JP3571315B2 - 光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、3ビーム光学系を用いたトラッキングとクロストークキャンセル機能を有し、再生専用光ディスクと記録再生用光ディスクの両方を再生する光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、光ディスクとしては、大きくCDとDVDとがあり、この内DVDは、大きく2種類あり、録再用としてDVD−RAM,再生専用としてDVD−ROM,DVD−Videoに分かれている。そして、例えば、RAM系では、相変化記録のため、クロスイレーズの影響により、トラックピッチ(GP)を詰めることに困難が伴う。これに対して、ROM系では、マスタリングにより作成するため、RAM系のようにクロスイレーズの影響はなく、クロストークキャンセル(CTC)によりトラックピッチ(TP)を詰めることが可能である。このため、RAM系,ROM系の両方において、同様に更なる高密度化を図ると、GPとTPが異なるものとなってしまう可能性が高い。
【0003】
そして、これらGPとTPが異なる光ディスクを、1台の光ディスク装置で記録若しくは再生できることが要求されるが、これを実現しようとすると、通常、録再用と再生専用用との2系統の光学系が必要となってしまうという問題点があった。
【0004】
なお、特開平9−171620号公報には、主ビームと主ビームの両隣に位置する2つの副ビームの3つのビームを光ディスクの記録再生とその隣接位置に照射し、各ビームの反射光をそれぞれ光検出器で受光し、各副ビームの反射光に基づいてトラッキングサーボ動作(3ビーム法)を行うとともに、各副ビームの反射光(RF信号)信号に基づいて主ビームの反射光信号(RF再生信号)中に含まれる隣接トラックの信号成分を除去する、いわゆる、クロストークキャンセル(以下、CTCと略す)を行う光ディスク装置が記載されている。
【0005】
そして、該公報には、いわゆる3ビーム法のトラッキング機能とCTC機能を両立させるように、副ビームを隣接トラックの中心から内側もしくは外側に1/4トラックピッチ分だけずらした位置に配置し、これにより、ピットによる再生専用光ディスクに対して、トラッキングとCTCを同時に行うことを想定している。
【0006】
しかしながら、再生専用光ディスクのみしか想定しておらず、録再用光ディスクは考慮されておらず、トラックピッチが互いに異なる録再用光ディスクと再生専用光ディスクとに対して、1台の光ディスク装置で情報の記録若しくは再生を行う場合には、やはり2系統の光学系を設ける必要があるという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の光ディスク装置では、トラックピッチが互いに異なる録再用光ディスクと再生専用光ディスクとに対して、1台の光ディスク装置で情報の記録若しくは再生を行う場合には、2系統の光学系を設ける必要があるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決し、同一光学系で、トラックピッチが互いに異なる録再用光ディスクと再生専用光ディスクとへの情報の記録若しくは再生を行うことができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク装置では、所定幅のグルーブトラック間隔GPを有し、前記グルーブトラック上にのみ情報を記録可能な録再用光ディスクと、
トラック上に情報がピットによって記録されており、前記グルーブトラック間隔GPとは異なる所定幅のトラック間隔TPを有する再生専用光ディスクのいずれかを選択的に駆動し、前記録再用光ディスク若しくは前記再生専用光ディスクから、前記情報の再生を、主ビーム及び、第1並びに第2のビームからなる副ビームを前記光ディスクに照射することにより行う光ディスク装置であって、前記主ビーム及び前記副ビームを前記光ディスクに照射するためのビーム照射手段と、前記ビーム照射手段による主ビーム及び副ビームのうち、前記主ビームの前記光ディスクによる反射光を受光する第1の受光手段と、前記ビーム照射手段による主ビーム及び副ビームのうち、前記副ビームである第1及び第2のビームの前記光ディスクによる反射光を受光する第2,第3の受光手段と、前記第1の受光手段、前記第2の受光手段及び前記第3の受光手段からの出力に基づいて、前記主ビームを所定のトラックにトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号を得る第1のトラッキングエラー信号検出手段と、前記第1の受光手段からの出力に基づいて、前記主ビームを所定のトラックにトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号を得る第2のトラッキングエラー信号検出手段と、前記第2の受光手段及び前記第3の受光手段と前記第1の受光手段とからの出力に基づいて、前記第1の受光手段からの反射光に含まれる前記主ビームが照射されている所定トラックに隣接するトラックからのクロストークをキャンセルするクロストークキャンセル手段とを備え、前記ビーム照射手段を、前記副ビームである第1及び第2のビームが、前記主ビームが照射している所定のトラックの中心から、前記光ディスクの半径方向にGP/2以上TP未満に照射されるように構成することを特徴とする。
【0010】
そして、同一の3ビーム光学系で、録再用光ディスクの場合には、DPP(Differential Push Pull)(位相差検出)方式のトラッキングが可能で、再生専用光ディスクの場合には、クロストークキャンセラの効果を得ることができる。
【0011】
また、前記録再用光ディスクを再生する場合には、前記第2のトラッキングエラー信号検出手段によるトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行い、
前記再生専用光ディスクを再生する場合には、前記第1のトラッキングエラー信号検出手段によるトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行なうとともに、前記クロストークキャンセル手段によるクロストークキャンセルを行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記録再用光ディスクの前記グルーブトラック間隔GPと、
前記再生専用光ディスクの前記トラック間隔TPとは、GP>TPとの関係となっていることを特徴とする。
【0013】
また、前記第1及び前記第2の副ビームの前記主ビームに対する前記光ディスクの半径方向の照射位置をdとすると、
max(0.2GP,0.5TP) ≦ d ≦ min(0.8GP,1.5TP)
(但し、maxは最大値、minは最小値を示す)
を満たすことを特徴とする。
【0014】
そして、dを前記範囲とすると、録再光ディスクに対するDPPを用いたトラッキングと、再生専用光ディスクに対するクロストークキャンセルとの両方を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係わる光ディスク装置の構成を表すブロック図であり、その動作について説明する。
【0017】
図1において、光ディスク101はグルーブトラック上にマークを記録するグルーブ記録タイプの録再用光ディスク、もしくはピットにより情報があらかじめ記録された再生専用光ディスクであり、光ピックアップ102は主レーザービームから回折格子を用いて2本の副レーザービームを生成する3ビームピックアップヘッドであり、後述するように、副ビームスポットS1、S2は主ビームスポットS0の照射位置に対して、光ディスク101の半径方向に一定幅dだけずれた位置に対称に照射される。
【0018】
なお、図2は、グルーブ記録タイプの録再用光ディスクと、ピットによる再生専用光ディスクに照射されるビームスポットS0〜S2の照射位置と、グルーブ間ピッチあるいはトラックピッチとの関係を示した図である。
【0019】
ここで、グルーブトラック201に情報を図示しないマークで記録可能な録再用光ディスクのグルーブ間ピッチGPと、ピット202により情報が記録されている再生専用光ディスクのトラックピッチTPは異なっており、TP<GPの関係となっている。なお、グルーブ間ピッチGP及びトラックピッチTPは、ともに光ディスク101の半径方向の距離を示し、所定のトラックの光ディスク101の接線方向のグルーブ,ピットの中心から、光ディスク101の半径方向に、隣のグルーブ,ピットの光ディスク101の接線方向のグルーブ,ピットの中心までの間隔に相当する。
【0020】
そして、副ビームスポットS1、S2は主ビームスポットS0の照射位置に対して光ディスク101の半径方向に、GP/2以上TP未満の位置dだけずれた位置に照射する。なお、副ビームスポットS1,S2の主ビームスポットS0の照射位置からdだけずれた位置に照射することは、例えば、回折格子のパターンを変化させることに可能である。また、回折格子を用いない場合には、2枚のハーフミラーを用いて2つの副ビームを生成し、この副ビームを光ディスク101に導くためのミラーの配置をずらすことにより可能となる。
【0021】
再び図1を用いて光ディスク装置の動作を説明すると、光ディスク101で反射された主ビームの光スポットS0、2つの副ビームの光スポットS1,S2による反射光は、3ビーム受光部103において、図3に示すようなトラックの接線方向を軸に2分割もしくは4分割された4分割PD(Photo Detector)301、2分割PD303、302によってそれぞれ検出され、4分割PDフォトディテクタ301、2分割PD303、302の各分割出力A1〜FからS0差信号((A1+A2)−(B1+B2))、S1差信号(C−D)、S2差信号(E−F)、およびRF信号帯域を持ったS0和信号(A1+A2+B1+B2)、S1和信号(C+D)、S2和信号(E+F)を生成する。なお、図3は、3ビームスポットS0,S1,S2の光ディスク101による反射光を受光するフォトディテクタの構造を示す図である。
【0022】
以下、光ディスク101が、録再用か再生専用かによる主ビームスポットS0の所定トラックへのトラッキング制御,再生信号検出の違いについて説明する。
【0023】
まず、光ディスク101が図2(a)に示したようなグルーブ記録タイプの録再用光ディスクをトラッキングする場合には、3ビーム受光部103のうち、S0差信号((A1+A2)−(B1+B2))、S1差信号(C−D)、S2差信号(E−F)をDPP(Differential Push Pull:位相差検出)信号生成部104に入力する。図4は、DPP方式によるTE(Tracking Error)信号を生成する処理ブロック図である。図4において、副ビームの光スポットS1,S2に対応する差信号PP1、PP2は、ゲイン調整アンプ401により差信号PP1、PP2が同等の振幅になるようにPP2がG1倍され、加算器402によって加算され、加算値(PP1+G1*PP2)になる。加算器402による加算値(PP1+G1*PP2)は、ゲイン調整アンプ403により主ビームの光スポットS0に対応する差信号PP0と同等の振幅になるように(PP1+G1*PP2)がG2倍され、G2*(PP1+G1*PP2)となる。そして、減算器404にて信号PP0からゲイン調節アンプ403による出力であるG2*(PP1+G1*PP2)が減算され、差動プッシュプル(DPP)法によるトラッキング誤差信号(TE信号)(DPP信号)が得られる。このDPP信号がセレクタ107を介してTE信号としてDPP信号がサーボコントローラ109に入力され、サーボコントローラ109により光ピックアップ102が制御されることにより、主ビームスポットS0のトラッキングが行われる。なお、セレクタ107の切り換えは、例えば光ディスク101が光ディスク装置にローディングされた際に、リードインにあらかじめ記録されている光ディスク101が録再用か再生専用かを示す識別情報により、グルーブ記録タイプの録再用光ディスクかピットにより情報が記録された再生専用光ディスクかを検出し、あらかじめ切り換えておいてもよい。そして、図4に示したDPP方式では、光ピックアップ内の対物レンズシフトや光ディスク101の傾いた場合に、反射光を受光する各フォトディテクタ上での光スポットずれに起因するオフセットが同相で発生するため、オフセット成分をキャンセルできる。
【0024】
一方、光ディスク101が図2(b)に示したようなピットにより情報があらかじめ記録された再生専用光ディスクをトラッキングする場合には、3ビーム受光部103のうち、4分割PD301からの4分割出力A1,A2,B1,B2の4個の信号出力から、通常のDPD(Differential Phase Detection:位相差検出)信号生成部105によるトラッキングエラー信号が生成され、セレクタ107を介してDPD信号がサーボコントローラ109に入力されDPDトラッキングが行われる。なお、セレクタ107の切り換えは上記と同様である。
【0025】
次に、光ディスク101が録再用か再生専用かによる再生信号検出の違いについて説明する。再生信号検出については、光ディスク101が録再用か再生専用かにより、CTC(Cross Talk Cancel)処理部106を用いるか否かが異なる。3ビーム受光部103から、S0和信号(A1+A2+B1+B2)、S1和信号(C+D)、S2和信号(E+F)がCTC処理部106に入力される。
【0026】
光ディスク101がグルーブ記録タイプの録再用の場合、CTC処理を行わないため、CTC処理部106を介することなく、セレクタ108によって3ビーム受光部103からのS0和信号(A1+A2+B1+B2)をRF再生信号としてそのまま出力する。なお、セレクタ108もセレクタ107と同様に光ディスク101が録再用か再生専用かによりあらかじめ切り換えられるものである。
【0027】
また、光ディスク101がピットにより情報が記録された再生専用場合には、S0和信号(A1+A2+B1+B2)、S1和信号(C+D)、S2和信号(E+F)の3チャンネルの信号を使用してCTC処理部106によりCTC処理を行う。
【0028】
図5は、CTC処理を行うCTC処理部106の処理ブロック図である。主ビームスポットS0、副ビームスポットS1、S2の空間的配置は、図2に示したように、トラックに沿った方向にずれているため、S0和信号、S1和信号、S2和信号の3チャンネルの再生信号間に発生する位相ずれを調整するために、S0和信号及びS1和信号を遅延回路501、502で調整する。次に、遅延回路501で位相調整されたS1和信号とS2和信号を、イコライザ503、504によってそれぞれ独立に周波数特性が補正するが、この補正は光学的にS0和信号に洩れ込むS1和信号、S2和信号のクロストークの周波数成分に近くなるように補正される。そして、イコライザ503,504により周波数補正されたS1和信号、S2和信号をS0和信号から加算器505により減算処理することで、主ビームスポットS0による信号は隣接トラックからのクロストークが抑圧されたものとなり、クロストークが抑圧されたRF信号を得ることができる。なお、本実施の形態では、図5に示したように、一般的に知られているCTC処理を例にして説明したが、これに限るものではなく、例えば、特開平6−342522号公報に示されているように、主ビームスポットと副ビームスポットとのビーム間隔を測定しこの測定結果に基づいて遅延量を変化させるようなCTC処理でもよい。
【0029】
次に、本実施の形態による効果について説明する。
【0030】
通常のクロストークキャンセラでは、副ビームスポットによる隣接トラックからの再生信号を最大限得るために、副ビームスポットS1、S2を隣接トラックのトラック中心付近を照射するが、隣接トラックのトラック中心からトラック半径方向にずれた位置に照射してもある一定のCTCの効果を得ることができる。但し、副ビームスポットS1、S2の隣接トラック中心からずれ量がトラックピッチTPの1/2より大きくなってしまうと、よりずれた側にあるトラックの信号成分が隣接トラックの信号成分より大きくなってしまうために、効果が著しく落ちると考えられ、副ビームスポットS1、S2の照射位置は隣接トラック中心を中心に±TP/2の範囲内であれば、一定の効果を得ることが可能であるという発想に基づくものである。
【0031】
また、通常のDPP方式によるトラッキング誤差信号(DPP信号)検出の場合、副ビームスポットS1,S2は、主ビームスポットS0が再生するグルーブトラックに隣接するグルーブトラックの中間位置(GP/2)付近に照射される(図2(a)のGP/2)が、上記位置からトラック半径方向にある程度ずれた位置に照射してもDPP方式によるトラッキング誤差信号検出が可能である。
【0032】
以下、上記どの程度までずれた位置に照射してもトラッキング誤差信号が検出可能かグラフを示して説明する。
【0033】
図6は、横軸にトラックオフセット量、縦軸にDPP信号振幅を示したグラフ(計算値)であり、副ビームスポット位置の変化に対するDPP信号特性変化を示している。なお、図6は、図2(a)において主ビームスポットS0がグルーブトラック201−1の中心にオントラックし、副ビームスポットS2がグルーブトラック201−1,201−2間の中央(つまり、GP/2の位置)に照射されている状態が、縦軸,横軸とも0の位置に相当する。これは、トラッキングエラー信号であるDPP信号振幅が0となり、主ビームスポットS0,副ビームスポットS2ともにオントラック状態であることを示す。そして、この状態で主ビームスポットS0,副ビームスポットS2を同じように光ディスク101の半径方向に移動(図6において横軸方向への移動)させた場合の縦軸のDPP信号振幅の変化を示したのが、0のグラフとなる。そして、±0.1GPは主ビームスポットS0の照射位置は0のグラフの状態と同じで、副ビームスポットS2の照射位置のみ0のグラフの状態から0.1GP(GPの10%)ほど光ディスク101の半径方向にずらし、この状態で、主ビームスポットS0と副ビームスポットS2を同じように光ディスク101の半径方向に移動させた場合のDPP信号振幅の変化を示したものである。なお、±0.2GP及び±0.3GPのグラフも、±0.1GPと同様に、それぞれGPの20%,30%副ビームスポットS2の照射位置を移動させた場合のグラフである。
【0034】
そして、図6より明らかなように、副ビームスポットS2の照射位置が、グルーブトラック201の中間位置(GP/2)の場合(つまりグルーブトラック201−1,201−2の中間位置)が最も振幅が得られ、その位置からずれた場合でもDPP信号振幅が小さくなるものの反射光を受光する各フォトディテクタ上での光スポットずれに起因するオフセットを抑制できており、副ビームスポットS1、S2の照射位置がグルーブトラック間の中間位置(GP/2)から±0.3GPの範囲であれば、十分良好なDPP信号を得ることが可能である。これは、副ビームスポットS2を±0.5GP(つまりグルーブトラック201−2にオントラックする状態)までずらした状態(つまり0のグラフのグルーブトラック201−1,201−2間から移動させて、グルーブトラック201−2にオントラックした状態)で照射すると、DPP信号振幅は0となってしまうが、この状態に比べて、±0.3GPの範囲であれば、ある程度DPP信号振幅が得られていることに起因するものである。
【0035】
そして、本実施の形態では、図2に示したように、グルーブ記録タイプの録再用光ディスクのグルーブ間ピッチGPと、ピットにより情報が記録された再生専用光ディスクのトラックピッチTPが異なっており、TP<GPを満たす場合に、副ビームスポットの照射位置dを、
式max(0.2GP,0.5TP) ≦ d ≦ min(0.8GP,1.5TP)
(但し、maxは最大値、minは最小値を示す)
を満たすようにすることで、グルーブ記録タイプの録再用光ディスクを再生する場合のDPPトラッキングと、再生専用光ディスクを再生する場合のCTC処理を一つの3ビーム光学系で実現することができる。なお、上記式において、TPの範囲である0.5TP〜1.5TPは、副ビームスポットS2が主ビームスポットS0が照射しているトラックの隣接トラックに照射される範囲を示し、GPの範囲である0.2GP〜1.5GPは、図6で明らかなように、DPP信号振幅が得られない±0.5GPから許容可能な±0.3GPの範囲を取ったものであり、(0.5−0.3)GP=0.2GP,(0.5+0.3)GP=0.8GPより算出されるものである。
【0036】
なお、図6は、図2に示すように、3ビームでの再生を想定し、主ビームスポットS0と副ビームスポットS2との関係を示したグラフであり、0のグラフの場合、DPP信号振幅が最大となるのは横軸0.25GP(0.5GPの半分)の時であり、この時の振幅は2となっている。これに対して、主ビームスポットS0を図2(a)のグルーブトラック201−1に照射した場合、通常のプッシュプル方法ではほぼ半分の1程度となる。そして、±0.2GPの範囲であれば、通常のプッシュプル方法により得られる信号振幅以上の振幅が得られていることから、±0.2GPの範囲でも良い。
【0037】
なお、本実施の形態では、ピットにより情報があらかじめ記録された再生専用光ディスクを再生する場合に、DPDによるトラッキングを例にとって説明したが、これに限るものではない。例えば、ピット深さが浅く、プッシュプル信号が十分確保できる場合には、上述のDPP方式によるトラッキングで実現することも可能である。
【0038】
また、再生専用光ディスクはピットにより情報が記録されているものに限るものではなく、相変化を利用したマークにより記録されていてもよい。
【0039】
さらに、録再用光ディスクとして、グルーブトラック上のみにマークを記録するいわゆるグルーブ記録タイプの光ディスクについて説明したが、ランド/グルーブ構造でランド,グルーブの両方に情報を記録するタイプの光ディスクでもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ディスク装置によれば、同一光学系で、トラックピッチが互いに異なる録再用光ディスクと再生専用光ディスクとへの情報の記録若しくは再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク装置のブロック図。
【図2】本発明の実施の形態による光ディスク装置における3ビームスポットの光ディスク上の照射位置を示す図。
【図3】3ビームスポットの光ディスクによる反射光を受光するフォトディテクタの構造を示す図。
【図4】DPP方式によるTE信号生成の処理ブロック図。
【図5】CTC処理を行うCTC処理部の処理ブロック図。
【図6】副ビームスポットの照射位置に対するDPP信号の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
101…光ディスク
102…光ピックアップ
103…3ビーム受光部
104…DPP信号生成部
105…DPD信号生成部
106…CTC処理部
107,108…セレクタ
109…サーボコントローラ
201,201−1,201−2…グルーブトラック
202…ピット
301…4分割PD
302,303…2分割PD
401,403…ゲイン調節アンプ
402,505…加算器
404…減算器
501、502…遅延回路
503、504…イコライザ
Claims (4)
- 所定幅のグルーブトラック間隔GPを有し、前記グルーブトラック上にのみ情報を記録可能な録再用光ディスクと、
トラック上に情報がピットによって記録されており、前記グルーブトラック間隔GPとは異なる所定幅のトラック間隔TPを有する再生専用光ディスクのいずれかを選択的に駆動し、
前記録再用光ディスク若しくは前記再生専用光ディスクから、前記情報の再生を、主ビーム及び、第1並びに第2のビームからなる副ビームを前記光ディスクに照射することにより行う光ディスク装置であって、
前記主ビーム及び前記副ビームを前記光ディスクに照射するためのビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段による主ビーム及び副ビームのうち、前記主ビームの前記光ディスクによる反射光を受光する第1の受光手段と、
前記ビーム照射手段による主ビーム及び副ビームのうち、前記副ビームである第1及び第2のビームの前記光ディスクによる反射光を受光する第2,第3の受光手段と、
前記第1の受光手段、前記第2の受光手段及び前記第3の受光手段からの出力に基づいて、前記主ビームを所定のトラックにトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号を得る第1のトラッキングエラー信号検出手段と、
前記第1の受光手段からの出力に基づいて、前記主ビームを所定のトラックにトラッキング制御するためのトラッキングエラー信号を得る第2のトラッキングエラー信号検出手段と、
前記第2の受光手段及び前記第3の受光手段と前記第1の受光手段とからの出力に基づいて、前記第1の受光手段からの反射光に含まれる前記主ビームが照射されている所定トラックに隣接するトラックからのクロストークをキャンセルするクロストークキャンセル手段と
を備え、
前記ビーム照射手段を、前記副ビームである第1及び第2のビームが、前記主ビームが照射している所定のトラックの中心から、前記光ディスクの半径方向にGP/2以上TP未満に照射されるように構成することを特徴とする光ディスク装置。 - 前記録再用光ディスクを再生する場合には、前記第2のトラッキングエラー信号検出手段によるトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行い、
前記再生専用光ディスクを再生する場合には、前記第1のトラッキングエラー信号検出手段によるトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御を行なうとともに、前記クロストークキャンセル手段によるクロストークキャンセルを行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。 - 前記録再用光ディスクの前記グルーブトラック間隔GPと、
前記再生専用光ディスクの前記トラック間隔TPとは、GP>TPとの関係となっていることを特徴とする請求項1若しくは2記載の光ディスク装置。 - 前記第1及び前記第2の副ビームの前記主ビームに対する前記光ディスクの半径方向の照射位置をdとすると、
max(0.2GP,0.5TP) ≦ d ≦ min(0.8GP,1.5TP)
(但し、maxは最大値、minは最小値を示す)
を満たすことを特徴とする請求項1若しくは2記載の光ディスク装置。
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