JP3657527B2 - 電源装置及びそれを備えた表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶表示装置等の表示装置に搭載され、表示画素を駆動する駆動用電源を供給する電源装置、及び該電源装置を搭載した表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示装置の一つである液晶表示装置では、本発明の説明図である図2を参照して説明すると、液晶パネル1のセグメント電極側に、セグメント電極X1〜Xmを駆動するセグメントドライバ3が配される一方、コモン電極側に、コモン電極Y1〜Ynを駆動するコモンドライバ2が配設されており、これらセグメントドライバ3及びコモンドライバ2に、電源回路(電源装置)5より、駆動用電源V0,V2,V3,V5が供給され、コモンドライバ3に、電源回路5より、駆動用電源V0,V1,V4,V5が供給されるようになっている。
【0003】
従来、駆動用電源V0〜V5を供給する上記電源回路5として、次に示すような回路構成が各種提案されている。なお、電源回路5において、セグメントドライバ3に供給する電圧の発生回路も、コモンドライバ2に供給する電圧の発生回路も基本的には同じ構成であるので、ここでは説明を簡単にするため、セグメントドライバ3に供給する電圧の発生回路を例に説明する。
【0004】
図12に示す電源回路35は、抵抗分圧して駆動用電源V0,V2,V3,V5を出力するものである。3つのブリーダ抵抗R101・R102・R103により電源(VEE)−接地(GND)間を分圧して2つの中間電圧を形成し、これを駆動用電源V2,V3として出力している。
【0005】
また、図13に示す電源回路36は、出力段を低インピーダンス化するために、図12の電源回路35における、抵抗分圧して駆動用電源V2,V3を得るラインに、オペアンプOP1及びオペアンプOP2を接続したものである。オペアンプOP1及びオペアンプOP2にてインピーダンス変換を行うことで、分圧して生成された駆動用電源V2,V3の電圧が安定する。
【0006】
これら図12及び図13の電源回路35・36では、容量負荷である液晶パネルの画素の充放電を行っても、電圧変動を少なくし、駆動用電源V0,V2,V3,V5の電圧安定化を図るために、ブリーダ抵抗R101〜R103の抵抗値を小さくすることが好ましい。しかしながら、ブリーダ抵抗R101〜R103の抵抗値を小さくすることは、電源回路35・36における消費電力の増大を招くこととなる。
【0007】
また、図13の電源回路36においては、オペアンプOP1・OP2で液晶表示用に充分な給電力を確保しようとした場合、オペアンプ回路内の定電流をある程度大きくしなければならず、このことが低消費電力化の大きな妨げとなる。つまり、定電流源としてオペアンプOP1・OP2の入力段にある差動対部と出力段の2種類が主にあるが、特に出力段に負荷回路として備えられている定電流源は定電流値を大きくしないと電圧変動への追随がなくなる。
【0008】
そこで、このような従来構成の不具合を解消するものとして、特開昭55−146487号公報には、基本構成として図12の電源回路35の構成を採用しながら、低消費電力化を図ってブリーダ抵抗の抵抗値を高くしても、駆動用電源V0,V2,V3,V5の電圧安定化を図ることのできる電源回路が開示されている。
【0009】
図14に、上記公報に記載の構成を採用した電源回路37を示す。
【0010】
この電源回路37は、高電位側を接地電位としている。そのため、ここでは駆動用電源V0,−V2,−V3,−V5を得るものである。高抵抗値のブリーダ抵抗(以下、単に抵抗とする)R101〜R108にて、駆動用電源−V2,−V3として出力する出力電圧を得ると共に、駆動用電源−V2,−V3の電圧の許容値を超える変動を検出し、MOSトランジスタMQ1〜MQ4により、この変動を抑えるようになっている。
【0011】
図14において、Eは電源、DNは電源ノード、SNは接地ノードである。直列抵抗R101〜R103は、電源Eの電圧−V5を3等分して、駆動用電源−V2,−V3となる中間電圧を形成する抵抗分圧回路である。抵抗分圧して得られる中間電圧である分圧電圧−V2,−V3を中心として、各々の電圧変動の許容幅ΔVを設定する基準電圧−VH2,−VL2,−VH3,−VL3を、直列抵抗R104〜R108による分圧回路で形成する。
【0012】
そして、上記基準電圧−VH2が反転入力端子に印加される一方、分圧電圧−V2が非反転入力に印加された電圧比較回路(以下、コンパレータ)CMP1と、この出力で制御される、分圧出力点と、電源Eの電圧−V5との間に接続されたnMOSトランジスタMQ12とを設けて、分圧電圧−V2の出力電圧の上記基準電圧−VH2を正方向(接地電位側)に超える変動に対して、nMOSトランジスタMQ12をオンさせ、許容幅ΔVを正方向に超える出力変動を抑える。
【0013】
一方、上記基準電圧−VL2が反転入力端子に印加される一方、分圧電圧−V2が非反転入力端子に印加されたコンパレータCMP2と、この出力で制御される、分圧出力点と、接地電位V0との間に接続されたpMOSトランジスタMQ11とを設けて、上記分圧電圧−V2の出力電圧における上記基準電圧−VL2を負方向(電圧−V5側)に超える変動に対して、pMOSトランジスタMQ11をオンさせ、許容幅ΔVを負方向に超える出力変動を抑える。
【0014】
出力電圧−V3の変動に対しても同様の構成により許容値ΔVを超える変動を防止する。即ち、上記基準電圧−VH3が反転入力端子に印加される一方、分圧電圧−V3が非反転入力端子に印加されたコンパレータCMP3と、この出力で制御される、分圧出力点と、電源Eの電圧−V5との間に接続されたnMOSトランジスタMQ14とを設けて、上記分圧電圧−V3の出力電圧における上記基準電圧−VH3を正方向(接地電位側)に超える変動に対して、nMOSトランジスタMQ14をオンさせ、許容幅ΔVを正方向に超える出力変動を抑える。
【0015】
一方、上記基準電圧−VL3が反転入力端子に印加される一方、分圧電圧−V3が非反転入力端子に印加されたコンパレータCMP4と、この出力で制御される、分圧出力点と、接地電位V0との間に接続されたpMOSトランジスタMQ13とを設けて、上記分圧電圧−V3の出力電圧における上記基準電圧−VL3を負方向(電圧−V5側)に超える変動に対して、pMOSトランジスタMQ13をオンさせ、許容幅ΔVを負方向に超える出力変動を抑える。
【0016】
これにより、駆動用電源−V2,−V3となる分圧電圧−V2,−V3の出力電圧の電圧変動が、抵抗R105・R107による電圧降下によって決まる電圧変動の許容幅ΔV内に抑えられる。
【0017】
この電源回路37では、抵抗R101〜R103及びR104〜R108の抵抗値を高くして消費電力を抑えることができると共に、出力段に、許容幅△Vを超えた電圧変動が発生した場合のみ作動する、電流駆動能力の大きいMOSトランジスタMQ11〜MQ14を備えたことにより、コンパレータCMP1〜CMP4の出力段の駆動能力も大きくなくて良く、したがって、コンパレータCMP1〜CMP4の中に設置されている定電流源で流す電流値を小さく設定できることから、この電源回路の消費電流も極めて小さくすることができる。
【0018】
また、MOSトランジスタMQ11〜MQ14がそれぞれ、許容幅ΔVによってオフセット電圧を持ち、同時にONとなることがないので、貫通電流が発生する恐れもない。
【0019】
その結果、図14に示す電源回路37の構成を採用することで、低消費電力で、かつ、その出力電圧も安定な表示装置の電源回路を得ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されている図14の電源回路37の構成であっても、さらなる低消費電力化のために、2つの分圧抵抗回路を形成する抵抗R101〜R103及び抵抗R104〜R108を高抵抗とした場合、分圧電圧−V2,−V3の出力電圧の電圧値が目標値に安定するまでに時間がかかるといった問題がある。
【0021】
つまり、上記の電源回路37の構成では、駆動用電源−V2,−V3の電圧となる分圧電圧−V2,−V3を許容幅ΔV内に収めるまでの補正は、駆動能力の大きいMOSトランジスタMQ11〜MQ14により急速に行うことができるが、分圧電圧−V2,−V3が許容幅ΔV内に入った後、さらに目標電圧値へと収束させるのは抵抗R101〜R103である。これら直列に接続されている各抵抗間から出力される電圧値が目標値である。したがって、これら抵抗R101〜R103の抵抗値が高いと、目標電圧値への収束に時間がかかる。
【0022】
大型の液晶パネルでは、画素の持つ負荷容量及び電極線の持つ寄生容量が大きくなり、これらへの充放電を急峻に行うために、電源回路には、駆動能力が大きいことが要求される。また、高品位な画質を得るために、電源回路には、駆動用電源の電圧変動が少なく、かつ、変動に対して、急峻に応答することが要求される。そして、電源回路には、低消費電力であることも併せて要求される。
【0023】
したがって、上記の電源回路37では、低消費電力であって、出力電圧が安定であっても、出力電圧値を許容幅ΔV内の目標値に収束させるのに時間がかかるため、今後、さらなる液晶表示画面の大型化や高品位化には、表示品位の低下が発生し、対応できなくなる。
【0024】
また、上記の電源回路37の構成では、分圧抵抗回路として、抵抗R101〜R103と抵抗R104〜R108の2系統を備えているので、1系統の分圧抵抗回路しか備えない構成に比べると、必然的に消費電力が高くなる。
【0025】
さらに、上記の電源回路37では、分圧比を、出力段の抵抗R101〜R103で決定しているので、抵抗R101〜R103の抵抗値を変更するには、分圧比を保持した状態で行うことが必要である。そのため、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更を行う場合、回路規模が大きくなるという問題もある。
【0026】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、今後、さらなる表示画面の大型化や高品位化にも、表示品位を低下させることなく対応可能な、低消費電力でありながら、変動を少なくして安定した出力電圧にて駆動用電源を供給できると共に、出力電圧の変動においては急峻に定常状態値に回復可能であり、また、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更に回路規模を大きくすることなく対応できる電源装置、及びそれを備えた表示装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の電源装置は、上記課題を解決するために、入力された電圧から中間電圧を発生させる抵抗分圧回路であって、中間電圧として、出力段から出力される出力電圧の目標電圧値が設定された目標電圧と該出力電圧の変動許容幅となる上限値或いは下限値の何れか一方が設定された基準電圧とを発生させる抵抗分圧回路と、出力段から出力される出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値と上記基準電圧の電圧値と比較し、出力電圧の電圧値が目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に収まるように制御する電圧比較回路と、出力段に設けられ、上記電圧比較回路の出力にて制御される電流供給手段及び電流引き込み手段であって、上記出力電圧の電圧値が上記目標電圧の電圧値或いは上記基準電圧の電圧値を超えた場合に、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻す方向の何れか一方のみが動作する電流供給手段及び電流引き込み手段と、上記電流供給手段或いは電流引き込み手段を動作させて、上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値或いはその近傍値に引き寄せて定常させる電圧定常手段とを備えていることを特徴としている。
【0028】
上記の構成では、電圧比較回路にて、出力段から出力される出力電圧の電圧値が上記目標電圧の電圧値と上記基準電圧の電圧値と比較され、出力電圧の電圧値が目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に収まるように制御される。もし、出力電圧の電圧値が大きく変動し、目標電圧の電圧値或いは基準電圧の電圧値を超えてしまうと、電圧比較回路の出力にて制御される、出力段に設けられた電流供給手段或いは電流引き込み手段の何れか、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻す方向のものが動作して、逸脱した出力電圧の電圧値を急峻に目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻す。
【0029】
したがって、出力電圧の電圧値は、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間を大きく逸脱することなく推移することとなる。但し、ここまでの構成では、出力電圧の電圧値は、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間の一定値には収束し難く、変動し易いものとなる。なお、その理由等の詳細は、発明の実施の形態の説明において後述する。
【0030】
本発明の電源装置では、出力電圧の電圧値のこの変動を無くするために、電圧定常手段が設けられている。電圧定常手段は、上記電流供給手段或いは電流引き込み手段を動作させて、電流を供給するか或いは引き込むことで、出力段から出力される出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値或いはその近傍値に引き寄せて定常させる。これにより、出力電圧の電圧値は、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間を変動することなく、目標電圧の電圧値或いはその近傍値に強制的に引き寄せられ、定常させられ、安定化する。
【0031】
このように、本発明の電源装置の構成により、出力電圧の電圧値は、目標電圧の電圧値或いは基準電圧の電圧値を超えるような変動には、出力段に設けられた電流供給手段或いは電流引き込み手段の何れかの動作にて、急峻に目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻されると共に、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間では、電圧定常手段による電流供給手段或いは電流引き込み手段の動作制御で、目標電圧の電圧値或いはその近傍値に強制的に引き寄せられて定常するので、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間で変動することもなく、目標電圧の電圧値或いはその近傍値にて安定したものとなる。
【0032】
これにより、低消費電力でありながら、変動を少なくして安定した出力電圧にて駆動用電源を供給できると共に、出力電圧の変動においては急峻に定常状態値に回復できる、今後、さらなる液晶表示画面の大型化や高品位化にも、表示品位を低下させることなく対応可能な電源装置となる。
【0033】
また、上記の構成では、出力段のブリーダ抵抗を設けることなく、出力電圧の電圧変動を抑えて安定化できるので、さらなる低消費電力化が可能であると共に、分圧比を出力段のブリーダ抵抗で決定する構成ではないので、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更を行っても、回路規模が大きくなるようなことがない。
【0034】
そして、上記した本発明の電源装置においては、上記変動許容幅は、上記出力電圧の電圧値が変動し難い側に設定されていることが好ましい。
【0035】
つまり、出力電圧の変動許容幅として上限値或いは下限値の何れか一方が設定されるが、出力電圧の電圧値は、前述したように、電圧定常手段にて、強制的に目標電圧の電圧値或いはその近傍値に引き寄せられるので、変動し易い側をこの定常側とする、逆に言えば、出力値が変動し難い側に変動許容幅を持たせることで、より電圧変動に強い構成とできる。
【0036】
また、上記した本発明の電源装置においては、予め定めた第1の期間では、上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値或いはその近傍値にまで引き寄せさせる一方、それ以外の第2の期間では、出力電圧の電圧値の引き寄せを停止するように、上記電圧定常手段を制御するタイミング設定手段をさらに備えた構成とすることもできる。
【0037】
強制的な引き寄せで出力電圧の電圧値を安定化させないといけないような大きな変動は、電源回路に接続される表示装置における画素及び電極の容量への充放電による電圧変動であり、これは、水平同期信号により出力が切り替わった最初の段階が起りやすく、また、大きくなることがわっている。
【0038】
そこで、上記のように、タイミング設定手段にて、例えば水平同期期間の当初を第1の期間として、充放電により電圧が変動し易い期間は、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値或いはその近傍値にまで引き寄せさせて、駆動能力を上げると共に、小さな変動においても高速に応答できるようにする一方、水平同期期間の始め以外を第2の期間として、充放電が終わり、電源レベルを維持するだけの期間では、出力電圧の電圧値の引き寄せを停止するように電圧定常手段を制御して、電力消費の大きい電流供給手段及び電流引き込み手段をオンし難くすることで、消費電力をさらに抑えることができる。
【0039】
また、その場合、上記タイミング設定手段を、上記第2の期間においては、上記電圧定常手段を電源装置本体より切り離す構成とすることもできる。
【0040】
電圧定常手段を電源装置より切り離すことで、第2の期間においては、出力電圧の電圧値は目標電圧の電圧値側へは一切引き寄せられない。この場合、雑音による出力電圧の電圧値の変動が起こるが、通常、出力段には平滑コンデンサが付加されるので、第1の期間と第2の期間の周期が短い限り、何ら影響ない。したがって、上記の構成により、非常に簡単な構成で、消費電力のさらなる低減化が図れる。
【0041】
また、上記した本発明の電源装置においては、上記電圧定常手段は、上記電流供給手段及び電流引き込み手段の出力を、出力段における別の電位の出力に抵抗を介して接続してなる構成とすることが好ましい。
【0042】
これにより、上記した作用をなす電圧定常手段を容易に実現でき、かつ、第1の期間と第2の期間とで、出力電圧の電圧値の引き寄せ幅を切り替える、或いは、電源装置本体より切り離すといった構成を容易に実現できる。
【0043】
そして、その場合、上記電圧定常手段の抵抗を、外部からの制御信号により変更可能な複数の抵抗値を有した構成とすることが好ましい。
【0044】
電圧定常手段を、上記のように抵抗で構成した場合、抵抗の値により出力電圧の電圧値の引き寄せ幅が変化する。抵抗値を小さくすると、目標電圧の電圧値への引き寄せ幅が小さくなるように設定されることで、出力電圧の電圧値の変動が少なくなり、かつ、応答が速くなるが、反対に抵抗値を大きくすると、目標電圧の電圧値への引き寄せ幅が大きくなるように設定され、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間の電圧変動が大きくなると共に、これへの応答の悪さが起きてしまう。
【0045】
電流供給手段及び電流引き込み手段を動作させて、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値或いはその近傍値にまで引き寄せ定常させようとした場合、抵抗値を電流供給手段及び電流引き込み手段がオンする、もしくはオンする直前の状態になるように設定することが必要となる。
【0046】
このため、当該電源回路に接続される表示パネルの特性や使用状況を考慮して、本電源回路製造後に電圧定常手段を構成する上記抵抗の抵抗値を決められるようにすることで、表示パネルの応答特性の良し悪しや、あるいは高品位表示が必要な場合、あるいは、大画面で表示ムラが識別されやすい場合等に応じて、消費電流との兼ね合いで出力電圧の電圧値の引き寄せ幅を設定でき、電源装置としての汎用性が向上する。
【0047】
このような本発明の電源回路は、表示パネルの駆動用電源を供給するものに特に適しており、本発明の電源回路が搭載される表示装置としては、液晶パネルを備えた液晶表示装置、その他、エレクトロルミネッセンス(ELP)を備えたEL表示装置や、プラズマディスプレイパネル(PDP)を備えたPD表示装置、液晶パネルとプラズマディスプレイパネルを合体させたプラズマアドレスド液晶パネル(PALC)を備えた表示装置等がある。また、特に、低消費電力であることから、携帯端末に備えられる携帯用表示装置に適している。
【0048】
本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、表示パネルと、該表示パネルを駆動する駆動装置と、該駆動装置に表示パネルを駆動するための駆動用電源を供給する電源装置とを備えた表示装置において、上記電源装置として、上記した本発明の電源装置を備えたことを特徴としている。
【0049】
上記したように、本発明の電源装置は、低消費電力でありながら、変動を少なくして安定した出力電圧にて駆動用電源を供給できると共に、出力電圧の変動においては急峻に定常状態値に回復可能であり、また、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更に回路規模を大きくすることなく対応できるものである。
【0050】
したがって、このような電源装置を備えることで、大表示画面で、表示品位も高く、かつ、低消費電力の表示装置を実現できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の一形態について図1〜図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0052】
まず、図2を用いて、本実施の形態に係る電源回路(電源装置)5が搭載される液晶表示装置(表示装置)の一般的な構成について説明する。なお、液晶表示装置において用いられる液晶駆動方式の代表的なものとしては、TFTを用いた駆動方式や、STN液晶を用いたマトリクス駆動方式等があるが、ここでは、マトリクス駆動方式の事例を挙げて説明する。
【0053】
図2に示すように、液晶表示装置は、主に、液晶パネル1、コモン側駆動回路(以下、コモンドライバ)2、セグメント側駆動回路(以下、セグメントドライバ)3、コントローラ4、及び電源回路(電源装置)5より構成されている。
【0054】
液晶パネル1は、液晶層を挟持して対向配置された一対のガラス基板を有しており、一方のガラス基板の液晶層側にセグメント電極X1〜Xmが形成されると共に、他方のガラス基板の同じく液晶層側に、コモン電極Y1〜Ynが上記セグメント電極X1〜Xmと直交する形で形成されている。
【0055】
セグメントドライバ3は、この液晶パネル1のセグメント電極X1〜Xmを駆動するもので、セグメント電極側に備えられている。また、コモンドライバ2は、この液晶パネル1のコモン電極Y1〜Ynを駆動するもので、コモン電極側に備えられている。
【0056】
電源回路5は、この液晶パネル1の各電極への印加電圧を発生させるものであって、駆動用電源V0〜V5を有しており、その内、駆動用電源V0,V2,V3,V5は、セグメントドライバ3を介して制御されて液晶パネル1のセグメント電極X1〜Xmに印加される一方、駆動用電源V0,V1,V4,V5は、コモンドライバ2を介して制御されて液晶パネル1のコモン電極Y1〜Ynに印加される。セグメント電極X1〜Xm及びコモン電極Y1〜Ynに上記電圧が印加されることで、液晶パネル1はパルス幅変調方式による階調表示を行う。
【0057】
パルス幅変調方式による階調表示では、1水平同期期間(水平同期信号と水平同期信号との間の期間)Hi内にm個のデジタル表示データがセグメントドライバ3内を転送され、水平同期信号によりラッチがかけられ、次の水平同期期間Hi+1の間、表示データは固定して出力される。そして、さらに次の水平同期期間Hi+2では新たな表示データに変わりラッチされる。ラッチされた表示データは、セグメントドライバ3内の階調デコーダ(図示せず)に入力され、表示データに応じた階調表示パルス幅が選択され、各出力端子から液晶パネル1のセグメント電極X1〜Xmの各々に出力される。水平同期期間Hi 〜Hnに、順次表示データに応じた階調表示パルスを出力して画面の1フレームが構成される。
【0058】
図3に、液晶パネル1のある画素(Xj,Yi)に印加される駆動電圧例を示す。画素Xjに対応するセグメントドライバ3内の階調デコーダで、デジタル表示データに応じた幅の階調表示パルスが、複数の階調表示パルス(例えば、16階調の場合、T0〜T15)の中から選択され、出力される(階調デコーダ出力j)。そして、選択された階調表示パルスのパルス幅に相当して駆動用電源V0の電圧値(あるいは、交流化信号により反転した別のフレームでは、駆動用電源V5の電圧)が、一方、選択された階調表示パルスのパルス幅以外では、駆動用電源V2の電圧(あるいは、交流化信号により反転した別のフレームでは、駆動用電源V3の電圧)が、セグメントドライバ3の端子から液晶パネル1の電極Xjに出力される。
【0059】
一方、コモンドライバ2からは、コモン電極Yiに、走査時には駆動用電源V5の電圧(あるいは、交流化信号により反転した別のフレームでは、駆動用電源V0の電圧)が、また、非走査時には駆動用電源V1の電圧(あるいは、交流化信号により反転した別のフレームでは、駆動用電源V4の電圧)が出力される。
【0060】
これにより、液晶パネル1の画素(Xj,Yi)には、上記印加電圧が加算された形で印加されることで、画素での実効電圧が変わり、階調表示パルス幅に応じた階調表示がなされる。
【0061】
コントローラ4は、これらセグメントドライバ3、コモンドライバ2、及び電源回路5を制御するためのもので、外部よりデジタル表示データや、垂直同期信号、水平同期信号等の表示に必要な制御信号6を受けとり、タイミングを調整した上、セグメントドライバ3にはデジタル表示データ、転送クロック、データラッチ信号、水平同期信号、交流化信号等を制御信号7として、一方、コモンドライバ2には水平同期信号、垂直同期信号、交流化信号等の制御信号8を出力する。また、コントローラ4は、電源回路5に対しても、不使用時には電源をカットして低消費電力化を図るためのカット信号等の制御信号9を出力する。
【0062】
次に、上記電源回路5について説明する前に、本願発明者らが、前述の図14に示した従来の電源回路37の有する問題点を解決するものとして始めに提案した、本発明の前提となる電源回路について説明する。
【0063】
なお、電源回路5は、前述したように、セグメントドライバ3とコモンドライバ2のそれぞれに電圧を供給するものであるが、セグメントドライバ3に供給する電圧の発生回路も、コモンドライバ2に供給する電圧の発生回路も基本的には同じ構成であるので、以下においては、説明を簡単にするために、セグメントドライバ3に供給する電圧の発生回路を例に説明する。
【0064】
図4に、本発明の前提となる電源回路5’を示す。
【0065】
この電源回路5’は、前述した図14の電源回路37に備えられていた抵抗R101〜R103及び抵抗R104〜R108の2系統の抵抗分圧回路のうち、出力段の抵抗R101〜R103の系統を無くしたものである。
【0066】
これによれば、出力段の抵抗R101〜R103を無くすることで、抵抗R101〜R103を流れる消費電流分、さらなる低消費電力化が可能であると共に、分圧比を出力段の抵抗R101〜R103で決定する構成ではないので、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更を行っても、回路規模が大きくなるようなことがない。
【0067】
ところが、この電源回路5’の場合、出力電圧を目標電圧値へと収束させるための抵抗R101〜R103を除いたため、出力電圧の電圧値が許容幅ΔV内に入った後、コンパレータCMP1〜CMP4のみの作動になると、ΔV内で変動するだけで、このままでは駆動用電源−V2,−V3としての目標電圧値には収束しない。したがって、図4の回路構成では、平滑コンデンサを設けることで目標電圧値に収束させている。
【0068】
また、この電源回路5’の場合、許容幅ΔVを超える電圧変動を補正する動作は、電源回路37と同じであるが、駆動用電源−V2,−V3となる出力電圧の電圧値は、出力段で出力電圧の電圧値を決定していたブリーダ抵抗R101〜R103が無くなったため、許容幅ΔV内では安定せず、許容幅ΔV内での電圧変動が避けられないといった問題がある。
【0069】
詳細に説明すると、駆動用電源−V2となる出力電圧は、基準電圧−VH2と基準電圧−VL2の間の中間値(コンパレータCMP1とコンパレータCMP2の特性が同じであれば、−VL2+(△V/2)では安定せず、ノード1やノード2、もしくは出力電圧に雑音が乗った場合、これにコンパレータCMP1・CMP2が応答するため、基準電圧−VH2の電圧値か基準電圧−VL2の電圧値を不安定に上下することになる。そのため、駆動用電源−V2となる出力電圧は、一定電圧値ではなく、−V2±(△V/2)で振れている電圧値を取ることになる。
【0070】
なお、抵抗R105・R107を小さくすることで、許容幅ΔVを小さく抑えることができるので、−V2±(△V/2)で振れていても、ある程度の変動電圧が許容できる液晶パネルでは使用可能である。しかしながら、前述したように、高品位な画質を得るために、電源回路には、駆動電圧の変動が少ないことも要求されるため、今後、さらなる液晶表示画面の高品位化には対応できない。
【0071】
また、出力電圧の振れの原因となるコンパレータCMP1・CMP2の入力段への雑音に強くするためには、許容幅△Vを大きくとらねばならないが、許容幅△Vを大きくとると、コンパレータCMP1・CMP2のみが作動し、許容幅ΔV内で変動し続けるため、あまり許容幅ΔVを大きくすると、平滑コンデンサC2・C3で変動を吸収できなくなってしまい、やはり、今後、さらなる液晶表示画面の大型化や高品位化には対応できないこととなる。
【0072】
なお、ここでは、駆動用電源−V2となる出力電圧について述べたが、同じ構成をとる駆動用電源−V3の出力電圧でも同様のことが起こる。
【0073】
本実施の形態に係る電源回路5は、この電源回路5’を前提とし、これにおいて、許容幅△V内での変動を大幅に低減させ、駆動用電源の電圧を安定して供給するものである。
【0074】
図1に、本実施の形態に係る電源回路5の構成を示す。
【0075】
本電源回路5における電源電圧の変動に対する補正の動作は、前提となる電源回路5’と同様、前述した図14の電源回路37と基本的には同じである。但し、前述した電源回路37及び電源回路5’では、負電圧の回路構成となっていたが、ここでは、正電圧の回路構成として説明する。
【0076】
本電源回路5の特徴的構成は、駆動用電源V2、V3となる出力電圧V2’,V3’の出力端子T2と出力端子T3との間に、抵抗値が後述するように設定された、電圧定常手段としての機能を有する抵抗Raが挿入されていることにある。これにより、抵抗分圧回路を構成する各抵抗R4〜R8の抵抗比を、電源回路5より出力される各駆動用電源V0,V2,V3,V5の電圧値が所定の値になるように設定することで、低消費電力であって、出力電圧に電圧値変動もなく、かつ電圧値変動に対しては急峻に回復することが可能となる。
【0077】
図1において、Eは電源、DNは電源ノード、SNは接地ノードである。直列に接続されたブリーダ抵抗(以下、単に抵抗と称する)R4〜R8は、電源Eの電圧V5を分割して、出力段から駆動用電源V2,V3として出力される出力電圧V2’,V3’の目標電圧値を設定する中間電圧(目標電圧)V2,V3と、出力電圧V2’,V3’の変動許容幅ΔVを設定する中間電圧VL2,VH3とを生成する抵抗分圧回路である。中間電圧VL2,VH3は、以下、基準電圧VL2,VH3と称する。
【0078】
分圧比は次式で表される。
【0079】
【数1】
Figure 0003657527
【0080】
直列に接続された抵抗R4〜R8で分圧された中間電圧V2から、抵抗R5による電圧降下した基準電圧VL2が、ノード1では設定される。この基準電圧VL2の電圧値が、駆動用電源V2として出力端子T2より出力される出力電圧V2’の許容される電圧変動の下限値(基準電圧)である。
【0081】
一方、直列に接続された抵抗R4〜R8で分圧された中間電圧V3から、抵抗R7による電圧降下分を嵩上げした基準電圧VH3が、ノード4では設定される。この基準電圧VH3の電圧値が、駆動用電源V3として出力端子T3より出力される出力電圧V3’の許容される電圧変動の上限値となる。
【0082】
そして、コンパレータ(電圧比較回路)CMP1とコンパレータCMP2の非反転入力端子が接続され、さらにpMOSトランジスタ(電流供給手段)MQ2のドレインとnMOSトランジスタ(電流引き込み手段)MQ1のドレインとも接続され、出力端子T2となる。
【0083】
pMOSトランジスタMQ2のソースは、電源E(電圧はV5)からのノードDNと接続され、nMOSトランジスタMQ1のソースは、接地電位のノードSNと接続されている。コンパレータCMP1の出力段はpMOSトランジスタMQ2のゲートと接続され、一方、コンパレータCMP2の出力段はnMOSトランジスタMQ1のゲートと接続されている。
【0084】
抵抗R5と抵抗R4との接続点であるノード1は、コンパレータCMP1の反転入力端子と接続され、一方、抵抗R4の別の端子は接地電位であるノードSNに接続されている。抵抗R5の別の端子と抵抗R6との接続点であるノード2は、コンパレータCMP2の反転入力端子に接続されている。
【0085】
また、コンパレータCMP3とコンパレータCMP4との非反転入力端子が接続され、さらにpMOSトランジスタ(電流供給手段)MQ4のドレインとnMOSトランジスタ(電流引き込み手段)MQ3のドレインとも接続され、出力端子T3となる。
【0086】
pMOSトランジスタMQ4のソースは、電源EからのノードDNと接続され、nMOSトランジスタMQ3のソースは接地電位のノードSNと接続されている。コンパレータCMP3の出力段は、pMOSトランジスタMQ4のゲートと接続され、一方、コンパレータCMP4の出力段は、nMOSトランジスタMQ3のゲートと接続されている。
【0087】
抵抗R8と抵抗R7の接続点であるノード4は、コンパレータCMP4の反転入力端子と接続され、一方、抵抗R8の別の端子は電源電位EであるノードDNに接続されている。抵抗R7の別の端子と抵抗R6との接続点であるノード3は、コンパレータCMP3の反転入力端子に接続されている。
【0088】
また、各出力端子T0・T2・T3・T5と接地電位との間には、平滑コンデンサC1〜C4が配置されている。
【0089】
そして、本電源回路5の特徴である抵抗Raが、出力電圧V3’,V4’を出力する前述の出力端子T2と出力端子T3との間に挿入された構成となっている。
【0090】
このような構成を有する本電源回路5において、出力端子T2の電圧が液晶パネル1の画素を駆動するに当たり、画素及び電極の容量を充放電するために、本来の電圧値から、例えば、接地電位側に電圧値が変動し下限値であるノード1に設定されている基準電圧VL2の電圧値を下回ると、コンパレータCMP1によりpMOSトランジスタMQ2がオンする。pMOSトランジスタMQ2がオンすると、駆動能力のあるpMOSトランジスタMQ2を介して電源Eから電流が供給されることで、出力端子T2の電位は急峻に本来の電圧値に回復する。
【0091】
逆に、出力端子T2の電圧が、ノード2に設定されている中間電圧V2の電圧値を超えると、コンパレータCMP2によりnMOSトランジスタMQ1がオンする。nMOSトランジスタMQ1がオンすると、駆動能力のあるnMOSトランジスタMQ1を介して電流が引き込まれることで、出力端子T2の電位は急峻に本来の電圧値に回復する。
【0092】
出力端子T3でのコンパレータCMP3及びコンパレータCMP4、pMOSトランジスタMQ4及びnMOSトランジスタMQ3の動作も同じである。
【0093】
つまり、出力端子T3の電圧が本来の電圧値から、例えば、接地電位側に変動し、ノード3に設定されている中間電圧V3の電圧値を下回ると、コンパレータCMP3によりpMOSトランジスタMQ4がオンする。pMOSトランジスタMQ4がオンすると、駆動能力のあるpMOSトランジスタMQ4を介して電源Eから電流が供給されることで、出力端子T3の電位は急峻に本来の電圧値に回復する。
【0094】
逆に、出力端子T3の電圧が、ノード4に設定されている基準電圧VH3の電圧値を超えると、コンパレータCMP4によりnMOSトランジスタMQ3がオンする。nMOSトランジスタMQ3がオンすると、駆動能力のあるnMOSトランジスタMQ3を介して電流が引き込まれることで、出力端子T3の電位は急峻に本来の電圧値に回復する。
【0095】
ここで、抵抗Raが出力端子T2とT3の間に挿入されていない場合、出力端子T2の電圧値と出力端子T3の電圧値とはそれぞれ、電圧変動の許容幅ΔVで安定しなくなるが、本電源回路5では、抵抗Raが出力端子T2とT3の間に挿入されているので、出力端子T3から抵抗Raを介して出力端子T2に電流が流れるため、出力端子T2の電圧は上昇し、出力端子T3の電圧値側に変動する一方、出力端子T3の電圧は下降し、出力端子T2の電圧値側に変動するようになる。
【0096】
このような回路構成において、上記抵抗Raの値を小さくしていくと、出力端子T2から出力される出力電圧V2’の電圧値は上昇し、ノード2に設定されている中間電圧V2の電圧値を超えると、nMOSトランジスタMQ1がオンし、出力電圧V2’の電圧値をノード2の電圧値に戻そうとする一方、出力端子T3では、出力電圧V3’は下降し、ノード3に設定されている中間電圧V3の電圧値を下回ると、pMOSトランジスタMQ4がオンし、出力電圧V3’の電圧値をノード3の電圧値に戻そうとすることになる。
【0097】
したがって、上記抵抗Raの値が、nMOSトランジスタMQ1及びpMOSトランジスタMQ4がオンする、もしくはオンする直前の状態になるように設定されていることで、出力電圧V2’はノード2に設定されている中間電圧V2の電圧値(もしくはほぼその電圧値)を、出力電圧V3’はノード3に設定されている中間電圧V3の電圧値(もしくはほぼその電圧値)を、変動することなく一定の電圧値で出力する(もしくは極微小な変動で出力する)ことになる。
【0098】
これにより、ノード1〜4及び出力端子T2・T3に雑音が乗っても、先述のような許容幅ΔV内で振れることはなく、一定(もしくはほぼ一定)の電圧値を出力できる。
【0099】
また、出力電圧V2’が下降した場合に、電圧変動の下限値である基準電圧VL2の電圧値を下回ると、pMOSトランジスタMQ2がオンする動作、及び出力電圧V3’が上昇した場合に、電圧変動の上限値である基準電圧VH3の電圧値を上回ると、nMOSトランジスタMQ3がオンする動作は、従来技術の図14の電源回路37における動作と同じである。
【0100】
そして、液晶パネル1の画素及び電極の容量の充放電を考えると、上記電源回路5の構成の有意性がより明らかになる。
【0101】
即ち、液晶パネル1の電極への印加電圧を前述の図3で見ると、(V5−V2)レベル、(V0−V3)レベルのように電圧差の大きい部分で、液晶パネル1の画素及び電極の容量の充放電が行われると、駆動用電源V2となる出力電圧V2’はV5の影響で電圧値は引き上げられる方向に、一方、駆動用電源V3となる出力電圧V3’はV0の影響により電圧値は引き下げられる方向になる。
【0102】
上記説明したような液晶パネル1の画素及電極に容量への充放電による印加電圧の変動傾向を考慮して、上記の電源回路5の構成では、中間電圧V 2,V3の電圧値を、駆動用電源V 2,V3の目標電圧値(印加電圧値)に設定している。
【0103】
これにより、出力電圧V2’,V3の電圧値が、先述の充放電により変動(変動し易い側)しても、即対応して駆動能力のあるMOSトランジスタMQ1・MQ4がオンすることで急峻、かつ短時間で所定の電圧を回復することができる。また、別の一方の中間電圧値(変動し難い側)で許容幅ΔVを設定することで、出力電圧の電圧値の変動を適切に設定することになる。
【0104】
したがって、本電源回路5の構成を採用し、液晶パネル1へ印加する駆動用電源V0、V2、V3、V5が所定の値になるように抵抗R4〜R8の抵抗比を設定することと、先に説明したように抵抗Raの抵抗値を設定することで、低消費電力型で電圧値変動のない、かつ電圧値変動に対しては急峻に回復する電源回路を提供することができる。
【0105】
(実施の形態2)
本発明の実施のその他の形態について図5〜図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
本実施の形態に係る電源回路(電源装置)が搭載される液晶表示装置(表示装置)のブロック図、及び液晶パネル1の各電極への駆動電圧は、前述の図2、図3と同じである。
【0107】
図5に、本実施の形態に係る電源回路5Aの構成を示す。
【0108】
実施の形態1の電源回路5(図1参照)では、抵抗Raは固定抵抗であり、抵抗Raの抵抗値は、回路設計時に、nMOSトランジスタMQ1及びpMOSトランジスタMQ4がオンする、もしくはオンする直前の状態になるように設定されていた。
【0109】
抵抗Raの抵抗値を小さくすると、目標電圧値である中間電圧V2,V3の電圧値への引き寄せ幅が小さくなるように設定されることで出力電圧V2’,V3’の変動が小さくなり、かつ、応答が速くなるが、反対に抵抗値を大きくすると、目標電圧値である中間電圧V2,V3の電圧値への引き寄せ幅が大きくなるように設定され、中間電圧V2,V3の電圧値と基準電圧VL2,VH3の電圧値との間での電圧変動が大きくなると共に、これへの応答の悪さが起きてしまうことから、液晶パネル1の特性や使用状況に応じた最適化が必要となる。
【0110】
このため、液晶パネル1の特性や使用状況を考慮して、LSI製造後に抵抗Raの値を決められるように、抵抗Raを可変にして抵抗値設定回路101を設けたものが本実施の形態の電源回路5Aである。
【0111】
例えば、液晶パネル1の応答特性の良し悪しや、あるいは高品位表示が必要な場合、あるいは、大画面で表示ムラが識別されやすい場合等に応じて、消費電流との兼ね合いで、LSI製造後に適切な抵抗Raを設定できると、電源回路LSIとして汎用性が向上する。
【0112】
本電源回路5Aでは、抵抗Raを可変抵抗Ra’とし、この抵抗値の制御を外部コマンドを抵抗値設定回路10に入力することで行うものである。
【0113】
図6に、抵抗値設定回路10と可変抵抗Ra’の構成の一例を示す。ここでは、可変抵抗Ra’の値を、4種類可変できる例で説明する。可変抵抗Ra’は複数の直列に接続された抵抗R10〜R13、及びスイッチSW1〜SW3から成り、抵抗値設定回路10はバイアスレジスタ11とマルチプレクサ12とから構成されている。ここでは説明を簡単にするため、バイアスレジスタ11を2ビット構成として説明する。バイアスレジスタ11は、外部コマンドにより、データD1,D2が書き込まれる。マルチプレクサ12は、データD1,D2の値により決まるQ1〜Q4を出力する。図7に、マルチプレクサの真理値表を示す。
【0114】
可変抵抗Ra’を構成する抵抗R10〜R13は、抵抗Raを4分割した抵抗で、それぞれRa/4の抵抗値をもつ。スイッチSW1〜SW3は、マルチプレクサ12の出力Q2〜Q4が1のとき導通状態となる。マルチプレクサ12の出力Q2,Q3,Q4によりスイッチSW1〜SW3がオンされ、導通されることにより、可変抵抗Ra’の抵抗値が変化する。データD1,D2と抵抗値の関係も図7に示す。マルチプレクサ12の出力Q1は、スイッチSW1〜SW3の何れにも接続されていない。
【0115】
なお、上記マルチプレクサ12は、簡単な論理回路で構成可能であり、また、スイッチSW1〜SW3は、MOSトランジスタやトランスミッションゲートで簡単に実現できる。
【0116】
(実施の形態3)
本発明の実施のその他の形態について図8〜図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1,2の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
本実施の形態に係る電源回路(電源装置)が搭載される液晶表示装置(表示装置)のブロック図、及び液晶パネル1の各電極への駆動電圧は、前述の図2、図3と同じである。
【0118】
図8に、本実施の形態に係る電源回路5Bの構成を示す。
【0119】
本電源回路5Bでは、可変抵抗Ra''の抵抗の制御を、抵抗値設定回路20が、タイミングを見計らって切り替えるものであり、タイミング設定手段を構成するものである。
【0120】
図9に、抵抗値設定回路20と可変抵抗Ra''の構成の一例を示す。ここで、可変抵抗Ra''は、高抵抗値の抵抗R20と、低抵抗値の抵抗R21が並列して配置され、低抵抗値の抵抗R21にはスイッチ回路SW4が接続された構成である。そして、抵抗値設定回路20は、上記スイッチ回路SW4の開閉のタイミングを制御するためのバイアスレジスタ21とカウンタ22とから構成されている。
【0121】
前述の図2に示したように、本電源回路5Bの駆動用電源V0,V2,V3,V5は、セグメントドライバ3に入力される。また、図3に示したように、セグメントドライバ3から液晶パネル1のセグメント電極X1〜Xmに出力される液晶駆動電圧は、水平同期信号により切り替わっている。したがって、画素及び電極の容量への充放電による電圧変動は、水平同期信号により出力が切り替わった最初の段階が起りやすく、また、大きくなることがわかる。
【0122】
そこで、本電源回路5Bでは、水平同期期間Hiの当初(第1の期間)に、スイッチ回路SW4をオンし、低抵抗な抵抗R21を抵抗R20と並列接続することにより、可変抵抗Ra''の抵抗値を小さくし、駆動用電源V2,V3の電圧安定化を図る。水平同期期間Hiの始め以外(第2の期間)では、スイッチ回路SW4をオフし、可変抵抗Ra''の抵抗値を大きくし、出力電圧V2' ,V3 ' を、目標電圧値である中間電圧V2,V3の電圧値にまで引き寄せられる幅を小さくし、可変抵抗Ra''を介してpMOSトランジスタMQ4からnMOSトランジスタMQ1へと流れる電流量を抑えて、消費電力を少なくする。
【0123】
カウンタ22は、バイアスレジスタ21に書き込まれたデータを、カウント終了データとして設定され、水平同期期間Hiの開始を示す信号23(例えば、水平同期信号)の入力を受け、クロックをカウントする。
【0124】
カウンタ22は、カウントと同時にカウンタ出力24を“1”に立ち上げ、バイアスレジスタ21に書き込まれたデータまでカウントすると、カウンタ出力24を“0”に立ち下げ、カウントを終了すると共にカウンタ内部をリセットする。カウンタ出力24によりスイッチ回路SW4は制御され、カウンタ出力24が“1”の時、スイッチ回路SW4は導通し、逆に“0”の時、スイッチ回路SW4は非導通となる。図10に、水平同期期間Hiの開始を示す信号23と、カウンタ出力24と、可変抵抗Ra''の抵抗値との関係をタイムチャートで示す。
【0125】
このような構成により、本電源回路5Bでは、水平同期信号が入力された初期は、可変抵抗Ra''は抵抗R20と抵抗R21とが並列接続された形となるため低抵抗値(抵抗Raとしての機能)となり、その後、水平同期信号が入力されて所定の時間が経過すると可変抵抗Ra''は高抵抗値の抵抗R20のみとなるため高抵抗値に変わる。
【0126】
なお、上記バイアスレジスタ21やカウンタ22、スイッチ回路SW4は既存の技術で容易に実現できるものである。
【0127】
これにより、画素及び電極の容量への充放電を行う際は、可変抵抗Ra''の値を低目に設定することで駆動能力や高速応答を重視し、充放電が終わり駆動電圧レベルを維持するだけのタイミングでは低消費電力を重視して、可変抵抗Ra''を高目に設定することができる。
【0128】
(実施の形態4)
本発明の実施のその他の形態について図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1,2,3の図面に示した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
本実施の形態に係る電源回路(電源装置)が搭載された液晶表示装置(表示装置)のブロック図、及び液晶パネル1の各電極への駆動電圧は、前述の図2、図3と同じである。
【0130】
図11に、本実施の形態に係る電源回路5Cの構成を示す。
【0131】
本電源回路5Cと、実施の形態3の電源回路5Bとの違いは、可変抵抗Ra''が、固定抵抗の抵抗Raと、この固定抵抗の抵抗Raと直列に配置されたスイッチ回路SW5とで構成されていることである。
【0132】
ここで、タイミング設定手段としての機能を有する抵抗値設定回路20を構成するバイアスレジスタ21、カウンタ22は、実施の形態3と同じ動作を行う。
【0133】
このような構成では、水平同期信号が入力された初期(第1の期間)は、スイッチ回路SW5が導通状態であるため、抵抗Raが出力端子T2・T3間に接続された形となり、駆動用電源V2,V3となる出力電圧V2’,V3’が、液晶パネル1の画素及び電極の容量の充放電のため変動しても、即対応して駆動能力のあるトランジスタMQ1・MQ4がオンすることで急峻、かつ短時間で所定の電圧値を回復することができる。
【0134】
そして、充放電が終わり駆動電圧レベルを維持するだけの期間(第2の期間)では、スイッチ回路SW5が非導通状態となるため、出力端子T2とT3間は切り離されて、pMOSトランジスタMQ4からnMOSトランジスタMQ1に流れる電流はなくなり、低消費電力となる。
【0135】
このスイッチ回路SW5の非導通期間は、液晶パネル1の駆動電圧は充放電がなく、駆動電圧を維持するだけであるので、平滑コンデンサC2・C3での保持電圧だけで充分である。
【0136】
また、スイッチ回路SW5の非導通期間は、抵抗Raがないオープン状態となるため、先述のように雑音による出力電圧V2’,V3’の電圧変動が起こるが、各出力端子T0・T2・T3・T5に平滑コンデンサC1〜C4を付加しているため短時間では問題なく、水平同期信号が順次入力され、抵抗Raが断続的に出力端子T2・T3間に接続される液晶表示装置では実用上、問題はない。
【0137】
なお、本発明は上述の実施の形態1〜4に何ら限定されるものではなく、例えば、可変抵抗Ra’・Ra''を形成する複数の直列抵抗や並列抵抗の数やその値は適時変更しても良いし、スイッチ回路SW4・SW5の挿入場所も適宜変更しても良い。
【0138】
また、上述の実施の形態1〜4では、駆動用電源V2,V3となる中間電圧V2,V3に対し、中間電圧V2にはその下限値VL2を、中間電圧V3にはその上限値VH2を設定し、中間電圧V2は上限側、中間電圧V3はその下限側を常に出力するように設定していたが、これは、前述したように、中間電圧V2は上限側に変動し易く、中間電圧V3はその下限側に変動し易いためであり、上限側、下限側の何れでも変動し易い方にあわせて設定すればよい。
【0139】
以上、説明した通り、これにより、1つの電圧から中間電圧を発生させる手段と、その中間電圧の上限或いは下限を規定する手段を有した分圧回路と、出力段から出力された中間電圧値と分圧回路の中間電圧値を比較し、出力段から出力された中間電圧値を上記上限及び下限内におさえるよう制御する電圧比較回路と、出力段にはさらに駆動能力の大きい電流供給用トランジスタと電流を引き込むトランジスタを有し、出力段から出力された中間電圧値が設定されている上記或いは下限を超えたと電圧比較回路が検知した場合、出力された電圧値を上記上限或いは下限内に回復する方向のトランジスタのみが動作する出力段を備えた電源回路の、低消費電力化と高速応答性に有効である。
【0140】
また、1つの電圧から複数の中間電圧を生成し、これら中間電圧を用いて、画素が容量性負荷である表示装置に駆動電圧を供給する電源回路に有効であり、特に携帯用表示装置への適用が有効である。
【0141】
【発明の効果】
本発明の電源装置は、以上のように、入力された電圧から中間電圧を発生させる抵抗分圧回路であって、中間電圧として、出力段から出力される出力電圧の目標電圧値が設定された目標電圧と該出力電圧の変動許容幅となる上限値或いは下限値の何れか一方が設定された基準電圧とを発生させる抵抗分圧回路と、出力段から出力される出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値と上記基準電圧の電圧値と比較し、出力電圧の電圧値が目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に収まるように制御する電圧比較回路と、出力段に設けられ、上記電圧比較回路の出力にて制御される電流供給手段及び電流引き込み手段であって、上記出力電圧の電圧値が上記目標電圧の電圧値或いは上記基準電圧の電圧値を超えた場合に、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻す方向の何れか一方のみが動作する電流供給手段及び電流引き込み手段と、上記電流供給手段或いは電流引き込み手段を動作させて、上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値或いはその近傍値に引き寄せて定常させる電圧定常手段とを備えている構成である。
【0142】
上記の構成により、出力電圧の電圧値は、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間を超えるような変動には、出力段に設けられた電流供給手段或いは電流引き込み手段の何れかの動作にて、急峻に目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間に戻されると共に、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間では、電圧定常手段による電流供給手段或いは電流引き込み手段の動作制御で、目標電圧の電圧値或いはその近傍値に強制的に引き寄せられて定常するので、目標電圧の電圧値と基準電圧の電圧値との間で変動することもなく、目標電圧の電圧値或いはその近傍値にて安定したものとなる。
【0143】
それゆえ、低消費電力でありながら、変動を少なくして安定した出力電圧にて駆動用電源を供給できると共に、出力電圧の変動においては急峻に定常状態値に回復できる、今後、さらなる液晶表示画面の大型化や高品位化にも、表示品位を低下させることなく対応可能な電源装置となるという効果を奏する。
【0144】
また、上記の構成では、出力段のブリーダ抵抗を設けることなく、出力電圧の電圧変動を抑えて安定化できるので、さらなる低消費電力化が可能であると共に、分圧比を出力段のブリーダ抵抗で決定する構成ではないので、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更を行っても、回路規模が大きくなるようなことがないという効果も併せて奏する。
【0145】
そして、上記した本発明の電源装置においては、上記変動許容幅は、上記出力電圧の電圧値が変動し難い側に設定されていることが好ましく、これにより、より電圧変動に強い構成とできるという効果を奏する。
【0146】
また、上記した本発明の電源装置においては、予め定めた第1の期間では、上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値或いはその近傍値にまで引き寄せさせる一方、それ以外の第2の期間では、出力電圧の電圧値の引き寄せを停止するように、上記電圧定常手段を制御するタイミング設定手段をさらに備えた構成とすることもできる。
【0147】
これにより、例えば水平同期期間の当初を第1の期間として、充放電により電圧が変動し易い期間は、出力電圧の電圧値を目標電圧の電圧値或いはその近傍値にまで引き寄せさせて、駆動能力を上げると共に、小さな変動においても高速に応答できるようにする一方、水平同期期間の始め以外を第2の期間として、充放電が終わり、電源レベルを維持するだけの期間では、出力電圧の電圧値の引き寄せせを停止するように電圧定常手段を制御して、電力消費の大きい電流供給手段及び電流引き込み手段をオンし難くすることで、消費電力をさらに抑えることができるという効果を併せて奏する。
【0148】
また、その場合、上記タイミング設定手段を、上記第2の期間においては、上記電圧定常手段を電源装置本体より切り離す構成とすることもでき、非常に簡単な構成で、消費電力のさらなる低減化が図れるという効果を併せて奏する。
【0149】
また、上記した本発明の電源装置においては、上記電圧定常手段は、上記電流供給手段及び電流引き込み手段の出力を、出力段における別の電位の出力に抵抗を介して接続してなる構成とすることが好ましい。
【0150】
これにより、上記した作用をなす電圧定常手段を容易に実現でき、かつ、第1の期間と第2の期間とで、出力電圧の電圧値の引き寄せを行う行わない、或いは、電源装置本体より切り離すといった構成を容易に実現できるという効果を併せて奏する。
【0151】
さらに、その場合、上記電圧定常手段の抵抗を、外部からの制御信号により変更可能な複数の抵抗値を有した構成とすることが好ましく、これにより、電源回路に接続される表示パネルの特性や使用状況を考慮して、本電源回路製造後に電圧定常手段を構成する上記抵抗の抵抗値を決めることができ、表示パネルの応答特性の良し悪しや、あるいは高品位表示が必要な場合、あるいは、大画面で表示ムラが識別されやすい場合等に応じて、消費電流との兼ね合いで出力電圧の電圧値の引き寄せ幅を設定でき、電源装置としての汎用性が向上するという効果を併せて奏する。
【0152】
本発明の表示装置は、以上のように、表示パネルと、該表示パネルを駆動する駆動装置と、該駆動装置に表示パネルを駆動するための駆動用電源を供給する電源装置とを備えた表示装置において、上記電源装置として、上記した本発明の電源装置を備えた構成である。
【0153】
上記したように、本発明の電源装置は、低消費電力でありながら、変動を少なくして安定した出力電圧にて駆動用電源を供給できると共に、出力電圧の変動においては急峻に定常状態値に回復可能であり、また、内部レジスタを利用したプログラマブルな抵抗値変更に回路規模を大きくすることなく対応できるものである。
【0154】
それゆえ、このような電源装置を備えることで、大表示画面で、表示品位も高く、かつ、低消費電力の表示装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る電源回路の構成を示す回路図である。
【図2】上記電源回路が搭載される液晶表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】上記液晶表示装置におけるコモンドライバ及びセグメントドライバの出力波形、並びに液晶パネルの画素に印加される電圧波形等を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の前提となる電源回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施のその他の形態に係る電源回路の構成を示す回路図である。
【図6】図5の電源回路における可変抵抗と、抵抗値設定回路の構成を示す回路図である。
【図7】上記抵抗値設定回路の構成するマルチプレクサの真理値表を示す図である。
【図8】本発明の実施のその他の形態に係る電源回路の構成を示す回路図である。
【図9】図8の電源回路における可変抵抗と、抵抗値設定回路の構成を示す回路図である。
【図10】図9の抵抗値設定回路における、水平同期期間Hiの開始を示す信号23、カウンタ出力24、及び可変抵抗の抵抗値の関係をタイムチャートで示す。
【図11】本発明の実施のその他の形態に係る電源回路の構成を示す回路図である。
【図12】従来の電源回路の構成を示す回路図である。
【図13】従来のその他の電源回路の構成を示す回路図である。
【図14】従来のその他の電源回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル(表示パネル)
2 コモンドライバ(駆動装置)
3 セグメントドライバ(駆動装置)
5 電源回路(電源装置)
5A〜5C 電源回路(電源装置)
R4〜R8 抵抗(抵抗分圧回路)
Ra 抵抗(電圧定常手段)
Ra' ・Ra'' 可変抵抗(電圧定常手段)
CMP1〜CMP4 コンパレータ(電圧比較回路)
MQ1・MQ3 nMOSトランジスタ(電流引き込み手段)
MQ2・MQ4 pMOSトランジスタ(電流供給手段)
10 抵抗値設定回路
20 抵抗値設定回路(タイミング設定手段)

Claims (7)

  1. 入力された電圧から中間電圧を発生させる抵抗分圧回路であって、中間電圧として、出力段から出力される出力電圧の目標電圧値が設定された目標電圧と該出力電圧の変動許容幅となる上限値或いは下限値の何れか一方が設定された基準電圧とを発生させる抵抗分圧回路と、
    上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値及び上記基準電圧の電圧値と比較する電圧比較回路と、
    上記出力段に設けられ、上記電圧比較回路の出力にて制御される電流供給手段及び電流引き込み手段であって、上記出力電圧の電圧値が上記目標電圧の電圧値或いは上記基準電圧の電圧値を超えた場合に、上記出力電圧の電圧値を上記目標電圧の電圧値と上記基準電圧の電圧値との間に戻す方向の何れか一方のみが動作する電流供給手段及び電流引き込み手段と、
    上記電流供給手段及び電流引き込み手段を、上記目標電圧に対して上記基準電圧側とは反対側に配された別の出力段に抵抗を介して接続してなり、上記電流供給手段及び電流引き込み手段のうちの上記出力電圧の電圧値が上記目標電圧の電圧値を超えた場合に動作する方を動作させて上記出力電圧を上記目標電圧或いはその近傍値に引き寄せて定常させる電圧定常手段とを備えたことを特徴とする表示装置に搭載される電源装置。
  2. 上記変動許容幅は、上記出力電圧の電圧値が変動し難い側に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置に搭載される電源装置。
  3. 入力された電圧から中間電圧を発生させる抵抗分圧回路であって、中間電圧として、低電圧側から順に、第1出力段から出力される第1出力電圧の変動許容幅の下限値が設定された第1基準電圧、上記第1出力電圧の目標電圧値が設定された第1目標電圧、第2出力段から出力される第2出力電圧の目標電圧値が設定された第2目標電圧、及び上記第2出力電圧の変動許容幅の上限値が設定された第2基準電圧を発生させる抵抗分圧回路と、
    上記第1出力電圧の電圧値を上記第1目標電圧の電圧値及び上記第1基準電圧の電圧値と比較する第1電圧比較回路と、
    上記第2出力電圧の電圧値を上記第2目標電圧の電圧値及び上記第2基準電圧の電圧値と比較する第2電圧比較回路と、
    上記第1出力段に設けられた、上記第1電圧比較回路の出力にて制御される第1の電流供給手段及び電流引き込み手段であって、上記第1出力電圧の電圧値が上記第1目標電圧の電圧値或いは上記第1基準電圧の電圧値を超えた場合に、上記第1出力電圧の電圧値を上記第1目標電圧の電圧値と上記第1基準電圧の電圧値との間に戻す方向の何れか一方のみが動作する第1の電流供給手段及び電流引き込み手段と、
    上記第2出力段に設けられた、上記第2電圧比較回路の出力にて制御される第2の電流供給手段及び電流引き込み手段であって、上記第2出力電圧の電圧値が上記第2目標電圧の電圧値或いは上記第2基準電圧の電圧値を超えた場合に、上記第2出力電圧の電圧値を上記第2目標電圧の電圧値と上記第2基準電圧の電圧値との間に戻す方向の何れか一方のみが動作する第2の電流供給手段及び電流引き込み手段と、
    上記第1出力段と第2出力段との間に挿入された抵抗を有し、第1の電流供給手段及び電流引き込み手段のうちの第1出力電圧の電圧値が上記第1目標電圧の電圧値を超えた場合に動作する方と、第2の電流供給手段及び電流引き込み手段のうちの第2出力電圧の電圧値が上記第2目標電圧の電圧値を超えた場合に動作する方とを動作させて、上記第1出力電圧の電圧値を上記第1目標電圧の電圧値或いはその近傍値に、上記第2出力電圧の電圧値を上記第2目標電圧の電圧値或いはその近傍値に、引き寄せて定常させる電圧定常手段とを備えたことを特徴とする表示装置に搭載される電源装置。
  4. 上記電圧定常手段を予め定めた第1の期間では上記引き寄せを行う一方、それ以外の第 2の期間では上記引き寄せを停止するように制御するタイミング設定手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示装置に搭載される電源装置
  5. 上記タイミング設定手段は、上記第2の期間においては上記電圧定常手段を電源装置本体より切り離すことを特徴とする請求項4に記載の表示装置に搭載される電源装置。
  6. 上記電圧定常手段の抵抗は、外部からの制御信号により変更可能な複数の抵抗値を有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表示装置に搭載される電源装置。
  7. 表示パネルと、該表示パネルを駆動する駆動装置と、該駆動装置に表示パネルを駆動するための駆動用電源を供給する電源装置とを備えた表示装置において、
    上記電源装置として、請求項1〜6の何れか1項に記載の表示装置に搭載される電源装置を備えていることを特徴とする表示装置。
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