JP3657695B2 - 被処理基板の移載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板の移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ(以下ウエハという)のパーティクル汚染を抑えるために密閉型のウエハカセットが検討されている。この密閉型のウエハカセット1は、例えば図8に示すように、ウエハWを例えば13枚収納するカセット本体10と、このカセット本体10に形成されたウエハ取り出し口を、Oリング12を介して気密に塞ぐための蓋体11とを備えており、この蓋体11は、例えば蓋体11に図示しないキ−を差し込むことによりロックされてカセット本体10に固定されるように構成されている。
【0003】
ここでウエハのパーティクル汚染をより低減させるためには、ウエハカセットが置かれるカセット載置領域とウエハの移載領域とを区画し、後者の領域のクリ−ン度を前者の領域よりも高くすることが望ましい。このため前記カセット載置領域を第1の雰囲気、ウエハの移載領域を第2の雰囲気と呼ぶことにすると、第1の雰囲気と第2の雰囲気とを壁部13にて区画し、処理の際には、壁部13に形成された開口部14に第1の雰囲気側から前記ウエハカセット1を装着し、このウエハカセット1内のウエハを第2の雰囲気側から取り出すシステムを検討している。
【0004】
上述のウエハカセット1の装着構造について説明すると、壁部13の開口部14にウエハカセット1を装着したときに、前記開口部14の周縁部においてウエハカセット1と壁部13との間及び、開閉機構15と壁部13との間に、約2mm程度の隙間が形成されるように各部を構成すると共に、第1の雰囲気よりも第2の雰囲気を陽圧に設定して第2の雰囲気から、クリ−ンエアをこの隙間を介して常時第1の雰囲気側へ流出させ、第1の雰囲気側から第2の雰囲気側へパーティクルが侵入することを防ぐようにしている。なお図中16は載置台、17は開口部14の蓋部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記隙間を流れるエアが渦を巻き、一方隙間を形成する壁部13、ウエハカセット1、及び開閉機構15の各面の表面近傍では、エアが非常に緩やかで流速が零に近いため、第1の雰囲気側のエアが第2の雰囲気から流れ込むエアの渦に巻き込まれて、前記表面に沿って第2の雰囲気側に流れ込んでしまう。これによりエアと共にパーティクルが第2の雰囲気側に侵入してしまい、せっかく密閉型のウエハカセット1を用いてウエハのパーティクル汚染を防止しようとしているのに、その趣旨が十分生かされなくなってしまう。また例えばウエハボ−トへのウエハの移載領域を窒素ガス雰囲気として、自然酸化膜の成長を防止しようとする装置においては、処理領域中の酸素濃度を管理することが難しくなってしまう。
【0006】
また密閉型のウエハカセットは、カセット内でウエハの位置合わせを行うことができず、ウエハカセットからウエハを取り出した後にウエハの位置合わせを行う必要がある。さらにウエハカセットの交換は、カセット本体10に蓋体11を取り付けてから、ウエハカセット1を壁部13から取り外し、新しいウエハカセット1を壁部13の開口部14に装着して行われるものであり、蓋体13の着脱や、ウエハカセット1自体の着脱に時間がかかるため、ウエハカセット1の交換にかなりの時間がかかってしまう。従って密閉型のウエハカセットを用いるシステムを組むにあたっては、ウエハの位置合わせの時間及びウエハカセットの交換の時間が加算されてくるため、スル−プットが低下しないような工夫を検討することが要請される。
【0007】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、密閉型の被処理基板カセットを用いて被処理基板の移載を行なう場合に、被処理基板の移載領域のクリ−ン度の低下を抑えることのできる被処理基板の移載装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の雰囲気と第2の雰囲気とを区画する垂直な壁部を備え、前記第1の雰囲気内に位置する被処理基板カセット内の被処理基板と第2の雰囲気との間で被処理基板を移載するための装置であって、
前記壁部に形成された被処理基板受け渡し用の開口部と、
第1の雰囲気側に設けられ、被処理基板を収納するカセット本体とこのカセット本体の側面に形成された被処理基板取り出し口を気密に塞ぐための蓋体とを有する密閉型の被処理基板カセットを、被処理基板取り出し口が前記開口部に適合するように載置するためのカセット載置部と、
前記壁部の開口部の周縁部と前記被処理基板カセットの被処理基板取り出し口の周縁部との間を封止して当該カセット内空間と前記第1の雰囲気とを気密に区画するための弾性のある封止部材と、
前記カセットを前記封止部材の弾性力に抗して壁部に対して押圧する押圧機構と、
前記壁部の開口部を気密に塞ぐための壁部用の蓋体と、
前記壁部用の蓋体を開閉するための第1の開閉手段と、
前記壁部用の蓋体に設けられ、前記カセットの蓋体を開閉するための第2の開閉手段と、
前記第2の雰囲気内に設けられ、前記カセットに対して被処理基板の受け渡しを行うための移載機構と、
前記カセットを前記押圧機構により封止部材の弾性力に抗して、壁部に押圧したときの当該カセットの着脱方向の位置を検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出値に基づいてカセット内への移載機構の伸び出しストロ−クを制御する制御手段と、を備え、
前記壁部用の蓋体は、前記カセットの蓋体と共に前記壁部の開口部から取り外されることを特徴とする。
【0009】
本発明の一つの態様においては、前記カセットの蓋体は、当該蓋体に設けられたロックピンによりカセット本体に固定され、前記第2の開閉手段は、カセットの蓋体に形成された鍵穴にキーを挿入してロックピンを操作することにより蓋体とカセット本体との固定を開放するキー操作機構を有する。
また本発明の一つの態様においては、カセット載置部は、前記カセットが位置合わせされた状態で載置されると共に前記壁部に対して進退自在なステージを備えている。
【0010】
また本発明は、被処理基板カセットを壁部に取り付けたときに、壁部用の蓋体と被処理基板カセットとの間に形成される空間に清浄気体を通気させるための手段を設けるようにしてもよいし、前記空間に当該空間を減圧するための減圧手段を設けるようにしてもよい。ここで第2の雰囲気が不活性ガス雰囲気である場合には、清浄気体は不活性ガスとされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る被処理基板の移載装置を縦型熱処理装置に適用した例を示す図であり、図2はその要部を示す断面図である。この装置は、壁部2によりウエハカセット載置領域である第1の雰囲気S1と、ウエハの移載領域である第2の雰囲気S2とに区画されている。この壁部2には、図2に示すように、ウエハの受け渡し用の開口部21が形成されており、この開口部21の第1の雰囲気S1側の周縁部には、段部21aが形成されている。
【0013】
この段部21aの段面(後述するウエハカセット3の着脱方向に対向する面)には封止部をなす弾性材例えばテフロンよりなるOリング22が設けられている。このOリング22は、ウエハカセット3の周縁部と、前記壁部2の開口部21との間を封止して、第1の雰囲気S1とウエハカセット3内空間とを気密に区画するためのものである。また前記開口部21を囲む壁部2の内周面に夫々開口するように、窒素(N2 )ガス供給路23と排気路24とが設けられており、N2 ガス供給路23及び排気路24の他端側には、夫々N2 ガス供給源25と、真空ポンプ26とが接続されている。
【0014】
前記開口部21の第1の雰囲気S1側には、被処理基板カセットをなす密閉型のウエハカセット3が壁部2に密着されている。このウエハカセット3は、例えば図3に示すように、例えば13枚の被処理基板であるウエハWを棚状に保持するようにウエハ保持部30が多段に形成されたカセット本体31と、このカセット本体31のウエハ取り出し口である開口部33を気密に塞ぐための蓋体32とを備えている。
【0015】
蓋体32は、図2に示すように、カセット本体31の開口部33の内側に入り込むように設けられており、カセット本体31の内周面には、蓋体32のストッパとなる突状部34が形成されていて、蓋体32と突状部34との間にはOリング35が設けられている。また蓋体32には、例えば2か所に鍵穴36aが設けられており、この鍵穴36aに後述の第2の開閉機構に設けられたキ−36を挿入して回すことにより、蓋体32の上端と下端とから例えば4本のロックピン37が突出して、カセット本体31に蓋体32が固定されるように構成されている。またカセット本体31の開口部33の周縁部は外側に屈曲して鍔部31aとして形成されている。
【0016】
前記ウエハカセット3はカセット載置部4のステ−ジ41上に載置されており、このカセット載置部4により、ウエハカセット3は前記ウエハの受け渡し用の開口部21に適合する位置に保持され、前記鍔部31aの鍔面が前記ウエハの受け渡し用開口部21の段部21aの段面にOリング22を介して密接するように、前記開口部21に装着される。図1では、便宜上壁部2及びカセット載置部4は、通常の位置よりも手前側に描かれているが、実際にはこれらは後述する第1の移載機構8A側に寄った位置にある。
【0017】
前記カセット載置部4は、例えば3本の突起41aが形成されたステ−ジ41と、ステ−ジ41を支持するためのステ−ジ支持台42と、ウエハカセット3の着脱方向に基台44上に設けられたガイドレ−ル43とを備え、ステ−ジ支持台42が前記ガイドレ−ル43上を前記着脱方向に移動できるように構成されている。
【0018】
前記ウエハカセット3の底面には、ステ−ジ41の突起41aと適合するように凹部31bが形成されており、この凹部31bに突起41aが係合してウエハカセット3のステ−ジ41上での位置合わせが行われるように構成されている。また前記ステ−ジ支持台42の後方側(処理領域S2と反対側)には、ステ−ジ支持台42を壁部2側へ押圧するための例えばエアシリンダよりなる押圧機構45が設けられている。
【0019】
前記壁部2のウエハの受け渡し用の開口部21の第2の雰囲気S2側には、例えば図4に示すように、前記開口部21の処理領域S2側を気密に塞ぐための壁部2用の蓋体51が設けられている。この蓋体51は、第2の雰囲気S2側の開口部21の周縁部を覆う大きさに形成されており、第1の開閉機構によって開閉されるように構成されている。この第1の開閉機構は、蓋体51を昇降軸55aにより昇降させるための昇降基台55と、この昇降基台55を水平方向に移動させるための水平基台56とを備えている。
【0020】
前記蓋体51には、ウエハカセット3の蓋体32を開閉するための第2の開閉手段52が組み合わせて設けられており、この第2の開閉手段52は、キ−36を進退、回転させるキ−操作機構53を有している。第2の雰囲気S2側の開口部21の周縁部には、壁部用蓋体51の周縁部との間を気密に塞ぐように、伸縮自在な蛇腹状のシ−ル部材54が吸盤により固定されている。
【0021】
続いて第2の雰囲気S2におけるウエハの移載や位置合わせのための機構に関して図1を参照しながら説明する。第2の雰囲気S2には、ウエハを一旦仮置きするための中間受け渡し台6と、この前段側に配置され、ウエハの向きの位置合わせを行なう位置合わせ機構7と、前記中間受け渡し台6の後段側に配置され、熱処理ステ−ションの一部をなす例えばウエハボ−トWBと、ウエハカセット3と中間受け渡し台6と位置合わせ機構7との間でウエハの受け渡しを行なう第1の移載機構8Aと、中間受け渡し台6とウエハボ−トWBとの間でウエハの受け渡しを行なう第2の移載機構8Bとが設けられている。
【0022】
前記中間受け渡し台6は、ウエハWの中心の位置合わせを行う機構が組み合わされており、1カセット分(13枚)以上例えば5カセット分のウエハを搭載できるように、65段に配列されたウエハWの中心の位置合わせ用の載置リング61を備えている。各載置リング61は、ウエハWの周縁に対応する位置に沿って例えば左右対称位置に例えば5本ずつ合計10配列された円錐状のテ−パピン62を備えていて、このテ−パピン62の先端側の間と、後端側の間は、夫々前記第1の移載機構8Aと第2の移載機構8Bの進入空間を形成している。
【0023】
位置合わせ機構7は、複数段例えば5段に配列された固定基台71を備えており、各固定基台71には、ウエハWの裏面を保持して駆動部73により鉛直軸のまわりに回転するタ−ンテ−ブル72と、タ−ンテ−ブル72上のウエハのノッチやオリフラを検出するための光センサ74が設けられている。この位置合わせ機構7では、光センサ74からの検出信号に基づいてタ−ンテ−ブル72の回転角が制御され、ウエハが所定の向きに位置合わせされる。
【0024】
前記第1の移載機構8A及び第2の移載機構8Bは、ウエハを複数枚例えば5枚一括して移載でき、また1枚づつの移載もできるように例えば5枚の移載ア−ム81を備えており、進退自在、昇降自在、回転自在に構成されると共に、各アーム81のピッチ(上下間隔)を可変できるようになっている。
【0025】
続いて上述の実施の形態の作用について説明する。先ずウエハWが収納されたウエハカセット3をカセット載置部4に載置して、押圧機構45により押圧し、これによりウエハカセット3の鍔部31aの鍔面をウエハの受け渡し用開口部21の段部21aの段面にOリング22を介して押圧し、第1の雰囲気S1と開口部21との間を気密にシ−ルする。
【0026】
そして壁部2の開口部21の空間(壁部用蓋体51とウエハカセット3との間)を真空ポンプ26により排気路24を介して例えば0.07MPa程度に減圧しながら、当該開口部21にN2 ガス供給路23により清浄ガスである不活性ガス例えばN2 ガスを供給し、当該空間のエアをN2 ガスにより置換する。次いで第2の開閉手段52のキ−操作機構53のキ−36が、ウエハカセット3の蓋体32の鍵穴36aに挿入されて回され、これによりロックピン37が解除されて前記蓋体32が開かれる。
【0027】
その後第1の開閉手段の水平基台56により壁部用蓋体51を後退させてから昇降基台55により下降させて、壁部用蓋体51を蓋体32と共に、前記開口部21から取り外す。この後第1の移載機構8Aの移載ア−ム81をウエハカセット3内に進入させてカセット3の5枚のウエハWを一括して掬い上げて保持し、中間受け渡し台6に移載する。中間受け渡し台6では、前記移載ア−ム81が載置リング61の先端側のア−ムの進入空間に進入し、載置リング61のテ−パピン62のテ−パ面の内周面にウエハWの周縁が当接するようにウエハWを載置する。これによりウエハWの周縁はテ−パピン62のテ−パ面により規制されるため、ウエハWの中心の位置合わせが行なわれる。
【0028】
このようにしてウエハカセット3内の13枚のウエハWを中間受け渡し台6に移載した後、壁部用の蓋体51によりウエハの受け渡し用の開口部21を閉じる。そして空のウエハカセット3を新しいウエハカセット3に交換するが、その交換の間に第2の雰囲気S2では、ウエハWの位置合わせ及びウエハボ−トへの移載が行われる。
【0029】
即ち第2の雰囲気S2では、図5に示すように、中間受け渡し台6に載置されているウエハWを、第1の移載機構8Aの移載ア−ム81により位置合わせ機構7のタ−ンテ−ブル72に移載して、既述のようにウエハWのノッチの位置合わせを行なう。なお位置合わせ機構7では、図示しない突き上げピンをタ−ンテ−ブル72上面から突出させ、この突き上げピンを介してタ−ンテ−ブル72上にウエハWを受け渡す。
【0030】
続いて位置合わせ機構7上のウエハWを、第1の移載機構8Aにより中間受け渡し台6に移載した後、中間受け渡し台6から第2の移載機構8Bの移載ア−ム81によりウエハボ−トWBに移載し、例えばこのウエハボ−トWBの上方に配置された熱処理炉Hに、このウエハボ−トWBを搬入して所定の熱処理を行なう。
【0031】
このようなウエハの移載装置では、ウエハカセット3が壁部2のウエハの受け渡し用の開口部21に装着されていないときには、壁部用蓋体51により前記開口部21は閉じられると共に、壁部用蓋体51と前記開口部21の周縁部との間はシ−ル部材54によりシ−ルされているので、第1の雰囲気S1のクリ−ン度の低いエアが第2の雰囲気S2に侵入することが抑えられる。
【0032】
またウエハカセット3が前記開口部21に装着された後は、開口部21におけるウエハカセット3と壁部用蓋体51との間に形成された隙間には、第1の雰囲気S1のエアが侵入しているが、この隙間にN2 ガスを供給しながら減圧することにより、前記エアがN2 ガスで置換され、前記エアにより隙間に持ち込まれたパーティクルも排気路24を介して除去される。
【0033】
このため、壁部用蓋体51を開いたときの隙間の雰囲気のクリ−ン度は高く、またウエハカセット3と壁部2との間のOリング22により、第1の雰囲気S1と第2の雰囲気S2とは気密にシ−ルされているので、第2の雰囲気S2内のクリ−ン度が低下することが抑えられる。
【0034】
また第2の雰囲気S2内を窒素ガス雰囲気とする処理装置においては、開口部21内自体が窒素ガス雰囲気となっているので、第2の雰囲気S2内に酸素ガスが実質入り込むおそれがなく、第2の雰囲気S2を所定の窒素ガス雰囲気とすることができる。なお清浄ガスとしてはN2 ガス以外のアルゴン等の不活性ガスやクリ−ン度の高いエアを用いることができる。
【0035】
さらに上述のウエハの移載装置では、ウエハカセット3内の全部のウエハWを先ず中間受け渡し台6に移載して仮置きし、ウエハカセット3内を空にして交換できる状態にしているため、ウエハWの位置合わせ作業及びウエハボ−トWBへの移載作業と、ウエハカセット3の交換作業とを並行して行うことができる。従ってウエハWの位置合わせ、移載に要する時間とウエハカセット3の交換作業に要する時間との足し合せがなくなり、カセット3内のウエハが処理ステ−ション内への搬入されるまでの時間を短縮することができる。密閉型のウエハカセット3の場合には、ウエハカセット3の交換に長い時間を要し、またウエハWをウエハカセット3から取り出した後位置合わせを行なわなければならない事情があることから今後の処理システムに対し、スループットを図る上で非常に有効な手法である。
【0036】
以上において本実施の形態では、壁部用蓋体51と第2の開閉手段52とは一体ではなく別個に設けるようにしてもよいし、N2 ガス供給路23と排気路24とは必ずしも設けなくてもよい。また封止部材はOリング22に限られるものではないし、押圧機構45を設けない構成としてもよい。さらに位置合わせ機構7にてウエハWの中心、周方向の位置合わせを行ない、中間受け渡し台6では位置合わせを行なわないようにしてもよい。ウエハWの中心、周方向の位置合わせの両方は、例えばタ−ンテ−ブル72と載置リング61とを組み合わせ、両者を相対的に昇降自在な構成とすることで実現できる。
【0037】
さらに本実施の形態では、中間受け渡し台6を設けた場合には、上述の如く効果があるが、この場合従来のような、第2の雰囲気S2を第1の雰囲気S1よりも陽圧に設定し、第2の雰囲気S2からエアを流出させることにより、第1の雰囲気S1から第2の雰囲気S2へのエアの侵入を防ぐタイプのシステムに適用してもよい。
【0038】
続いて本発明の第2の実施の形態について図6により説明する。本実施の形態は、ウエハカセット3がウエハの受け渡し用の開口部21の段部21aに押圧されたときに、これらの間に封止部材としてOリング22のような弾性材を用いた場合、例えばOリング22の潰れ代が安定しないため、ウエハカセット3毎にウエハカセット3の着脱方向の固定位置がまちまちであることに着眼してなされたものである。
【0039】
即ちウエハカセット3の位置が一定しないということは、ウエハWを中心の位置合わせを行なってウエハカセット3内に収納したとしても、第1の移載機構8Aの移載ア−ム81側から見ると、ウエハカセット3内のウエハWの受取り位置が異なってしまう。従って移載ア−ム81のストロ−クが同じであれば、ウエハWが移載ア−ム81に移載された段階でウエハWの中心位置がずれてしまうので、再度中心の位置合わせが必要となる。本実施の形態は、このような問題を解決するためになされたものである。
【0040】
本実施の形態が上述の実施の形態と異なるところは、カセット載置部4の前方側(第2の雰囲気S2側)にカセット載置部4の固定位置を検出するための検出手段9例えばマイクロデジタルスケ−ルを設けると共に、この検出手段9の検出信号を第1の移載機構8Aの制御手段Cに入力し、この制御手段Cにて前記入力信号に基づいて移載ア−ム81のストロ−クを決定することである。
【0041】
前記マイクロデジタルスケ−ルは、例えば本体91からストック92が所定距離突出した構造であって、このストック92が押されて本体に突入した距離を測定することにより、0.1mmの単位で移動距離を検出できるものであり、本実施の形態では、カセット載置部4が少なくともOリング22に当接する手前から例えばカセット載置部4が初期の位置(ウエハカセット3が載置されるときの位置)に停止しているときに、このストック92の先端が、前記カセット載置部4の前面に当接するように配置される。このようにするとストック92の位置が分かるので、カセット載置部4の位置が分かり、マイクロデジタルスケ−ルからの検出信号は、ウエハカセット3の位置情報として制御手段Cに送信され、移載ア−ム81のストロ−クつまりウエハカセット3への進入距離が制御される。
【0042】
例えば図7(a)に示すように、Oリング22の潰れ代が小さく、ウエハカセット3の移動距離が予め予定されている移動距離(図中に破線で示す)よりも短い場合には、移載ア−ム81のウエハカセット3への進入距離を長くする。また図7(b)に示すように、Oリング22の潰れ代が大きく、ウエハカセット3の移動距離が予め予定されている移動距離よりも長い場合には、移載ア−ム81のウエハカセット3への進入距離を短くする。
【0043】
このようにしてウエハカセット3の移動距離に応じて、移載ア−ム81の進入距離を制御し、ウエハWの受け取り位置を制御すれば、Oリング22の潰れ代が異なっても、移載ア−ム81上のウエハWの位置は常に同じとなるため、ウエハWの中心の位置は一定であり、移載ア−ム81によるウエハWの移載の精度が高くなり、新たに中心の位置合わせを行なう必要はなくなる。
【0044】
以上において本実施の形態では、例えば検出手段9として、上述のマイクロデジタルスケ−ルの代わりに、例えばカセット載置部4のレ−ル43に例えばガラススケ−ル等のスケ−リング機器を設け、これによりカセット載置部4の移動距離を検出するなど他の手段を採用してもよい。また本発明は被処理基板として液晶ディスプレイ基板を用いた装置に適用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、被処理基板のパーティクル汚染をできるだけ低減するために、密閉型の被処理基板カセットを用い、しかも被処理基板カセットの置かれる第1の雰囲気と被処理基板の移載が行なわれる第2の雰囲気とを区画して、被処理基板カセット装着のための開口部を封止しているので、被処理基板の置かれる雰囲気はいつも清浄度が高く被処理基板の汚染を防止することができる。
【0046】
また本発明によれば、カセット載置部の着脱方向の固定位置を検出して、これに基づいて移載機構の被処理基板カセット内での被処理基板の受取り位置を制御するようにしたので、封止部材の潰れ代が一定でなくても、移載機構上の被処理基板の位置が一定となり、移載機構による被処理基板の移載の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る被処理基板の移載装置を縦型熱処理装置に適用した例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る移載装置の一部を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る被処理基板カセットを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る被処理基板カセット、シ−ル部材、第2の開閉手段、壁部用蓋体を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る移載装置の作用を説明する平面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る移載装置を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る移載装置の作用を説明する説明図である。
【図8】従来の移載装置の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
2 壁部2
21 ウエハの受け渡し用の開口部
22、35 Oリング
3 ウエハカセット
31 カセット本体
32 蓋体
36 キ−
4 カセット載置部
43 ガイドレ−ル
45 押圧機構
51 壁部用蓋体
52 第2の開閉手段
54 シ−ル部材
55 昇降基台
56 水平基台
6 中間受け渡し台
7 位置合わせ機構
8A、8B 移載機構
81 移載ア−ム
9 検出手段
C 制御手段
Claims (6)
- 第1の雰囲気と第2の雰囲気とを区画する垂直な壁部を備え、前記第1の雰囲気内に位置する被処理基板カセット内の被処理基板と第2の雰囲気との間で被処理基板を移載するための装置であって、
前記壁部に形成された被処理基板受け渡し用の開口部と、
第1の雰囲気側に設けられ、被処理基板を収納するカセット本体とこのカセット本体の側面に形成された被処理基板取り出し口を気密に塞ぐための蓋体とを有する密閉型の被処理基板カセットを、被処理基板取り出し口が前記開口部に適合するように載置するためのカセット載置部と、
前記壁部の開口部の周縁部と前記被処理基板カセットの被処理基板取り出し口の周縁部との間を封止して当該カセット内空間と前記第1の雰囲気とを気密に区画するための弾性のある封止部材と、
前記カセットを前記封止部材の弾性力に抗して壁部に対して押圧する押圧機構と、
前記壁部の開口部を気密に塞ぐための壁部用の蓋体と、
前記壁部用の蓋体を開閉するための第1の開閉手段と、
前記壁部用の蓋体に設けられ、前記カセットの蓋体を開閉するための第2の開閉手段と、
前記第2の雰囲気内に設けられ、前記カセットに対して被処理基板の受け渡しを行うための移載機構と、
前記カセットを前記押圧機構により封止部材の弾性力に抗して、壁部に押圧したときの当該カセットの着脱方向の位置を検出するための検出手段と、
前記検出手段の検出値に基づいてカセット内への移載機構の伸び出しストロ−クを制御する制御手段と、を備え、
前記壁部用の蓋体は、前記カセットの蓋体と共に前記壁部の開口部から取り外されることを特徴とする被処理基板の移載装置。 - 前記カセットの蓋体は、当該蓋体に設けられたロックピンによりカセット本体に固定され、
前記第2の開閉手段は、カセットの蓋体に形成された鍵穴にキーを挿入してロックピンを操作することにより蓋体とカセット本体との固定を開放するキー操作機構を有することを特徴とする請求項1記載の被処理基板の移載装置。 - カセット載置部は、前記カセットが位置合わせされた状態で載置されると共に前記壁部に対して進退自在なステージを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の被処理基板の移載装置。
- カセットを壁部に取り付けたときに、壁部用の蓋体とカセットとの間に形成される空間に清浄気体を通気させるための手段を設けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の被処理基板の移載装置。
- 第2の雰囲気が不活性ガス雰囲気であり、清浄気体は不活性ガスであることを特徴とする請求項4記載の被処理基板の移載装置。
- 前記壁部用の蓋体とカセットとの間に形成される空間を減圧するための減圧手段を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載の被処理基板の移載装置。
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