JP3657493B2 - 乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材に水溶性の塗工液を塗工するコーティング機、ドライラミネート機またはグラビア印刷機等に付設され、上記シート材に塗工された塗工液を乾燥させる乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、グラビア印刷機等によりシート材に塗工されるインク等からなる塗工液は、有機溶剤を使用したものが多く使用されていた。上記シート材に塗工された有機溶剤タイプの塗工液を乾燥させる場合には、例えばシート材の搬送方向に沿って配列された複数の乾燥器に、上記シート材を順次搬入し、このシート材に所定温度の熱風を吹き付けることにより上記塗工液を段階的に乾燥させることが行われている。
【0003】
すなわち、上流側の乾燥器内に供給される熱風により、シート材上の塗工液が急加熱されて塗工面が荒れたり、塗膜の品質が不均一になったりするのを防止しつつ、下流側の乾燥器に供給される熱風により、シート材上に形成される塗膜の樹脂材を分子間で適正に架橋させて強固な塗膜を形成できるようにするため、上流側の乾燥器内に供給される熱風の温度を低い値に設定するとともに、下流側の乾燥器内に供給される熱風の温度を高い値にすることが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、環境保全等の目的で上記有機溶剤タイプの塗工液に代えて水溶性の塗工液を使用することが行われているが、この水溶性の塗工液を乾燥させる場合には、有機溶剤タイプに比べて格段に多い熱量が必要であり、この熱量を確保するためにシート材に吹き付けられる熱風の温度を高くすると、シート材が高温に加熱されて大きく熱膨張することが避けられない。このため、上記シート材が熱膨張することに起因して皺が形成されるという問題があるとともに、印刷が施されたシート材に塗工液を塗工してコーティングする場合またはシート材に塗工液を複数回重ねてカラー印刷を行う場合に、印刷柄の長さが伸びたり縮んだりする等の問題がある。
【0005】
上記弊害を防止するため、上記熱風の温度を低い値に設定するとともに、その風量を増大させ、あるいはシート材の搬送速度を遅くすることにより、塗工液を乾燥するための熱量を確保することも考えられるが、このように構成した場合には、大量の熱風を供給し得る大型の送風機が必要となったり、シート材の搬送速度が低下することに起因して作業効率が悪くなったりする等の問題がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、シート材が過加熱されるのを防止しつつ、塗工液を迅速かつ適正に乾燥させることができる乾燥装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、塗工機によって水溶性の塗工液が塗工されたシート材の搬送方向に沿って配列された複数の乾燥器と、各乾燥器内に上記塗工液を乾燥させるための熱風をそれぞれ個別に供給する複数の熱風供給手段とを備え、上流側の乾燥器内に供給される熱風の温度を、下流側の乾燥器内に供給される熱風の温度よりも高い値に設定するとともに、上記シート材に塗工された塗工液が半乾燥状態で最下流の乾燥器内に搬入され、かつこの最下流の乾燥器内で上記塗工液の乾燥が完了するように、各乾燥器内に供給される熱風の熱量を設定したものである。
【0008】
上記構成によれば、上流側の乾燥器内に供給された比較的高温の熱風により、シート材に塗工された塗工液の乾燥が効率よく進行するとともに、下流側の乾燥器内に供給された比較的低温の熱風により、シート材が過度に加熱されるのを防止しつつ、上記塗工液の乾燥が確実に完了することになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の乾燥装置において、上記乾燥器から搬出されたシート材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段により検出されたシート材の表面温度と予め設定された基準温度との偏差に基づいて上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の熱量を制御する熱量制御手段とを備えたものである。
【0010】
上記構成によれば、乾燥器から搬出されたシート材の表面温度が温度検出手段により検出された後、この表面温度の検出値と、上記基準温度との偏差が求められるとともに、この偏差に基づいて上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の熱量が制御されることにより、熱エネルギーの浪費が抑制されつつ、上記塗工液の乾燥が迅速かつ適正に行われることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2記載の乾燥装置において、熱風供給手段内に導入される空気の乾球温度及び湿球温度を検出する乾球温度検出手段及び湿球温度検出手段を備え、この乾球温度検出手段及び湿球温度検出手段の検出値と、上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の温度とに基づいて、上記熱風の湿球温度を求め、この熱風の湿球温度よりもやや高い値に上記基準温度を設定したものである。
【0012】
上記構成によれば、乾球温度検出手段及び湿球温度検出手段により検出された空気の乾球温度及び湿球温度に基づき、上記熱風供給手段内に導入される空気の絶対湿度が求められるとともに、この空気の絶対湿度と、上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の温度とに基づき、上記塗工液に含まれた水分の蒸発温度に対応する熱風の湿球温度が求められ、この湿球温度よりもやや高い値に設定された基準温度に応じ、上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の熱量制御が実行されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る乾燥装置の実施形態を示している。この乾燥装置は、シート材2に水溶性の塗工液を塗工するコーティング機、ドライラミネート機またはグラビア印刷機等の塗工機1から導出されたシート材2の搬送方向に沿って配列された第1〜第3乾燥器3〜5と、この第1〜第3乾燥器3〜5内にそれぞれ個別に熱風を供給する第1〜第3熱風供給手段6〜8と、この第1〜第3熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量を制御する熱量制御手段9とを有している。
【0014】
上記第1〜第3熱風供給手段6〜8は、各乾燥器3〜5内に熱風を吹き込む送風機10と、この送風機10の空気取入口に導入される空気を加熱する加熱器11とを有し、この加熱器11によって加熱された空気(熱風)を、上記送風機10により各乾燥器3〜5内にそれぞれ所定の流速で供給するように構成されている。
【0015】
上記熱量制御手段9は、第1〜第3熱風供給手段6〜8の加熱器11による空気の加熱温度を制御する等により、シート材2の搬送方向の最上流側に配設された第1乾燥器3内に供給される熱風の温度を比較的高い温度、例えば100°C程度に設定するとともに、その下流側に配設された第2乾燥器4内に供給される熱風の温度を、上記第1乾燥器3の熱風温度よりも低い温度、例えば80°C程度に設定し、かつ最下流側に配設された第3乾燥器5内に供給される熱風の温度を、上記第2乾燥器4の熱風温度よりもさらに低い温度、例えば60°C程度に設定するように構成されている。
【0016】
また、上記熱量制御手段9は、第1〜第3熱風供給手段6〜8設けられた送風機10から送風される熱風の流速及び加熱器11において加熱された熱風の温度の一方または両方を制御することにより、上記シート材2に塗工された塗工液が半乾燥状態で最下流の第3乾燥器5内に搬入され、かつこの第3乾燥器5内で上記塗工液の乾燥が完了するように、各乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量を制御するように構成されている。
【0017】
すなわち、上記第1熱風供給手段6から第1乾燥器3内に供給された比較的高温の熱風により、シート材2に塗工された塗工液をある程度乾燥させるとともに、上記第2熱風供給手段7から第2乾燥器4内に供給された所定温度の熱風により、上記塗工液の乾燥が完了しない範囲で、さらに塗工液を乾燥させた後、上記第3熱風供給手段8から第3乾燥器5内に供給された比較的低温の熱風により、上記塗工液を完全に乾燥させるように、上記熱風の熱量がそれぞれ制御されるようになっている。
【0018】
具体的には、上記最終段の第3乾燥器5から導出されたシート材2の表面温度を検出する非接触式の温度センサからなる温度検出手段12により検出されたシート材2の表面温度と、上記塗工液を適正に乾燥させ得る温度に予め設定された基準温度とを比較し、上記シート材2の表面温度の検出値と基準温度との偏差が正の値であること、つまり上記表面温度の検出値が基準温度よりも高いことが確認された場合には、上記第1〜第3熱風供給手段6から各3乾燥器3〜5内に供給される熱風の温度を低下させ、あるいはこの熱風の流速を低減させる制御を実行する。これにより、上記第1乾燥器3及び第2乾燥器4内において上記塗工液が過度に乾燥された状態で第3乾燥器5内に導入されたり、第3乾燥器5内で不必要な乾燥が行われたりすることが防止されることになる。
【0019】
逆に、上記塗工液の乾燥に適した温度に予め設定された基準温度とを比較した結果、上記シート材2の表面温度の検出値と基準温度との偏差が負の値であること、つまり上記表面温度の検出値が基準温度よりも低いことが確認された場合には、上記第1〜第3熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の温度を上昇させ、あるいはこの熱風の流速を増大させる制御を実行する。これにより、上記第1乾燥器3及び第2乾燥器4内における上記塗工液の乾燥度合いが所定値以下の状態でシート材2が第3乾燥器5内に導入されることが防止され、上記第3乾燥器5内で塗工液の乾燥が確実に完了することになる。
【0020】
上記基準温度は、第1〜第3熱風供給手段6〜8に設けられた加熱器11の空気取入口に導入される空気(室内空気)の絶対湿度、つまり空気1kg当たりに含まれる水蒸気の質量比と、第3熱風供給手段8から第3乾燥器5内に供給される熱風の温度とに基づいて求められる上記熱風の湿球温度よりもやや高い値に設定されている。
【0021】
上記熱風の湿球温度は、第3熱風供給手段8に導入される空気の乾球温度及び湿球温度及び公知の湿り空気線図に基づいて求められる室内空気の絶対湿度と、上記第3熱風供給手段8から第3乾燥器5内に供給される熱風の温度と、上記湿り空気線図とに基づいて求められる値であり、上記第3熱風供給手段8から第3乾燥器5内に供給された熱風によりシート材2に塗工された塗工液中の水分が蒸発し始める温度を示している。また、上記室内の乾球温度及び湿球温度は、乾燥装置の設置部に配設された乾球温度計からなる乾球温度検出手段13と、湿球温度計からなる湿球温度検出手段14とによってそれぞれ検出される値である。
【0022】
例えば、上記乾球温度検出手段13及び湿球温度検出手段14により検出された室内の乾球温度及び湿球温度が、それぞれ25°C及び16°Cである場合、上記湿り空気線図から読み出される室内空気の絶対湿度は、0.015(kg/kg)である。そして、上記絶対湿度を有する空気を第3熱風供給手段8により60°Cに加熱して第3乾燥器5内に供給する場合、湿り空気線図から読み出される上記熱風の湿球温度は、30°Cである。したがって、上記熱風の熱量制御に用いられる基準温度は、上記熱風の湿球温度30°Cよりもやや高い値、例えば35°C程度に設定される。
【0023】
上記乾球温度検出手段13及び湿球温度検出手段14により検出される室内の乾球温度及び湿球温度が、それぞれ25°C及び16°Cである条件下で、100°C、80°C及び60°Cに加熱した熱風を、それぞれ60m3/分の風量で、第1〜第3乾燥器3〜5内にそれぞれ供給する第1〜第3熱風供給手段6〜8を有する乾燥装置により、水溶性の塗工液が塗工されたシート材2を乾燥させ、このシート材2の表面温度がどのように変化するかを測定する実験を行ったところ、下記のようなデータが得られた。
【0024】
すなわち、図2に示すように、上記第1乾燥器3内にシート材2が導入された時点T1で、第1熱風供給手段6から吹き付けられる100°Cの熱風により上記シート材2が加熱され、その表面温度が上記熱風の湿球温度37°Cに急上昇した後、この温度に維持される。これは、シート材2の表面温度が上記熱風の湿球温度37°Cに上昇した時点で、上記シート材2に塗工された塗工液中の水分が蒸発し始め、その気化熱によってシート材2の表面温度の上昇が抑制されるためである。
【0025】
次いで、上記第2乾燥器4内にシート材2が導入された時点T2で、第2熱風供給手段7から吹き付けられる80°Cの熱風により上記シート材2が加熱され、上記塗工液の乾燥が行われる。上記熱風の湿球温度は33°Cであるため、上記塗工液中の水分が気化する際の気化熱によってシート材2の表面温度が上記33°Cまで低下した後、この温度に維持される。
【0026】
また、上記第3乾燥器5内にシート材2が導入された時点T3で、第3熱風供給手段8から吹き付けられる60°Cの熱風の湿球温度は、上記のように30°Cであるため、上記塗工液の乾燥が完了するまでシート材2の表面温度が上記熱風の湿球温度30°Cに低下した状態となる。そして、上記塗工液の乾燥が完了した時点T4、つまり塗工液中の水分が蒸発する際の気化熱によってシート材2の温度を維持する作用が失われた時点で、シート材2の表面温度が上昇し始め、シート材2が第3乾燥器5の出口に到達した時点T5におけるシート材の表面温度は、35°Cとなった。
【0027】
このように塗工機1によって水溶性の塗工液が塗工されたシート材2の搬送方向に沿って配列された複数の乾燥器3〜5と、各乾燥器3〜5内に上記塗工液を乾燥させるための熱風をそれぞれ個別に供給する複数の第1〜第3熱風供給手段6〜9とを備え、上流側の乾燥器3,4内に供給される熱風の温度を、下流側の乾燥器5内に供給される熱風の温度よりも高い値に設定するとともに、上記シート材2に塗工された塗工液が半乾燥状態で最下流の乾燥器5内に搬入され、かつこの最下流の乾燥器5内で上記塗工液の乾燥が完了するように、上記第1〜第3熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量を設定したため、上記シート材2が過度に加熱されるのを防止しつつ、上記塗工液を適正かつ確実に乾燥させることができる。
【0028】
すなわち、上記第1,第2熱風供給手段6,7から上流側の第1,第2乾燥器3,4内に比較的高温の熱風を供給することにより、上記シート材2に塗工された塗工液を、高温の熱風によって効率よく乾燥させることができるため、上記塗工液中の水分のほとんどを気化させた状態で、シート材2を最下流の第3乾燥器8内に供給し、この第3乾燥器3内において上記塗工液の最終乾燥を行うことができる。したがって、上記熱風の温度を低い値に設定して大量の熱風を供給したり、あるいはシート材2の搬送速度を低下させたりする等の手段を講じることなく、小型の送風機10を使用して上記塗工液を迅速かつ確実に乾燥させることができる。
【0029】
しかも、最下流の第3熱風供給手段8から供給される熱風の温度を比較的低温に設定したため、塗工液の乾燥終了後に、上記シート材2の表面温度が過度に上昇するのを防止することができる。したがって、上記シート材2が高温に加熱されて大きく熱膨張することに起因する種々の弊害、例えばシート材2に皺が形成されたり、印刷が施されたシート材2に塗工液を塗工してコーティングする場合またはシート材2に塗工液を複数回重ねてカラー印刷を行う場合等に、印刷柄の長さが伸びたり縮んだりするのを効果的に防止しつつ、上記塗工液を適正に乾燥させることができる。
【0030】
また、上記のように第3乾燥器5から搬出されたシート材2の表面温度を検出する温度検出手段12と、この温度検出手段12により検出されたシート材2の表面温度と予め設定された基準温度との偏差に基づいて上記各熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の温度及び流速の一方または両方を調節することにより、上記熱風の熱量を制御する熱量制御手段9とを設けたため、熱エネルギーの浪費を抑制しつつ、上記塗工液の乾燥を迅速かつ適正に行うことができる。
【0031】
すなわち、上記塗工液を充分に乾燥し得るとともに、過度の乾燥が行われるのを防止し得る値に上記基準温度を設定し、上記シート材2の表面温度の検出値が基準温度よりも高いことが確認された場合に、上記第1〜第3熱風供給手段6〜8から第1〜第3乾燥器3〜5内に供給される熱風の温度を低下させ、あるいは熱風の流速を低減させる制御を実行することにより、上記第1〜第3乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量が不必要に大きくなるのを防止して、熱エネルギーの浪費を抑制できるとともに、シート材2が過度に加熱されることによる上記弊害の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【0032】
また、上記シート材2の表面温度の検出値が基準温度よりも低いことが確認された場合に、上記第1,第2熱風供給手段6,7から第1,第2乾燥器3,4内に供給される熱風の温度を上昇させ、あるいは熱風の流速を増大させる制御を実行することにより、上記第1乾燥器3及び第2乾燥器4内における上記塗工液の乾燥度合いが所定値以下の状態でシート材2が第3乾燥器5内に導入されることを防止し、この第3乾燥器5内において塗工液の乾燥を確実に完了させることができる。
【0033】
特に、上記実施形態では、第1〜第3熱風供給手段6〜8の加熱器11に導入される空気の乾球温度及び湿球温度を検出する乾球温度検出手段13及び湿球温度検出手段14を設け、この乾球温度検出手段13及び湿球温度検出手段14の検出値と、上記第3熱風供給手段8から第3乾燥器5内に供給される熱風の温度とに基づいて、この熱風の湿球温度を求め、上記基準温度を熱風の湿球温度よりもやや高い値に設定するように構成したため、室内の温度及び湿度が変化した場合等に、これに対応させて上記第1〜第3熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量を適正に制御し、不要な熱量が供給されることによる熱エネルギーの浪費を抑制しつつ、上記塗工液を迅速かつ確実に乾燥させることができる。
【0034】
なお、上記のように複数の乾燥器3〜5を設けるとともに、上流側の乾燥器3,4内に供給される熱風の温度を、下流側の乾燥器5内に供給される熱風の温度よりも低い値に設定してなる乾燥装置では、必ずしも上記温度検出手段12の検出値等に基づく熱風の熱量制御を実行する必要はなく、室内の気温及び湿度が変化した場合においても、シート材2に塗工された塗工液が完全に乾燥する前に最下流の第3乾燥器内5内に搬入され、かつ最下流の乾燥器5内において上記塗工液の乾燥を確実に終了させ得る熱量を実験的に求め、この実験結果に基づいて上記各熱風の熱量を設定するように構成してもよい。
【0035】
上記のように構成することにより、上記各熱風供給手段6〜8から各乾燥器3内5内に供給される熱風により、上記シート材2が過度に加熱されるのを防止しつつ、シート材2に塗工された上記塗工液を適正かつ確実に乾燥させることができる。この場合、上記乾燥器3〜5及び熱風供給手段6〜8の個数は、三個に限定されることなく、二個でもよく、あるいは四個以上でもよい。また、上記複数の乾燥器を、必ずしも区画壁によって分離した構造とすることなく、所定領域毎に連続させた構造としてもよい。
【0036】
図3は、上記乾燥器5から搬出されたシート材2の表面温度を検出する温度検出手段12と、この温度検出手段12により検出されたシート材2の表面温度と予め設定された基準温度との偏差に基づいて上記熱風供給手段6〜8から各乾燥器3〜5内に供給される熱風の熱量を制御する熱量制御手段9とを備えた乾燥装置において、単一の乾燥器3及び熱風供給手段6を設けた構造を示している。
【0037】
上記構成によれば、グラビア印刷ユニットまたはコーティング材の塗工ユニット等からなる塗工機1により水溶性の塗工液が塗工されたシート材2を乾燥器3内に搬入し、上記熱風供給手段6から供給される熱風により上記塗工液を乾燥させるとともに、上記乾燥器3から排出されたシート材2の表面温度の検出値に基づき、上記熱風の温度もしくは風量の一方または両方を調節して、上記シート材2の表面温度を、予め設定された基準温度に一致させるように熱風の熱量を制御することにより、不要な熱量の消費を抑制しつつ、上記塗工液を迅速かつ適正に乾燥させることができる。
【0038】
なお、シート材2の表面温度を検出する非接触式の温度センサからなる温度検出手段12を設けてなる上記実施形態に代え、乾燥器の出口部に設けられたシート材2の搬送ローラの温度を検出し、この検出温度に基づいて上記シート材2の表面温度を推定する推定手段からなる温度検出手段を設けた構造としてもよい。また、上記熱風の温度及び流速の少なくとも一方を調節することにより、上記熱風の熱量を制御する上記実施形態に代え、乾燥装置に搬入されるシート材の搬送速度を調節することにより、上記熱量を間接的に制御するようにしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、塗工機によって水溶性の塗工液が塗工されたシート材の搬送方向に沿って配列された複数の乾燥器と、各乾燥器内に上記塗工液を乾燥させるための熱風をそれぞれ個別に供給する複数の熱風供給手段とを備え、上流側の乾燥器内に供給される熱風の温度を、下流側の乾燥器内に供給される熱風の温度よりも高い値に設定するとともに、上記シート材に塗工された塗工液が半乾燥状態で最下流の乾燥器内に搬入され、かつこの最下流の乾燥器内で上記塗工液の乾燥が完了するように、各乾燥器内に供給される熱風の熱量を設定したため、上記シート材が過度に加熱されるのを防止しつつ、シート材に塗工された上記塗工液を適正かつ確実に乾燥させることができるという利点がある。
【0040】
また、本発明は、塗工機によって水溶性の塗工液が塗工されたシート材が搬入される乾燥器と、この乾燥器内に上記塗工液を乾燥させるための熱風を供給する熱風供給手段と、上記乾燥器から搬出されたシート材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段により検出されたシート材の表面温度と予め設定された基準温度との偏差に基づいて上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の熱量を制御する熱量制御手段とを設けたため、不要な熱量の消費を抑制しつつ、上記塗工液を迅速かつ適正に乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る乾燥装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】 シート材の表面温度の変化状態を示すタイムチャートである。
【図3】 本発明に係る乾燥装置の別の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 塗工機
2 シート材
3〜5 乾燥器
6〜8 熱風供給手段
9 熱量制御手段
12 温度検出手段
13 乾球温度検出手段
14 湿球温度検出手段
Claims (3)
- 塗工機によって水溶性の塗工液が塗工されたシート材の搬送方向に沿って配列された複数の乾燥器と、各乾燥器内に上記塗工液を乾燥させるための熱風をそれぞれ個別に供給する複数の熱風供給手段とを備え、上流側の乾燥器内に供給される熱風の温度を、下流側の乾燥器内に供給される熱風の温度よりも高い値に設定するとともに、上記シート材に塗工された塗工液が半乾燥状態で最下流の乾燥器内に搬入され、かつこの最下流の乾燥器内で上記塗工液の乾燥が完了するように、各乾燥器内に供給される熱風の熱量を設定したことを特徴とする乾燥装置。
- 請求項1記載の乾燥装置において、上記乾燥器から搬出されたシート材の表面温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段により検出されたシート材の表面温度と予め設定された基準温度との偏差に基づいて上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の熱量を制御する熱量制御手段とを備えたことを特徴とする乾燥装置。
- 請求項2記載の乾燥装置において、熱風供給手段内に導入される空気の乾球温度及び湿球温度を検出する乾球温度検出手段及び湿球温度検出手段を備え、これらの乾球温度検出手段及び湿球温度検出手段の検出値と、上記熱風供給手段から乾燥器内に供給される熱風の温度とに基づいて、上記熱風の湿球温度を求め、この熱風の湿球温度よりもやや高い値に上記基準温度を設定したことを特徴とする乾燥装置。
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