JP3656717B2 - 熱発生器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体をせん断により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換して暖房熱源に利用する熱発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平10−217757号公報に車両用暖房装置に利用される熱発生器が開示されている。この熱発生器では、ハウジング内に発熱室と、この発熱室に隣接して循環流体としての冷却水を循環させる放熱室としてのウォータジャケットとが形成されている。また、ハウジングには軸封装置を内蔵した軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承されており、駆動軸の前端にはエンジンにより駆動軸をベルト駆動可能にプーリが設けられ、駆動軸の後端には発熱室内で回動可能に円盤状のロータが圧入により固定されている。そして、発熱室の壁面とロータの外面との液密的間隙にはロータの回動により発熱されるシリコーンオイル等の粘性流体が介在されている。
【0003】
車両の暖房装置に組み込まれたこの熱発生器では、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との液密的間隙でせん断により発熱する。この発熱はウォータジャケット内の冷却水に熱交換され、加熱された冷却水が暖房回路で車室等の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記熱発生器では、駆動軸としては剛性の高い鉄系金属からなるものを意図している一方、この駆動軸に固定されるロータとしては、加工性及び軽量性を考慮し、全体をアルミニウム系金属からなるもの意図している。このため、かかる熱発生器において、駆動軸によりロータを回動させ、これにより粘性流体を発熱室においてせん断により発熱させると、駆動軸とロータとの熱膨張係数の差から、両者間の圧入時の締め代が組み付け時よりも小さくなり、駆動軸のトルクがロータに確実には伝達されにくくなって駆動軸とロータとの間ですべりを生じ、両者の一体回動が困難になる場合がある。
【0005】
この点、特開平9−323534号公報記載の熱発生器のように、円盤状のロータ本体部と、このロータ本体部にリベット等により固定され、かつ駆動軸にスプライン結合される基部とでロータを構成することも考えられる。
【0006】
しかしながら、かかる熱発生器においては、ロータ本体部に基部を固定するに際してリベット等の部材が必要となり、部品点数の増加から製品コストの高騰化を招来してしまう。また、この熱発生器では、基部をスプライン結合により駆動軸に結合しているため、駆動軸及び基部にスプラインを刻設する必要があり、工程数の増加からやはり製品コストの高騰化を招来してしまう。
【0007】
これに対し、駆動軸より熱膨張係数の大きな材料からなり、粘性流体をせん断するロータ本体部と、駆動軸と同等の熱膨張係数の材料からなってロータ本体部に鋳ぐるまれ、駆動軸に固定される基部とからなるロータをもつ熱発生器が考えられる。この熱発生器では、安価に製造可能であるとともに、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能である。
【0008】
ところが、かかる熱発生器においては、組付けの容易性と耐久性とを両立しにくいことが明らかとなった。すなわち、この熱発生器においては、図8に示すように、駆動軸92に固定した基部90aを位置決め部材としての軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aと当接させて位置決めすれば、ロータ90の組付けの容易性を確保できる。一方、この熱発生器において、何らロータ90のロータ本体部90bと軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aとの関係を考慮せず、かつ基部90aとロータ本体部90bとを同一の端面で形成すると、ロータ本体部90bは基部90aより熱膨張係数が大きな材料からなることから、運転時に粘性流体を発熱させる等、内部の温度が上昇すると、ロータ本体部90bが基部90aより大きく熱膨張して軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aとの間で軸方向に押し合うこととなる。このため、その反力によりロータ本体部90bが基部90aに対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立できる熱発生器を提供することを解決すべき課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱発生器は、内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動によるせん断作用により発熱される粘性流体とを有する熱発生器において、
前記ロータは、前記駆動軸より熱膨張係数の大きな材料からなり、前記粘性流体をせん断するロータ本体部と、該駆動軸と同等の熱膨張係数の材料からなって該ロータ本体部に鋳ぐるまれ、位置決め部材と当接して位置決めしつつ該駆動軸に固定される基部とからなり、少なくとも該ロータ本体部は該位置決め部材との間で熱膨張が許容されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の熱発生器では、ロータのロータ本体部で粘性流体をせん断により発熱させるべく、駆動軸を駆動すると、駆動軸のトルクは駆動軸に固定されたロータの基部に伝達され、ロータの基部のトルクは基部を鋳ぐるんだロータ本体部に伝達されることとなる。この際、駆動軸と基部とは熱膨張係数にさほど又は全く相違がないことから、駆動軸と基部との間の寸法差はさほど又は全く変化しないこととなる。このため、基部を駆動軸に圧入のみにより固定するとしても、両者間の締め代は組み付け時とさほど又は全く変化せず、駆動軸のトルクは基部に確実に伝達されることとなる。また、ロータ本体部とこのロータ本体部に鋳ぐるまれた基部とは両者の熱膨張係数の差に基づいて冷却時に強固に締結され、この締結力は圧入時の締め代によるもの以上となる。このため、基部のトルクもロータ本体部に確実に伝達されることとなる。こうして、この熱発生器では、運転時に駆動軸とロータとの間ですべりを生じにくく、両者の一体回動は確実に確保される。このため、この熱発生器によれば、車室等の暖房が所望されれば、その所望を確実に叶えることができる。
【0012】
また、この熱発生器では、ロータ本体部が基部を鋳ぐるむことによりロータ本体部に基部を固定しているため、従来のリベット等の部材が不要となり、基部以外は部品点数の増加を生じることなく、比較的安価な製造が可能である。
【0013】
さらに、この熱発生器では、基部を必ずしもスプライン結合等により駆動軸に結合する必要がなく、駆動軸に基部を圧入して両者を固定することも可能であるため、工程数の削減からやはり比較的安価な製造が可能である。
【0014】
また、この熱発生器においては、駆動軸に固定した基部を位置決め部材と当接させて位置決めすれば、ロータの組付けの容易性を確保できる。一方、この熱発生器では、運転時に粘性流体を発熱させる等、内部の温度が上昇し、基部より熱膨張係数が大きな材料からなるロータ本体部が基部より大きく熱膨張しても、そのロータ本体部は位置決め部材との間でその熱膨張が許容されているため、位置決め部材との間で軸方向に押し合うことがない。このため、その反力が作用せず、ロータ本体部が基部に対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがない。このため、この熱発生器では、組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0015】
したがって、本発明の熱発生器では、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0016】
本発明の熱発生器では、位置決め部材として、位置決めのために駆動軸に形成され得る駆動軸の段部、位置決めのために駆動軸に設けられ得るサークリップ、軸受装置や軸封装置を固定するサークリップ、サークリップなしで駆動軸に固定される軸受装置、サークリップなしで駆動軸に固定される軸封装置等を採用することができる。位置決め部材が軸受装置の場合、基部はその軸受装置の内輪と当接して位置決めし、ロータ本体部はその内輪との間で熱膨張が許容され得る。
【0017】
本発明の熱発生器に係るロータ本体部が軸受装置との間で熱膨張が許容され得る態様としては、軸受装置の製造メーカの手段として、軸受装置の内輪がロータ本体部に対して熱膨張を許容する間隙を有することが挙げられる。また、この態様として、軸受装置のコストアップに対抗すべく、ロータの製造メーカの手段として、基部の外径をその軸受装置の内輪より大径とするとともに、ロータ本体部が基部を鋳ぐるむボス部を有する場合には、そのボス部のうちのロータ本体部部分がその軸受装置の内輪と外輪との間に位置し、かつそのボス部のうちのロータ本体部部分がその軸受装置の保持器又は封止部材と干渉しないようにすることが挙げられる。さらに、この態様として、同様にロータの製造メーカの手段として、ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することも挙げられる。軸受装置の内輪がロータ本体部に対して熱膨張を許容する間隙を有したり、ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有すれば、ロータ本体部が軸方向に熱膨張を生じても、両者は非接触であったり、無荷重下での接触となる。
【0018】
ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有する場合、基部のうちのロータ本体部側の部分も内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することが好ましい。こうであれば、ロータ本体部とこのロータ本体部に鋳ぐるんだ基部とからなるロータの鋳造後、その鋳造品の切削加工により、確実にロータ本体部に間隙を形成しやすく、かつ基部の残部に軸受装置の内輪と当接して位置決めを行う基準面を形成しやすい。
【0019】
駆動軸としては鉄系金属からなるものを採用し、ロータの基部としては鉄系金属からなるものを採用し、ロータのロータ本体部としてはアルミニウム系金属からなるものを採用することができる。こうであれば、駆動軸及び基部が鉄系金属で高い剛性を確保しつつ、アルミニウム系金属からなるロータ本体部が熱発生器の加工性及び軽量性を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態1〜3を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
実施形態1の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図1に示すように、前部ハウジング本体1、前部プレート2、略リング状の後部プレート3及び後部ハウジング本体4が各々積層され、これらがそれぞれ間にOリングを介して複数本のボルト5により締結されている。前部プレート2の後面には円形の凹部が凹設されており、この凹部は後部プレート3の前面とにより発熱室6を形成している。また、後部プレート3と後部ハウジング本体4とにより貯留室SRが形成されている。発熱室6と貯留室SRとにより作動室が構成されている。
【0021】
前部プレート2の前面には円弧状のフィン2aが複数条軸方向前方に突設され、前部ハウジング本体1とこれらフィン2aとにより前部放熱室としての前部ウォータジャケットFWが形成されている。また、後部プレート3の後面にも円弧状のフィン3aが複数条軸方向後方に突設され、後部ハウジング本体4とこれらフィン3aとにより後部放熱室としての後部ウォータジャケットRWが形成されている。前部及び後部ウォータジャケットFW、RW内の循環流体としての冷却水はこれらフィン2a、3aに従って流れるようになっており、フィン2a、3aはその際に受熱面積を向上させている。
【0022】
前部プレート2の軸孔には、内輪7aと、外輪7bと、内輪7aと外輪7bとの間で保持器7dにより保持されたボール7cとを有する複列の軸受装置7が設けられている。内輪7aは鉄系金属(軸受用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。なお、後方側の軸受装置7における内輪7aと外輪7bとの間の後方側には図示しない封止部材が設けられている。
【0023】
軸受装置7により駆動軸8が回動可能に支承されている。駆動軸8は鉄系金属(構造用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。
【0024】
駆動軸8の後端には発熱室6内で回動可能なロータ9が固定されている。ロータ9は、円盤状のロータ本体部9aと、このロータ本体部9aに外周面で鋳ぐるまれ、ロータ本体部9aの必要な前方に突出する軸長のボス部の内側を形成する基部としてのブッシュ9bとからなる。ロータ本体部9aはアルミニウム系金属(ダイガスト合金)からなり、その熱膨張係数βは約21.0×10-6(°C)である。ブッシュ9bは鉄系金属(構造用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。ブッシュ9bの外周面には、図2(A)及び(B)に示すように、軸方向に対してそれぞれ傾斜した互いに交差する凹凸としての刻み目9cをもつ綾目ローレット加工が施されている。
【0025】
かかるロータ9を得るためには、まず良好な作業性を経て綾目ローレット加工を施したブッシュ9bを用意し、このブッシュ9bを鋳型内に取り付け、キャビティにアルミニウム系金属(ダイカスト合金)の溶湯を流し込み、冷却、型開きにより鋳造品を得る。この後、この鋳造品に穴加工、溝加工、研磨加工等の切削加工を施す。その際、図3に示すように、ブッシュ9bの前面に基準面9dを形成するとともに、ブッシュ9bの前面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aにその基準面9dに対して数μmの段差Δをもつ面9eを形成する。こうして、アルミニウム系金属(ダイカスト合金)の溶湯が固化したロータ本体部9aと、このロータ本体部9aに鋳ぐるまれたブッシュ9bとからなるロータ9が得られる。なお、図1に示すように、ロータ本体部9aのブッシュ9bよりの位置には前後に貫通する連通孔9dが複数個形成されている。
【0026】
かかるロータ9は駆動軸8にブッシュ9bを所定の締め代で圧入することにより固定されている。こうして、図1に示すように、ロータ9のロータ本体部9aは発熱室6内で前部及び後部プレート2、3との間に液密的間隙を確保することとなる。また、図4に示すように、ブッシュ9bの前面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aの面9eは、段差Δにより、軸受装置7の内輪7aとの間に間隙Δを有することとなる。
【0027】
貯留室SRは液密的間隙の容積を超えるシリコーンオイルSOを収容可能であり、前部及び後部プレート2、3とロータ9との液密的間隙及び貯留室SRには粘性流体としてのシリコーンオイルSOが40〜70vol%の充填率で封入され、残余には空気が残存されている。後部プレート3は貯留室SRとの間で隔壁を構成しており、後部プレート3の中央域には貯留室SR内のシリコーンオイルSOの液位を跨いで位置する開口3cが貫設されている。以上によりビスカスヒータVHが構成されている。
【0028】
また、前部ハウジング本体1及び駆動軸8には電磁クラッチMCが装着されている。ここで、電磁クラッチMCでは、ビスカスヒータVHの前部ハウジング1に軸受装置10を介してプーリ11が回転可能に支承されているとともに、プーリ11内に位置すべく励磁コイル12が設けられている。この励磁コイル12は図示しないエアコンECUに接続されている。そして、ビスカスヒータVHの駆動軸8にはボルト13によりハブ14が固定され、ハブ14は板ばね15を介してアーマチュア16と固定されている。プーリ11は図示しない車両のエンジンによりベルトで回転されるようになっている。
【0029】
以上のように構成されたビスカスヒータVHでは、エアコンECUの指令により、電磁クラッチMCの励磁コイル12への通電が行われておれば、アーマチュア16がプーリ11に磁着するため、駆動軸8がエンジンにより駆動される。このため、ビスカスヒータVHでは、作動室内でロータ9が回動するため、シリコーンオイルSOが発熱室6を形成する前部及び後部プレート2、3の壁面とロータ9の外面との液密的間隙でせん断により発熱する。この発熱は前部及び後部ウォータジャケットFW、RW内の冷却水に熱交換され、加熱された冷却水が循環回路を循環する。
【0030】
この間、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8のトルクはロータ9のブッシュ9bに伝達され、ロータ9のブッシュ9bのトルクはロータ本体部9aに伝達されることとなる。この際、駆動軸8とブッシュ9bとは熱膨張係数βにさほど相違がないことから、駆動軸8とブッシュ9bとの間の寸法差はさほど又は全く変化しないこととなる。このため、このビスカスヒータVHのようにブッシュ9bを駆動軸8に圧入のみにより固定していても、駆動軸8とブッシュ9bとの間の締め代は組み付け時とさほど変化せず、駆動軸8のトルクはブッシュ9bに確実に伝達されることとなる。また、ロータ本体部9aとブッシュ9bとは、ロータ本体部9aとブッシュ9bとの熱膨張係数βの差に基づいて鋳造冷却時に強固に締結されており、特に、ブッシュ9bの外周面には上記の刻み目9cが形成されているので、ロータ本体部9aとの結合強度が回転方向及び軸方向で確実に機械的に強化されている。このため、ロータ本体部9aとブッシュ9bとの温度上昇による径方向の熱膨張差で締め代が減少しても、ブッシュ9bのトルクもロータ本体部9aに確実に伝達されることとなる。こうして、このビスカスヒータVHでは、運転時に駆動軸8とロータ9との間ですべりを生じにくく、駆動軸8とロータ9との一体回動は確実に確保される。このため、このビスカスヒータVHによれば、車室の暖房やエンジンの暖気が所望されれば、それらの所望を確実に叶えることができる。
【0031】
また、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8及びブッシュ9bが鉄系金属で高い剛性を確保しつつ、アルミニウム系金属からなるロータ本体部9aにより加工性及び軽量性を実現している。
【0032】
さらに、このビスカスヒータVHでは、ブッシュ9bの外周面に上記の刻み目9cが形成されているため、その刻み目9cによってブッシュ9bとロータ本体部9aとの機械的な結合強度を軸方向でも強化でき、ブッシュ9bに対してロータ本体部9aが軸方向に変位して発熱室6の前後の壁面にロータ本体部9aが干渉することを防止することもできる。
【0033】
また、このビスカスヒータVHでは、ロータ本体部9aがブッシュ9bを鋳ぐるむことによりロータ本体部9aにブッシュ9bを固定しているため、従来のリベット等の部材が不要となり、ブッシュ9b以外は部品点数の増加を生じることなく、比較的安価な製造が可能である。
【0034】
さらに、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8にブッシュ9bを圧入して駆動軸8とブッシュ9bとを固定しているため、工程数の削減からやはり比較的安価な製造が可能である。
【0035】
また、このビスカスヒータVHにおいては、組付け時、ロータ9は、駆動軸8にブッシュ9bを所定の締め代で圧入することにより固定され、駆動軸8とともに第1サブアッシーとされる。そして、軸受装置7を保持した前部プレート2も第2サブアッシーとし、第2サブアッシーにおける軸受装置7の内輪7aに第1サブアッシーを圧入する。この際、図4に示すように、駆動軸8に圧入したブッシュ9bを軸受装置7の内輪7aと当接させて位置決めしていることから、ロータ9の組付けの容易性が確保される。また、ロータ本体部9aはブッシュ9bよりも軟質の材料であるが、ロータ本体部9aの面9eはブッシュ9bの基準面9dに対して数μmの段差Δをもつことから、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aから荷重を受けず、変形を生じない。一方、このビスカスヒータVHでは、運転時にシリコーンオイルSOを発熱させる等、内部の温度が上昇し、ブッシュ9bより熱膨張係数が大きな材料からなるロータ本体部9aがブッシュ9bより大きく熱膨張しても、間隙Δにより、そのロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aと非接触であったり、無荷重下での接触となる。つまり、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aとの間でその熱膨張が許容されることとなる。このため、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aとの間で軸方向に押し合うことがなく、その反力が作用しないことから、ロータ本体部9aがブッシュ9bに対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがない。このため、このビスカスヒータVHでは、組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0036】
したがって、実施形態1のビスカスヒータVHでは、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸8とロータ9との一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
(実施形態2)
実施形態2の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図5に示すように、後部プレート3と後部ハウジング本体4とが実施形態1のビスカスヒータVHのような貯留室を形成しておらず、後部プレート3の軸孔に単列の軸受装置17が設けられている。軸受装置17は、内輪17aと、外輪17bと、内輪17aと外輪17bとの間で保持器17dにより保持されたボール17cとを有する。内輪17aも鉄系金属(軸受用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。なお、軸受装置17における内輪17aと外輪17bとの間の前方側には図示しない封止部材が設けられている。
【0037】
そして、軸受装置7、17により駆動軸8が回動可能に支承され、駆動軸8の後端にロータ9が固定されている。ロータ9は、ロータ本体部9aの必要な前後に突出する軸長のボス部の内側を形成するブッシュ9fを有している。
【0038】
かかるロータ9では、鋳造品に切削加工を施す際、図6に示すように、ブッシュ9fの後面にも基準面9dが形成されているとともに、ブッシュ9fの後面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aにもその基準面9dに対して数μmの段差Δをもつ面9eが形成されている。こうして、ブッシュ9fの後面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aの面9eも、段差Δにより、軸受装置17の内輪17aとの間に間隙Δを有することとなる。他の構成は実施形態1のビスカスヒータVHと同様である。
【0039】
このビスカスヒータVHにおいても実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施形態3)
実施形態3の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図7に示すように、ブッシュ9gの外径を軸受装置7の内輪7aより半径Hだけ大径とするとともに、ボス部のうちのロータ本体部9a部分がその軸受装置7の内輪7aと外輪7bとの間に位置し、かつそのボス部のうちのロータ本体部9a部分がその軸受装置7の保持器7d及び図示しない封止部材と干渉しないようにされている。他の構成は実施形態1のビスカスヒータVHと同様である。
【0040】
このビスカスヒータVHにおいては、ボス部のうちのロータ本体部9a部分の肉厚が連通孔9dとの関係で制限されつつ軸受装置7の内輪7aと外輪7bとの間隔に制限されるものの、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のビスカスヒータの縦断面図である。
【図2】実施形態1のビスカスヒータに係り、(A)はブッシュの平面図、(B)はブッシュの側面図である。
【図3】実施形態1のビスカスヒータの要部断面図である。
【図4】実施形態1のビスカスヒータの要部拡大断面図である。
【図5】実施形態2のビスカスヒータの断面図である。
【図6】実施形態2のビスカスヒータの要部拡大断面図である。
【図7】実施形態3のビスカスヒータの要部断面図である。
【図8】先の提案の熱発生器の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
6…発熱室
FW、RW…放熱室(ウォータジャケット)
1、2、3、4…ハウジング
7、17…軸受装置
7a、17a…内輪
8…駆動軸
9…ロータ
9a…ロータ本体部
9b、9f、9g…基部(ブッシュ)
SO…粘性流体(シリコーンオイル)
Δ…間隙
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘性流体をせん断により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換して暖房熱源に利用する熱発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平10−217757号公報に車両用暖房装置に利用される熱発生器が開示されている。この熱発生器では、ハウジング内に発熱室と、この発熱室に隣接して循環流体としての冷却水を循環させる放熱室としてのウォータジャケットとが形成されている。また、ハウジングには軸封装置を内蔵した軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承されており、駆動軸の前端にはエンジンにより駆動軸をベルト駆動可能にプーリが設けられ、駆動軸の後端には発熱室内で回動可能に円盤状のロータが圧入により固定されている。そして、発熱室の壁面とロータの外面との液密的間隙にはロータの回動により発熱されるシリコーンオイル等の粘性流体が介在されている。
【0003】
車両の暖房装置に組み込まれたこの熱発生器では、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の壁面とロータの外面との液密的間隙でせん断により発熱する。この発熱はウォータジャケット内の冷却水に熱交換され、加熱された冷却水が暖房回路で車室等の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記熱発生器では、駆動軸としては剛性の高い鉄系金属からなるものを意図している一方、この駆動軸に固定されるロータとしては、加工性及び軽量性を考慮し、全体をアルミニウム系金属からなるもの意図している。このため、かかる熱発生器において、駆動軸によりロータを回動させ、これにより粘性流体を発熱室においてせん断により発熱させると、駆動軸とロータとの熱膨張係数の差から、両者間の圧入時の締め代が組み付け時よりも小さくなり、駆動軸のトルクがロータに確実には伝達されにくくなって駆動軸とロータとの間ですべりを生じ、両者の一体回動が困難になる場合がある。
【0005】
この点、特開平9−323534号公報記載の熱発生器のように、円盤状のロータ本体部と、このロータ本体部にリベット等により固定され、かつ駆動軸にスプライン結合される基部とでロータを構成することも考えられる。
【0006】
しかしながら、かかる熱発生器においては、ロータ本体部に基部を固定するに際してリベット等の部材が必要となり、部品点数の増加から製品コストの高騰化を招来してしまう。また、この熱発生器では、基部をスプライン結合により駆動軸に結合しているため、駆動軸及び基部にスプラインを刻設する必要があり、工程数の増加からやはり製品コストの高騰化を招来してしまう。
【0007】
これに対し、駆動軸より熱膨張係数の大きな材料からなり、粘性流体をせん断するロータ本体部と、駆動軸と同等の熱膨張係数の材料からなってロータ本体部に鋳ぐるまれ、駆動軸に固定される基部とからなるロータをもつ熱発生器が考えられる。この熱発生器では、安価に製造可能であるとともに、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能である。
【0008】
ところが、かかる熱発生器においては、組付けの容易性と耐久性とを両立しにくいことが明らかとなった。すなわち、この熱発生器においては、図8に示すように、駆動軸92に固定した基部90aを位置決め部材としての軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aと当接させて位置決めすれば、ロータ90の組付けの容易性を確保できる。一方、この熱発生器において、何らロータ90のロータ本体部90bと軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aとの関係を考慮せず、かつ基部90aとロータ本体部90bとを同一の端面で形成すると、ロータ本体部90bは基部90aより熱膨張係数が大きな材料からなることから、運転時に粘性流体を発熱させる等、内部の温度が上昇すると、ロータ本体部90bが基部90aより大きく熱膨張して軸受装置91、より具体的には軸受装置91の内輪91aとの間で軸方向に押し合うこととなる。このため、その反力によりロータ本体部90bが基部90aに対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立できる熱発生器を提供することを解決すべき課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱発生器は、内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動によるせん断作用により発熱される粘性流体とを有する熱発生器において、
前記ロータは、前記駆動軸より熱膨張係数の大きな材料からなり、前記粘性流体をせん断するロータ本体部と、該駆動軸と同等の熱膨張係数の材料からなって該ロータ本体部に鋳ぐるまれ、位置決め部材と当接して位置決めしつつ該駆動軸に固定される基部とからなり、少なくとも該ロータ本体部は該位置決め部材との間で熱膨張が許容されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の熱発生器では、ロータのロータ本体部で粘性流体をせん断により発熱させるべく、駆動軸を駆動すると、駆動軸のトルクは駆動軸に固定されたロータの基部に伝達され、ロータの基部のトルクは基部を鋳ぐるんだロータ本体部に伝達されることとなる。この際、駆動軸と基部とは熱膨張係数にさほど又は全く相違がないことから、駆動軸と基部との間の寸法差はさほど又は全く変化しないこととなる。このため、基部を駆動軸に圧入のみにより固定するとしても、両者間の締め代は組み付け時とさほど又は全く変化せず、駆動軸のトルクは基部に確実に伝達されることとなる。また、ロータ本体部とこのロータ本体部に鋳ぐるまれた基部とは両者の熱膨張係数の差に基づいて冷却時に強固に締結され、この締結力は圧入時の締め代によるもの以上となる。このため、基部のトルクもロータ本体部に確実に伝達されることとなる。こうして、この熱発生器では、運転時に駆動軸とロータとの間ですべりを生じにくく、両者の一体回動は確実に確保される。このため、この熱発生器によれば、車室等の暖房が所望されれば、その所望を確実に叶えることができる。
【0012】
また、この熱発生器では、ロータ本体部が基部を鋳ぐるむことによりロータ本体部に基部を固定しているため、従来のリベット等の部材が不要となり、基部以外は部品点数の増加を生じることなく、比較的安価な製造が可能である。
【0013】
さらに、この熱発生器では、基部を必ずしもスプライン結合等により駆動軸に結合する必要がなく、駆動軸に基部を圧入して両者を固定することも可能であるため、工程数の削減からやはり比較的安価な製造が可能である。
【0014】
また、この熱発生器においては、駆動軸に固定した基部を位置決め部材と当接させて位置決めすれば、ロータの組付けの容易性を確保できる。一方、この熱発生器では、運転時に粘性流体を発熱させる等、内部の温度が上昇し、基部より熱膨張係数が大きな材料からなるロータ本体部が基部より大きく熱膨張しても、そのロータ本体部は位置決め部材との間でその熱膨張が許容されているため、位置決め部材との間で軸方向に押し合うことがない。このため、その反力が作用せず、ロータ本体部が基部に対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがない。このため、この熱発生器では、組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0015】
したがって、本発明の熱発生器では、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸とロータとの一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0016】
本発明の熱発生器では、位置決め部材として、位置決めのために駆動軸に形成され得る駆動軸の段部、位置決めのために駆動軸に設けられ得るサークリップ、軸受装置や軸封装置を固定するサークリップ、サークリップなしで駆動軸に固定される軸受装置、サークリップなしで駆動軸に固定される軸封装置等を採用することができる。位置決め部材が軸受装置の場合、基部はその軸受装置の内輪と当接して位置決めし、ロータ本体部はその内輪との間で熱膨張が許容され得る。
【0017】
本発明の熱発生器に係るロータ本体部が軸受装置との間で熱膨張が許容され得る態様としては、軸受装置の製造メーカの手段として、軸受装置の内輪がロータ本体部に対して熱膨張を許容する間隙を有することが挙げられる。また、この態様として、軸受装置のコストアップに対抗すべく、ロータの製造メーカの手段として、基部の外径をその軸受装置の内輪より大径とするとともに、ロータ本体部が基部を鋳ぐるむボス部を有する場合には、そのボス部のうちのロータ本体部部分がその軸受装置の内輪と外輪との間に位置し、かつそのボス部のうちのロータ本体部部分がその軸受装置の保持器又は封止部材と干渉しないようにすることが挙げられる。さらに、この態様として、同様にロータの製造メーカの手段として、ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することも挙げられる。軸受装置の内輪がロータ本体部に対して熱膨張を許容する間隙を有したり、ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有すれば、ロータ本体部が軸方向に熱膨張を生じても、両者は非接触であったり、無荷重下での接触となる。
【0018】
ロータ本体部が内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有する場合、基部のうちのロータ本体部側の部分も内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することが好ましい。こうであれば、ロータ本体部とこのロータ本体部に鋳ぐるんだ基部とからなるロータの鋳造後、その鋳造品の切削加工により、確実にロータ本体部に間隙を形成しやすく、かつ基部の残部に軸受装置の内輪と当接して位置決めを行う基準面を形成しやすい。
【0019】
駆動軸としては鉄系金属からなるものを採用し、ロータの基部としては鉄系金属からなるものを採用し、ロータのロータ本体部としてはアルミニウム系金属からなるものを採用することができる。こうであれば、駆動軸及び基部が鉄系金属で高い剛性を確保しつつ、アルミニウム系金属からなるロータ本体部が熱発生器の加工性及び軽量性を実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態1〜3を図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
実施形態1の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図1に示すように、前部ハウジング本体1、前部プレート2、略リング状の後部プレート3及び後部ハウジング本体4が各々積層され、これらがそれぞれ間にOリングを介して複数本のボルト5により締結されている。前部プレート2の後面には円形の凹部が凹設されており、この凹部は後部プレート3の前面とにより発熱室6を形成している。また、後部プレート3と後部ハウジング本体4とにより貯留室SRが形成されている。発熱室6と貯留室SRとにより作動室が構成されている。
【0021】
前部プレート2の前面には円弧状のフィン2aが複数条軸方向前方に突設され、前部ハウジング本体1とこれらフィン2aとにより前部放熱室としての前部ウォータジャケットFWが形成されている。また、後部プレート3の後面にも円弧状のフィン3aが複数条軸方向後方に突設され、後部ハウジング本体4とこれらフィン3aとにより後部放熱室としての後部ウォータジャケットRWが形成されている。前部及び後部ウォータジャケットFW、RW内の循環流体としての冷却水はこれらフィン2a、3aに従って流れるようになっており、フィン2a、3aはその際に受熱面積を向上させている。
【0022】
前部プレート2の軸孔には、内輪7aと、外輪7bと、内輪7aと外輪7bとの間で保持器7dにより保持されたボール7cとを有する複列の軸受装置7が設けられている。内輪7aは鉄系金属(軸受用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。なお、後方側の軸受装置7における内輪7aと外輪7bとの間の後方側には図示しない封止部材が設けられている。
【0023】
軸受装置7により駆動軸8が回動可能に支承されている。駆動軸8は鉄系金属(構造用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。
【0024】
駆動軸8の後端には発熱室6内で回動可能なロータ9が固定されている。ロータ9は、円盤状のロータ本体部9aと、このロータ本体部9aに外周面で鋳ぐるまれ、ロータ本体部9aの必要な前方に突出する軸長のボス部の内側を形成する基部としてのブッシュ9bとからなる。ロータ本体部9aはアルミニウム系金属(ダイガスト合金)からなり、その熱膨張係数βは約21.0×10-6(°C)である。ブッシュ9bは鉄系金属(構造用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。ブッシュ9bの外周面には、図2(A)及び(B)に示すように、軸方向に対してそれぞれ傾斜した互いに交差する凹凸としての刻み目9cをもつ綾目ローレット加工が施されている。
【0025】
かかるロータ9を得るためには、まず良好な作業性を経て綾目ローレット加工を施したブッシュ9bを用意し、このブッシュ9bを鋳型内に取り付け、キャビティにアルミニウム系金属(ダイカスト合金)の溶湯を流し込み、冷却、型開きにより鋳造品を得る。この後、この鋳造品に穴加工、溝加工、研磨加工等の切削加工を施す。その際、図3に示すように、ブッシュ9bの前面に基準面9dを形成するとともに、ブッシュ9bの前面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aにその基準面9dに対して数μmの段差Δをもつ面9eを形成する。こうして、アルミニウム系金属(ダイカスト合金)の溶湯が固化したロータ本体部9aと、このロータ本体部9aに鋳ぐるまれたブッシュ9bとからなるロータ9が得られる。なお、図1に示すように、ロータ本体部9aのブッシュ9bよりの位置には前後に貫通する連通孔9dが複数個形成されている。
【0026】
かかるロータ9は駆動軸8にブッシュ9bを所定の締め代で圧入することにより固定されている。こうして、図1に示すように、ロータ9のロータ本体部9aは発熱室6内で前部及び後部プレート2、3との間に液密的間隙を確保することとなる。また、図4に示すように、ブッシュ9bの前面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aの面9eは、段差Δにより、軸受装置7の内輪7aとの間に間隙Δを有することとなる。
【0027】
貯留室SRは液密的間隙の容積を超えるシリコーンオイルSOを収容可能であり、前部及び後部プレート2、3とロータ9との液密的間隙及び貯留室SRには粘性流体としてのシリコーンオイルSOが40〜70vol%の充填率で封入され、残余には空気が残存されている。後部プレート3は貯留室SRとの間で隔壁を構成しており、後部プレート3の中央域には貯留室SR内のシリコーンオイルSOの液位を跨いで位置する開口3cが貫設されている。以上によりビスカスヒータVHが構成されている。
【0028】
また、前部ハウジング本体1及び駆動軸8には電磁クラッチMCが装着されている。ここで、電磁クラッチMCでは、ビスカスヒータVHの前部ハウジング1に軸受装置10を介してプーリ11が回転可能に支承されているとともに、プーリ11内に位置すべく励磁コイル12が設けられている。この励磁コイル12は図示しないエアコンECUに接続されている。そして、ビスカスヒータVHの駆動軸8にはボルト13によりハブ14が固定され、ハブ14は板ばね15を介してアーマチュア16と固定されている。プーリ11は図示しない車両のエンジンによりベルトで回転されるようになっている。
【0029】
以上のように構成されたビスカスヒータVHでは、エアコンECUの指令により、電磁クラッチMCの励磁コイル12への通電が行われておれば、アーマチュア16がプーリ11に磁着するため、駆動軸8がエンジンにより駆動される。このため、ビスカスヒータVHでは、作動室内でロータ9が回動するため、シリコーンオイルSOが発熱室6を形成する前部及び後部プレート2、3の壁面とロータ9の外面との液密的間隙でせん断により発熱する。この発熱は前部及び後部ウォータジャケットFW、RW内の冷却水に熱交換され、加熱された冷却水が循環回路を循環する。
【0030】
この間、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8のトルクはロータ9のブッシュ9bに伝達され、ロータ9のブッシュ9bのトルクはロータ本体部9aに伝達されることとなる。この際、駆動軸8とブッシュ9bとは熱膨張係数βにさほど相違がないことから、駆動軸8とブッシュ9bとの間の寸法差はさほど又は全く変化しないこととなる。このため、このビスカスヒータVHのようにブッシュ9bを駆動軸8に圧入のみにより固定していても、駆動軸8とブッシュ9bとの間の締め代は組み付け時とさほど変化せず、駆動軸8のトルクはブッシュ9bに確実に伝達されることとなる。また、ロータ本体部9aとブッシュ9bとは、ロータ本体部9aとブッシュ9bとの熱膨張係数βの差に基づいて鋳造冷却時に強固に締結されており、特に、ブッシュ9bの外周面には上記の刻み目9cが形成されているので、ロータ本体部9aとの結合強度が回転方向及び軸方向で確実に機械的に強化されている。このため、ロータ本体部9aとブッシュ9bとの温度上昇による径方向の熱膨張差で締め代が減少しても、ブッシュ9bのトルクもロータ本体部9aに確実に伝達されることとなる。こうして、このビスカスヒータVHでは、運転時に駆動軸8とロータ9との間ですべりを生じにくく、駆動軸8とロータ9との一体回動は確実に確保される。このため、このビスカスヒータVHによれば、車室の暖房やエンジンの暖気が所望されれば、それらの所望を確実に叶えることができる。
【0031】
また、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8及びブッシュ9bが鉄系金属で高い剛性を確保しつつ、アルミニウム系金属からなるロータ本体部9aにより加工性及び軽量性を実現している。
【0032】
さらに、このビスカスヒータVHでは、ブッシュ9bの外周面に上記の刻み目9cが形成されているため、その刻み目9cによってブッシュ9bとロータ本体部9aとの機械的な結合強度を軸方向でも強化でき、ブッシュ9bに対してロータ本体部9aが軸方向に変位して発熱室6の前後の壁面にロータ本体部9aが干渉することを防止することもできる。
【0033】
また、このビスカスヒータVHでは、ロータ本体部9aがブッシュ9bを鋳ぐるむことによりロータ本体部9aにブッシュ9bを固定しているため、従来のリベット等の部材が不要となり、ブッシュ9b以外は部品点数の増加を生じることなく、比較的安価な製造が可能である。
【0034】
さらに、このビスカスヒータVHでは、駆動軸8にブッシュ9bを圧入して駆動軸8とブッシュ9bとを固定しているため、工程数の削減からやはり比較的安価な製造が可能である。
【0035】
また、このビスカスヒータVHにおいては、組付け時、ロータ9は、駆動軸8にブッシュ9bを所定の締め代で圧入することにより固定され、駆動軸8とともに第1サブアッシーとされる。そして、軸受装置7を保持した前部プレート2も第2サブアッシーとし、第2サブアッシーにおける軸受装置7の内輪7aに第1サブアッシーを圧入する。この際、図4に示すように、駆動軸8に圧入したブッシュ9bを軸受装置7の内輪7aと当接させて位置決めしていることから、ロータ9の組付けの容易性が確保される。また、ロータ本体部9aはブッシュ9bよりも軟質の材料であるが、ロータ本体部9aの面9eはブッシュ9bの基準面9dに対して数μmの段差Δをもつことから、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aから荷重を受けず、変形を生じない。一方、このビスカスヒータVHでは、運転時にシリコーンオイルSOを発熱させる等、内部の温度が上昇し、ブッシュ9bより熱膨張係数が大きな材料からなるロータ本体部9aがブッシュ9bより大きく熱膨張しても、間隙Δにより、そのロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aと非接触であったり、無荷重下での接触となる。つまり、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aとの間でその熱膨張が許容されることとなる。このため、ロータ本体部9aは軸受装置7の内輪7aとの間で軸方向に押し合うことがなく、その反力が作用しないことから、ロータ本体部9aがブッシュ9bに対して軸方向にずれたり、それらの境界で変形を生じるおそれがない。このため、このビスカスヒータVHでは、組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
【0036】
したがって、実施形態1のビスカスヒータVHでは、安価に製造可能であり、運転時に駆動軸8とロータ9との一体回動を確実に確保可能であるとともに、さらに組付けの容易性と耐久性とを両立することができる。
(実施形態2)
実施形態2の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図5に示すように、後部プレート3と後部ハウジング本体4とが実施形態1のビスカスヒータVHのような貯留室を形成しておらず、後部プレート3の軸孔に単列の軸受装置17が設けられている。軸受装置17は、内輪17aと、外輪17bと、内輪17aと外輪17bとの間で保持器17dにより保持されたボール17cとを有する。内輪17aも鉄系金属(軸受用炭素鋼)からなり、その熱膨張係数βは約10.7×10-6(°C)である。なお、軸受装置17における内輪17aと外輪17bとの間の前方側には図示しない封止部材が設けられている。
【0037】
そして、軸受装置7、17により駆動軸8が回動可能に支承され、駆動軸8の後端にロータ9が固定されている。ロータ9は、ロータ本体部9aの必要な前後に突出する軸長のボス部の内側を形成するブッシュ9fを有している。
【0038】
かかるロータ9では、鋳造品に切削加工を施す際、図6に示すように、ブッシュ9fの後面にも基準面9dが形成されているとともに、ブッシュ9fの後面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aにもその基準面9dに対して数μmの段差Δをもつ面9eが形成されている。こうして、ブッシュ9fの後面におけるロータ本体部9a側の部分及びロータ本体部9aの面9eも、段差Δにより、軸受装置17の内輪17aとの間に間隙Δを有することとなる。他の構成は実施形態1のビスカスヒータVHと同様である。
【0039】
このビスカスヒータVHにおいても実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施形態3)
実施形態3の熱発生器としてのビスカスヒータVHでは、図7に示すように、ブッシュ9gの外径を軸受装置7の内輪7aより半径Hだけ大径とするとともに、ボス部のうちのロータ本体部9a部分がその軸受装置7の内輪7aと外輪7bとの間に位置し、かつそのボス部のうちのロータ本体部9a部分がその軸受装置7の保持器7d及び図示しない封止部材と干渉しないようにされている。他の構成は実施形態1のビスカスヒータVHと同様である。
【0040】
このビスカスヒータVHにおいては、ボス部のうちのロータ本体部9a部分の肉厚が連通孔9dとの関係で制限されつつ軸受装置7の内輪7aと外輪7bとの間隔に制限されるものの、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のビスカスヒータの縦断面図である。
【図2】実施形態1のビスカスヒータに係り、(A)はブッシュの平面図、(B)はブッシュの側面図である。
【図3】実施形態1のビスカスヒータの要部断面図である。
【図4】実施形態1のビスカスヒータの要部拡大断面図である。
【図5】実施形態2のビスカスヒータの断面図である。
【図6】実施形態2のビスカスヒータの要部拡大断面図である。
【図7】実施形態3のビスカスヒータの要部断面図である。
【図8】先の提案の熱発生器の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
6…発熱室
FW、RW…放熱室(ウォータジャケット)
1、2、3、4…ハウジング
7、17…軸受装置
7a、17a…内輪
8…駆動軸
9…ロータ
9a…ロータ本体部
9b、9f、9g…基部(ブッシュ)
SO…粘性流体(シリコーンオイル)
Δ…間隙
Claims (5)
- 内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動によるせん断作用により発熱される粘性流体とを有する熱発生器において、
前記ロータは、前記駆動軸より熱膨張係数の大きな材料からなり、前記粘性流体をせん断するロータ本体部と、該駆動軸と同等の熱膨張係数の材料からなって該ロータ本体部に鋳ぐるまれ、位置決め部材と当接して位置決めしつつ該駆動軸に固定される基部とからなり、少なくとも該ロータ本体部は該位置決め部材との間で熱膨張が許容されていることを特徴とする熱発生器。 - 位置決め部材は軸受装置であり、基部は該軸受装置の内輪と当接して位置決めし、ロータ本体部は該内輪との間で熱膨張が許容されていることを特徴とする請求項1記載の熱発生器。
- ロータ本体部は内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することを特徴とする請求項2記載の熱発生器。
- 基部のうちのロータ本体部側の部分も内輪に対して熱膨張を許容する間隙を有することを特徴とする請求項3記載の熱発生器。
- 駆動軸は鉄系金属からなり、ロータの基部は鉄系金属からなり、該ロータのロータ本体部はアルミニウム系金属からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱発生器。
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