JP3658755B2 - ふろ加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽の水を加熱する加熱手段および熱交換器と、浴槽と前記熱交換器を繋ぐふろ循環路と、浴槽の水を浴槽と前記熱交換器の間で循環させるためのポンプと、前記ふろ循環路に取り付けられた浴槽の水の温度を検出するふろ温度センサーと、浴槽の水の沸き上げ温度および保温温度を設定するリモコンを備えたふろ加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ふろ加熱装置において、浴槽の水の温度を検出するふろ温度センサーの検出する温度が、リモコンで設定された浴槽の水の沸き上げ温度まで上昇した時点で加熱を停止するものがあった。例えばリモコンの沸き上げ温度の設定値が40℃の場合、ふろ温度センサーの検出温度が40℃となった時点で加熱を停止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のものでは、沸かし上げ時の浴槽水の攪拌が不十分な場合に、加熱装置からポンプにより送られた水がショートサーキットを起こしてしまい、その結果、ふろ温度センサーの検出温度が実際の浴槽内の水の温度よりも高くなり、実際の浴槽内の水は沸き上げ温度の設定値に到達していないにも関わらず、加熱を停止してしまうという問題点があった。ここで、ショートサーキットとは、図1のaで示すように、加熱装置で加熱された水が、浴槽内の水を十分に攪拌せずに再び加熱装置に戻ってきてしまう現象のことである。この問題点を解決するために、従来のものでは、加熱停止後も所定時間ポンプを運転し十分に攪拌した後で、ふろ温度センサーの検出温度と沸き上げ温度の設定値を比較し、沸き上がったかどうかを判断するものがある。しかしながら、このものにおいても、一旦、温度むらができてしまった浴槽内の水の温度を均一にするにはかなりの時間ポンプを運転する必要があり、消費電力が大きくなったり、特に冬場などは浴槽水の循環により放熱が促進され、逆に浴槽の水の温度が低下してしまうなど、エネルギーを無駄にするという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、エネルギーを無駄にすることなく、実際の浴槽内の水を沸き上げ温度の設定値まで沸かし上げることのできる加熱装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
上記目的を達成するために請求項1は、浴槽の水を加熱する加熱手段および熱交換器と、浴槽と前記熱交換器を繋ぐふろ循環路と、浴槽の水を浴槽と前記熱交換器の間で循環させるためのポンプと、前記ふろ循環路に取り付けられた浴槽の水の温度を検出するふろ温度センサーと、浴槽の水の沸き上げ温度および保温温度を設定するリモコンを備えたふろ加熱装置において、前記リモコンで設定されたふろ沸き上がり温度および保温温度を補正するふろ温度補正手段を備えることとしたので、実際の浴槽内の水の温度に合わせてふろ沸き上がり温度および保温温度を補正することができ、ポンプを無駄に運転することなく、実際の浴槽内の水を沸き上げ温度の設定値にまで沸かし上げることができる。
【0006】
請求項2では、前記ふろ温度補正手段は、任意に温度の補正ができるようにしたので、設置現場ごとの浴槽の水の攪拌状態に応じて、ふろ沸き上がり温度および保温温度の補正をすることができる。
【0007】
請求項3では、前記ふろ温度補正手段は前記リモコン上に設けることとしたので、使用者が簡単にふろ沸き上がり温度および保温温度の補正をすることができる。
【0008】
請求項4では、前記ふろ温度補正手段は、前記ふろ循環路の循環量に基づき、前記リモコンで設定されたふろ沸き上がり温度および保温温度を補正することとしたので、温度が自動で補正されるため、わざわざ使用者がリモコンで補正操作をする必要がない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0010】
図2は、本発明の一実施形態である加熱装置をガス給湯機に適用した構成図である。上記ガス給湯機は、図示のように、給湯機本体1、給水源から給湯機本体1に水を供給するための給水管3、及び給湯機本体1内で加熱された水を熱交換器7を介して給湯栓11に供給するための給湯管5で構成されている。更に、給湯機本体1内の給水管3から分岐し、熱交換器7を介さずに給湯管5に接続されたバイパス管43と、バイパス管43と給湯管5の合流部には、熱交換器7で加熱された湯と、バイパス管43から送られてきた水を指令パルスに基づき駆動するステッピングモータMにより混合制御する混合弁41が備えられている。
【0011】
また、給水管3には、給湯源からの水の温度Tcを検出する入水温度センサー25、及び水の量Qを検出する水量センサ27、給湯管5の混合弁41よりも上流側には、熱交換器7出口の温度Thを検出する熱交換器出口温度センサー45、混合弁41よりも下流側には、混合された後の混合湯温Tmを検出する混合湯温検出センサー29、熱交換器内の給湯管には、追焚時に給湯管内の水の温度Tzを検出する沸騰防止センサー47が備えられている。
【0012】
また、給湯機本体1内には、燃焼するのに必要な空気を供給するためのファン9をも備える。さらにバーナ13の上部には着火する際に必要なイグナイタ15、火炎の有無を検出するフレームロッド17が設けられている。また、バーナ13にガスを供給するためのガス供給管23が設けられ、ガス供給管23には供給するガス量を可変するための比例弁19及びガスの供給を開始/停止するための電磁弁21がそれぞれ備えられている。
【0013】
一方、ふろ循環路2は端部を浴槽11に接続し、中途には浴槽11内の湯を循環させるためのポンプ4、循環流量Qfを検出するためのふろ水量センサー10、浴槽11内の湯温Tfを検出するふろ温度センサー49を備える。
【0014】
また、リモコン33には、運転スイッチ35、浴槽の水の沸き上げ温度および保温温度(以下ふろ設定温度と呼ぶ)Tfsを設定する温度設定スイッチ39、浴槽11内の湯を沸かし上げ、その後、保温する際にオン操作する沸かし上げ保温スイッチ38、ふろ設定温度Tfs等を表示する表示部37を備える。
【0015】
上記ガス給湯機は更に、ポンプ4、比例弁19、電磁弁21、ファン9、混合弁41等の制御を行う制御部31をも備える。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態である加熱装置の制御部31の制御ブロック図である。
【0017】
リモコン33の温度設定スイッチ39によりふろ設定温度Tfsが設定され、沸き上がり・保温温度設定手段51へ送られる。沸き上がり・保温温度補正手段52では補正量△Tを決め、沸き上がり・保温温度設定手段51へ送る。補正量△Tは、沸き上がり時の実際の浴槽内の水の温度とふろ設定温度Tfsの差を使用者がリモコン33で設定する。その設定方法は、運転スイッチ35がオフ状態の時に、沸かし上げ保温スイッチ38を10秒以上押し続けることで、補正量△Tの設定モードとなる。その後、温度設定スイッチ39を操作し補正量△Tを設定する。表示部37には補正量△Tが表示される。10秒間、温度設定スイッチ39の操作がないと補正量△Tが確定される。また、別の実施例として、水量センサー10の検出する循環流量Qfに基づき、沸き上がり・保温温度補正手段52で自動設定する方法がある。浴槽内の水の攪拌度合いは、循環流量Qfにより左右されるため、循環流量Qfにより補正量△Tを決定する。
【0018】
図4は、循環流量Qfと補正量△Tの関係図であらかじめ実験により求められたものであり、これを沸き上がり・保温温度補正手段52に記憶させておき、循環流量Qfにより補正量△Tを決定する。循環流量Qfが5リットル/minの場合は、補正量△Tは2Kとなる。沸き上がり・保温温度設定手段51ではふろ設定温度Tfsと補正量△Tを加算して、沸き上がり判定部53へ加算値Tfs+△Tを送る。ふろ設定温度Tfsを40℃としている場合、加算値Tfs+△Tは42℃となる。
【0019】
また、本実施例では循環流量Qfが6リットル/min以上の場合でも浴槽11内の水を完全に攪拌することはできないため、補正量△Tは0.5Kとしている。
【0020】
沸き上がり判定部53ではこの加算値Tfs+△Tと浴槽11内の湯温Tfを比較して、燃焼制御部54へふろの追焚燃焼を行うのか停止するのかの判断情報Fを送る。燃焼制御部54では、判断情報Fに基づきポンプ4、比例弁19、電磁弁21、ファン9を制御する。この時、リモコン33の運転スイッチ35がオン状態の時は、表示部37には、補正量△Tとは関係なく、常にふろ設定温度Tfsが表示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ショートサーキットの説明図
【図2】本発明の一実施形態である加熱装置をガス給湯機に適用した構成図
【図3】本発明の一実施形態である加熱装置の制御部31の制御ブロック図
【図4】循環流量Qfと補正量△Tの関係図
【符号の説明】
4…ポンプ
7…熱交換器
9…ファン
10…ふろ水量センサー
11…ふろ循環路浴槽
19…比例弁
21…電磁弁
31…制御部
33…リモコン
35…運転スイッチ
37…表示部
38…沸かし上げ保温スイッチ
39…温度設定スイッチ
49…温度センサー
51…沸き上がり・保温温度設定手段
52…沸き上がり・保温温度補正手段
Tfs…ふろ設定温度
△T…補正量
Qf…循環流量
Tf…浴槽11内の湯温
Claims (3)
- 浴槽の水を加熱する加熱手段および熱交換器と、
浴槽と前記熱交換器を繋ぐふろ循環路と、
浴槽の水を浴槽と前記熱交換器の間で循環させるためのポンプと、
前記ふろ循環路に取り付けられた浴槽の水の温度を検出するふろ温度センサーと、
浴槽の水の沸き上がり温度および保温温度を設定するリモコンを備えたふろ加熱装置において、
前記ふろ循環路の循環量に基づき、前記リモコンで設定されたふろ沸き上がり温度および保温温度を補正するふろ温度補正手段を備えることを特徴としたふろ加熱装置。 - 前記ふろ温度補正手段は、任意に温度の補正ができることを特徴とする請求項1に記載のふろ加熱装置。
- 前記ふろ温度補正手段は、前記リモコン上に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のふろ加熱装置。
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