JP2543239B2 - 天井埋込形換気扇 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、換気送風機器に使用される天井埋込形換気
扇に関するものである。

従来の技術 近年、住居内で使用される換気送風機器の騒音を低下
させる要求が強まってきている。従来のこの種の天井埋
込形換気扇は、第８図および第９図に示すように、下面
を開口した箱状の本体20と、羽根車21の周囲を囲む渦巻
ケーシング22と、吸込口23および24を有する吸込ケーシ
ング25および26と、この吸込ケーシング25または26に取
り付けられ、前記羽根車21を固着した電動機27と、前記
本体20の下面に設けられたグリル28を備えている。

上記構成により、運転時には羽根車21が回転すると、
吸込口23および24より空気を吸引し、羽根車21により昇
圧し、渦巻ケーシング22の内部ｄを通り吐出口29より吐
出する。前記吸込口23および24より吸引した空気は、羽
根車21で昇圧されるときに発生する回転騒音や、渦巻ケ
ーシング22を通るときに発生する渦による乱流騒音が前
記吸込口23および24から吸込側空間ａおよびｂを経て外
部空間ｃへ放射されるものであった。

発明が解決しようとする課題 このような従来の天井埋込形換気扇では、運転時には
羽根車の回転により吸引された空気が昇圧されるときに
発生する回転騒音や、渦巻ケーシングを通るときに発生
する渦による乱流騒音が吸込口の吸込側空間ａおよびｂ
を経てｃに放射される課題があった。

本発明は上記課題を解決するもので、羽根車の回転で
発生する騒音および渦巻ケーシングで発生する騒音の一
部を遮音して、本体外への放射を低下させることのでき
る天井埋込形換気扇を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために第１の手段は、下
面を開口し、一側面に吐出口を設けた箱状の本体と、こ
の本体の内部に前記開口部側と連通する吸込口を有し、
前記吐出口に吐出側を連通して設けられる羽根車および
渦巻ケーシング等からなる排気送風機、および前記排気
送風機の反吐出側に形成される空気流路空間部と、前記
本体の下面開口部に前記空気流路空間部と連通する通気
口を有し、前記排気送風機を目かくしする目かくし部を
設けた目かくしパネルとを備え、前記通気口を前記排気
送風機の反吐出側端部より前記空気流路空間部側に配設
する構成としたものである。

また第２の手段は、第１の手段の目かくしパネルの通
気口の目かくし部側の端部を空気流路空間部側に向かい
突出する円弧状の屈曲部で形成した構成としたものであ
る。

また第３の手段は、第１の手段の目かくしパネルの通
気口の目かくし部側の端部を空気流路空間部側に向かい
突出延長して排気送風機の空気流路空間部に対向する下
方部を目かくしする延長目かくし部を形成した構成とし
たものである。

作用 本発明は上記した第１〜３の手段の構成により羽根車
の回転や渦巻ケーシング内で発生した騒音の一部が遮音
され本体外への騒音放射量を低下させることのできるも
のである。

実 施 例 以下、本発明の第１実施例について第１図〜第３図を
参照しながら説明する。なお従来例と同一箇所には同一
番号を付けて詳細な説明は省略する。図に示すように、
20は下面を開口した本体で、この本体20内部に羽根車21
の周囲を囲む渦巻ケーシング22と、両側面に吸込口23お
よび24を有する吸込ケーシング25および26と、この吸込
ケーシング25または26に取り付けられ、羽根車21を固着
した電動機27とで構成された排気送風機とこの排気送風
機の反吐出側に形成される空気流路空間部１を本体20内
に設け、本体20の下面開口部に空気流路空間部１と連通
する通気口２を、排気送風機の反吐出側端部より空気流
路空間部１側に配設し、排気送風機の対応部分を目かく
しする目かくし部を設けた目かくしパネル３とにより構
成する。また第３図は、上下面に吸込口23および24を有
する他は、第１図および第２図と同様の構成である。

上記構成により、羽根車21が回転すると、吸込み空気
は前記通気口２から前記本体20の内部に流入し、前記吸
込ケーシング25および26の吸込口23および24より羽根車
21に入りこの羽根車21により昇圧され、渦巻ケーシング
22の内部ｄを通り吐出口29より吐出される。このとき前
記羽根車21で昇圧されるときに発生する回転騒音や、渦
巻ケーシング22を通るときに発生する渦による乱流騒音
が前記吸込口23および24から吸込側空間ａおよびｂを経
て本体20外ｅへ広がるように放射されるが、排気送風機
の対応部分に目かくしパネル３があるため騒音の一部は
遮音され外部空間ｃへの放射は低下されることになる。
また側面方向と上下方向以外の斜め方向に吸込口をもつ
場合や、吸込口を片側にだけもつ場合でも同様に騒音の
外部空間ｃへの放射は低下されることとなる。

つぎに本発明の第２実施例について第４図を参照しな
がら説明する。なお第１実施例と同一箇所には同一番号
を付けて詳細な説明は省略する。図に示すように、本体
20の下部開口部に設けた目かくしパネル４の通気口２の
目かくし部側の端部空気流路空間部１側に向かい突出す
る円弧状の屈曲部５で形成する。

上記構成により、羽根車21の回転により、吸込み空気
は通気口２から空気流路空間部１の内部に流入するが、
目かくしパネル４に設けた円弧状の屈曲部５により曲率
のない場合より圧力損失が小さくなり、第１の実施例よ
り通気口２の面積が小さくできるので、第１の実施例よ
りさらに遮音できる。

つぎに本発明の第３の実施例について第５図を参照し
ながら説明する。なお第１実施例と同一箇所には同一番
号を付し詳細な説明は省略する。図に示すように本体20
の下部開口部に設けた目かくしパネル６の通気口２の目
かくし部側の端部を空気流路空間部１側に向かい突出延
長して排気送風機の空気流路空間部１に対向する下方部
を目かくしする延長部目かくし部７を形成する。

上記構成により、羽根車21の回転により発生する回転
騒音および渦巻ケーシング22を空気が通るときに発生す
る渦による乱流騒音が通気口２から本体20外ｅへ広がる
が、目かくしパネル６から本体20の内部へ延長させた延
長目かくし部７により騒音の一部は遮音されることとな
る。

なお、第６図に示すように吸音材A8を内部側壁部９に
設けたり、第７図に示すように天井内壁部10に吸音材B1
1を追加し設けることにより、本体20内部における吸音
効果が高まることはいうまでもない。

また第１の実施例〜第３の実施例のそれぞれの目かく
しパネルは本体の下面開口部と同一面に取り付けられて
おり、天井面に本体を取り付けた状態では天井面より突
出することなく美観を損なわないこととなるものであ
る。

発明の効果 以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、
排気送風機全体が目かくしパネルに形成された目かくし
部で目かくしされ、排気送風機と通気口間には空気流路
空間部が形成されているので、排気送風機の羽根車の回
転や渦巻ケーシング内で発生した騒音の一部が遮音され
本体外への騒音放射量を低下させることができるダクト
用換気扇を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の天井埋込形換気扇の側断
面図、第２図は同天井埋込形換気扇の正面図、第３図は
同断面図、第４図は同第２実施例の天井埋込形換気扇の
側断面図、第５図は同第３実施例の天井埋込形換気扇の
側断面図、第６図および第７図は同吸音材を設けた天井
埋込形換気扇の側断面図、第８図は従来の天井埋込形換
気扇の側断面図、第９図は同天井埋込形換気扇の正面図
である。 １……空気流路空間部、２……通気口、3,4,6……目か
くしパネル、５……屈曲部、７……延長目かくし部。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−208528（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−60143（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−95527（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−116038（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−46165（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下面を開口し、側面に吐出口を設けた箱状
   の本体と、この本体の内部に前記開口側と連通する吸込
   口を有し、前記吐出口に吐出側を連通して設けられる羽
   根車および渦巻ケーシング等からなる排気送風機、およ
   び、前記排気送風機の反吐出側に形成される空気流路空
   間部と、前記本体の下面開口部に前記空気流路空間部と
   連通する通気口を有し、前記排気送風機を目かくしする
   目かくし部を設けた目かくしパネルとを備え、前記通気
   口を前記排気送風機の反吐出側端部より前記空気流路空
   間部側に配設する構成とした天井埋込形換気扇。
2. 【請求項２】目かくしパネルに形成される通気口の目か
   くし部側端部を空気流路空間部側に向かい突出する円弧
   状の屈曲部で形成した請求項１記載の天井埋込形換気
   扇。
3. 【請求項３】目かくしパネルに形成される通気口の目か
   くし部側端部を空気流路空間部側に向かい突出延長して
   排気送風機の空気流路空間部に対向する下方部を目かく
   しする延長目かくし部を形成した請求項１記載の天井埋
   込形換気扇。