JP2004258564A - スコアデータ編集装置、スコアデータ表示装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】判定手段204は歌唱スコアデータに含まれるタイミングデータに基づき、複数のノートデータ間で発音期間に重なりがあるか否かを判定する。調整手段208は判定手段204の判定に基づき、タイミングの調整を行い発音期間の重なりを解消する。また、判定手段204は基準のパートデータのタイミングデータと他のパートデータのタイミングデータの差が条件を満たすか否かを判定する。調整手段208は判定手段204の判定に基づき、他のパートデータのタイミングデータを基準のパートデータのタイミングデータに一致させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動演奏のためのスコアデータの編集および表示を行う装置、およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
楽曲に含まれる音の音高および発音期間を示すデータであるスコアデータを用いて、自動演奏装置に楽曲の自動演奏を行わせる技術がある。また、自動演奏用のスコアデータを編集する装置がある。
【0003】
スコアデータ編集装置におけるスコアデータの表示方法の一つに、ピアノロール表示と呼ばれるものがある。ピアノロール表示の画面においては、音高を示す軸と時間を示す軸から構成される座標平面上に、スコアデータが示す各々の音に対応する棒状の図形が配置される。ユーザは棒状の図形の音高軸方向の位置と、時間軸方向の位置および長さにより、各音の音高および発音期間を知ることができる。
【0004】
さらに、ピアノロール表示の画面に配置された棒状の図形の位置やサイズをマウス等により変更することによって、その図形の位置やサイズに対応するスコアデータ内のデータを変更することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
一方、音高および発音期間に関するデータに加え、歌詞に関するデータを含む歌唱スコアデータを用いて、歌唱合成装置により歌唱を自動的に行わせる技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平1−321484号公報
【特許文献2】
特開2002−202790号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、楽器音による自動演奏用のスコアデータを編集する場合と同様に、スコアデータ編集装置においてピアノロール表示等により歌唱スコアデータに含まれる音の音高および発音期間を表示させ、表示された図形を操作することにより歌唱スコアデータに含まれる音高および発音期間に関するデータを編集することができれば、ユーザの編集作業が容易になる。
【0008】
しかしながら、歌唱演奏においては1人により複数の声が同時に発せられることはないのに対し、多くの楽器は複数の音を同時に発することができる。そのため、スコアデータ編集装置を、歌唱スコアデータの編集に利用すると、ユーザは誤って、同じ人の声で同時に複数の音を発声させることを指示する歌唱スコアデータを作成してしまう可能性がある。
【0009】
このような歌唱スコアデータに従い、歌唱合成装置が歌唱を行うと、その歌唱演奏は不自然なものとなってしまう。場合によっては、歌唱合成装置は同時に複数の音を発声させる指示を発見した場合、先行する音を止めた後、後続の音を発声させる等の処理を行う。そのような場合、歌唱合成装置により行われる歌唱演奏が、ユーザの意図したものと異なってしまう場合もあり、不都合である。
【0010】
上記の状況に鑑み、本発明は、歌唱用および単声楽器用のスコアデータの表示および編集において、ユーザが誤って、同時に複数の音を発音させるようなスコアデータを作成することを防止すると同時に、誤って作成されたデータ部分を自動的に修正することにより、ユーザの手間を省くことを可能とする装置を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上説明した課題を解決するため、本発明は、(1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶手段と、前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる第1の発音期間データにより示される第1の発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる第2の発音期間データにより示される第2の発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により重複部分があると判定された場合、前記第1の発音期間と前記第2の発音期間とに重複部分が無くなるように、前記第1の発音期間データおよび前記第2の発音期間データの少なくとも一方を変更する調整手段とを備えることを特徴とするスコアデータ編集装置を提供する。
【0012】
かかる構成によるスコアデータ編集装置によれば、歌唱用もしくは単声楽器用のスコアデータに含まれる、複数音の同時発音を示すデータが自動的に修正され、ユーザによるスコアデータの修正作業が軽減される。
【0013】
また、本発明にかかるスコアデータ編集装置において、前記調整手段は、前記第1の発音期間の終期および前記第2の発音期間の終期のうち、より早い方を、前記第1の発音期間の始期および前記第2の発音期間の始期のうち、より遅い方と同時となるように、前記第1の発音期間データおよび前記第2の発音期間データのいずれか一方を変更するように構成されてもよい。
【0014】
かかる構成によるスコアデータ編集装置によれば、多くの場合、歌唱用もしくは単声楽器用のスコアデータに含まれる、複数音の同時発音を示すデータが、ユーザの意図する内容に修正される。
【0015】
さらに、本発明は、(1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶手段と、前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定手段と、音の高さを示す第1の軸と時間の経過を示す第2の軸を有する座標上に、前記スコアデータに含まれるノートデータの各々について、該ノートデータに含まれる音高データが示す音の高さに対応する前記第1の軸方向の位置に、該ノートデータに含まれる発音期間データが示す発音期間の始期および終期に対応する前記第2の軸方向の位置をそれぞれ1の端点および他の端点とする図形を表示する表示手段とを備え、前記表示手段は、前記判定手段により重複部分があると判定された場合、前記1のノートデータに対応する図形と、前記他のノートデータに対応する図形を、他の図形と異なる態様で表示することを特徴とするスコアデータ表示装置を提供する。
【0016】
かかる構成によるスコアデータ表示装置によれば、ユーザは容易に歌唱用もしくは単声楽器用のスコアデータに含まれる、複数音の同時発音を示すデータ部分を確認することができる。
【0017】
さらに、本発明は、(1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むパートデータを2以上含むスコアデータを記憶する記憶手段と、1のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第1の発音期間データが示す第1の発音期間の始期および終期のいずれかと、前記1のパートデータとは異なる他のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第2の発音期間データが示す第2の発音期間の始期および始期のいずれかとの差が、予め定められた期間より短いか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により差が予め定められた期間より短いと判定された場合、前記差を小さくするように、前記第2の発音期間データを変更する調整手段とを備えることを特徴とするスコアデータ編集装置を提供する。
【0018】
かかる構成によるスコアデータ編集装置によれば、編集済みのパートデータに含まれる発音期間に関するデータに基づいて、他のパートデータに含まれる発音期間に関するデータが自動的に修正されるため、ユーザの編集作業が軽減される。
【0019】
さらに、本発明は、上記のスコアデータ編集装置もしくはスコアデータ表示装置が行う処理と同様の処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】
[1.実施形態]
[1.1.構成]
図1は、この発明の一実施形態である歌唱合成システムを実現するコンピュータ1の構成を示すブロック図である。図1において、コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HD(Hard Disk)104、表示部105、操作部106、データ入出力部107、D/A(Digital to Analog)コンバータ108、アンプ109およびスピーカ110を有している。アンプ109およびスピーカ110以外の構成部は、バス115を介して接続されており、互いにデータの送受信が可能である。
【0021】
CPU101は汎用的なデータ処理を行うマイクロプロセッサであり、ROM102に記憶されたBIOS(Basic Input/Output System)等の制御用プログラムおよびHD104に記憶されたOS(Operating System)に従い、コンピュータ1の他の構成部の制御処理を行う。
【0022】
ROM102はBIOS等の制御用プログラムを格納する不揮発性メモリである。また、RAM103はCPU101や他の構成部が利用するデータを一時的に記憶するための揮発性メモリである。ROM102内のBIOSは、コンピュータ1の電源が投入されたときに、CPU101によって読み出され、RAM103に書き込まれる。CPU101は、このRAM103内のBIOSに従ってハードウェアの利用環境を構築する。
【0023】
HD104は大容量の記憶領域を有する不揮発性のメモリであり、HD104に記憶されるデータは書き換え可能である。HD104には、OSと、各種のアプリケーションと、各アプリケーションにより利用されるデータが記憶されている。CPU101は、BIOSによるハードウェア環境の構築後、HD104からOSを読み出してRAM103に書き込み、OSに従ってGUI(Graphical User Interface)環境およびアプリケーションの実行環境の構築等の処理を行う。
【0024】
HD104に記憶されているアプリケーションのうち主要なものとして、歌唱合成アプリケーションがある。CPU101は、マウス操作等により、歌唱合成アプリケーションの実行指示をユーザから受け取ると、HD104から歌唱合成アプリケーションを読み出してRAM103に書き込み、歌唱合成アプリケーションに従って各種処理を行う環境を構築する。このようにしてコンピュータ1は、本実施形態に係る歌唱合成システムとして機能する。
【0025】
表示部105は、液晶ディスプレイと、CPU101による制御の下、液晶ディスプレイを駆動する駆動回路とを有し、文字、図形等の情報を表示する。操作部106はキーパッドやマウス等を有し、ユーザによって行われる操作内容を反映したデータをCPU101に送信する。
【0026】
データ入出力部107は、例えばUSB(Universal SerialBus)インタフェース等、各種データを入出力可能なインタフェースであり、外部機器からデータを受信し、受信したデータをCPU101に転送し、またCPU101により生成されたデータを外部機器に送信する。
【0027】
D/Aコンバータ108は、CPU101からデジタル音声データを受信し、これをアナログ音声信号に変換し、アンプ109に出力する。アンプ109は、このアナログ音声信号を増幅し、スピーカ110から音として出力する。
【0028】
図2は、CPU101が歌唱合成アプリケーションに従って提供する歌唱合成システムの機能を示すブロック図である。歌唱合成システムは、スコアデータ編集部20と歌唱合成部30から構成されている。スコアデータ編集部20は、歌唱スコアデータをユーザに表示し、またユーザの操作に従い編集し、編集した歌唱スコアデータを歌唱合成部30に引き渡すモジュールである。ここで、歌唱スコアデータは、歌唱楽曲を構成する時系列の歌唱音のそれぞれの音高を指定する音高データ、発音期間を指定する発音期間データ、歌詞に対応する発音記号等を含む。歌唱合成部30は、この歌唱スコアデータに基づき、歌唱音声データを合成するモジュールである。
【0029】
スコアデータ編集部20は、データ入力手段201、整形手段202、記憶手段203、判定手段204、表示手段205、操作手段206、編集手段207、調整手段208およびデータ出力手段209を備えている。これらのうち記憶手段203は、コンピュータ1のRAM103およびHD104である。また、それ以外の要素は、歌唱合成アプリケーションを構成するソフトウェアモジュールである。
【0030】
歌唱合成部30は、データ入力手段301、記憶手段302、素片データベース303、データ選択手段304、音高調整手段305、継続期間調整手段306、音量調整手段307、操作手段308および音声出力手段309を備えている。これらのうち素片データベース303および記憶手段302は、コンピュータ1のRAM103もしくはHD104である。また、それ以外の要素は、歌唱合成アプリケーションを構成するソフトウェアモジュールである。
【0031】
なお、スコアデータ編集部20および歌唱合成部30の各構成要素の機能については、説明の重複を避けるため、本実施形態の動作説明の項において併せて説明する。
【0032】
[1.2.動作]
本発明の特徴は、スコアデータ編集部20にある。しかしながら、スコアデータ編集部20により行われる処理の技術的意義を理解するためには、このスコアデータ編集部20の出力データを利用して歌唱合成を行う歌唱合成部30の処理内容を理解しておくのが好ましい。そこで、以下では、まず歌唱合成部30の動作について説明し、その後、スコアデータ編集部20の動作を説明する。
【0033】
まず、歌唱合成部30のデータ入力手段301は、スコアデータ編集部20から歌唱スコアデータを受信し、受信した歌唱スコアデータを記憶手段302に記憶させる。
【0034】
図3は、この歌唱スコアデータの構成を示す図である。歌唱スコアデータには、歌唱演奏を表すパートデータが、1もしくは複数含まれている。また、歌唱スコアデータには、このパートデータの他に、演奏で用いられる拍子およびテンポを示すデータ、および分解能を示すデータが含まれている。図3に示される歌唱スコアデータは、パート1〜3の3つのパートデータを含み、拍子として4/4拍子が、テンポとして120が、また分解能として480が設定されている。テンポに関する数値「120」は、この歌唱スコアデータが示す楽曲が、1分間に4分音符を120含むテンポで演奏されることを示している。また、分解能に関する数値「480」は、この歌唱スコアデータにおいて、1つの4分音符を480分割した時間が単位時間として用いられていることを示している。
【0035】
パートデータは、そのパートを構成する複数の歌唱音のそれぞれにつき、音高、発音期間、発音記号および強さを示すデータの組であるノートデータを複数含んでいる。パートデータにおいて、ノートデータは、例えば発音期間の始期の早い順に、また発音期間の始期が同じ場合には発音期間の終期が早い順に、並んでいる。
【0036】
本実施形態においては、歌唱スコアデータが含む発音期間に関する情報は、発音期間の始期を示す情報と発音期間の終期を示す情報とにより構成されており、これらは、各々、「小節番号+拍番号+単位時間番号」の形式で表現される。例えば、「0005:03:240」は、第5小節の第3拍のタイミングから単位時間240個分の時間、すなわち1/2拍分の時間が経過したタイミングを表している。なお、歌唱スコアデータにおけるタイミングの表現の方法は、「小節番号+拍番号+単位時間番号」に限られない。通常の「時間+分+秒」の形式等、様々な表現方法が採用可能である。また、基準となるタイミングからの絶対時間ではなく、先行のデータからの相対時間により後続のデータのタイミングを特定する方法を採用してもよい。
【0037】
データ入力手段301により、歌唱スコアデータが記憶手段302に記憶されると、データ選択手段304は、歌唱スコアデータによって指示された歌唱音の歌唱音声データを生成するために必要となるデータを素片データベース303から読み出す処理を行う。
【0038】
図4は素片データベース303の構成を示す図である。素片データベース303は、複数の歌唱者の各々に対応した個人別データベースに分かれている。図4に示される例では、素片データベース303はそれぞれ3人の歌唱者に対応する個人別データベース303a〜cを含んでいる。
【0039】
各歌唱者に対応した個人別データベースには、その歌唱者の歌唱音声波形から採取された素片データが複数含まれている。素片データとは、歌唱音声波形から、音声学的な特徴部分を切り出して符号化した音声データである。
【0040】
ここで、素片データについて、「さいた」という歌詞を歌唱する場合を例として説明する。「さいた」という歌詞は発音記号で「saita」と表される。発音記号「saita」で表される音声の波形を特徴により分析すると、「s」の音の立ち上がり部分→「s」の音→「s」の音から「a」の音への遷移部分→「a」の音・・・と続き、「a」の音の減衰部分で終わる。それぞれの素片データは、これらの音声学的な特徴部分に対応する音声データである。
【0041】
素片データベース303は、あらゆる音および音の組み合わせに関し、上記の音声学的な特徴部分に対応する音声データを素片データとして含んでいる。以下の説明において、ある発音記号で表される音の立ち上がり部分に対応する素片データを、その発音記号の前に「#」を付けて、「#s」のように表す。また、ある発音記号で表される音の減衰部分に対応する素片データを、その発音記号の後に「#」を付けて、「a#」のように表す。また、ある発音記号で表される音から他の発音記号で表される音への遷移部分に対応する素片データを、それらの発音記号の間に「−」を入れて、「s−a」のように表す。従って、例えば「saita」は、「#s」「s」「s−a」「a」「a−i」「i」「i−t」「t」「t−a」「a」「a#」の素片データの単位に分解される。
【0042】
データ選択手段304は、歌唱スコアデータに例えば「saita」という歌詞が含まれており、この歌詞の歌唱音声を合成する場合に、素片データベース303から「#s」「s」「s−a」「a」「a−i」「i」「i−t」「t」「t−a」「a」「a#」の順に、素片データを読み出す。データ選択手段304は、読み出した素片データを、歌唱スコアデータと共に音高調整手段305に送信する。
【0043】
音高調整手段305は、受信した素片データに対し、歌唱スコアデータに含まれる音高に関するデータに基づき、音高調整を行う。音高調整手段305は、音高調整を行った素片データを、歌唱スコアデータと共に継続期間調整手段306に送信する。
【0044】
継続期間調整手段306に送られる歌唱スコアデータは、個々の素片データに対応した音の発音期間を指定するデータを含んでいる。継続期間調整手段306は、このデータによって指定された期間だけ音が持続するように、各素片データの発音期間の時間調整を行う。継続期間調整手段306は、発音期間の時間調整を行った素片データを、歌唱スコアデータと共に音量調整手段307に送信する。
【0045】
音量調整手段307に送られる歌唱スコアデータは、個々の素片データに対応した音の強さに関するデータを含んでいる。音量調整手段307は、このデータに基づき、各素片データの音量調整を行う。さらに、音量調整手段307は、音量調整を行った素片データのそれぞれに関し、先行するデータの最後の音量と後続のデータの最初の音量とが一致するように、素片データの終端付近もしくは先頭付近の音量調整を行う。
【0046】
音量調整手段307は、音量調整を行った素片データを歌唱スコアデータにより示される順序で繋ぎ合わせ、歌唱音声データを生成し、生成した歌唱音声データを記憶手段302に記憶させる。
【0047】
ユーザが、操作手段308を用いて歌唱合成部30に対し再生の指示を与えると、音声出力手段309は記憶手段302から歌唱音声データを読み出し、図1におけるD/Aコンバータ108に出力する。その結果、ユーザは歌唱スコアデータにより示される歌唱演奏を聴くことができる。
【0048】
なお、歌唱合成部30による歌唱演奏をより自然なものとするために、素片データベース303には、同じ発音記号で表される音の特徴部分に関し、異なるテンポや音高、またはアクセントやレガート等の音楽的な表情等に応じた異なる素片データを複数格納させ、データ選択手段304には、それらの素片データから最適なものを読み出させるようにしてもよい。
【0049】
また、上記の説明において、歌唱合成部30において用いられる素片データは音声波形を符号化した音声データであったが、素片データの形式はこれに限られない。例えば、素片データベース303には、音声波形から得られる音声データの周波数成分の特徴をパラメータ化したものを素片データとして格納させ、データ選択手段304等が素片データに含まれるパラメータに基づいて音声データを再生成することにより、歌唱音声データを生成させるようにしてもよい。
【0050】
次に、スコアデータ編集部20の動作を説明する。まず、スコアデータ編集部20のデータ入力手段201は、外部機器等から歌唱スコアデータを受信し、受信した歌唱スコアデータを整形手段202に送信する。データ入力手段201が外部機器等から受信する歌唱スコアデータの構成は、図3に示したものと同じである。
【0051】
整形手段202は、歌唱スコアデータの各パートデータに含まれるノートデータを、発音期間の始期の早い順に、また発音期間の始期が同じ場合には、発音期間の終期が早い順に並び替える。さらに、整形手段202は、歌唱スコアデータに番号および重なりの項目を追加する。
【0052】
図5は、整形手段202により項目の追加等が行われた後の歌唱スコアデータを示している。番号の欄には、各ノートデータの識別番号が昇順等の規則に従って割り当てられる。重なりの欄には、他のノートデータが示す音との間に時間的な重なりがある場合に、その重なりを持つ相手のノートデータの番号が書き込まれる。整形手段202は項目の追加等を行った歌唱スコアデータを、記憶手段203に記憶させる。
【0053】
[1.2.1.発音期間の重なりの解消に関する動作]
整形手段202の指示により記憶手段203に歌唱スコアデータが記憶されると、判定手段204は、歌唱スコアデータの各パートデータについて、時間軸上において重複する発音期間を持ったノートデータの組が含まれているかどうかを判定する。
【0054】
そして、例えば、同一パートデータに属するノートデータAおよびノートデータBが示す音の発音期間に重なりがあると判定した場合、判定手段204は、ノートデータAの重なりの欄にノートデータBの番号を、ノートデータBの重なりの欄にノートデータAの番号を書き込む。なお、あるノートデータが示す音の発音期間が、他の複数のノートデータが示す音の発音期間と重なりを持つ場合もあり、その場合には重なりの欄に該当する複数のノートデータの番号が書き込まれる。図5に示した歌唱スコアデータにおいては、他のノートデータと発音期間に重なりを持つノートデータは含まれていないので、全てのノートデータに関して、重なりの欄は空欄となっている。
【0055】
表示手段205は、歌唱スコアデータに基づき、ピアノロール表示を行う。図6は、図5に示した歌唱スコアデータに基づき表示手段205が行うピアノロール表示の画面である。図6において、ノートバー401a〜fのそれぞれは、ノートデータに対応している。画面の上下方向は音の高さに対応しており、画面左部に示されるピアノ鍵盤の図により、ユーザは各ノートバーが示すノートデータの音高を確認することができる。画面の左右方向は時間に対応しており、ユーザは各ノートバーの左端の位置および右端の位置から、ノートバーが示すノートデータの発音期間の始期および発音期間の終期を確認することができる。
【0056】
図6においては、パート1のパートデータに関してのみ、ノートバーが表示されている。ユーザは操作手段206を用いて所定の操作を行うことにより、表示手段205に表示させるパートデータを指示することができる。ユーザにより複数のパートデータの表示が指示された場合、表示手段205は、例えばパートデータごとに異なる色でノートバーを表示する。
【0057】
また、表示手段205は重なりの欄にいずれかのノートデータの番号が書き込まれている音に対応するノートバーについては、例えば斜線を付けて表示することにより、重なりの欄にいずれのノートデータの番号も書き込まれていない音に対応するノートバーと区別する。なお、重なりの欄にいずれかのノートデータの番号が書き込まれている音、すなわち他の音との間に発音期間の重なりを持つ音に対応するノートバーを他の音と区別する方法は、斜線を付す以外に、色や線の太さを変えたり、ノートバーを点滅させる等、様々な方法が適用可能である。
【0058】
ピアノロール表示の画面には通常、ノートデータに含まれる音の強さ、発音記号等の情報も表示される。図6の例では、ノートバー401aがユーザの操作手段206を用いた操作により選択されており、画面左下部に選択されたノートバー401aに対応するノートデータの音の強さおよび発音記号、さらにノートバー401aを含むパートデータの名称が示されている。また、ユーザにより選択されたノートバー401aは、境界が太線で表示されている。
【0059】
ユーザは、操作手段206を用いてピアノロール表示におけるノートバーを操作することにより、スコアデータ編集部20に対し、そのノートバーに対応するノートデータの音高および発音期間の変更を指示することができる。例えば、ユーザはノートバーをマウスでクリックして選択した後、上下のカーソルキーを押下することにより、選択したノートバーに対応するノートデータの音高を示すデータの増減を指示することができる。また、ユーザはノートバーの左端もしくは右端をマウスでドラッグすることにより、そのノートバーに対応するノートデータの発音期間の始期もしくは終期を示すデータの増減を指示することができる。
【0060】
操作手段206は、上記のようなユーザによるノートバーに対する操作に関するデータを編集手段207に送信し、編集手段207はその操作に関するデータに基づいて、歌唱スコアデータの内容を変更する。
【0061】
歌唱スコアデータに含まれる発音期間の始期もしくは終期に関するデータの変更が行われると、判定手段204は変更後の歌唱スコアデータに対して、上述した発音期間の重なりの有無に関する判定処理を行う。判定手段204は判定処理の結果に従い、変更の結果、発音期間に重なりを持つこととなった2つのノートデータについては重なりの欄に相手のノートデータの番号が登録され、逆に変更の結果、発音期間に重なりを持たないこととなった2つのノートデータについては重なりの欄のデータが消去される。編集手段207もしくは判定手段204により歌唱スコアデータが変更されると、表示手段205は変更後の歌唱スコアデータに基づいて、ピアノロール表示を更新する。
【0062】
図7は、ユーザが図6に示したピアノロール表示において、ノートバー401cに対し操作を行い、ノートバー401cに対応するノートデータの発音期間の始期を早くした場合に表示手段205が表示する画面の例を示している。図7に示されるように、ノートバー401bとノートバー401cのそれぞれに対応する音の発音期間に重なりが生じているため、ノートバー401bとノートバー401cには斜線が付されている。また、この場合、歌唱スコアデータにおいて、ノートバー401bに対応するノートデータの重なりの欄にはノートバー401cに対応するノートデータの番号が、またノートバー401cに対応するノートデータの重なりの欄にはノートバー401bに対応するノートデータの番号が登録されている。
【0063】
ユーザは歌唱スコアデータの編集作業を終えると、操作手段206を用いて、歌唱スコアデータを歌唱合成部30に送信する指示を行う。操作手段206はユーザによる歌唱スコアデータの送信指示に関するデータを、調整手段208に送信する。調整手段208は、送信指示に関するデータを受信すると、歌唱スコアデータに含まれるノートデータを1つ取り出し、取り出したノートデータの重なりの欄にいずれかの番号が書き込まれているか否かを判定する。
【0064】
調整手段208は、上記の判定処理において重なりの欄にいずれかの番号が書き込まれていると判定した場合には、表示手段205に対し、そのノートデータおよび重なりの欄に書き込まれている番号(複数の番号が書き込まれている場合にはそのうちの1つ)に対応するノートデータについて、対応するノートバーを強調表示するように指示する。さらに、調整手段208は表示手段205に対し、ユーザに発音期間に重なりを持つそれらの2つのノートデータについて、タイミングの調整処理を行うか否かの指示を促すメッセージ窓を表示するように指示する。図8は調整手段208の指示により表示手段205により表示されるメッセージ窓の例を示している。
【0065】
ユーザが図8に示したメッセージ窓に対し「後発優先で調整する」を選択して、「実行」を指示すると、調整手段208は発音期間に重なりを持つ2つのノートデータに関し、図9の(a)に示すように、後発のノートデータの発音期間の始期と同じになるように、先発のノートデータの発音期間の終期関するデータを変更する。
【0066】
ユーザが図8に示したメッセージ窓に対し「先発優先で調整する」を選択して、「実行」を指示すると、調整手段208は発音期間に重なりを持つ2つのノートデータに関し、図9の(b)に示すように、先発のノートデータの発音期間の終期と同じになるように、後発のノートデータの発音期間の始期に関するデータを変更する。
【0067】
「後発優先で調整する」もしくは「先発優先で調整する」のいずれかが選択された場合であって、発音期間に重なりを持つ2つノートデータの発音期間の始期が互いに同じ場合や発音期間の終期が互いに同じ場合には、調整手段208は例えば図9の(c)や(d)に示すように、発音期間の始期もしくは終期を変更する。
【0068】
なお、発音期間に重なりを持つ2つノートデータの発音期間の調整処理の方法は上記の後発優先や先発優先に限られない。例えばユーザが指定する比率に従って発音期間の重なりを分割したタイミングに、先発のノートデータの発音期間の終期と、後発のノートデータの発音期間の始期を一致させるようにしてもよい。
調整手段208は、上記のように発音期間の始期もしくは終期の変更を行った後、2つのノートデータの重なりの欄から、重なりが解消した相手のノートデータの番号を削除する。
【0069】
ユーザが図8に示したメッセージ窓に対し「何もしない」を選択して、「実行」を指示すると、調整手段208は発音期間に重なりを持つ2つノートデータの発音期間の始期および終期に変更を加えず、重なりの欄の番号に、ユーザが意図的に重なりを残したことを示すマーク、例えば「*」を付ける。
【0070】
調整手段208は、歌唱スコアデータに含まれる全てのノートデータに関し、上記の調整処理を繰り返す。なお、ユーザが図8のメッセージ窓において、「全ての重なり部分について適用する」にチェックを付けて「実行」を指示すると、調整手段208は個々の重なりについてユーザの確認を促すことなく、全てのノートデータに関し上記の調整処理を行う。その結果、重なりの欄が全て空欄であるか、もしくは重なりの欄の全ての番号に、ユーザが意図的に重なりを残したことを示す「*」が付けられた歌唱スコアデータが生成される。
【0071】
調整手段208により歌唱スコアデータが変更されると、表示手段205は変更後の歌唱スコアデータに基づいて、ピアノロール表示を行う。図10は図7に示したピアノロール表示に対応する歌唱スコアデータに対し、調整手段208が調整処理を行った結果、表示手段205により表示されるピアノロール表示の画面である。続いて調整手段208は、歌唱スコアデータから番号および重なりの欄を取り除いた部分を、データ出力手段209を介して歌唱合成部30に送信する。
【0072】
歌唱合成部30は、既に説明した動作に従って、スコアデータ編集部20から受信した歌唱スコアデータに基づいて歌唱音声データを生成し、その歌唱音声データを再生することにより歌唱演奏を行う。
【0073】
[1.2.2.基準のパートデータに基づくタイミングの調整に関する動作]
一般的に歌唱合成装置は、複数の人の声による合唱演奏を行うこともできる。
その場合の歌唱スコアデータは、歌唱演奏パートに対応するパートデータを複数含んでいる。合唱楽曲においては、複数の歌唱演奏パートの間で、音高のみが異なる演奏がよく行われる。これは合唱楽曲において、複数の声による和声が作られることが意図されるからである。
【0074】
合唱楽曲の歌唱スコアデータを編集する場合、複数のパートデータ間で発音期間に関するデータが共通していると、ユーザが発音期間に関し行う編集作業はそれらのパートデータのそれぞれに関して同じである。しかしながら、従来技術によれば、それらのパートデータは音高に関するデータが異なっているため、編集済みのパートデータの内容を、未編集のパートデータの内容に反映させることができなかった。従って、ユーザはあるパートデータに含まれるタイミングに関するデータを編集した後、全く同じ編集作業を、他のパートデータにおいて繰り返す必要があり、不便であった。
【0075】
このような不都合を解消するために、本実施形態には、編集済みのパートデータの発音期間を示すデータに基づき未編集のパートデータの発音期間を示すデータを自動的に修正する機能が設けられている。以下、その動作を説明する。
【0076】
スコアデータ編集部20の表示手段205は、既に述べたように、複数のパートデータを含む歌唱スコアデータに基づいて、複数のパートデータに含まれるノートデータを、異なる色で区別して同時にピアノロール表示することができる。
図11は2つのパートデータに関し、表示手段205がピアノロール表示を行った場合の画面の例を示している。図11において、ノートバー401a〜fはパート1のパートデータ、ノートバー402a〜fはパート2のパートデータに対応している。
【0077】
図11に例示した歌唱スコアデータは、例えば外部装置によりユーザの実演奏に基づき作成されたものであり、ユーザが意図しない発音期間を示すデータを含んでいる。ここで、ユーザはパート1のパートデータに関しては、既に発音期間に関する情報の編集を行い、パート1に属する各歌唱音の発音期間はユーザが意図したものになっているものとする。また、パート2のパートデータに関しては、ユーザはまだ編集作業を行っていないものとする。このような場合、ユーザはパート1のパートデータの発音期間を示すデータを基準として、パート2のパートデータの発音期間を示すデータを変更することができる。
【0078】
まず、ユーザは基準としたいノートデータおよび発音期間の変更をしたいノートデータを全て、操作手段206を用いて選択する。例えば、ユーザは図11のピアノロール表示において、マウスを用いて選択したいと考えるノートバーを長方形で囲む操作を行う。その後、ユーザは、スコアデータ編集部20に対し、操作手段206を用いてタイミングの調整処理の実行を指示する。操作手段206は判定手段204に対し、ユーザにより選択されたノートデータを特定するデータと共に、タイミングの調整処理の実行を指示するデータを送信する。
【0079】
判定手段204は、操作手段206からユーザにより選択されたノートデータを特定するデータ等を受信すると、記憶手段203に記憶されている歌唱スコアデータから、ユーザにより選択されたノートデータの番号、発音期間に関するデータを読み出す。図12は、ユーザが図11のピアノロール表示において、ノートバー401b〜eおよびノートバー402b〜eを選択し、タイミングの調整処理の実行を指示した際に判定手段204により読み出されるデータの例を示している。
【0080】
続いて、判定手段204は、ユーザに基準とするパートデータの指定等を促すメッセージ窓を表示手段205に表示するよう指示する。図13は、判定手段204の指示により、表示手段205が表示するメッセージ窓の例を示している。
図13における「基準とするパート」には、ユーザにより指定されたノートデータのいずれかを含む全てのパートデータの名称がリストアップされ、ユーザはリストアップされたパートデータの名称から、必ず1つを選択する必要がある。
【0081】
「感度」は、基準とするパートデータの発音期間の始期もしくは終期と、変更対象のパートデータの発音期間の始期もしくは終期とのズレの最大時間を、単位時間数にて示した値である。例えば、感度が150であり、基準となるノートデータの発音期間の始期が「0001:02:015」である場合、発音期間の始期が「0001:01:345」〜「0001:02:165」の範囲内であるノートデータが、変更の対象となる。
【0082】
「強さ」は、基準となる発音期間と、変更対象となる発音期間とのズレに対する、修正時間の比率をパーセントで示した値である。例えば、強さが100%であれば、変更対象の発音期間の始期もしくは終期は、基準となる発音期間の始期もしくは終期と完全に一致する。また、強さが70%であれば、変更対象となる発音期間の始期もしくは終期は、基準となる発音期間の始期もしくは終期との差の70%にあたる時間だけ、基準となる発音期間に近づけられる。
【0083】
「発音期間の始期を修正する」および「発音期間の終期を修正する」は、ユーザが変更を行うタイミングの種類を指示する項目である。
図13に示したメッセージ窓において、ユーザが「実行」を指示すると、判定手段204はユーザにより修正指示が行われたタイミングに関して、以下の判定処理を行う。例として、ユーザにより、基準とするパートとしてパート1が、感度として150が、強さとして70%が指定され、「発音期間の始期を修正する」および「発音期間の終期を修正する」の両方にチェックが付けられた場合につき説明する。
【0084】
判定手段204はまず、図12に示したデータの変更対象となるパートデータ、すなわちパート2に関する部分に対し、「基準−始期」および「基準−終期」という欄を追加する。続いて、判定手段204はパート2の発音期間の始期のそれぞれについて、基準となるパートデータ、すなわちパート1の発音期間の始期の中から最も近いものを検索する。
【0085】
判定手段204は検索したパート1の発音期間の始期から、パート2の発音期間の始期を減算し、その減算結果の絶対値が感度として指定された150以下であるか否かを判定する。判定手段204は減算結果の絶対値が150以下であると判定した場合、「基準−始期」の欄に、検索したパート1のノートデータの番号を基準となるノートデータの番号として書き込む。一方、判定手段204は減算結果の絶対値が150以下でないと判定した場合、そのパート2のノートデータに関しては、「基準−始期」の欄を空欄のままとする。
【0086】
判定手段204は上記の検索、判定および番号の書き込みの処理を、パート2の変更対象のノートデータの発音期間の始期の全てについて繰り返す。
【0087】
続いて、判定手段204はパート2のノートデータの発音期間の終期に関しても、上記の発音期間の始期に関する場合と同様に、検索、判定および番号の書き込みの処理を行う。その結果、判定手段204は図14に示すデータを生成する。判定手段204は生成したデータを、先にユーザにより指定された強さを示すデータ、すなわち「70%」と共に、調整手段208に送信する。
【0088】
調整手段208は判定手段204からデータを受信すると、まずパート2のノートデータの発音期間の始期のデータで、「基準−始期」の欄に番号が書き込まれているものに関し、「基準−始期」の欄の番号により指定されるパート1のノートデータにおける発音期間の始期から、パート2のノートデータの発音期間の始期を減算し、その減算結果に70%、すなわち0.70を乗ずる。
【0089】
続いて、調整手段208は乗算結果を、パート2のノートデータの発音期間の始期に加算する。調整手段208は、その加算結果で、記憶手段203に記憶されている歌唱スコアデータの、パート2のパートデータにおける、対応する番号のノートデータの発音期間の始期を書き換える。
【0090】
調整手段208は図14に示したデータの、パート2のノートデータの発音期間の始期に関し、全てのノートデータについて上記の減算、乗算、加算および歌唱スコアデータの書き換えの処理を行う。さらに、調整手段208は発音期間の終期に関しても、上記の発音期間の始期に関する場合と同様に、減算、乗算、加算および歌唱スコアデータの書き換えの処理を行う。
【0091】
上記の例においては、ユーザにより発音期間の始期と終期の両方が変更の対象として選択された場合につき説明したが、いずれか片方のみが選択された場合には、選択されなかったタイミングに関しては、単にタイミングの調整処理が行われない。
【0092】
また、上記の例においては、判定手段204は、変更対象のノートデータと基準となるノートデータとの対応付けを、発音期間の始期と終期のそれぞれに関し個別に行っている。しかしながら、例えば発音期間の始期と終期の両方が、基準となるタイミングから「感度」により指定された時間範囲に入る時にのみ、変更対象のノートデータと基準となるノートデータとの対応付けを行うなど、他の対応付けの方法が用いられてもよい。
【0093】
調整手段208により歌唱スコアデータが変更されると、表示手段205は変更後の歌唱スコアデータに基づいて、ピアノロール表示を行う。図15は図11のピアノロール表示に示された歌唱スコアデータに対し、パート1のパートデータを基準とするパート2のパートデータのタイミングの調整処理が行われた結果、表示手段205により表示される画面である。
【0094】
ユーザは上記のようにタイミングの調整処理を終えた後、歌唱スコアデータを歌唱合成部30に送信する指示を行う。その結果、既に説明したように、スコアデータ編集部20から歌唱合成部30に対し歌唱スコアデータが送信され、歌唱合成部30により歌唱演奏が行われる。
【0095】
[2.変形例]
上述した実施形態は、本発明の実施形態の例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の主旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。
【0096】
例えば、スコアデータ編集装置により編集されたスコアデータが、歌唱合成装置に対してではなく、単声楽器の音を出力可能な音源装置に対して送信されてもよい。ただし、その場合には、スコアデータには発音記号に関するデータは含まれない。
【0097】
また、歌唱スコアデータの形式としては、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に従ったデータ形式など、他のデータ形式が用いられてもよい。
【0098】
また、上述した実施形態においては、汎用的なコンピュータに、アプリケーションに従った処理を実行させることにより、歌唱合成システムを実現したが、同様の歌唱合成システムを専用のハードウェアにより構成してもよい。さらに、汎用的なコンピュータを用いる場合、専用のハードウェアを用いる場合のいずれにおいても、歌唱合成システムの構成要素は一つの筐体に配置される必要はない。
例えば、歌唱合成システムの個々の構成要素が独立した装置を形成し、それらが互いにLAN等により接続されていてもよい。
【0099】
また、上述した実施形態において、発音期間に重なりを持つ2以上のノートデータ間の発音期間の変更処理は、ユーザが歌唱スコアデータの送信を指示した時点で行われていた。しかしながら、変更処理のタイミングは上記の実施形態におけるものに限られない。例えば、ユーザによりピアノロール表示におけるノートバーに対する操作が行われ、発音期間に関するデータの変更が行われる度に、重なりの判定処理が行われ、ユーザにより変更が行われた発音期間に関するデータが再変更されるようにしてもよい。その際、ユーザに対する確認作業を行わないようにすれば、いわゆる「吸着」と呼ばれる、近くにあるノートバーの端点に、編集中のノートバーの端点が自動的に一致される処理が行われることになる。
【0100】
また、上述した実施形態において、基準とするパートデータのノートデータと他のパートデータのノートデータの間における発音期間の変更処理は、ユーザがタイミングの調整処理を指示した時点で行われていた。しかしながら、これらの処理のタイミングは上記の実施形態におけるものに限られない。例えば、ユーザによりピアノロール表示におけるノートバーに対する操作が行われ、発音期間に関するデータの変更が行われる度に、基準として指定されたパートデータに含まれるノートデータの発音期間の始期もしくは終期と、ユーザにより変更されたノートデータの発音期間の始期もしくは終期との差が所定の期間以下であるか否かが判定され、ユーザにより変更されたノートデータの発音期間が再変更されるようにしてもよい。その際、ユーザに対する確認作業を行わないようにすれば、いわゆる「吸着」処理が行われることになる。
【0101】
【発明の効果】
以上示したように、本発明にかかるスコアデータ表示装置およびプログラムによれば、ユーザが歌唱もしくは単声楽器による演奏に関するスコアデータを編集する際に、誤って同時に複数音の発音を指示するデータ部分が生じてしまっても、ユーザは容易にそのデータ部分を確認することができ、歌唱合成装置もしくは単声楽器の音源装置に不自然な演奏を行わせるスコアデータが作成されることが防止される。
【0102】
また、本発明にかかるスコアデータ編集装置およびプログラムによれば、ユーザが歌唱もしくは単声楽器による演奏に関するスコアデータを編集する際に、ユーザは、スコアデータに含まれる、同時に複数音の発音を指示するデータ部分を、同時に1音の発音を指示するデータに容易に修正することができる。
【0103】
また、本発明にかかるスコアデータ編集装置およびプログラムによれば、ユーザはあるパートデータの発音期間に関するデータに基づき、他のパートデータの発音期間に関するデータを容易に修正することができ、発音期間に関するデータが同じもしくは類似する複数のパートデータを含むスコアデータの編集において、ユーザの作業が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の歌唱合成システムを実現するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の歌唱合成システムの機能を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の歌唱スコアデータの構成を示す図である。
【図4】本実施形態の素片データベースの構成を示す図である。
【図5】本実施形態の整形手段による整形が行われた後の歌唱スコアデータを示す図である。
【図6】本実施形態のピアノロール表示の画面を示す図である。
【図7】本実施形態のピアノロール表示の画面を示す図である。
【図8】本実施形態の調整手段の指示により表示されるメッセージ窓を示す図である。
【図9】本実施形態の調整手段が行う発音期間の調整の様子を示す図である。
【図10】本実施形態のピアノロール表示の画面を示す図である。
【図11】本実施形態のピアノロール表示の画面を示す図である。
【図12】本実施形態の判定手段により読み出されるデータを示す図である。
【図13】本実施形態の判定手段の指示により表示されるメッセージ窓を示す図である。
【図14】本実施形態の判定手段により生成されるデータを示す図である。
【図15】本実施形態のピアノロール表示の画面を示す図である。
【符号の説明】
1…コンピュータ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…HD、105…表示部、106…操作部、107…データ入出力部、108…D/Aコンバータ、109…アンプ、110…スピーカ、115…バス、20…スコアデータ編集部、30…歌唱合成部、201・301…データ入力手段、202…整形手段、203・302…記憶手段、204…判定手段、205…表示手段、206・308…操作手段、207…編集手段、208…調整手段、209…データ出力手段、303…素片データベース、304…データ選択手段、305…音高調整手段、306…継続期間調整手段、307…音量調整手段、309…音声出力手段。
Claims (7)
- (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶手段と、
前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる第1の発音期間データにより示される第1の発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる第2の発音期間データにより示される第2の発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により重複部分があると判定された場合、前記第1の発音期間と前記第2の発音期間とに重複部分が無くなるように、前記第1の発音期間データおよび前記第2の発音期間データの少なくとも一方を変更する調整手段とを備えることを特徴とするスコアデータ編集装置。 - 前記調整手段は、前記第1の発音期間の終期および前記第2の発音期間の終期のうち、より早い方を、前記第1の発音期間の始期および前記第2の発音期間の始期のうち、より遅い方と同時となるように、前記第1の発音期間データおよび前記第2の発音期間データのいずれか一方を変更することを特徴とする請求項1に記載のスコアデータ編集装置。
- (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶手段と、
前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定手段と、
音の高さを示す第1の軸と時間の経過を示す第2の軸を有する座標上に、前記スコアデータに含まれるノートデータの各々について、該ノートデータに含まれる音高データが示す音の高さに対応する前記第1の軸方向の位置に、該ノートデータに含まれる発音期間データが示す発音期間の始期および終期に対応する前記第2の軸方向の位置をそれぞれ1の端点および他の端点とする図形を表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記判定手段により重複部分があると判定された場合、前記1のノートデータに対応する図形と、前記他のノートデータに対応する図形を、他の図形と異なる態様で表示する
ことを特徴とするスコアデータ表示装置。 - (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むパートデータを2以上含むスコアデータを記憶する記憶手段と、
1のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第1の発音期間データが示す第1の発音期間の始期および終期のいずれかと、前記1のパートデータとは異なる他のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第2の発音期間データが示す第2の発音期間の始期および始期のいずれかとの差が、予め定められた期間より短いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により差が予め定められた期間より短いと判定された場合、前記差を小さくするように、前記第2の発音期間データを変更する調整手段とを備えることを特徴とするスコアデータ編集装置。 - (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶処理と、
前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる第1の発音期間データにより示される第1の発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる第2の発音期間データにより示される第2の発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理において重複部分があると判定された場合、前記第1の発音期間と前記第2の発音期間とに重複部分が無くなるように、前記第1の発音期間データおよび前記第2の発音期間データの少なくとも一方を変更する調整処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むスコアデータを記憶する記憶処理と、
前記スコアデータに含まれる2以上のノートデータに関し、1のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間と、前記1のノートデータとは異なる他のノートデータに含まれる発音期間データにより示される発音期間との間に重複部分があるか否かを判定する判定処理と、
音の高さを示す第1の軸と時間の経過を示す第2の軸を有する座標上に、前記スコアデータに含まれるノートデータの各々について、該ノートデータに含まれる音高データが示す音の高さに対応する前記第1の軸方向の位置に、該ノートデータに含まれる発音期間データが示す発音期間の始期および終期に対応する前記第2の軸方向の位置をそれぞれ1の端点および他の端点とする図形を表示する表示処理とをコンピュータに実行させ、
前記表示処理においては、前記判定処理において重複部分があると判定された場合、前記1のノートデータに対応する図形と、前記他のノートデータに対応する図形を、他の図形と異なる態様で表示する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - (1)音の高さを示す音高データおよび(2)該音の発音期間を示す発音期間データを少なくとも含むノートデータを複数含むパートデータを2以上含むスコアデータを記憶する記憶処理と、
1のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第1の発音期間データが示す第1の発音期間の始期および終期のいずれかと、前記1のパートデータとは異なる他のパートデータに含まれる1のノートデータに含まれる第2の発音期間データが示す第2の発音期間の始期および始期のいずれかとの差が、予め定められた期間より短いか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理において差が予め定められた期間より短いと判定された場合、前記差を小さくするように、前記第2の発音期間データを変更する調整処理とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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