JP3660263B2 - 防音壁及び防音壁用金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、道路や鉄道の路側に配備される防音壁及びこの防音壁に使用される防音壁用金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の高速道路等の道路や新幹線等の鉄道の路側に配備される防音壁は、図7(a)に示すように、H型鋼からなる支柱1の溝間に防音板2を挿入して形成される。そして、防音板2とその上側に載せられる防音板2との間に図7(b)に示すような金具3を取付けることにより、防音板2を支柱1に対して一定の位置に保持させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、金具3は、図7(b)に示すように、取付部4から下方に折り曲げられて下方辺5を形成し、途中で取付部4と反対方向に折り曲げられ、そして、上方に折り曲げられ、次いで、突出縁6で上記下方辺5に向かって折り曲げられることにより形成されている。このため、金具3は弾性を有するので、支柱1に防音板2及び金具3を挿入して取り付ける場合、金具3の突出縁6にかかる力は上向きとなり、金具3の形状は保持される。
しかし、防音板2を取り替えるために支柱1から防音板2を取り外す際、金具3の突出縁6にかかる力は下向きとなり、金具3は変形する、又は防音板2が取り外せないこととなる。このため、再利用は不可能となる。
そこで、この発明は、防音板の支柱からの取り外しが容易であり、かつ再利用が可能な防音壁及びこの防音壁に使用される金具を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は矩形状の防音部材の周縁部に側枠体を取り付けて防音パネルを形成し、この防音パネルをH型鋼からなる支柱の溝間に挿入して形成される防音壁において、上記支柱の溝間に挿入される防音パネルの側枠体であって、上記支柱の溝を構成する面と相対する面に、上記支柱の溝との間隔を保持する金具を取付け、上記金具を上記側枠体に固定し、その上端部を湾曲させたことを特徴とすることにより、上記の課題を解決したのである。
金具の上端部を湾曲させたので、金具に弾性を付与することができる。また、防音パネルの挿入又は取り外しの際に金具にかかる力を湾曲部の弾性で吸収し、金具が変形等することがなく、再利用が可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面を参照して説明する。
この発明にかかる防音壁は、図1(a)(b)に示すように、防音パネル11をH型鋼からなる支柱12の溝間に挿入して形成される。この防音壁は、高速道路等の道路や新幹線等の鉄道の側壁13に取り付けられ、防音用に使用される。
【0006】
上記防音パネル11は、図2に示すように、矩形状の防音部材14の周縁部に側枠体15を取り付けて形成される。このとき、防音部材14の各辺に取り付けられる側枠体15同士は、コーナー連結部材16によって連結される。
【0007】
防音パネル11は、図3に示すように、その側枠体15の一部がH型鋼からなる支柱12の溝21に挿入される。このとき、上記支柱12の溝21間に挿入される防音パネル11の側枠体15であって、支柱12の溝の内側を構成する面である内側面22及び中央面23と相対する面、すなわち、側枠体5の側面24及び端面25に、支柱12の溝21との間隔を保持する防音壁用金具26、27が取付けられる。具体的には、側枠体15の側面24に、支柱12の溝21の内側面22との間隔を保持するための防音壁用金具26が設けられ、また、側枠体15の端面25に、支柱12の溝21の中央面23との間隔を保持するための防音壁用金具27が設けられる。
【0008】
このとき、図4及び図5に示すように、防音パネル11は、支柱12に対して所定の位置に保持される。
【0009】
上記防音壁用金具26及び27は、図6(a)〜(h)に示すように、側枠体15に固定させるための固定用平板部28を有すると共に、その上端部に湾曲した構造を有する。それ以外の部分は特に限定されるものではなく、図6(a)(e)(g)に示すように、下端部が平坦な構造を有するもの、図6(c)に示すように、下端部が湾曲したもののいずれであってもよい。
図6(a)〜(d)において、28は、金具の一部であり、側枠体15に固定される固定用平板部、28aは、金具の他の一方の端部に設けられる他の平板部、51aは、固定用平板部28と他の平板部28aとの間に形成される直線状の部分、55aは、上記金具のうち、他の平板部28aより先端側に延びた金具部分を示す。さらに、θ 1 は、固定用平板部28及び直線上の部分51aのなす角度、θ 2 は、他の平板部28a及び直線上の部分51aのなす角度を示す。
また、 図6(e)〜(h)において、28は、金具の一部であり、側枠体15に固定される固定用平板部、53は、金具の他の一方の端部に設けられる湾曲部、54は、固定用平板部28と湾曲部53との間に形成される直線状の部分、55bは、上記湾曲部53の先端部を示す。さらに、θ 3 は、固定用平板部28及び直線上の部分54のなす角度を示す。
【0010】
上端部を湾曲させることにより、防音パネル11の挿入、取り外しの際、この防音壁用金具26、27にかかる力を、この湾曲部の弾性で吸収し、防音壁用金具26、27の変形を抑制することが可能となる。
【0011】
上記防音壁用金具26及び27は、図3に示すように、側枠体15から外方に向かって突き出した構造を有する。すなわち、図6(b)(d)(f)(h)に示すように、平板部28から湾曲した上端部に向けて、突き出した構造を有する。この平板部28と上端部の湾曲部とにより弾性が発生し、図4及び図5に示すように、支柱12の溝21の内側面22及び中央面23に、側枠体15が所定の位置で安定的に保持されると共に、防音パネル11の挿入、取り外しが可能となる。
【0012】
【発明の効果】
この発明によれば、防音壁用金具の上端部を湾曲させたので、弾性を付与することができる。また、防音パネルの挿入又は取り外しの際に金具にかかる力を湾曲部の弾性で吸収し、防音壁用金具が変形するのを防止でき、再利用が可能となる。
【0013】
さらに、防音壁用金具を側枠体から外方に向かって突き出させたので、防音パネルを支柱の溝の中で所定位置で安定的に保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)この発明にかかる防音壁の例を示す正面図
(b)(a)の側面図
【図2】図1(a)の防音パネルの例を示す正面図
【図3】図1(a)の防音壁の支柱の部分拡大断面図
【図4】図1(a)の防音壁の支柱の部分の正面断面図
【図5】図1(a)の防音壁の支柱の部分の平面断面図
【図6】(a)防音壁用金具の例を示す斜視図
(b)(a)の側面図
(c)防音壁用金具の例を示す斜視図
(d)(c)の側面図
(e)防音壁用金具の例を示す斜視図
(f)(e)の側面図
(g)防音壁用金具の例を示す斜視図
(h)(g)の側面図
【図7】(a)従来の防音壁の例を示す断面図
(b)従来の防音壁用金具の例を示す断面図
【符号の説明】
1 支柱
2 防音板
3 金具
4 取付部
5 下方辺
11 防音パネル
12 支柱
13 側壁
14 防音部材
15 側枠体
16 コーナー連結部材
21 溝
22 内側面
23 中央面
24 側面
25 端面
26 防音壁用金具
27 防音壁用金具
28 固定用平板部
28a 他の平板部
51a 直線状の部分
53 湾曲部
54 直線状の部分
55a 金具部分
55b 先端部
θ 1 固定用平板部28及び直線上の部分51aのなす角度
θ 2 他の平板部28a及び直線上の部分51aのなす角度
θ 3 固定用平板部28及び直線上の部分54のなす角度
Claims (4)
- 矩形状の防音部材14の周縁部に側枠体15を取り付けて防音パネル11を形成し、この防音パネル11をH型鋼からなる支柱12の溝間に挿入して形成される防音壁において、
上記支柱12の溝21を構成する面と相対する、上記支柱12の溝間に挿入される防音パネル11の側枠体15の面に、上記支柱12の溝21との間隔を保持する金具を取付け、
上記金具は弾性長尺板状体からなり、その長さ方向の一部に固定用平板部28が形成されると共に、少なくとも一方の端部に他の平板部28aが形成され、上記の固定用平板部28と他の平板部28aとの間が直線状又は湾曲状に形成され、かつ、上記他の平板部28aより先端側に延びた上記金具部分55aを、上記固定用平板部28に向かう方向に湾曲状又は屈曲状に折り返されたものであり、
上記の固定用平板部28と他の平板部28aとの間が直線状の場合、この直線状の部分51aと上記固定用平板部28とのなす角度θ 1 、及びこの直線状の部分51aと上記他の平板部28aとのなす角度θ 2 は鈍角をなし、
上記固定用平板部28で上記金具を上記側枠体15に固定させると共に、上記他の平板部28aより先端側の上記金具部分55aは、上記固定用平板部28及び上記側枠体15に当たらない自由端となっており、
上記他の平板部28aで上記金具を上記支柱12に接触させ、上記支柱12へ上記防音パネル11を挿入して、上記防音パネル11を上記支柱12に支持させること、及び上記防音パネル11を上記支柱12から取り外すことを可能としたことを特徴とする防音壁。 - 矩形状の防音部材14の周縁部に側枠体15を取り付けて防音パネル11を形成し、この防音パネル11をH型鋼からなる支柱12の溝間に挿入して防音壁を形成する際に、上記支柱12の溝21を構成する面と相対する、上記支柱12の溝間に挿入される防音パネル11の側枠体15の面に取り付けられる、上記支柱12の溝21との間隔を保持する金具であり、
上記金具は弾性長尺板状体からなり、その長さ方向の一部に固定用平板部28が形成されると共に、少なくとも一方の端部に他の平板部28aが形成され、上記の固定用平板部28と他の平板部28aとの間が直線状又は湾曲状に形成され、かつ、上記他の平板部28aより先端側に延びた上記金具部分55aを、上記固定用平板部28に向かう方向に湾曲状又は屈曲状に折り返されたものであり、
上記の固定用平板部28と他の平板部28aとの間が直線状の場合、この直線状の部分51aと上記固定用平板部28とのなす角度θ 1 、及びこの直線状の部分51aと上記他の平板部28aとのなす角度θ 2 は鈍角をなし、
上記固定用平板部28で上記側枠体15に固定させると共に、上記他の平板部28aより先端側の上記金具部分55aは、上記固定用平板部28及び上記側枠体15に当たらない自由端となっており、
上記他の平板部28aで上記支柱12に接触させ、上記支柱12へ上記防音パネル11を挿入して、上記防音パネル11を上記支柱12に支持させること、及び上記防音パネル11を上記支柱12から取り外すことを可能とした防音壁用金具。 - 矩形状の防音部材14の周縁部に側枠体15を取り付けて防音パネル11を形成し、この防音パネル11をH型鋼からなる支柱12の溝間に挿入して形成される防音壁において、
上記支柱12の溝21を構成する面と相対する、上記支柱12の溝間に挿入される防音パネル11の側枠体15の面に、上記支柱12の溝21との間隔を保持する金具を取付け、
上記金具は弾性長尺板状体からなり、その長さ方向の一部に固定用平板部28が形成されると共に、一方の端部に湾曲部53が形成されると共に、上記の固定用平板部28と湾曲部53との間に直線状の部分54が形成され、
上記直線状の部分54と上記固定用平板部28とがなす角度θ 3 は鈍角をなし、
上記湾曲部53は、上記直線状の部分54を境にして、上記固定用平板部28のある側と反対側の方向に、かつ、上記固定用平板部28に向かって湾曲状に折り返され、
上記固定用平板部28で上記金具を上記側枠体15に固定させ、かつ、上記湾曲部53の先端部55bは、上記側枠体15に当たらない自由端となっており、
上記湾曲部53で上記金具を上記支柱12に接触させ、上記支柱12へ上記防音パネル11を挿入して、上記防音パネル11を上記支柱12に支持させること、及び上記防音パネル11を上記支柱12から取り外すことを可能としたことを特徴とする防音壁。 - 矩形状の防音部材14の周縁部に側枠体15を取り付けて防音パネル11を形成し、この防音パネル11をH型鋼からなる支柱12の溝間に挿入して防音壁を形成する際に、上記支柱12の溝21を構成する面と相対する、上記支柱12の溝間に挿入される防音パネル11の側枠体15の面に取付けられた、上記支柱12の溝21との間隔を保持する金具であり、
上記金具は弾性長尺板状体からなり、その長さ方向の一部に固定用平板部28が形成されると共に、一方の端部に湾曲部53が形成されると共に、上記の固定用平板部28と湾曲部53との間に直線状の部分54が形成され、
上記直線状の部分54と上記固定用平板部28とがなす角度θ 3 は鈍角をなし、
上記湾曲部53は、上記直線状の部分54を境にして、上記固定用平板部28のある側と反対側の方向に、かつ、上記固定用平板部28に向かって湾曲状に折り返され、
上記固定用平板部28で上記金具を上記側枠体15に固定させ、かつ、上記湾曲部53の先端部55bは、上記側枠体15に当たらない自由端となっており、
上記湾曲部53で上記支柱12に接触させ、上記支柱12へ上記防音パネル11を挿入して、上記防音パネル11を上記支柱12に支持させること、及び上記防音パネル11を上記支柱12から取り外すことを可能としたことを特徴とする防音壁用金具。
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