JP3661517B2 - エアバッグ装置付きステアリングホイール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装着されるエアバッグ装置付きのステアリングホイールに関し、詳しくは、エアバッグ装置がホーンスイッチ機構に支持されて配置されているステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のエアバッグ装置がホーンスイッチ機構に支持されて配置されているステアリングホイールとしては、図1に示すものが知られている(実開平2−143734号公報参照)。
【0003】
このステアリングホイールW0では、ステアリングホイール本体1の中央上部に、ホーンスイッチ機構10を介在させてエアバッグ装置4が配置されていた。なお、ステアリングホイール本体1とは、ステアリングホイールW0の内で、エアバッグ装置4とホーンスイッチ機構10以外の部位を言う。
【0004】
エアバッグ装置4は、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ5、エアバッグ5に膨張用ガスを供給するインフレーター6、折り畳まれたエアバッグ5を覆うパッド7、及び、エアバッグ5・インフレーター6・パッド7を保持するバッグホルダ8、を備えて構成されていた。
【0005】
ホーンスイッチ機構10は、バッグホルダ8の左右両側の下方にそれぞれ前後方向に配置されていた。なお、図1は、ステアリングホイールW0の前後方向の断面図である。
【0006】
各ホーンスイッチ機構10は、ステアリングホイール本体1としての芯金2に接続されて前後方向の端部に固定側接点14・14を配置させた板金製の固定側部材11と、固定側部材11の上方に配置されて前後方向の端部に可動側接点15・15を配置させた板金製の可動側部材12と、を備えるとともに、可動側部材12と固定側部材11との間に、可動側部材12を上方へ付勢する付勢手段としてのコイルばね16・16を配置させ、さらに、可動側部材12の固定側部材11からの離隔距離を規制するための規制部材として、可動側部材12から芯金2に螺合される鍔付ボルト19を備えて構成されていた。
【0007】
なお、各可動側部材12は、ホーン作動回路の正極側に導通するように、図示しないリード線が結線され、各固定側部材11は、芯金2を介してホーン作動回路の負極側に導通するように構成されていた。
【0008】
そして、一対の固定側接点14と可動側接点15とは、スイッチ本体13を構成することとなっていた。
【0009】
また、コイルばね16や鍔付ボルト19は、所定の絶縁スペーサ17・18やゴム環20によって、可動側部材12と固定側部材11とを絶縁させて配置されていた。
【0010】
さらに、各可動側部材12には、バッグホルダ8をボルト止めする図示しない取付片が形成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のステアリングホイールW0では、ホーンスイッチ機構10が重量のあるエアバッグ装置4の下方の左右両側に配置されて、エアバッグ装置4を左右両側の下方からホーンスイッチ機構10のコイルばね16で揺動可能に支持する構造となっていた。
【0012】
したがって、ホーンスイッチ機構10の付勢手段として、ばね荷重の低いコイルばね16を使用すれば、車両の振動等でエアバッグ装置4が横方向に揺動して傾斜し易くなり、不必要にホーンスイッチ機構10をオンさせてしまう場合が生ずる。
【0013】
すなわち、全てのコイルばね16(従来例では合計4個のコイルばね16)により上方へ付勢されて支持される部材、すなわち、エアバッグ装置4や可動側部材12の合計重量の重心Gが、コイルばね16より遥かに高く(30mm以上)上方に配置されているため、例えば、前方側のコイルばね16Fを回転モーメントの中心とすれば、重心Gの横方向における後方側への揺動は、その揺動の力をP、重心Gとコイルばね16Fとの高さ方向の距離をLとすれば、後方側のコイルばね16Bに対して、P×Lの回転モーメントを作用させることとなる。この回転モーメントPLは、コイルばね16Bを圧縮させて、後方側の可動側接点15Bを固定側接点14Bに接触させることとなり、スイッチ本体13Bを導通させる事態を招く虞れがある。
【0014】
そのため、ホーンスイッチ機構10の付勢手段としてのコイルばね16としては、ばね荷重の高いものが使用されることとなって、ホーンスイッチ機構10の操作荷重が大きくなり、ホーンスイッチ機構10の操作フィーリングが悪くなっていた。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、重量のあるエアバッグ装置がホーンスイッチ機構に支持されて配置されていても、ホーンスイッチ機構の操作フィーリングが良好となるエアバッグ装置付きステアリングホイールを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るステアリングホイールは、ステアリングホイール本体の上部に、ホーンスイッチ機構に支持されたエアバッグ装置が配置され、
該エアバッグ装置が、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、折り畳まれた前記エアバッグを覆うパッド、及び、前記エアバッグ・インフレーター・パッドを保持するバッグホルダ、を備えて構成され、
前記ホーンスイッチ機構が、固定側接点、可動側接点、及び、付勢手段、を有して予め組み付けられるスイッチ構成体を複数備えて構成され、前記パッドを押し下げることにより、前記付勢手段を圧縮させ、前記固定側接点に対して前記可動側接点を、接触させるエアバッグ装置付きステアリングホイールであって、
前記各スイッチ構成体を結合させる複数の台本体部を備えた支持プレートが、前記台本体部の下方で前記ステアリングホイール本体に接続される接続片を備えて構成され、
前記バッグホルダが、前記インフレーターを挿入可能な孔を備えた横板部と、該横板部の縁から上方へ延びる連結板部と、該連結板部の上端から外方の横方向に延びて、前記各スイッチ構成体の上方に配置される複数の取付片部と、を備えて構成され、
前記インフレーターを保持した前記バッグボルダの前記横板部より上方に位置する複数の前記台本体部と前記取付片部との間に、前記付勢手段を配置させ、さらに、少なくとも1つの前記スイッチ構成体の前記付勢手段が、全ての前記付勢手段により上方へ付勢される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに配置されるように、
前記支持プレートの前記各台本体部にそれぞれ前記スイッチ構成体を結合させるとともに、前記各スイッチ構成体の上方に、予め組み立てられた前記エアバッグ装置における前記バッグホルダの前記各取付片部を配置させて、前記エアバッグ装置を前記ホーンスイッチ機構に支持させ、
前記支持プレートの接続片を前記ステアリングホイール本体に接続させていることを特徴とする。
【0017】
そして、全ての前記付勢手段により上方へ付勢される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに配置された前記付勢手段は、上下方向の中央付近の高さを、前記重心の高さに一致させて配置させることが望ましい。
【0018】
さらに、前記付勢手段の全てを、全ての前記付勢手段により上方へ付勢される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに配置させることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係るステアリングホイールでは、少なくとも1つの付勢手段が、全ての付勢手段により上方へ付勢される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに配置されている。
【0020】
そのため、重心高さ位置付近に配置されていない1つの付勢手段を回転モーメントの中心とすれば、エアバッグ装置等の重心Gの横方向への揺動は、その揺動の力をP、重心Gと重心高さ位置付近に配置されている付勢手段との高さ方向の距離をLとして、重心高さ位置付近に配置されている付勢手段に対して、P×Lの回転モーメントを作用させることとなる。
【0021】
しかし、この回転モーメントPLは、Lが零に近いため、重心高さ位置付近に配置されている付勢手段に対して、圧縮させる作用を生じさせ難いことから、ばね荷重の低い付勢手段を使用したり、あるいは、付勢手段の設置数を少なくして、ホーンスイッチ機構の操作荷重を低減させても、スイッチ本体を導通させることを防止することができる。
【0022】
したがって、本発明に係るステアリングホイールでは、重量のあるエアバッグ装置がホーンスイッチ機構に支持されて配置されていても、ホーンスイッチ機構の操作荷重を低減することができるため、ホーンスイッチ機構の操作フィーリングを良好にすることができる。
【0023】
そして、エアバッグ装置等の重心高さ位置付近に配置される付勢手段の中央付近を、その重心高さ位置に配置させるようにすれば、一層、既述のLを零に近づけることができることから、ばね荷重の低い付勢手段を使用する等してホーンスイッチ機構の操作荷重を低減でき、さらに、全ての付勢手段をエアバッグ装置等の重心高さ位置付近に配置させれば、各付勢手段を回転モーメントの中心として、各々の回転モーメントを考慮した際、それらの各回転モーメントを全て零付近に抑えることができるため、一層、ばね荷重の低い付勢手段を使用する等してホーンスイッチ機構の操作荷重を低減できることから、共に、一層のホーンスイッチ機構の操作フィーリングの向上に寄与することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
実施形態のステアリングホイールW1は、図2〜4に示すように、円環状のリング部Rと、リング部Rの中央に配置されるボス部Bと、リング部Rとボス部Bとを連結する3本のスポーク部Sと、を備えて構成され、構成部品上では、ステアリングホイール本体21と、ボス部Bの上部に配置されるエアバッグ装置30と、ステアリングホイール本体21に接続されてエアバッグ装置30を支持するホーンスイッチ機構40と、から構成されている。
【0026】
ステアリングホイール本体21とは、エアバッグ装置30とホーンスイッチ機構40とを除いた部位を言い、リング部R・ボス部B・スポーク部Sの各部を連結するように配置される芯金22を備えて、芯金22におけるリング部芯金23とリング部芯金23側の各スポーク部芯金25とには、合成樹脂製の被覆層26が被覆されている。ボス部Bの部位の芯金24は、図示しないステアリングシャフトと接続される鋼製のボス24aと、ボス24aの周囲を覆ってリング部芯金23やスポーク部芯金25と一体的に形成されるアルミニウム合金等からなる被覆部24bと、から構成されている。なお、後方側のスポーク部芯金25Bは、ボス部芯金24の被覆部24b側に対して2又状に分れて連結されている。また、ステアリングホイール本体21は、ボス部Bの下部を覆うように、芯金22にねじ止めされるロアカバー27を備えている。
【0027】
エアバッグ装置30は、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ31、エアバッグ31に膨張用ガスを供給するインフレーター33、折り畳まれたエアバッグ31を覆うパッド34、及び、エアバッグ31・インフレーター33・パッド34を保持するバッグホルダ35、を備えて構成されている。
【0028】
インフレーター33は、上部にガス吐出口33bを備えた略円柱状の本体部33aと、本体部33aの外周面から突出するフランジ部33cと、を備えて構成されている。
【0029】
パッド34は、合成樹脂製として、エアバッグ31の膨張時に所定部位を破断させる天井壁部34aと、天井壁部34aの外周縁付近から下方へ延びる略六角筒形状の側壁部34bと、を備えて構成されている。側壁部34bの内周面には、所定位置に、後述するバッグホルダ35の側壁部37に設けられた係止爪37aを係止させる係止溝34cが形成されている。また、天井壁部34aの下面には、後述するバッグホルダ35の取付片部39に当接する複数のリブ(図符号省略)が形成されている。
【0030】
バッグホルダ35によるエアバッグ31とインフレーター33との保持は、エアバッグ31内に配置される円環状のリテーナ32が下方へ延びる図示しない複数のボルトを備え、これらのボルトをエアバッグ31・バッグホルダ35・インフレーター33のフランジ部33cに貫通させてナット止めすることにより、行なっている。また、バッグホルダ35によるパッド34の保持は、パッド側壁部34bのリベット60止めと、係止爪37aの係止溝34cへの係止と、により行なっている。
【0031】
バッグホルダ35は、板金製として、中央にインフレーター本体部33aを下方から挿入可能な挿通孔36aを備えた横板部36と、横板部36の前縁側や後縁付近の左右両側から断面V字状に延びる側壁部37と、横板部36の左右両縁や後縁から上方へ延びる3つの連結板部38と、を備えて構成されている。
【0032】
各側壁部37には、パッド側壁部34bの係止溝34cに係止される係止爪37aが形成され、また、パッド側壁部34bをリベット60止めする際の図示しない取付孔が形成されている。
【0033】
各連結板部38の上端には、外方へ横方向に延びる取付片部39が形成され、各取付片部39には、ナット39bを溶着させた取付孔39aが形成されている。これらの各取付片部39は、エアバッグ装置30をホーンスイッチ機構40に連結する部位となるとともに、ホーンスイッチ機構40の可動側部材48の一部を構成する部位となる。そしてまた、バッグホルダ35には、ホーン作動回路の正極側に導通するように、図示しないリード線が結線されている。
【0034】
ホーンスイッチ機構40は、スポーク部芯金25に接続される固定側部材41と、固定側部材41の上方に配置される可動側部材48と、固定側部材41と可動側部材48との間に配置されて可動側部材48を上方へ付勢する付勢手段としてのコイルばね55と、可動側部材48の固定側部材41からの離隔距離を規制する規制部材としての鍔付ボルト56と、を備えて構成されている。
【0035】
固定側部材41は、実施形態の場合、左右のスポーク部芯金25L・25Rにボルト58止めされる支持プレート42と、支持グロメット47と、固定側接点材51と、から構成されている。
【0036】
支持プレート42は、板金製として、図2・3・5に示すように、平面から見てU字状の連結杆部43と、連結杆部43の左右両縁と後縁とから上方へ延びるて上端から外方へ延びる支持台部44と、を備えて構成されている。
【0037】
各支持台部44は、連結杆部43から上方へ延びる縦板部44aと、縦板部44aの上端から外方へ延びる台本体部44bと、から構成され、台本体部44bの中央には、円形の孔の対称的な位置の両縁に略直角三角形の孔の斜辺側を付けたような組付孔44cが形成され、さらに、組付孔44cの両側には、小径の円形状の係止孔44dが形成されている。
【0038】
また、連結杆部43における左右両側の縦板部44a付近には、下方へ切下げられた接続片45が設けられ、各接続片45には、支持プレート42をスポーク部芯金25L・25Rにボルト58止めさせるためのナット46が固着されている。
【0039】
支持グロメット47は、図6に示すように、ポリアセタール等の絶縁性を有した合成樹脂から略円筒形状に形成されており、下部に各支持台部44の組付孔44cの開口形状に対応した係止板部47aが配置されるとともに、係止板部47aの上部には、組付孔44cの円弧状の部位に対応した凹溝47cが形成されて構成されている。なお、係止板部47aの上面には、係止孔44dに挿入される突起47bが形成されている。また、支持グロメット47には、外周面の対称的な位置に、一対ずつの係止段部47dと凹溝47eとが形成されている。一対の係止段部47dは、後述する固定側接点材51を係止する部位となり、一対の凹溝47eは、後述する絶縁スペーサ49の係止爪49bを下方へ移動可能に配置させる部位となる。
【0040】
固定側接点材51は、ばね鋼から形成されて、円環状の固定側接点52と、固定側接点52の外周縁の対称的な位置から下方へ延びる係止片部51aと、各係止片部51aの下端から湾曲して延びるばね片部51cと、を備えて構成されている。各係止片部51aには、支持グロメット47の係止段部47dに係止されるように、内側に突出する係止爪51bが形成されている。固定側接点材51の各ばね片部51cは、係止板部47aを支持台部44の組付孔44cに挿入して支持グロメット47を90°回転させ、係止板部47aの突起47bを支持台部44の係止孔44dに挿入させるように、バヨネット結合させる際、支持台部44における台本体部44bの上面側の組付孔44c周縁を押圧して、係止板部47aの上面を台本体部44bの下面側の組付孔44c周縁に圧接する作用を行なうものである。
【0041】
固定側接点52は、固定側接点材51の各係止爪51bを支持グロメット47の係止段部47dに係止させた際、支持グロメット47の上端面に配置されることとなる。また、固定側接点材51の固定側接点52は、支持プレート42がスポーク部芯金25R・25Lにボルト58止めされる際、固定側接点材51のばね片部51c・支持プレート42・芯金25R・25Lを介して、ホーン作動回路の負極側に導通することとなる。
【0042】
可動側部材48は、実施形態の場合、バッグホルダ35の各取付片部39と、絶縁スペーサ49と、可動側接点材53と、から構成されている。
【0043】
絶縁スペーサ49は、ポリアセタール等の絶縁性を有した合成樹脂から略円筒状に形成されて、図6に示すように、上部外周面に鍔状に突出するばね座49aと、下部から下方へ突出する2本の係止爪49bと、内周面の3箇所の位置に形成された図示しない係止段部と、を備えて構成されている。各係止爪49bは、支持グロメット47の凹溝47eに配置されて、支持グロメット47に取り付けられた固定側接点材51の円環状の固定側接点52に対して下方への移動を許容されて係止されることとなる。また、図示しない係止段部は、後述する可動側接点材53を係止するものである。
【0044】
可動側接点材53は、ばね鋼から形成され、円環状の基部53aと、基部53aの外周縁の3箇所から下方へ延びる係止片部53bと、各係止片部53bの下端から外方へ延びる可動側接点54と、を備えて構成されている。各係止片部53bには、絶縁スペーサ49の図示しない係止段部に係止される係止爪53cが外側へ突出するように形成されている。
【0045】
各可動側接点54は、可動側接点材53の各係止爪53cを絶縁スペーサ49の図示しない係止段部に係止させた際、絶縁スペーサ49の下端面に配置されることとなる。
【0046】
そして、スイッチ本体50を構成する固定側接点51と可動側接点54とを含めて、実施形態の場合、支持グロメット47、絶縁スペーサ49、及び、コイルばね55は、予め、組み付けられてスイッチ構成体Hを形成することとなる。このスイッチ構成体Hは、支持グロメット47に固定側接点材51を組み付けるとともに絶縁スペーサ49に可動側接点材53を組み付け、コイルばね55の下端を支持グロメット47の係止板部47aに当て、コイルばね55の上端を絶縁スペーサ49のばね座49aに当てて、絶縁スペーサ49の各係止爪49bを支持グロメット47の凹溝47e内に挿入させ、固定側接点材51の固定側接点52に係止させれば、形成することができる。
【0047】
さらに、このように形成した各スイッチ構成体Hは、支持グロメット47の係止板部47aを支持プレート42の支持台部44における台本体部44bの組付孔44cにバヨネット結合させて、さらに、予め、組み立てておいたエアバッグ装置30のバッグホルダ35における各取付片部39を各スイッチ構成体Hの上方に配置させ、鍔付ボルト56を、下方から各スイッチ構成体Hに挿通させて、取付片部39のナット39bに螺合させれば、ホーンスイッチ機構40にエアバッグ装置30が支持されることとなる。
【0048】
なお、エアバッグ装置30は、既述したように、エアバッグ31内にリテーナ32を配置させて、エアバッグ31を折り畳むとともに、リテーナ32から延びる図示しないボルトをバッグホルダ35・インフレーターフランジ部33cに挿通させてナット止めし、さらに、パッド側壁部34bの各係止溝34cにバッグホルダ側壁部37の係止爪37aを係止させて、パッド側壁部34bをバッグホルダ側壁部37にリベット60止めすれば、エアバッグ装置30を組み立てておくことができる。
【0049】
その後、エアバッグ装置30をホーンスイッチ機構40に支持させたならば、ホーンスイッチ機構40における支持プレート42に設けられた各接続片45をスポーク部芯金25L・25Rに当て、芯金25L・25Rの裏面側から芯金25L・25Rを挿通させてボルト58を各接続片45のナット46に螺合させれば、ホーンスイッチ機構40をステアリングホイール本体21に接続させることができ、ステアリングホイールW1を組み立てることができる。
【0050】
なお、この組立時には、ステアリングホイール本体21は、予め、ボス部芯金24のボス24aを車両のステアリングシャフトに接続させておく。
【0051】
また、各スイッチ構成体Hの可動側接点54は、鍔付ボルト56をナット39bに螺合させた際、バッグホルダ35の取付片部39における取付孔39a周縁に可動側接点材53の基部53aが圧接されることにより、図示しないリード線を介して、ホーン作動回路の正極側に導通することとなる。また、各スイッチ構成体Hの固定側接点52は、支持プレート42がスポーク部芯金25R・25Lにボルト58止めされる際、固定側接点材51のばね片部51c・支持プレート42・芯金25R・25Lを介して、ホーン作動回路の負極側に導通することとなる。
【0052】
そして、このようにホーンスイッチ機構40がステアリングホイール本体21に接続された際には、実施形態の場合、固定側部材41を構成する支持プレート42の支持台部44における台本体部44bの外方へ延びる先端が、それぞれ、ステアリングホイール本体21における各スポーク部芯金25の被覆層26に当接支持されるように、構成されている。
【0053】
さらに、実施形態の場合、支持プレート42における各支持台部44の台本体部44bとバッグホルダ35の各取付片部39とを各スポーク部Sの被覆層26の近傍に配置させる形状により、各スイッチ構成体Hのコイルばね56の配置が、全てのコイルばね56により上方へ付勢されて支持される部品、すなわち、実施形態の場合にはエアバッグ装置30(エアバッグ31・リテーナ32・インフレーター33・パッド34・バッグホルダ35・リード線等)・可動側部材48(取付片部39・絶縁スペーサ49・可動側接点材53)・鍔付ボルト56の合計重量の重心Gの高さに、各コイルばね56の上下方向の中央部分を一致させるように構成されている。
【0054】
そのため、実施形態のステアリングホイールW1では、図2に示すように、1つのコイルばね55Bを回転モーメントの中心とすれば、エアバッグ装置30等の重心Gの横方向への揺動は、その揺動の力をP、重心Gと重心Gの高さ位置に配置されているコイルばね55Aとの高さ方向の距離をLとして、そのコイルばね55Aに対して、P×Lの回転モーメントを作用させることとなるが、この回転モーメントPLは、Lが零であるため、コイルばね55Aに対して、圧縮させる作用を生じさせ難いことから、コイルばね55Aとして、ばね荷重の高いものを使用しなくとも、不必要にスイッチ本体50を導通させることを防止することができる。そして、他のコイルばね55B・55Cも同様に、エアバッグ装置30等の揺動による回転モーメントが小さくなるため、ばね荷重の低いものが使用可能となる。
【0055】
したがって、実施形態のステアリングホイールW1では、重量のあるエアバッグ装置30がホーンスイッチ機構40に支持されて配置されていても、ばね荷重の低いコイルばね55を使用することが可能となるため、ホーンスイッチ機構40の操作フィーリングを良好にすることができる。ちなみに、実施形態の場合には、従来と略同じ重量のエアバッグ装置30を使用しても、ホーン操作時の操作荷重を従来の2/3に低減することができた。
【0056】
なお、通常のホーン操作は、エアバッグ装置30におけるパッド34の天井壁部34aを押し下げることにより行ない、その際には、各ホーンスイッチ構成体Hのコイルばね55が圧縮されて、スイッチ本体50を構成する可動側接点材53の可動側接点54が固定側接点材51の固定側接点52に接触し、ホーンが作動することとなる。
【0057】
また、実施形態では、ホーンスイッチ機構40における全てのコイルばね55の上下方向の中央部位を、全てのコイルばね55により上方へ付勢される部品の合計重量の重心Gの高さに一致させた場合を示したが、各コイルばね55の上下端の間の範囲内に重心Gが配置されるように、各スイッチ構成体Hの配置を上下させても良い。この場合は、実施形態の効果までは得られないものの、従来例よりホーンスイッチ機構40の操作荷重を低減することが可能となる。
【0058】
さらに、少なくとも1つのコイルばね55の上下端の間の範囲内に、重心Gを配置させ、他のコイルばね55の上下端の間に重心Gを配置させないように構成しても良い。この場合は、上記変形例の効果までは得られないものの、従来例よりホーンスイッチ機構40の操作荷重を低減することが可能となる。
【0059】
さらにまた、少なくとも1つのコイルばね55が、重心Gの高さと略等しい高さに配置されれば(言い変えれば、ステアリングホイール内に配置された状態でのその1つのコイルばね55の上端または下端から、そのコイルばね55の上下方向の長さの5割程度の範囲までに重心Gの高さが配置されれば)、既述の回転モーメントPLの値を低減できるため、従来例よりホーンスイッチ機構の操作荷重を低減することが可能となる。勿論、上記範囲内を超えれば、エアバッグ装置の揺動によるホーンの不要な作動を防止するため、ばね荷重を高くしなければならず、本発明の効果を得難くなる。
【0060】
さらに、実施形態では、付勢手段としてコイルばね55を例示したが、板ばねを利用するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示すステアリングホイールの断面図である。
【図2】本発明に係る一実施形態のステアリングホイールの断面図であり、図4のII−II部位を示す。
【図3】同実施形態のステアリングホイールの断面図であり、図4のIII −III 部位を示す。
【図4】同実施形態の平面図である。
【図5】同実施形態で使用する固定側部材の支持プレートを示す平面図である。
【図6】同実施形態で使用するスイッチ構成体の分解斜視図である。
【符号の説明】
1・21…ステアリングホイール本体、
4・30…エアバッグ装置、
10・40…ホーンスイッチ機構、
14・52…固定側接点、
15・54…可動側接点、
16・55…(付勢手段)コイルばね、
31…エアバッグ、
33…インフレーター、
34…パッド、
35…バッグホルダ、
36…横板部、
36a…挿通孔、
38…連結板部、
42…支持プレート、
44b…台本体部、
45…接続片、
G…重心、
H…スイッチ構成体、
W0・W1…ステアリングホイール。
Claims (1)
- ステアリングホイール本体の上部に、ホーンスイッチ機構に支持されたエアバッグ装置が配置され、
該エアバッグ装置が、膨張可能に折り畳まれた袋状のエアバッグ、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーター、折り畳まれた前記エアバッグを覆うパッド、及び、前記エアバッグ・インフレーター・パッドを保持するバッグホルダ、を備えて構成され、
前記ホーンスイッチ機構が、固定側接点、可動側接点、及び、付勢手段、を有して予め組み付けられるスイッチ構成体を複数備えて構成され、前記パッドを押し下げることにより、前記付勢手段を圧縮させ、前記固定側接点に対して前記可動側接点を、接触させるエアバッグ装置付きステアリングホイールであって、
前記各スイッチ構成体を結合させる複数の台本体部を備えた支持プレートが、前記台本体部の下方で前記ステアリングホイール本体に接続される接続片を備えて構成され、
前記バッグホルダが、前記インフレーターを挿入可能な孔を備えた横板部と、該横板部の縁から上方へ延びる連結板部と、該連結板部の上端から外方の横方向に延びて、前記各スイッチ構成体の上方に配置される複数の取付片部と、を備えて構成され、
前記インフレーターを保持した前記バッグボルダの前記横板部より上方に位置する複数の前記台本体部と前記取付片部との間に、前記付勢手段を配置させ、さらに、少なくとも1つの前記スイッチ構成体の前記付勢手段が、全ての前記付勢手段により上方へ付勢される部品の合計重量の重心の高さと略等しい高さに配置されるように、
前記支持プレートの前記各台本体部にそれぞれ前記スイッチ構成体を結合させるとともに、前記各スイッチ構成体の上方に、予め組み立てられた前記エアバッグ装置における前記バッグホルダの前記各取付片部を配置させて、前記エアバッグ装置を前記ホーンスイッチ機構に支持させ、
前記支持プレートの接続片を前記ステアリングホイール本体に接続させていることを特徴とするエアバッグ装置付きステアリングホイール。
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-
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