JP3655796B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作待機中の消費電力の低減を図るようにした炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の炊飯器は、予約炊飯の予約タイマの動作を含む炊飯または保温の動作をしていない非動作状態(以下、待機状態と称する。)で、例えば、炊飯、保温および予約実行時に動作するLED、誘導加熱コイルおよび蓋ヒータを動作させる駆動回路に対して何時でも動作できるように電力を供給するとともに、表示パネルの表示部に電力を供給して記憶メニューや現時刻等を表示している。
【0003】
近年では、各種の電気機器に対して省電力を図る要望が高まっているが、前記炊飯器は、待機状態で、単位時間当たり約2Wの電力を消費する。
【0004】
この要望に対し、特開平11−55853号では、前記駆動回路や負荷部品に所定の電力を供給する電源回路を制御手段によって制御し、通常動作モードと負荷部品への電力供給を制限する節電モードとを具備するようにした電気機器を提供している。
【0005】
この電気機器では、第一の構成として、節電モードを実行する設定としている場合には、加熱制御が終了し、キー入力がない状態になると、節電モードを実行するようにしている。また、第二の構成として、待機時節電モードを実行する設定としている場合には、待機状態で所定時間経過すると節電モードを実行するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記電気機器に記載の構成では、節電モードで前記制御手段を構成するマイコンとセンサに電力を供給する必要があるため、やはり単位時間当たり約2Wの電力を消費する。
【0007】
また、この特開平11−55853号は、節電を図る対象機器が電子レンジでり、ドアを開かなければ節電機能が解除されない。そのため、ユーザが電源コードを商用電源から引き抜き、非接続状態とした後、再び使用時に電源コードを商用電源に接続しても、節電機能が実行された状態になるため、ユーザが違和感を感じるという不都合がある。
【0008】
そこで、本発明では、炊飯器を使用していない状態での待機電力の消費を低減するとともに、ユーザが使用するうえで操作性が良い炊飯器を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の炊飯器は、内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を制御する駆動回路と、前記負荷部品および駆動回路に電力を供給する電源回路と、ユーザが操作する複数のスイッチと、前記電源回路に接続された電源入力ポートを有し、操作されたスイッチに応じて前記駆動回路を介して負荷部品を制御するマイコンとを備えた炊飯器において、前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断すると前記電源回路から前記マイコンを含む負荷部品および駆動回路への電力の出力を停止する一方、この電力の出力停止状態で前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチが操作されると前記電源回路から電力が供給されることにより前記マイコンが動作可能な状態になり、該マイコンにより前記電源回路からの電力の出力を維持させる省電力機能を設け、電源が投入されると、いずれかのスイッチが操作されるまで、前記省電力機能を実行不可能とした構成としている。
【0010】
ここで、前記電源が投入されるとは、ユーザが商用電源に電源コードを差し込んだ場合や、停電状態が復旧した場合、そして、ユーザが省電力機能を解除した場合に、電源回路から電力の出力が開始した状態を意味する。そして、本発明では、前記3つの場合のうち、少なくとも商用電源に電源コードを差し込んだ場合には、いずれかのスイッチが操作されるまで、省電力機能を実行不可能とすることが好ましい。
【0011】
前記炊飯器では、前記加熱手段は、前記内鍋を非導電性材料からなる保護枠を介して誘導加熱する誘導加熱コイルであり、該誘導加熱コイルへの通電を制御する誘導加熱コイル駆動回路を商用電源に接続した整流回路に接続しており、前記省電力機能は更に、前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断すると前記整流回路から誘導加熱コイル駆動回路への通電を遮断する一方、この通電遮断状態で前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチが操作されると、前記マイコンにより前記誘導加熱コイル駆動回路への通電を可能とするものであることが好ましい。
また、前記電源回路は、その定電流出力ポートが短絡されることにより動作して電力の出力を維持するもので、前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチを前記定電流出力ポートに接続したものであることが好ましい。
【0012】
前記炊飯器によれば、マイコンは、全負荷部品が非動作状態となると、電源回路からの電力の出力を停止するため、また、整流回路から誘導加熱コイル駆動回路への通電を遮断するため、非使用状態で消費する待機電力の低減を図ることができる。また、電源が投入されると、いずれかのスイッチが操作されるまで省電力機能を実行不可能としているため、特に、電源コードを商用電源に接続した際に、省電力機能の実行状態になり、ユーザが違和感を感じるという不都合を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の誘導加熱方式である炊飯器1を示す。この炊飯器1は、内鍋2と、該内鍋2を収容する本体3と、該本体3に回動可能に取り付けられる蓋体7とからなる。前記本体3には、加熱手段である誘導加熱コイル4と、温度検知手段である内鍋用温度センサ5と、制御手段であるマイコン51を実装した回路基板31と、該回路基板31に実装した素子を冷却するためのファン6が配設されている。前記蓋体7の内部には、蓋ヒータ8と、内鍋2の内部温度を検出する蓋体用温度センサ9とが配設された周知の構成のものである。
【0014】
前記本体3の正面には、図2に示す表示パネル10が配設されている。この表示パネル10には、中央の液晶表示11の周囲に、複数のスイッチの操作部22〜30が配設されている。
【0015】
前記液晶表示11は、後述するマイコン51が内蔵したドライバによって表示するセグメント表示方式のもので、数字表示部12、数字表示部12が現在時刻であることを示す現在表示部13、午前表示部14および午後表示部15、数字表示部12が残り炊飯時間であることを示す分表示部16および時間表示部17、液晶表示11の回りに設けた炊飯メニュー表示に対応する印表示部18、予約炊飯設定中であることを示す予約表示部19を備えている。そして、本実施形態では、前記数字表示部12の表示が電気の使用料金であることを示す電気料金表示部20、および、その単位である円表示部21が設けられている。
【0016】
前記スイッチの操作部としては、動作の実行スイッチである炊飯スイッチの操作部22および保温スイッチの操作部23が配設されている。また、炊飯条件等の設定スイッチである予約スイッチの操作部24、とりけしスイッチの操作部25、メニュースイッチの操作部26、時スイッチの操作部27、分スイッチの操作部28が配設されている。そして、本実施形態では、省電力機能の実行状態から電源を復帰させるための起動スイッチ49(図3参照)の操作部29、および、ユーザが電気の使用料金を確認する料金表示スイッチの操作部30が設けられている。また、これらのスイッチは、安価な1接点型の常開スイッチを用いている。
【0017】
前記第1実施形態の回路基板31は、図3に示すように、直流電源回路32と、負荷部品の駆動回路と、電源制御回路44と、起動回路48と、マイコン51からなる制御部を備えている。
【0018】
前記直流電源回路32は、交流電力を出力する商用電源33に直列に接続されて交流電流を整流するダイオード34と、該ダイオード34と抵抗35を介して直列に接続され、平滑した直流高電圧を形成する電解コンデンサ36と、降圧型チョッパー方式等の周知の方法により降圧させて直流低電圧を得るスイッチング電源回路37と、直流低電圧を安定化させる電解コンデンサ38とを備えている。なお、上記スイッチング電源回路37の代わりにトランス方式のものや、抵抗降圧方式のものを用いてもよく、また、電源ICを用いてもよい。
【0019】
前記駆動回路は、大別して、蓋ヒータ8等の駆動回路39と、直流電源回路32に接続される素子冷却用のファン6、温度センサ5,9等の駆動回路40と、商用電源33に接続された整流回路41に接続され、誘導加熱コイル4をオン、オフする図示しないIGBTを制御する誘導加熱コイル駆動回路42とからなり、前記各負荷部品をマイコン51からの指示に従って駆動する周知のものである。前記整流回路41と誘導加熱コイル駆動回路42との間には、通電を遮断するためのリレー43のスイッチ43aが介設されている。そして、前記スイッチ43aをオン、オフするためのコイル43bが、後述するマイコン51に接続されている。
【0020】
前記電源制御回路44は、前記スイッチング電源回路37からの電力の出力状態を維持または停止するもので、スイッチング素子であるトランジスタ45を備えている。このトランジスタ45のベースは、抵抗46を介してマイコン51に接続されるとともに、抵抗47を介してアースされている。また、このトランジスタ45のエミッタはアースされ、コレクタが前記スイッチング電源回路37の定電流出力ポート37aに接続されている。
【0021】
前記起動回路48は、両端が前記スイッチング電源回路37の定電流出力ポート37aに接続され、このスイッチング電源回路37のスイッチング動作を起動する起動スイッチ49と、該起動スイッチ49に並列に接続された電解コンデンサ50とからなる。なお、前記スイッチング電源回路37の代わりにトランス方式の電源回路または抵抗降圧方式の電源回路を適用する場合には、それぞれトランスまたは抵抗35へ電流を供給する接続ラインに前記起動スイッチ49を介設する。
【0022】
前記マイコン51は、電源入力ポートが前記スイッチング電源回路37の出力ポートVoutに接続されるとともに電池電源VDDに接続されている。そして、従来と同様に、ユーザが操作したスイッチに応じて記憶されたプログラムに従って、前記誘導加熱コイル4および蓋ヒータ8を制御して、予約炊飯を含む所定の炊飯動作および保温動作を実行する。
【0023】
本実施形態では、前記マイコン51は、待機状態であると判断すると、省電力機能を実行することにより、この待機状態での消費電力の低減を図る。また、マイコン51は、炊飯動作が終了すると、その炊飯動作で消費した電気の使用料金を一定時間表示する。さらに、とりけしスイッチの操作部25を操作することによって保温動作が終了すると、その保温動作で消費した電気の使用料金を一定時間表示する。さらにまた、表示パネル10の料金表示スイッチの操作部30が操作されると、前回クリアされた後の累積使用料金を一定時間表示する。なお、このクリアの操作方法としては、例えば、累積料金の表示状態で、料金表示スイッチおよびとりけしスイッチの操作部30,25を同時に操作する等、周知の方法が適用可能である。
【0024】
次に、前記炊飯器1の回路基板31による省電力機能について説明する。
まず、炊飯器1が動作可能な状態では、マイコン51は、図4に示すように、電源制御回路44のトランジスタ45がオン状態となるように接続ポートから信号を出力する。また、リレー43がオン状態を維持するように、コイル43bに電力を通電する。
【0025】
そうすると、直流電源回路32のスイッチング電源回路37は、トランジスタ45がオン状態を維持することにより、定電流出力ポート37aが通電状態を維持するため、スイッチング動作を継続し、電力を出力し続ける。また、誘導加熱コイル駆動回路42は、リレー43のスイッチ43aがオン状態を維持するため、通電可能な状態を維持する。
【0026】
これにより、ユーザは、スイッチ操作をすることにより、希望の時刻に希望の炊飯メニュー(炊き上げ状態)で炊飯動作を実行させることができる。また、設定した所定の炊飯動作が終了すると、炊飯器1は保温動作に移行する。そして、この保温制御動作中にユーザがとりけしスイッチの操作部25を操作すると、全負荷部品の動作が停止する。
【0027】
ついで、マイコン51が待機状態になったことを検出すると、省電力機能を実行する。なお、この省電力機能は、前記待機時間が所定時間継続すると、実行するように構成することが好ましい。
【0028】
この省電力機能を実行する際には、マイコン51は、図5に示すように、電源制御回路44のトランジスタ45がオフ状態となるように接続ポートからの信号の出力を停止する。また、リレー43のコイル43bへの通電を遮断する。
【0029】
そうすると、直流電源回路32のスイッチング電源回路37は、定電流出力ポート37aの通電が遮断されるため、スイッチング動作を停止し、出力ポートVoutから電力(5Vの直流電圧)の出力を停止する。また、リレー43は、スイッチ43aがオフ状態を維持し、整流回路41と誘導加熱コイル駆動回路42とを遮断する。
【0030】
次に、前記省電力機能の実行状態で、図6に示すように、ユーザが起動スイッチ49の操作部29を操作すると、直流電源回路32のスイッチング電源回路37は、定電流出力ポート37aから出力される電流が起動スイッチ49を介して短絡するため、スイッチング動作を開始する。
【0031】
そうすると、マイコン51には、図7に示すように、直流電源回路32からの5Vの電圧の電力が入力される。これにより、このマイコン51は、電源制御回路44のトランジスタ45がオン状態となる信号を接続ポートから出力する。また、リレー43のコイル43bへの通電を開始する。その結果、電源制御回路44のトランジスタ45がオン状態を維持し、図4に示すように、起動スイッチ49がオフ状態になっても、前記電源制御回路44におけるトランジスタ45がマイコン51を介してオン状態を維持することにより、電力の出力状態を維持する。そして、ユーザは、表示パネル10のスイッチの操作部22〜28を操作することにより、希望の炊飯動作を設定できる。
【0032】
一方、前記保温動作中にユーザがとりけしスイッチを操作せずにそのまま電源コード52を商用電源33から抜くと、または、省電力機能の実行中に電源コード52を商用電源33から抜くと、または、電気が停電になると、炊飯器自体への電力の供給が遮断される。これにより、電解コンデンサ50は完全に放電し、電荷が零(空)の状態になる。
【0033】
そして、この状態で、ユーザが商用電源33に電源コード52を差し込み、または、停電状態が復旧すると、図8に示すように、スイッチング電源回路37の定電流出力ポート37aから出力される電流が電解コンデンサ50に流れる。この際、この電解コンデンサ50は、電荷が零(空)の状態であるため、図示のように、前記定電流出力ポート37aからの電流は貫通電流となって電解コンデンサ50を貫通し、前記定電流出力ポート37aを短絡させることになる。
【0034】
これにより、前記直流電源回路32のスイッチング電源回路37は、スイッチング動作を開始し、出力ポートVoutから電力の出力を開始する。
【0035】
そのため、マイコン51には、直流電源回路32から5Vの電圧の電力が供給される。そうすると、マイコン51は、図4に示すように、電源制御回路44のトランジスタ45がオン状態となるよう信号を出力し、直流電源回路32のスイッチング電源回路37からの電力の出力状態を維持する。また、リレー43のコイル43bに通電することにより、整流回路41から誘導加熱コイル4への通電を可能な状態とする。その結果、前記と同様に、ユーザがスイッチ操作をすることにより、希望の時刻で希望の炊飯メニュー(炊き上げ状態)で炊飯動作を実行させることができる状態になる。
【0036】
このように、本発明の第1実施形態の回路基板31を搭載した炊飯器1では、マイコン51が全負荷部品が非動作状態になったと判断すると、電源制御回路44を介して直流電源回路32のスイッチング電源回路37を停止し、該スイッチング電源回路37からの電力の出力を停止するため、非使用状態で消費する待機電力の低減を図ることができる。具体的には、この非使用状態で消費する待機電力を、約0.1Wまで低減することができる。
【0037】
また、商用電源33から電源コード52を抜いた状態、または、停電になった状態で、電源コード52を商用電源33に差し込んだり、停電が復旧すると、直流電源回路32は、電気回路的に電力の出力状態を維持する。そのため、電源コード52を商用電源33に接続した際に、省電力機能が実行されることにより、ユーザが違和感を感じたり、起動スイッチ49を操作する等の余計な操作を行う必要はないため、操作性の向上を図ることができる。
【0038】
次に、前記炊飯器1によるマイコン51の動作について説明する。
ユーザが起動スイッチ49を操作することによって省電力機能を解除すると、または、ユーザが電源コード52を商用電源33に接続すると、または、停電状態が復旧すると、前述のようにマイコン51に5Vの電圧の電力が供給される。
【0039】
そうすると、マイコン51は、図9に示すように、まず、ステップS1で、表示パネル10に配設された複数のスイッチのうち、いずれかのスイッチが操作されるまで待機する。
【0040】
そして、いずれかのスイッチが操作されると、ステップS2で、操作されたスイッチが炊飯スイッチであるか否かを検出し、炊飯スイッチではない場合にはステップS3に進み、炊飯スイッチである場合にはステップS6に進む。
【0041】
ステップS3では、操作されたスイッチがとりけしスイッチであるか否かを検出する。そして、とりけしスイッチである場合には後述するステップS10に進み、とりけしスイッチでない場合にはステップS4に進む。
【0042】
ステップS4では、操作されたスイッチに応じた入力処理を行ってステップS5に進む。
【0043】
ステップS5では、再び表示パネル10に配設された複数のスイッチのうち、いずれかのスイッチが操作されたか否かを検出する。そして、いずれかのスイッチが操作された場合にはステップS2に戻り、いずれのスイッチも操作されない場合にはステップS10に進む。
【0044】
一方、前記ステップS2で、操作されたスイッチが炊飯スイッチであると判断した場合には、ステップS6で、予約炊飯を含む周知の炊飯制御処理および炊飯制御での使用電力の料金計測処理を実行した後、炊飯制御処理が終了すると、ステップS7で、炊飯制御処理で消費した電気料金の表示処理を行う。
【0045】
その後、ステップS8で、周知の保温制御処理および保温制御での使用電力の料金計測処理を実行した後、ユーザがとりけしスイッチを操作することによって保温制御処理が終了されると、ステップS9で、この保温制御処理で消費した電気料金の表示処理を行い、ステップS10に進む。
【0046】
ステップS10では、全ての負荷部品が非動作中である待機状態になったか否かを検出する。そして、待機状態であると判断した場合にはステップS11に進み、省電力機能の実行処理(電源制御回路のトランジスタ45をオフ状態とする)を実行してリターンする。また、待機状態でないと判断した場合にはステップS5に戻る。
【0047】
このように、第1実施形態では、マイコン51に電源が投入されると、いずれかのスイッチが操作されるまで省電力機能が実行不可能な状態となる。そのため、特に、電源コード52を商用電源33に接続した際に、省電力機能の実行状態になり、ユーザが違和感を感じるという不都合を防止できる。
【0048】
次に、マイコン51による電気料金表示処理について説明する。
まず、炊飯制御処理または保温制御処理の実行中に、回路基板31に流れる電流Iと電圧Vを1秒毎に計測する。そして、消費電力W(I×V)を算出し、その値をメモに記憶(蓄積)しておく。
【0049】
そして、炊飯制御処理または保温制御処理が終了すると、マイコン51は、図10に示すように、まず、ステップS20で、前処理である炊飯制御処理または保温制御処理で蓄積した消費電力を読み込んだ後、ステップS21で、その消費電力(W)の累積を算出する。
【0050】
ついで、ステップS22で、商用電源33から供給されている電力が60Hzであるか否かを検出する。そして、60Hzである場合には、ステップS23で、西部での料金計算式に基づいて電気料金を算出し、60Hzでない場合には、ステップS24で、東部での料金計算式に基づいて電気料金を算出する。
【0051】
その後、ステップS25で、前記ステップS23またはステップS24で算出した電気料金を表示した後、所定時間表示すると、ステップS26で、表示した電気料金を非表示(消灯)してリターンする。
【0052】
なお、ユーザが表示パネル10の料金表示スイッチを操作した場合には、図10のステップS20において、前処理での蓄積消費電力のみでなく、蓄積された全ての電力を読み込む点だけ相違する。そして、前記料金表示スイッチの操作後に、予め設定されたクリア操作がされると、蓄積消費電力をクリアし、クリア操作がされず、所定時間表示すると、表示した累積使用料金を非表示状態とする。
【0053】
このように、本発明の炊飯器1では、各制御動作で消費した電力を表示するとともに、料金表示スイッチを操作することにより、累積消費電力を表示できるため、ユーザが省電力機能によって節約できているという状況を確認することができる。また、保温制御によって消費した電気料金を見ることにより、ユーザ自身で節約するという意欲を促進することができる。
【0054】
図11は、第2実施形態の炊飯器1に適用する回路基板31を示す。この回路基板31は、第1実施形態に示す電解コンデンサ50の代わりに、積分回路を適用した点でのみ第1実施形態と相違する。
【0055】
具体的には、前記積分回路は、ダイオード34に直列に接続された抵抗60,61,62と、抵抗61に並列に接続されたコンデンサ63とからなる。そして、前記抵抗61とコンデンサ63の下流側には、トランジスタ64のベースが接続されている。このトランジスタ64のコレクタは、直流電源回路32におけるスイッチング電源回路37の定電流出力ポート37aに接続され、エミッタはアースされている。
【0056】
この第2実施形態の回路基板31を搭載した炊飯器1は、第1実施形態と同様に、マイコン51が待機状態になったと判断すると、省電力機能を実行する。そして、起動スイッチ49を操作すると、いずれかのスイッチが操作されるまで省電力機能の実行を不可能とする。
【0057】
そして、ユーザが商用電源33から電源コード52を抜いた状態または停電状態で、電力が復旧すると、商用電源33からの電力がコンデンサ63を貫通してトランジスタ64をオン状態とする。また、スイッチング電源回路37の定電流出力ポート37aからの出力電流がトランジスタ64を介して短絡することにより、電力の出力状態を維持する。
【0058】
なお、本発明の炊飯器1は前記実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、省電力機能の実行状態から電力を復帰させるために、専用の起動スイッチ49を設けたが、表示パネル10に配設されたスイッチの操作部22において、特定のスイッチあるいは全てのスイッチのうちいずれかが操作されると、直流電源回路32からの電力の出力を復帰するとともに、そのスイッチに応じた動作を実行することもできる。
【0060】
さらに、前記実施形態では、電源コード52を商用電源33に差し込んだ場合、停電状態が復旧された場合、そして、省電力機能が解除された場合の全ての状態において、いずれかのスイッチが操作されなければ省電力機能の実行を不可能としたが、電源コード52を商用電源33に差し込んだ場合のみ、省電力機能を実行不可能に構成してもよい。
【0061】
さらに、前記実施形態では、誘導加熱方式の炊飯器1を適用したが、ヒータ加熱方式の炊飯器1に適用してもよい。この場合、前記誘導加熱コイル駆動回路42、および、省電力機能の実行時に前記誘導加熱コイル駆動回路42への電力の通電を遮断する構成は不要である。
【0062】
さらに、前記実施形態では、炊飯制御動作および保温制御動作が終了した時と、料金表示スイッチの操作部30が操作された時に使用料金を表示するようにしたが、炊飯器にカレンダー機能が搭載されている場合には、半月毎または一月毎累積した使用料金を表示してもよく、希望に応じて種々の表示形態を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の炊飯器では、マイコンは、全負荷部品が非動作状態となると、電源回路からの電力の出力を停止するため、または、整流回路から誘導加熱コイル駆動回路への通電を遮断するため、非使用状態で消費する待機電力の低減を図ることができる。また、電源が投入されると、いずれかのスイッチが操作されるまで省電力機能を実行不可能としている。そのため、特に、電源コードを商用電源に接続した際に、省電力機能の実行状態になり、ユーザが違和感を感じるという不都合を防止でき、操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の炊飯器の概略図である。
【図2】 図1の炊飯器の表示パネルを示す正面図である。
【図3】 第1実施形態の回路基板を示す回路図である。
【図4】 動作可能な状態の通電状態を示す回路図である。
【図5】 省電力機能を実行した状態での通電状態を示す回路図である。
【図6】 省電力機能の実行状態で起動スイッチを操作した状態での通電状態を示す回路図である。
【図7】 図6の次工程での通電状態を示す回路図である。
【図8】 電力が復旧した状態での通電状態を示す回路図である。
【図9】 電力が復旧した状態でのマイコンの動作を示すフローチャートである。
【図10】 図9の電気料金表示処理を示すフローチャートである。
【図11】 第2実施形態の回路基板を示す回路図である。
【符号の説明】
1…炊飯器、2…内鍋、3…本体、4…誘導加熱コイル、5…内鍋用温度センサ、6…ファン、7…蓋体、8…蓋ヒータ、9…蓋体用温度センサ、10…表示パネル、11…液晶表示、31…回路基板、32…直流電源回路、33…商用電源、37…スイッチング電源回路、37a…定電流出力ポート、39,40…駆動回路、41…整流回路、42…誘導加熱コイル駆動回路、43…リレー、43a…スイッチ、43b…コイル、44…電源制御回路、48…起動回路、49…起動スイッチ、50…電解コンデンサ、51…マイコン、52…電源コード。

Claims (3)

  1. 内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を制御する駆動回路と、前記負荷部品および駆動回路に電力を供給する電源回路と、ユーザが操作する複数のスイッチと、前記電源回路に接続された電源入力ポートを有し、操作されたスイッチに応じて前記駆動回路を介して負荷部品を制御するマイコンとを備えた炊飯器において、
    前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断すると前記電源回路から前記マイコンを含む負荷部品および駆動回路への電力の出力を停止する一方、この電力の出力停止状態で前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチが操作されると前記電源回路から電力が供給されることにより前記マイコンが動作可能な状態になり、該マイコンにより前記電源回路からの電力の出力を維持させる省電力機能を設け、
    電源が投入されると、いずれかのスイッチが操作されるまで、前記省電力機能を実行不可能としたことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記加熱手段は、前記内鍋を非導電性材料からなる保護枠を介して誘導加熱する誘導加熱コイルであり、該誘導加熱コイルへの通電を制御する誘導加熱コイル駆動回路を商用電源に接続した整流回路に接続しており、
    前記省電力機能は更に、前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断すると前記整流回路から誘導加熱コイル駆動回路への通電を遮断する一方、この通電遮断状態で前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチが操作されると、前記マイコンにより前記誘導加熱コイル駆動回路への通電を可能とするものであること特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記電源回路は、その定電流出力ポートが短絡されることにより動作して電力の出力を維持するもので、前記複数のスイッチのうち少なくともいずれか1つのスイッチを前記定電流出力ポートに接続したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炊飯器。
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