JP3659106B2 - 膜分離装置の運転方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密濾過(MF)膜分離装置、限外濾過(UF)膜分離装置、逆浸透(RO)膜分離装置などの膜分離装置の運転方法に関する。詳しくは高い膜濾過流束を安定に維持するための膜分離装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
膜分離装置に用いられる膜モジュールとして、集水管の外周に分離膜を巻回したスパイラル型膜モジュールがある。
【0003】
図6は従来のスパイラル型膜モジュールの構造を示す一部分解斜視図である。
【0004】
集水管1の外周に複数の袋状の分離膜2がメッシュスペーサ3を介して巻回されている。
【0005】
集水管1には管内外を連通するスリット状開口が穿設されている。分離膜2は袋状のものであり、その中央部が集水管1をくるんでいる。この袋状分離膜2の内部にはメッシュスペーサ等よりなる流路材4が挿入されており、この袋状分離膜(袋状膜)2の内部が透過水流路となっている。
【0006】
袋状膜2の巻回体5の両端にトップリング6とエンドリング7とが設けられ、その外周にブラインシール8が周設されている。
【0007】
原水は、巻回体5の前端面から袋状膜2同士の間の原水流路に流入し、そのまま巻回体5の長手方向に流れ、巻回体5の後端面から濃縮水として流出する。この原水流路を流れる間に水が袋状膜2を透過してその内部に入り、集水管1内に流入し、該集水管1の後端側からモジュール外に取り出される。
【0008】
上記従来のスパイラル型膜モジュールには、次のような解決すべき課題があった。
(1) 集水管1内の透過水流量を多くするためには該集水管1を大径化する必要があるが、そのようにするとスパイラル型膜モジュールの径も大きくなってしまう。
(2) 袋状膜2内に透過してきた透過水は、該袋状膜2内をスパイラル状に回りながら集水管1まで流れるため、袋状膜2内の流通抵抗が大きい。しかも、袋状膜2内から集水管1に流れ込む集水管スリット部付近での流通抵抗も大きい。
(3) 原水流路を流れる原水流量は、下流側になるほど減少する。(原水が濃縮される分だけ原水流量が減る。)このため、原水流路下流域では原水流速が小さくなり、汚れが付着し易くなる。
【0009】
本発明者は、上記従来の問題点を解決し、集水管が不要であり、透過水流通抵抗が小さいスパイラル型膜モジュールとして、袋状膜をシャフトに巻回して巻回体とし、該巻回体の一端面から原水が供給され、透過水が巻回体の他端面から取り出されるようにしたスパイラル型膜モジュールを特開平10−272342号等にて提案している。
【0010】
図2〜5は同号公報に記載のスパイラル型膜モジュールを示すものであり、図2(a)はスパイラル型膜モジュールの袋状膜及び該袋状膜が巻き付けられるシャフトの斜視図、図2(b),(c)はそれぞれ図2(a)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。図3はシャフトの周りに袋状膜を巻き付ける方法を示す断面図、図4は巻回体とソケットとの係合関係を示す斜視図、図5はスパイラル型膜モジュールの側面図である。
【0011】
この袋状膜10は、正方形又は長方形状のものであり、第1の辺部11、第2の辺部12、第3の辺部13及び第4の辺部14を有している。この袋状膜10は、長い一枚の分離膜フィルムを第2の辺部12の部分で二つに折り返し、第1の辺部11及び第3の辺部13において折り重なった分離膜フィルム同士を接着剤等によって接着し、第4の辺部14の一部については接着を行うことなく開放部とした袋状のものである。
【0012】
第4の辺部14の途中から第3の辺部13にかけて袋状膜10の分離膜フィルム同士が接着されておらず、透過水流出用の開放部30となっている。また、この第4の辺部14の該途中から第1の辺部11にかけては、袋状膜10の分離膜フィルム同士が接着されており、透過水の流出を阻止する閉鎖部31となっている。
【0013】
この袋状の膜10内に透過水流路材(例えばメッシュスペーサ等よりなる。)15が挿入配置されている。なお、袋状膜10としては、長い一枚のフィルムを第2の辺部12部分で二つに折り返したものに限らず、二枚の分離膜フィルムを重ね合わせ、第1の辺部11、第2の辺部12、第3の辺部13及び第4の辺部14の一部を接着するようにしたものであっても良い。
【0014】
この袋状膜10の一方の面には、接着剤16が付着されると共に他方の面には接着剤17,18が付着され、この袋状膜10がシャフト20の周りに巻き付けられる。接着剤16は第1の辺部11に沿って付着され、接着剤17は第3の辺部13に沿って付着されている。接着剤18は第4の辺部14の長手方向の前記途中箇所から第3の辺部13にかけて、透過水流出用の開放部30に沿って付着されている。
【0015】
複数枚の袋状膜10をシャフト20の周囲に巻き付けることにより、重なり合った袋状膜10同士は接着剤17,18の部分において水密的に接合される。これにより、袋状膜10,10同士の間には原水(及び濃縮水)が流れる原水流路が構成される。接着剤18が硬化することにより、巻回体の後端面には、内周側に原水(濃縮水)の流出用の開放部が形成され、外周側に原水流出阻止用の閉鎖部が形成される。
【0016】
第4の辺部14のうち透過水流出用の開放部30と透過水流出阻止用の閉鎖部31との境界部分から、巻回体の後方に向ってフィン19が延設されている。このフィン19は、例えば合成樹脂フィルム又はシートよりなり、袋状膜10に対し接着等により接合されるのが好ましい。
【0017】
袋状膜10をシャフト20の周りに図3の如く原水流路材(メッシュスペーサ)29を介して巻き付けることにより、図4に示すように巻回体24が形成される。この巻回体24の後端面からは、フィン19が延出する。各袋状膜10の第4の辺部14において同一箇所にフィン19を設けておくことにより、フィン19は巻回体24の軸心から等半径位上に位置し、フィン19が重なり合うことによりフィン19がリング状の突出部を形成することになる。このリング状の突出部内に円筒状のソケット25の後端を挿入し、該ソケット25とフィン19を接着剤等により接合する。なお、ソケット25をフィン19に外嵌めしても良い。また、フィン19に沿って巻回体24の後端面に旋盤で切込み溝を付け、該溝にソケット25の端部を埋め込むようにしても良い。
【0018】
このようにソケット25とフィン19とを接合することにより、巻回体24の後端面の外周側の透過水流出領域とソケット25の内周側の濃縮水流出領域とが区画される。
【0019】
なお、袋状膜10をシャフト20の周りに巻き付けるに際しては、図に示すように、袋状膜10同士の間に原水流路材(メッシュスペーサ)29を介在させておく。これらのメッシュスペーサ29を介在させることにより、原水流路が構成される。
【0020】
図5に示すように、巻回体24の前縁及び後縁にそれぞれトップリング26及びエンドリング27を合成樹脂モールド等により形成し、トップリング26の外周にブラインシール28を周設する。
【0021】
このように構成されたスパイラル型膜モジュールにおいては、図5に示すように、巻回体24の前端面から原水が袋状膜10同士の間の原水流路に流入する。この原水は、巻回体24の軸心線と略平行方向に原水流路を流れ、巻回体24の後端のソケット25の内側の端面から取り出される。そして、このように原水が原水流路を流れる間に、水が袋状膜10内に透過し、透過水は巻回体24の後端面のうちソケット25の外周側から流出する。
【0022】
このスパイラル型膜モジュールにあっては、透過水が袋状膜10内を巻回体24の軸心線と平行方向に流れて後端面から取り出されるため、従来のスパイラル型膜モジュールに用いられていた集水管が不要である。このため、袋状膜から集水管内に流れ込む際の流通抵抗が無くなり、透過水流通抵抗が著しく小さくなる。
【0023】
なお、集水管を省略しており、その分だけ袋状膜10の巻回方向の長さを大きくとることができ、膜面積を大きくとることが可能である。袋状膜の巻回方向の長さを大きくしても、透過水流通抵抗は増大せず、透過水量を多くすることができる。
【0024】
このスパイラル型膜モジュールにあっては、原水流路の出口部分をソケット25の内側だけに設けており、原水流路の出口(最下流部)を絞った構成としているため、原水流路の下流側においても原水(濃縮水)の流速が十分に大きなものとなり、原水流路下流域における汚れの付着を防止することができる。なお、ソケット25の内側の面積と外側の面積(接着剤18の辺部14方向の長さ)は、このスパイラル型膜モジュールの水回収率に応じて決めるのが好ましい。
【0025】
また、このスパイラル型膜モジュールにあっては、ソケット25をフィン19を用いて巻回体24に接続しており、ソケット25と巻回体24との接続強度が高い。そして、このソケット25によって原水の流入側と濃縮水の流出側とが水密的に区画分離される。
【0026】
特開平11−169684号公報には、このスパイラル型膜モジュールの逆洗方法として、巻回体内部に透過水が存在する状態で透過水側に逆洗用気体を供給し、残存する透過水を逆させ、その後、残存透過水が減少し気液混合状態を経て気体のみが流れるようになるまで気体供給を継続する方法が開示されている。
【0027】
また、特開平11−137977号公報には、この膜モジュールを薬品(洗浄薬品溶液)で洗浄する装置が記載されている。
【0028】
ところで、一般に、膜分離装置の膜モジュールの洗浄は、通水運転により膜面に付着したSS成分の除去を短い間隔(例えば8分に1回)にて実施する空気逆洗と長い間隔(例えば1ヶ月に1回)にて実施する薬品洗浄で実施していた。
【0029】
一般に、膜分離装置では、孔径が大きいほど単位圧力当たりの膜濾過流束(以下換算フラックスと記載する。)は、その運転初期には大きいものの、被処理水中の微粒子が孔内に目詰まりしやすく急激に換算フラックスは低下する。従って、孔径1μm以上の比較的孔径の大きなMF膜を用いた膜分離装置では、上記のような空気逆洗を実施しても高い膜濾過流束を安定に維持することができず、薬品洗浄を頻繁に行う必要があった。
【0030】
この薬品洗浄は、薬剤コストがかかると共に、排出される使用済みの薬品は、廃液処理が必要となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水による逆洗だけで透過水量を十分に回復させることが可能な膜分離装置の運転方法を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明の膜分離装置の運転方法は、複数の膜モジュールを備えてなる膜分離装置の運転方法にであって一部の膜モジュールで本逆洗を行なっている間、他の膜モジュールでは原水を濾過する定常濾過運転を行う膜分離装置の運転方法において、該本逆洗は、膜モジュールに水を逆流させる工程と、この逆流を停止しておく工程とからなる逆洗サイクルを連続して複数回繰り返すものであり、該本逆洗を2〜24時間継続して行うようにした膜分離装置の運転方法であって、該膜モジュールは、袋状膜の内部に透過水流路材が配置され、袋状膜同士の間には原水流路材が配置されているスパイラル型膜モジュールであって、該袋状膜は第1、第2、第3及び第4の辺部を有した略方形であり、該第1、第2及び第3の辺部は封じられ、該第4の辺部は一部が開放部となり残部が閉鎖部となっており、前記第4の辺部と直交する第1の辺部をシャフトに当てて袋状膜を巻回して巻回体とし、前記第4の辺部を該巻回体の後端面に臨ませ、該第4の辺部に対向する第2の辺部を該巻回体の前端面に臨ませ、該袋状膜同士の間の原水流路は、該第3の辺部の全体が封じられると共に、第4の辺部にあっては前記袋状膜の開放部と重なる箇所が閉鎖部となっており 、且つ前記袋状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部となっているスパイラル型膜モジュールであることを特徴とするものである。
【0033】
かかる膜分離装置の運転方法によると、本逆洗により膜面の付着物をかなり高効率にて除去することができる。また、この本逆洗の間、他の膜モジュールにて定常濾過運転を行うので、濾過水を安定して生産することができると共に、逆洗排水を他の膜モジュールの濾過排水原水に用いることができる。
【0034】
なお、本発明では、この逆洗用の洗浄水としては膜モジュールの透過水を用いることが好ましい。この透過水を逆流させるには、定常濾過運転中の膜モジュールで得られた透過水の一部をタンクに溜めておき、このタンクに気体圧を印加するのが好ましい。
【0035】
本逆洗は、2〜24時間連続して行われ、好ましくは6〜12時間連続して行われる。
【0036】
この本逆洗は、1回の逆洗サイクルを好ましくは0.5〜10分、特に好ましくは0.8〜5分に一度の割合で行い、これを連続して多数回(上記の通り、2〜24時間にわたって)繰り返す。
【0037】
この1回の逆洗サイクルにおいては、水、好ましくは透過水(濾過水)を好ましくは3〜10秒、特に好ましくは3〜5秒にわたって逆流させる。この1回目の逆洗サイクル時の逆流と2回目の逆洗サイクル時の逆流との間は、定常濾過運転の膜モジュールで得られた透過水の一部をタンクに溜め、あるいは透過水ヘッダーから逆流させることで次回目の逆洗に用いる。
【0038】
本発明では、複数の膜モジュールのうち一部の膜モジュールで本逆洗を行っている間、他の膜モジュールでは定常濾過運転を行う。
【0039】
この定常濾過運転では、連続して濾過を行う。ただし、間欠的に短時間の逆洗を行い、透過水の減少あるいは透過差圧の上昇を抑制する。この短時間の逆洗は、好ましくは2〜60分、特に3〜30分とりわけ4〜10分に1回の頻度で行われるのが好ましい。1回の逆洗の所要時間は3〜10秒程度特に3〜5秒程度が好ましい。この逆洗は水のみで行ってもよいが、最初に水逆洗を行い、その後空気などの気体を逆流させる気体逆洗に移行してもよい。
【0040】
各膜モジュールは定常濾過運転を所定時間(例えば2〜24時間特に好ましくは6〜12時間)継続した後、本逆洗を行うのが好ましいが、定常濾過運転中に透過水量や透過差圧が十分には回復しないようになったときに、適宜に本逆洗工程に移ってもよい。
【0041】
本発明の膜分離装置の運転方法は、上記の特開平10−272342号公報のスパイラル型膜モジュール、即ち、袋状膜の内部に透過水流路材が配置され、袋状膜同士の間には原水流路材が配置されているスパイラル型膜モジュールであって、該袋状膜は第1、第2、第3及び第4の辺部を有した略方形であり、該第1、第2及び第3の辺部は封じられ、該第4の辺部は一部が開放部となり残部が閉鎖部となっており、前記第4の辺部と直交する第1の辺部をシャフトに当てて袋状膜を巻回して巻回体とし、前記第4の辺部を該巻回体の後端面に臨ませ、該第4の辺部に対向する第2の辺部を該巻回体の前端面に臨ませ、該袋状膜同士の間の原水流路は、該第3の辺部の全体が封じられると共に、第4の辺部にあっては前記袋状膜の開放部と重なる箇所が閉鎖部となっており、且つ前記袋状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部となっているものである。
【0042】
このタイプのスパイラル型膜モジュールは、繰り返し逆洗が施されても破損しにくく、また逆洗が容易であり且つ逆洗により透過水量が回復し易い。
【0043】
本発明で用いる膜モジュールは、膜孔径が1μm以上例えば1〜100μm、特に2〜10μmとりわけ2〜5μm程度のMF膜モジュールが好ましい。孔径が1μm未満の膜は、透過水量が少ない。
【0044】
本発明では、原水としては井水、表流水、工場排水などが例示されるが、これに限定されるものではない。
【0045】
原水中に色度成分、フミン質、フミン状物質などの除去すべき有機物質が含まれているときには、無機凝集剤を添加してもよいが、通常は無機凝集剤の添加は不要である。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は本発明方法が適用される膜分離装置の系統図である。
【0047】
前記図2〜5の構造のスパイラル型膜モジュール40A,40Bが円筒状の耐圧ベッセル50A,50B内に収容されている。ベッセル50A,50Bの前端面の原水ポート51A,51Bには、弁61A,61Bを有した原水ライン60A,60Bを介して集合原水ライン60が接続されている。この弁61Aと原水ポート51Aとの間の原水ライン60A及び、弁61Bと原水ポート51Bとの間の原水ライン60Bからは逆洗排水取出ライン62A,62Bがそれぞれ分岐し、該排水取出ライン62A,62Bに弁63A,63Bが設けられている。
【0048】
ベッセル50A,50Bの後端面の中央の濃縮水ポート52A,52Bには前記ソケット25が内嵌している。この濃縮水ポート52A,52Bには弁71A,71Bを有した濃縮水ライン70A,70Bが接続されている。
【0049】
ベッセル50A,50Bの後端面の周辺側に位置する透過水ポート53A,53Bにはタンク81A,81B及び弁82A,82Bを有した透過水ライン80A,80Bが接続されている。また、タンク81A,81Bと、それよりも下流側の弁82A,82Bとの間の透過水ライン80A,80Bには、逆洗用の気体ライン84A,84Bが接続されており、この気体ライン84A,84Bに弁85A,85Bが設けられている。気体ライン84A,84Bは集合気体ライン84を介してコンプレッサ等の加圧空気源に連結されている。
【0050】
本逆洗を膜モジュール40Aで行い、定常膜濾過運転を膜モジュール40Bで行っている場合には、本逆洗は以下の(i) (iii) 操作(逆洗サイクル)を連続して多数回繰り返すことによって行う。なお、本逆洗は2〜24時間、好ましくは6〜12時間継続して実施される。
【0051】
(i) 透過水タンクへの透過水の導入
弁61A,63A,71A,85Aを閉とし、弁82Aを開とし、定常膜濾過運転を行っている膜モジュール40Bで得られる膜透過水の少なくとも一部をタンク81Aに溜める。本タンクの容量はベッセル50Aの容量と同等以上、好ましくは同等より少し大きい程度とし、確実に透過水が逆洗に供せられるようにする。
【0052】
(ii) 透過水の本逆洗膜モジュールへの導入・排出
弁61A,71A,82Aを閉とし、弁63A,85Aを開とし、気体ライン84に気体(空気、窒素など)を供給する。この時の気体の供給圧は0.7MPa以上あることが好ましい。これによりタンク81A内に逆流方向に空気圧が加えられ、逆流水圧が透過水ポート53A,ベッセル50A内の透過水室54Aを介してスパイラル型膜モジュール40Aの袋状膜10内の透過水流路に伝播し、タンク81A,透過水室54A及び袋状膜10内の透過水が袋状膜10を逆方向に透過して袋状膜10同士の間の原水流路に流れ込み、原水ポート51A及び逆洗排水取出ライン62Aを介して流出する。逆洗排水取出ライン62Aより流出した逆洗排水の全量又は一部は図示しない原水タンクへと返送される。
【0053】
(iii) 休止
弁61A,63A,71A,82A,85Aを閉とし、膜モジュール40Aの運転を停止する。本工程は上記(ii)の工程の次に行っても、上記(i)(ii)間に行っても良い。又、本工程は無くても特に差し支えない。
【0054】
膜モジュール40Aを本逆洗している間、膜モジュール40Bは定常濾過運転を行うが、この定常濾過運転は通常の膜濾過運転で用いられている運転方法を実施する。例えば、以下(iv)(v)の工程を繰り返し行うことによって実施される。
【0055】
(iv) 通水
弁63B,85Bを閉とし、弁61B,71B,82Bを開とする。原水は原水ポート51Bからベッセル50B内に供給され、濃縮水はソケット25,ポート52B及び濃縮水ライン70Bを介して流出し、透過水はベッセル50B内の後部側の透過水室54Bから透過水ポート53B及び透過水ライン80Bを介して取り出される。
【0056】
(v) 逆洗
弁61B,71B,82Bを閉とし、弁63B,85Bを開とし、気体ライン84に気体(空気、窒素など)を供給する。これによりタンク81B内に逆流方向に空気圧が加えられ、逆流水圧が透過水ポート53B,ベッセル50B内の透過水室54Bを介してスパイラル型膜モジュール40Bの袋状膜10内の透過水流路に伝播し、タンク81B,透過水室54B及び袋状膜10内の透過水が袋状膜10同士の間の原水流路に流れ込み、原水ポート51B及び逆洗排水取出ライン62Bを介して流出する。
【0057】
なお、逆洗効率を高めるためには、膜モジュール40A,40Bをシャフト軸心方向が上下方向となるように縦置きするのが好ましい。
【0058】
上記実施の形態においては、ソケット25の外周側に透過水流出部を配置し、ソケット25の内側に濃縮水流出部を配置しているが、逆にソケット25の内側を透過水流出部とし、ソケット25の外周側を濃縮水流出部とするように構成しても良い。
【0059】
なお、本発明の好適な洗浄条件について次に説明する。
(1) タンク81A,81Bの容積は膜モジュールの容積と同等以上、好ましくは同等よりも少し大きい程度とし、十分に逆洗を行うようにする。
(2) 逆洗排水は全量又は50%以上原水槽(図示略)に流入させ、回収率を高める。
(3) 逆洗の際の加圧気体圧は大気圧よりも0.7MPa以上高いことが好ましい。
【0060】
なお、本発明は図2〜5の膜モジュール以外の膜モジュールを備えた膜分離装置の洗浄にも適用できる。また、膜モジュールを3基以上並列に設けてもよい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0062】
実施例1
図1において、膜モジュール40A,40Bとして孔径3μmのPTFE製のMF膜モジュールを用いた。膜面積は2.8mである。原水としてはSS5〜10ppmの井水を用いた。
【0063】
定常濾過運転期間にあっては、4分毎に短時間の逆洗として20秒の逆洗を1回だけ行った。この20秒の逆洗の間に10Lの水が逆流した。
【0064】
定常濾過運転を6時間継続した後、本逆洗を6時間行った。この本逆洗にあっては、1逆洗サイクルを30秒間とし、この1逆洗サイクルにあってはまず10Lの水を逆流させ、次いで逆流を停止しておくようにした。この逆洗サイクルを連続して6時間繰り返した。これにより30日間、薬品洗浄なしに濾過運転を続行できた。
【0065】
この間の運転の結果(日平均)は次の通りであった。
原水量 86.8m/d
短時間逆洗排水量 3.6m/d
本逆洗排水量 28.8m/d(全量回収)
生産水量 83.2m/d
回収率 95.9%
【0066】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると膜分離装置の透過水量を水逆洗だけで十分に回復させることができる。このため、洗浄コストを著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る膜モジュールの洗浄方法を示す通水系統図である。
【図2】 (a)図はスパイラル型膜モジュールの袋状膜の斜視図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面図である。
【図3】 図2のスパイラル型膜モジュールの袋状膜の巻き付け方法を示す断面図である。
【図4】 図2の膜モジュールの巻回体とソケットとの係合関係を示す斜視図である。
【図5】 図2のスパイラル型膜モジュールの側面図である。
【図6】 従来のスパイラル型膜モジュールの構造を示す一部分解斜視図である。
【符号の説明】
10 袋状膜
11 第1の辺部
12 第2の辺部
13 第3の辺部
14 第4の辺部
15 流路材
16,17,18 接着剤
19 フィン
20 シャフト
24 巻回体
25 ソケット
29 メッシュスペーサ
30 透過水流出用の開放部
31 透過水流出阻止用の閉鎖部
40A,40B スパイラル型膜モジュール
50A,50B ベッセル
60A,60B 原水ライン
62A,62B 逆洗排水取出ライン
70A,70B 濃縮水ライン
80A,80B 透過水ライン
84 気体ライン

Claims (5)

  1. 複数の膜モジュールを備えてなる膜分離装置の運転方法にであって
    一部の膜モジュールで本逆洗を行なっている間、他の膜モジュールでは原水を濾過する定常濾過運転を行う膜分離装置の運転方法において、
    該本逆洗は、膜モジュールに水を逆流させる工程と、この逆流を停止しておく工程とからなる逆洗サイクルを連続して複数回繰り返すものであり、
    該本逆洗を2〜24時間継続して行うようにした膜分離装置の運転方法であって、
    該膜モジュールは、袋状膜の内部に透過水流路材が配置され、袋状膜同士の間には原水流路材が配置されているスパイラル型膜モジュールであって、
    該袋状膜は第1、第2、第3及び第4の辺部を有した略方形であり、該第1、第2及び第3の辺部は封じられ、該第4の辺部は一部が開放部となり残部が閉鎖部となっており、
    前記第4の辺部と直交する第1の辺部をシャフトに当てて袋状膜を巻回して巻回体とし、前記第4の辺部を該巻回体の後端面に臨ませ、該第4の辺部に対向する第2の辺部を該巻回体の前端面に臨ませ、
    該袋状膜同士の間の原水流路は、該第3の辺部の全体が封じられると共に、第4の辺部にあっては前記袋状膜の開放部と重なる箇所が閉鎖部となっており、且つ前記袋状膜の閉鎖部と重なる箇所が開放部となっているスパイラル型膜モジュールであることを特徴とする膜分離装置の運転方法。
  2. 請求項1において、該本逆洗の逆洗は膜モジュールの透過水側から原水側へ洗浄水を逆流させるものであり、この洗浄水は膜モジュールの透過水であり、逆流を気体圧の印加によって行うことを特徴とする膜分離装置の運転方法。
  3. 請求項1又は2において、前記本逆洗の逆洗排水を定常濾過運転時の原水とすることを特徴とする膜分離装置の運転方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記定常濾過運転は、濾過の途中で短時間の逆洗を行う運転であることを特徴とする膜分離装置の運転方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、該膜モジュールは孔径1μm以上のMF膜であることを特徴とする膜分離装置の運転方法。
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