JP3660328B2 - レーザ加工機 - Google Patents

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    • H01S5/06835Stabilising during pulse modulation or generation

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工機、特にレーザ出力を頻繁に変更するとともに精密な制御を行なってレーザ加工を行なう高出力レーザを搭載したレーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ加工機に搭載されるレーザ発振器のレーザ出力を常時計測し、計測値をレーザ加工の安定化に資するように利用することは従来より行なわれている。一般に、レーザ出力の計測は、レーザ共振器の出力鏡の反対側の鏡、いわゆるリアミラーからレーザビームの一部分を透過させ、その透過光をパワーセンサに入力させて行なう。共振器から出射されたレーザビームを反射する折り返し鏡を持つレーザ発振器の場合には、ビームの一部を折り返し鏡から透過させてモニタ計測用に取り出す方法もある。
【0003】
このようにして、レーザ出力は一応リアルタイムで計測することが出来る。そして、このリアルタイムで計測されたレーザ出力は、次のようなアプリケーションで用いることができる。
【0004】
(1)レーザ出力を安定に保つフィードバック制御において、レーザ出力の現在値を表わすデータを得るために利用する。
(2)レーザビームをよく反射する材料からなるワークの加工中に生じる加工状態の異常には、被加工ワークからレーザ発振器内に戻る反射光の顕著な増大を伴うものがある。このような現象を伴う加工状態の異常をレーザ出力から知ることができる。
(3)レーザ出力の異常な低下によって、発振器の故障を診断する。
【0005】
ところが、レーザ出力を計測するパワーセンサには無視出来ない応答遅れがある。特に、高出力レーザの場合に用いられるパワーセンサは、レーザビームを一旦熱に変換し、熱流量を計測するタイプのものが主流であり、レーザ出力指令があってから、実際にレーザ出力がされる時間と比較すると、パワーセンサの計測値が応答する時間はかなり遅いものになっている。
【0006】
一般的なレーザ加工機では、出力指令があってから実際のレーザ出力が指令出力の95%に到達する時間は0.0002秒程度であるのに対し、パワーセンサの計測値が指令出力に対応する値の95%に到達するには約3秒を要する。つまり、出力指令と実際のレーザ出力との間は瞬時といっても良い程度の短時間であるのに対し、パワーセンサの計測値が実際の出力を反映するまでには、はるかに長い時間を要し、上記(1)〜(3)のいずれのアプリケーションにとっても満足すべきものではない。
【0007】
この事情を具体例で説明するために、図1には、上記(1)〜(3)のアプリケーションが実行可能なシステム構成の従来例について、その概要をブロック図で示した。図1に示したように、ワークに集光レンズ、ミラーを介してレーザビームを照射するレーザ発振器は、例えばYAGレーザで、図示しない励起用ランプあるいは励起用LEDなどの励起源によってレーザ励起される。
【0008】
レーザ出力を制御するためのレーザ出力指令は、レーザ出力指令手段から出力され、フィードバック制御部によるフィードバック補正を経てレーザ電源に与えられ、それに応じてレーザ電源から励起源に電力が供給される。レーザ出力指令の内容は、手動運転によるコントロールパネル(図示省略)操作あるいは加工プログラムに応じて指定される。
【0009】
前述したように、レーザ発振器の例えばリア鏡(図示省略)の外側には、レーザパワーセンサが設けられ、常時、レーザ出力(レーザパワー)をモニタ計測している。レーザパワーセンサの出力はアンプで増幅され、レーザ出力指令と比較され、差分がフィードバック制御部に入力される。なお、レーザパワーセンサとアンプを合わせたものが、レーザ出力計測手段を構成している。
【0010】
比較の結果、レーザパワー計測値がレーザ出力指令通りの出力を下回っていれば正の差分信号がフィードバック制御部に入力され、逆に上回っていれば負の差分信号がフィードバック制御部に入力される。フィードバック制御部は、この差分信号に応じてレーザ出力指令をフィードバック補正し、それに基づいてレーザ電源を制御する。これにより、レーザ出力指令通りの出力を保持するようなフィードバック制御が行なわれることになる(上記(1)のアプリケーション)。
【0011】
また、このようなフィードバック制御とは別に、レーザパワー計測値を表わすアンプ出力は、レーザ出力指令と比較され、差分が出力異常検出手段に入力される。比較の結果、レーザパワー計測値がレーザ出力指令を下回っていれば正の差分信号が出力異常検出手段に入力され、逆に上回っていれば負の差分信号が出力異常検出手段に入力される。
【0012】
出力異常検出手段は、この差分信号が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、正常な範囲から逸脱していれば、異常と判定し、停止信号をレーザ出力指令手段に送り、レーザ発振器の運転を停止する。
【0013】
「異常」との判定がなされるのは、例えばレーザビームをよく反射する材料からなるワークの加工状態の異常により、被加工ワークからレーザ発振器内に戻る反射光が顕著に増大した場合(上記(2)のアプリケーション)、あるいは、レーザ発振器の故障による出力の異常低下が起った場合(上記(3)のアプリケーション)などである。
【0014】
ここで、上記システムにおいて、図2(a)の推移でレーザ出力指令がレーザ出力指令手段から出力されたケースについて考察してみる。図2(a)に示したレーザ出力指令101は、横軸を時間(秒)にとり、縦軸をパワー(W;ワット)にとってグラフで示されている。本例は加工プログラムの一部による指定に従った推移の例を示しており、前半3.5秒間を4kW、後半4秒間を1kWを指令値とするものである。
【0015】
図2(b)は、図1に示した従来システムでこのようなレーザ出力指令を与えて、レーザ出力にフィードバック制御を行なった場合について、レーザパワー計測値の推移107と、フィードバック補正後のレーザ出力指令値104と、レーザ出力指令値とレーザパワー計測値の差110の推移を示したものである。なお、図2(b)における横軸、縦軸は図2(a)と対応しており、横軸は時間(秒)、縦軸はパワー(W;ワット)を表わしている。
【0016】
図2(b)に示したように、パワーセンサの応答が遅い為、レーザ出力指令が出された直後(0kWから4kWへの立ち上がり直後)はしばらくの間、指令値101に対して計測値107が小さい状態が続く。そのため、フィードバック制御部には出力不足を表わす差分信号が入力され、補正後のレーザ出力指令値104は発振器の制限一杯まで上昇した状態(符号51で指示した部分)になる。やがて、パワーセンサの計測値107が指令値4kWに近付くと、この状態は解消され、指令値101、補正後のレーザ出力指令値104、計測値107の3者がほぼ一致した状態となる。つまり、出力指令の立ち上がり時には過大なレーザパワーが出力される期間が生じることになる。
【0017】
次に、出力指令値101が4kWから1kWに切り替わった直後は、しばらくの間、指令値101に対して、計測値107が過大な状態となる。そのため、フィードバック制御部には出力過剰を表わす差分信号が入力され、補正後のレーザ出力指令値104はゼロまで急落する(符号52で指示した部分)。その結果、この瞬間に一旦レーザ加工ができない状態になる。
【0018】
そして、パワーセンサの計測値107が指令値1kWまで落ちてようやくこの状態は解消され、指令値101、補正後のレーザ出力指令値104、計測値107の3者がほぼ一致した状態となる。つまり、出力指令の立ち下がり直後に過小なレーザパワー(例えば出力ゼロ)が出力される期間が生じ易い。
【0019】
また、加工異常によるワークからの戻り反射光の異常増大や、レーザ発振器の故障による出力異常低下があった場合にも、やはりパワーセンサの応答が遅い為、その発生を表わす差分信号が出力異常検出手段に入力されるまでに時間がかかり、迅速な対応ができない(運転停止が遅れる)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
このように、パワーセンサの計測値を用いるアプリケーションでは、パワーセンサの計測値が実際のレーザ出力に追いつくまで、実効的な動作ができなかった。異常検出に関連して、上記従来例とは別に、特開2001−287059号公報の提案がある。同提案では、レーザ出力指令値とパワーセンサによる計測値を比較することで異常検出を企図しているが、パワーセンサの応答時間を補うために、出力指令をシミュレータを通すことで、出力指令直後の立ち上がり時での検出を可能にしている。
【0021】
ところが、この例にあるように、フィードバック制御を行なうと、補正の影響を受け、異常検出精度が悪化する。そこで、本発明は、フィードバック制御を行なっても、正確に出力異常検出を行なうことができるレーザ加工機の提供を第1の目的とする。
【0022】
更に、特開2001−287059号公報に開示されたような技術を用いた場合、特に、立ち上がり時には、出力指令値に対してパワーセンサの計測値が小さいためにフィードバックエラーが大きくなり、オーバーシュートを生じてしまう。
【0023】
これを避けるためにフィードバックの利得を下げると、定常時にレーザ出力指令値と実際の出力と合致し難くなる。特開2001−287059号公報の例では、フィードバックをするしないを選択するスイッチを設け、この問題を回避している。
【0024】
この点に関連して、特開平8−168891号公報は、図55において、フィードバック経路を徐々に繋ぐことで、この問題の解決を提案している。しかしながら、レーザ加工安定化のためには、フィードバック制御を可能な限り早く実効あるものにするほうが好ましいことはいうまでもない。
【0025】
そこで、本発明は、フィードバック制御をできるだけ早く実効あるものにするレーザ加工機の提供を第2の目的とする。
ところで、前記パワーセンサの計測値を用いる場合、連続出力での運転時には、指令値急変直後を除いて指令値と計測値がほぼ合致するが、パルス状の出力の場合は、状況は更に厳しくなる。即ち、レーザ出力波形が完全な矩形の場合は、計測値はパルスピーク値とパルスデューティ値の乗算で求めることができるが、実際の波形は矩形でない場合が多い。その上、加工性能上の利点を求めて、パルス波形を台形や三角形にすることが広く行なわれているが、この場合、パワーセンサで計測される平均出力は、簡単な理論式で求めることができない。
【0026】
この点に関連して、特開平8−168891号公報では、このようなパルス状の出力時の指令出力と実際の出力とのレーザパワーの乖離を、特性表を用いてフィードフォワード制御により、予め補正することが提案されている。この提案に従えば、フィードバック制御を併用することができ、レーザ出力の安定化が可能である。
【0027】
ところが、フィードフォワード制御は、パルス波形が大よそ矩形の場合には有効であるが、上記のような矩形からかけ離れた波形の場合は、フィードフォワード量自体が大きくなり過ぎて、意図した加工ができない。本発明は、フィードフォワード制御を必要とせずに、特性表を有効に使って、連続出力時と同等のアプリケーションを提供することを第3の目的とする。
【0028】
更に、ピアシング加工や、マーキング加工あるいは溶接加工のように、ワーク表面からある量のレーザビームが戻ることが前提となるレーザ加工の場合、フィードバック制御の働きで、レーザ出力が小さく落ち込み、レーザ加工が継続できない場合がある。本発明は、このような場合でも、フィードバック制御や出力異常検出を精確に行なえるようにすることを第4の目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ加工機のレーザ出力を測定するパワーセンサの出力を、レーザ出力指令値に応じてシミュレートし、シミュレート結果と実際の出力を比較することで、フィードバック制御の応答時間を早くするとともに、フィードバック制御の影響で異常検出の精度低下が回避できるという考え方に基づいている。
【0030】
本発明では、一般的にレーザ加工機に装備されているレーザ出力指令手段、レーザパワー計測手段(パワーセンサ+アンプ)、フィードバック制御部に加えて、計測値シミュレート手段が用いられる。シミュレート手段による出力とパワーセンサによる計測値の差に応じて、レーザ指令にフィードバック制御を加える。
【0031】
そして、本発明では更に、レーザ出力の異常の検出に関して、特に精確な検出が行えるように、フィードバック制御に利用される上記シミュレート手段(第1のシミュレート手段)とは別に、フィードバック補正後のレーザ出力に基づいた別のシミュレート手段(第2のシミュレート手段)が用意される
【0032】
各々のシミュレート手段の前段には、レーザ計測入力予測を設けて、パルス状の出力や、特殊な加工条件でパワーセンサーが計測するレーザ出力を予測することができる。
【0033】
具体的には、レーザ発振器にレーザ出力指令を行い、該レーザ発振器から出力されるレーザビームにより被加工物に対して加工を行うレーザ加工機について、各請求項で記載された通りの構成要件が満たされている。
【0034】
請求項1の発明は基本要件に相当し、「レーザ発振器にレーザ出力指令を行い、該レーザ発振器から出力されるレーザビームにより被加工物に対して加工を行うレーザ加工機において、連続レーザ出力またはパルス状のレーザ出力を指令するレーザ出力指令手段と、前記レーザビームのパワーの計測に用いられ、計測値に自身の応答特性による誤差を含むレーザパワー計測手段と、前記レーザ出力指令手段によって指令されるレーザ出力指令値と、前記レーザパワー計測手段の応答特性とに基づいて、前記レーザパワー計測手段から出力される計測値を逐次推定する第1の計測値シミュレート手段と、前記レーザパワー計測手段による計測値と、前記第1の計測値シミュレート手段によるシミュレート値との差に応じて、レーザ出力指令値をフィードバック補正する、フィードバック制御手段とを備え、前記フィードバック制御手段によって補正されたレーザ出力指令値と、前記レーザパワー計測手段の応答特性とに基づいて、前記レーザパワー計測手段から出力される計測値を逐次推定する第2の計測値シミュレート手段と、前記第2の計測値シミュレート手段によるシミュレート値と前記レーザパワー計測手段による計測値の差が所定の判定値を超えたことによって、レーザ出力の異常を検出するレーザ出力異常判定手段と、を備える」ことを特徴としている。
【0035】
(削除)
【0036】
(削除)
【0037】
(削除)
【0038】
(削除)
【0039】
(削除)
【0040】
(削除)
【0041】
そして、請求項の発明に係るレーザ加工機は、請求項1に係る発明において更に、「前記レーザパワー計測入力予測手段は、加工条件に応じて、前記シミュレート値の予測に用いられるデータ・計算式を変更すること」を特徴としている。
【0042】
(削除)
【0043】
本発明における計測入力予測(実際に出力されてパワーセンサに入力される平均レーザパワーの代表値の予測)と計測出力のシミュレート(レーザパワー計測手段から出力されるレーザパワー計測値の推定)を含む過程は、一般的に次のようにおこなわれる。
【0044】
手動運転あるいは加工プログラムに従って、レーザ出力条件が設定されて出力が指令されると、レーザ出力指令手段は、パルスピーク値、パルスデューティ、パルス周波数に加えレーザ加工の種類などのレーザ加工条件を、レーザ計測入力予測手段に送る。
【0045】
レーザ計測入力予測手段は、前記レーザ加工条件に基づき、レーザ加工が正常な状態であればパワーセンサに入力されるであろうレーザ出力の平均値を代表する代表値を算出し、第1のシミュレート手段に送る。第1のシミュレート手段は、レーザ出力計測手段の時定数などの特性にもとづいて、時間経過とともに、レーザ出力計測手段からの実際の出力に似たデータを時々刻々と算出する。
【0046】
一方、レーザ出力計測手段は実際のレーザ出力を計測しているが、種種の外乱要因があれば、第1のシミュレート手段が描く理想的な出力とは異なる値を得る。フィードバック制御部は、レーザ出力計測値とシミュレート値の差に応じて、レーザ出力を修正し、外乱要因に抗して出力を安定させる。
【0047】
レーザ出力の異常を検出するには、上記のフィードバック補正前のシミュレート手段(第1のシミュレート手段)とは別に設けたシミュレート手段(第2のシミュレート手段)を用いる。この第2のシミュレート手段は、フィードバック補正後のレーザ出力指令値に応じて、出力をシミュレートする。パルスデューティ、パルス周波数などの加工条件によって、レーザ出力を推定するのは、フィードバック補正前と同様である。
【0048】
レーザ出力異常検出手段は、第2のシミュレート値と計測値の差を監視し、もし計測値がシミュレート値を基準を越えて大きく下回れば、レーザ発振器に異常を来したと判断し、アラームを発して発振器を停止する。逆に計測値がシミュレート値よりも基準を越えて大きいのであれば、出力したレーザビームが再び発振器に戻ってきていると判断し、警告を発してレーザ加工を中止する。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関連する手法を参考例として述べるとともに、本発明の実施形態について説明する。
図3は、本発明に関連する1つの参考例に係るレーザ加工機のシステム構成の概要を示したブロック図である。図3に示したように、ワークに集光レンズ、ミラーを介してレーザビームを照射するレーザ発振器は、例えばYAGレーザで、図示しない励起用ランプあるいは励起用LEDなどの励起源によってレーザ励起される。
【0050】
レーザ出力を制御するためのレーザ出力指令は、レーザ出力指令手段から出力され、フィードバック制御部による補正を経てレーザ電源に与えられ、それに応じてレーザ電源から励起源に電力が供給される。レーザ出力指令の内容は、手動運転によるコントロールパネル(図示省略)操作あるいは加工プログラム等に応じて指定される。
【0051】
前述したように、レーザ発振器の例えばリア鏡(図示省略)の外側には、レーザパワーセンサが設けられ、常時、レーザ出力(レーザパワー)をモニタ計測している。レーザパワーセンサの出力はアンプで増幅され、計測値シミュレート手段の出力と比較され、差分がフィードバック制御部及び出力異常検出手段に入力される。
【0052】
ここで、計測値シミュレート手段は、レーザパワーセンサの計測出力(増幅後)を時々刻々シミュレートして予測するものである。計測値シミュレート手段の入力側には、計測入力予測手段が設けられる。計測入力予測手段は、レーザ出力指令手段から、レーザ出力条件のデータを受取る。パルス状運転の場合は、例えばパルスピーク値、パルスデューティ、パルス周波数のデータが、計測入力予測手段に送られる。また、連続運転の場合は、指令された出力指令値が送られる。
【0053】
計測入力予測手段は、受け取ったレーザ出力条件のデータに基づき、レーザ加工機が正常な状態であれば出力されるであろうレーザ出力の平均値を代表する値(平均値自体あるいはそれを必要に応じて若干修正した値)を計測入力予測値として算出し、計測値シミュレート手段に送る。計測入力予測値の算出にあたっては、レーザ出力がパルス状の場合には、パルス波形形状もしくはパルスピーク値、パルスデューティと、パルス周波数とをパラメータとする平均出力をテーブル形式で記憶しておき、レーザ出力指令値から該テーブルを補間・補外して得られた値をレーザパワー計測手段に入力される平均的なレーザパワー(計測入力)の予測値とすることが出来る。
【0054】
計測入力の予測値の算出に利用されるテーブルデータの例を図9(a)、(b)に示す。計測入力の予測値の算出に利用されるテーブルデータは、加工条件に応じて使い分けることができる。図9(a)、(b)の例では、図9(a)は戻り反射光が殆ど生じない切断加工に際して適用されるテーブルの例、図9(b)は戻り反射光が生じるマーキング加工に際して適用されるテーブルの例を示している。
【0055】
なお、このようなテーブルデータに代えて、パルス波形形状もしくはパルスピーク値、パルスデューティと、パルス周波数の関数で表現された近似式を記憶しておき、レーザ出力指令値から該近似式により得られた平均出力パワーをレーザパワー代表値(計測入力予測値)として予測することもできる。
【0056】
計測値シミュレート手段は、計測入力予測手段で算出された計測入力予測値を受取り、予め設定されたレーザパワー計測手段の時定数などの特性データにもとづいて、時間経過とともに、レーザパワー計測手段からの実際の出力に似たデータを時々刻々と算出する。これが計測値のシミュレート値である(以下、単にシミュレート値とも言う)。
【0057】
参考例では、シミュレート手段として、下記の数式(1)もしくは(2)で示される一次遅れ系を用いており、これは後述する本発明の実施形態における第1のシミュレート手段でも採用できる。数式(1)は、数式(2)を差分方程式としたもので、これは計算機での演算が簡単である利点がある。
【0058】
Ps(t) = Ps(t−Δt)+(PT(Pp,Fr,Du)−Ps(t−Δt))×Δt/Tc ・・・(1)
Ps(t) =(Ps(0)−PT(Pp,Fr,Du))×exp(−t/Tc) + PT(Pp,Fr,Du)・・・(2)
ここで、各符号の定義は次の通りである。
t :現時刻
Δt :演算周期
Ps(t) :時刻t における計測値のシミュレート値(計測出力推定値)
PT(Pp,Fr,Du):出力指令値(パルスピーク値Pp、パルス周波数Fr、パルスデューティDu)から推定される計測入力予測値
Tc:時定数
Ps(0) :出力指令開始時または変更時の計測値のシミュレート値(計測値推定値)で、出力指令変更時には、その時点における計測値自体が代入されてよい。
【0059】
このようにして計測値シミュレート手段で刻々求められるシミュレート値と、アンプで増幅されたレーザパワーセンサの出力とが比較され、差分がフィードバック制御部に入力される。
【0060】
比較の結果、レーザパワーの計測値(増幅後)がシミュレート値に一致している場合には、当然、差分がゼロとなる。レーザパワー計測値がシミュレート値を下回っていれば正の差分信号がフィードバック制御部に入力され、逆に上回っていれば負の差分信号がフィードバック制御部に入力される。フィードバック制御部は、この差分信号に応じてレーザ出力指令を補正し、それに基づいてレーザ電源を制御する。これにより、レーザ出力指令通りの出力を保持するような追随制御が行なわれることになる。
【0061】
一方、出力異常検出手段にも入力された差分信号(シミュレート値とレーザ出力の計測値との差分)は、予め設定されている基準値(正負あり)と比較され、異常判定がなされる。計測値がシミュレート値を下回っていれば正の差分信号が出力異常検出手段に入力され、逆に上回っていれば負の差分信号が出力異常検出手段に入力される。出力異常検出手段は、この差分信号が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、正常な範囲から逸脱していれば、異常と判定し、停止信号をレーザ出力指令手段に送り、レーザ発振器の運転を停止する。
【0062】
「異常」との判定がなされるのは、例えばワークの加工状態の異常により、被加工ワークからレーザ発振器内に戻る反射光が顕著に増大した場合(前述(2)のアプリケーション参照)、あるいは、レーザ発振器の故障による出力の異常低下が起った場合(前述(3)のアプリケーション参照)などである。
【0063】
ここで、システムの動作をより具体的に説明するために、上記参考例において、前出の図2(a)の推移でレーザ出力指令がレーザ出力指令手段から出力されたケースについて考察してみる。既述の通り、図2(a)に示したレーザ出力指令101は、横軸を時間(秒)にとり、縦軸をパワー(W;ワット)にとってグラフで示されている。本例は加工プログラムの一部による指定に従った推移の例を示しており、前半3.5秒間を4kW、後半4秒間を1kWを指令値とするものである。
【0064】
図5(a)は、図3に示したシステムでこのようなレーザ出力指令を与えた場合について、計測値シミュレート手段で計算される計測値シミュレート値103(シミュレート値Aとも呼ぶ)の推移をレーザ出力指令101の推移とともに示したものである。
【0065】
なお、図5(a)以下における各グラフの横軸、縦軸は図2(a)と対応しており、横軸は時間(秒)、縦軸はパワー(W;ワット)を表わしている。
【0066】
図5(a)に示したように、本参考例では、シミュレート値103は、パワーセンサの応答遅れを反映して、指令値101の立ち上がり直後から徐々に上昇し、指令値101に漸近するように推移する。指令値101が指令値101’へ立ち下がると、その直後からシミュレート値103は徐々に低減し、指令値101’に漸近するように推移する。
【0067】
次に、図5(b)は、同じく本参考例のシステムにおいて図2(a)に示したレーザ出力指令を与えた場合について、補正後のレーザ出力指令値104の推移を、レーザ出力計測値107の推移、及び、シミュレート値103とレーザ出力計測値107との差の推移とともに示したものである。
【0068】
図5(b)に示したように、本参考例では、シミュレート値103の推移は、シミュレート精度に応じて、レーザ出力計測値107の推移を近似したものとなる。
【0069】
もし、実際の出力が大きければ計測値の立ち上がりが大きくなり、小さければ立ち上がりが遅くなるが、その差108は徐々に開いていくので、出力指令を開始した直後に、フィードバック制御のためにオーバシュートすることは回避される。つまり、パワーセンサの応答遅れがフィードバック制御に及ぼす影響が殆ど除去され、出力指令後、早いうちからフィードバック制御や出力異常検出を実効的なものとすることができる。また、出力指令を下方切換した直後にも、フィードバック制御のために下方にオーバシュートすることも回避される。
【0070】
なお、本参考例では、シミュレートに比較的簡単なものとした(前述の式(1)、(2)参照)としたため、指令直後の誤差(108が0からずれている)が若干大きくなっているが、この時間帯のみフィードバック制御を行なわないようにすれば、オーバシュート量を更に少なくすることも可能である。
【0071】
また、シミュレート手段として、複雑な関数を用いたり、データテーブルを用意することで、完璧なシミュレートを行なえば、指令立ち上がり直後からフィードバック制御や出力異常検出をさらに精密に動作させることもできる。指令立ち下がり直後の誤差についても同様である。
【0072】
このように、本参考例では、図2(b)のグラフ(従来例)における部分51、52に対応する部分(図5(b)において符号51、52で表示)においても、大きなオーバシュートや、指令出力に対して実際の出力がフィードバック制御の副作用でゼロに落ち込むような現象が避けられる。
【0073】
即ち、レーザ出力の計測値(アンプの出力)のシミュレート値でフィードバック制御を行なうことにより、オーバーシュート、アンダーシュートを小さくできる。したがって、出力異常検出に用いる計測値とシミュレート値の差108も、(c)に示すようにレーザ出力を指令した直後から検出することが可能となる。
【0074】
次に、図4は、本発明を適用した第の実施形態に係るレーザ加工機のシステム構成の概要を図3と同様の描示形式で示したブロック図である。なお、この第の実施形態の説明では、重複を避けるため、前述の参考例との差異を中心に述べる。
【0075】
本実施形態の特徴は、フィードバック制御による補正値に基づいて、レーザ計測入力の予測を行うレーザ計測入力予測手段及びレーザ出力の計測値のシミュレート値(シミュレート値Bとも言う)をシミュレートする第2の計測値シミュレート手段を設けていることである。なお、便宜上、レーザ出力指令に基づいてレーザ計測入力の予測を行うレーザ計測入力予測手段を「第1のレーザ計測入力予測手段」、計測値のシミュレート値(シミュレート値A)をシミュレートする計測値シミュレート手段(図3におけるものと同様)を「第1の計測値シミュレート手段」とも言う。
【0076】
の実施形態のシステムを用いて、出力フィードバック制御をしながら、加工ワークで反射したレーザ光の検出した例について、図6(a)〜(c)のグラフを参照して説明する。レーザ切断やレーザ溶接において、レーザ加工が異常な状態になると、加工ワーク表面でのレーザ光吸収が少なくなり、レーザ光が多くレーザ共振器に戻ることがある。このような状態になると、レーザ加工機の予期せぬ部分に強いレーザビームが照射されるので危険である。
【0077】
さて、図6(a)の例では、指令出力は、パルスピーク3400W、パルス周波数250Hz、パルスデューティ20%のパルス状である。なお、図には指令値のうちパルスピーク値101のみを記してある。パルス状出力のレーザにあっては、実際のピーク出力はパルスピーク指令値よりも大きくなるのが一般的であって、大きいときには指令値の数倍に達することもある。
【0078】
指令値よりも大きなピーク値を持つパルス状レーザ出力は、その平均出力に対して加工効率が良く、歓迎される。しかしながら、このピーク出力ゆえに、平均出力は、パルスピーク指令値とパルスデューティの乗算よりも大きな値になる。この例では、パルスピーク指令3400Wの20%の680ではなく、1000Wが出力されている。
【0079】
レーザ計測入力の予測は、指令されたパルスピーク、パルス周波数、パルスデューティと期待される平均出力の関係を記憶したテーブル、例えば図9(a)あるいはそれと等価な近似式によって、計測入力予測値(平均レーザ出力推定値の代表値)102を推定する。テーブルに記載されていないデータは、近傍のデータより、補間・補外して求める。
【0080】
第1の計測値シミュレート手段は、計測入力予測値102が与えられると、パワーセンサの応答遅れをシミュレートしつつ、計測入力予測値に近づいていくように、計測値シミュレート値A103を出力する。
【0081】
フィードバック制御部は、レーザ出力計測値と計測値シミュレート値Aの差にもとづいて、レーザ出力を補正する。出力指令直後は、両者の差はほとんどないので、補正量はゼロに近く、指令値のままレーザ電源に出力される。実際にレーザが発振すると、0.0002秒後にはほぼ意図したとおりのレーザ光が照射される。レーザ出力計測手段は、レーザ光の一部を受光して発生した熱が拡散していくところの2点間の温度差を計測することで、熱流の大きさからレーザ光の大きさを計測する。レーザ光を受光してから熱の流れが定常状態になるまで、計測値107は正しい値に向かってゆっくり接近していく。
【0082】
出力指令から若干の時間が経過して、シミュレート値Aと計測値に開きが生じれば、その差になにがしかのゲインを乗じて加算されることで出力が補正される。ところで、何らかの問題が生じて、レーザ加工がうまくいかず、レーザ光が発振器に多く戻るようになると、以下のような事態となる。計測値のシミュレート値A103、補正後のレーザ出力指令値104、レーザ出力計測値107、シミュレート値Aとレーザ出力計測値との差108の推移を示した図6(b)において、符号53で示したタイミングで、そのような異常事態が起きたことが例示されている。
【0083】
異常事態が発生すると、まず、ワーク表面で異常に反射され発振器に戻るレーザ光のために、シミュレート値Aにくらべて、計測値が大きくなってくる。このため、出力補正手段は、レーザ出力を絞るように働き、計測値をシミュレート値Aに近づける。計測値107とシミュレート値Bとの差分108は、フィードバック誤差を示し、あまり大きくならないように保たれる。
【0084】
一方、図4に示した、第2の計測入力予測手段と第2のシミュレート手段は、フィードバック補正後のパルスピーク、パルス周波数、パルスデューティを用いて、レーザ出力の計測値を推定してシミュレートする。この出力補正後のシミュレート値B106は、フィードバック補正後の出力指令に対して、戻り光がない場合のパワーセンサの計測値のシミュレート値を時々刻々と算出する。言い換えると、シミュレート値Bは、計測値のうち、戻り光を含まない部分を近似的に表わしている。
【0085】
したがって、図6(c)で、計測値107とシミュレート値B106との差分109は、異常反射による戻り光を表わす。それ故、異常出力検出手段(図4中)は、これが予め設定した値よりも大きくなったときに、レーザ出力を停止したり、指令出力を大きくするなどの処置を講じて、異常な加工状態を脱することができる。
【0086】
次に、図7は、本発明を適用した第の実施形態に係るレーザ加工機のシステム構成の概要を図3、図4と同様の描示形式で示したブロック図である。なお、この第2の実施形態の説明では、重複を避けるため、前述の参考例あるいは第の実施形態と相違する特徴点を述べる。
【0087】
本実施形態は、さまざまな形状のレーザ加工において、加工経路の形状のために、定速での加工ができない場合があることを考慮したシステム構成を採用している。例えば、直角なコーナ部を有するレーザ切断では、形状精度を保つために、コーナ部頂点で加工速度を落す必要に迫られる。このようなとき、コーナ部で減速しているために、長さあたりのレーザによる入熱量が多くなり、加工が不安定になる場合がある。
【0088】
そこで、本実施形態では、ワークを移動させるワークテーブル(図示せず)の駆動モータのエンコーダとして用いられるパルス発生器の出力を利用して、加工速度演算手段で加工速度を算出する。その結果に応じてレーザ出力指令補正手段はレーザ出力指令を補正する。加工速度に応じた補正は、計測入力予測と計測値シミュレートに反映される。
【0089】
このようにして、加工速度に応じてレーザの加工条件を自動的に補正することが行なれる。従来は、速度に応じた出力の自動補正のように、動的に出力指令が変動するときは、応答時間の長いパワーセンサの計測値を用いて異常検出することは難しかったが、本発明では可能となる。なお、レーザ出力補正はこれに限らず、例えば、オペレータによる出力オーバライドや外部機器からの外部信号の入力によるケースも考えられる。
【0090】
また、弱いレーザ光を当ててワーク表面にかすかに傷を付けて文字などを描くマーキングと呼ばれるレーザ加工がある。マーキング加工では、正常の加工状態でも一定の戻り光が存在するので、レーザ計測入力予測は、戻り光を前提として、出力推定値を算出する必要がある。切断加工とマーキング加工とで、レーザ出力の推定値を演算する方法や、演算のもとになるデータを変更することで、これを解決できる。同様に、ピアシング加工(穴あけ加工)や溶接加工の場合も、一定の戻り光を考慮することが望ましい。マーキング加工にしろ、溶接加工にしろ、加工異常が起きた場合、推定出力からの差が生じるので、これを検出できる。図9(b)は、このような戻り光を前提としたケースにおいて、計測入力光の予測に利用されるテーブルの例を示している。
【0091】
マーキング加工やピアシング加工のようなある程度の戻り光が正常な状態として存在する加工では、実際に計測されるレーザ出力計測値のばらつきは、切断加工に比べて大きい。マーキング加工や切断加工終了後に、即座に切断加工に入る場合、シミュレート値と計測値が大きくことなることがある。加工条件が切り替わる毎に、シミュレート値に計測値を代入することで、出力異常検出をリセットし、その時点から精密な出力異常検出を実行することができる。
【0092】
最後に、図8は、別の参考例に係るレーザ加工機のシステム構成の概要を図3、図4、図7と同様の描示形式で示したブロック図である。この参考例は、第の実施形態(図4参照)において、第1の計測値シミュレート手段を省いた構成に相当する。即ち、フィードバック制御のための差分信号は、第1の計測入力予測手段で予測される平均的なレーザ出力の代表値(計測入力予測値)と計測出力の間でとられる。
【0093】
一方、図4における第2の計測入力予測手段に対応する計測入力予測手段は、フィードバック補正後のレーザ出力指令と、パルス波形形状もしくはパルスピーク値、パルスデューティ、及びパルス周波数とをパラメータとするレーザパワーを表わすテーブルデータあるいはそれに代わる近似式で、第の実施形態の場合と同様に計測入力予測値を算出し、図4における第2の計測値シミュレート手段に対応する、計測値シミュレート手段に渡す。計測値シミュレート手段は、第の実施形態の場合と同様に、レーザ出力計測値のシミュレート値(前述のシミュレート値B106に対応)を刻々算出する。
【0094】
出力異常検出手段は、入力されたシミュレート値とレーザ出力の計測値との差分について、予め設定されている基準値(正負あり)と比較し、異常判定を行なう。計測値がシミュレート値を下回っていれば正の差分信号が出力異常検出手段に入力され、逆に上回っていれば負の差分信号が出力異常検出手段に入力される。出力異常検出手段は、この差分信号が正常な範囲に収まっているか否かを判断し、正常な範囲から逸脱していれば、異常と判定し、停止信号をレーザ出力指令手段に送り、レーザ発振器の運転を停止する。本参考例では、フィードバックの精度は若干悪くなる。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明により、応答時間の長いパワーセンサを持つレーザ加工機でも、出力指令後の早い時間から、パワーセンサが計測したレーザ出力を活かして、レーザ出力のフィードバック制御可能になる。また、フィードバック制御による影響を排して、レーザ出力の異常を検出できる。更に、レーザ計測入力予測を併せ用いることにより、レーザ加工条件によらず、これらアプリケーションを利用できる。これにより、レーザ加工の安定化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザ加工機について、システム構成の従来例の概要を示したブロック図である。
【図2】 (a)はレーザ出力指令の推移の一例を示したグラフ、(b)は(a)に示した推移のレーザ出力指令に対応するレーザパワー計測値の推移の一例示したグラフである。
【図3】 本発明に関連する1つの参考例に係るレーザ加工機について、システム構成の概要を示したブロック図である。
【図4】 本発明のの実施形態に係るレーザ加工機について、システム構成の概要を示したブロック図である。
【図5】 (a)は、図3に示したシステムで図2(a)に示したレーザ出力指令を与えた場合について、計測値シミュレート手段で計算される計測値シミュレート値A103の推移をレーザ出力指令101の推移とともに示したものであり、(b)は参考例で図2(a)に示したレーザ出力指令を与えた場合について、補正後のレーザ出力指令値104の推移を、レーザ出力計測値107の推移、及び、シミュレート値103とレーザ出力計測値107との差の推移とともに示したものである。
【図6】 (a)は、パルス指令出力の一例を示し、(b)はそれに対応する計測値のシミュレート値A103、補正後のレーザ出力指令値104、レーザ出力計測値107、シミュレート値Aとレーザ出力計測値との差108の推移を示し、(c)は、補正後のレーザ出力指令値104、計測値シミュレート値B106、レーザ出力計測値107、計測値107とシミュレート値Bとの差分109の推移を示す。
【図7】 第の実施形態に係るレーザ加工機について、システム構成の概要を示したブロック図である。
【図8】 別の参考例に係るレーザ加工機について、システム構成の概要を示したブロック図である。
【図9】 (a)は計測入力予測に使用されるテーブルデータの1例を示し、(b)は別の1例を示す。
【符号の簡単な説明】
101、101’:レーザ出力指令値
102:計測入力予測値
103:計測値のシミュレート値A
104:補正後のレーザ出力指令値
106:計測値のシミュレート値B
107:レーザ出力計測値
108:シミュレート値Aとレーザ出力計測値との差
109:シミュレート値Bとレーザ出力計測値との差
110:レーザ出力指令値とレーザ出力計測値との差

Claims (2)

  1. レーザ発振器にレーザ出力指令を行い、該レーザ発振器から出力されるレーザビームにより被加工物に対して加工を行うレーザ加工機において、
    連続レーザ出力またはパルス状のレーザ出力を指令するレーザ出力指令手段と、
    前記レーザビームのパワーの計測に用いられ、計測値に自身の応答特性による誤差を含むレーザパワー計測手段と、
    前記レーザ出力指令手段によって指令されるレーザ出力指令値と、前記レーザパワー計測手段の応答特性とに基づいて、前記レーザパワー計測手段から出力される計測値を逐次推定する第1の計測値シミュレート手段と、
    前記レーザパワー計測手段による計測値と、前記第1の計測値シミュレート手段によるシミュレート値との差に応じて、レーザ出力指令値をフィードバック補正する、フィードバック制御手段とを備え、
    前記フィードバック制御手段によって補正されたレーザ出力指令値と、前記レーザパワー計測手段の応答特性とに基づいて、前記レーザパワー計測手段から出力される計測値を逐次推定する第2の計測値シミュレート手段と、
    前記第2の計測値シミュレート手段によるシミュレート値と前記レーザパワー計測手段による計測値の差が所定の判定値を超えたことによって、レーザ出力の異常を検出するレーザ出力異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とするレーザ加工機。
  2. 前記レーザパワー計測入力予測手段は、加工条件に応じて、前記シミュレート値の予測に用いられるデータ・計算式を変更することを特徴とする請求項1に記載されたレーザ加工機。
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