JP3655797B2 - 光記録媒体のトラッキング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録面の全面あるいは一部に、ピットや記録マークやグルーブもしくはランドによってトラックが形成された光ディスク及び、その光ディスクを使用する光ディスク装置のトラッキングサーボに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディスク面上にあらかじめ凹凸形状を有するピットで情報を記録してある光ディスクを再生するための光ディスク再生装置において、光ビームをピット列(トラック)へ位置決めするためのトラッキングサーボ技術は以前より種々提案されており、例えば特開昭58−150145号公報にその開示がなされている。
【0003】
図11は位相差(時間差)法によるトラッキングサーボのブロック構成図であり、上記特開昭58−150145号公報第3図乃至は第4図に記載の構成を描き直したものである。
【0004】
位相差(DPD)法は、光ディスクからの反射光ビームを、光ディスクの半径方向と接線方向に4つの素子を有するフォトディテクタにて受光し、これらフォトディテクタの内、対角に位置するものの出力の和信号を求め、その和信号の位相差(時間差)を検出してトラッキングを行なうものである。図11において、フォトディテクタ2にはディスクからの反射光を集光して入射しており、それぞれの部分は入射した光量に応じた信号を出力する。加算アンプ3−1、3−2はフォトディテクタ2のうち対角に位置する部分同士aとc、bとdの和信号を求めコンパレータ(比較回路)5−1、5−2に出力する。コンパレータ5−1、5−2はリファレンス信号+Ref1、+Ref2と加算アンプ3−1、3−2の出力信号を比較しその結果である2値化信号を出力する。
【0005】
光ビームの反射光はピットにより回折を受けるため、反射光のフォトディテクタ上での強度分布は光ビームとピット個々の位置関係によって時間的に変動する。
【0006】
例えば光ビームがピット列の真上を追従している場合、ピット上のフォトディテクタの対角位置に有する素子(a+c)と(b+d)それぞれの出力の和信号は同じ変化をするため、コンパレータ5−1、5−2の出力信号も同じタイミングで同じ変化をする。また光ビームがピット列の真上からずれた位置を追従している場合、上記(a+c)と(b+d)それぞれの出力の和信号は、そのずれ量に応じた位相差(時間差)を、ずれの方向に応じてどちらかが先に変化する。
【0007】
従ってコンパレータ5−1、5−2の出力信号間の位相差(時間差)を位相比較回路7で検出して上記位相差(時間差)に応じたパルスを出力させ、このパルスをLPF(ローパスフィルタ)8−1、8−2で低周波成分のみ抽出して差分回路9でその差を求める事により、光ビームとピット列とのずれ量と方向を示すトラッキング信号を得る事が出来る。
【0008】
またトラッキングサーボ信号を得るための別の技術の例として、プッシュプル法がある。
プッシュプル法は接線方向に分割された反射光ビームの内周側と外周側の光量差を求めこれをトラッキング信号とする方法であり、図12にはそのプッシュプル法によるトラッキングサーボ信号を生成するためのブロック構成図の例を示している。
【0009】
光ビームをピット列上に照射すると両者の位置関係により、その反射光はピットにより回折を受けるが、プッシュプル法ではその反射光を光ディスクの内周側と外周側各々の方向で2分して検出し、その平均的な強度に基いてトラッキングサーボ信号を生成する。
【0010】
図12において、反射光が4分割されたフォトディテクタ上に集光されるのは先の位相差(時間差)法と同様であるが、加算回路3−1、3−2はフォトディテクタの対角に位置する素子ではなく、内周側と外周側に位置する素子それぞれの出力信号を加算して、その加算結果を差分回路17に出力する。差分回路17はこれら加算回路3−1、3−2からの2つの信号の差分結果をLPF18に出力し、その差分結果から個々のピットが有する高周波の成分を除去して低域成分、言い換えれば光ビームとピット列のやや平均的なずれに相当する信号成分を抽出したものをトラッキングサーボ信号として得るのがプッシュプル法の原理である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
現在光ディスクではピットやマークの有無と同時にその長さに情報を含ませる、ピット(マーク)長記録が一般的に用いられているが、ピットの深さにも情報を持たせれば更に大容量の情報の記録を見込む事が出来る。これは既に本出願人が、特願平11−184604号として出願している。この技術では凹凸形状を有するピットで生じる光の干渉による回折パターンが、ピットの深さによって異なることを利用して、新たな情報を含ませるものである。
【0012】
図13はピット深さによって記録された情報の再生原理を示す模式図である。光の波長をλ、光ディスク基板の屈折率をnとした時、ピット31は深さが(λ/4n)未満の比較的浅いピット、斜線で表したピット32は深さが(λ/4n)を越えて(λ/2n)未満の比較的深いピットである。これらのピット列を光ビームにて図中の矢印の方向に走査した場合、フォトディテクタへの入射光量の総和信号(a)は、光ビームがピット31上に位置する時とピット32上に位置する時とで同等になる。即ち光量の総和信号による情報はピットの深さで大差が無く、むしろピットの有無で明確な光量の変化がある方が安定した情報の再生が可能であるため、光量の総和信号にはピット深さであまり差が生じない方が望ましく、ピット深さによる反射光量の差はない方が良い。
【0013】
一方、反射光を光ビームの進行方向で前後半部に分けてその光量差を求めた信号、タンジェンシャルプッシュプル信号(b)に注目すると、光ビームがピット上に差し掛かりあるいは脱出する時に発生するパルス状の信号の極性が、ピットの深さに起因する光の回折パターンの相違により逆転する。これはピットの有無による総和信号の変化とは全く独立した別個の現象である。
【0014】
従ってこのタンジェンシャルプッシュプル信号の極性を検出すれば、ピットの長さ・有無だけでは無く、ピットの深さにも新たな情報を含ませることが可能となる。これが本出願人が既に出願した上記特願平11−184604号の要旨である。
【0015】
しかし、ピット深さでタンジェンシャルプッシュプル信号の極性が反転すると言う事は、ピットの深さで反射光の回折パターンが変化すると言う事である。そのため反射光の回折パターンによる強度分布を利用しているDPD信号やプッシュプル信号は、深いピットと浅いピットで極性が反転してしまい、深いピットと浅いピットの存在比率に制限を設けていないディスクでは、位相差法やプッシュプル法等、従来の方法で、正しくトラッキングサーボ制御が行なえないという問題が生じる。
【0016】
DPD信号は、ピットだけでなく記録マークからも得られることから、DPD信号の極性が異なるピットやマークが混在するディスクにおいても同様に、従来の位相差法では正しくトラッキングサーボ制御を行えなくなる。また、プッシュプル信号は、ピットだけでなくグルーブからも得られるため、プッシュプル信号の極性が異なるピットやグルーブが混在するディスクにおいても同様の問題が生じる。
【0017】
本発明は上記の様に、DPD信号もしくはプッシュプル信号の極性が異なるピットやマークやグルーブが混在する光ディスクにおいても、従来のトラッキング方法を用いて正しくトラッキングサーボ制御を行い得る技術を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明によれば、基板上に異なる極性の DPD 信号もしくは、プッシュプル信号が得られるピットが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法であって、ピット列により形成されるトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることにより上記課題を解決する。
【0022】
本願の第2の発明によれば、基板上にDPD信号の極性が異なるピットやマークが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法であって、ピットやマークが形成するトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることにより上記課題を解決する。
【0023】
本願の第3の発明によれば、基板上にプッシュプル信号の極性が異なるピットやグルーブもしくはランドが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法及び記録再生装置であって、ピットやグルーブもしくはランドが形成するトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることにより上記課題を解決する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を以下、図面を用いて説明する。なお、本実施例では、波長650nmのレーザー光とNA0.6の対物レンズからなる光学系を用いた光ピックアップを使用し、トラックピッチ0.74μm、最短ピット長や最短マーク長は0.4μmで、長さ方向には8/16変調された記録がなされている基板厚み0.6mmの光ディスクを用いて実験している。記録や再生は、線速 4 m/sec で行っている。対物レンズを駆動し、トラッキングを行うトラッキングサーボ系は5kHz程度の応答速度をもっている。図11や図12で説明したようにDPD信号やプッシュプル信号は、ローパスフィルター8−1、8−2、18を通った後トラッキングサーボ信号として利用される。通常、トラッキングに必要な帯域は、ピットやマークの帯域より低く、また、不必要に高い周波数の信号をトラッキングを行うアクチュエーターに送ると、アクチュエータードライバーやアクチュエーターコイルが発熱し、装置の信頼性や寿命の低下、あるいは消費電力や動作生涯の増加につながる。このことが、上記ローパスフィルターを使用する理由である。
本実施例のディスクと記録再生装置では、トラッキングに必要な帯域は数kHzであり、ピットやマークは最大5MHz程度の帯域で記録再生される。従って、上記ローパスフィルターは、数10kHz以下の信号をパスするようになっている。
【0025】
図2は、ピット深さとタンジェンシャルプッシュプル信号振幅及びRF信号振幅の関係を表わしたものである。本実施例で用いているディスクは、上述したように深さ方向に情報が記録されているため、図2における深さD1と深さD2のピットが混在してピット列、即ちトラックを形成している。深さD1のピットはλ/4nより浅く形成され、深さD2のピットはλ/4nより深く形成されている。この条件下で、トラッキングサーボ系の応答速度である5kHzの10倍の周波数である50kHzの周期に相当する時間内での各深さのピットの存在比率を種々変えて、DPD法によるトラッキングサーボ信号のトラッククロス時の様子を観察したのが図3である。
【0026】
この信号は、ピックアップアクチュエーターのフォーカスサーボをONの状態にし、かつ、トラックサーボをOFFにすることで得られるものである。螺旋状に形成されたトラックの偏芯によって、光ビームは複数のトラックを横断する。この際に得られる図11のトラッキングサーボ信号が図3である。
【0027】
全てのピットが深さD1で形成されている場合に比べて、深さD2のピットが徐々に増えて行くとトラッキングサーボ信号の振幅が小さくなり、図では表示していないが、双方の深さのピットの比率が50/50になると、トラッキングサーボ信号は発生しなくなる。更に、深さD2のピットが増えてくると、同じく図では表示していないが、トラッキングサーボ信号は反対の極性で大きくなって行き、全てのピットが深さD2で形成されると、全てのピットが深さD1で形成されている場合に比べて、極性は逆で、大きさはほぼ同じトラッキングサーボ信号振幅が得られることとなる。
【0028】
極性が反転するとは、図3において、信号が上下反転することを意味している。これは、異なる極性のタンジェンシャルプッシュプル信号が得られる深さD1、D2のピットでは、DPD信号の極性も逆になっているためである。数MHzの周波数で出現するピット各々から得られるDPD信号は、深さD1、D2で極性は逆で同じ大きさになっているが、ここで使用しているトラッキング信号は、30kHz以下の周波数をパスするローパスフィルターを通しているため、50kHz程度以上の信号は平均化されたものが観測されることになり、即ち、ピット1つ1つから得られるDPD信号は、50kHz程度の時間内で平均化されたものとして観測されているわけである。この図から、アクチュエーターの応答時間より短い時間内での平均的なトラッキングサーボ信号が0にならないように各深さのピットの存在比率を調整する必要があることがわかる。
【0029】
図1を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る光記録媒体の1例の模式図であり、図1(a)は、ピットが1列に並んでトラックを形成している様子を表わしている。図1(b)は、ピットの断面を表わしており、深さD1と深さD2のピットが混在しており、アクチュエーターの応答速度である5kHzの10倍の周波数である50kHz程度の周期に相当する時間内で、深さD1のピットから得られるDPD信号やプッシュプル信号の平均が深さD2のピットから得られるDPD信号やプッシュプル信号の平均より大きくなるように形成されている。
【0030】
また、光ビームスポットが、ある一定距離だけトラック中心をずれて走行している場合の、ローパスフィルター通過前と通過後のプッシュプル信号を図1(c)、(d)に示す。
【0031】
図1(c)に示すように、ローパスフィルターを通過する前には、ビームスポットがピットを通過する毎にプッシュプル信号が得られ、その極性は、浅いピットと深いピットで逆になっている。 この信号がローパスフィルターを通過すると、高周波成分はカット(平均化)され、図1(d)に示すようなプッシュプル信号となる。図1(d)の信号をトラッキング信号とすることで、ビームスポットのトラックずれに応じた推力をアクチュエーターに与えることができることになる。なお、この図はプッシュプル信号について説明したものであるが、DPD信号についても同様である。
【0032】
このように、所定の時間内において、所定の深さD1のピットと深さD2のビットから得られる信号が0でなく、どちらかの極性が得られるように存在比率を調整することによって、従来のDPD法やプッシュプル法を用いてもトラッキングサーボ信号は0になることがなく、トラッキングが原理的に可能となる。
【0033】
このことをもう少し、時間スケールや空間スケールを用いて説明を加える。図10は、トラックが蛇行している様子を表わしている。蛇行の周期が1/5k 秒程度のものならば、アクチュエーターはトラックの蛇行に追従し、トラック上を正確に走行することが可能である。
【0034】
ここで、ピットの出現は数MHzで起こるので、トラックの蛇行1周期中に1000個程度のピットが出現することになる。もし、図10の蛇行したトラックに、数十kHzの更なる蛇行が、重ねられたトラックがあったとしても、アクチュエーターはこの高い周期の蛇行には追従せず、数kHz帯域の蛇行にのみ追従して行く。これは、アクチュエーターの機械的な応答性能によるものである。
【0035】
そこで、アクチュエータには通常、アクチュエーターの応答性能の数倍程度の周波数以下の信号が入力される。これは、入力信号の周波数が遅すぎると、本来アクチュエーターが持っている機械的な応答性能を十分に発揮することができず、また、逆に、必要以上の高周波数を入力すると、アクチュエータを構成しているコイルが発熱、破損してしまうことから要求されるものである。
【0036】
アクチュエーターの応答性能の数倍程度の周波数以下の信号を入力するには、ローパスフィルターを通した信号を入力するわけであるが、この例のように30kHzのローパスフィルターを通すと、上述したように、50kHz程度に相当する時間で平均された入力信号になる。これは、図10の蛇行周期の1/10程度であり、100個程度のピットが出現することになる。従って、この程度のピット個数毎に、浅いピットと深いピットの比率が1:1にならないよう調整されていれば、トラッキングサーボ信号は0にならず、トラッキングサーボ信号を得ることができることとなる。
【0037】
次に、上記のように深さD1のピットと深さD2のピットの存在比率が調整されたディスクの実際のトラッキング方法について述べる。ディスク全体で同等のDPD信号が得られるように各深さのピットの存在比率が調整されている場合は、トラッキングサーボのゲインに1つの値を用いれば良い。DPD信号振幅が部位により異なるディスクをトラッキングする場合には、図4に示すように、DPD信号を入力するゲイン可変アンプ10にゲインの変更を指令し、その結果得られるトラッキングサーボ信号の大きさをディスク全体でほぼ一定にするようにすればよい。ここで言うゲインの値は、深さD1のピットから得られるDPD信号が支配的な場合には正の値で変化させればよく、逆に、深さD2のピットから得られるDPD信号が支配的な場合には、負の値で変化させれば、正しいトラッキングができることになる。通常、トラッキングサーボ信号振幅の変化が3dB以内なら、1つのゲインで対応できるが、これを超える変化がある場合、ゲインの変更が必要となる。
【0038】
次に、プッシュプル信号について説明する。各深さのピットの存在比率を種々変えて、プッシュプル法によるトラッキングサーボ信号のトラッククロス時の様子を観察したのが図5である。図3と同様に、各深さのピットの存在比率により、プッシュプル信号振幅が変化する。従って、上述したDPD信号の場合と同様に、プッシュプル信号の片方の極性が支配的になるように各深さのピットの存在比率を調整することで、トラッキングサーボ信号が得られることとなる。図6は、部位によってプッシュプル信号振幅が変化しているディスクでも安定したトラッキングサーボ信号を得るための装置のブロック図である。図4での説明と同様に、プッシュプル信号を適当なゲインで増幅することで、ほぼ一定したトラッキングサーボ信号を得ることができ、安定なトラッキングが可能となる。このゲイン制御は、上記した50KHz程度の信号が平均化されて出力されるトラッキング信号に基づいて、制御が行われる。
【0039】
上述した光ディスクは、ピットのみで構成されたトラックを持っているが、トラックはピットのみから構成されている必要はなく、図7に示すように、ピットと記録マークにより構成されたトラックを持っていても良い。記録マークからもDPD信号を得ることができるので、ピットとマークが混在する中で、DPD信号に片方の極性が得られるようにピットとマークの存在比率が調整されておれば、DPD法によりトラッキング信号を得ることができ、また、部位によりDPD信号振幅が異なる場合には、部位ごとに適当なゲインを与えてやれば、ほぼ一定したトラッキングサーボ信号が得られることとなる。
【0040】
同様に、上述した光ディスクは、図8に示すようにピットとグルーブで構成されたトラックを持っていても良い。グルーブからもプッシュプル信号を得ることができるので、ピットとグルーブが混在する中で、プッシュプル信号に片方の極性が得られるようにピットとグルーブの存在比率が調整されておれば、プッシュプル法によりトラッキング信号を得ることができ、また、部位によりプッシュプル信号振幅が異なる場合には、部位ごとに適当なゲインを与えてやれば、ほぼ一定したトラッキングサーボ信号が得られることとなる。ここで、グルーブに代えて、ランドとピットの関係になっても事情は同じである。
【0041】
各ピット深さの存在比率の調整は、データの変調方法によって種々考えられるが、その1例を示すと以下のようになる。 図9のように、4つのピットでデータの1単位とし、RZ(Return to Zero)変調記録を行ったとする。4つのピットの先頭ピットの深さが浅い場合には0を表わし、深い場合には1を表わすこととする。また、先頭ピット以外のピット深さは浅いものと決めておく。このような変調方式を採用すれば、ピット深さの存在比率を、かならず1:1からずらせることができ、即ち、トラッキングサーボ信号を得ることができるようになる。
【0042】
尚、本実施例で用いた光の波長や光学系、ディスク厚、ピット長、マーク長、トラックピッチ、線速、アクチュエーターの応答速度は、上述したものに限られたものではなく、種々の場合に応じて適当な値を用いれば良いことは自明である。また、変調方式は、上で述べたようなRZ方式に限られたものではなく、DSV(Digital Sum Value)を用いて、深さ方向の変調信号の直流成分を評価しながら、DSVが0でない値を持つように変調を制御すれば、必ず、トラッキングサーボ信号が得られることとなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、異なる極性のDPD信号或いはプッシュプル信号が得られるピット、マーク、グルーブが混在して形成される光記録媒体において、トラッキングサーボの応答時間より短い所定の時間の平均において、トラッキングサーボ信号が必ず得られるよう、ピットやマーク、グルーブの存在比率が調整されているため、必ずトラッキングサーボ信号を得ることが可能となる。
【0044】
また、トラッキングサーボの応答時間より短い所定の時間の平均において得られるトラッキングサーボ信号の大きさによりトラッキングサーボのゲインを可変させることにより、常に安定したトラッキングサーボ信号を得ることが可能となり、安定したトラッキング制御を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の光ディスクを示す模式図である。
【図2】ピット深さとタンジェンシャルプッシュプル信号やRF信号の関連の説明図である。
【図3】 DPD信号振幅と各深さのピットの存在比率の関係を表わす図である。
【図4】本発明の装置の実施例にかかるブロック図である。
【図5】プッシュプル信号振幅と各深さのピットの存在比率の関係を表わす図である。
【図6】本発明の装置の別の実施例にかかるブロック図である。
【図7】本発明の別の実施例の光ディスクを示す模式図である。
【図8】本発明の更に別の実施例の光ディスクを示す模式図である。
【図9】変調方式を説明する図である。
【図10】トラックとトラッキングサーボの関係を示す図である。
【図11】従来のトラッキングサーボ信号生成装置のブロック図である。
【図12】従来の別のトラッキングサーボ信号生成装置のブロック図である。
【図13】タンジェンシャルプッシュプル信号を用いて、深さ方向に記録が行われているディスクの再生原理を説明する図である。
【符号の説明】
1:光ビーム
2:フォトディテクタ
3−1、3−2:加算回路
5−1、5−2:コンパレータ(比較回路)
7:位相比較回路
8−1、8−2:LPF
9:差分回路
10:ゲイン可変アンプ
17:差分回路
18:LPF回路
31、32:ピット
Claims (3)
- 基板上に異なる極性の DPD 信号もしくは、プッシュプル信号が得られるピットが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法であって、
ピット列により形成されるトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることを特徴とした光記録媒体のトラッキング方法。 - 基板上に DPD 信号の極性が異なるピットやマークが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法であって、
ピットやマークが形成するトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることを特徴とした光記録媒体のトラッキング方法。 - 基板上にプッシュプル信号の極性が異なるピットやグルーブもしくはランドが混在して形成されている光記録媒体のトラッキング方法及び記録再生装置であって、
ピットやグルーブもしくはランドが形成するトラック上を光ビームがトラッキングする時のトラッキングサーボの応答時間よりも短い時間平均における前記信号の大きさにより、トラッキングサーボのゲインを変えることを特徴とした光記録媒体のトラッキング方法。
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