JP3662736B2 - 振動波アクチュエータの駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータに発生した振動波によってロータを駆動する多自由度の振動波アクチュエータの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(振動波アクチュエータの構成)
従来の振動波アクチュエータの基本的な構造を図1に示す。振動波アクチュエータ1にあっては、4個のステータ2,2,3,3を略球面状をしたロータ4の最大外周円に沿って配置し、これらのステータ2,2,3,3によって合成樹脂製のロータ4を支持している。各ステータ2,2,3,3は、図2(a)(b)に示すように、金属等の弾性材料によって形成された皿状のステータ本体5の裏面にPZT等の圧電素子7を接合したものである。ステータ本体5の外周部には、円環状をした弾性部材10が設けられており、弾性部材10の表面には多数の接触子6が一定ピッチ毎に突設され、各接触子6間はスリット9によって分離されている。圧電素子7は弾性部材10の裏面に接合されている。ステータ2,2,3,3は、接触子6をロータ4と接触させるようにしてロータ4を支持しており、そのため接触子6の表面(接触駆動面8)にはロータ4の半径と同一の曲率半径を有する凹状のアールが施されている。
【0003】
このような構造のステータ2,2,3,3は超音波モータの原理によってロータ4に回転駆動力を及ぼすものであって、圧電素子7を振動させることによって弾性部材10の接触子6の接触駆動面8にたわみ振動や伸縮振動等の表面波振動を発生させる。各ステータ2,2,3,3は、ばね(図示せず)の弾性力によってロータ4に圧接しているので、ステータ2,2,3,3が駆動されていない場合には、ロータ4は回転できない。しかし、圧電素子7を所定の駆動モードで駆動すると、接触駆動面8で円周方向に進む進行波(たわみ進行波)により接触子6の表面の分子が楕円軌道を描いて運動し、ロータ4の表面がステータ2,2,3,3の円周方向に沿って移動する。この結果、ロータ4は駆動されているステータ2,2,又は3,3の軸心の回りに回転駆動される。
【0004】
(従来の駆動方法)
このような振動波アクチュエータ1では、ステータ2,2の駆動軸Xとステータ3,3の駆動軸Yを含む平面内に含まれる任意の回転軸の回りにロータを回転させることができる。例えば、図3においてベクトルωの回りに角速度ωでロータ4を回転させようとする場合には、角速度のベクトルωをステータ2,2の駆動軸Xの方向とステータ3,3の駆動軸Yの方向とに分解して各成分ベクトルをωx=ω・cosθ、ωy=ω・sinθを求める。そして、駆動軸Xの回りに角速度ωxでロータ4を回転させるためにステータ2,2からロータ4にそれぞれTxの駆動トルクを及ぼし、同時に、駆動軸Yの回りに角速度ωyでロータ4を回転させるためにステータ3,3からロータ4にそれぞれTyの駆動トルクを及ぼすと、各ステータ2,2,3,3からロータに駆動トルクが働き、ロータ4は合成された駆動トルクの方向の回りに角速度ωで回転する。
【0005】
一方、図4に示すように、ステータ2,2の駆動軸Xの回りに角速度ωxでロータ4を回転させようとすれば、角速度ωxのベクトルはステータ3,3の駆動軸Yの方向に成分を持たないから、ステータ2,2だけを駆動して進行波を発生させてロータ4を回転させればよい。しかし、ステータ3,3を駆動しないと、ステータ3,3とロータ4との摩擦抵抗によってロータ4が回転しないので、従来においては、このような場合には、ステータ3,3には定在波を励起させ、ロータ4との摩擦抵抗を軽減させていた。すなわち、ステータ3,3に定在波を励起させることにより、見かけ上ロータ4がステータ3,3の表面で浮いている状態にしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4のように、ステータ2,2によりロータ4を駆動軸Xの回りに回転駆動させる場合においては、上記のようにステータ3,3に定在波を発生させることによってステータ3,3とロータ4との摩擦抵抗を低減させることができるが、それでも定在波の励起されているステータ3,3とロータ4との間にはかなりの摩擦トルクが存在しており、ロータ4を駆動軸Xの回りに回転させるために各ステータ2,2からロータ4に及ぼす駆動トルクをTxとすれば、駆動軸Xの回りにロータ4を駆動したときの出力トルクは、理想的な出力トルク2Txからかなりの低下が見られた。
【0007】
本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、従来、定在波を発生させることによって移動子との摩擦抵抗を低減されていた非駆動のステータと移動子との摩擦抵抗をより低減し、出力トルクの増大を図ることができる振動波アクチュエータの駆動方法を提供することにある。
【0008】
【発明の開示】
請求項1に記載の振動波アクチュエータの駆動方法は、複数のステータにより複数の駆動軸の回りに移動子を回転させるようにした振動波アクチュエータにおいて、移動子を回転させようとする方向の回転ベクトルが、その駆動軸の方向に分力を持たないステータが存在する場合には、当該ステータによる移動子の平均の回転量が零となるように当該ステータから移動子に正負の駆動トルクを交互に印加するようにしたことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の振動波アクチュエータの駆動方法は、複数のステータにより複数の駆動方向に移動子を移動させるようにした振動波アクチュエータにおいて、移動子を移動させようとする方向の移動ベクトルが、その駆動方向に分力を持たないステータが存在する場合には、当該ステータによる移動子の平均の移動量が零となるように当該ステータから移動子に正負の駆動力を交互に印加するようにしたことを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載した振動波アクチュエータの駆動方法は、移動子が回転するタイプであり、請求項2に記載した振動波アクチュエータの駆動方法は、移動子が線状又は面状に移動するタイプである。発明の駆動方法によれば、移動子の回転又は移動ベクトルが、あるステータの駆動方向に成分を持たない場合でも、そのステータに、ある大きさを持った駆動トルクを励起させ、しかもその駆動トルクの方向を交互に反転させているので、移動子は、このステータによる駆動方向には平均すれば移動しない。しかし、実際には移動子は、このステータによって駆動されているので、従来、抵抗摩擦成分となっていたステータが、駆動摩擦成分になり、振動波アクチュエータの出力トルクが増大する。
【0011】
請求項3に記載の実施態様は、請求項1又は2に記載の振動波アクチュエータの駆動方法において、上記ステータから移動子に及ぼす駆動トルクを正弦波状に変化させることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の実施態様は、請求項1又は2に記載の振動波アクチュエータの駆動方法において、上記ステータから移動子に及ぼす駆動トルクを多段ステップ状に変化させることを特徴としている。
【0013】
請求項3又は4に記載のように駆動トルクを正弦波状に変化させたり、多段ステップ状に変化させたりすれば、移動子への出力の方向が三角波状になりにくく、スムーズな出力が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を実施形態により説明する。振動波アクチュエータは、球面状のロータの最大外周円に沿って4個のステータを配置したものであって、図1及び図2に示したものと同じ構造を有しているので、構造の説明は省略し、図1及び図2に用いた符号を引用して、本発明による振動波アクチュエータの駆動方法について説明する。
【0015】
まず、ロータ4をステータ2,2の各駆動軸X及びステータ3,3の駆動軸Yと異なる方向を向いた回転軸の回りに回転させる場合には、従来例の場合と同様、両ステータ2,2,3,3を同時に駆動すればよい(図3参照)。
【0016】
つぎに、ステータ2,2の駆動軸Xの回りにロータ4を回転させる場合を説明する。この場合には、ステータ2,2には、図5(a)(b)に示すように、一定の駆動トルクを連続的に発生させる。ただし、図5(a)〜(d)では、各ステータ2,2,3,3に発生する左回りの駆動トルクは正の値で示し、右回りに発生する駆動トルクは負の値で示している。従って、一方のステータ2に正の駆動トルクをTを発生させ、他方のステータ2に負の駆動トルク−Tを発生させると、両ステータ2,2からロータ4には同じ向きの駆動トルクが伝えられ、ロータは2Tの駆動トルクを受けることになる。また、他方のステータ3,3には、図5(c)(d)に示すように、ステータ3,3の圧電素子7に印加する2相の電気信号の位相差を短い時間間隔Δtで交互に反転させ、駆動軸Yの回りにおけるロータ4の回転角が平均すると零になるようにステータ3,3によるロータ4の回転方向を短い間隔Δtで反転させる。
【0017】
この結果ロータ4は、図6に示すように、ジグザグに回転するが、平均すると駆動軸Xの回りに回転することになる。特に、回転方向の切替周期Δtを短くすることにより駆動軸Yの回りでの回転角(回転振幅)をごく小さくすると、駆動軸Xの回りに滑らかに回転して見える。しかも、このようにしてロータ4を駆動軸Xの回りに回転させるようにすれば、駆動軸X回りの回転には寄与しないステータ3,3にも進行波を発生させることができるので、ステータ3,3に定在波を発生させる方法と比較すると、摩擦抵抗成分となっていたステータ3,3からの押し付け力を摩擦駆動成分とすることができ、振動波アクチュエータ1の出力トルクを増大させることができる。
【0018】
同様に、ロータ4を駆動軸Yの回りに回転させる場合も、ステータ3,3によってロータ4を駆動軸Yの回りに回転させると同時に、ステータ2,2に進行波を励起してロータ4を駆動軸Xの回りに交互に反転させるように駆動すればよい。
【0019】
なお、ロータを回転駆動するステータ(以下、駆動側のステータという)では、圧電素子に印加する2相の信号電圧の時間的位相差は0〜90度の範囲で決定できる。また、ロータを交互に反転させるステータ(以下、非駆動側のステータという)でも、2相の信号電圧の時間的位相差は0〜90度の範囲で選択できる。ただし、駆動側のステータの時間的位相差と非駆動側のステータの時間的位相差とを同程度にすると、ロータの表面の移動する軌跡が三角波形状になりやすいから、駆動側のステータの時間的位相差は90度とし、非駆動側のステータの時間的位相差は90度よりも小さいことが望ましい。また、駆動軸Xの回りに回転させる場合も、駆動軸Yの回りに回転させる場合も、ステータ2,2による駆動トルクTxとステータ3,3による駆動トルクTyとは等しくしてもよいが、ロータ4の回転方向を反転させる周期Δtは0.5秒以下が好ましい。それより周期Δtが長くなると、ロータ4の軌跡のジグザグが目立ち易くなる。
【0020】
(理論的説明)
上記のようにして振動波アクチュエータ1を駆動することにより、従来よりも摩擦抵抗を低減して出力トルクを大きくできることを計算により示す。なお、各ステータの接触駆動面8とロータとの接触面は、面積を持たない円形線で、各ステータの駆動軸(中心軸)は同一平面上にあると仮定して、振動波アクチュエータ1の出力トルクを計算する。
【0021】
(従来例の駆動方法の場合)
はじめに、ステータ2,2を駆動側とし、ステータ3,3を非駆動側として定在波を発生させ、従来の駆動方法によってロータ4を駆動軸Xの回りに回転させる場合について考える。従来の駆動方法の様子を図7(a)(b)に示す。
【0022】
駆動側のステータ2,2による駆動トルクを求める。駆動側のステータ2,2の接触駆動面8に発生する駆動力Ftは、つぎの(1)式で表される。
Ft=μtPt …(1)
ただし、μtは、駆動側のステータの接触駆動面8とロータの間の動摩擦係数であり、Ptは、接触駆動面8とロータの間の単位長さ当たりの押し付け圧(垂直抗力)である。よって、各ステータ2,2の接触駆動面8に発生する駆動トルクをTtとすれば、これはステータ2,2の接触駆動面8の半径(以下、ステータ半径という)と駆動力Ftの積を接触駆動面8の一周について積分したものであるから、次の(2)式が得られる。
【0023】
【数1】
【0024】
駆動側のステータ2,2は2枚あるから、駆動側のステータ2,2からロータに加わる全駆動トルクTtwは、つぎの(3)式となる。
Ttw=4πrμtPt …(3)
【0025】
つぎに、非駆動側のステータ3,3による摩擦トルク(負荷トルク)を求める。この場合も、各ステータ3,3の接触駆動面8に発生する摩擦力Ffは、次の(4)式で表される。
Ff=μfPf …(4)
ただし、μfは、ステータ3,3の接触駆動面8とロータ4の間の動摩擦係数であり、Pfは、ステータ3,3とロータ4の間の単位長さ当たりの押し付け圧(垂直抗力)である。ここで、摩擦トルクの計算式を導くため、非駆動側のステータ3,3のトルク腕長さLを求める。
【0026】
トルク腕長さLの概念図を図8に示す。トルク腕長さLとは、駆動側のステータ2,2の駆動軸Xと非駆動側のステータ3,3の接触駆動面8の各部分領域までの距離である。よって、ステータ半径をr、ロータ半径をR、ステータ3,3の接触駆動面8の部分領域の駆動軸Y回りの角度をθとすると、図8から求められるように、トルク腕長さLは、次の(5)式で表される。
【0027】
【数2】
【0028】
上記(5)式において、√(R2−r2)は、腕長さ最短時の長さを示しており、駆動軸X及びYを含む平面上における腕長さである。
【0029】
ステータ3,3による摩擦トルクTfは、摩擦力Ffと腕長さLの積をステータ3,3の接触駆動面8の一周について積分したものである。すなわち、上記(4)式及び(5)式を用いると、つぎの(6)式が得られる。
【0030】
【数3】
【0031】
非駆動側のステータ3,3も2枚あるから、非駆動側のステータ3,3からロータに加わる全摩擦トルクTfwは、つぎの(7)式となる。
【0032】
【数4】
【0033】
この(7)式は、(3)式を用いれば、次の(8)式のように表すことができる。
【0034】
【数5】
【0035】
従来例の振動波アクチュエータ1においては、実際に取り出すことができる出力トルクTは、(駆動トルク)−(摩擦トルク)であり、
T=Ttw−Tfw …(9)
で表すことができる。よって、上記(8)式によれば、出力トルクTは、次の(10)式となる。
【0036】
【数6】
【0037】
ここで、ロータの半径Rとステータ半径rの比が、
R/r=1.5
[例えば、ロータの半径Rが15mm、ステータ半径rが10mm]であるとすると、上記(10)式より、振動波アクチュエータ1の駆動軸X方向への出力トルクは次の(11)式のようになる。
【0038】
【数7】
【0039】
さらに、Ttw=2Ttを用いると、次の(12)式が得られる。
【0040】
【数8】
【0041】
(本発明による駆動方法の場合)
次に、本発明の駆動方法の場合を考える。本発明の駆動方法では、非駆動側のステータ3,3は交互に駆動方向を反転させているが、ステータ3,3の駆動方向の反転と反転の中間の期間Δtの間では、図9に示すように、ロータは駆動軸Xと駆動軸Yの中間の斜め45度方向に駆動されているとする。
【0042】
斜め方向に駆動する場合には、すべてのステータ2,2,3,3が実際には駆動されており、従来の駆動方法の場合のように負荷として働くステータは存在しない。そのため、この場合には、駆動側ステータ2,2による駆動トルクと非駆動側ステータ3,3による駆動トルクのみを考慮すればよい。斜め方向に駆動するときには、各ステータ2,2,3,3の発生する駆動トルクのペクトルと実際に駆動(回転)する方向とは45度の角度を持っている。そのため、各ステータ2,2,3,3の発生する駆動トルクTtのベクトルを45度方向へ分解した成分がロータの出力トルクとして働くと考えられる。よって、この場合の出力トルクTは、4つのステータ2,2,3,3による駆動トルクTtの45度方向成分の和となり、次の(13)式で表される。
T=4×Tt・cos45゜
=2(√2)Tt …(13)
【0043】
(従来例と本発明との比較)
しかして、従来の駆動方法では、出力トルクTは、R/r=1.5とすると、前記(12)式のように、
T=2{1−1.316(μfPf/μtPt)}Tt …(12)
となる。さらに、(μfPf)/(μtPt)≒0.23とすると、(12)式の出力トルクは、T≒1.4Ttとなるが、本発明の駆動方法では、T≒2.8Ttとなり、出力トルクがほぼ倍となる。
【0044】
(第2の実施形態)
図10は、本発明の別な実施形態における非駆動側のステータの駆動方法を示している。この実施形態では、非駆動側のステータの駆動トルクを正弦波状に変化させている。このようにロータを駆動することによって出力の方向が三角波状になりにくく、スムーズな出力が得られる。
【0045】
(第3の実施形態)
図11は、本発明のさらに別な実施形態における非駆動側のステータの駆動方法を示している。この実施形態では、非駆動側のステータの駆動トルクを多段のステップ状に変化させている。このようにロータを駆動することによって出力の方向が三角波状になりにくく、スムーズな出力が得られる。
【0046】
(第4の実施形態)
ステータの数が3個又は5個以上の場合も、同様に制御することが可能である。例えば、図12は3個のステータ22A,22B,22Cをロータ4の最大外周円に沿って配置し、3個のステータ22A,22B,22Cでロータ4を保持及び駆動するようにした振動波アクチュエータ21を示している。このような振動波アクチュエータ21にあっても、ステータ22Aの駆動軸Qと垂直な方向の駆動トルクTをロータ4に及ぼしてその回りにロータ4を回転させる場合には、駆動側の2つのステータ22B,22Cからロータ4に駆動トルクTB,TCを働かせ、その合力としてロータ4に駆動トルク4を発生させる。同時に、非駆動側のステータ22Aには回転角度が平均すれば零となるようにして、正方向及び負方向に交互に回転トルクΔTを及ぼして回転振動させるようにする。この結果、このステータ22Aからもロータ4に駆動トルクΔTを及ぼすことができ、摩擦トルクが働かなくなるので、振動波アクチュエータ21の出力トルクを大きくできる。なお、23はケースである。
【0047】
(第5の実施形態)
図14は本発明のさらに別な実施形態による振動波アクチュエータ31の構造を示す平面図である。この実施形態では、X軸方向の進行波を発生させてX軸方向にスライダー34を移動させるステータの接触子32と、Y軸方向の進行波を発生させてY軸方向にスライダー34を移動させるステータの接触子33とを碁盤目状に交互に配列させ、その上にスライダー34を重ねた構造を有している。このような2次元リニア駆動型の振動波アクチュエータ31においても、例えばX軸方向に移動させる場合には、駆動側の接触子32にはX軸方向の進行波を発生させ、非駆動側の接触子33には正負交互の進行波を発生させてスライダー34を細かくジグザグにX軸方向へ走行させれば、出力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動波アクチュエータの構造を示す一部破断した正面図である。
【図2】(a)(b)は同上のステータの正面図及び断面図である。
【図3】振動波アクチュエータの駆動方法を説明する図である。
【図4】振動波アクチュエータの従来の駆動方法を説明する図である。
【図5】(a)(b)は駆動側のステータの駆動状態を示す波形図、(c)(d)は非駆動側のステータの駆動状態を示す波形図である。
【図6】同上の駆動方法により駆動されたロータの回転する様子を示す図である。
【図7】従来の駆動方法による出力トルクの計算に用いた図である。
【図8】トルク腕長さの計算に用いた図である。
【図9】本発明の駆動方法による出力トルクの計算に用いた図である。
【図10】本発明による振動波アクチュエータの別な駆動方法を説明する図である。
【図11】本発明による振動波アクチュエータのさらに別な駆動方法を説明する図である。
【図12】振動波アクチュエータの別な実施形態を示す斜視図である。
【図13】同上の振動波アクチュエータの駆動方法を説明する図である。
【図14】振動波アクチュエータのさらに別な実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
2,3,22A〜22C ステータ
4 ロータ
32,33 接触子
34 スライダー
Claims (4)
- 複数のステータにより複数の駆動軸の回りに移動子を回転させるようにした振動波アクチュエータにおいて、
移動子を回転させようとする方向の回転ベクトルが、その駆動軸の方向に分力を持たないステータが存在する場合には、当該ステータによる移動子の平均の回転量が零となるように当該ステータから移動子に正負の駆動トルクを交互に印加するようにしたことを特徴とする振動波アクチュエータの駆動方法。 - 複数のステータにより複数の駆動方向に移動子を移動させるようにした振動波アクチュエータにおいて、
移動子を移動させようとする方向の移動ベクトルが、その駆動方向に分力を持たないステータが存在する場合には、当該ステータによる移動子の平均の移動量が零となるように当該ステータから移動子に正負の駆動力を交互に印加するようにしたことを特徴とする振動波アクチュエータの駆動方法。 - 上記ステータから移動子に及ぼす駆動トルクを正弦波状に変化させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動波アクチュエータの駆動方法。
- 上記ステータから移動子に及ぼす駆動トルクを多段ステップ状に変化させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動波アクチュエータの駆動方法。
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