JP3464635B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3464635B2
JP3464635B2 JP30674799A JP30674799A JP3464635B2 JP 3464635 B2 JP3464635 B2 JP 3464635B2 JP 30674799 A JP30674799 A JP 30674799A JP 30674799 A JP30674799 A JP 30674799A JP 3464635 B2 JP3464635 B2 JP 3464635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動作待機中の消費
電力の低減を図るようにした炊飯器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の炊飯器は、炊飯または保温の動
作をしていない待機状態で、例えば、炊飯、保温および
予約実行時に動作するLED、誘導加熱コイルおよび蓋
ヒータを動作させる駆動回路に対して何時でも動作でき
るように電力を供給している。
【0003】近年では、各種の電気機器に対して省電力
を図る要望が高まっているが、前記炊飯器は、全く使用
していない待機状態で、前記のように駆動回路に電力
(待機電力)を供給しているため、単位時間当たり約2
Wの電力を消費する。
【0004】この要望に対し、特開平11−55853
号では、前記駆動回路や負荷部品に所定の電力を供給す
る電源回路を制御手段によって制御し、通常動作モード
と負荷部品への電力供給を制限する節電モードとを具備
するようにした電気機器を提供している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記電
気機器では、節電モードで前記制御手段を構成するマイ
コンとセンサに電力を供給する必要があるため、やはり
単位時間当たり約2Wの電力を消費する。また、この特
開平11−55853号では、節電を図る対象機器が電
子レンジであるため、この構成を、本発明の対象機器で
ある炊飯器に単に搭載した場合、種々の不都合が生じ
る。
【0006】例えば、近年の炊飯器には、電源コードを
商用電源に接続していない非接続状態で、マイコンが搭
載した時計機能等、電力を供給し続ける必要がある負荷
部品に対して電池回路から電力を供給するようにしてい
る。そのため、スイッチが操作されたことを検出するセ
ンサを設け、節電(省電力)モード中には、電源回路か
らの電力の出力を完全に停止し、前記センサとマイコン
を電池回路からの電力で動作させることが考えられる。
【0007】しかし、このようにすると、電池回路の構
成部品である電池の消耗が大きくなる。そして、前記電
池は、リチウム電池等の充電が不可能な一次電池を使用
するため、使用可能な期間(寿命)が短くなり、交換頻
度が高くなるという不都合が生じる。
【0008】しかも、前記電池回路を構成する電池が消
耗して電力の出力が不可能(バックアップ不可能)にな
った際には、電源コードが商用電源と接続されていれ
ば、現時刻が未設定状態である初期設定時刻にリセット
されずに現時刻を維持し、非接続状態になると現時刻が
リセットされるようになっているが、電池回路によって
バックアップ不可能な状態で省電力機能を実行すると、
電源コードを商用電源に接続しているにも拘わらず、時
計がリセットされることが考えられる。
【0009】そこで、本発明では、炊飯器を使用してい
ない状態での待機電力の消費を低減し、省電力を図るこ
とを第1の課題とし、また、待機状態での省電力を図る
うえで生じ得る不都合を防止することを第2の課題とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の炊飯器は、内鍋と、該内鍋を加熱す
る加熱手段や温度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を
制御する駆動回路と、前記負荷部品および駆動回路に電
力を供給する電源回路と、ユーザが操作する複数のスイ
ッチと、操作されたスイッチに応じて前記駆動回路を介
して負荷部品を制御するマイコンとを備えた炊飯器にお
いて、前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中である
と判断すると前記電源回路から電力の出力を停止する一
方、この電力の出力停止状態でスイッチが操作されると
前記電源回路から電力を出力させる省電力機能を設ける
とともに、前記電源回路からの電力の出力停止状態で特
定の負荷部品に電力を供給する電池回路を設け、該電池
回路によって前記特定の負荷部品に電力の供給ができな
くなると、前記省電力機能を実行不可能とするように
し、かつ、前記電池回路として、充電不可能の一次電池
を用い、該一次電池によるバックアップ時間をカウント
し、そのバックアップ時間が所定時間を越えると前記省
電力機能を実行可能とするように構成している。
【0011】前記炊飯器によれば、省電力機能の実行状
態では、電源回路からの電力の出力を停止するようにし
ているため、従来例と比較してより商用電源の消費を削
減することができる。
【0012】また、前記炊飯器によれば、商用電源と非
接続状態とした場合や、省電力機能の実行した場合に
は、マイコンに内蔵された現在時刻を表示するための時
計機能等、電力を供給し続ける必要がある特定の負荷部
品に対して電池回路から電力を供給できる。そのため、
電源回路からの出力を停止しても、時計の現時刻が、未
設定状態である初期設定時刻にリセットされることはな
い。
【0013】そのうえ、電池回路によって特定の負荷部
品に電力を供給できない状態(バックアップ不可能)に
なると、前記省電力機能の実行が不可能になるため、商
用電源に電源コードを接続しているにも拘わらず、省電
力機能を実行することにより現時刻がリセットされると
いう不都合を防止でき、現時刻を維持することができ
る。
【0014】しかも、前記電池回路は、充電不可能の一
次電池を用いたもので、該一次電池によるバックアップ
時間をカウントし、そのバックアップ時間が所定時間を
越えると前記省電力機能を実行可能としている。そし
て、製造メーカでは、出荷前に多量の炊飯器の初期設定
を行う際には前記マイコンはリセットされるため、この
作業中に省電力機能が実行されることによる作業時間の
無駄を防止できる。
【0015】また、一次電池によってバックアップ不可
能になった場合には、前記と同様に、通電が遮断される
とマイコンはリセットされるため、この状態での省電力
機能の実行を確実に防止できる。
【0016】また、本発明の第2の炊飯器は、内鍋と、
該内鍋を加熱する加熱手段や温度センサ等の負荷部品
と、各負荷部品を制御する駆動回路と、前記負荷部品お
よび駆動回路に電力を供給する電源回路と、ユーザが操
作する複数のスイッチと、操作されたスイッチに応じて
前記駆動回路を介して負荷部品を制御するマイコンとを
備えた炊飯器において、前記マイコンが全ての負荷部品
が非動作中であると判断すると前記電源回路から電力の
出力を停止する一方、この電力の出力停止状態でスイッ
チが操作されると前記電源回路から電力を出力させる省
電力機能を設けるとともに、前記電源回路からの電力の
出力停止状態で特定の負荷部品に電力を供給する電池回
路を設け、該電池回路によって前記特定の負荷部品に電
力の供給ができなくなると、前記省電力機能を実行不可
能とするようにし、かつ、前記電源回路からの電力の出
力を維持または停止する電源制御回路を備え、前記マイ
コンは、前記電源制御回路を介して前記省電力機能の実
行および復帰を行っており、この復帰時には前記複数の
スイッチのうち操作されたスイッチを判別した後に記憶
し、マイコン自身の初期設定動作を実行した後、前記記
憶したスイッチに応じて負荷部品を制御する構成として
いる。
【0017】このように構成した炊飯器では、マイコン
は、電源回路からの電力の出力停止状態でスイッチが操
作されると、その操作されたスイッチを判別した後に該
マイコン自身の初期設定動作を実行するため、ユーザが
ワンアクションの操作をするだけで、確実にマイコンを
立ち上げて希望の動作を実行させることができる。ここ
で、前記マイコンの初期設定動作は、その機能によって
多少異なるが、0.4秒から0.5秒程度の時間を必要
とするものである。そのため、所定のスイッチを操作す
ることにより電源回路を復帰させ、操作可能な状態に至
るまでには約1秒必要である。
【0018】なお、本発明の炊飯器のように、省電力機
能の実行中に電源回路からの出力を停止し、電池回路か
らの電力を特定の負荷部品に供給するようにしたもの
は、特定の負荷部品であるマイコンにとっては、省電力
機能を実行している状態と、電源コードと商用電源との
接続を解除した状態は、同一の環境である。また、この
炊飯器には、出荷の際またはメンテナンスの際に、製造
メーカにおいて作業者のみが実行する動作確認処理(テ
ストモード)が搭載されており、この動作確認処理は、
電源を投入すると同時に特定のスイッチを操作すること
によって実行されるようになっている。
【0019】そのため、省電力機能の実行状態で、ユー
ザが希望のスイッチを操作した際に、何等かの要因で動
作確認処理を実行するようにスイッチ操作をし、炊飯器
の設定をリセットすることが考えられる。
【0020】そのため、本発明の第3の炊飯器では、内
鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温度センサ等の負荷
部品と、各負荷部品を制御する駆動回路と、前記負荷部
品および駆動回路に電力を供給する電源回路と、ユーザ
が操作する複数のスイッチと、操作されたスイッチに応
じて前記駆動回路を介して負荷部品を制御するマイコン
とを備えた炊飯器において、前記マイコンが全ての負荷
部品が非動作中であると判断すると前記電源回路から電
力の出力を停止する一方、この電力の出力停止状態でス
イッチが操作されると前記電源回路から電力を出力させ
る省電力機能を設けるとともに、前記電源回路からの電
力の出力停止状態で特定の負荷部品に電力を供給する電
池回路を設け、該電池回路によって前記特定の負荷部品
に電力の供給ができなくなると、前記省電力機能を実行
不可能とするようにし、かつ、前記マイコンは、商用電
源との接続時に特定のスイッチが操作されると実行する
自身の動作確認処理を備え、前記電源回路と商用電源と
の接続状態を検知する検知手段を更に設け、前記商用電
源との非接続状態から接続状態とし、かつ、特定のスイ
ッチが操作された場合に前記動作確認処理を実行する一
方、前記電源回路と商用電源との接続状態で、前記省電
力機能の実行状態から復帰する場合には前記動作確認処
理を実行しないように構成している。
【0021】このようにすれば、省電力機能を実行して
いない状態である電源コードと商用電源の非接続状態
で、これらを接続状態とし、かつ、特定のスイッチを操
作された場合のみ、出荷の際やメンテナンスの際に製造
メーカでの作業者のみが使用する動作確認処理を実行す
る。そのため、ユーザがスイッチを操作して電源回路の
動作を復帰させた場合には、前記動作確認処理が不用意
に実行される可能性を無くすことができる。
【0022】また、前記省電力機能の実行中に、その状
況を表示する表示パネルを設けることが好ましい。この
ようにすれば、ユーザが商用電源と非接続状態か、省電
力機能の実行状態かを容易に判断できるため、使用上の
利便性を向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1は、本発明の実施形態である炊
飯器1を示す。この炊飯器1は誘導加熱方式であり、内
鍋2と、該内鍋2を収容する本体3と、該本体3に回動
可能に取り付けられる蓋体4とからなる。そして、前記
本体3には、加熱手段である誘導加熱コイル5と、内鍋
用温度センサ6と、回路基板30とが配設されている。
また、前記蓋体4の内部には、蓋ヒータ7と、内鍋2の
内部温度を検出する蓋体用温度センサ8とが配設された
周知の構成のものである。
【0024】前記本体3の正面には、図2に示すよう
に、中央に配設された液晶表示部10の回りに複数のス
イッチの操作部20〜26を配設した表示パネル9が取
り付けられている。
【0025】前記液晶表示部10は、後述するマイコン
66が内蔵したドライバによって表示するセグメント表
示方式のもので、時計表示11、その時計表示11が現
在時刻であることを示す現在表示12、午前表示13お
よび午後表示14、その時計表示11が残り炊飯時間で
あることを示す分表示15および時間表示16、液晶表
示部10の回りに設けた炊飯メニュー表示に対応する印
表示17、予約炊飯設定中であることを示す予約表示1
8、および、省電力機能を実行中であることを示す省電
力表示19を備えている。
【0026】前記スイッチの操作部20〜26として
は、動作の実行スイッチである炊飯スイッチ41の操作
部20および保温スイッチの操作部21が配設されてい
る。また、炊飯条件等の設定スイッチである予約スイッ
チの操作部22、とりけしスイッチの操作部23、メニ
ュースイッチ42の操作部24、時スイッチの操作部2
5、分スイッチの操作部26が配設されている。本実施
形態では、これらのスイッチは、安価な1接点型の常開
スイッチを用いている。
【0027】本実施形態の回路基板30は、図3に示す
ように、直流電源回路31と、電源制御回路35と、電
源起動回路40と、負荷部品の駆動回路46と、電池回
路47と、ゼロクロス回路51と、電源接続検知回路6
0と、マイコン66とを備えている。
【0028】前記直流電源回路31は、降圧型チョッパ
ー方式等の周知の方法により降圧させて直流低電圧を得
るスイッチング電源回路からなり、交流電流を整流する
ダイオード32と抵抗33を介して商用電源34に接続
されている。この直流電源回路31は、前記商用電源3
4の側に接続する入力ポート31aと、5Vの直流電圧
を出力する直流電流出力ポート31bと、動作および停
止の基準となる定電流出力ポート31cとを備えてい
る。なお、スイッチング電源回路の代わりにトランス方
式のものや、抵抗降圧方式のものを用いてもよく、ま
た、電源ICを用いてもよい。
【0029】前記電源制御回路35は、前記直流電源回
路31からの電力の出力状態を維持または停止するもの
で、電解コンデンサ36と、スイッチング素子であるト
ランジスタ37とを備えている。電解コンデンサ36
は、例えば約30秒で完全放電する容量のものが用いら
れ、その正極側が前記直流電源回路31の定電流出力ポ
ート31cに接続され、負極側がアースされている。ト
ランジスタ37は、ベースがマイコン66に接続され、
コレクタが電解コンデンサ36と定電流出力ポート31
cの間に接続され、エミッタがアースされている。ま
た、このトランジスタ37のベースには、抵抗38を介
して直流電源Vccが接続されるとともに、抵抗39を
介してアースされている。
【0030】前記電源起動回路40は、商用電源34に
電源コードが接続され、かつ、直流電源回路31から電
力が出力されていない状態(省電力機能の実行状態)
で、該直流電源回路31から電力の出力を開始させるも
のである。この電源起動回路40は、その起動スイッチ
として、前記表示パネル9に配設した複数のスイッチの
うち、本実施形態では、動作の実行スイッチである炊飯
スイッチ41、および、炊飯条件等の設定スイッチであ
るメニュースイッチ42が適用され、これらが操作され
ると、直流電源回路31が電力の出力を開始するように
なっている。これらのスイッチ41,42は、一方の接
続端子がダイオード43a,43bを介してマイコン6
6に接続されるとともに、ダイオード44a,44bを
介して電源制御回路35の電解コンデンサ36と電源回
路の定電流出力ポート31cの間に接続され、他方の接
続端子がアースされている。また、前記ダイオード43
a,43bの下流側は、それぞれ抵抗45a,45bを
介して直流電源Vccに接続されている。
【0031】前記駆動回路は、それぞれマイコン66に
接続され、該マイコン66からの指示に従って前記各負
荷部品を駆動させるものである。なお、図3では、誘導
加熱コイル5および蓋ヒータ7の駆動回路46のみ図示
している。
【0032】前記バックアップ用の電池回路47は、商
用電源34から電源コードを抜いて非接続状態とした
際、および、省電力機能を実行している際に、マイコン
66に内蔵された時計機能等の電力を供給し続ける必要
がある特定の負荷部品に電力を供給するものである。こ
の電池回路47は、リチウム電池等の充電が不可能な一
次電池48と、抵抗49と、ダイオード50とを直列に
接続してなり、このダイオード50の下流側がマイコン
66に接続されている。
【0033】前記ゼロクロス回路51は、前記直流電源
回路31が動作している状態でマイコン66にゼロクロ
スの方形波を出力するもので、商用電源34に接続され
た抵抗52および抵抗53、これら抵抗52,53に接
続された抵抗54、該抵抗54にベースを接続したトラ
ンジスタ55を備えている。また、このトランジスタ5
5のベースには、抵抗56およびコンデンサ57が接続
され、これらの他端がアースされている。前記トランジ
スタ55は、エミッタがアースされるとともに、コレク
タが抵抗58を介して直流電源Vccに接続されてい
る。かつ、このトランジスタ55のエミッタとコレクタ
間には、コンデンサ59が並列に接続され、このコンデ
ンサ59におけるコレクタとの接続側がマイコン66に
接続されている。
【0034】前記電源接続検知回路60は、電池回路4
7によるバックアップ時に電源コードが商用電源34に
接続されているか否かを検知するもので、電源コードが
商用電源34に接続されている場合には、前記ゼロクロ
ス回路51と同様に、マイコン66にゼロクロスの方形
波を出力するものである。この電源接続検知回路60
は、商用電源34からの交流電流を整流するダイオード
61を備えている。このダイオード61は、抵抗62お
よび抵抗63を介してアースされている。また、これら
抵抗62および抵抗63の間には、マイコン66が接続
されるとともに、電池電源VDDに接続されたダイオード
64およびアースされたツェナダイオード65が接続さ
れている。
【0035】前記マイコン66は、電源入力ポート66
aに直流電源回路31および電池回路47が接続され、
接続ポート66bに電源制御回路35におけるトランジ
スタ37のベースが接続され、接続ポート66cに駆動
回路46が接続され、接続ポート66dがゼロクロス回
路51に接続され、接続ポート66eに電源接続検知回
路60が接続され、接続ポート66fに電源起動回路4
0の炊飯スイッチ41が接続され、接続ポート66gに
電源起動回路40のメニュースイッチ42が接続されて
いる。
【0036】このマイコン66は、直流電源回路31か
ら供給される電力により、記憶されたプログラムに従っ
て、従来と同様に前記誘導加熱コイル5および蓋ヒータ
7等の負荷部品を制御して、予約炊飯を含む所定の炊飯
動作および保温動作を実行するものである。
【0037】また、マイコン66は、製造メーカにおい
て動作確認処理(以下、テストモードと称する。)が実
行され、ユーザの元に至った状態では、電源コードを商
用電源34に接続すると、直流電源回路31から供給さ
れる5Vの直流電圧によって動作する。そして、該マイ
コン66が内蔵した時計機能および液晶表示部10を表
示させるドライバを除き、内蔵した予約タイマを含む全
ての負荷部品が動作していないと判断すると、前記電源
制御回路35を介して直流電源回路31からの電力(5
Vの直流電圧)の出力を停止し、省電力機能を実行して
電池回路47から供給される電力(3Vの直流電圧)に
よってバックアップ状態で動作する。一方、この省電力
機能の実行中(直流電源回路31の出力停止状態)にお
いて、前記電源起動回路40のスイッチ41,42のい
ずれかが操作されると、電気回路的に前記電源制御回路
35を介して前記電源回路から電力を出力させ、その5
Vの直流電圧によって動作するようになっている。
【0038】さらに、本実施形態では、マイコン66
は、省電力機能の実行中において、直流電源回路31の
動作が復帰すると、操作されたスイッチ41,42を判
別して記憶した後、自身の初期設定動作を実行するよう
になっている。さらに、マイコン66は、電池回路47
によるバックアップ時間をカウントし、そのバックアッ
プ時間が所定時間を越えると前記省電力機能を実行可能
とする一方、電池回路47によってバックアップが不可
能になると自動的にリセットされ、省電力機能を実行不
可能とするようになっている。さらに、マイコン66
は、省電力機能を実行している際には、内蔵したドライ
バを介して前記液晶表示部10における省電力表示19
を表示させるようになっている。
【0039】次に、前記炊飯器1の回路基板30におけ
る電力供給について説明する。まず、前記炊飯器1は、
ユーザの元に至った状態では、電池回路47から出力さ
れる電力がマイコン66に供給され、該マイコン66が
バックアップ状態で動作している。
【0040】そして、図4に示すように、ユーザが電源
コードを商用電源34に差し込むと、図5に示すよう
に、直流電源回路31は、定電流出力ポート31cから
定電流の出力を開始する。また、電源接続検知回路60
から接続ポート66eにゼロクロス周波が出力される。
【0041】そうすると、電源制御回路35は、電解コ
ンデンサ36が充電を開始する。ここで、この状態での
電解コンデンサ36は、電荷が零(空)の状態である。
そのため、図示のように、前記出力された定電流は貫通
電流となって電解コンデンサ36を貫通し、前記定電流
出力ポート31cを短絡させることになる。
【0042】これにより、前記直流電源回路31は、ス
イッチング動作を開始し、直流電流出力ポート31bか
ら電力(5Vの直流電圧)の出力を開始する。
【0043】そして、マイコン66は、図6に示すよう
に、電源入力ポート66aに前記直流電源回路31から
出力された5Vの直流電圧が供給されることにより、接
続ポート66bをHiインピーダンスな状態とする。
【0044】これにより、電源制御回路35では、トラ
ンジスタ37のベースの電圧がしきい値を越えてオン状
態となる。
【0045】その結果、直流電源回路31は、定電流出
力ポート31cがトランジスタ37を介して短絡状態を
維持するようになるため、スイッチング動作を継続し、
直流電流出力ポート31bからの電力の出力を維持す
る。
【0046】そして、マイコン66では、製造メーカに
おいて出荷時に行われるテストモードの実行スイッチが
操作されているか否かを判断した後、マイコン66自身
の初期設定処理を行う。なお、このマイコン66の動作
は、後で詳細に説明する。
【0047】このようにして、炊飯器1は、次の操作を
受付可能な操作受付待機状態になり、製造メーカでは、
テストモードによる最終設定を行い、使用する家庭で
は、各スイッチを操作することによって、前記マイコン
66から駆動回路46に動作信号を出力して予約を含む
炊飯可能な状態になる。
【0048】次に、マイコン66が内蔵した予約タイマ
を含む前記全ての負荷部品が動作していない待機状態
で、ユーザが電源コードを商用電源34から抜き、非接
続状態とした際の通電について説明する。
【0049】図7に示すように、まず、ユーザが商用電
源34と非接続状態とすると、直流電源回路31では、
定電流出力ポート31cからの出力を停止する。そし
て、この直流電源回路31は、スイッチング動作を停止
し、直流電流出力ポート31bから電力(5Vの直流電
圧)の出力を停止する。
【0050】そうすると、マイコン66は、図8に示す
ように、5Vの直流電圧の供給が遮断され、電池回路4
7からの3Vの直流電圧が供給されるようになる。これ
により、このマイコン66は、接続ポート66bをHi
インピーダンスな状態からLoな状態とする。なお、こ
の状態で、マイコン66は接続ポート66d,66eの
いずれにもゼロクロス周波が入力されないため、商用電
源34と非接続状態になったことを判別する。
【0051】そうすると、電源制御回路35は、トラン
ジスタ37がオフ状態となる。そして、炊飯器1自体
は、停電状態となる。
【0052】次に、マイコン66が省電力機能を実行し
た際の電力供給について説明する。図9に示すように、
まず、マイコン66が内蔵した予約タイマを含む前記全
ての負荷部品が動作していない待機状態になると、マイ
コン66は、省電力機能実行判断を実行し、実行可能な
状態であると判断すると、接続ポート66bをHiイン
ピーダンスな状態からLoな状態とする。
【0053】そうすると、電源制御回路35では、図1
0に示すように、トランジスタ37がオフ状態になり、
直流電源回路31の定電流出力ポート31cからの定電
流が電解コンデンサ36に供給され、該電解コンデンサ
36が充電を開始する。この状態では、ゼロクロス回路
51および電源接続検出回路60には電力が通電され、
マイコン66の接続ポート66d,66eにゼロクロス
周波を出力している。
【0054】そして、直流電源回路31では、前記電解
コンデンサ36の充電により、その電圧が定電流出力ポ
ート31cが遮断される電圧のしきい値を越えると、該
定電流出力ポート31cが遮断される。これにより、該
直流電源回路31は、スイッチング動作を停止し、その
結果、直流電流出力ポート31bからの電力の出力が停
止する。
【0055】そうすると、図11に示すように、マイコ
ン66には、直流電源回路31から供給される5Vの直
流電圧が断たれ、電池回路47からの3Vの直流電圧が
供給される。また、接続ポート66dにゼロクロス回路
51からのゼロクロス周波が断たれ、接続ポート66e
にのみ電源接続検知回路60からのゼロクロス周波が供
給される。これにより、マイコン66は、商用電源34
との接続状態で省電力機能を実行していることを判別で
き、図示のように、表示パネル9における省電力表示1
9を表示させる。
【0056】その結果、炊飯器1は、直流電源回路31
から各負荷部品に電流が供給されなくなり、省電力機能
のモードとなる。
【0057】このように、本実施形態の炊飯器1では、
省電力機能の実行状態で、電源回路からの電力の出力が
完全に停止するため、従来例と比較してより待機状態で
の商用電源34の消費を削減することができる。具体的
には、本実施形態では、この省電力機能の実行中には、
消費電力を約0.1Wまで低減することができる。
【0058】次に、前記炊飯器1において、省電力機能
の実行状態から直流電源回路31が動作を復帰する際の
電力供給について説明する。省電力機能の実行中に、図
12に示すように、炊飯スイッチ41の操作部20また
はメニュースイッチ42の操作部24が操作されると、
図13に示すように、直流電源回路31では、定電流出
力ポート31cが短絡する。なお、図示では、メニュー
スイッチ42が操作された状態を示す。また、この状態
では、マイコン66の接続ポート66dには、ゼロクロ
ス回路51からのゼロクロス周波は入力されていない。
【0059】これにより、前記直流電源回路31は、前
記と同様にスイッチング動作を開始し、直流電流出力ポ
ート31bから電力(5Vの直流電圧)の出力を開始す
る。
【0060】そうすると、前記直流電源回路31からの
5Vの直流電圧により、電池回路47からの3Vの直流
電圧の通電が遮断され、マイコン66には、直流電源回
路31からの電力が供給される。そして、このマイコン
66は、接続ポート66bをHiインピーダンスな状態
とする。また、この状態では、マイコン66の接続ポー
ト66dには、ゼロクロス回路51からのゼロクロス周
波が入力される。
【0061】これにより、図14に示すように、電源制
御回路35では、トランジスタ37のベースの電圧がし
きい値を越えてオン状態となる。
【0062】その結果、直流電源回路31は、定電流出
力ポート31cがトランジスタ37を介して短絡状態を
維持するようになるため、スイッチング動作を継続し、
直流電流出力ポート31bからの電力の出力を維持す
る。
【0063】そして、マイコン66では、接続ポート6
6f,66gの電圧変化により、炊飯スイッチ41とメ
ニュースイッチ42のいずれが操作されたかを判別した
後、自身の初期設定処理を行う。
【0064】このようにして、炊飯器1は、スイッチ操
作による遷移状態となる。例えば、操作されたスイッチ
がメニュースイッチ42である場合には、次の操作を受
付可能なメニュー設定状態になり、炊飯条件の設定を受
け付ける。なお、電源回路の動作は、スイッチング電源
回路の代わりにトランス方式の電源回路または抵抗降圧
方式の電源回路を適用した場合でも同様である。
【0065】次に、前記炊飯器1のマイコン66による
制御について具体的に説明する。電源を投入すると、マ
イコン66は、図15に示すように、まず、ステップS
1で、図4および図12に示す操作されたスイッチの判
別と自身の初期設定処理を含む起動処理を行う。
【0066】そして、前記起動処理が終了すると、ステ
ップS2で、直流電源回路31の動作が復帰した際に操
作されたスイッチがあるか否かを示すfaに1が入力さ
れているか否かを検出する。そして、faが1である場
合(操作スイッチがある場合)にはステップS3に進
み、faを0として後述するステップS12に進み、f
aが1でない場合(操作スイッチがない場合)にはステ
ップS4に進む。
【0067】ステップS4では、商用電源34と非接続
状態とすることによって、ゼロクロス回路51から接続
ポート66dへのゼロクロス周波が遮断されたか否かを
検出し、遮断された場合にはステップS5に進み、遮断
されない場合にはステップS11に進む。
【0068】ステップS5では、電池回路47からの電
力(3Vの直流電圧)によってマイコン66自身が行う
周知の停電処理を実行してステップS6に進む。なお、
この状態で、電池回路47の一次電池48が消耗してバ
ックアップ不可能な状態では、該マイコン66への供給
電力が全く断たれるため、機械的に後述するfbをリセ
ット(fb=0)とするとともに、内蔵された時計をリ
セットし、電源が投入されるまで待機する。
【0069】ステップS6では、省電力機能を実行して
も良い状態か悪い状態かを示すfbに1が入力されてい
るか否かを検出し、fbが1でない場合(省電力機能の
実行不可状態)にはステップS7に進み、省電力機能実
行可否判断処理を行ってステップS8に進み、fbが1
である場合(省電力機能の実行可能状態)にはステップ
S7をスキップしてステップS8に進む。
【0070】ステップS8では、省電力機能を実行中で
あることを示すfcに1が入力されているか否かを検出
し、fcが1である場合(省電力機能の実行状態)には
ステップS9に進み、省電力表示処理を行ってステップ
S10に進み、fcが1でない場合(商用電源との非接
続状態)にはステップS9をスキップしてステップS1
0に進む。
【0071】ステップS10では、ゼロクロス回路51
からのゼロクロス周波が接続ポート66dに入力された
か否かを検出し、入力された場合にはステップS1に戻
る。また、入力されない場合にはステップS5に戻り、
接続ポート66dにゼロクロス周波が入力されるまでス
テップS5からステップS10を繰り返す。
【0072】一方、前記ステップS4でゼロクロス回路
51から接続ポート66dへのゼロクロス周波が遮断さ
れない場合には、ステップS11で、表示パネル9のい
ずれかのスイッチが操作されたか否かを検出し、操作を
検出した場合にはステップS12に進む。また、操作を
検出しない場合には後述するステップS16に進む。
【0073】ステップS12では、操作されたスイッチ
に応じた入力処理を行ってステップS13に進む。
【0074】図16に示すように、ステップS13で
は、前記操作されたスイッチが「とりけし」スイッチで
あるか否かを検出し、「とりけし」スイッチでない場合
にはステップS14に進み、「とりけし」スイッチであ
る場合には後述するステップS14からステップS16
をスキップしてステップS17に進む。
【0075】ステップS14では、通常の炊飯および予
約炊飯を含む実行動作が確定されたか否かを検出し、確
定された場合にはステップS15に進み、確定されてい
ない場合には、ステップS4に戻る。なお、前記実行動
作の確定とは、本実施形態では、前記操作されたスイッ
チが炊飯スイッチ41であることを示す。
【0076】ステップS15では、前記確定した動作を
実行する。即ち、確定した動作が通常の炊飯である場合
には、ユーザが設定したメニューの炊飯フローに従って
周知の方式で炊飯動作を行う。また、予約炊飯である場
合には、ユーザが設定した炊き上げ時間に応じて予約タ
イマを動作させ、予約タイマがカウントアップすると、
設定したメニューの炊飯フローに従って周知の方式で炊
飯動作を行う。そして、前記炊飯動作が終了すると、マ
イコン66は保温動作を実行する。この状態で、ユーザ
がとりけしスイッチを操作すると、マイコン66は保温
動作を終了し、炊飯動作、保温動作、予約炊飯における
タイマカウント動作のいずれの動作も完了し、待機状態
となる。
【0077】そして、前記動作が完了した場合、また
は、前記ステップS11でスイッチの操作がない場合、
ステップS16で、待機状態であるか否かを検出する。
そして、待機状態である場合にはステップS17に進
み、待機状態でない場合にはステップS15に戻る。な
お、ステップS11からこのステップS16に至った場
合には、スイッチ操作を待つ待機状態と判断され、ステ
ップS17に進む。
【0078】ステップS17では、省電力機能を実行し
ても良い状態か悪い状態かを示すfbに1が入力されて
いるか否かを検出し、fbが1でない場合にはステップ
S4に戻り、fbが1である場合にはステップS18に
進む。
【0079】ステップS18では、前記図9に示す省電
力機能実行判断処理である20秒タイマを動作させる。
なお、前記タイマによってカウントする時間は希望に応
じて変更可能である。
【0080】そして、ステップS19で、前記20秒タ
イマがカウントアップしたか否かを検出する。そして、
20秒タイマがカウントアップした場合にはステップS
20に進み、接続ポート66bをHiインピーダンスな
状態からLoな状態とした後、ステップS21で、省電
力機能を実行中であることを示すfcに1を入力してス
テップS5に進む。また、20秒タイマがカウントアッ
プしていない場合にはステップS22に進み、表示パネ
ル9のいずれかのスイッチが操作されたか否かを検出
し、操作を検出した場合にはステップS23に進み、2
0秒タイマをリセットした後にステップS12に進み、
操作を検出しない場合にはステップS19に戻る。
【0081】このように、本発明の炊飯器1では、電池
回路47によるバックアップ可能な状態で、かつ、待機
状態が20秒以上継続しない場合には、省電力機能を実
行しない。また、これらの条件をクリアして省電力機能
を実行すると、前記のように、直流電源回路31からの
電力が完全に停止するため、単位時間当たりの消費電力
を約0.1Wに抑えることができる。
【0082】次に、前記マイコン66の起動処理につい
て説明する。商用電源と接続状態になり、または、スイ
ッチ操作によって省電力機能が解除され、電源入力ポー
ト66aに5Vの直流電圧および接続ポート66dにゼ
ロクロス周波が入力されると、マイコン66は、図17
に示すように、まず、ステップS30で、接続ポート6
6bをLoな状態からHiインピーダンスな状態とす
る。これにより、前述のように、直流電源回路31から
の電力(5Vの直流電圧)の供給が継続される。
【0083】ついで、ステップS31で、省電力機能を
実行しても良い状態か悪い状態かを示すfbに1が入力
されているか否かを検出する。そして、fbが1でない
場合にはステップS32に進み、バックアップカウンタ
をストップしてステップS33に進み、fbが1である
場合にはステップS32をスキップしてステップS33
に進む。
【0084】ステップS33では、スイッチが操作され
ているか否かを検出し、操作されている場合にはステッ
プS34に進み、操作されていない場合には、後述する
ステップS34からステップS36をスキップしてステ
ップS37に進む。
【0085】ステップS34では、操作スイッチを判別
した後、ステップS35で、判別した操作スイッチをメ
モリに記憶する。そして、ステップS36で、この電源
復帰の際に操作されたスイッチがあることを示すfaに
1を入力してステップS37に進む。なお、前記ステッ
プS30からステップS34に至るまでに必要な時間
は、約0.05秒である。そのため、ユーザが普通に操
作した場合、必ずいずれのスイッチを操作したかを判別
することができる。
【0086】図18に示すように、ステップS37で
は、省電力機能を実行中であることを示すfcに1が入
力されているか否かを検出し、fcが1である場合(省
電力機能の実行状態)にはステップS38に進み、fc
が1でない場合(商用電源と接続した状態)にはステッ
プS46に進む。
【0087】ステップS38では、表示パネル9の省電
力表示19を非表示とした後、ステップS39で、前記
fcを0とする。
【0088】その後、ステップS40で、RAMが既に
初期化されているか否かを検出し、初期化済みでない場
合にはステップS41に進み、RAMの初期化処理を実
行してステップS42に進む。また、既に初期化済みで
ある場合にはステップS41をスキップしてステップS
42に進む。
【0089】ステップS42では、周波数判別処理を実
行した後、ステップS43で、AD入力読込処理を実行
する。そして、ステップS44で、ADが確定したか否
かを検出し、確定した場合にはステップS45に進み、
各ポート66b〜66gの設定処理を実行してリターン
する。また、ADが確定していない場合にはステップS
43に戻り、確定するまで繰り返す。
【0090】なお、前記RAMの初期化処理、周波数判
別処理、AD入力読込処理、および、ポート設定処理
は、周知のマイコン66が実行する処理である。また、
これらの処理(ステップS40からステップS45)を
実行するまでに必要な時間は、使用するマイコン66の
機能によって多少異なるが、0.4秒から0.5秒程度
の時間を必要とする。そのため、前記ステップS34の
操作スイッチの判別より先に、これらの設定動作を実行
するようにした場合、ユーザは約1秒程度スイッチを操
作し続けなければ、ワンアクションで操作したスイッチ
を認識させ、希望の動作を実行させることはできない。
【0091】一方、前記ステップS37で、fcが1で
ない場合にはステップS46で、faに1が入力されて
いるか否かを検出する。そして、faが1である場合に
はステップS47に進み、faが1でない場合にはステ
ップS40に進む。
【0092】ステップS47では、操作されたスイッチ
がテストモードを実行するスイッチであるか否かを判断
する。そして、テストモードの実行スイッチである場合
にはステップS48に進み、周知のテストモード処理を
実行した後にリターンする。また、操作されたスイッチ
がテストモードの実行スイッチでない場合にはステップ
S49に進み、faを0としてステップS40に進む。
【0093】このように、本発明の炊飯器1では、省電
力機能の実行中には、直流電源回路31からの出力を完
全に停止するようにしているため、マイコン66にとっ
ては、省電力機能を実行している状態と、商用電源34
との非接続状態では、同一の環境であるが、商用電源3
4との接続状態を検知する検知手段として電源接続検知
回路60を設けているため、商用電源34との接続状態
を検知することができる。そのため、前記のように、電
源コードを商用電源34に接続し、かつ、特定のスイッ
チを操作した時のみ、出荷の際やメンテナンスの際に製
造メーカでの作業者のみが使用するテストモードを実行
するようにできる。その結果、ユーザがスイッチを操作
して電源回路の動作を復帰させた場合には、前記テスト
モードが不用意に実行される可能性を無くすことができ
る。
【0094】また、製造メーカでの出荷時には、作業者
は複数の炊飯器1を設定する必要があるが、テストモー
ドを実行することにより、バックアップ時間がリセット
されるため、作業中に省電力機能が実行されることによ
る作業時間の無駄を防止できる。
【0095】さらに、省電力機能の実行状態でスイッチ
操作することによって直流電源回路31を復帰させる際
には、前述のように、操作されたスイッチ41,42を
判別した後に、該マイコン66自身の初期設定動作を実
行するようにしている。そのため、ユーザは、スイッチ
をワンアクションで操作するだけで、確実に電源を復帰
させるとともにマイコン66を立ち上げ、希望の動作を
実行させることができる。
【0096】次に、マイコン66による省電力機能実行
可否判断処理について説明する。例えば、一次電池48
の電力が消耗してバックアップ不可能になった場合、電
池回路47によるバックアップ時間は零にリセットされ
る。この状態で、商用電源34と非接続状態とし、一次
電池48を交換すると、マイコン66は、図19に示す
ように、まず、ステップS50で、バックアップカウン
タをスタートさせる。なお、本実施形態では、バックア
ップカウンタによるカウント時間を60秒としている
が、その時間は希望に応じて変更可能である。
【0097】ついで、ステップS51で、バックアップ
カウンタがカウントアップしたか否かを検出する。そし
て、カウントアップした場合にはステップS52に進
み、バックアップカウンタをリセットした後、ステップ
S53で、fbに1を入力して省電力機能を実行できる
状態としてリターンする。また、カウントアップしてい
ない場合にはステップS52,S53をスキップしてリ
ターンする。
【0098】このように、本実施形態では、省電力機能
を実行する条件の1つとして、電池回路47によるバッ
クアップ時間が60秒を越えている状態であるようにし
ている。そして、この電池回路47によってバックアッ
プ不可能な状態になると、前記バックアップ時間は機械
的にリセットされるため、省電力機能の実行が不可能に
なる。その結果、商用電源34に電源コードを接続して
いるにも拘わらず、省電力機能を実行することにより現
時刻がリセットされるという不都合を防止できる。
【0099】次に、マイコン66による省電力表示処理
について説明する。省電力機能を実行すると、マイコン
66は、図20に示すように、まず、ステップS60
で、省電力表示19が表示中であることを示すfdが、
今回の省電力機能において1(表示)から0(非表示)
になっているか否かを検出する。そして、fdが1から
0になっている場合にはリターンし、fdが1から0に
なっていない場合にはステップS61に進む。即ち、こ
のfdは、省電力機能を実行して初めて図示のサブルー
チンに移行した場合には0であり、それ以後に移行した
場合には1である。
【0100】ステップS61では、電源接続検知回路6
0からのゼロクロス周波が接続ポート66eに入力され
ているかを60秒毎に検出するための60秒タイマが動
作中であるか否かを検出する。そして、動作中でない場
合にはステップS62に進み、60秒タイマを動作させ
てステップS64に進む。また、動作中である場合には
ステップS63に進み、60秒タイマがカウントアップ
したか否かを検出し、カウントアップした場合にはステ
ップS64に進み、カウントアップしていない場合には
リターンする。
【0101】ステップS64では、60秒タイマを停止
した後、ステップS65で、前記電源接続検知回路60
からのゼロクロス周波が接続ポート66eに入力されて
いるか否かを検出する。そして、ゼロクロス周波が入力
されている場合にはステップS66に進み、省電力表示
19を表示させた後、ステップS67で、前記fdに1
を入力してリターンする。また、ゼロクロス周波が入力
されていない場合にはステップS68に進み、省電力表
示19を非表示させた後、ステップS67で、前記fd
に0を入力してリターンする。
【0102】このように、本発明の炊飯器1では、前記
省電力機能の実行中には、その状況を表示パネル9に表
示するため、ユーザが商用電源34と非接続状態か、省
電力機能の実行状態かを容易に判断でき、使用上の利便
性を向上できる。
【0103】なお、本発明の炊飯器1は前記実施形態に
限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、
炊飯スイッチ41とメニュースイッチ42の2つのみを
省電力機能からの電源復帰用のスイッチとしたが、表示
パネル9に搭載する全てのスイッチを起動用のスイッチ
としてもよい。
【0104】この場合、図2に示すように、本実施形態
のスイッチは7つであるため、図21に示すように、こ
れらの複数のスイッチは、3×3等のマトリクス回路を
構成するようにそれぞれ接続する。このようにすれば、
電気回路の構成部品点数の削減を図ることができる。
【0105】また、前記実施形態の炊飯器1では、時計
機能等の電力を供給し続ける必要がある負荷部品を搭載
したものであるが、このような負荷部品が不要である場
合には、図3に示す電池回路47と、ゼロクロス回路5
1と、電源接続検知回路60を搭載しない構成とする。
このように構成した炊飯器1は、電気回路的に、直流電
源回路31からの電力の出力を完全に停止できる省電力
機能を搭載したものとすることができる。
【0106】逆に、時計機能等の電力を供給し続ける必
要がある負荷部品を搭載した炊飯器1において、該電池
回路47によって前記負荷部品に電力の供給ができなく
なると、前記省電力機能を実行不可能とする構成は、省
電力機能の実行状態において、直流電源回路31からの
電力の出力を完全に停止するように構成したものであれ
ば、どのような回路構成のものでも適用可能である。
【0107】同様に、時計機能等の電力を供給し続ける
必要がある負荷部品を搭載した炊飯器1において、直流
電源回路31と商用電源34との接続状態を検知する検
知手段を設け、前記商用電源34との非接続状態から接
続状態とし、かつ、特定のスイッチが操作された場合の
み、テストモード(動作確認処理)を実行する構成は、
省電力機能の実行状態において、直流電源回路31から
の電力の出力を完全に停止するように構成したものであ
れば、どのような回路構成のものでも適用可能である。
【0108】さらに、前記実施形態では、電源制御回路
35は、スイッチング素子としてトランジスタを適用し
たが、リレーを適用してもよい。
【0109】さらにまた、前記実施形態では、誘導加熱
方式の炊飯器1に適用したが、電気ヒータによって内鍋
2を直接加熱する方式の炊飯器1にも適用できる。か
つ、前記実施形態では、加熱手段として誘導加熱コイル
5と蓋ヒータ7を配設した構成としたが、蓋ヒータ7の
代わりに胴ヒータを配設した炊飯器1、あるいは、蓋ヒ
ータ7と胴ヒータの両方を配設した炊飯器等にも適用可
能である。
【0110】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の炊飯器では、従来例のように、省電力機能の実行状態
では電源回路から特定の負荷部品に電力を出力するので
はなく、完全に電力の出力を停止するため、前記省電力
機能の実行状態において、商用電源の消費を大幅に低減
することができる。さらに、電源回路からの電力の出力
停止状態で特定の負荷部品に電力を供給する電池回路を
設けているため、省電力機能の実行状態で時計機能等の
電力を供給し続ける必要がある負荷部品には電力を供給
することができ、電源回路からの電力の出力を完全に停
止しても、現時刻がリセットされる等の不都合が生じる
ことはない。また、前記電池回路によって負荷部品に電
力の供給ができなくなると、前記省電力機能を実行不可
能とするよう構成しているため、商用電源に電源コード
を接続しているにも拘わらず、省電力機能を実行するこ
とにより現時刻がリセットされる等の不都合を防止でき
る。
【0111】しかも、前記電池回路は、充電不可能の一
次電池を用いたもので、該一次電池によるバックアップ
時間をカウントし、そのバックアップ時間が所定時間を
越えると前記省電力機能を実行可能としている。そし
て、製造メーカでは、出荷前に多量の炊飯器の初期設定
を行う際には前記マイコンはリセットされるため、この
作業中に省電力機能が実行されることによる作業時間の
無駄を防止できる。また、一次電池によってバックアッ
プ不可能になった場合には、前記と同様に、通電が遮断
されるとマイコンはリセットされるため、この状態での
省電力機能の実行を確実に防止できる。
【0112】また、マイコンは、電源回路からの電力の
出力停止状態でスイッチが操作されると、その操作され
たスイッチを判別した後に記憶し、マイコン自身の初期
設定動作を実行した後、記憶したスイッチに応じて負荷
部品を制御するように構成している。そのため、ユーザ
がワンアクションのスイッチ操作をするだけで、電気回
路的に確実に電源を復帰させるとともにマイコンを立ち
上げ、希望の動作を実行させることができる。
【0113】さらにまた、このように電池回路を設けて
バックアップ可能とした炊飯器では、電源回路と商用電
源との接続状態を検知する検知手段を設け、前記商用電
源との非接続状態から接続状態とし、かつ、特定のスイ
ッチが操作された場合のみ、出荷の際やメンテナンスの
際に製造メーカでの作業者のみが使用する動作確認処理
を実行できるようにしている。そのため、省電力機能の
実行状態で、ユーザがスイッチを操作して電源回路の動
作を復帰させた場合に、前記動作確認処理が不用意に実
行される可能性を無くすことができる。
【0114】そして、バックアップ用の電池回路を搭載
した炊飯器では、省電力機能の実行中に、その状況を表
示する表示パネルを設け、ユーザが商用電源と非接続状
態か、省電力機能の実行状態かを容易に判断できるよう
にしているため、使用上の利便性を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の炊飯器を示す概略図であ
る。
【図2】 炊飯器の表示パネルを示す正面図である。
【図3】 炊飯器の回路基板を示す回路図である。
【図4】 商用電源に接続した際の回路基板の動作を示
すシステムフローチャートである。
【図5】 図4の一工程の通電状態を示す回路図であ
る。
【図6】 図4の他の一工程の通電状態を示す回路図で
ある。
【図7】 商用電源との接続を解除した際の回路基板の
動作を示すシステムフローチャートである。
【図8】 図7の通電状態を示す回路図である。
【図9】 省電力機能を実行した際の回路基板の動作を
示すシステムフローチャートである。
【図10】 図9の一工程の通電状態を示す回路図であ
る。
【図11】 図9の他の一工程の通電状態を示す回路図
である。
【図12】 省電力機能の実行状態から起動する際の回
路基板の動作を示すシステムフローチャートである。
【図13】 図12の一工程の通電状態を示す回路図で
ある。
【図14】 図12の他の一工程の通電状態を示す回路
図である。
【図15】 供給される電力に応じたマイコンの動作を
示すフローチャートである。
【図16】 図15の続きのフローチャートである。
【図17】 図15の起動処理のフローチャートであ
る。
【図18】 図17の続きのフローチャートである。
【図19】 図15の省電力実行判断処理のフローチャ
ートである。
【図20】 図15の省電力表示処理のフローチャート
である。
【図21】 本発明の実施形態である炊飯器の回路基板
の変形例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…炊飯器、2…内鍋、3…本体、4…蓋体、5…誘導
加熱コイル、6…内鍋用温度センサ、7…蓋ヒータ、8
…蓋体用温度センサ、9…表示パネル、10…液晶表示
部、19…省電力表示、30…回路基板、31…直流電
源回路、34…商用電源、35…電源制御回路、40…
電源起動回路、41…炊飯スイッチ、42…メニュース
イッチ、46…駆動回路、47…電池回路、48…一次
電池、51…ゼロクロス回路、60…電源接続検知回
路、66…マイコン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−276344(JP,A) 特開 平10−304597(JP,A) 特開 平10−94478(JP,A) 特開 平10−89698(JP,A) 特開 昭61−66022(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00 103 A47J 27/00 109

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温
    度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を制御する駆動回
    路と、前記負荷部品および駆動回路に電力を供給する電
    源回路と、ユーザが操作する複数のスイッチと、操作さ
    れたスイッチに応じて前記駆動回路を介して負荷部品を
    制御するマイコンとを備えた炊飯器において、 前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断
    すると前記電源回路から電力の出力を停止する一方、こ
    の電力の出力停止状態でスイッチが操作されると前記電
    源回路から電力を出力させる省電力機能を設けるととも
    に、前記電源回路からの電力の出力停止状態で特定の負
    荷部品に電力を供給する電池回路を設け、該電池回路に
    よって前記特定の負荷部品に電力の供給ができなくなる
    と、前記省電力機能を実行不可能とするようにし、か
    つ、 前記電池回路として、充電不可能の一次電池を用い、該
    一次電池によるバックアップ時間をカウントし、そのバ
    ックアップ時間が所定時間を越えると前記省電力機能を
    実行可能とすることを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温
    度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を制御する駆動回
    路と、前記負荷部品および駆動回路に電力を供給する電
    源回路と、ユーザが操作する複数のスイッチと、操作さ
    れたスイッチに応じて前記駆動回路を介して負荷部品を
    制御するマイコンとを備えた炊飯器において、 前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断
    すると前記電源回路から電力の出力を停止する一方、こ
    の電力の出力停止状態でスイッチが操作されると前記電
    源回路から電力を出力させる省電力機能を設けるととも
    に、前記電源回路からの電力の出力停止状態で特定の負
    荷部品に電力を供給する電池回路を設け、該電池回路に
    よって前記特定の負荷部品に電力の供給ができなくなる
    と、前記省電力機能を実行不可能とするようにし、か
    つ、 前記電源回路からの電力の出力を維持または停止する電
    源制御回路を備え、 前記マイコンは、前記電源制御回路を介して前記省電力
    機能の実行および復帰を行っており、この復帰時には前
    記複数のスイッチのうち操作されたスイッチを判別した
    後に記憶し、マイコン自身の初期設定動作を実行した
    後、前記記憶したスイッチに応じて負荷部品を制御する
    ようにしたことを特徴とする炊飯器。
  3. 【請求項3】 内鍋と、該内鍋を加熱する加熱手段や温
    度センサ等の負荷部品と、各負荷部品を制御する駆動回
    路と、前記負荷部品および駆動回路に電力を供給する電
    源回路と、ユーザが操作する複数のスイッチと、操作さ
    れたスイッチに応じて前記駆動回路を介して負荷部品を
    制御するマイコンとを備えた炊飯器において、 前記マイコンが全ての負荷部品が非動作中であると判断
    すると前記電源回路から電力の出力を停止する一方、こ
    の電力の出力停止状態でスイッチが操作されると前記電
    源回路から電力を出力させる省電力機能を設けるととも
    に、前記電源回路からの電力の出力停止状態で特定の負
    荷部品に電力を供給する電池回路を設け、該電池回路に
    よって前記特定の負荷部品に電力の供給ができなくなる
    と、前記省電力機能を実行不可能とするようにし、か
    つ、 前記マイコンは、商用電源との接続時に特定のスイッチ
    が操作されると実行する自身の動作確認処理を備え、 前記電源回路と商用電源との接続状態を検知する検知手
    段を更に設け、前記商用電源との非接続状態から接続状
    態とし、かつ、特定のスイッチが操作された場合に前記
    動作確認処理を実行する一方、前記電源回路と商用電源
    との接続状態で、前記省電力機能の実行状態から復帰す
    る場合には前記動作確認処理を実行しないようにしたこ
    とを特徴とする炊飯器。
  4. 【請求項4】 前記省電力機能の実行中に、その状況を
    表示する表示パネルを設けたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の炊飯器。
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