JP3659993B2 - 工作機械の部品情報表示方法、アラーム情報表示方法及び操作情報表示方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は工作機械の部品情報表示方法、アラーム情報表示方法、及び操作情報表示方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の工作機械の制御装置においては、工作機械に何等かの異常が発生した時にその異常に対するアラームをＮＣ装置のディスプレイ上に表示すると共に警告音を発して、オペレーターにその異常に対する適宜な対応処置を早急にとることを要求することが行われている。しかしディスプレイに表示されるアラーム情報の表示内容は、発生したアラームのアラーム番号とそのアラームに対する対処方法を示す簡単なメッセージが表示されるのが普通である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の工作機械の制御装置において、機械側からオペレーターに対して積極的に与えられる情報は上述のアラーム情報だけである。しかもそのアラーム情報の内容は前述のように、発生したアラームのアラームの番号とそのアラームに対する対処方法を示す簡単なメッセージだけである。従ってオペレーターはそのアラームの意味がよく理解出来ないことが多い。例えアラームの意味が理解できた場合でも、そのアラームに対する適宜な対応処置を取るためには、ディスプレイ上に表示されたアラーム番号を基に取扱い説明書を詳しく読まなければならないことが多いという問題がある。
【０００４】
また従来の工作機械の制御装置においては、機械の操作方法及びその機械に使用されている機械部品（アッセンブリー）の機能、製造メーカー、型式などに関する情報は取扱い説明書を読まなければならない。しかし取扱い説明書が機械のそばに保管されていないこともある。また保管されていても必要な部分が破損していたり時には取扱い説明書を紛失していることもある。
【０００５】
また取扱い説明書に問題があるのかもしれないが、一般的にオペレーターは取扱い説明書を積極的に読まない傾向があり、アラーム発生時または操作方法がよく分からない時に、オペレーターは自分で色々と試行錯誤的に操作を行って見るが良い結果を得ることが出来ず、結局はメーカーのサービスセンターに問合わせをするというケースはよくあることである。
【０００６】
本発明は上述の如き従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、工作機械の制御装置のディスプレイ上に「アラーム番号とメッセージ」及び「各アラームについての詳細な情報文書」とからなる文書データと「詳細な情報文書に関する写真データ」とから構成されるアラーム情報を表示可能とすると共に、機械の操作方法、及び部品情報などについてもアラーム情報表示と同様に、「文書データ」と「情報文書に関する写真データ」とから構成される情報を表示可能にした工作機械の制御装置を提供することである。
【０００７】
また上記の本発明の工作機械の制御装置を用いた取扱い説明書表示方法、部品情報表示方法、アラーム情報表示方法及び操作情報表示方法を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
また本発明の部品情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記記憶装置中に階層的に分類されて保存された前記工作機械の写真データと、該写真データについての文書情報とから構成された前記工作機械の部品情報を前記ディスプレイ装置に表示させると共に、該ディスプレイ装置に表示される前記部品情報の中から前記工作機械の目的の部品を表示させる複数の詳細表示キーと、前記工作機械の部品の名称リストを表示させる目次キーと、前記工作機械の部品の外観を表示させる絵目次キーとを有する部品情報検索用のファンクションキーメニューと、必要により前記工作機械の部品情報の任意の階層を表示可能にしたものである。
【０００９】
また本発明のアラーム情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記ＮＣ装置により特定されたアラーム番号に対応するアラーム情報を前記記憶装置中から検索し、この特定されたアラーム情報を文書情報と写真データとからなるアラーム情報に構成し、前記ディスプレイ装置のアラーム情報画面の右側上欄に複数のアラーム番号とアラームメッセージを表示するする欄を設けると共に、前記アラーム情報画面の右側下欄に前記アラームメッセージ一つの詳細文書情報と、アラームによる動作異常に関係する関連箇所とを表示すると共に、該関連箇所表示欄に隣接して前記関連箇所の正常状態と現在の状態とを示す状態表示欄とを設け、前記アラーム情報画面の左欄に前記一つの詳細文書情報に関する写真データを表示する欄を設け、該写真データ中のアラームの原因となった前記工作機械の部品に対して前記一つの詳細文書情報中の関連部品をバルーン表示をさせると共に、前記アラーム情報画面の右側上欄に表示される複数のアラームメッセージの詳細を表示させる複数の詳細表示キーと、前記関連箇所に表示されている他の関連部品の写真データを表示させる写真説明切換キーとを有するファンクションキーメニューを前記アラーム情報画面に設けたものである。
【００１０】
また本発明の操作情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記工作機械の操作手順の写真データと該写真データについての文書情報とからなる操作情報を前記ディスプレイ装置に表示自在に設けると共に、前記写真データと該写真データについての文書情報とを前記ディスプレイ装置の左右半分に区分して表示すると共に、前記操作情報の目次画面を検索番号と共に表示させる目次キーと前記写真データを切り換える写真説明切換へキーとからなるファンクションキーメニューを設け、前記ディスプレイ装置の左半分に前記工作機械の操作対象部品を含む操作手順の写真データ表示させると共に、該表示された操作手順の写真データの中の前記操作対象部品に対して、前記ディスプレイ装置の右半分に表示された前記文書情報をバルーン表示をさせるものである。
【００１２】
【作用】
本発明の工作機械の制御装置は上記の構成としたので、工作機械のオペレーターは、その工作機械に関する情報をディスプレイに表示された文書データと写真データとから容易に得ることが出来る。また、その工作機械の取扱い情報、部品情報及びアラーム情報などを本発明の工作機械の制御装置のディスプレイ上に、写真画像と該写真画像についての文書情報とで表示させることが出来る。
【００１３】
【実施例】
次に本発明の工作機械の制御装置の実施例について図面を用いて説明する。図１は本発明の工作機械の制御装置の構成を示した実施例である。制御装置１には工作機械３を制御するＮＣ装置２３と、各種の情報を解読しその情報に関して必要な「文書データ」及び「写真データ」の表示をコントロールするＣＰＵ５とで構成され、該ＣＰＵ５には、ＣＲＴ、液晶表示装置、プラズマディスプレイの如きディスプレイ７と、入力装置としてのキーボード１１と、データ記憶装置１３などが接続されている。この記憶装置１３には、写真データファイル１５、文書データファイル１７及び部品リストファイル１９などが含まれている。なお上記文書データファイル１７及び部品リストファイル１９における文書データまたは部品データは、それぞれの文書データまたは部品データに対応する「写真データ」の画面番号を含んでいる。すなわち３個のデータファイル（１５，１７，１９）は画面番号をキーにして相互にリンクされているものである。なお本発明の実施例の説明で使用する前記工作機械３とは、旋盤、研削盤など工作機械の他にシアリングマシン、ベンディングマシン、パンチプレスなどの産業機械をも含む広い意味を持つものである。
【００１４】
また前記ＣＰＵ５は、前記記憶装置１３内の各種のデータベースを入力及び検索するためのデータベース検索ソフト２１を備えており、またこのＣＰＵ５には前記記憶装置１３の写真データファイル１５に写真データを入力作成するための映像入力手段としてのビデオキャプチャーボード２９が接続してある。ビデオカメラ２７で撮影された機械または部品などの映像のビデオデータＶＤは前記ビデオキャプチャーボード２９に映像データとして一時格納され、この格納されたビデオデータＶＤは前記ＣＰＵ５で扱えるような画像データＰＧＤに変換されて前記記憶装置１３の写真データファイル１５に格納される。なお前記写真データは、機械または部品のイラストレーションの映像をビデオカメラで撮影して、前記ビデオキャプチャーボード２９を介して入力した画像データファイルを使用してもよい。
【００１５】
工作機械に関する情報を記載した取扱い説明書、アラーム情報、操作情報、部品情報などの文書データは、文字データとして前記キーボード１１またはフロッピーディスクドライブ（図示省略）などから入力されるが、前記ビデオキャプチャーボード２９を介して画像データＰＧＤとして入力することも可能である。どちらの方式で入力された文字データにせよ、それらの文字データは前記文書データファイル１７または部品リストファイル１９に適宜に格納されるものである。また前記ＮＣ装置２３は工作機械３を制御すると共に、工作機械に設けられた各種のセンサー（図示省略）からの情報を解析して、アラーム情報を出すためのアラーム番号特定シーケンスプログラム２５を備えている。
【００１６】
次に上記の構成の制御装置１において使用されるデータベース構造について説明する。図２には取扱い説明書に使用される部品データベースの構造について示してある。部品データベースは図面の種類により３つの階層のツリー構造に分類されている。例えば、最上位の階層は機械の総組図、中位階層はユニット図、最下位階層は部品図となっている。図２に示されるように、最上位階層の総組図３１は幾つかの中位階層のユニット図（３３，３５…）から構成されており、中位階層のユニット図はさらに多数の最下位階層の部品図（３７，３９…）から構成されている。
【００１７】
これらの部品データは、前記ディスプレイ７の画面の左半分に写真が配置され、右半分に左側の写真を説明する文書が配置されている。またこの１画面の中には、その画面自体と関連部品を特定するための画面番号が含まれている。例えば、中位階層のユニット図であれば、そのユニット図の画面番号の他に上位階層及び下位階層の画面番号（１個または複数個）が含まれている。
【００１８】
また部品情報または操作情報を検索するために、部品情報の検索または操作情報の検索かを選択するための情報検索メニュウ（図示省略）が用意されている。この情報検索メニュウにより、例えば部品情報の検索を選択すると部品情報検索に入り、後述の図３に示すように部品情報を写真と文書情報を表示する部品情報画面４１Ａの表示エリア（写真と文書情報は未だ表示されていない）と、部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０とが表示される。また前記情報検索メニュウから操作情報の検索を選択すると、後に詳しく説明する図１３に示すような操作情報を表示する操作情報画面９１Ａの表示エリアと操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１とが表示される。なおこの操作情報データは、「操作方法文書」と「操作対象の部品の写真」及び「操作方法文書中の部品情報の画面番号」などで構成されている。
【００１９】
前記部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０は、以下に説明する部品情報画面４１（Ａ，Ｂ）に表示される複数の部品の中から、目的の部品の詳細を表示させる複数の「詳細表示キー」（本実施例ではＡ〜Ｇの７個）と、部品の名称リストを表示させるための「目次キー」と、部品の外観（写真）を表示させる「絵目次キー」などから構成されている。また前記操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１は、操作情報の内容を表示させる「目次キー」と、部品の外観を示す写真の説明を切換える「写真説明切換キー」と、関連名称を表示させる「関連名称キー」とから構成されている。
【００２０】
上記の構成において、オペレーターが上記の各階層の部品データを部品の外観から検索する方法について説明する。オペレーターが前記情報検索メニュウにから部品情報の検索を選択すると、上述のように、部品の写真と文書情報とを表示する部品情報画面４１Ａの表示エリア（写真と文書情報は未だ表示されていない）と、部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０とが表示される。次に画面４１Ａのファンクションキーメニュウ５０から「絵目次キー」を選択（例えば図示されないカーソルで）すると、前記制御装置１のデータベース検索ソフト２１によって、写真データファイルと文書データファイルが検索され、図３に示す部品情報画面４１Ａが表示される。
【００２１】
この画面４１Ａの左半分の「写真表示領域」４７には最上位階層の総組図が複数表示される。実施例では折曲げ加工機の正面と背面、油圧ユニット及び制御盤などの「写真」ＰＧＤ１が表示されている。
【００２２】
また画面右半分の文書表示領域４９には、左側の「写真」を説明する文書が表示される。なおこの文書表示領域４９には主要なユニットの名称が複数種類を表示出来るようになっている（実施例ではＡ〜Ｇの７種類）。また前記の「写真表示領域」４７の上部には、その表示領域４７に表示される内容の名称欄４５が設けられている。例えば図３では「全景」と表示されている。さらに前記画面４１Ａの最上部にはこの画面４１Ａの名称を表示するタイトルバーが設けてあり、画面４１Ａでは「操作銘板」と表示されている。
【００２３】
オペレーターがこの全景の中の或るユニットを表示させるため、例えば画面４１Ａの右半分の文書表示領域４９に表示されている「Ｃ：クランプビーム」をファンクションキーメニュウ５０の「詳細表示キー」の中から「Ｃ部詳細キー」を選択すれば、前記制御装置１によって図４に示す中位階層のクランプビームのユニット図ＰＧＤ２を表示した部品情報画面４１Ｂが表示されることになる。
【００２４】
この画面４１Ｂの文書表示領域４９には、更にこのクランプビームユニットを構成している下位階層の部品の名称が複数個表示されている。この画面４１Ｂに表示されている部品の更に下位階層の部品を表示させるには、例えばこの画面４１Ｂの文書表示領域４９に表示されている「Ｂ：Ｋ軸 クサビ」を表示させるには、前記ファンクションキーメニュウ５０の「詳細表示キー」の中から「Ｂ部詳細キー」を選択すれば、図５に示すの最下位階層の「Ｋ軸 クサビ」の図ＰＧＤ３を表示した部品情報画面４１Ｃが表示されることになる。この画面４１Ｃの文書表示領域４９には、この部品の名称、用途、さらにこの部品に使用されている市販品の名称、型式及びメーカー名（図示省略）などが詳細に記載されている。また図５の「写真表示領域」４７には部品の動作方向も視覚的に表示されている。
【００２５】
上述のような操作によって、オペレーターは部品の名称を知らなくても、最下位階層の部品を特定してその部品についての情報を詳細にかつ容易に得ることが出来るのである。
【００２６】
次に部品の名称が判っている場合の部品情報の検索方法について説明する。オペレーターは部品情報検索用の前記ファンクションキーメニュウ５０を表示させてから、「目次キー」を選択すれば、前記制御装置１のデータベース検索ソフト２１によって、前記部品リストファイル１９が検索され、図６に示すような部品名称リスト画面５１が表示される。
【００２７】
画面５１はタイトルバー５３と部品名称リスト表示領域５５などから構成されている。タイトルバー５３には画面のタイトルと、表示されている画面５１の頁数が何頁目の画面であるかが分かるように例えば１／４のように表示される。また前記部品名称リストの各部品名には名称索引番号（画面番号）が付されており、オペレーターはこの索引番号（画面番号）を前記キーボード１１から入力すれば、前記部品リストファイル１９の中から入力された索引番号（画面番号）の部品が検索されて、その部品に対応する図５のような「文書データ」と「写真データ」からなる部品情報画面４１Ｃと同様な詳細な部品情報が直ちに表示される。
【００２８】
次に工作機械に異常が発生した場合について説明する。前記ＣＰＵ５は、工作機械に設けたをセンサーからの情報で工作機械を常時監視しており、工作機械に何か異常が発生したときは、そのセンサーからの情報を前記アラーム番号特定シーケンスプログラム２５によって解読してアラーム番号を特定し、そのアラーム番号に対応するアラーム情報を前記記憶装置１３の複数のデータベースファイルを検索して前記ディスプレイ７に表示する。
【００２９】
上記アラーム情報は、「アラーム番号、アラームメッセージ、複数の詳細情報文書と写真、複数の詳細情報文書に対応する部品の画面番号」で構成されており、これらは図７に示すアラーム情報画面６１に表示されるようになっている。アラーム情報画面６１の左側は、「一つの詳細情報文書に関する写真」を表示する欄６３が設けられ、アラーム情報画面６１の右側には、複数の「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５と、「アラーム一つについての詳細情報文書」とを表示する欄６７とからなっている。
【００３０】
図８から図１１は、上記のアラーム情報が実際にディスプレイ上表示された例である。図８のアラーム情報画面６１Ａのタイトルバー６９には、この画面の名称と、表示画面６１Ａの頁数が表示されている。この頁数表示は画面６１Ａが何頁目の画面であるかが分かるように、例えば１／１のように表示されている。アラーム情報画面６１Ａの右側の「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５には、この例では、Ａ，Ｂ，Ｃの３件のアラームが表示されている。もし５件のアラームが存在する場合には、画面６１Ａの頁数は１／２と表示され、画面６１Ａは２画面で構成されていることが判るようになっている。
【００３１】
アラーム情報画面６１Ａの「アラーム一つについての詳細情報文書」とを表示する欄６７には、前記Ａ，Ｂ，Ｃの３件のアラームの中の１件についての詳細な情報文書が表示されている。この画面６１Ａの例では、「Ａ：0033 油圧モータの動作異常」についての詳細な情報文書として、「モータコンタクタＫＭ１＾」の動作検知不可と表示されている。また前記表示欄６７には、この他に動作異常に関係する関連箇所７１と、この関連箇所７１の正常状態と現在の状態とを示す状態表示欄７３を有している。
【００３２】
またアラーム情報画面６１Ａの左側の「一つの詳細情報文書に関する写真」を表示する欄６３には、前記関連箇所７１に複数表示されている関連箇所の中の一つの「出力カードＹ２０３」に関する写真ＰＧＤ４が表示されている。またこの写真ＰＧＤ４には、多数ある出力カードの中から問題がある「出力カードＹ２０３」の存在位置を示すため、バルーン表示７５Ａにより問題の「出力カードＹ２０３」の存在位置が視覚的に認識することが出来るようになっている。また、この「出力カードＹ２０３」が含まれる制御盤全体の中での概略の位置を示すマクロ表示領域７７があると同時に、問題の不良部品の存在位置をマクロ表示７９Ａするようになっている。前記関連箇所７１に複数表示されている他の関連部品の写真を表示させたい時は、ファンクションキーメニュウ８１の「写真説明切換」キーを選択することにより、次の関連部品である「リレーＫＡ１０２」の写真を表示させることが出来る。
【００３３】
図９は上述の関連部品「リレーＫＡ１０２」の写真を表示させたアラーム情報画面６１Ｂである。画面６１Ｂと画面６１Ａとの相違点は、問題の「リレーＫＡ１０２」の存在位置を示すバルーン表示７５Ｂと、不良部品の存在位置をマクロ表示７９Ｂだけであり、そのほかは画面６１Ａと同一である。更に画面６１Ａに表示されている、関連部品の「モータコンタクタＫＭ１＾」または「入力カードＸＺ４１Ｆ」の写真を同様な操作によって表示させたのが図１０のアラーム情報画面６１Ｃと図１１のアラーム情報画面６１Ｄである。
【００３４】
また図８の画面６１Ａにおける「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５に表示されていた「Ｂ：0038油温検出」または「Ｃ：Ｙ軸位置決めユニットエラー」の詳細説明を表示させる場合には、前記ファンクションキーメニュウ８１の「Ｂ詳細」または「Ｃ詳細」キーを選択入力すればオペレーターは図８から図１１で説明した内容と同様な詳細情報を容易に得ることが出来るものである。
【００３５】
次に、操作情報の検索方法について説明する。前述の通りオペレーターが前記情報検索メニュウから操作情報の検索を選択すると、図１３に示すような操作情報を表示する操作情報画面９１Ａと、操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１とが表示される。なお画面９１Ａには未だ写真と文書情報は表示されていない。オペレーターがファンクションキーメニュウ１０１から「目次」を選択すれば、図１２に示すような操作方法に関する目次画面８３が表示される。この目次画面８３には各種の操作方法が画面番号（検索番号）と共に表示されるので、この画面番号（検索番号）をキーボドなどから入力すれば目的の操作方法を示す画面になる。なお、上記操作情報のデータは前記記憶装置１３に入力されているものである。
【００３６】
例えば、「６．ＳＡ金型交換方法」を表示させるには、画面番号（検索番号）「６」を入力する。その結果、図１３に示すような「６．ＳＡ金型交換方法」の画面９１Ａが表示される。図１３の画面９１Ａは、「▲３▼ＳＡに取り付けてある金型の固定ボルトを外す」の写真を写真表示領域９７に、操作方法文書を文書表示領域９５に表示させた画面である。図１４の操作情報画面９１Ｂ及び図１５の操作情報画面９１Ｃは、ファンクションキーメニュウ１０１から「写真説明切換え」を選択して、次の工程の「▲４▼ＳＡ金型を横にずらして外す」、「▲５▼取り付けるＳＡ金型をＳＡに取り付ける」をそれぞれ同様に表示させたところである。
【００３７】
この様にしてオペレーターは、操作手順の「写真と操作説明文書」を順次表示させることが出来る。
【００３８】
本発明の制御装置によれば上記の説明から容易に理解されるように、アラーム情報とその部品情報または操作情報とその部品情報とががリンクされている。従ってアラームが発生した時における対応処置が迅速に行えるなどの効果もある。また実施例では画像データを静止画像として説明したが、記憶装置の容量を大きくすれば動画を表示させることも可能である。
【００３９】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように本発明によれば、工作機械のオペレーターは、その工作機械に関する情報をディスプレイに表示された写真データと文書データとから目的とする情報に容易に到達することが出来る。従って従来のような印刷された分厚いマニュアルを読む必要もなくオペレーターへの負担も軽くなる。
【００４０】
また、その工作機械の取扱い情報、部品情報及びアラーム情報などをディスプレイ上に写真画像と該写真画像についての文書情報とで表示させることが出来るので、従来のような印刷によるマニュアルを読む手間が省けて、アラームに対する処置または操作方法の習得なども正確かつ迅速に行うことが出来る。
【００４１】
さらに、故障した部品の機械における取付け位置なども視覚的に知ることが出来るので、これも前記のアラームに対する対応処置を早くするのに有効である。また、アラーム情報からその部品の情報または操作情報からその部品の情報を入手するなどの情報のリンクをすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わる工作機械の制御装置の実施例。
【図２】本発明に係わる工作機械の制御装置に使用される部品データの階層構造。
【図３】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図４】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図５】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図６】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報リストの例。
【図７】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させるアラーム情報の画面の構成。
【図８】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図９】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１０】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１１】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１２】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１３】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１４】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１５】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【符号の説明】
１ 制御装置
３ 工作機械
５ ＣＰＵ
７ ディスプレイ
１１ キーボード
１３ 記憶装置
１５ 写真データファイル
１７ 文書データファイル
２１ データベース検索ソフト
２３ ＮＣ
２７ ビデオカメラ
２９ ビデオキャプチャーボード
５０ 部品情報用ファンクションキーメニュウ
８１ アラーム情報用ファンクションキーメニュウ
１０１ 操作情報用ファンクションキーメニュウ
４１Ａ，４１Ｂ，４１Ｃ 部品情報画面
６１Ａ，６１Ｂ，６１Ｃ，６１Ｄ アラーム情報画面
９１Ａ，９１Ｂ，９１Ｃ 操作情報画面
【産業上の利用分野】
本発明は工作機械の部品情報表示方法、アラーム情報表示方法、及び操作情報表示方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の工作機械の制御装置においては、工作機械に何等かの異常が発生した時にその異常に対するアラームをＮＣ装置のディスプレイ上に表示すると共に警告音を発して、オペレーターにその異常に対する適宜な対応処置を早急にとることを要求することが行われている。しかしディスプレイに表示されるアラーム情報の表示内容は、発生したアラームのアラーム番号とそのアラームに対する対処方法を示す簡単なメッセージが表示されるのが普通である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の工作機械の制御装置において、機械側からオペレーターに対して積極的に与えられる情報は上述のアラーム情報だけである。しかもそのアラーム情報の内容は前述のように、発生したアラームのアラームの番号とそのアラームに対する対処方法を示す簡単なメッセージだけである。従ってオペレーターはそのアラームの意味がよく理解出来ないことが多い。例えアラームの意味が理解できた場合でも、そのアラームに対する適宜な対応処置を取るためには、ディスプレイ上に表示されたアラーム番号を基に取扱い説明書を詳しく読まなければならないことが多いという問題がある。
【０００４】
また従来の工作機械の制御装置においては、機械の操作方法及びその機械に使用されている機械部品（アッセンブリー）の機能、製造メーカー、型式などに関する情報は取扱い説明書を読まなければならない。しかし取扱い説明書が機械のそばに保管されていないこともある。また保管されていても必要な部分が破損していたり時には取扱い説明書を紛失していることもある。
【０００５】
また取扱い説明書に問題があるのかもしれないが、一般的にオペレーターは取扱い説明書を積極的に読まない傾向があり、アラーム発生時または操作方法がよく分からない時に、オペレーターは自分で色々と試行錯誤的に操作を行って見るが良い結果を得ることが出来ず、結局はメーカーのサービスセンターに問合わせをするというケースはよくあることである。
【０００６】
本発明は上述の如き従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、工作機械の制御装置のディスプレイ上に「アラーム番号とメッセージ」及び「各アラームについての詳細な情報文書」とからなる文書データと「詳細な情報文書に関する写真データ」とから構成されるアラーム情報を表示可能とすると共に、機械の操作方法、及び部品情報などについてもアラーム情報表示と同様に、「文書データ」と「情報文書に関する写真データ」とから構成される情報を表示可能にした工作機械の制御装置を提供することである。
【０００７】
また上記の本発明の工作機械の制御装置を用いた取扱い説明書表示方法、部品情報表示方法、アラーム情報表示方法及び操作情報表示方法を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
また本発明の部品情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記記憶装置中に階層的に分類されて保存された前記工作機械の写真データと、該写真データについての文書情報とから構成された前記工作機械の部品情報を前記ディスプレイ装置に表示させると共に、該ディスプレイ装置に表示される前記部品情報の中から前記工作機械の目的の部品を表示させる複数の詳細表示キーと、前記工作機械の部品の名称リストを表示させる目次キーと、前記工作機械の部品の外観を表示させる絵目次キーとを有する部品情報検索用のファンクションキーメニューと、必要により前記工作機械の部品情報の任意の階層を表示可能にしたものである。
【０００９】
また本発明のアラーム情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記ＮＣ装置により特定されたアラーム番号に対応するアラーム情報を前記記憶装置中から検索し、この特定されたアラーム情報を文書情報と写真データとからなるアラーム情報に構成し、前記ディスプレイ装置のアラーム情報画面の右側上欄に複数のアラーム番号とアラームメッセージを表示するする欄を設けると共に、前記アラーム情報画面の右側下欄に前記アラームメッセージ一つの詳細文書情報と、アラームによる動作異常に関係する関連箇所とを表示すると共に、該関連箇所表示欄に隣接して前記関連箇所の正常状態と現在の状態とを示す状態表示欄とを設け、前記アラーム情報画面の左欄に前記一つの詳細文書情報に関する写真データを表示する欄を設け、該写真データ中のアラームの原因となった前記工作機械の部品に対して前記一つの詳細文書情報中の関連部品をバルーン表示をさせると共に、前記アラーム情報画面の右側上欄に表示される複数のアラームメッセージの詳細を表示させる複数の詳細表示キーと、前記関連箇所に表示されている他の関連部品の写真データを表示させる写真説明切換キーとを有するファンクションキーメニューを前記アラーム情報画面に設けたものである。
【００１０】
また本発明の操作情報表示方法は、工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記工作機械の操作手順の写真データと該写真データについての文書情報とからなる操作情報を前記ディスプレイ装置に表示自在に設けると共に、前記写真データと該写真データについての文書情報とを前記ディスプレイ装置の左右半分に区分して表示すると共に、前記操作情報の目次画面を検索番号と共に表示させる目次キーと前記写真データを切り換える写真説明切換へキーとからなるファンクションキーメニューを設け、前記ディスプレイ装置の左半分に前記工作機械の操作対象部品を含む操作手順の写真データ表示させると共に、該表示された操作手順の写真データの中の前記操作対象部品に対して、前記ディスプレイ装置の右半分に表示された前記文書情報をバルーン表示をさせるものである。
【００１２】
【作用】
本発明の工作機械の制御装置は上記の構成としたので、工作機械のオペレーターは、その工作機械に関する情報をディスプレイに表示された文書データと写真データとから容易に得ることが出来る。また、その工作機械の取扱い情報、部品情報及びアラーム情報などを本発明の工作機械の制御装置のディスプレイ上に、写真画像と該写真画像についての文書情報とで表示させることが出来る。
【００１３】
【実施例】
次に本発明の工作機械の制御装置の実施例について図面を用いて説明する。図１は本発明の工作機械の制御装置の構成を示した実施例である。制御装置１には工作機械３を制御するＮＣ装置２３と、各種の情報を解読しその情報に関して必要な「文書データ」及び「写真データ」の表示をコントロールするＣＰＵ５とで構成され、該ＣＰＵ５には、ＣＲＴ、液晶表示装置、プラズマディスプレイの如きディスプレイ７と、入力装置としてのキーボード１１と、データ記憶装置１３などが接続されている。この記憶装置１３には、写真データファイル１５、文書データファイル１７及び部品リストファイル１９などが含まれている。なお上記文書データファイル１７及び部品リストファイル１９における文書データまたは部品データは、それぞれの文書データまたは部品データに対応する「写真データ」の画面番号を含んでいる。すなわち３個のデータファイル（１５，１７，１９）は画面番号をキーにして相互にリンクされているものである。なお本発明の実施例の説明で使用する前記工作機械３とは、旋盤、研削盤など工作機械の他にシアリングマシン、ベンディングマシン、パンチプレスなどの産業機械をも含む広い意味を持つものである。
【００１４】
また前記ＣＰＵ５は、前記記憶装置１３内の各種のデータベースを入力及び検索するためのデータベース検索ソフト２１を備えており、またこのＣＰＵ５には前記記憶装置１３の写真データファイル１５に写真データを入力作成するための映像入力手段としてのビデオキャプチャーボード２９が接続してある。ビデオカメラ２７で撮影された機械または部品などの映像のビデオデータＶＤは前記ビデオキャプチャーボード２９に映像データとして一時格納され、この格納されたビデオデータＶＤは前記ＣＰＵ５で扱えるような画像データＰＧＤに変換されて前記記憶装置１３の写真データファイル１５に格納される。なお前記写真データは、機械または部品のイラストレーションの映像をビデオカメラで撮影して、前記ビデオキャプチャーボード２９を介して入力した画像データファイルを使用してもよい。
【００１５】
工作機械に関する情報を記載した取扱い説明書、アラーム情報、操作情報、部品情報などの文書データは、文字データとして前記キーボード１１またはフロッピーディスクドライブ（図示省略）などから入力されるが、前記ビデオキャプチャーボード２９を介して画像データＰＧＤとして入力することも可能である。どちらの方式で入力された文字データにせよ、それらの文字データは前記文書データファイル１７または部品リストファイル１９に適宜に格納されるものである。また前記ＮＣ装置２３は工作機械３を制御すると共に、工作機械に設けられた各種のセンサー（図示省略）からの情報を解析して、アラーム情報を出すためのアラーム番号特定シーケンスプログラム２５を備えている。
【００１６】
次に上記の構成の制御装置１において使用されるデータベース構造について説明する。図２には取扱い説明書に使用される部品データベースの構造について示してある。部品データベースは図面の種類により３つの階層のツリー構造に分類されている。例えば、最上位の階層は機械の総組図、中位階層はユニット図、最下位階層は部品図となっている。図２に示されるように、最上位階層の総組図３１は幾つかの中位階層のユニット図（３３，３５…）から構成されており、中位階層のユニット図はさらに多数の最下位階層の部品図（３７，３９…）から構成されている。
【００１７】
これらの部品データは、前記ディスプレイ７の画面の左半分に写真が配置され、右半分に左側の写真を説明する文書が配置されている。またこの１画面の中には、その画面自体と関連部品を特定するための画面番号が含まれている。例えば、中位階層のユニット図であれば、そのユニット図の画面番号の他に上位階層及び下位階層の画面番号（１個または複数個）が含まれている。
【００１８】
また部品情報または操作情報を検索するために、部品情報の検索または操作情報の検索かを選択するための情報検索メニュウ（図示省略）が用意されている。この情報検索メニュウにより、例えば部品情報の検索を選択すると部品情報検索に入り、後述の図３に示すように部品情報を写真と文書情報を表示する部品情報画面４１Ａの表示エリア（写真と文書情報は未だ表示されていない）と、部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０とが表示される。また前記情報検索メニュウから操作情報の検索を選択すると、後に詳しく説明する図１３に示すような操作情報を表示する操作情報画面９１Ａの表示エリアと操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１とが表示される。なおこの操作情報データは、「操作方法文書」と「操作対象の部品の写真」及び「操作方法文書中の部品情報の画面番号」などで構成されている。
【００１９】
前記部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０は、以下に説明する部品情報画面４１（Ａ，Ｂ）に表示される複数の部品の中から、目的の部品の詳細を表示させる複数の「詳細表示キー」（本実施例ではＡ〜Ｇの７個）と、部品の名称リストを表示させるための「目次キー」と、部品の外観（写真）を表示させる「絵目次キー」などから構成されている。また前記操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１は、操作情報の内容を表示させる「目次キー」と、部品の外観を示す写真の説明を切換える「写真説明切換キー」と、関連名称を表示させる「関連名称キー」とから構成されている。
【００２０】
上記の構成において、オペレーターが上記の各階層の部品データを部品の外観から検索する方法について説明する。オペレーターが前記情報検索メニュウにから部品情報の検索を選択すると、上述のように、部品の写真と文書情報とを表示する部品情報画面４１Ａの表示エリア（写真と文書情報は未だ表示されていない）と、部品情報検索用のファンクションキーメニュウ５０とが表示される。次に画面４１Ａのファンクションキーメニュウ５０から「絵目次キー」を選択（例えば図示されないカーソルで）すると、前記制御装置１のデータベース検索ソフト２１によって、写真データファイルと文書データファイルが検索され、図３に示す部品情報画面４１Ａが表示される。
【００２１】
この画面４１Ａの左半分の「写真表示領域」４７には最上位階層の総組図が複数表示される。実施例では折曲げ加工機の正面と背面、油圧ユニット及び制御盤などの「写真」ＰＧＤ１が表示されている。
【００２２】
また画面右半分の文書表示領域４９には、左側の「写真」を説明する文書が表示される。なおこの文書表示領域４９には主要なユニットの名称が複数種類を表示出来るようになっている（実施例ではＡ〜Ｇの７種類）。また前記の「写真表示領域」４７の上部には、その表示領域４７に表示される内容の名称欄４５が設けられている。例えば図３では「全景」と表示されている。さらに前記画面４１Ａの最上部にはこの画面４１Ａの名称を表示するタイトルバーが設けてあり、画面４１Ａでは「操作銘板」と表示されている。
【００２３】
オペレーターがこの全景の中の或るユニットを表示させるため、例えば画面４１Ａの右半分の文書表示領域４９に表示されている「Ｃ：クランプビーム」をファンクションキーメニュウ５０の「詳細表示キー」の中から「Ｃ部詳細キー」を選択すれば、前記制御装置１によって図４に示す中位階層のクランプビームのユニット図ＰＧＤ２を表示した部品情報画面４１Ｂが表示されることになる。
【００２４】
この画面４１Ｂの文書表示領域４９には、更にこのクランプビームユニットを構成している下位階層の部品の名称が複数個表示されている。この画面４１Ｂに表示されている部品の更に下位階層の部品を表示させるには、例えばこの画面４１Ｂの文書表示領域４９に表示されている「Ｂ：Ｋ軸 クサビ」を表示させるには、前記ファンクションキーメニュウ５０の「詳細表示キー」の中から「Ｂ部詳細キー」を選択すれば、図５に示すの最下位階層の「Ｋ軸 クサビ」の図ＰＧＤ３を表示した部品情報画面４１Ｃが表示されることになる。この画面４１Ｃの文書表示領域４９には、この部品の名称、用途、さらにこの部品に使用されている市販品の名称、型式及びメーカー名（図示省略）などが詳細に記載されている。また図５の「写真表示領域」４７には部品の動作方向も視覚的に表示されている。
【００２５】
上述のような操作によって、オペレーターは部品の名称を知らなくても、最下位階層の部品を特定してその部品についての情報を詳細にかつ容易に得ることが出来るのである。
【００２６】
次に部品の名称が判っている場合の部品情報の検索方法について説明する。オペレーターは部品情報検索用の前記ファンクションキーメニュウ５０を表示させてから、「目次キー」を選択すれば、前記制御装置１のデータベース検索ソフト２１によって、前記部品リストファイル１９が検索され、図６に示すような部品名称リスト画面５１が表示される。
【００２７】
画面５１はタイトルバー５３と部品名称リスト表示領域５５などから構成されている。タイトルバー５３には画面のタイトルと、表示されている画面５１の頁数が何頁目の画面であるかが分かるように例えば１／４のように表示される。また前記部品名称リストの各部品名には名称索引番号（画面番号）が付されており、オペレーターはこの索引番号（画面番号）を前記キーボード１１から入力すれば、前記部品リストファイル１９の中から入力された索引番号（画面番号）の部品が検索されて、その部品に対応する図５のような「文書データ」と「写真データ」からなる部品情報画面４１Ｃと同様な詳細な部品情報が直ちに表示される。
【００２８】
次に工作機械に異常が発生した場合について説明する。前記ＣＰＵ５は、工作機械に設けたをセンサーからの情報で工作機械を常時監視しており、工作機械に何か異常が発生したときは、そのセンサーからの情報を前記アラーム番号特定シーケンスプログラム２５によって解読してアラーム番号を特定し、そのアラーム番号に対応するアラーム情報を前記記憶装置１３の複数のデータベースファイルを検索して前記ディスプレイ７に表示する。
【００２９】
上記アラーム情報は、「アラーム番号、アラームメッセージ、複数の詳細情報文書と写真、複数の詳細情報文書に対応する部品の画面番号」で構成されており、これらは図７に示すアラーム情報画面６１に表示されるようになっている。アラーム情報画面６１の左側は、「一つの詳細情報文書に関する写真」を表示する欄６３が設けられ、アラーム情報画面６１の右側には、複数の「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５と、「アラーム一つについての詳細情報文書」とを表示する欄６７とからなっている。
【００３０】
図８から図１１は、上記のアラーム情報が実際にディスプレイ上表示された例である。図８のアラーム情報画面６１Ａのタイトルバー６９には、この画面の名称と、表示画面６１Ａの頁数が表示されている。この頁数表示は画面６１Ａが何頁目の画面であるかが分かるように、例えば１／１のように表示されている。アラーム情報画面６１Ａの右側の「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５には、この例では、Ａ，Ｂ，Ｃの３件のアラームが表示されている。もし５件のアラームが存在する場合には、画面６１Ａの頁数は１／２と表示され、画面６１Ａは２画面で構成されていることが判るようになっている。
【００３１】
アラーム情報画面６１Ａの「アラーム一つについての詳細情報文書」とを表示する欄６７には、前記Ａ，Ｂ，Ｃの３件のアラームの中の１件についての詳細な情報文書が表示されている。この画面６１Ａの例では、「Ａ：0033 油圧モータの動作異常」についての詳細な情報文書として、「モータコンタクタＫＭ１＾」の動作検知不可と表示されている。また前記表示欄６７には、この他に動作異常に関係する関連箇所７１と、この関連箇所７１の正常状態と現在の状態とを示す状態表示欄７３を有している。
【００３２】
またアラーム情報画面６１Ａの左側の「一つの詳細情報文書に関する写真」を表示する欄６３には、前記関連箇所７１に複数表示されている関連箇所の中の一つの「出力カードＹ２０３」に関する写真ＰＧＤ４が表示されている。またこの写真ＰＧＤ４には、多数ある出力カードの中から問題がある「出力カードＹ２０３」の存在位置を示すため、バルーン表示７５Ａにより問題の「出力カードＹ２０３」の存在位置が視覚的に認識することが出来るようになっている。また、この「出力カードＹ２０３」が含まれる制御盤全体の中での概略の位置を示すマクロ表示領域７７があると同時に、問題の不良部品の存在位置をマクロ表示７９Ａするようになっている。前記関連箇所７１に複数表示されている他の関連部品の写真を表示させたい時は、ファンクションキーメニュウ８１の「写真説明切換」キーを選択することにより、次の関連部品である「リレーＫＡ１０２」の写真を表示させることが出来る。
【００３３】
図９は上述の関連部品「リレーＫＡ１０２」の写真を表示させたアラーム情報画面６１Ｂである。画面６１Ｂと画面６１Ａとの相違点は、問題の「リレーＫＡ１０２」の存在位置を示すバルーン表示７５Ｂと、不良部品の存在位置をマクロ表示７９Ｂだけであり、そのほかは画面６１Ａと同一である。更に画面６１Ａに表示されている、関連部品の「モータコンタクタＫＭ１＾」または「入力カードＸＺ４１Ｆ」の写真を同様な操作によって表示させたのが図１０のアラーム情報画面６１Ｃと図１１のアラーム情報画面６１Ｄである。
【００３４】
また図８の画面６１Ａにおける「アラーム番号とアラームメッセージ」を表示する欄６５に表示されていた「Ｂ：0038油温検出」または「Ｃ：Ｙ軸位置決めユニットエラー」の詳細説明を表示させる場合には、前記ファンクションキーメニュウ８１の「Ｂ詳細」または「Ｃ詳細」キーを選択入力すればオペレーターは図８から図１１で説明した内容と同様な詳細情報を容易に得ることが出来るものである。
【００３５】
次に、操作情報の検索方法について説明する。前述の通りオペレーターが前記情報検索メニュウから操作情報の検索を選択すると、図１３に示すような操作情報を表示する操作情報画面９１Ａと、操作情報検索用のファンクションキーメニュウ１０１とが表示される。なお画面９１Ａには未だ写真と文書情報は表示されていない。オペレーターがファンクションキーメニュウ１０１から「目次」を選択すれば、図１２に示すような操作方法に関する目次画面８３が表示される。この目次画面８３には各種の操作方法が画面番号（検索番号）と共に表示されるので、この画面番号（検索番号）をキーボドなどから入力すれば目的の操作方法を示す画面になる。なお、上記操作情報のデータは前記記憶装置１３に入力されているものである。
【００３６】
例えば、「６．ＳＡ金型交換方法」を表示させるには、画面番号（検索番号）「６」を入力する。その結果、図１３に示すような「６．ＳＡ金型交換方法」の画面９１Ａが表示される。図１３の画面９１Ａは、「▲３▼ＳＡに取り付けてある金型の固定ボルトを外す」の写真を写真表示領域９７に、操作方法文書を文書表示領域９５に表示させた画面である。図１４の操作情報画面９１Ｂ及び図１５の操作情報画面９１Ｃは、ファンクションキーメニュウ１０１から「写真説明切換え」を選択して、次の工程の「▲４▼ＳＡ金型を横にずらして外す」、「▲５▼取り付けるＳＡ金型をＳＡに取り付ける」をそれぞれ同様に表示させたところである。
【００３７】
この様にしてオペレーターは、操作手順の「写真と操作説明文書」を順次表示させることが出来る。
【００３８】
本発明の制御装置によれば上記の説明から容易に理解されるように、アラーム情報とその部品情報または操作情報とその部品情報とががリンクされている。従ってアラームが発生した時における対応処置が迅速に行えるなどの効果もある。また実施例では画像データを静止画像として説明したが、記憶装置の容量を大きくすれば動画を表示させることも可能である。
【００３９】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように本発明によれば、工作機械のオペレーターは、その工作機械に関する情報をディスプレイに表示された写真データと文書データとから目的とする情報に容易に到達することが出来る。従って従来のような印刷された分厚いマニュアルを読む必要もなくオペレーターへの負担も軽くなる。
【００４０】
また、その工作機械の取扱い情報、部品情報及びアラーム情報などをディスプレイ上に写真画像と該写真画像についての文書情報とで表示させることが出来るので、従来のような印刷によるマニュアルを読む手間が省けて、アラームに対する処置または操作方法の習得なども正確かつ迅速に行うことが出来る。
【００４１】
さらに、故障した部品の機械における取付け位置なども視覚的に知ることが出来るので、これも前記のアラームに対する対応処置を早くするのに有効である。また、アラーム情報からその部品の情報または操作情報からその部品の情報を入手するなどの情報のリンクをすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わる工作機械の制御装置の実施例。
【図２】本発明に係わる工作機械の制御装置に使用される部品データの階層構造。
【図３】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図４】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図５】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報画面の例。
【図６】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた部品情報リストの例。
【図７】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させるアラーム情報の画面の構成。
【図８】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図９】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１０】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１１】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させたアラーム情報画面の例。
【図１２】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１３】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１４】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【図１５】本発明に係わる工作機械の制御装置を用いて表示させた操作情報画面の例。
【符号の説明】
１ 制御装置
３ 工作機械
５ ＣＰＵ
７ ディスプレイ
１１ キーボード
１３ 記憶装置
１５ 写真データファイル
１７ 文書データファイル
２１ データベース検索ソフト
２３ ＮＣ
２７ ビデオカメラ
２９ ビデオキャプチャーボード
５０ 部品情報用ファンクションキーメニュウ
８１ アラーム情報用ファンクションキーメニュウ
１０１ 操作情報用ファンクションキーメニュウ
４１Ａ，４１Ｂ，４１Ｃ 部品情報画面
６１Ａ，６１Ｂ，６１Ｃ，６１Ｄ アラーム情報画面
９１Ａ，９１Ｂ，９１Ｃ 操作情報画面
Claims (4)
- 工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記記憶装置中に階層的に分類されて保存された前記工作機械の写真データと、該写真データについての文書情報とから構成された前記工作機械の部品情報を前記ディスプレイ装置に表示させると共に、該ディスプレイ装置に表示される前記部品情報の中から前記工作機械の目的の部品を表示させる複数の詳細表示キーと、前記工作機械の部品の名称リストを表示させる目次キーと、前記工作機械の部品の外観を表示させる絵目次キーとを有する部品情報検索用のファンクションキーメニューと、必要により前記工作機械の部品情報の任意の階層を表示可能にしたことを特徴とする部品情報表示方法。
- 工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記ＮＣ装置により特定されたアラーム番号に対応するアラーム情報を前記記憶装置中から検索し、この特定されたアラーム情報を文書情報と写真データとからなるアラーム情報に構成し、前記ディスプレイ装置のアラーム情報画面の右側上欄に複数のアラーム番号とアラームメッセージを表示するする欄を設けると共に、前記アラーム情報画面の右側下欄に前記アラームメッセージ一つの詳細文書情報と、アラームによる動作異常に関係する関連箇所とを表示すると共に、該関連箇所表示欄に隣接して前記関連箇所の正常状態と現在の状態とを示す状態表示欄とを設け、前記アラーム情報画面の左欄に前記一つの詳細文書情報に関する写真データを表示する欄を設け、該写真データ中のアラームの原因となった前記工作機械の部品に対して前記一つの詳細文書情報中の関連部品名をバルーン表示をさせると共に、前記アラーム情報画面の右側上欄に表示される複数のアラームメッセージの詳細を表示させる複数の詳細表示キーと、前記関連箇所に表示されている他の関連部品の写真データを表示させる写真説明切換キーとを有するファンクションキーメニューを前記アラーム情報画面に設けたことを特徴とするアラーム情報表示方法。
- 請求項２に記載のアラーム情報表示方法において、前記アラーム情報における写真データにおいて、アラームの原因となった部品の前記制御装置における存在位置を前記アラーム情報画面にマクロ的に表示することを特徴とするアラーム情報表示方法。
- 工作機械を制御するＮＣ装置と、該ＮＣ装置に接続されたＣＰＵと、該ＣＰＵに接続された少なくとも前記工作機械の取扱い情報に関する文書データファイルと写真データファイルとを有する記憶装置と、前記工作機械の写真データを前記ＣＰＵを介して前記記憶装置に取込むための映像入力手段と、前記ＣＰＵに文字データを入力するキーボードと、前記ＣＰＵに接続されたディスプレイ装置と、前記文書データファイルと写真データファイルとを検索するデータベース検索手段とからなる工作機械の制御装置において、前記工作機械の操作手順の写真データと該写真データについての文書情報とからなる操作情報を前記ディスプレイ装置に表示自在に設けると共に、前記写真データと該写真データについての文書情報とを前記ディスプレイ装置の左右半分に区分して表示すると共に、前記操作情報の目次画面を検索番号と共に表示させる目次キーと前記写真データを切り換える写真説明切換へキーとからなるファンクションキーメニューを設け、前記ディスプレイ装置の左半分に前記工作機械の操作対象部品を含む操作手順の写真データ表示させると共に、該表示された操作手順の写真データの中の前記操作対象部品に対して、前記 ディスプレイ装置の右半分に表示された前記文書情報をバルーン表示をさせることを特徴とする操作情報表示方法。
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- 1994-10-21 JP JP25677794A patent/JP3659993B2/ja not_active Expired - Fee Related
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