JPH11157325A - 車輌用熱発生器 - Google Patents

車輌用熱発生器

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JPH11157325A
JPH11157325A JP9326429A JP32642997A JPH11157325A JP H11157325 A JPH11157325 A JP H11157325A JP 9326429 A JP9326429 A JP 9326429A JP 32642997 A JP32642997 A JP 32642997A JP H11157325 A JPH11157325 A JP H11157325A
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JP
Japan
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rotor
chamber
heat
passage
heat generating
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Pending
Application number
JP9326429A
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English (en)
Inventor
Takashi Ban
孝志 伴
Tatsuyuki Hoshino
辰幸 星野
Takanori Okabe
孝徳 岡部
Takahisa Saka
高寿 坂
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to US09/199,741 priority patent/US6042017A/en
Priority to DE19854725A priority patent/DE19854725C2/de
Publication of JPH11157325A publication Critical patent/JPH11157325A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P2060/00Cooling circuits using auxiliaries
    • F01P2060/18Heater

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車輌用熱発生器において、ロータが起動する際
の負荷トルクを速やかに低減させることでロータ起動の
円滑化を図る。 【解決手段】前部ハウジング本体及び両区画プレート
5,6には、発熱室7と貯留室とを相互に連通させる回
収通路20が形成されている。この回収通路20は、そ
の連通方向の中心Yが、ロータ14をその軸線方向にお
いて二等分する仮想中心面CPと一致するように設けら
れている。このため、回収通路20の発熱室7側開口部
は、発熱室7におけるロータ14の前後クリアランスL
1,L2の各々に対して均等な開口断面積を配する。ま
た、この回収通路20は、導出溝23とほぼ真っ直ぐに
一列に並ぶ関係となるように、発熱室7側開口部から貯
留室側開口部にかけて延びている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハウジング内に
区画された発熱室及び放熱室を備え、駆動軸に作動連結
されたロータを、粘性流体を収容した発熱室内で回転さ
せて粘性流体の剪断作用に基づく熱を発生させ、その熱
を放熱室を流れる循環流体に熱交換する車輌用熱発生器
に関する。
【0002】
【従来の技術】車輌のエンジンの駆動力を利用する熱発
生器として、例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第
3832966号公報(1990年4月5日公表のDE
3832966A1)は、車輌用暖房装置に組み込まれ
る熱発生器としての加熱アセンブリーを開示する。以下
に、該ドイツ語公報のFIG.2を参照しつつ、そこで
の部材番号を引用しながら、前記加熱アセンブリーの概
要を説明する。
【0003】この加熱アセンブリーでは、ハウジング
は、その内部に作業空間48(発熱室に対応)と、この
作業空間48の半径方向に隣接するリング空間62(ウ
ォータジャケットに対応)とを備えている。更に、該ハ
ウジングは、貯蔵空間58(貯留室に対応)を作業空間
48の前方に隣接して有している。この作業空間48と
貯蔵空間58とは、中間壁60により分離され、かかる
中間壁60には作業空間48と貯蔵空間58とを結ぶ流
体供給用の通口66及び流体回収用の結合通路68が形
成されている。通口66は、バイメタル板バネ76によ
って揺動制御されるレバー72によって開閉が可能な通
路であり、この通口66の開閉によって加熱アセンブリ
ーの発熱能力を調整できるように設定されている。ハウ
ジング後方には駆動軸52が回転可能に支承されてお
り、この駆動軸52の一端には作業空間48内で一体回
動可能な車輪50(ロータに対応)が固着され、駆動軸
52の他端には、ベルトプーリ44が固着されている。
ベルトプーリ44はベルトを介してエンジンとつながれ
る。作業空間48及び貯蔵空間58内には所要量の粘性
流体78が充填され、相対向する車輪50の外壁部と作
業空間48の内壁面との間隙に行き渡るようにしてい
る。
【0004】エンジンの駆動力が加熱アセンブリーの駆
動軸に伝達されると、駆動軸と共に車輪が作業空間内で
回転し、車輪外壁部と作業空間内壁面との間に介在され
る粘性流体が剪断されて流体摩擦に基づく熱を発生す
る。作業空間で発生した熱は、前記リング空間内を流れ
る冷却媒体(エンジン冷却液)にハウジングの隔壁を介
して熱伝達され、その車輌の熱交換器に供給されて車室
内の暖房に供される。尚、冷却媒体が加熱に必要な温度
に達していないときには、バイメタル板バネはレバーを
前記通口方向に押圧せず、通口は開放状態に維持され
て、貯蔵空間から作業空間への粘性流体の供給が許容さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種の車輌用熱発生
器では、車輪(ロータ)を起動させる際の負荷トルクを
いかに低減させるかが主要な技術的課題のひとつとなる
ことを以下に説明する。上記従来の加熱アセンブリーの
場合、当該加熱アセンブリーの運転中にエンジンが停止
されると、車輪の停止にともなって結合通路を介した作
業空間から貯蔵空間への粘性流体の放出は中止されるた
め、作業空間内には相当量の粘性流体が残留することに
なる。その後、車輪を再起動させる場合、作業空間内に
残留する粘性流体が車輪を拘束し、車輪の起動は妨げら
れる。エンジンを起動するためのスタータモータの駆動
力(短時間)に依拠した車輪(ロータ)の回転によっ
て、作業空間に残留する粘性流体を結合通路から貯蔵空
間内へ放出することができればよいが、結合通路の作業
空間側開口部の位置が悪く、作業空間から貯蔵空間への
粘性流体の迅速な移動は容易ではない。こうして加熱ア
センブリーの起動時には、残留粘性流体が車輪を拘束す
る結果、車輪及びベルトを介してエンジンに大きな負荷
トルクが加わる。故に、車輪の起動を強行したときに
は、大きな起動ショックが生じたり、ベルトが空滑りを
起こすおそれがあり、その結果として、異音を生じさせ
たり、加熱アセンブリーの各部の摩耗を早める原因とな
る。
【0006】本発明の目的は、ロータが起動する際の負
荷トルクを速やかに低減させることでロータの起動を円
滑化し、負荷トルクに起因する異音の発生や部材の早期
摩耗という不都合を極力解消することができる車輌用熱
発生器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ハウ
ジング内に区画された発熱室及び放熱室を備え、前記発
熱室内に収容された粘性流体を前記発熱室内に回動可能
に設けられたロータで剪断して熱を発生させ、その熱を
前記放熱室を流れる循環流体に熱交換する車輌用熱発生
器において、前記発熱室は、前記ロータの外周面と対向
する周壁を備えており、前記ハウジング内には、粘性流
体の貯留室が設けられ、前記ロータの回動によって前記
貯留室と前記発熱室との間で粘性流体の循環を行うべく
該貯留室と前記発熱室とを連通させる回収通路(20)
及び供給通路(21)を設け、前記通路の少なくとも回
収通路(20)の発熱室側開口部は、前記発熱室の周壁
に形成されていることをその要旨とする。
【0008】この車輌用熱発生器によれば、発熱室と粘
性流体を追加収容する貯留室との間で回収通路及び供給
通路を介した粘性流体の循環流動が達成される。この循
環流動は、特定の粘性流体のみが発熱室における剪断に
よって熱劣化するに到る事態を回避させる。また、各通
路に弁手段が付与されて各通路の連通状態が開閉制御さ
れると、発熱室内の粘性流体量は増減するため、発熱能
力の可変調節が実現される。
【0009】このように粘性流体の循環流動を支援する
回収通路は、その発熱室側開口部が発熱室の周壁に開口
しているため、ロータの回動に伴う遠心作用等によって
発熱室の周壁に押しやられる粘性流体は、回収通路内へ
スムーズに進入できる。従って、発熱室から貯留室への
粘性流体の回収が迅速化かつ円滑化される。
【0010】こうした粘性流体の循環流動において、特
にロータ起動時においては、発熱室に残留する粘性流体
が発熱室から貯留室に迅速に放出される。従って、発熱
室での残留粘性流体によるロータの拘束が緩和されるた
め、起動トルクの早期低減が実現される。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の車輌
用熱発生器において、前記ロータは円板形状をなしてお
り、前記回収通路は、その連通軸線(Y)が前記ロータ
をその軸線方向に二等分する仮想中心面(CP)と一致
するように配置されていることを特徴とする。
【0012】この構成によれば、回収通路の発熱室側開
口部は、ロータの両端面側領域のそれぞれに対して等分
に開口するため、ロータの両端面側領域の各々から偏り
なく均等に粘性流体を回収する。従って、発熱室から貯
留室へ向かう粘性流体の迅速な流動が支援されると共
に、ロータの両端において流体圧に顕著な差が生じるこ
とを未然に回避してロータの回転を安定化させる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の車輌用熱発生器において、前記ロータはその前後に端
面を有する円板形状をなしており、そのロータの各端面
と対向する発熱室の内壁面には、一対の導出溝(23)
が形成され、前記一対の導出溝と前記回収通路とはほぼ
一列に並ぶように設けられていることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、前記一対の導出溝と前
記回収通路とはほぼ一列に並ぶように設けられ、かかる
一列の並びに沿って発熱室内の粘性流体が回収通路内に
スムーズに導かれる。
【0015】請求項4の発明は、請求項3に記載の車輌
用熱発生器において、前記回収通路の内径(N)は、前
記一対の導出溝間の距離(K)にほぼ一致することを特
徴とする。
【0016】この構成によれば、発熱室の粘性流体は、
ロータの回転に伴い、導出溝に沿ってガイドされながら
回収通路内へ進入する。このとき、前記回収通路の内径
(N)が前記一対の導出溝間の距離(K)にほぼ一致し
ていることで、導出溝にガイドされる粘性流体をもれな
く回収通路内へ引き受けることができる。このことはま
た、回収通路の回収能力が、その内径に応じた連通断面
積どおり最大限に発揮されることをも意味する。
【0017】請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれ
か一項に記載の車輌用熱発生器において、前記供給通路
は、前記回収通路よりも下方に設けられ、該供給通路
は、その連通軸線が前記ロータの仮想中心面(CP)と
一致するように配置されていることを特徴とする。
【0018】この構成によれば、供給通路の発熱室側開
口部は、ロータの両端面側領域のそれぞれに対して等分
に開口するため、ロータの両端面側領域の各々に対し
て、偏りなく均等に粘性流体を供給する。従って、貯留
室から発熱室へ向かう粘性流体の流動が迅速化かつ円滑
化されると共に、ロータの両端において流体圧に顕著な
差が生じることを未然に回避してロータの回転を安定化
させる。
【0019】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
か一項に記載の車輌用熱発生器において、前記貯留室
は、前記発熱室の周壁を挟んで前記ロータの外周面と対
向する位置に設けられていることを特徴とする。
【0020】この構成によれば、貯留室と回収通路(及
び供給通路)とを最短の経路でつなぐことができる。ま
た、発熱室の外周域と貯留室とをつなぐ回収通路(及び
供給通路)を直線的に延設することが可能となり、通路
形状に由来する粘性抵抗を低減(最小化)できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した本実施
形態について図1〜図6に基づいて説明する。
【0022】図1に示すように、車輌用熱発生器の外郭
は前部ハウジング本体1及び後部ハウジング本体2によ
って構成されている。前部ハウジング本体1は、前方
(図示左方)に向かって突出した中空筒状のボス部1a
と、該ボス部1aの基端部から後方に向かって大きく碗
形状に延在した円筒部1bとを有している。後部ハウジ
ング本体2は、前記円筒部1bの開口側を覆う蓋形状と
されている。両ハウジング本体1,2は、前部ハウジン
グ本体1の円筒部1b内に一対の前部区画プレート5及
び後部区画プレート6を内装しつつ、複数本のボルト3
(本実施形態では6本、図2参照)によって締結されて
いる。
【0023】前部区画プレート5と後部区画プレート6
とはそれぞれ、その外周部に環状のリム部5a,6aを
有している。これらリム部5a,6aを相互連結される
両ハウジング本体1,2の対向壁面間に挟着することに
より、両ハウジング本体1,2内に両区画プレート5,
6が移動不能に収納されている。また、前部区画プレー
ト5の後端面5dはそのリム部5aに対して凹んだ形状
となっており、両区画プレート5,6の相互接合によっ
て前部区画プレート5の後端面5dと後部区画プレート
6の前端面6dとの間であって、リム部5aの内周面5
eに囲まれる領域は発熱室7として提供される。
【0024】このように、車輌用熱発生器のハウジング
は、前部ハウジング本体1、後部ハウジング本体2、前
部区画プレート5及び後部区画プレート6から構成され
ている。これらハウジングの構成部材は、アルミニウム
又はアルミニウム合金から作られている。
【0025】前部区画プレート5は、その前端側におい
て、その中央部に形成された支持筒部5bと、当該支持
筒部5bの外側に沿って周方向に延びる同心円弧状に形
成された複数のガイドフィン5cとを有している(図6
参照)。前部区画プレート5は、支持筒部5bの一部が
前部ハウジング本体1の内壁部と密接するように、前部
ハウジング本体1内に嵌め込まれている。この結果、前
部ハウジング本体1の内壁部と前部区画プレート5の本
体部との間には、発熱室7の前側に隣接する放熱室とし
ての円環状の前部ウォータジャケット8が区画される。
この前部ウォータジャケット8内において、前記リム部
5a、支持筒部5b及びガイドフィン5cは、循環流体
としての循環水の流れをガイドするガイド壁の役目を果
たし、前側放熱室内における循環水の流通経路を設定す
る。
【0026】図1及び図6に示すように、後部区画プレ
ート6は、その後端側において、その中央部に形成され
た筒部6bと、当該筒部6bの外側に沿って周方向にの
びる同心円弧状に形成された複数のガイドフィン6cと
を有している。後部区画プレート6が前部区画プレート
5と共に前部ハウジング本体1内に嵌め込まれた状態で
は、後部区画プレート6の筒部6bが後部ハウジング本
体2の環状凹部2aと密接する。この結果、後部ハウジ
ング本体2と後部区画プレート6の本体部との間には、
発熱室7の後側に隣接する放熱室としての円環状の後部
ウォータジャケット9が区画される。この後部ウォータ
ジャケット9内において、前記リム部6a,筒部6b及
びガイドフィン6cは、循環流体としての循環水の流れ
をガイドするガイド壁の役目を果たし、後側放熱室内に
おける循環水の流通経路を設定する。
【0027】また、図1に示すように、後部ハウジング
本体2の後壁部には、車輌内に設けられた暖房回路(図
示略)から前部及び後部ウォータジャケット8,9の各
々に循環水を取り入れる入水ポートIPと、前部及び後
部ウォータジャケット8,9から循環水を前記暖房回路
に送り出す出水ポートOPとが並設されている。
【0028】図1に示すように、前部ハウジング本体1
及び前部区画プレート5には、軸受け11,12を介し
て駆動軸13が回動可能に支承されている。軸受け1
1,12はそれぞれシール付きの軸受装置である。軸受
け11は、前部区画プレート5の支持筒部5bの内周面
と、駆動軸13の外周面との間に介在され、発熱室7の
前方を封止している。また、軸受け12は、後部区画プ
レート6の筒部6bの内周面と、駆動軸13の外周面と
の間に介在され、発熱室7の後方を封止している。
【0029】図1及び図2に示すように、駆動軸13上
には、発熱室7内に収容される円板形のロータ14が一
体回転可能に固定されている。ロータ14の前後端面
(剪断作用面)及び外周面14b(ロータ14の前後端
面以外のところ)と、これらに対向する発熱室7の内壁
面(前部区画プレート5の後端面5d、後部区画プレー
ト6の前端面6d及び前部区画プレート5のリム部5a
の内周面5e)との間には微少なクリアランスが形成さ
れており、例えば数十〜数百ミクロン(μm)の範囲で
ある。尚、前部区画プレート5の後端面5dとロータ1
4の前端面との間のクリアランスL1、及び、後部区画
プレート6の前端面6dとロータ14の後端面との間の
クリアランスL2は、同じ幅に設定されている(L1=
L2)。また、ロータ14の周縁近傍には前後に貫通す
る複数のロータ連通孔14aが形成されている。これら
ロータ連通孔14aは、駆動軸13の中心軸線から等距
離の位置において、駆動軸13を取り囲んで等角度間隔
にて配置されている。
【0030】駆動軸13の前端部にはボルト15によっ
てプーリ16が固着されている。プーリ16はその外周
部に巻き掛けられるVベルト17を介して、外部駆動源
としての車輌のエンジンEと駆動連結される。このエン
ジンEは、起動用のスタータモータを備えている。
【0031】本実施形態の車輌用熱発生器では、図2に
示すように、前部ハウジング本体1には発熱室7の周壁
と対向する位置に貯留室10が設けられる。この貯留室
10は、前部ハウジング本体1に形成された凹室(1
0)を後部ハウジング本体2で塞ぐことによって現出さ
れる。かかる貯留室10には後述するように粘性流体が
収容されるが、この粘性流体の液面と発熱室7の最底域
との間に高低差を作り出すために当該貯留室10は、全
体として駆動軸13の回動軸線Xよりもやや上方に配置
されている。尚、発熱室7の周壁とは、前部区画プレー
ト5のリム部5aの内周面5eを有する壁である。
【0032】図2〜図4に示すように、前部ハウジング
本体1及び両区画プレート5,6には、発熱室7と貯留
室10とを相互に連通させる回収通路20及び供給通路
21が形成されている。これら回収通路20及び供給通
路21は、前部ハウジング本体1に穿設される部分と、
前部区画プレート5に設けられるほぼ断面円形状の凹部
を後部区画プレート6に設けられる窪み部で塞ぐことに
より現出される部分とが結ばれることによって構成され
ている。
【0033】図3に示すように、回収通路20は、その
連通方向の中心Y(連通軸線)が、ロータ14をその軸
線方向において二等分する仮想中心面CP(即ち、ロー
タ14の前後端面の中間位置)と一致するように設けら
れている。このため、回収通路20の発熱室7側開口部
は、発熱室7におけるロータ14の前側クリアランスL
1とロータ14の後側クリアランスL2のそれぞれに対
して均等な開口断面積を配する。また、この回収通路2
0は、後述する導出溝23とほぼ真っ直ぐに一列に並ぶ
関係となるように、発熱室7側開口部から貯留室10側
開口部にかけて延びている。
【0034】同様に、供給通路21も、その連通方向の
中心Y(連通軸線)が、ロータ14をその軸線方向にお
いて二等分する仮想中心面CP(即ち、ロータ14の前
後端面の中間位置)と一致するように設けられている。
(図3参照)。このため、供給通路21の発熱室7側開
口部は、発熱室7におけるロータ14の前側クリアラン
スL1とロータ14の後側クリアランスL2のそれぞれ
に対して均等な開口断面積を配する。また、供給通路2
1は、その貯留室10側開口部が発熱室7側開口部より
も上になるように設定されている。
【0035】更に、図4に示すように、後部区画プレー
ト6の前端面6dには、発熱室7のほぼ中心域から周域
に向かって延びる導出溝23及び導入溝24が形成され
ている。この導出溝23は、その周端部が回収通路20
の発熱室7側開口部の近傍に配置されている。従って、
ロータ14の回転に伴って、ロータ14に引きずられた
粘性流体が、導出溝23に沿って積極的に回収通路20
の方へ導かれ、発熱室7から貯留室10へオイル流出が
促される。
【0036】一方、導入溝24は、ほぼロータ14の半
径方向に沿って延びていると共に、その周端部は供給通
路21の発熱室7側開口部の近傍に配置されている。こ
の導入溝24は、貯留室10内の粘性流体を発熱室7の
中心域へ供給する役割を担う。尚、前部区画プレート5
の後端面5dにも、前述した後部区画プレート6の前端
面6dの場合と同様に、導出溝23及び導入溝24が刻
設されている。後端面5dの導出溝23と、前端面6d
の導出溝23とは、ロータ14を挟んで相対向する位置
関係にある(図3参照)。同様に、後端面5dの導入溝
24と、前端面6dの導入溝24もロータ14を挟んで
相対向する位置関係にある。更に、図3に示すように、
断面円形状の前記回収通路20の内径Nは、両区画プレ
ート5,6にそれぞれ設けられた両導出溝23の最底部
間の距離Kに合致している。同様に、断面円形状の前記
供給通路21の内径においても、両区画プレート5,6
に設けられる各導入溝24の最底部間の距離に合致す
る。
【0037】回収通路20及び供給通路21を介して相
互に連通する発熱室7と貯留室10とは、この車輌用熱
発生器のハウジング内において液密な内部空間を形成す
る。この内部空間には、粘性流体としてのシリコーンオ
イルが所要量入れられている。このシリコーンオイルは
粘弾性を有している。シリコーンオイルの量は、その常
温時充填率が前記内部空間内の空き容積に対して、5〜
8割となるように決められている。尚、シリコーンオイ
ルの充填時において、回収通路20は、貯留室10内に
貯留されたシリコーンオイルの液位よりも上方に位置
し、供給通路21は当該液位よりも下方に位置する。
【0038】図4及び図5に示すように、ハウジング本
体1には第1電磁ソレノイド30が設けられている。こ
の第1電磁ソレノイド30は、ハウジング本体1の外周
面側に複数のボルト31により取り付けられたケース3
2内に収容されている。第1電磁ソレノイド30は、ケ
ース32内に配設された第1ソレノイドコイル33と、
その中心に配設された第1芯棒34を備えている。この
第1芯棒34は前部ハウジング本体1に対して、ハウジ
ングの内外方向に摺動可能に取り付けられると共に、そ
の前端部が回収通路20と対向するように貯留室10内
に配置されている。第1芯棒34の前端部の直径は回収
通路20の開口径(連通断面の直径)よりも大きく設定
されており、当該先端面にて回収通路20の開口径を絞
り込むようになっている。こうして、第1芯棒34は、
最大連通位置(図4に示す)と最小連通位置(図5に示
す)との間で切り替え配置可能となっている。また、第
1芯棒34の前端部とハウジング本体1の内壁部との間
には、第1コイルバネ35が配設されている。この第1
コイルバネ35によって第1芯棒34全体を回収通路2
0に向けて付勢している。尚、第1ソレノイドコイル3
3、第1芯棒34、第1コイルバネ35により第1電磁
ソレノイド30が構成され、この第1電磁ソレノイドは
弁手段の主要部を構成する。
【0039】ハウジング本体1には第2電磁ソレノイド
40が設けられている。この電磁ソレノイド40は、ハ
ウジング本体1の外周面側に複数のボルト41により取
り付けられたケース42内に収容されている。電磁ソレ
ノイド40は、ケース42内に配設された第2ソレノイ
ドコイル43と、その中心に配設された第2芯棒44を
備えている。この第2芯棒44は前部ハウジング本体1
に対して、ハウジングの内外方向に摺動可能に取り付け
られると共に、その前端部が供給通路21と対向するよ
うに貯留室10内に配置されている。第2芯棒44の前
端部の直径は供給通路21の開口径(連通断面の直径)
よりも大きく設定されており、当該先端面にて供給通路
21を閉塞可能となっている。こうして、第2芯棒44
は、閉塞位置(図4に示す)と連通位置(図5に示す)
との間で切り替え配置可能となっている。また、第2芯
棒44の前端部とハウジング本体1の内壁部との間に
は、第2コイルバネ45が配設されている。この第2コ
イルバネ45によって第2芯棒44全体を供給通路21
に向けて付勢している。尚、第2芯棒44が連通位置に
配されるときの供給通路21の連通断面積は、第1芯棒
34が最小連通位置に配されるときの回収通路20の連
通断面積よりも大きく設定されている。
【0040】図4は、本実施形態の車輌用熱発生器の制
御構成を模式的に示す。この車輌用熱発生器は、制御装
置50を自ら内蔵するか、あるいは車輌用熱発生器本体
とは別体化された制御装置50と接続されている。この
制御装置50は、発熱室7と貯留室10との間の粘性流
体の入れ替えに関する制御や、発熱室7内での粘性流体
の残留量管理に関する制御を司る。尚、制御装置50を
車輌用熱発生器本体から切り離して設ける場合には、車
輌エンジンの電子制御ユニット(ECU)に当該制御装
置50の機能を併せ持たせてもよい。
【0041】制御装置50は、CPU、ROM、RAM
及び入出力インターフェイス(いずれも図示せず) を内
蔵したマイクロコンピュータ類似の制御ユニットであ
り、そのROMには制御プログラムが予め記憶されてい
る。この制御装置50は、各種センサ群51と接続され
ている。このセンサ群51に含まれるセンサの範疇とし
ては、車輌の室内又は室外の気温を検出する温度セン
サ、暖房回路の循環水(エンジン冷却水)の温度を検出
する温度センサ、エンジンの回転数(回転速度)を検出
する回転数センサ、粘性流体の温度を検出する温度セン
サ等があげられる。制御装置50は、前掲のセンサの範
疇に含まれるものから選択される少なくとも一つと接続
されている。
【0042】センサ群51からは温度に関するデータや
エンジン回転数等のデータがアナログ又はデジタルの検
出信号として出力される。制御装置50は前記センサ群
51からの信号を入力する。また、制御装置50は、車
室内に設けられたヒータスイッチ/温度設定器52とも
接続されて各種の指令や制御情報を入力している。ヒー
タスイッチ/温度設定器52は、車室に設けられた操作
パネル内に組み込まれており、搭乗者がヒータの作動及
び停止(ON/OFF)を指令し、又、好みの車室内温
度を設定するための入力装置である。制御装置50は、
第1及び第2ソレノイドコイル33,43と接続されて
おり、制御プログラムに基づいて各ソレノイドコイル3
3,43への通電制御を行う。
【0043】次に、この実施形態の車輌用熱発生器の作
用を各場面毎に説明する。 (場面1:停止したエンジンEの起動時)車輌エンジン
が停止(回転数=0rpm )している場合には、プーリ1
6、駆動軸13及びロータ14も停止している。この状
態では、制御装置50による各ソレノイドコイル33,
43への通電制御は行われず、各コイルバネ35,45
の付勢力によって第1芯棒34は最小連通位置、第2芯
棒44は閉塞位置に配置される。この場合には、シリコ
ーンオイル(粘性流体)の大部分が、貯留室10と発熱
室7とに分けて収容されている。スタータモータの駆動
によって車輌エンジンEが起動すると、プーリ16、駆
動軸13及びロータ14も回転し始めると共に、制御装
置50は直ちに第1ソレノイドコイル33へ通電制御を
開始する。
【0044】即ち、図4に示すように第1ソレノイドコ
イル33への通電によって電磁力を発生させ、これによ
り第1コイルバネ35の付勢力に抗して第1芯棒34を
後退(最大連通位置へ移行)させて回収通路20の開度
を最大にする。ロータ14の回転に伴って発熱室7に残
留していたシリコーンオイルは、ロータ14の回転に引
きずられることで、発熱室7の周壁に沿って流動しつ
つ、一部は導出溝23へ流れ込む。そして、残留オイル
は、導出溝23にガイドされたり、また、発熱室7から
直接回収通路20内へ速やかに流入して行き、貯留室1
0に収容される。このとき、回収通路20の発熱室7側
開口部は発熱室7の前部クリアランスL1と後部クリア
ランスL2の双方に対して均等な開口断面積を有してい
る。更に、ロータ14には前後に貫通するロータ連通孔
14aが設けられて前部クリアランスL1と後部クリア
ランスL2との間で圧力差が生じないため、残留オイル
は両クリアランスL1,L2から偏り無く円滑に回収通
路20へ流入していく。
【0045】こうして発熱室7内の残留オイルが回収通
路20を介して貯留室10内に回収されるまでは、スタ
ータモータがON状態になった直後のごく短時間で完了
する。発熱室7内の残留オイルが貯留室10に収容され
ると、ロータ14はいわば空回りの状態になるため、ス
タータモータのON直後には一旦ピークをむかえた負荷
トルクも速やかに軽減される。
【0046】スタータモータの助けによってエンジンE
が始動すると、制御装置50は、第1ソレノイドコイル
33への通電を停止して第1芯棒34を前進させ(最小
連通位置への移行)、回収通路20の開口断面積を絞り
込む。但し、制御装置50は、ヒータスイッチ52がO
FFを選択されている限り、何ら制御を行わず現状を維
持する。従って、ロータ14の剪断作用面と発熱室7の
内壁面とのクリアランスL1,L2にはシリコーンオイ
ルが満たされず、オイル剪断がないので剪断発熱も生じ
ない。
【0047】(場面2:エンジンE起動後のヒータ動
作)車輌エンジンEの駆動中にヒータスイッチ52がO
Nされると、制御装置50は車輌用熱発生器に発熱動作
をさせるべく、第2ソレノイドコイル43への通電制御
を開始する。即ち、図5に示すように、制御装置50
は、第2ソレノイドコイル43への通電によって電磁力
を発生させ、これにより第2コイルバネ45の付勢力に
抗して第2芯棒44を後退(連通位置への移行)させて
供給通路21を開放する。これにより、貯留室10内の
シリコーンオイルが発熱室7内に流入を開始する。この
とき、供給通路21の発熱室7側開口部は、発熱室7の
前部クリアランスL1と後部クリアランスL2との双方
に対して均等な開口断面積を有しているため、オイルが
貯留室10からロータ14の両端面に対して円滑に供給
される。また、貯留室10内のシリコーンオイルのオイ
ル液面と発熱室7最底域との間には相当の高低差が作り
出されており、かかる高低差に応じた流体圧が貯留室1
0内のシリコーンオイルに作用し、該オイルを発熱室7
へ向かわせる力を生み出す。従って、ロータ14の回転
に伴うシリコーンオイルの発熱室7内への引き込み作
用、更に、導入溝24によるオイルのガイド作用とも相
まって、貯留室10から発熱室7へのオイル流入が迅速
かつ円滑に行われる。こうして、ロータ14の剪断作用
面と発熱室7の内壁面との微少なクリアランスL1,L
2の全体にオイルが素早く円滑に行き渡る。
【0048】発熱室7の内壁面とロータ14の剪断作用
面とのクリアランスL1,L2に満たされたシリコーン
オイルは剪断されて発熱する。発熱室7で生じた熱は、
前部及び後部ウォータジャケット8,9を流れる循環水
に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路(図示略)
を介して車室内の暖房等に供される。
【0049】(場面3:ヒータ発熱量のフィードバック
制御)駆動中の車輌エンジンEによってプーリ16、駆
動軸13及びロータ14の回転が維持され、かつ、ヒー
タスイッチ52がONを選択されている限り、制御装置
50は、センサ群51からの各種データを参照しつつ車
室内の気温が温度設定器52で設定された設定温度付近
となるように、第2ソレノイドコイル43への通電制御
を介してヒータ発熱量をフィードバック制御する。
【0050】例えば、車室内の気温が設定温度を下回る
場合、制御装置50は第2ソレノイドコイル43への通
電によって第2芯棒44を後退させ、供給通路21を開
放したままとする。すると、回収通路20の開口断面積
は第1芯棒34によって絞り込まれており、かかる状態
の回収通路20の開口断面積と開放された供給通路21
の開口断面積との大小関係のためにオイル回収量よりも
オイル供給量が上回る。こうして、発熱室7内のオイル
量が次第に増大し、ロータ14の剪断作用面と発熱室7
の内壁面とのクリアランスの全体がシリコーンオイルで
満たされる。こうして、オイルの剪断力が向上し発熱量
も増大傾向となる。
【0051】他方、ヒータ発熱量等の増大によって車室
内の気温が設定温度を超えた場合には、制御装置50
は、第2ソレノイドコイル43への通電を停止して第2
芯棒44を前進させ、供給通路21を閉塞する。する
と、貯留室10から発熱室7へのオイル供給が遮断され
る一方で回収通路20を介してのオイル回収のみが行わ
れる。このため、発熱室7内のオイル量が次第に減少
し、ロータ14はあたかも空回り状態に近づき、オイル
の剪断力が低下して発熱量も低下傾向となる。このよう
に、第2芯棒44による供給通路21の開閉制御によ
り、発熱量が可変調節される。
【0052】ところで、エンジンEの駆動中にヒータス
イッチ52がOFFされた場合、制御装置50は、第2
ソレノイドコイル43への通電を停止して第2芯棒44
により供給通路21を閉塞する。そして、回収通路20
を介して発熱室7から貯留室10にオイルの相当量を収
容させ、ロータ14による剪断発熱を事実上中断させ
る。
【0053】(場面4:エンジンEの停止及び再起動
時)エンジンEが停止されると、プーリ16、駆動軸1
3及びロータ14も同時に停止する。エンジンEの停止
(ロータ14の停止)にもかかわらず、その時点でヒー
タスイッチ52がON状態にある場合には、制御装置5
0は第2ソレノイドコイル43への通電を停止して第2
芯棒44により供給通路21を閉塞する。その時点で発
熱室7内で剪断作用に供されていたシリコーンオイル
は、そのまま発熱室7内に残留する。
【0054】その後、エンジンEが再起動される場合で
は、前記場面1で説明したように、発熱室7内の残留オ
イルは、ロータ14の回転始動(即ち、スタータモータ
のON)から短時間のうちに貯留室10に収容されるた
め、プーリ16、駆動軸13及びロータ14を起動させ
るための負荷トルクが一旦ピークに達した後、速やかに
低減される。
【0055】本実施形態の車輌用熱発生器は、次に掲げ
るような利点を有する。 ○ 回収通路20の発熱室7側開口部は、ロータ14の
外周面14bの中心を指向すると共に、発熱室7の前部
クリアランスL1と後部クリアランスL2の双方に対し
て均等な開口断面積を有するように構成されている。そ
れ故、ロータ14の回転始動時には発熱室7に残留する
シリコーンオイルが発熱室7の両クリアランスL1,L
2から偏り無く円滑に回収通路20へ流入され、発熱室
7の残留オイルをスタータモータON後の短時間のうち
に回収通路20を介して貯留室10へ収容することが可
能となる。従って、残留オイルによるロータ14の拘束
が速やかに緩和され、停止したプーリ16、駆動軸13
及びロータ14を起動するための負荷トルクの速やかな
低減を実現することができる。故に、エンジンEの再起
動時に過大な起動ショックは起こらず、異音の発生や部
材の早期摩耗という事態も回避される。
【0056】○ 供給通路21の発熱室7側開口部は、
ロータ14の外周面14bの中心を指向すると共に、発
熱室7の前部クリアランスL1と後部クリアランスL2
の双方に対して均等な開口断面積を有するように構成さ
れている。このため、ヒータの作動開始時には貯留室1
0に滞在するシリコーンオイルを供給通路21から発熱
室7の両クリアランスL1,L2へ向けて偏り無く円滑
に流入させることができる。従って、熱発生の立ち上が
りを迅速なものとすることができる。
【0057】○ 前部区画プレート5の後端面5d及び
後部区画プレート6の前端面6dには、発熱室7の中心
域から周域に延びる導出溝23が形成されると共に、こ
の導出溝23と回収通路20とをほぼ一列に並ぶ関係と
した。従って、ロータ14の回転始動時において、発熱
室7に残留するシリコーンオイルを当該導出溝23がガ
イドすることで回収通路20へのオイル流入を円滑かつ
迅速なものとすることができる。
【0058】○ 前部区画プレート5の後端面5d及び
後部区画プレート6の前端面6dには、発熱室7の中心
域から周域に延びる導入溝24が形成されている。かか
る導入溝24の周端部は、供給通路21の発熱室7側開
口部の近傍に配される。従って、ヒータの作動開始時に
おいて貯留室10に滞在するシリコーンオイルを当該導
入溝24がガイドするため、発熱室7の中央域へのオイ
ル流入を円滑かつ迅速なものとすることができる。
【0059】○ 回収通路20の内径Nは、導出溝23
間の距離Kに一致している。このため、導出溝23にガ
イドされ移動するシリコーンオイルをもれなく回収通路
20内へ引き受けることができる。従って、特に、ロー
タ14の回転始動時には、導出溝23に沿ってガイドさ
れる粘性流体を迅速かつ円滑に貯留室10に送り込ませ
ることができる。
【0060】○ 貯留室10は発熱室7の周壁に対向す
ると共に、全体として駆動軸13の回動軸線Xよりもや
や上方に配置されている。このため、発熱室7に収容さ
れるシリコーンオイルの液面と発熱室7の最底域との間
の高低差をより大きく確保することができる。従って、
供給通路21を介した貯留室10から発熱室7へのオイ
ル流入を円滑化かつ迅速化させることができる。
【0061】(変更例)上記実施形態を次のように変更
することも可能である。 ○ 上記実施形態の場面2において、供給通路21を開
放した直後の一定期間、第2芯棒44に粘性流体の圧送
を目的とする連続的な往復動(ポンピング動作)を行わ
せるようにしてもよい。即ち、第2ソレノイドコイル4
3への最初の通電の直後にこの通電を停止し、再び通電
するということを繰り返す。このようにして、制御装置
50が制御プログラムに定める所定回数(例えば、2〜
10回)だけ第2ソレノイドコイル43への通電・遮断
を繰り返すことで、第2芯棒44が複数回にわたり進退
を繰り返す。このように構成すれば、この第2芯棒44
の連続的な往復動によって、貯留室10に収容されるシ
リコーンオイルを供給通路21を介して発熱室7へ積極
的に圧送することができる。従って、更に迅速な貯留室
10から発熱室7へのオイル流入を実現することができ
る。
【0062】○ 各芯棒34,44はそれぞれ各電磁ソ
レノイド30,40によって駆動されていたが、これ
を、例えば油圧や空気圧に変更してもよい。このように
構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができ
ると共に、各芯棒34,44をハウジングの内外方向に
摺動させることができる。
【0063】○ プーリ16と駆動軸13との間に電磁
クラッチ機構を採用し、車両エンジンEの駆動力を必要
に応じて駆動軸13に選択的に伝達可能としてもよい。
このように構成すれば、必要に応じて駆動伝達を遮断す
ることができるため、発熱室7内でのシリコーンオイル
の剪断作用を抑制することができる。このため、過剪断
に起因するシリコーンオイルの過熱劣化を遅らせること
が可能になる。
【0064】(用語の定義)「粘性流体」とは、ロータ
の剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生するあら
ゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や半流動
体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限定され
るものではない。
【0065】
【発明の効果】以上詳述したように各請求項に記載の車
輌用熱発生器によれば、ロータが起動する際の負荷トル
クを速やかに低減させることでロータの起動を円滑化
し、負荷トルクに起因する異音の発生や部材の早期摩耗
という不都合を極力解消することができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に従う車輌用熱発生器の縦断面図。
【図2】図1のA−A線における断面図。
【図3】図4のD−D線矢印方向から見た溝及びロータ
の概要を示す部分断面図。
【図4】図1のB−B線における断面図で、ロータ始動
時を示す。
【図5】図4相当の断面図で、ロータ高速回転時を示
す。
【図6】図1のC−C線における破断断面図。
【符号の説明】 1…前部ハウジング本体、2…後部ハウジング本体、5
…前部区画プレート、6…後部区画プレート(1,2,
5,6はハウジングを構成する)、5e…内周面(発熱
室周壁を構成する)、5d…後端面、6d…前端面(5
d,6dは発熱室内壁面を構成する)、7…発熱室、8
…放熱室としての前部ウォータジャケット、9…放熱室
としての後部ウォータジャケット、10…貯留室、14
…ロータ、14b…外周面、20…回収通路、21…供
給通路、23…導出溝、24…導入溝、Y…連通軸線
(回収通路)、CP…ロータをその軸線方向に二等分す
る仮想中心面、K…一対の導出溝間の距離、N…回収通
路の内径。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂 高寿 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に区画された発熱室及び放
    熱室を備え、前記発熱室内に収容された粘性流体を前記
    発熱室内に回動可能に設けられたロータで剪断して熱を
    発生させ、その熱を前記放熱室を流れる循環流体に熱交
    換する車輌用熱発生器において、 前記発熱室は、前記ロータの外周面と対向する周壁を備
    えており、 前記ハウジング内には、粘性流体の貯留室が設けられ、
    前記ロータの回動によって前記貯留室と前記発熱室との
    間で粘性流体の循環を行うべく該貯留室と前記発熱室と
    を連通させる回収通路(20)及び供給通路(21)を
    設け、 前記通路の少なくとも回収通路(20)の発熱室側開口
    部は、前記発熱室の周壁に形成されていることを特徴と
    する車輌用熱発生器。
  2. 【請求項2】 前記ロータは円板形状をなしており、前
    記回収通路は、その連通軸線(Y)が前記ロータをその
    軸線方向に二等分する仮想中心面(CP)と一致するよ
    うに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の
    車輌用熱発生器。
  3. 【請求項3】 前記ロータはその前後に端面を有する円
    板形状をなしており、そのロータの各端面と対向する発
    熱室の内壁面には、一対の導出溝(23)が形成され、
    前記一対の導出溝と前記回収通路とはほぼ一列に並ぶよ
    うに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の車輌用熱発生器。
  4. 【請求項4】 前記回収通路の内径(N)は、前記一対
    の導出溝間の距離(K)にほぼ一致することを特徴とす
    る請求項3に記載の車輌用熱発生器。
  5. 【請求項5】 前記供給通路は、前記回収通路よりも下
    方に設けられ、該供給通路は、その連通軸線が前記ロー
    タの仮想中心面(CP)と一致するように配置されてい
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載
    の車輌用熱発生器。
  6. 【請求項6】 前記貯留室は、前記発熱室の周壁を挟ん
    で前記ロータの外周面と対向する位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    車輌用熱発生器。
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