JP3658729B2 - パン生地形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パン生地の主たる材料を捏ね容器に投入し、捏ね羽根にて捏ねて形成するパン生地形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパン生地形成方法は、捏ね羽根を連続して回転させて捏ね上げたり、特公昭63―13698号公報、特公平4−78255号公報、及び特開平4−148635号公報にて提案されているように捏ね羽根を回転と停止を交互に繰り返して捏ね上げる方法が存在する。捏ね上げ時間(捏ね工程時間)は、概ね15分から25分である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の前者においては、捏ね羽根を連続回転させているため捏ね時間が少し短縮できるが、逆に連続運転のためにジュール熱によってパン生地の温度が上昇し、捏ね工程の次の醗酵工程に支障をきたしており、所望するパン生地ができなかった。
【0004】
後者においては、前者で生じる欠点が理論的には解消される。しかし後者の各公報に開示している回転時間と停止時間は、どちらかの時間が一方的に長く設定されており、たとえば回転時間が長い場合は、前者と同様に捏ね上げ時の温度上昇が高くなっていた。一方、停止時間が極端に長い場合は捏ねが充分行われず、グルテンの形成も充分ではなかった。
【0005】
本発明はこのような従来の問題点を解消し、捏ね羽根の回転と停止時間を種々実験することにより、捏ね上げ時終了時のパン生地温度を最適な範囲に収めると共に、グルテンを充分形成してパン生地の伸展性をよくしたパン生地形成方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパン生地形成方法の要旨は、小麦粉、砂糖、食塩、ドライイースト、水、ショートニング等のパン生地材料を捏ね容器に投入し、駆動手段により捏ね羽根が回転と停止を断続的に繰り返す捏ね工程によってパン生地を造る方法であって、前記捏ね羽根が回転と停止を断続的に複数回繰り返す捏ね工程における前記捏ね羽根の複数回の停止の時間の合計が捏ね工程時間の45%〜35%の範囲であり、且つ前記捏ね羽根の最初の回転時間は他の複数回の個々の回転時間より長く設定すると共に、前記捏ね羽根の最初の回転時間中に水を投入することを特徴とする。
【0007】
したがって、捏ね羽根を回転と停止を交互に繰り返すことで、オートリース(Autolyse)の作用により荒々しかったパン生地の表面が滑らかになり、伸展性も良くなった。また、捏ね羽根の回転と停止の時間比率を上述のようにしたことにより、捏ね工程終了時のパン生地温度の上昇を最小限に抑えることができ、そのために次工程の醗酵工程の温度管理が容易になる。
【0008】
さらに、パン生地材料のうち水は、他の材料(油脂材料を除く)を捏ね容器に投入した後で、且つ捏ね羽根にて撹拌しながら投入するのが良い方法である。本発明は、捏ね羽根の最初の回転時間を他の回転時間より長く設定してあるので、水を最初の長い回転時間内に投入でき、順調に捏ね工程にはいることが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のパン生地形成方法を実施するための捏ね装置は、図1のように構成され、また図2には捏ね羽根の断続駆動をチャートで示している。
【0010】
図1の捏ね装置10において、捏ね容器1の内底に捏ね羽根2を有している。捏ね羽根2は捏ね容器1を着脱自在に載置する基台3内に装着した断続装置4によって回転と停止を繰り返すように駆動される。断続装置4はモーター4bと制御回路4aとから構成されている。モーター4bの回転軸と捏ね羽根2の駆動軸はカップリング5により着脱自在に連結されている。基台3の上面に設けた操作部6により制御回路4aに信号を送り、あらかじめ設定した捏ね工程のプログラムにしたがってモーター4bを断続運転して捏ね羽根2を回転と停止とを所定回数繰り返してパン生地を捏ね上げる。
【0011】
すなわちパン生地をオートリースさせてグルテンの形成を高めるのである。捏ね羽根2の回転と停止の時間は、図2に示すように最初の回転は2分間行いその後1分間の停止をした後に回転と停止を夫々1分間づつ交互に実行し、合計で20分間の捏ね工程を行う。20分間の捏ね工程のうち捏ね羽根2の回転時間は11分であり、停止時間は9分である。すなわち停止時間の合計が捏ね工程時間20分の45%であり、最適な捏ね工程チャートを示したものである。
【0012】
捏ね工程が終わった時点でのパン生地温度は、約28℃から約30℃の範囲が最適である。28℃より低かったり30℃より高かったりすると次工程の1次醗酵が充分行われない。また、醗酵しすぎると炭酸ガスが多くなって酵素が弱り、それ以降の醗酵能力が弱まって、パンに仕上げた時の食感が著しく悪くなっていた。
【0013】
本発明方法で提示した停止時間であれば、図3に示すように捏ね工程終了時のパン生地温度が約28℃から約30℃の範囲に入っており、充分熟成されたパン生地を形成することができる。図3は横軸に捏ね時間(分)を示し、縦軸にはパン生地温度(℃)を示す。図3において曲線イは停止時間の合計が10%、同様にロは35%、ハは45%、ニは75%である。
【0014】
図3から明らかなように曲線イと曲線ニは捏ね工程終了時のパン生地温度が30℃を超えており、あるいは28℃以下であり、次工程の醗酵工程に支障をきたす。また曲線ニの場合は捏ね羽根の回転時間が25%と少ないので充分に捏ねられず、捏ね工程を長くせねばならない等、新たな問題が発生してくる。
【0015】
発明者が、捏ね工程時間を20分に定め、また捏ね工程の初期のパン生地温度を約20℃に定めて種々実験した結果、捏ね羽根の停止時間の合計が捏ね工程時間の約45%から約35%の範囲であると捏ね工程終了時のパン生地温度が約28℃から約30℃の範囲に入り、しかもグルテンの形成も充分おこなわれ、荒々しかったパン生地の表面が滑らかになり伸展性もよくなる結果を得た。
【0016】
図1において、捏ね容器1はアルミニューム等から構成され、上部投入開口には蓋7が取り外し自在に設けられている。内面には図示していないが捏ね羽根2と共同して捏ね効果を出すための突条が形成されている。またパン生地が付着しないようにフッ素皮膜等が内面に設けられている。捏ね羽根2はプラスチック等で構成され駆動軸に対して着脱されるようになされている。
【0017】
断続装置4の制御回路4aはモーター4bを回転と停止を指示すると共に周知のタイマー機能が備えられており、捏ね工程時間や回転時間と停止時間を交互に実行する指示信号と出力しモーター4aを制御する。たとえば停止時間の合計が45%とか35%に操作部で設定すると、この制御回路4aで1回の回転時間及び停止時間を計算して全体の捏ね工程を司るような回路構成になっている。
【0018】
【実施例】
図1の捏ね装置10を用い部屋温度25℃の環境下にて下記組成のパン生地を形成した。
パン生地材料
▲1▼小麦粉(強力粉) 700g
▲2▼砂糖 35g
▲3▼スキムミルク 35g
▲4▼食塩 14g
▲5▼ドライイースト 14g
▲6▼水 490g
▲7▼ショートニング 35g
【0019】
上記の材料のうち、▲1▼から▲5▼の材料を先に捏ね容器1に投入し、手で軽くかき混ぜる。その後操作部6を使って断続装置4を駆動する。すると捏ね羽根2は図2のチャートのように2分間回転を始める。回転と同時に上記材料の残っている▲6▼の水を捏ね容器1に投入する。捏ね羽根2の回転中に水を入れると小麦粉内に容易に浸透して混練されやすい。したがって捏ね羽根の最初の回転時間を2分間とし他の回転時の時間より倍にしてあり、確実に最初の回転時に水が投入できるようにしてある。もし捏ね羽根2の停止中に水を入れた場合は水が小麦粉内に浸透しない部分ができて小麦粉のままの部分とダンゴ状態部分とに分離することが生じていた。
【0020】
捏ね工程終了時(捏ね上げ時)のパン生地温度を抑えるために捏ね開始時の材料温度を約20℃になるよう水の温度を調整してある。すなわち周囲温度(部屋温度)が暖かい夏季の場合は冷たい水を使用し、また水以外の他の材料も低温保存しておけば温度上昇を抑えることができて、より一層良好なパン生地を造ることができる。
【0021】
捏ね羽根の回転と停止が交互に繰り返される捏ね工程の最初の停止期間(パン生地がひとつの塊りになった頃)に、ショートニングをゴムべらを使って塊のパン生地表面に塗りつける。ショートニングを最初から材料中に投入するとショートニングの油脂が小麦粉ひとつずつの粒子に付着し、そのためにグルテンが出来なくなってしまい、伸展性のないパン生地ができてしまう。したがって本発明はショートニングを捏ね工程の途中に投入するようにした。
【0022】
そして20分の捏ね工程が終了した後に一次醗酵させる。約30℃の雰囲気中において35分間醗酵させる。その後にパン生地を適当な大きさに分割して、それを丸めて20分間ねかす。(ベンチタイム)
【0023】
その後パン生地をローラで伸ばしてガス抜きを行い、さらに丸めてそれを醗酵器に入れて約35℃で約35分間の二次醗酵を行う。最後に約180℃のオーブンに約35分間入れて食パンに焼き上げる。
【0024】
この実施例は、図2のチャート通り行った。また停止時間を変更して行った結果が図3に示すように捏ね終了時のパン生地温度が30℃を超えたり、28℃を下回ったりするとパン生地の表面のつや、色、及び伸展性が良くなかった。実験の結果捏ね羽根の停止時間の合計が45%から35%の範囲であればすべて良好であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、小麦粉等のパン生地材料を駆動手段により捏ね羽根を回転と停止を断続的に繰り返すことで、オートリース(Autolyse)が作用して、荒々しかったパン生地の表面が滑らかになり、伸展性も良好なパン生地を形成できる。また、捏ね羽根の停止の時間の合計が捏ね工程時間の45%〜35%の範囲にしたので、捏ね工程終了時のパン生地温度の上昇を最小限に抑えることができ、そのために次の醗酵工程の温度管理が容易になる。
【0026】
さらに、本発明は捏ね羽根の最初の回転時間を他の回転時間より長く設定してあるので、水を最初の長い回転時間内に投入でき、順調に捏ね工程にはいることができグルテンの形成が良好に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明パン生地形成方法を実施するためのパン生地捏ね装置の概略断面図である。
【図2】 図1に使用する捏ね羽根の断続駆動を示すチャート図である。
【図3】 同じく捏ね羽根の停止時間によって捏ね工程中のパン生地温度の変化を示す曲線図であり、横軸に捏ね工程時間、縦軸にパン生地温度を示している。
【符号の説明】
1 捏ね容器
2 捏ね羽根
3 基台
4 断続装置
4a 制御回路
4b モーター
5 カップリング
6 操作部
10 捏ね装置
Claims (1)
- 小麦粉、砂糖、食塩、ドライイースト、水、ショートニング等のパン生地材料を捏ね容器に投入し、駆動手段により捏ね羽根が回転と停止を断続的に繰り返す捏ね工程によってパン生地を造る方法であって、前記捏ね羽根が回転と停止を断続的に複数回繰り返す捏ね工程における前記捏ね羽根の複数回の停止の時間の合計が捏ね工程時間の45%〜35%の範囲であり、且つ前記捏ね羽根の最初の回転時間は他の複数回の個々の回転時間より長く設定すると共に、捏ね羽根の最初の回転時間中に水を投入することを特徴とするパン生地形成方法。
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JP2001333670A JP3658729B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | パン生地形成方法 |
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JP2001333670A JP3658729B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | パン生地形成方法 |
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Family
ID=19148897
Family Applications (1)
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JP2001333670A Expired - Lifetime JP3658729B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | パン生地形成方法 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
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-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001333670A patent/JP3658729B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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