手段は、前記停止線灯処理制御部内に一体的に組み込んでなることを特徴とする灯火監視制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の灯火監視制御装置において、
    前記停止線灯処理制御部は、前記操作盤からの管制官の操作指示情報または前記受信手段からのマーカー通過有り確認情報に基づいて前記停止線灯の点灯制御を行う点灯制御判断手段と、この点灯制御判断手段による前記停止線灯の点灯制御後、受信手段の出力から前記滑走路に最も近いインナーマーカーの航空機通過有りを判断するインナーマーカー通過判断手段と、この判断手段によってインナーマーカー通過有りと航空機の着陸確認指示とに基づいて前記停止線灯の消灯制御を行う消灯制御手段とを設けたことを特徴とする灯火監視制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか1つに記載の灯火監視制御装置において、
    前記停止線灯処理制御部は、前記操作盤からの管制官の操作指示情報または前記受信手段からの先行航空機マーカー通過有り確認情報に基づいて前記停止線灯の点灯制御を行う点灯制御判断手段と、この点灯制御判断手段による前記停止線灯の点灯制御後、受信手段の出力から前記滑走路に最も近いインナーマーカーの前記先行航空機通過有りを判断するインナーマーカー通過判断手段と、この判断手段によって前記先行航空機のインナーマーカー通過有りと判断されたとき、前記滑走路から最も離れているアウターマーカーに対する後続航空機の位置を判断し、危険相当位置に存在する場合には前記点灯制御を継続させる後続機判断手段と、安全相当位置に存在し、かつ、前記先行航空機の着陸確認指示を受けたとき、または前記アウターマーカーから近い位置にあるが前記操作盤から消灯操作指示を受けたとき、前記停止線灯の消灯制御を行う消灯制御手段とを設けたことを特徴とする灯火監視制御装置。
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