JP3659692B2 - 電池用電極 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、導電性高分子を用いた電池用電極に関するものである。具体的にはコンピュータ、電話などのエレクトロニクス関連製品の駆動用電源やメモリなどのバックアップ電源、自動車や二輪車等の移動体用駆動電源、あるいは原子力発電、太陽電池、風力発電、水力発電などで得られた電力を貯蔵するための電力貯蔵用電源などに用いられる電池用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
導電性高分子とは、その主鎖がπ共役系からなる電子導電性を発現する高分子であり、具体的には、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンビニレン、ポリアセンおよびそれらの誘導体などが知られている。これらの導電性高分子は蓄電機能を有しているため、電池用電極への適用が進められており、例えば、該導電性高分子を正極活物質とし、リチウムを負極活物質としたリチウム二次電池が実用化されている。
通常、このような電池では、正極に用いられる導電性高分子は、充電時に支持電解質アニオンを取り込み、放電時にその支持電解質アニオンを放出するアニオン移動性を示す。また、負極は充電時にリチウムが還元析出し、放電時にリチウムイオンが溶出する。そのため、電池の放電に伴って両極間の電解液中に支持電解質が蓄積され、電解液は電池の電気容量と同当量の支持電解質を溶解し得る能力が必要とされる。
【0003】
一方、支持電解質の溶解に用いられる有機溶媒は一般に電解質を溶解する能力に劣るため、支持電解質の溶解には多量の有機溶媒を必要とする。しかも、支持電解質を溶解した電解液は電気抵抗が大きいため、多量の電解液を用いることによる電池の内部抵抗の増加は避けられない。
以上の理由から、導電性高分子を正極活物質として使用する従来のリチウム二次電池では、軽量かつ大容量な電池を得ることは困難であった。本問題点に対する対策としては、従来アニオン移動性であった正極を、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを取り込むカチオン移動性に変換する方法が提案されており、例えば、導電性高分子とアニオン性高分子電解質との複合体からなる電池用電極(特開昭63−285864号公報など)や、高分子骨格内にアニオン性官能基を有した自己ドーピング性の導電性高分子からなる電池用電極、また、導電性高分子とアニオン性高分子電解質膜との積層体からなる電池用電極(特開平6−283155号公報など)などが知られている。
リチウム二次電池において、上記の方法による電池用電極を正極として用いると、見かけ上、放電によって負極で生じるリチウムイオンが該電極中に取り込まれ、電解液中に支持電解質が蓄積せず、アニオン移動性を有する従来の導電性高分子を正極に用いた電池に比べ、電解液量を低減することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電池用電極では電解液使用量の低減効果は得られるものの、電池用電極の物質の性能に影響を与えるものではなく、その基本的な特性は電池用電極中の活物質である導電性高分子の種類で決まるため、新規導電性高分子の探索以外の方法による軽量化、高容量化には限界があった。
一方で、近年のエレクトロニクス製品のコードレス化に対する需要の拡大や、地球環境保護の視点による電気自動車開発に対する期待の高まりなどを背景として、電池の更なる軽量化、高容量化が望まれており、導電性高分子を用いた電池用電極においても、自身の軽量化、高容量化を実現する方策が必要である。
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、従来の電池用電極に比べて軽量かつ大容量の電池用電極を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、導電性高分子を活成分とするカチオン移動性の電池用電極において、導電性高分子とともに酸化還元性能を有する化合物を含有させておくことにより従来の方法による電池用電極に比べ、軽量かつ高容量の電池用電極が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、(1)導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極において、前記導電性高分子とともに酸化還元能を有する、その酸化体あるいは還元体もしくはその両方がアニオンである化合物が含有されてなることを特徴とする電池用電極、(2)前記の酸化還元能を有する化合物が鉄のシアノ錯体アニオンであることを特徴とする前記(1)の電池用電極、(3)前記の酸化還元能を有する化合物が沃素の同素体であることを特徴とする前記(1)の電池用電極、(4)前記の酸化還元能を有する化合物がチオレート化合物であることを特徴とする前記(1)の電池用電極、(5)前記の導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極が、導電性高分子とアニオン性高分子電解質膜との積層体であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかの電池用電極、(6)前記の酸化還元能を有する化合物において、その反応電位域が前記導電性高分子の充放電反応電位域内にあることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかの電池用電極。
【0007】
本発明における導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極とは、導電性高分子を活物質とし、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを取り込む機能を有するものであって、その代表的な構成としては、導電性高分子とアニオン性高分子電解質との複合体、高分子骨格内にアニオン性官能基を有する導電性高分子、導電性高分子とアニオン性高分子電解質膜との積層体などがある。
【0008】
本発明において、導電性高分子とは、その主鎖がπ共役系からなる蓄電機能を有する高分子であり、本発明にかかる電池用電極においては、活物質として作用するとともに、酸化還元能を有する化合物に対する集電体として作用する。具体的には、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンビニレン、ポリアセンおよびそれらの誘導体などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、該導電性高分子の重合方法としては、一般に電解重合と化学重合とに大別されるが、本発明においては該導電性高分子の重合方法を限定するものではなく、何れの重合方法において製造したものも使用可能である。
【0009】
本発明において、酸化還元能を有する化合物とは、酸化反応と還元反応とを可逆的に行なわせることが可能な化合物のことで、導電性高分子と同様に、本発明にかかる電池用電極において、活物質として作用する。このような化合物の具体的な例としては、無機化合物では鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、金などの遷移金属元素のシアノ錯体やエチレンジアミン四酢酸錯体、クロロ錯体、あるいは、沃素や臭素などのハロゲン類が、また、有機化合物では、ビヨローゲン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、キノン類、チオレート化合物などが挙げられる。
【0010】
特にこれらの化合物のうち、鉄のシアノ錯体アニオン、沃素の同素体、複数のチオレート基を有する化合物は、酸化還元の可逆性・安定性に優れるため、軽量かつ高容量の電池用電極を得ることができる。ここで鉄のシアノ錯体アニオンとはFe〔CN6 〕3-やFe〔CN6 〕4-として表される化合物のことで、その酸化還元反応は後記の(1)の反応式で表される。
【0011】
また、沃素の同素体とはI2 、I- 、I3 - など、沃素元素のみからなる化合物のことで、その酸化還元反応は後記の(2)、(3)などの反応式で表される。
【0012】
さらに、チオレート化合物とは、例えばチオフェノール、ベンジルメルカプタン、プロピルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,3−ベンゼンジチオール、2,5−ジメルカプト1,3,4−チアジアゾール、1,2−エタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、2−メルカプトエチルスルフィド、2,4−ジチオピリミジン、トリチオシアヌル酸あるいはこれらのアルカリ金属塩など、1個もしくは複数のチオレート基(−SH,−S- )を有する化合物のことであり、その酸化還元反応は(4)式で示されるジスルフィド結合の結合/解離反応として表される。
【0013】
【化1】
【0014】
なお、本発明では酸化還元能を有する化合物を導電性高分子に含有させる手段は特に限定されないが、例えば,導電性高分子と酸化還元能を有する化合物とを粉末とし、適量を乳鉢等で混合し、一体に成形する方法、酸化還元能を有する化合物を適当な溶媒に溶解し、その溶液を用いてスピンコート、吹きつけ、はけ塗りなどにより導電性高分子層に適量を塗布乾燥する方法などが挙げられる。導電性高分子や酸化還元能を有する化合物の性質、目的とする電池用電極の形態等に応じて最適な方法を用いればよい。
【0015】
本発明においてアニオン性高分子電解質膜とはアニオン性高分子電解質を成分とする固体膜のことであり、アニオン性高分子電解質とはイオン解離によりアニオンとなるアニオン性官能基を有する高分子のことである。アニオン性高分子電解質膜は、本発明にかかる電池用電極において、該電極にカチオン移動性を付与するとともに、酸化還元能を有する化合物を電極内に固定する皮膜として作用する。一例を挙げると、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリフルオロカーボンカルボン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリフルオロカーボンスルホン酸などの高分子膜が挙げられる。
【0016】
また、本発明では導電性高分子にアニオン性高分子電解質膜を積層する方法は特に限定されないが、例えば、アニオン性高分子電解質を適当な溶媒に溶解し、その溶液を用いて、スピンコート、吹き付け、はけ塗りなどにより、適量を導電性高分子上に塗布し、加熱乾燥あるいは減圧乾燥などにより積層体とする、といった方法や、導電性高分子をアニオン性導電性高分子を溶解した電解液に浸漬後、該導電性高分子に通電し、該アニオン性高分子電解質をドーパントとして取り込みつつ該導電性高分子上に積層するなどの方法がある。導電性高分子、アニオン性高分子電解質、溶媒などの性質に応じ、適切な方法を用いれば良い。
【0017】
なお、本発明にかかる導電性高分子の多くは、充放電反応の電位域でのみ電子導電性を発現する、すなわち、集電体として作用し得る。そのため、酸化還元能を有する化合物の酸化還元反応を良好に行なわせるためには、該化合物の反応電位域が、用いる導電性高分子の反応電位域内となるように選定することが望ましい。
【0018】
また、導電性高分子は充電時にアニオンがドーパントとして取り込まれる性質を有するため、酸化還元能を有する化合物の酸化体あるいは還元体もしくはその両方がアニオンである場合には、該化合物を含む電解液中で充電するなどの方法により、導電性高分子に該化合物を容易に取り込むことができ、より好ましい。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、もちろん本発明の内容が、実施例記載の事項に限定されるものではない。
(比較例1)
電極基体に炭素板(幅2cm、長さ6cm、厚さ1mm、但し接液部幅2cm、長さ2cm)、対極に白金板(幅5cm、長さ8cm、厚さ1mm)を用いた。それぞれを陽極、陰極として、0.5Mアニリンおよび1g当量/dm3 ポリスチレンスルホン酸の混合水溶液を電解液として用い、4mAの一定電流で17分間電解し、ポリアニリン−ポリスチレンスルホン酸複合体を該電極基体上に2mg担持した。図1は本操作に用いた担持装置の構成を示す説明図であり、陽極1、陰極2、電解液3、直流電源4で構成されている。該複合体を純水で洗浄した後、100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
【0020】
図2は比較例、実施例において作製した電池用電極の試験に使用した電池の構成を示す説明図である。図2に示すように、該電池用電極を正極5とし、SUS製ネット(幅5cm、長さ8cm、φ50μm,200メッシュ)上に金属リチウム箔(幅5cm、長さ5cm、厚さ200μm)を圧着したものを負極6とし、1M−LiClO4 プロピレンカーボネート溶液を電解液7としてアルゴンガス雰囲気下で電池を組み立て、充放電電源9を接続した。なお、該電池には参照電極8としてリチウム板電極(幅2cm、長さ1cm、厚さ0.1mm)を組み入れた。
該電池を充放電電流0.1mA、参照電極を基準として正極上端電位4.0V、正極下端電位2.5Vで充放電を繰り返したところ、電極基体を除いた電極重量(正極の総重量−電極基体重量)をもとにした容量密度は28Ah/kgであった。
【0021】
(比較例2)
図1において、電極基体に炭素板(幅2cm、長さ6cm、厚さ1mm,但し接液部幅2cm、長さ2cm)、対極に白金板(幅5cm、長さ8cm、厚さ1mm)を用い、それぞれを陽極1、陰極2とした。1Mアニリンおよび2M−HClO4 の混合水溶液を電解液3として用い、4mAの一定電流で17分間電解を行ない、ポリアニリンを該電極基体上に1mg担持した。その後、ポリフルオロカーボンスルホン酸である5wt%Nafion溶液(アルドリッチケミカル社製)に該ポリアニリンを浸漬して50℃で60分間加熱乾燥する操作を3回繰り返し、該ポリアニリン上に1mgのアニオン性高分子電解質膜を被覆した。最後に100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
比較例1と同様に図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は71Ah/kgであった。
【0022】
(実施例1)
比較例1において、0.5Mアニリンおよび1g当量/dm3 ポリスチレンスルホン酸の混合水溶液に、さらに0.5Mのフェロシアン化カリウムを添加し、同様にして電解して約2.2mgのポリアニリン−ポリスチレンスルホン酸−フェロシアン酸複合体を得た。該複合体を純水で洗浄した後、100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
比較例1と同様に図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は36Ah/kgであった。
【0023】
(実施例2)
図1において、電極基体に炭素板(幅2cm、長さ6cm、厚さ1mm,但し接液部幅2cm、長さ2cm)、対極に白金板(幅5cm、長さ8cm、厚さ1mm)を用い、それぞれを陽極1、陰極2とした。1Mアニリンおよび2M−HClO4 の混合水溶液を電解液3として用い、4mAの一定電流で17分間電解し、ポリアニリンを該電極基体上に1mg担持した。さらに、図1において、電解液3を1Mのフェリシアン酸水溶液に替え、1mAの一定電流で16分間通電を行ない、フェリシアン酸アニオンを前記ポリアニリンに取り込んだ。その後該ポリアニリンを取り出し、ポリフルオロカーボンスルホン酸である5wt%Nafion溶液(アルドリッチケミカル社製)に浸漬して50℃で60分間加熱乾燥する操作を3回繰り返し、該ポリアニリン上に1mgのアニオン性高分子電解質膜を被覆した。最後に100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
比較例1と同様に図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は98Ah/kgであった。
【0024】
(実施例3)
フェリシアン酸が酸化剤であることを利用し、ポリアニリンの化学重合およびフェリシアン酸アニオンの取り込みを1回の操作で行なった。具体的には、1Mのフェリシアン酸水溶液200mlに10mmolのアニリンを添加混合し、フェリシアン酸アニオンが含有された緑青色のポリアニリンの沈殿を得た。該ポリアニリンを濾過、水洗浄、乾燥した。該ポリアニリン8mgにテフロン粉末2mgを加えてよく混合し、Ni板(直径20mm、厚さ1mm)に加圧接合した。その後、該ポリアニリンを取り出し、ポリフルオロカーボンスルホン酸である5wt%Nafion溶液(アルドリッチケミカル社製)に浸漬して50℃で60分間加熱乾燥する操作を3回繰り返し、ポリアニリン上に1mgのアニオン性高分子電解質膜を被覆した。最後に100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
比較例1と同様に図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は91Ah/kgであった。
【0025】
(実施例4)
実施例2において、1M−フェリシアン酸水溶液を1M−沃化水素酸水溶液に替え、同様にして電池用電極を作製した。比較例1と同様に、図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は86Ah/kgであった。
【0026】
(実施例5)
図1において、電極基体に炭素板(幅2cm、長さ6cm、厚さ1mm,但し接液部幅2cm、長さ2cm)、対極に白金板(幅5cm、長さ8cm、厚さ1mm)を用い、それぞれを陽極1、陰極2とした。1Mアニリンおよび2M−HClO4 の混合水溶液を電解液3として用い、16mAの一定電流で30分間電解し、ポリアニリンを得た。該ポリアニリンを電極基体から剥離して粉末とし、ろ過、水洗浄、乾燥した。該ポリアニリン6mgに2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール3mgおよびテフロン粉末2mgを加えてよく混合し、Ni板(直径20mm、厚さ1mm)に加圧接合した。その後、該ポリアニリンを取り出し、ポリフルオロカーボンスルホン酸である5wt%Nafion溶液(アルドリッチケミカル社製)に浸漬して50℃で60分間加熱乾燥する操作を3回繰り返し、ポリアニリン上に1mgのアニオン性高分子電解質膜を被覆した。最後に100℃で180分間真空乾燥させて電池用電極とした。
比較例1と同様に図2に示す電池を構成して充放電を繰り返したところ、容量密度は96Ah/kgであった。
【0027】
【発明の効果】
本発明にかかる電池用電極はカチオン移動性を示し、電解液中に支持電解質が蓄積せず、従来の導電性高分子を用いた電池に比べて電解液量を低減することが可能である。さらに、該電極では導電性高分子、酸化還元能を有する化合物ともに活物質として使用されるため、公知の導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極と比べても、酸化還元能を有する化合物の導入分に対応する一層の軽量化、高容量化が可能である。
すなわち、本発明による電池用電極によって、公知の導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極における問題点を解決し、軽量かつ大容量な電池用電極を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例、実施例で使用した担持装置の構成を示す説明図。
【図2】比較例、実施例において作製した電池用電極の試験に使用した電池の構成を示す説明図。
Claims (6)
- 導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極において、前記導電性高分子とともに酸化還元能を有する、その酸化体あるいは還元体もしくはその両方がアニオンである化合物が含有されてなることを特徴とする電池用電極。
- 前記の酸化還元能を有する化合物が鉄のシアノ錯体アニオンであることを特徴とする請求項1に記載の電池用電極。
- 前記の酸化還元能を有する化合物が沃素の同素体であることを特徴とする請求項1に記載の電池用電極。
- 前記の酸化還元能を有する化合物がチオレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電池用電極。
- 前記の導電性高分子を活物質とするカチオン移動性の電池用電極が、導電性高分子とアニオン性高分子電解質膜との積層体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電池用電極。
- 前記の酸化還元能を有する化合物において、その反応電位域が前記導電性高分子の充放電反応電位域内にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電池用電極。
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