以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 液晶表示装置
図1に、本実施形態における液晶表示装置の構成の概要を示す。
液晶表示装置10(液晶装置。広義には電気光学装置)は、表示パネル12(狭義には液晶パネル、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、広義には電気光学パネル)、ソースドライバ20(広義にはデータ線駆動回路)、ゲートドライバ38(広義には走査線駆動回路)、表示コントローラ40、電源回路50を含む。なお、液晶表示装置10にこれらのすべての回路ブロックを含める必要はなく、その一部の回路ブロックを省略する構成にしてもよい。電気光学装置は、有機EL(Electro Luminescence)素子、無機EL素子等の発光素子を用いた装置を含むことができる。
ここで表示パネル12(電気光学装置)は、複数のゲート線(広義には走査線)と、複数のソース線(広義にはデータ線)と、ゲート線及びソース線により特定される画素電極を含む。この場合、ソース線に薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor、広義にはスイッチング素子)を接続し、このTFTに画素電極を接続することで、アクティブマトリクス型の液晶装置を構成できる。
より具体的には、表示パネル12は、アクティブマトリクス基板(例えばガラス基板)上に形成された液晶パネルである。アクティブマトリクス基板には、図1のY方向に複数配列されそれぞれX方向に伸びるゲート線G1〜GM(Mは2以上の自然数)と、X方向に複数配列されそれぞれY方向に伸びるソース線SR1、SG1、SB1、SR2、SG2、SB2、・・・、SRN、SGN、SBN(Nは2以上の自然数)とが配置されている。また、アクティブマトリクス基板には、ソース電圧供給線S1〜SNが設けられている。更に、このアクティブマトリクス基板には、各ソース電圧供給線に対応してデマルチプレクサが設けられている。
また、ゲート線GK(1≦K≦M、Kは自然数)とソース線SRL(ソース線SGL、SBL)(1≦L≦N、Lは自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスタTFTKL−R(薄膜トランジスタTFTKL−G、TFTKL−B)(広義にはスイッチング素子)が設けられている。
例えばTFTKL−Rのゲート電極はゲート線GKに接続され、TFTKL−Rのソース電極はソース線SRLに接続され、TFTKL−Rのドレイン電極は画素電極PEKL−Rに接続されている。この画素電極PEKL−Rと、画素電極PEKL−Rと液晶(広義には電気光学物質)を挟んで対向する対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、素子容量である液晶容量CLKL−R(液晶素子)、及び補助容量CSKL−Rが形成されている。そして、TFTKL−R、画素電極PEKL−R等が形成されるアクティブマトリクス基板と対向電極CEが形成される対向基板との間に液晶が封入されるように形成され、画素電極PEKL−Rと対向電極CEとの間の印加電圧に応じて画素の透過率が変化するようになっている。素子容量は、液晶素子に形成される液晶容量や、無機EL素子等のEL素子に形成される容量を含むことができる。
デマルチプレクサDMUXLは、ソース電圧供給線SLに時分割で供給された階調電圧を、ソース線SRL、SGL、SBLに分割して供給する。デマルチプレクサDMUXLは、ソースドライバ20からのマルチプレクス制御信号に基づいて、ソース電圧供給線SLの階調電圧を各ソース線に分離する。
なお、対向電極CEに与えられる対向電極電圧VCOMの電圧レベル(高電位側電圧VCOMH、低電位側電圧VCOML)は、電源回路50に含まれる対向電極電圧生成回路により生成される。例えば、対向電極CEは、対向基板上に一面に形成される。
ソースドライバ20は、階調データに基づいて表示パネル12のソース電圧供給線S1〜SNを駆動する。ソースドライバ20がソース電圧供給線S1〜SNを駆動するとき、上述のようにデマルチプレクサDMUX1〜DMUXNにより分離制御されるため、ソースドライバ20は、ソース線SR1、SG1、SB1、SR2、SG2、SB2、・・・、SRN、SGN、SBNを駆動できる。一方、ゲートドライバ38は、表示パネル12のゲート線G1〜GMを走査(順次駆動)する。
表示コントローラ40は、図示しない中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等のホストにより設定された内容に従って、ソースドライバ20、ゲートドライバ38及び電源回路50を制御する。より具体的には、表示コントローラ40は、ソースドライバ20及びゲートドライバ38に対しては、例えば動作モードの設定や内部で生成した垂直同期信号や水平同期信号の供給を行い、電源回路50に対しては、対向電極CEに印加する対向電極電圧VCOMの電圧レベルの極性反転タイミングの制御を行う。
電源回路50は、外部から供給される基準電圧に基づいて、表示パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベル(階調電圧)や、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。
このような構成の液晶表示装置10は、表示コントローラ40の制御の下、外部から供給される階調データに基づいて、ソースドライバ20、ゲートドライバ38及び電源回路50が協調して表示パネル12を駆動する。
図1では、RGBの各色成分を表示するために1画素が3ドットで構成され、各色成分毎にソース線が設けられているものとして説明したが、1画素が2ドット、4ドット以上のドット数で構成されていてもよい。
なお、図1では、液晶表示装置10が表示コントローラ40を含む構成になっているが、表示コントローラ40を液晶表示装置10の外部に設けてもよい。或いは、表示コントローラ40と共にホストを液晶表示装置10に含めるようにしてもよい。また、ソースドライバ20、ゲートドライバ38、表示コントローラ40、電源回路50の一部又は全部を表示パネル12上に形成してもよい。
また図1において、ソースドライバ20、ゲートドライバ38及び電源回路50を集積化して、半導体装置(集積回路、IC)として表示ドライバ60を構成してもよい。
図2に、本実施形態における液晶表示装置の他の構成例を示す。
図2では、表示パネル12上(パネル基板上)に、ソースドライバ20、ゲートドライバ38及び電源回路50を含む表示ドライバ60が形成されている。このように表示パネル12は、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線の各ゲート線及び複数のソース線の各ソース線とに接続された複数の画素(画素電極)と、複数のソース線を駆動するソースドライバと、複数のゲート線を走査するゲートドライバとを含むように構成することができる。表示パネル12の画素形成領域44に、複数の画素が形成されている。各画素は、ソースにソース線が接続されゲートにゲート線が接続されたTFTと、該TFTのドレインに接続された画素電極とを含むことができる。
なお図2では、表示パネル12上においてゲートドライバ38及び電源回路50のうち少なくとも1つが省略された構成であってもよい。
また図1又は図2において、表示ドライバ60が、表示コントローラ40を内蔵してもよい。或いは図1又は図2において、表示ドライバ60が、ソースドライバ20及びゲートドライバ38のいずれか一方と、電源回路50とを集積化した半導体装置であってもよい。
1.1 ゲートドライバ
図3に、図1又は図2のゲートドライバ38の構成例を示す。
ゲートドライバ38は、シフトレジスタ52、レベルシフタ54、出力バッファ56を含む。
シフトレジスタ52は、各ゲート線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスタ52は、クロック信号CLKに同期してイネーブル入出力信号EIOをフリップフロップに保持すると、順次クロック信号CLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。ここで入力されるイネーブル入出力信号EIOは、表示コントローラ40から供給される垂直同期信号である。
レベルシフタ54は、シフトレジスタ52からの電圧レベルを、表示パネル12の液晶素子とTFTのトランジスタ能力とに応じた電圧レベルにシフトする。この電圧レベルとしては、高い電圧レベルが必要とされるため、他のロジック回路部とは異なる高耐圧プロセスが用いられる。
出力バッファ56は、レベルシフタ54によってシフトされた走査電圧をバッファリングしてゲート線に出力し、ゲート線を駆動する。
1.2 ソースドライバ
図4に、図1又は図2のソースドライバ20の構成例のブロック図を示す。
ソースドライバ20は、シフトレジスタ22、ラインラッチ24、26、多重化回路28、基準電圧発生回路30、DAC32(Digital-to-Analog Converter)(広義にはデータ電圧生成回路)、ソース線駆動回路34、マルチプレクス駆動制御部36を含む。
シフトレジスタ22は、各ソース線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスタ22は、クロック信号CLKに同期してイネーブル入出力信号EIOを保持すると、順次クロック信号CLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。
ラインラッチ24には、表示コントローラ40から例えば18ビット(6ビット(階調データ)×3(RGB各色))単位で階調データ(DIO)が入力される。ラインラッチ24は、この階調データ(DIO)を、シフトレジスタ22の各フリップフロップで順次シフトされたイネーブル入出力信号EIOに同期してラッチする。
ラインラッチ26は、表示コントローラ40から供給される水平同期信号LPに同期して、ラインラッチ24でラッチされた1水平走査単位の階調データをラッチする。
多重化回路28は、ラインラッチ26において各ソース線に対応してラッチされた3本のソース線分の階調データを時分割多重する。
マルチプレクス駆動制御部36は、ソース電圧供給線の階調電圧の時分割タイミングを規定するマルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELを生成する。より具体的には、マルチプレクス駆動制御部36は、1水平走査期間内に、マルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELの1つが順番にアクティブとなるようにマルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELを生成する。多重化回路28は、マルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELに基づいて、階調電圧を時分割でソース電圧供給線に供給するように多重化を行う。なお、マルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELは、表示パネル12のデマルチプレクサDMUX1〜DMUXNにも供給される。
基準電圧発生回路30は、64(=26)種類の基準電圧を生成する。基準電圧発生回路30によって生成された64種類の基準電圧は、DAC32に供給される。
DAC(データ電圧生成回路)32は、各ソース線に供給すべきアナログのデータ電圧を生成する。具体的にはDAC32は、多重化回路28からのデジタルの階調データに基づいて、基準電圧発生回路30からの基準電圧のいずれかを選択し、デジタルの階調データに対応するアナログのデータ電圧を出力する。
ソース線駆動回路34は、DAC32からのデータ電圧をバッファリングしてソース線に出力し、ソース線を駆動する。具体的には、ソース線駆動回路34は、各ソース線毎に設けられたボルテージフォロワ接続の演算増幅器OPC(広義にはインピーダンス変換回路)を含み、これらの各演算増幅器OPCが、DAC32からのデータ電圧をインピーダンス変換して、各ソース線に出力する。
なお、図4では、デジタルの階調データをデジタル・アナログ変換して、ソース線駆動回路34を介してソース線に出力する構成を採用しているが、アナログの映像信号をサンプル・ホールドして、ソース線駆動回路34を介してソース線に出力する構成を採用することもできる。
図5に、図4の多重化回路28の動作説明図を示す。
図5において、多重化回路28によって多重化される第1〜第3のソース線用の階調データを、GD1、GD2、GD3とする。マルチプレクス駆動制御部36によって生成されたマルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELは、それぞれ1水平走査期間内に例えば1度ずつアクティブとなる信号である。多重化回路28では、マルチプレクス制御信号RSELがアクティブとなったときは第1のソース線用の階調データGD1が選択出力され、マルチプレクス制御信号GSELがアクティブとなったときは第2のソース線用の階調データGD2が選択出力され、マルチプレクス制御信号BSELがアクティブとなったときは第3のソース線用の階調データGD3が選択出力される。その結果、多重化回路28は、第1〜第3のソース線用の階調データGD1〜GD3が時分割多重化された多重化データを生成し、該多重化データをDAC32に供給することができる。
DAC32の各デコーダは、多重化データに多重化された第1〜第3のソース線用の階調データGD1〜GD3の各階調データに対応する階調電圧を、64種類の基準電圧の中から選択する。その結果、DAC32の各デコーダは、多重化データに対し、第1〜第3の階調電圧が多重化された階調電圧を出力する。即ち、DAC32は、各階調電圧が、多重化回路28によって多重化された各階調データに対応した第1〜第3の階調電圧を生成する。
図6に、図4の基準電圧発生回路30、DAC32及びソース線駆動回路34の構成例を示す。図6において、階調データが6ビットのデータD0〜D5であり、各ビットのデータの反転データをXD0〜XD5と示している。また図6において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
基準電圧発生回路30は、両端の電圧VDDH、VSSHを抵抗分割して64種類の基準電圧を生成する。各基準電圧は、6ビットの階調データにより表される各階調値に対応している。各基準電圧は、ソース電圧供給線S1〜SNの各ソース線に共通に供給される。
DAC32は、ソース電圧供給線(ソース線)毎に設けられたデコーダを含み、各デコーダは、階調データに対応した基準電圧を演算増幅器OPCに出力する。このようなDAC32の各デコーダの出力は、ソース線駆動回路34の各演算増幅器によって、第1〜第3の階調電圧がインピーダンス変換される。ソース線駆動回路34の各演算増幅器OPCの出力は、ソース電圧供給線を介して表示パネル12のデマルチプレクサに供給される。
図7に、図1又は図2のデマルチプレクサの動作説明図を示す。
図7では、ソース電圧供給線SLに時分割で供給された階調電圧をソース線SRL、SGL、SBLに分離するデマルチプレクサDMUXLの動作例を示すが、他のデマルチプレクサも同様である。
デマルチプレクサDMUXLは、マルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELを用いて、階調電圧GDV1、GDV2、GDV3が多重化されたソース電圧供給線SLの階調電圧を分離して、各階調電圧をソース線SRL、SGL、SBLに出力する。
より具体的には、デマルチプレクサDMUXLは、マルチプレクス制御信号RSELがアクティブのときは多重化された階調電圧(第1の階調電圧GDV1)を第1のソース線であるソース線SRLに出力し、マルチプレクス制御信号GSELがアクティブのときは多重化された階調電圧(第2の階調電圧GDV2)を第2のソース線であるソース線SGLに出力し、マルチプレクス制御信号BSELがアクティブのときは多重化された階調電圧(第3の階調電圧GDV3)を第3のソース線であるソース線SBLに出力する。
こうすることで、表示パネル12において選択されたゲート線に接続されるTFTのソースに階調電圧を供給できる。
1.3 電源回路
図8に、図1又は図2の電源回路50の構成例を示す。
電源回路50は、正方向2倍昇圧回路62、走査電圧生成回路64、対向電極電圧生成回路66を含む。この電源回路50には、システム接地電源電圧VSS及びシステム電源電圧VDDが供給される。
正方向2倍昇圧回路62には、システム接地電源電圧VSS及びシステム電源電圧VDDが供給される。そして正方向2倍昇圧回路62は、システム接地電源電圧VSSを基準に、システム電源電圧VDDを正方向に2倍に昇圧した電源電圧VOUTを生成する。即ち正方向2倍昇圧回路62は、システム接地電源電圧VSSとシステム電源電圧VDDとの間の電圧差を2倍に昇圧する。このような正方向2倍昇圧回路62は、公知のチャージポンプ回路により構成できる。電源電圧VOUTは、ソースドライバ20、走査電圧生成回路64や対向電極電圧生成回路66に供給される。なお正方向2倍昇圧回路62は、2倍以上の昇圧倍率で昇圧後にレギュレータで電圧レベルを調整して、システム電源電圧VDDを正方向に2倍に昇圧した電源電圧VOUTを出力することが望ましい。
走査電圧生成回路64には、システム接地電源電圧VSS及び電源電圧VOUTが供給される。そして走査電圧生成回路64は、走査電圧を生成する。走査電圧は、ゲートドライバ38によって駆動されるゲート線に印加される電圧である。この走査電圧の高電位側電圧はVDDHGであり、低電位側電圧はVEEである。
対向電極電圧生成回路66は、対向電極電圧VCOMを生成する。対向電極電圧生成回路66は、極性反転信号POLに基づいて、高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLを、対向電極電圧VCOMとして出力する。極性反転信号POLは、極性反転タイミングに合わせて表示コントローラ40によって生成される。
図9に、図1又は図2の表示パネル12の駆動波形の一例を示す。
ソース線には、階調データの階調値に応じた階調電圧DLVが印加される。図9では、システム接地電源電圧VSS(=0V)を基準に、5Vの振幅の階調電圧DLVが印加されている。
ゲート線には、非選択時において非選択電圧として低電位側電圧VEE(=−10V)、選択時において選択電圧として高電位側電圧VDDHG(=15V)の走査電圧GLVが印加される。
対向電極CEには、高電位側電圧VCOMH(=3V)、低電位側電圧VCOML(=−2V)の対向電極電圧VCOMが印加される。そして所与の電圧を基準とした対向電極電圧VCOMの電圧レベルの極性が、極性反転タイミングに合わせて反転している。図9では、いわゆる走査ライン反転駆動時の対向電極電圧VCOMの波形を示している。この極性反転タイミングに合わせて、ソース線の階調電圧DLVもまた、所与の電圧を基準に、その極性が反転している。
ところで液晶素子は、直流電圧を長時間印加すると劣化するという性質がある。このため、液晶素子に印加する電圧の極性を所定期間毎に反転させる駆動方式が必要になる。このような駆動方式としては、フレーム反転駆動、走査(ゲート)ライン反転駆動、データ(ソース)ライン反転駆動、ドット反転駆動等がある。
このうち、フレーム反転駆動は、消費電力は低いが、画質がそれほど良くないという不利点がある。また、データライン反転駆動、ドット反転駆動は、画質は良いが、表示パネルの駆動に高い電圧が必要になるという不利点がある。
本実施形態では、走査ライン反転駆動を採用している。この走査ライン反転駆動では、液晶素子に印加される電圧が走査期間毎(走査線毎)に極性反転される。例えば、第1の走査期間(走査線)では正極性の電圧が液晶素子に印加され、第2の走査期間では負極性の電圧が印加され、第3の走査期間では正極性の電圧が印加される。一方、次のフレームにおいては、今度は、第1の走査期間では負極性の電圧が液晶素子に印加され、第2の走査期間では正極性の電圧が印加され、第3の走査期間では負極性の電圧が印加されるようになる。
そして、この走査ライン反転駆動では、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルが走査期間毎に極性反転される。
より具体的には図10に示すように、正極の期間T1(第1の期間)では対向電極電圧VCOMの電圧レベルは低電位側電圧VCOMLになり、負極の期間T2(第2の期間)では高電位側電圧VCOMHになる。そして、このタイミングに合わせてソース線に印加される階調電圧も、その極性が反転する。なお、低電位側電圧VCOMLは、所与の電圧レベルを基準として高電位側電圧VCOMHの極性を反転した電圧レベルである。
ここで、正極の期間T1は、ソース線の階調電圧が供給された画素電極の電圧レベルが対向電極CEの電圧レベルよりも高くなる期間である。この期間T1では液晶素子に正極性の電圧が印加されることになる。一方、負極の期間T2は、ソース線の階調電圧が供給された画素電極の電圧レベルが対向電極CEの電圧レベルよりも低くなる期間である。この期間T2では液晶素子に負極性の電圧が印加されることになる。
このように対向電極電圧VCOMを極性反転することで、表示パネルの駆動に必要な電圧を低くすることができる。これにより、駆動回路の耐圧を低くでき、駆動回路の製造プロセスの簡素化、低コスト化を図ることができる。
2. 対向電極電圧生成回路
本実施形態における対向電極電圧生成回路は、極性反転駆動による対向電極電圧の切替タイミングや、対向電極電圧が容量結合により変動するマルチプレクス駆動タイミングに、対向電極の負荷容量が増大した場合であっても、消費電力を増大させることなく該対向電極の電圧変動を抑える。
2.1 第1の構成例
まず、第1の構成例における対向電極電圧生成回路について説明するのに先立って、本実施形態の比較例における対向電極電圧生成回路について説明する。
図11に、本実施形態の比較例における対向電極電圧生成回路の構成例のブロック図を示す。
本構成例における対向電極電圧生成回路600は、基準高電位側電圧VCOMH0が入力されるVCOMH生成回路(高電位側電圧生成回路)610と、基準低電位側電圧VCOML0が入力されるVCOML生成回路(低電位側電圧生成回路)620とを含む。VCOMH生成回路610は、ボルテージフォロワ接続された演算増幅器である。VCOML生成回路620もまた、ボルテージフォロワ接続された演算増幅器である。更に、対向電極電圧生成回路600は、VCOMH生成回路610の出力ノードNDHとVCOML生成回路620の出力ノードNDLとの間に設けられたスイッチ回路SWH、SWLを含む。スイッチ回路SWH、SWLは、出力ノードNDH、NDLの間に直列に接続されており、同時にオンとならないようにオンオフ制御される。スイッチ回路SWHをスイッチ制御するためのスイッチ制御信号SWCHは、極性反転信号POLに基づいて生成される。スイッチ回路SWLをスイッチ制御するためのスイッチ制御信号SWCLは、極性反転信号POLに基づいて生成される。
出力ノードNDHには、対向電極電圧生成回路600の端子THを介して、対向電極電圧生成回路600の外部において高電位側安定化容量素子CSHの一端が電気的に接続される。この高電位側安定化容量素子CSHの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
出力ノードNDLには、対向電極電圧生成回路600の端子TLを介して、対向電極電圧生成回路600の外部において低電位側安定化容量素子CSLの一端が電気的に接続される。この低電位側安定化容量素子CSLの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
スイッチ回路SWH、SWLの接続ノードは、対向電極電圧生成回路600の出力ノードNDOであり、対向電極電圧生成回路600の端子TCを介して、表示パネル12の対向電極と電気的に接続される。
上記のような構成により、対向電極電圧生成回路600は、極性反転信号POLに基づいて、高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLを対向電極電圧VCOMとして出力できる。
図12に、図11の対向電極電圧生成回路600の動作例のシミュレーション波形図を示す。図12では、動作波形をわかりやすくするために、対向電極電圧VCOMの表示波形の振幅と高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの表示波形の振幅とを異ならせている。
図12では、2つの要因で、高電位側電圧VCOMHと低電位側電圧VCOMLに変動が生じている。その1つの要因は、対向電極電圧VCOMの切り替えである。即ち、対向電極電圧VCOMを高電位側電圧VCOMHから低電位側電圧VCOMLに切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と低電位側安定化容量素子CSLとの間の電荷の再分配が行われる。その結果、VCOML生成回路620の出力電位が変動する。同様に、対向電極電圧VCOMを低電位側電圧VCOMLから高電位側電圧VCOMHに切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と高電位側安定化容量素子CSHとの間の電荷の再分配が行われる。その結果、VCOMH生成回路610の出力電位が変動する。
もう1つの要因は、マルチプレクス駆動によるソース線の電位変動である。即ち、ソース線SRL(SGL、SBL)が負極性用の電位から正極性用の電位に切り替わる際に、ソース線SRLと対向電極CEとの間の容量結合によって、対向電極CEの電位レベルが変動する。同様に、ソース線SRL(SGL、SBL)が正極性用の電位から負極性用の電位に切り替わる際に、ソース線SRLと対向電極CEとの間の容量結合によって、対向電極CEの電位レベルが変動する。
対向電極CEの電位レベルの変動は、液晶の印加電圧の変動を意味し、画質の劣化を招く。従って、対向電極CEの電位レベルの安定化は、画質の向上を意味する。そこで、一般的には、対向電極CEを駆動する回路の電流駆動能力を高くして、対向電極CEの電位レベルの変動を吸収することが行われていた。しかしながら、該回路の電流駆動能力を上げるためには動作電流を多くする必要があり、表示パネル12の画面サイズに拡大に伴い対向電極の負荷容量が増加すると、該回路の動作電流が急速に増加させてやる必要があり、消費電力の増大を招く。
そこで、本実施形態では、以下のように安定化容量素子を分割することで、対向電極CEの電位レベルの変動を大幅に低減し、クロストークを改善させる。
図13に、本実施形態の第1の構成例における対向電極電圧生成回路の構成例のブロック図を示す。
第1の構成例における対向電極電圧生成回路66は、第1及び第2のVCOMH生成回路(第1及び第2の高電位側電圧生成回路)100、102を含むことができる。
第1のVCOMH生成回路100には、第1の基準高電位側電圧VCOMHα0が入力される。第1のVCOMH生成回路100は、例えばボルテージフォロワ接続された演算増幅器により構成され、第1の高電位側電圧VCOMHαを出力する。第1のVCOMH生成回路100の出力ノードNDHαには、対向電極電圧生成回路66の端子THαを介して、第1の高電位側安定化容量素子CSHαの一端が電気的に接続される。第1の高電位側安定化容量素子CSHαの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
第2のVCOMH生成回路102には、第2の基準高電位側電圧VCOMH0が入力される。第2のVCOMH生成回路102は、例えばボルテージフォロワ接続された演算増幅器により構成され、第2の高電位側電圧VCOMHを出力する。第2のVCOMH生成回路102の出力ノードNDHには、対向電極電圧生成回路66の端子THを介して、第2の高電位側安定化容量素子CSHの一端が電気的に接続される。第2の高電位側安定化容量素子CSHの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
そして、表示パネル12の対向電極CEに高電位側電圧VCOMHを供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、第1のVCOMH生成回路100の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する。これにより、対向電極CEには、第1の高電位側電圧VCOMHαが供給された後に、第2の高電位側電圧VCOMHが供給される。
これにより、対向電極電圧VCOMが低電位側電圧から高電位側電圧に切り替わる際に、一旦、対向電極CEと第1の高電位側安定化容量素子CSHαとの間で電荷の再配分が行われる。このため、対向電極CEの電位変動は、第1の高電位側安定化容量素子CSHαにより吸収される。その後、対向電極CEには、第2の高電位側安定化容量素子CSHにより保持される電荷により第2の高電位側電圧VCOMHが供給されるので、対向電極CEの高電位側電圧の電位変動を低減できる。これは、マルチプレクス駆動によるソース線の電位変動でも同様であり、第2の高電位側安定化容量素子CSHにより保持される電荷により第2の高電位側電圧VCOMHが供給されるので、対向電極CEの高電位側電圧の電位変動を低減できる。
なお、第1の高電位側電圧VCOMHαが、第2の高電位側電圧VCOMHより高電位であることが望ましい。こうすることで、電圧降下する対向電極CEの降下分を低減でき、対向電極電圧VCOMが低電位側電圧から高電位側電圧に切り替えるときに、高電位側電圧VCOMHの電位レベルに迅速に安定化させることができるようになる。
また、第1の高電位側安定化容量素子CSHαの容量値は、第2の高電位側安定化容量素子CSHの容量値より小さくてもよい。これは、対向電極CEの高電位側電圧VCOMHの電位精度は、第2の高電位側安定化容量素子CSHの容量値により定まるからであり、安定化容量素子の実装面積の削減や対向電極電圧生成回路66を含むシステムの低コスト化が可能となる。
また、対向電極電圧生成回路66は、第1及び第2のVCOML生成回路(第1及び第2の低電位側電圧生成回路)110、112を含むことができる。
第1のVCOML生成回路110には、第1の基準低電位側電圧VCOMLβ0が入力される。第1のVCOML生成回路110は、例えばボルテージフォロワ接続された演算増幅器により構成され、第1の低電位側電圧VCOMLβを出力する。第1のVCOML生成回路110の出力ノードNDLβには、対向電極電圧生成回路66の端子TLβを介して、第1の低電位側安定化容量素子CSLβの一端が電気的に接続される。第1の低電位側安定化容量素子CSLβの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
第2のVCOML生成回路112には、第2の基準低電位側電圧VCOML0が入力される。第2のVCOML生成回路112は、例えばボルテージフォロワ接続された演算増幅器により構成され、第2の低電位側電圧VCOMLを出力する。第2のVCOML生成回路112の出力ノードNDLには、対向電極電圧生成回路66の端子TLを介して、第2の低電位側安定化容量素子CSLの一端が電気的に接続される。第2の低電位側安定化容量素子CSLの他端には、システム接地電源電圧VSSが供給される。
そして、表示パネル12の対向電極CEに低電位側電圧VCOMLを供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、第1のVCOML生成回路110の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する。これにより、対向電極CEには、第1の低電位側電圧VCOMLβが供給された後に、第1の低電位側電圧VCOMLが供給される。
これにより、対向電極電圧VCOMが高電位側電圧から低電位側電圧に切り替わる際に、一旦、対向電極CEと第1の低電位側安定化容量素子CSLβとの間で電荷の再配分が行われる。このため、対向電極CEの電位変動は、第1の低電位側安定化容量素子CSLβにより吸収される。その後、対向電極CEには、第2の低電位側安定化容量素子CSLにより保持される電荷により第2の低電位側電圧VCOMLが供給されるので、対向電極CEの低電位側電圧の電位変動を低減できる。これは、マルチプレクス駆動によるソース線の電位変動でも同様であり、第2の低電位側安定化容量素子CSLにより保持される電荷により第2の低電位側電圧VCOMLが供給されるので、対向電極CEの低電位側電圧の電位変動を低減できる。
なお、第1の低電位側電圧VCOMLβが、第2の低電位側電圧VCOMLより低電位であることが望ましい。こうすることで、電圧上昇する対向電極CEの上昇分を低減でき、対向電極電圧VCOMが高電位側電圧から低電位側電圧に切り替えるときに、低電位側電圧VCOMLの電位レベルに迅速に安定化させることができるようになる。
また、第1の低電位側安定化容量素子CSLβの容量値は、第2の低電位側安定化容量素子CSLの容量値より小さくてもよい。これは、対向電極CEの低電位側電圧VCOMLの電位精度は、第2の低電位側安定化容量素子CSLの容量値により定まるからであり、安定化容量素子の実装面積の削減や対向電極電圧生成回路66を含むシステムの低コスト化が可能となる。
このような対向電極電圧生成回路66は、第1のVCOMH生成回路100の出力ノードNDHαと第1のVCOML生成回路110の出力ノードNDLβとの間に設けられたスイッチ回路SWHα、SWLβを含む。また対向電極電圧生成回路66は、第2のVCOMH生成回路102の出力ノードNDHと第2のVCOML生成回路112の出力ノードNDLとの間に設けられたスイッチ回路SWH、SWLを含む。スイッチ回路SWHα、SWLβの接続ノードは、出力ノードNDOと電気的に接続される。スイッチ回路SWH、SWLの接続ノードは、出力ノードNDOと電気的に接続される。
スイッチ回路SWHαは、スイッチ制御信号SWCHαによりスイッチ制御される。スイッチ回路SWLβは、スイッチ制御信号SWCLβによりスイッチ制御される。スイッチ回路SWHα、SWLβは、同時にオンとならないようにスイッチ制御される。スイッチ制御信号SWCHα、SWCLβは、極性反転信号POLに基づいて生成される。
スイッチ回路SWHは、スイッチ制御信号SWCHによりスイッチ制御される。スイッチ回路SWLは、スイッチ制御信号SWCLによりスイッチ制御される。スイッチ回路SWH、SWLは、同時にオンとならないようにスイッチ制御される。スイッチ制御信号SWCH、SWCLは、極性反転信号POLに基づいて生成される。
図14に、図13の対向電極電圧生成回路66の制御例のタイミング図を示す。
図14では、1水平走査期間(1H)を分割した3期間の各期間において画素電極に階調電圧を書き込むマルチプレクス駆動が行われるように、マルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSEの1つが順番にアクティブとなる。
この場合に、対向電極CEに高電位側電圧を供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、各期間に、第1のVCOMH生成回路100の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する。そのため、1水平走査期間を分割した各期間に、スイッチ制御信号SWCHαがアクティブとなった後に、スイッチ制御信号SWCHがアクティブとなる。
ここで、第1のVCOMH生成回路100の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t1が、第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t2より短いことが望ましい。第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t2は長ければ長いほど、対向電極CEの高電位側電圧の電位レベルの変動を少なくできるからである。
同様に、対向電極CEに低電位側電圧を供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、各期間に、第1のVCOML生成回路110の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する。そのため、1水平走査期間を分割した各期間に、スイッチ制御信号SWCLβがアクティブとなった後に、スイッチ制御信号SWCLがアクティブとなる。
ここで、第1のVCOML生成回路110の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t3が、第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t4より短いことが望ましい。第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t4は長ければ長いほど、対向電極CEの低電位側電圧の電位レベルの変動を少なくできるからである。
図15に、第1の構成例における対向電極電圧生成回路66の動作例のシミュレーション波形図を示す。図15では、動作波形をわかりやすくするために、対向電極電圧VCOMの表示波形の振幅と高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの表示波形の振幅とを異ならせている。
図15では、対向電極電圧VCOMを高電位側電圧から低電位側電圧に切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と第1の低電位側安定化容量素子CSLβとの間の電荷の再分配が行われる。その結果、第1のVCOML生成回路110の出力電位が変動する。その後、対向電極CEには、第2のVCOML生成回路112の出力が電気的に接続されるが、対向電極CEの負荷容量と第2の低電位側安定化容量素子CSLとの間で再分配される電荷量が少ないので、第2のVCOML生成回路112の出力電位の変動はほとんどない。同様に、対向電極電圧VCOMを低電位側電圧から高電位側電圧に切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と第1の高電位側安定化容量素子CSHαとの間の電荷の再分配が行われる。その結果、第1のVCOMH生成回路100の出力電位が変動する。その後、対向電極CEには、第2のVCOMH生成回路102の出力が電気的に接続されるが、対向電極CEの負荷容量と第2の高電位側安定化容量素子CSHとの間で再分配される電荷量が少ないので、第2のVCOMH生成回路102の出力電位の変動はほとんどない。
また、ソース線が負極性用の電位から正極性用の電位、或いは正極性用の電位から負極性用の電位に切り替わる際も、第1のVCOML生成回路110又は第1のVCOMH生成回路100の出力電位が変動し、第2のVCOML生成回路112又は第2のVCOMH生成回路102の出力電位が変動しない。
従って、高い電流駆動能力で対向電極CEを駆動することなく、対向電極CEの電位レベルの変動を低減できるので、消費電力を大幅に増加させることなく画質の向上を図ることができる。
2.2 第2の構成例
本実施形態における対向電極電圧生成回路66の構成は、図13の構成に限定されるものではない。
図16に、本実施形態の第2の構成例における対向電極電圧生成回路の構成例のブロック図を示す。図16において、図13と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第2の構成例における対向電極電圧生成回路が、図13に示す第1の構成例における対向電極電圧生成回路と異なる点は、第1のVCOMH生成回路100と第1のVCOML生成回路の構成である。
第2の構成例では、第1のVCOMH生成回路100が、所与の高電位側電源と第2のVCOMH生成回路102の出力との間を抵抗分割して得られた電圧を、第1の高電位側電圧VCOMHαとして出力する。ここで、所与の高電位側電源として、第2のVCOMH生成回路102を構成する演算増幅器の高電位側電源VDDを採用できる。より具体的には、第2のVCOMH生成回路102を構成する演算増幅器の高電位側電源VDDと出力ノードNDHαとの間に可変抵抗RH1、出力ノードNDHαと第2のVCOMH生成回路102の出力ノードNDHとの間に可変抵抗RH2が設けられる。
また、第2の構成例では、第1のVCOML生成回路110が、所与の低電位側電源と第2のVCOML生成回路112の出力との間を抵抗分割して得られた電圧を、第1の低電位側電圧VCOMLβとして出力する。ここで、所与の低電位側電源として、第2のVCOML生成回路112を構成する演算増幅器の低電位側電源VEEを採用できる。より具体的には、第2のVCOML生成回路112を構成する演算増幅器の低電位側電源VEEと出力ノードNDLβとの間に可変抵抗RL1、出力ノードNDLβと第2のVCOML生成回路112の出力ノードNDLとの間に可変抵抗RL2が設けられる。
その他の点は、第1の構成例と同様であるため説明を省略する。
図17に、第2の構成例における対向電極電圧生成回路66の動作例のシミュレーション波形図を示す。図17では、動作波形をわかりやすくするために、対向電極電圧VCOMの表示波形の振幅と高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの表示波形の振幅とを異ならせている。
図17においても、図15と同様に、第2のVCOMH生成回路102の出力電位や第2のVCOML生成回路112の出力電位の変動はほとんどない。但し、図17では、可変抵抗RH1、RH2により、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RH1、RH2の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDHαと出力ノードNDHとを短絡させてもよい。同様に、可変抵抗RL1、RL2により、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RL1、RL2の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDLβと出力ノードNDLとを短絡させてもよい。
2.3 第3の構成例
本実施形態における対向電極電圧生成回路66の構成は、図13、図16の構成に限定されるものではない。
図18に、本実施形態の第3の構成例における対向電極電圧生成回路の構成例のブロック図を示す。図18において、図16と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第3の構成例における対向電極電圧生成回路が、図16に示す第2の構成例における対向電極電圧生成回路と異なる点は、第1のVCOMH生成回路100と第1のVCOML生成回路の構成である。
第3の構成例では、第1のVCOMH生成回路100の可変抵抗RH2の一端が出力ノードNDHαに接続され、該可変抵抗RH2の他端にシステム接地電源電圧VSSが供給される。また、第3の変形例では、第1のVCOML生成回路110の可変抵抗RL2の一端にシステム接地電源電圧VSSが供給され、該可変抵抗RL2の他端に出力ノードNDLβが接続される。即ち、第1のVCOMH生成回路100が、高電位側電源VDDと低電位電源(システム接地電源電圧VSS)との間を抵抗分割して得られた電圧を、第1の高電位側電圧VCOMHとして出力する。また、第1のVCOML生成回路110が、低電位側電源VEEとシステム接地電源VSSとの間を抵抗分割して得られた電圧を、第1の低電位側電圧VCOMLとして出力する。
その他の点は、第2の構成例と同様であるため説明を省略する。
図19に、第3の構成例における対向電極電圧生成回路66の動作例のシミュレーション波形図を示す。図19では、動作波形をわかりやすくするために、対向電極電圧VCOMの表示波形の振幅と高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの表示波形の振幅とを異ならせている。
図19においても、図17と同様に、第2のVCOMH生成回路102の出力電位や第2のVCOML生成回路112の出力電位の変動はほとんどない。但し、図19では、図17と同様に、可変抵抗RH1、RH2により、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RH1、RH2の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDHαと出力ノードNDHとを短絡させてもよい。同様に、可変抵抗RL1、RL2により、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RL1、RL2の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDLβと出力ノードNDLとを短絡させてもよい。
2.4 第4の構成例
本実施形態における対向電極電圧生成回路66の構成は、図13、図16、図18の構成に限定されるものではない。
図20に、本実施形態の第4の構成例における対向電極電圧生成回路の構成例のブロック図を示す。図20において、図18と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第4の構成例における対向電極電圧生成回路が、図18に示す第3の構成例における対向電極電圧生成回路と異なる点は、第1のVCOMH生成回路100と第1のVCOML生成回路の構成である。
第4の構成例の第1のVCOMH生成回路100は、第3の構成例における第1のVCOMH生成回路に対して可変抵抗RH2が省略された構成を有している。また、第4の構成例の第1のVCOML生成回路110は、第3の構成例における第1のVCOML生成回路に対して可変抵抗RL1が省略された構成を有している。即ち、第4の構成例では、第1の高電位側電圧VCOMHαが、所与の高電位側電源にプルアップされて得られた電圧である。また、第1の低電位側電圧VCOMLβが、所与の低電位側電源にプルダウンされて得られた電圧である。
その他の点は、第3の構成例と同様であるため説明を省略する。
図21に、第4の構成例における対向電極電圧生成回路66の動作例のシミュレーション波形図を示す。図21では、動作波形をわかりやすくするために、対向電極電圧VCOMの表示波形の振幅と高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの表示波形の振幅とを異ならせている。
図21においても、図19と同様に、第2のVCOMH生成回路102の出力電位や第2のVCOML生成回路112の出力電位の変動はほとんどない。但し、図21では、図19と同様に、可変抵抗RH1により、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RH1の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の高電位側電圧VCOMHαの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDHαと出力ノードNDHとを短絡させてもよい。同様に、可変抵抗RL2により、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りが遅いが、可変抵抗RL2の抵抗値を変更したり、所与の電圧と短絡させたりすることで、第1の低電位側電圧VCOMLβの電位の戻りを早くすることができる。例えば、帰線期間中に、出力ノードNDLβと出力ノードNDLとを短絡させてもよい。
3. その他
3.1 その他の液晶表示装置の構成
本実施形態では、表示パネル12において、時分割多重された階調電圧を分離していたが、本発明がこれに限定されるものではない。
図22に、本実施形態における液晶表示装置の他の構成の概要を示す。図22において、図1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図22では、液晶表示装置10が、表示パネル12に代えて表示パネル650、ソースドライバ20に代えてソースドライバ660を備えている。表示パネル650は、複数のゲート線と、複数のソース線と、ゲート線及びソース線により特定される画素電極を含む。この場合、ソース線に薄膜トランジスタTFTを接続し、このTFTに画素電極を接続することで、アクティブマトリクス型の液晶装置を構成できる。
より具体的には、表示パネル650は、アクティブマトリクス基板(例えばガラス基板)上にアモルファスシリコン薄膜が形成されたアモルファスシリコン液晶パネルである。アクティブマトリクス基板には、図22のY方向に複数配列されそれぞれX方向に伸びるゲート線G1〜GM(Mは2以上の自然数)と、X方向に複数配列されそれぞれY方向に伸びるソース線S1〜SN(Nは2以上の自然数)とが配置されている。また、ゲート線GK(1≦K≦M、Kは自然数)とソース線SL(1≦L≦N、Lは自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスタTFTKL(広義にはスイッチング素子)が設けられている。
また、ゲート線GK(1≦K≦M、Kは自然数)とソース線SL(1≦L≦N、Lは自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスタTFTKL(広義にはスイッチング素子)が設けられている。
例えばTFTKLのゲート電極はゲート線GKに接続され、TFTKLのソース電極はソース線SLに接続され、TFTKLのドレイン電極は画素電極PEKLに接続されている。この画素電極PEKLと、画素電極PEKLと液晶(広義には電気光学物質)を挟んで対向する対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLKL(液晶素子)及び補助容量CSKLが形成されている。そして、TFTKL、画素電極PEKL等が形成されるアクティブマトリクス基板と対向電極CEが形成される対向基板との間に液晶が封入されるように形成され、画素電極PEKLと対向電極CEとの間の印加電圧に応じて画素の透過率が変化するようになっている。
ソースドライバ660は、階調データに基づいて表示パネル650のソース線S1〜SNを駆動する。一方、ゲートドライバ38は、表示パネル650のゲート線G1〜GMを走査(順次駆動)する。
表示ドライバ670は、ソースドライバ660、ゲートドライバ38及び電源回路50を含むことができる。
図23に、図22の液晶表示装置の更に他の構成例のブロック図を示す。図23において、図22と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図23では、表示パネル650上(パネル基板上)に、ソースドライバ660、ゲートドライバ38及び電源回路50を含む表示ドライバ670が形成されている。このように表示パネル650は、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線の各ゲート線及び複数のソース線の各ソース線とに接続された複数の画素(画素電極)と、複数のソース線を駆動するソースドライバと、複数のゲート線を走査するゲートドライバとを含むように構成することができる。表示パネル650の画素形成領域44に、複数の画素が形成されている。各画素は、ソースにソース線が接続されゲートにゲート線が接続されたTFTと、該TFTのドレインに接続された画素電極とを含むことができる。
なお図23では、表示パネル650上においてゲートドライバ38及び電源回路50のうち少なくとも1つが省略された構成であってもよい。
図24に、図22又は図23のソースドライバ660の構成例のブロック図を示す。図24において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図24の示すソースドライバ660が図4のソースドライバ20と異なる点は、ソース線駆動回路34の出力側に分離回路652が設けられている点である。分離回路652は、各デマルチプレクサがソース線駆動回路34の各演算増幅器に対応して設けられた複数のデマルチプレクサを含む。分離回路652の各デマルチプレクサは、図1又は図2の表示パネル12の各デマルチプレクサと同様の機能を有する。従って、分離回路652の各デマルチプレクサは、マルチプレクス駆動制御部36からのマルチプレクス制御信号RSEL、GSEL、BSELに基づいて、各演算増幅器からの時分割多重された階調電圧を分離する制御を行う。
図22〜図24に示す表示パネル650を含む液晶表示装置10、ソースドライバ660で駆動される場合でも、上述の液晶表示装置10、ソースドライバ20で駆動される場合と同様の効果を得ることができる。しかも、図22〜図24の場合では、より低コストのアモルファスシリコンの液晶パネルを用いることができる上に、ソースドライバ660の回路規模を大幅に削減できるという効果も得ることができる。
3.2 その他のソースドライバの構成
なお、上記の本実施形態では、マルチプレクス駆動が行われる液晶表示装置を例に説明したが、本発明は通常駆動が行われる液晶表示装置にも適用できる。
図25に、本実施形態の更に別のソースドライバの構成例のブロック図を示す。図25において、図4と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図25のソースドライバ680は、図22又は図23に示す表示パネル650の複数のソース線を駆動することができる。図25のソースドライバ680が図4のソースドライバ20と異なる点は、多重化回路28、マルチプレクス駆動制御部36が省略された構成を有する点である。
図26に、ソースドライバ680が通常駆動を行う場合の図13の対向電極電圧生成回路66の制御例のタイミング図を示す。
この場合に、対向電極CEに高電位側電圧を供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、第1のVCOMH生成回路100の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する。そのため、1水平走査期間に、スイッチ制御信号SWCHαがアクティブとなった後に、スイッチ制御信号SWCHがアクティブとなる。
ここで、第1のVCOMH生成回路100の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t10が、第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t20より短いことが望ましい。第2のVCOMH生成回路102の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t20は長ければ長いほど、対向電極CEの高電位側電圧の電位レベルの変動を少なくできるからである。
同様に、対向電極CEに低電位側電圧を供給するとき、対向電極電圧生成回路66は、第1のVCOML生成回路110の出力を対向電極CEと電気的に接続した後に、第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する。そのため、1水平走査期間に、スイッチ制御信号SWCLβがアクティブとなった後に、スイッチ制御信号SWCLがアクティブとなる。
ここで、第1のVCOML生成回路110の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t30が、第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t40より短いことが望ましい。第2のVCOML生成回路112の出力を対向電極CEと電気的に接続する期間t40は長ければ長いほど、対向電極CEの低電位側電圧の電位レベルの変動を少なくできるからである。
このように通常駆動を行う場合であっても、本実施形態によれば、対向電極電圧VCOMを高電位側電圧から低電位側電圧に切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と第1の低電位側安定化容量素子CSLβとの間の電荷の再分配が行われる。その後、対向電極CEには、第2のVCOML生成回路112の出力が電気的に接続されるが、対向電極CEの負荷容量と第2の低電位側安定化容量素子CSLとの間で再分配される電荷量が少ないので、第2のVCOML生成回路112の出力電位の変動はほとんどない。同様に、対向電極電圧VCOMを低電位側電圧から高電位側電圧に切り替える際に、対向電極CEの負荷容量と第1の高電位側安定化容量素子CSHαとの間の電荷の再分配が行われる。その後、対向電極CEには、第2のVCOMH生成回路102の出力が電気的に接続されるが、対向電極CEの負荷容量と第2の高電位側安定化容量素子CSHとの間で再分配される電荷量が少ないので、第2のVCOMH生成回路102の出力電位の変動はほとんどない。
従って、対向電極の負荷容量が増大しても、消費電力の増大を抑えて対向電極の電圧変動を抑えることができる。
4. 電子機器
次に、上述の液晶表示装置(ソースドライバ、電源回路等)が適用される電子機器について説明する。
4.1 投写型表示装置
上述の液晶表示装置を用いて構成される電子機器として、投写型表示装置がある。
図27に、上述の実施形態における液晶表示装置が適用された投写型表示装置の構成例のブロック図を示す。
投写型表示装置700は、表示情報出力源710、表示情報処理回路720、表示駆動回路730(表示ドライバ)、液晶パネル740(広義には表示パネル)、クロック発生回路750及び電源回路760を含んで構成される。表示情報出力源710は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、光ディスク装置等のメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路750からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の表示情報を表示情報処理回路720に出力する。表示情報処理回路720は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、或いはクランプ回路等を含むことができる。表示駆動回路730は、ゲートドライバ及びソースドライバを含んで構成され、液晶パネル740を駆動する。電源回路760は、上述の各回路に電力を供給する。
図28に、投写型表示装置の要部の概略構成図を示す。
投写型表示装置は、光源810、ダイクロイックミラー813、814、反射ミラー815、816、817、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820、液晶光変調装置822、823、824、クロスダイクロイックプリズム825、投写レンズ826を含む。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とを含む。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー813は、光源810からの光束のうち赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用液晶光変調装置822に入射される。一方、ダイクロイックミラー813で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用液晶光変調装置823に入射される。一方、青色光は第2のダイクロイックミラー814も透過する。青色光に対しては、長い光路により光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819、出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶光変調装置824に入射される。各光変調回路により変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム825に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。以上のように、投写型表示装置の投写手段が構成される。この投写手段によって合成された光は、投写光学系である投写レンズ826によってスクリーン827に投写され、画像が拡大されて表示される。
4.2 携帯電話機
また上述の液晶表示装置を用いて構成される電子機器として、携帯電話機がある。
図29に、上述の実施形態における液晶表示装置が適用された携帯電話機の構成例のブロック図を示す。図29において、図1、図2、図22又は図23と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
携帯電話機900は、カメラモジュール910を含む。カメラモジュール910は、CCDカメラを含み、CCDカメラで撮像した画像のデータを、YUVフォーマットで表示コントローラ40に供給する。
携帯電話機900は、表示パネル12(表示パネル650。以下同様)を含む。表示パネル12は、ソースドライバ20(ソースドライバ660、680。以下同様)及びゲートドライバ38によって駆動される。表示パネル12は、複数のゲート線、複数のソース線、複数の画素を含む。
表示コントローラ40は、ソースドライバ20及びゲートドライバ38に接続され、ソースドライバ20に対してRGBフォーマットの階調データを供給する。
電源回路50は、ソースドライバ20及びゲートドライバ38に接続され、各ドライバに対して、駆動用の電源電圧を供給する。また表示パネル12の対向電極に、対向電極電圧VCOMを供給する。
ホスト940は、表示コントローラ40に接続される。ホスト940は、表示コントローラ40を制御する。またホスト940は、アンテナ960を介して受信された階調データを、変復調部950で復調した後、表示コントローラ40に供給できる。表示コントローラ40は、この階調データに基づき、ソースドライバ20及びゲートドライバ38により表示パネル12に表示させる。
ホスト940は、カメラモジュール910で生成された階調データを変復調部950で変調した後、アンテナ960を介して他の通信装置への送信を指示できる。
ホスト940は、操作入力部970からの操作情報に基づいて階調データの送受信処理、カメラモジュール910の撮像、表示パネル12の表示処理を行う。
図29では、ホスト940又は表示コントローラ40が、階調データを供給する手段ということができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明は上述の液晶表示パネルの駆動に適用されるものに限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレイ装置の駆動に適用可能である。また、本発明は上述の走査ライン反転駆動に適用されるものに限らず、極性反転駆動方式に限定されるものではない。
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。