JP3661435B2 - 換気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、換気環境の変化を検知するセンサーを備え、センサーによる換気環境の変化の検知に基づいて運転を行なう換気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
センサーによる換気環境の変化の検知に基づいて運転を行なう換気装置としては、例えば特開昭63―204047号公報や特開平2―290451号公報に示されているように、人検知センサーにより換気環境である室内の人の在不在を検知し、換気運転を始めたり、換気運転を停止したりするものがある。この種の換気装置では、人検知センサーで的確に人の在不在を検知する必要があるため、図6に示すように人検知センサー30は、制御部31とともに換気装置の前面中央に配置されている。制御部31は制御回路等を構成した回路基板32を回路ボックス33に収め込んだ構成であって、遠心式の送風羽根34を収めたファンケーシング35の吸込口36を跨ぐように吸込口36の前方に間隔をおいて取付けられている。人検知センサー30は回路ボックス33の一側に一体化されて構成され、入射する赤外線エネルギーの変化を検知し易いようにその集光レンズが換気装置の前面中央において室内に呈出するように配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の換気装置においては、制御部31と人検知センサー30とが一体の構成であり、人検知センサー30が換気装置の前面の中央におかれているため、制御部31と人検知センサー30とによる妨害物がファンケーシング35の吸込口36の前方に存在する形態となっている。従って、吸込口36に向う気流が制御部31と人検知センサー30とにより妨げられ、送風性能が悪化し吸込気流の乱れによる騒音も大きくなり勝ちであるといった問題点がある。
【0004】
本発明は、上記した従来の問題点を解消するためになされたもので、その課題とするところは、前面にセンサーを備えた換気装置の性能の向上と騒音の低減を実現することであり、製造コストの低減を推進することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために請求項1の発明は、本体枠内に装着された電動機の回転軸に遠心式の送風羽根を装着し、送風羽根を回転軸方向の前面側のほぼ中央に吸込口を有するファンケーシングによって包囲するとともに、前面側に設けたセンサーと制御部によって運転を制御する構成の換気装置について、そのセンサーをファンケーシングの前面側のほぼ中央に配設し、制御部をファンケーシングの吸込口から遠ざかる前面側に配設する手段を採用する。
【0006】
前記課題を達成するために請求項2の発明は、本体枠内に装着された電動機の回転軸に遠心式の送風羽根を装着し、送風羽根を回転軸方向の前面側のほぼ中央に吸込口を有し、側方に吹出口を有するファンケーシングによって包囲するとともに、前面側に設けたセンサーと制御部によって運転を制御する構成の換気装置について、その制御部をファンケーシングの前面側における吹出口側に寄った位置に配設し、センサーを制御部の前面に重なり合いをもって装着してファンケーシングの前面側のほぼ中央に配設する手段を採用する。
【0007】
前記課題を達成するために請求項3の発明は、請求項2に係る前記手段における制御部の前面に、角度調整手段を備えたセンサー取付構造を設け、センサー取付構造にセンサーをその検知範囲を調整できるように角度調整可能に取付ける手段を採用する。
【0008】
前記課題を達成するために請求項4の発明は、請求項2又は請求項3のいずれかに係る前記手段における制御部の外面に、吸込口への気流を円滑にする気流ガイドを形成する手段を採用する。
【0009】
前記課題を達成するために請求項5の発明は、請求項4に係る前記手段における気流ガイドを、制御部の隅角部を吸込口に向う円弧面にして形成する手段を採用する。
【0010】
前記課題を達成するために請求項6の発明は、請求項2〜請求項5までのいずれかに係る前記手段における制御部を、その長手方向がファンケーシングの吹出口の方向に沿う向きに配設する手段を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図5によって示すこの実施の形態は、前面に備えた人検知センサー1の検知出力によって運転を制御する換気装置に関するものである。換気装置は、前面の開放した略六面体をした本体枠2を有し、この本体枠2内に電動機3がその回転軸4を前面に向けて装着されている。本体枠2の開放した前面の周囲には天井の野縁等に取付けるための取付フランジ5が形成され、この取付フランジ5を含む本体枠2の前面は着脱可能の化粧グリル6で図2に示すように被覆される。電動機3の回転軸4には遠心式の送風羽根7が装着され、送風羽根7は回転軸方向の前面側のほぼ中央に円形の吸込口8を有し、側方に吹出口9を有するスクロール状のファンケーシング10によって包囲されている。
【0012】
ファンケーシング10の吸込口8の口縁にはベルマウス11が形成され、吹出口9は本体枠2の一側に形成されたダクト接続の可能な接続口12に連通している。ファンケーシング10の吸込口8のある前面部はほぼ平面に構成され、この部分を利用して制御部が取付けられている。制御部は、マイクロコンピュータやモーターへの通電を制御する電子部品を実装した回路基板を細長い六面体の回路ボックス13に収込んだ構成であり、その回路ボックス13の底側の妻面に形成された二箇所の取付部において、ネジによりファンケーシング10の前面側における吹出口側(図1における左側)に寄った位置に取付部14により浮き上がった状態に固定されている(図3参照)。
【0013】
取付状態の回路ボックス13はファンケーシング10の吸込口8の吹出側の一部を図1に示すように跨いでいるが、吸込口8の反吹出口側(図1における右側)はこれを覆うことなく広く開放している。そして、回路ボックス13の吸込口8よりの隅角部は、気流ガイドとして吸込口8に向う円弧面15に形成され、吸込口8への気流が乱れることなく円滑に流れるように構成されている。上述したような回路ボックス13の取付位置と円弧面15の構成により、この種の換気装置の送風性能の向上と騒音の低減を推し図ることができる。即ち、遠心送風機の場合、吸込口8の中心は反吹出口側に偏心するため、回路ボックス13を吹出口側に位置させることで吸込口8の前面が覆われず、吸込みを妨害するものが存在しないので吸込性能は向上することになる。
【0014】
一方、吸込口8の吹出側は、空気が乱れながら吸い込まれるため、この部分の流れを整流するように回路ボックス13が形成されており、しかも回路ボックス13自体の形状が細長い六面体であって、気流ガイドとしての円弧面15も具備しているため、送風性能の低下や騒音の増加を招く原因には殆どならない。この意味で回路ボックス13の取付方向は、その長手方向がファンケーシング10の吹出口9の方向に沿う方向が良く、より好ましくは、図1に示すようにその長手方向が接続口12からの送風方向に一致する方向ということができる。
【0015】
人検知センサー1は、人が放つ赤外線に基づいて微分形の信号を出力する焦電型であり、集光レンズ16を方形のケースの前面に備え、入射する赤外線エネルギーの変化をその変化量に応じた大きさの電圧信号として出力するものである。人検知センサー1のケース17の対向する側面には対向位置に支点となるピン18が一体に形成され、その一方のピン18の近傍には角度調整用のピン19が並んで形成されている。この人検知センサー1には指向性があり、室内において確度よく人の在不在を検知させるためには換気装置の室内側となる前面のほぼ中央に配置する必要がある。
【0016】
この条件を満すべくこの換気装置においては、制御部の回路ボックス13の前面の長手方向の縁部中央にセンサー取付構造20が形成され、このセンサー取付構造20によって人検知センサー1が取付けられている。回路ボックス13のセンサー取付構造20は、人検知センサー1のケース17に形成された支点となる対向する二つのピン18をそれぞれ回動可能に嵌め込む小孔を持つ取付脚21で構成され、一方の取付脚21には角度調整用のピン19を数段階に掛止めうる係合部22を備えた角度調整用のリブ23が一体に形成されている(図4参照)。
【0017】
人検知センサー1はそのケース17の対向するピン18を取付脚21の小孔に嵌め込み、角度調整用のピン19を適切な角度となるリブ23の係合部22に掛止めることにより取付けられ、これにより制御部と人検知センサー1は一つのユニットとして組上げられ、制御部の取付けにより本体枠2の前面のほぼ中央に集光レンズ16が位置するようになる。回路ボックス13に取付けられた人検知センサー1は、そのケース17の投影平面積のほぼ半分が回路ボックス13の前面に重なっている。
【0018】
従って、人検知センサー1による吸込口8への吸込み気流の妨害も最低限に抑えることができ、前述した回路ボックス13の取付位置及び円弧面15の構成と相まってこの種の換気装置の送風性能の向上と騒音の低減を効果的に推進することができる。また、制御部と人検知センサー1は一つのユニットとして組上げることができるため組み立てがし易く製造コストも低減できる。但し、制御部と人検知センサー1が一つのユニットとして組上げられても、制御部と人検知センサー1が一体に構成されているこれまでのものより投影平面積は小さく、吸込口8への気流を妨害する度合いは少ない。人検知センサー1には指向性があり、換気装置が室の中央の天井でなく例えば壁面寄りの天井に設けられた場合、室内における人の在不在を的確に検知するためには、集光レンズ16の向きを壁面側から遠ざかる角度に向ける必要がある。このような場合には、人検知センサー1を支点となるピン18で回動させて角度を調整してピン19をリブ23の係合部22に掛止めて角度を固定させればよく、簡単な操作で対応することができる。
【0019】
この換気装置は、上述したように人検知センサー1の位置を確保しつつ制御部と人検知センサー1とによる吸込み気流の妨害要因を少なくしようとするものである。この目的をより端的に達成する手立てとしては、図5に示すように制御部を本体枠2とファンケーシング10の吸込口8にかからない隙間を利用して装着し、人検知センサー1を化粧グリル6等に取付構造を設けて化粧グリル6に装着する構成を採る仕方がある。しかし、化粧グリル6を新規なものにしなくてはならず製造コストは高くつくことになる。この点、回路ボックス13が人検知センサー1の取付部を兼ねる上述したような構成によれば製造コストを低く抑えることが可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上実施の形態での説明からも明らかなように、請求項1の発明によれば前面にセンサーを備えた換気装置の性能の向上と騒音の低減が実現する。
【0021】
前記課題を達成するために請求項2の発明によれば、前面にセンサーを備えた換気装置の性能の向上と騒音の低減が実現し、製造コストも抑えることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、請求項2に係る前記効果とともに取付場所に応じてセンサーの角度を調整することができる。
【0023】
請求項4の発明によれば、請求項2又は請求項3のいずれかに係る前記効果とともにより一層吸込口への気流を円滑にすることができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、請求項4に係る前記効果とともに簡単に気流ガイドを構成できる。
【0025】
請求項6の発明によれば、請求項2〜請求項5までのいずれかに係る前記効果とともに性能の向上と騒音の低減を一層推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態の換気装置を化粧グリルを外した状態で示す正面図である。
【図2】 実施の形態の換気装置の主要部の構成を示す縦断側面図である。
【図3】 図2の要部の拡大図である。
【図4】 回路ボックスの取付構造を示す部分拡大図である。
【図5】 実施の形態の換気装置の他の構成を示す正面図である。
【図6】 従来の換気装置の断面図である。
【符号の説明】
1 人検知センサー、 2 本体枠、 3 電動機、 4 回転軸、 7 送風羽根、 8 吸込口、 9 吹出口、 10 ファンケーシング、 13 回路ボックス、 15 円弧面、 18 ピン、 19 ピン、 20 センサー取付構造、 22 係合部、 23 リブ。

Claims (6)

  1. 本体枠内に装着された電動機の回転軸に遠心式の送風羽根を装着し、この送風羽根を前記回転軸方向の前面側のほぼ中央に吸込口を有するファンケーシングによって包囲するとともに、前面側に設けたセンサーと制御部によって運転を制御する構成の換気装置であって、前記センサーを前記ファンケーシングの前面側のほぼ中央に配設し、前記制御部を前記ファンケーシングの前記吸込口から遠ざかる前面側に配設した換気装置。
  2. 本体枠内に装着された電動機の回転軸に遠心式の送風羽根を装着し、この送風羽根を前記回転軸方向の前面側のほぼ中央に吸込口を有し、側方に吹出口を有するファンケーシングによって包囲するとともに、前面側に設けたセンサーと制御部によって運転を制御する構成の換気装置であって、前記制御部を前記ファンケーシングの前面側における前記吹出口側に寄った位置に配設し、前記センサーをこの制御部の前面に重なり合いをもって装着して前記ファンケーシングの前面側のほぼ中央に配設した換気装置。
  3. 請求項2に記載の換気装置であって、制御部の前面に角度調整手段を備えたセンサー取付構造を設け、このセンサー取付構造にセンサーをその検知範囲を調整できるように角度調整可能に取付けた換気装置。
  4. 請求項2又は請求項3のいずれかに記載の換気装置であって、制御部の外面に吸込口への気流を円滑にする気流ガイドを形成した換気装置。
  5. 請求項4に記載の換気装置であって、気流ガイドを制御部の隅角部を吸込口に向う円弧面にして形成した換気装置。
  6. 請求項2〜請求項5までのいずれかに記載の換気装置であって、制御部をその長手方向がファンケーシングの吹出口の方向に沿う向きに配設した換気装置。
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