JP3656549B2 - 演奏データ処理装置及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏データに対してスラー処理などの表情を制御するための制御データを有効に付与するのに好適な演奏データ処理装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
MIDIデータを音符の情報のみで構成すると、機械的に無表情な演奏になってしまう。より自然な演奏、美しい演奏、生々しい演奏などのためには、様々な音楽的な表現や、楽器らしさを制御データとして加える必要がある。しかしながら、このような演奏表現を加える作業において、曲のどの部分にどのような表現を加えるかをユーザに委ねるとすれば、ユーザは音楽や楽器の特性を熟知している必要が生じる。従って、幅広いユーザに簡単に使えるシステムを構成するためには、機械が判断できる部分は自動的に行ったほうがよい。
【0003】
従来、このような1つの方法として、例えば、特開平10−105173号公報がある。例えば、ギターのスラー表現などは、具体的なMIDI編集としては既存の複数の音符を1つにまとめる、すなわち、一部のMIDIデータを消去するという編集操作を伴う場合がある。このようなMIDIデータの消去処理を伴う編集では、消去処理後に、消去した音符の情報を参照する処理を行うことができなってしまう。
【0004】
このような問題は、楽譜的な情報を表わすデータと、MIDIのような演奏内容を表すデータとが存在する場合に起こる。例えば、スラー処理により消去された音符は、さらに、スラー処理された場合、参照する音符が既にないために処理不能となるおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような従来技術の欠点に鑑み、スラー編集の処理により消去された音符に更にスラー編集を加える場合のように、表情付与のための編集を重ねて行うようなことがあっても、不具合の発生を回避することができる演奏データ処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の特徴に従うと、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置であって、編集処理が連続する場合に、各編集処理に対応して、演奏データ中の消去すべき音符及び参照すべき音符を指定する手段と、第1の編集処理に対応して指定された消去すべき音符と同一の音符が、参照すべき音符として存在する第2の編集処理を検索する手段と、第1及び第2の編集処理における音符の消去関係に応じて編集処理の順序を決定する手段と、決定された順序に従って演奏データの編集処理を実行する手段とを具備する演奏データ処理装置(請求項1)、並びに、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置において読取り可能な記録媒体であって、編集処理が連続する場合に、各編集処理に対応して、演奏データ中の消去すべき音符及び参照すべき音符を指定するステップと、第1の編集処理に対応して指定された消去すべき音符と同一の音符が、参照すべき音符として存在する第2の編集処理を検索するステップと、第1及び第2の編集処理における音符の消去関係に応じて編集処理の順序を決定するステップと、決定された順序に従って演奏データの編集処理を実行するステップとから成る手順を演奏データ処理装置に実行させるプログラムを記録している演奏データ処理のための記録媒体(請求項3)が提供される。
【0007】
この発明の第2の特徴に従うと、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置であって、編集処理が連続する場合に、第1の編集処理に基づき、演奏データに対して、次に実行される第2の編集処理において消去すべき音符及び消去される音符に置換されるべき音符を指定する手段と、第2の編集処理に際して、消去すべき音符に指定された音符データを、置換すべき音符に指定された音符を参照するデータに変換する手段とを具備する演奏データ処理装置(請求項2)、並びに、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置において読取り可能な記録媒体であって、編集処理が連続する場合に、第1の編集処理に基づき、演奏データに対して、次に実行される第2の編集処理において消去すべき音符及び消去される音符に置換されるべき音符を指定するステップと、第2の編集処理に際して、消去すべき音符に指定された音符データを、置換すべき音符に指定された音符を参照するデータに変換するステップとから成る手順を演奏データ処理装置に実行させるプログラムを記録している演奏データ処理のための記録媒体(請求項4)が提供される。
【0008】
〔発明の作用〕
この発明の第1の特徴によると、演奏データ(PD)における連続した複数の音符(N1〜N3)に対して、一部の音符(N1,N2)の情報を他の音符(N2,N3)を参照することによる異なる情報形態(例えば、ピッチベンド付き)に変更し、当該一部の音符(N1,N2)を消去する編集処理(例えば、スラー編集指示情報EXによる編集処理)が連続する際に、各編集処理に対応して、予め、演奏データ中の消去すべき音符(消去リストDL)及び参照すべき音符(参照リストRF)を指定しておき、第1の編集処理〔例えば、Slur(N2,N3)〕に対応して指定された消去すべき音符(DL=N2)と同一の音符(N2)が、参照すべき音符(RF=N2)として存在する第2の編集処理〔例えば、Slur(N1,N2)〕を検索し、第1及び第2の編集処理における音符の消去関係に応じて編集処理の順序を決定し、決定された順序に従って演奏データの編集処理を実行するようにしている。なお、括弧書きは、理解の便のために、後で詳述する実施例において用いられる対応用語乃至記号であり、以下においても同様である。
【0009】
つまり、編集指示情報EXにより指示される複数の表情付け編集処理に対応して、それぞれ、消去すべき音符及び参照すべき音符を指定するための手段として消去リストDL及び参照リストRFを用意し、消去リストDLにより指定される音符データと同じ音符データが他の参照リストRFに存在する場合には、消去される音符の関係に応じて、編集指示情報EXにより指示される編集処理の順序を事前に変更するようにしているので、表情付与のための編集を重ねて行うようなことがあっても、不具合の発生を回避し、編集処理を有効に実施し、適正な表情付けを実現することができる。
【0010】
また、この発明の第2の特徴によると、演奏データ(PD)における連続した複数の音符(N1〜N3)に対して、一部の音符(N1,N2)の情報を他の音符(N2,N3)を参照することによる異なる情報形態(例えば、ピッチベンド付き)に変更し、当該一部の音符(N1,N2)を消去する編集処理(例えば、スラー編集指示情報EXによる編集処理)が連続する際に、第1の編集処理〔例えば、Slur(N2,N3)〕に基づき、演奏データに対して、次に実行される第2の編集処理〔例えば、Slur(N1,N2)〕において消去すべき音符(消去リストDL)及び消去される音符に置換されるべき音符(置換リストSB)を指定するようにしておき、第2の編集処理に際しては、消去すべき音符(DL=N1)に指定された音符データを、置換すべき音符に指定された音符(SB=N3)を参照するデータ(ピッチベンドPB1付き音符データN3)に変換するようにしている。
【0011】
つまり、編集指示情報EXにより指示される表情付け編集処理に応じて、次の表情付け編集処理のために、消去すべき音符及び置換すべき音符を指定するための手段として消去リストDL及び置換リストSBを用意しておき、次の編集処理においては、消去リストDLの指定に従い消去される音符データに対して、これに置換すべき音符データを置換リストSBで指定して音符を参照するデータ変換を行うので、編集処理を有効に行い、適正な表情付けを実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施例を詳述する。なお、以下の実施例は単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0013】
〔ハードウエア構成〕
図1には、この発明の一実施例による演奏データ処理システムのハードウエア構成のブロック図が示されている。このシステムの例では、パーソナルコンピュータ(PC)上で演奏データ処理を含む各種処理を行わせる構成がとられている。システムは、中央処理装置(CPU)1、タイマ2、読出専用メモリ(ROM)3、ランダムアクセスメモリ(RAM)4、外部記憶装置5、検出回路6、表示回路7などの外に、音源回路8や通信インターフェイス(I/F)9、MIDIインターフェース(I/F)10などを備え、これらの装置1〜10は、通信バス11を介して互いに接続されている。
【0014】
システム全体を制御するCPU1は、所定のソフトウエア・プログラムに従いタイマ2によるクロックを利用して種々の制御を行い、特に、後述する演奏データ処理などを中心的に遂行する。ROM3には、このシステムを制御するための所定の制御プログラムが記憶されており、これらの制御プログラムには、基本的な情報処理と共に、この発明による演奏データ処理などに関する各種プログラムや各種テーブル、各種データを含ませることができる。RAM4は、これらの処理に際して必要なデータやパラメータを記憶し、また、各種レジスタやフラグ、処理中の各種データ等を一時記憶するためのワーク領域として用いられる。
【0015】
外部記憶装置5は、ハードディスクドライブ(HDD)の外に、コンパクトディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)、フロッピィディスク(FD)、光磁気(MO)ディスク、ディジタル多目的ディスク(DVD)、メモリカード等の可搬型記憶媒体を用いた装置から成り、各種制御プログラムや各種データを記憶することができる。従って、演奏データ処理などに必要なプログラムや各種データは、ROM3を利用するだけでなく、外部記憶装置5からRAM4内に読み込むことができ、必要に応じて、処理結果を外部記憶装置5に記録しておくこともできる。
【0016】
検出回路6には操作子装置12が接続され、操作子装置12は、各種の情報をシステムに入力するためにユーザが用いるキーボード及びポインチングデバイス(マウス等)を備える。表示回路7はディスプレイ13や各種インジケータを備えており、ディスプレイ12上には、ポインチングデバイス等の操作子で操作可能なカーソルやスイッチボタンが表示される。
【0017】
音源回路8には、DSP等で構成される効果回路やスピーカを含むサウンドシステム14が接続されており、RAM4や外部記憶装置5などに記憶される各種演奏データを読み出して、対応する楽音を発音再生することができる。また、通信I/F9には、ローカルエリアネットワーク(LAN)やインターネット、電話回線等の通信ネットワーク15が接続され、通信ネットワーク15を介してサーバコンピュータ等から制御プログラムや演奏データなどの各種データを外部記憶装置5にストアすることもできる。
【0018】
MIDII/F10には、電子楽器などの演奏データ発生源16が接続され、このシステムとの間で演奏データを授受することができる。なお、図1は、パーソナルコンピュータ(PC)を用いるシステムについて説明したが、電子楽器を用いて演奏データ処理システムを構成してもよい。
【0019】
〔演奏データ処理の概要〕
この発明の一実施例による演奏データ処理システムにおいては、スラー編集などの表情付与のための編集処理を行うに際して、リスト情報を含む編集制御情報を生成し、この編集制御情報を用いることにより、編集処理を重ねる場合にも不具合なく処理を進行することができる。図2は、この発明の一実施例による演奏データ処理システムの概略的な機能ブロック図を示す。
【0020】
演奏データ供給手段DSは、RAM4又は外部記憶装置5から、音高(例えば、音符番号N1で表現される)及び音符長(オン時間)情報から成る音符情報PNを含む楽譜データなどを元の演奏データPDとして取得し、元演奏データPD中の音符データPNをリスト作成手段LMに供給する。表情付与手段EGは、操作子装置12による指示に応じて元演奏データPDに対して表情を付与するための編集指示情報EXを生成し、この編集指示情報EXに基づいて、表情付与に関係する音符を表わす情報情報ENをリスト作成手段LMに与え、元演奏データPD中の対応する音符を指示する。
【0021】
リスト作成手段LMは、両音符情報PN,ENから、消去リスト情報DLなどのリスト情報や、編集順序指定情報などから成る編集制御情報ECを生成し、表情付け編集処理手段EPを制御する。表情付け編集処理手段EPは、演奏データ供給手段DSからの元演奏データPD、表情付与手段EGからの編集指示情報EX及びリスト作成手段LMからの編集制御情報ECを受け、編集制御情報ECに基づいて、編集指示情報EXにより指定される表情を元演奏データPDの所定音符に付与する編集処理を行い、MIDI形式などの所定形式による編集後の演奏データEDを生成する。そして、表情付け編集処理手段EPから出力される編集後演奏データEDは、RAM4や外部記憶装置5に格納される。
【0022】
ここで、この発明の第1実施形態においては、上述した表情付け編集処理に際して、図3に示されるように、
(1)複数の編集指示(EX)に対応してそれぞれ消去リストDL及び参照リストRFを用意し、消去リストDLにより指示される音符データと同じ音符データが他の参照リストRFに存在する場合には、消去される音符の関係に応じて、編集指示情報EXにより指示される編集処理の順序を事前に変更する
手法を適用することにより、適正な表情付けを行うようにしている。
【0023】
つまり、第1実施形態では、編集指示情報EXにより、演奏データPDに対して、スラーのように音符の消去を伴う複数の編集処理を指示すると、リスト作成手段LMは、演奏データPDに含まれる音符情報PN及び編集処理(EX)に関係する音符情報ENから、各編集処理に対応して、それぞれ、演奏データPD中の消去音符及び参照音符を決定しリスト情報DL,RFとして生成する。リスト作成手段LMは、さらに、或る編集処理の消去リストDLにより指示される音符データと同じ音符データが、他の編集処理の参照リストRFに存在する場合に、消去音符の関係に応じて編集処理の順序を事前に変更し、編集処理の順序を表わす処理順情報及び消去音符及び参照音符を表わすリスト情報から成る制御データECを出力する。そして、表情付け編集処理手段EPは、演奏データPDに対して制御データECに基づく編集処理を実行し、編集後データEDを出力する。
【0024】
また、この発明の第2実施形態においては、上述した表情付け編集処理に際して、図4に示されるように、
(2)各表情付け編集(EX)に対応して消去リストDL及び置換リストSBを用意し、消去リストDLの指示に従い消去される音符データに対して、これに置換すべき音符データを置換リストSBで指定する
手法を適用することにより、適正な表情付けを行うようにしている。
【0025】
第2実施形態では、編集指示情報EXにより、演奏データPDに対して、スラーのように音符の消去を伴う或る編集処理を指示し、リスト作成手段LM及び表情付け編集手段EPを介して対応する編集処理が行われると、リスト作成手段LMは、破線で示すように、表情付け編集手段EPから当該編集を処理した旨の報告ERに応じて、次の編集処理での消去音符及びこれに置換される音符を指定するリスト情報DL,SBを含む制御情報ECを作成する。表情付け編集手段EPは、この制御情報ECに基づいて、次の編集処理において、指定されたリスト情報DL,SBに基づくデータ変換を行い、編集後データEDを出力する。
【0026】
〔演奏データ処理の詳細〕
図5は、この発明の演奏データ処理によりスラー編集処理を行った場合のスラー処理動作の一例を示す。まず、図5(1)において、例えば、(a)のように、何も表現が指定されていない音符N1,N2,N3がある場合、これをピアノロール形式で表示すると、(b)のようになる。ここで、図5(2)(a)のように、音符N1,N2,N3に対して1つのスラーSL1をかける場合には、スラー編集を施した後の演奏データを表現するには様々な手法を適用することができる。
【0027】
この場合、1つの有効な方法として、音符N2,N3の音符イベントを1つにまとめて、代わりに、音符N3のオン時間に音高変化を示すピッチベンドイベントを生成するという方法がある。この方法による編集処理の結果、元の音符N2,N3は、図5(2)(b)に示されるように、音符N3に対するピッチベンドイベントPB1の機能によって、音が滑らかに繋がるように編集され、スラー表現を実現することができる。
【0028】
次に、図5(3)(a)のように、2つのスラーSL1,SL2が連続してかけられた場合について検討すると、例えば、両スラーSL1,SL2を一度に処理するとした場合には、音符N1を消去して音符N2に合体させ、その後、音符N2を消去して音符N3に合体させるとすれば、図(3)(b)に示すような結果が得られ、問題はない。
【0029】
しかしながら、図5(2)(a)→(b)のように、一旦、スラーSL1により音符N2,N3をまとめて音符N3にピッチベンドPB1を生成する処理を施した後で、さらに、スラーSL2が加られて、図5(3)(a)のように、2つのスラーSL1,SL2が連続する状態に変更された場合には、音符番号N1〜N3を頼りに処理する方法では、音符N1〜N2の処理の際に、音符N2〜N3に対する最初の編集処理により一旦消去された筈の音符N2を参照して処理しなければならない事態が生じるので、所望の結果を得ることができない。
【0030】
これに対して、前述した第1及び第2実施形態による(1)及び(2)の手法を用いることにより、適正な表情付けを行うことができる。
【0031】
〔第1実施形態〕
本発明者が特開2000−267653で提案しているように、MIDIデータへの表現付けには、音符データと記号データに分けて管理する手法が有効である。この発明の第1実施形態においては、この管理手法に従う記号データとして編集指示情報EXを用い、表情付与処理に先立って、音符消去の関係に応じて、図3に示すように、編集指示情報EXにより指示される編集処理の順序を並べ替えることによって、消去した音符を参照するという問題を回避するようにしている。
【0032】
つまり、図3の上段に示されるように、スラー編集を指示する複数の編集指示情報EXに対応してそれぞれ消去リストDL及び参照リストRFを用意し、或る編集指示情報EX=“Slur(N2,N3)”に対応する消去リストDLにより指示される音符データN2と同じ音符データN2が、他の編集指示情報EX=“Slur(N1,N2)”に対応する参照リストRF=“N1,N2”に存在する場合には、図3の下段に示されるように、編集処理の順序を事前に変更し、前者の編集指示による編集処理で消去される音符データN2が、後者の編集指示による編集処理で参照されないようにする。
【0033】
例えば、音符データN1,N2をスラーSL1で結ぶ編集処理を指示する編集指示情報EXを、記号データ“Slur(N1,N2)”で表現すると、図5(3)(a)のように、3つの音符データN1、N2、N3に対して2つのスラーSL1,SL2が連続する場合、各スラーSL1,SL2に対応する記号データは、“Slur(N2,N3)”,“Slur(N1,N2)”で表わすことができる。従って、この発明の第1実施形態では、記号データSlur(N1,N2)で表わされる編集処理を、記号データ“Slur(N2,N3)”で表わされる編集処理よりも先に処理するような処理順序とする。
【0034】
すなわち、音符N2の消去処理の関係に応じて、予め、図3の下段のように、編集処理の順序(順位)1=“Slur(N1,N2)”、順序(順位)2=“Slur(N2,N3)”というように、処理に先立って並べ替えておくことにより、前述のように消去した音符N2を参照するという事態が生じないようにすることができる。
【0035】
図5(3)(a)の例に対して、図3の上段のように編集指示の順に編集処理を行おうとすると、Slur(N2,N3)により音符N2が消去されるが、引き続き、Slur(N1,N2)を処理しようとしても、音符N2が既に消去されているので、適正な処理ができなくなる。しかしながら、第1実施形態のように、先に、Slur(N1,N2)を処理すると、音符N1が消去されて音符N2は消去されていないので、次のSlur(N2,N3)の処理では、期待通り処理することができる。このように、処理順序を適正に入れ替えることによって、適正な表情付けの編集処理を行うことができるようになる。
【0036】
編集指示情報EXを表わす記号データの適正な順序変更の方法は、例えば、図3上段に示すように、記号データ(EX)毎に、参照リストRF及び消去リストDLを用意する。記号データ(EX)を順番に調べ、消去リストDLにある音符番号を取得する。そして、或る記号データ(EX)〔例えば、Slur(N2,N3)〕に対して、それ以降の記号データ(EX)〔例えば、Slur(N1,N2)〕の参照リストRFに同じ番号値のものがあれば、当該記号データ(EX)〔=Slur(N1,N2)〕を、現在調べている記号データ〔=Slur(N2,N3)〕の直前に並べ直す。
【0037】
スラーなどの表現付与は、必ず、時間的に隣り合う音符を参照している筈であるから、間の音を飛ばした参照は有り得ない。従って、上述したような入れ替え手順で、確実に参照可能な順番に入れ替えを完了することができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
前述したように、ユーザが音符データN2〜N3をスラーSL1で結ぶように指示し、一旦、この編集作業を完了させてから〔図5(2)(a)→(b)〕、さらに、音符データN1〜N2を2つ目のスラーSL2結ぶように指示すると〔図5(3)(a)〕、連結すべき音符データN2は、(元演奏データPD上には存在するものの)最初の編集作業後の演奏データEDには存在しなくなる。
【0039】
そこで、編集処理により音符データN2を消去したときに、元演奏データPD上の音符データN2が、編集作業後の演奏データED上の音符N3に対応していることを調べることができるようにすれば、所望の連結を行うことができる。このために、この発明の第2実施形態においては、図4に示すようなデータ形式を採用し、編集処理により元演奏データPDに対応する音符データを消去するたびに、これにより消去された音符を、その後の編集処理で参照される際に、実際の処理対象となる音符データとして指定する置換リストSBを作成する。
【0040】
例えば、図5(1)(a)のように何も編集されていない元演奏データPDについては、図4の(1)段に示されるように、元演奏データPD及び編集後演奏データED(最右欄)が1:1に対応し、置換リストSBも、元演奏データPD自身を参照するようになっている。この状態から、図4の(2)段に示すように、図5(2)(a)のように音符N2〜N3をスラーSLで結ぶような指示がなされると、この編集により生成される編集後演奏データEDは、同段の最右欄のようになり、音符N2のMIDIデータは消去される。その代わりに、これに対応する置換リストSBは、その左側欄(=“N1”−“N3”−“N”)のようになり〔(3)段も同様〕、以後、元演奏データEDデータの音符N2を指定した処理を行う場合、音符N3を参照して処理を行えばよいことを指示する。
【0041】
このようにして作成されるな置換リストSBを利用すると、図5(2)(a)の後に、更に図5(3)(a)のようなスラーSL2による編集指示を行っても、図5(3)(b)に示すような結果が得られる。なお、図4の(4)及び(5)段における置換リストSBの欄は、このようなスラーSL2の編集処理の結果生成される置換リストSBを表わしている。
【0042】
なお、元の演奏データEDは、所定の音高を表現することができるデータであればよく、楽譜を表示するためのデータである必要はない。すなわち、2つの音符をスラーで結ぶ際、編集後の演奏データEDとしては、1つの音符イベントに結合させるものの、それを再生して認識できる音は2つの音である。このように音楽上認識できる表現方法であれば、楽譜を表示するためのデータに限る必要はない。
【0043】
上述した第1及び第2実施形態においては、前側の音符データを削除する方法を採用している。このように後の音を残す場合、図5(2),(3)の(b)に示すように、消去される音符データN1,N2のオン時間のタイミング(キーオンタイミング)t1,t2で音高を変化させるピッチベンドイベントPB1,PB2を生成する必要がある。しかしながら、その後、消去しない音符N3の元のオン時間のタイミング(キーオンタイミング)t3でピッチベンドを元の値に戻す(他にピッチベンドを設定していなければ、ピッチベンドイベントPB3を値“0”に戻す)ので、以後は、ピッチベンドの値に留意する必要がなくなるので、非常に扱いやすくなる。
【0044】
〔種々の実施態様〕
スラー表現などで、音符データを削除するような場合、前側の音符データを削除する方法と後側の音符データを削除する方法があり、上述した各実施形態では、前側の音符データを削除する方法を採用している。しかしながら、後の音を消去する方法を採用することもできる。後の音を消去する方法においては、前の音を残すので、消去される音符のオン時間のタイミングで、音高を変化させるピッチベンドイベントを生成する。また、この場合、その後の音符については、そのピッチベンドイベントの影響を残してはいけないので、あるタイミングでピッチベンドイベントを元の値に戻す(他にピッチベンドを設定していなければ、“0”に戻す)必要がある。
【0045】
このように、この発明による演奏データ処理の適用に当っては、前述した各実施形態のように後の音を残す方法や、上述した前の音を残す方法、或いは、別の音符に置き換える方法を採用することができるが、何れの方法においても、演奏データ処理の影響が後の音符に及ばないようするために、同様な配慮が必要であることには変わりがない。すなわち、図3とは逆の並べ直し処理をすればよい。
【0046】
なお、演奏データのフォーマットは、演奏イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した 「イベント+相対時間」、演奏イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した「イベント+絶対時間」、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した「音高(休符)+符長」、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域に演奏イベントを記憶した「ベタ方式」等、どのような形式でもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理が連続する際に、各編集処理に対応して、それぞれ、消去すべき音符及び参照すべき音符を指定するための消去リスト及び参照リストを用意し、或る編集処理において消去リストにより指定される音符データと同じ音符データが、他の編集処理における参照リストに存在する場合には、消去される音符の関係に応じて編集処理の順序を事前に変更するようにしているので、表情付与のための編集を重ねて行うようなことがあっても、不具合の発生を回避し、編集処理を有効に実施し、適正な表情付けを実現することができる。
【0048】
また、この発明によれば、演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理が連続する際に、或る編集処理が行われると、次の編集処理のために、消去すべき音符及び置換すべき音符を指定するための消去リスト及び置換リストを用意し、次の編集処理においては、消去リストの指定に従い消去される音符データに対して、これに置換すべき音符データを置換リストで指定して音符を参照するデータに変換するようにしているので、編集処理を有効に行い、適正な表情付けを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による演奏データ処理システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例による演奏データ処理システムの概略的機能ブロック図である。
【図3】図3は、この発明の第1実施形態による編集順序の変更に基づく演奏データ処理を説明するための図である。
【図4】図4は、この発明の第2実施形態による置換リストの利用に基づく演奏データ処理を説明するための図である。
【図5】図5は、この発明の演奏データ処理におけるスラー編集処理の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
PD 音符情報(音高及び音符長を含む)PNから成る元の演奏データ、
EX 表情付与に関係する音符情報ENを含む表情付与のための編集指示情報、
EC 消去リストDLや、参照リストRS或いは置換リストSBなどのリスト情報を含む編集制御情報、
ER 編集処理済み報告情報、
ED 表情付与の編集がなされた編集後演奏データ、
SL1,SL2 スラー編集すべきことを表わすスラー記号、
N1,N2,N3 音符イベント、
PB1,PB2 ピッチベンドイベント、
t1,t2,t3 元演奏データPDの音符イベントN1,N2,N3のキーオンタイミング。

Claims (4)

  1. 演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置であって、
    編集処理が連続する場合に、
    各編集処理に対応して、演奏データ中の消去すべき音符及び参照すべき音符を指定する手段と、
    第1の編集処理に対応して指定された消去すべき音符と同一の音符が、参照すべき音符として存在する第2の編集処理を検索する手段と、
    第1及び第2の編集処理における音符の消去関係に応じて編集処理の順序を決定する手段と、
    決定された順序に従って演奏データの編集処理を実行する手段と
    を具備することを特徴とする演奏データ処理装置。
  2. 演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置であって、
    編集処理が連続する場合に、
    第1の編集処理に基づき、演奏データに対して、次に実行される第2の編集処理において消去すべき音符及び消去される音符に置換されるべき音符を指定する手段と、
    第2の編集処理に際して、消去すべき音符に指定された音符データを、置換すべき音符に指定された音符を参照するデータに変換する手段と
    を具備することを特徴とする演奏データ処理装置。
  3. 演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置において読取り可能な記録媒体であって、
    編集処理が連続する場合に、
    各編集処理に対応して、演奏データ中の消去すべき音符及び参照すべき音符を指定するステップと、
    第1の編集処理に対応して指定された消去すべき音符と同一の音符が、参照すべき音符として存在する第2の編集処理を検索するステップと、
    第1及び第2の編集処理における音符の消去関係に応じて編集処理の順序を決定するステップと、
    決定された順序に従って演奏データの編集処理を実行するステップと
    から成る手順を演奏データ処理装置に実行させるプログラムを記録していることを特徴とする演奏データ処理のための記録媒体。
  4. 演奏データにおける連続した複数の音符に対して、一部の音符の情報を他の音符を参照することによる異なる情報形態に変更し、当該一部の音符を消去する編集処理を行う演奏データ処理装置において読取り可能な記録媒体であって、
    編集処理が連続する場合に、
    第1の編集処理に基づき、演奏データに対して、次に実行される第2の編集処理において消去すべき音符及び消去される音符に置換されるべき音符を指定するステップと、
    第2の編集処理に際して、消去すべき音符に指定された音符データを、置換すべき音符に指定された音符を参照するデータに変換するステップと
    から成る手順を演奏データ処理装置に実行させるプログラムを記録していることを特徴とする演奏データ処理のための記録媒体。
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