JP3655677B2 - 共焦点走査型光学顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は共焦点走査型光学顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点走査型光学顕微鏡は、例えば「T.Whilson,”Theory and Practice of Scanning Optical Microscopy”ACADEMICPRESS 1984」で述べられているように、共焦点(コンフォーカル)モードにおいてセクショニング効果を有し、非共焦点(ノンコンフォーカル)モードにおいては通常の顕微鏡と同じ結像特性を有することが知られている。
【0003】
このような、共焦点走査型光学顕微鏡について特開昭61−219919号公報に基ずいて説明する。図6は従来の共焦点走査型光学顕微鏡の第1の例を示す光学系統図である。等価的に点光源と考えられるレーザ光源(図示せず)からの光ビーム50はビームスプリッタ51を通過し第1の光偏向器52に入射する。この光偏向器52は対物レンズ53の瞳54と共役な位置に配置する。
【0004】
光偏向器52は偏向を行っていない場合光ビーム50は光軸55に沿って進む。また、光偏向器52は偏向を行っている場合、即ち光ビーム50を走査する場合、光偏向器52が瞳位置に設けられているので、光ビーム50の方向は軸外主光線56と一致し、光ビーム50の中心も軸外主光線56と一致する。
【0005】
次に、これらの光ビーム50は瞳伝送レンズ57及び58を通って瞳位置に配置された第2の光偏向器59に入射する。この光偏向器59が二次元走査のうちY方向の走査を行うとすると、前記光偏向器52はX方向の走査を行うこととなる。光偏向器52及び59により二次元的に走査された光ビームは、瞳投影レンズ60及び結像レンズ61により対物レンズ53の瞳54に入射せしめられる。
【0006】
そして、これらの光ビームは対物レンズ53によって試料62上に回折で制限される点状光を生じる。光偏向器52及び59によりX−Yの二次元に走査することにより、点状光が試料62を二次元走査する。試料62から反射された光ビームは、対物レンズ53とその瞳54を通り、更に結像レンズ61を通って一旦結像する。この結像面が通常の光学顕微鏡で像を観察する面である。更に光ビームは瞳投影レンズ60により光偏向器59上に戻ってくる。
【0007】
このように反射ビームは、試料62に入射した時と全く同じ経路を逆に通ってビームスプリッタ51に戻り、ビームスプリッタ51により取り出されて検出ビーム67となる。反射ビームが光偏向器59、52を通過して戻ってきているので、軸外を走査しても検出ビーム67は動かない。
【0008】
検出ビーム67は集光レンズ68によって点状に絞られ、点状に絞られた位置にピンホール69を設けてその後方の検出器70で検出すれば、フレアのない、通常の顕微鏡より高解像の画像を得ることができる。また、ピンホール69を設けなくとも通常の画像が得られることは言うまでもない。
【0009】
以上のような、共焦点走査型光学顕微鏡においては、セクショニング効果を持つがために、焦点合わせが困難となる。それらの理由から通常、非共焦点光路、あるいは白色光源により照明される眼視観察光路もしくはTV観察光路が設けられる。
【0010】
図7および図8はそれぞれ異なる従来の共焦点走査型光学顕微鏡の第2および第3の例を示す光学系統図である。まず、図7において、ミラー71は光路上に進退自在に設けられている。ミラー71により反射された検出ビーム67は集光レンズ72により点状に絞られ、検出器73により検出され非共焦点画像を得ることができ、ミラー71を進退させることにより、共焦点画像及び非共焦点画像が選択される。
【0011】
また、図8において、ミラー74は光路上に進退自在に設けられている。白色光源75からの照明光はハーフミラー76を通過し、結像レンズ77、ミラー74を介して、通常の落射照明を行い、TVカメラ78により通常の落射照明観察像を得ることができる。また、ミラー74を進退させることにより、共焦点画像及び落射照明画像が選択される。
【0012】
これらにより、焦点合わせを、非共焦点画像もしくは落射照明画像により行うことができ、通常の顕微鏡観察と同様に焦点合わせが可能な共焦点走査型光学顕微鏡が提供されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、光路切換に際し機械的にミラー71,74を進退させねばならないため、切換にはある一定以上の時間を要する為、観察者にとっては、わずらわしさを感じる。
【0014】
また、ミラー71,74には、進退機構を設ける必要があり、モーター等を用いて切換を電動で行う場合には特に、高価かつ大型化となってしまう。
そこで本発明は、第1の目的は共焦点画像と、非共焦点画像を同時に検出可能であると共に、容易かつ瞬時に共焦点画像と、非共焦点画像とを選択することが可能で、安価かつ小型となる共焦点走査型光学顕微鏡を提供することにある。
【0015】
また第2の目的は、共焦点画像と非共焦点画像及び非共焦点画像と通常顕微鏡の落射照明画像の切換をそれぞれ容易かつ瞬時に行うことができ、安価で小型な共焦点走査型光学顕微鏡を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に従った共焦点走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、前記光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号を出力する第2の検出器と、前記第1及び第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、前記モニタに入力される前記第1および第2の検出器からの画像信号を電気的に切換える切換器と、前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタとを備えた構成である。
【0017】
請求項1に対応する発明によれば、次のような作用効果が得られる。共焦点画像信号を出力する第1の検出器と非共焦点画像信号を出力する第2の検出器を切換器により電気的に切換えてモニタに表示するようにしたので、容易かつ瞬時に共焦点画像と、非共焦点画像とを選択することが可能となり、また機械的に可動する部分を必要としないので、安価かつ小型となる。
【0018】
本発明の第2の観点に従った共焦点走査型光学顕微鏡は、第1の光源と、前記第1の光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、前記第1の光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより前記試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、前記試料上に前記第1の光源とは異なる白色光を出射する第2の光源と、前記第1の光源または前記第2の光源による前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号または落射照明画像信号を出力する第2の検出器と、前記第1および第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、前記モニタに入力される前記第1および第2の検出器からの画像信号を電気的に切換える切換器と、前記第1の光源と前記第2の光源の切換を行う光源切換器と、前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタとを備えた構成である。
【0019】
本発明の第3の観点に従った共焦点走査型光学顕微鏡は、光源と、前記光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、前記光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号を出力する第2の検出器と、前記第1および第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタとを備え、前記第1の検出器からの共焦点画像信号と前記第2の検出器からの非共焦点画像信号を同時に検出可能にした構成である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、図1の光学系統図に示すように構成されている。光源例えばレーザ光源1と、レーザ光源1から発したレーザビーム2を試料11上に集光する対物レンズ10と、対物レンズ10とレーザ光源1の間に配置されていて対物レンズ10に入る光の入射角度を変化させることにより試料11上をそれぞれ直交する方向に走査する二つの光偏向部材例えばガルバノメータミラー4,7と、試料11からの光を絞るコンフォーカル絞り例えばピンホール17と、ピンホール17を通過した光を検出する共焦点画像用検出器18と、ガルバノメータミラー4,7とピンホール17の間に配置され、試料11からの光を所定の割合に分割するビームスプリッター3,13と、ビームスプリッター3,13により分割された光を検出する非共焦点画像用検出器20と、検出器18,20からの画像信号を表示するモニタ36と、モニタ36に入力される検出器18,20からの画像信号を電気的に切換える切換器35を備えている。
【0021】
以上述べた構成以外に、ガルバノメータミラー4,7間の光路に配設されている瞳伝送レンズ5,6と、ガルバノメータミラー7と対物レンズ10の間の光路に配設されている瞳投影レンズ8と、結像レンズ9と、ビームスプリッター13とピンホール17の間の光路に配設されている集光レンズ16と、ビームスプリッター13と検出器20の間の光路に配設されている集光レンズ19を備えている。
【0022】
ここで、検出器18、20としては、フォトダイオードもしくはフォトマル等の0次元の光を検出できるものを用いる。
このような構成のものにおいて、レーザ光源1から出射されるレーザビーム2はビームスプリッタ3を通過し、ガルバノメータミラー4に入射する。ここでレーザービーム2は偏向されてX方向に走査される。次に瞳伝送レンズ5、6によってガルバノメータミラー7に入射する。ここでレーザービーム2は偏向されてY方向に走査される。
【0023】
尚、図面上では簡単のためガルバノメータミラー4,7は同一方向にレーザービーム2を偏向するかの如く示してあるが、実際は試料11上をX−Y二次元方向に走査し得るようになっている。
【0024】
二次元に走査されたレーザービーム2は、瞳投影レンズ8、結像レンズ9を通過し対物レンズ10に入射する。そして、試料11上にレーザースポットを生じ、そのレーザースポットで試料11をX−Yの二次元方向に走査する。試料11で反射されたレーザービームは、入射した時と同じ光路を通り、即ち、対物レンズ10、結像レンズ9、瞳投影レンズ8、ガルバノメータミラー7、瞳伝送レンズ6,5、ガルバノメータミラー4を通りビームスプリッタ3に戻ってくる。ビームスプリッタ3で反射された検出ビーム12はビームスプリッタ13により検出ビーム14、15に分割される。
【0025】
検出ビーム14は集光レンズ16により点状に集光され、この位置に配置されたピンホール17により絞られる。さらに、検出器18により検出された共焦点画像を得る。また、検出ビーム15は集光レンズ19により集光され、検出器20により検出された非共焦点画像を得る。
【0026】
また、ビームスプリッタ13の分割比は、ピンホール17で絞られる光量に基づき行われ、共焦点光路側つまりは、検出ビーム14により多くの光量を与える比率とされ、検出ビーム14、15は、それぞれ適切な光量を備えている。
【0027】
以上の構成により、共焦点画像、非共焦点画像を同時に検出することが可能となり、検出器18、20からの画像信号を、切換器35により切り換えれば、容易かつ瞬時に共焦点画像、非共焦点画像をモニタ36により選択表示することが可能となる。また、従来のようにミラー71,74を進退自在にするための機械的に可動する部分を必要としないので、安価かつ小型である。
【0028】
<第2の実施の形態>
図2に示す本発明の第2の実施の形態は、図1においてビームスプリッタ3と集光レンズ16の間に配設されているビームスプリッタ13と、ビームスプリッタ13からの分割された検出ビームを集光レンズ19を介して検出する検出器20を設けず、新たにガルバノメータミラー4と7の間例えばガルバノメータミラー4と瞳伝送レンズ5の間の光路に、ビームスプリッタ21を配設し、このビームスプリッタ21で分割された検出ビームを集光レンズ23を介して検出できるように非共焦点画像用検出器24を配設し、さらに検出器18,24からの画像信号を表示するモニタ36と、モニタ36に入力される検出器18,24からの画像信号を電気的に切換える切換器35を備えている点が異なる。これ以外の点は、図1と同一である。
【0029】
ここで、検出器18としては、フォトダイオードもしくはフォトマル等の0次元の光を検出できるものを用いる。また、検出器24としては、ラインセンサー等の一次元の光を検出可能なもの、もしくは、一次元に走査された光を検出するに十分な検出口を持つ0次元の光を検出可能なものを用いる。
【0030】
以上のように構成された共焦点走査型光学顕微鏡において、レーザ光源1から出射されるレーザビーム2はビームスプリッタ3を通過し、ガルバノメータミラー4に入射し、ここでレーザービーム2は偏向されてX方向に走査される。
【0031】
次に瞳伝送レンズ5,6によってガルバノメータミラー7に入射し、ここでレーザービーム2は偏向されてY方向に走査される。
尚、図面上では簡単のためガルバノメータミラー4,7は同一方向にレーザービーム2を偏向するかの如く示したが、実際は試料上をX−Y二次元方向に走査し得るようになっている。
【0032】
二次元に走査されたレーザービーム2は、瞳投影レンズ8、結像レンズ9を通過し対物レンズ10に入射する。そして、試料11上にレーザースポットを生じ、そのレーザースポットで試料11をX−Yの二次元方向に走査する。試料11で反射されたレーザービームは、入射した時と同じ光路を通り、即ち、対物レンズ10、結像レンズ9、瞳投影レンズ8、ガルバノメータミラー7、瞳伝送レンズ6,5、ガルバノメータミラー4を通り、ビームスプリッタ3に戻ってくる。
【0033】
ビームスプリッタ3で反射された検出ビーム12は集光レンズ16により点状に集光され、この位置に配置されたピンホール17により絞られ、これが検出器18により検出されて共焦点画像を得ることができる。
【0034】
また、ビームスプリッタ21により分割された検出ビーム22は集光レンズ23により集光され、これが検出器24により検出されて非共焦点画像を得ることができる。
【0035】
ここで、検出器24に入力される検出ビーム22はガルバノメータミラー4を一回しか通過していないので、検出器24としては、前述したように一次元の光を検出可能なもの、もしくは、一次元に走査された光を検出するに十分な検出口を持つ0次元の光を検出することが可能なものを用いればよい。
【0036】
なお、検出器24としてラインセンサーを用いた場合には、集光レンズ23により集光されたビームのスポット径にたいして、ラインセンサーの一画素の大きさが小さい場合は、ビームは画素によりけられるためコンフォール絞りと同様の効果を示し、ラインセンサーとは画素を一次元方向に配列したものであるから、走査方向と垂直な成分においては共焦点効果を得ることができる。また、ビームのスポット径にたいして、ラインセンサー一画素の大きさが十分大きい場合は、通常の非共焦点画像が得られ、ラインセンサーもしくは、集光レンズをそれに応じて選択すれば、どちらの効果も選択することができる。さらに、この場合Y方向に光を偏向するガルバノメータミラー4を、TVレートで走査すればラインセンサーからの信号は通常のTV信号として処理することが可能となる。
【0037】
また、ビームスプリッタ21の分割比は、ピンホール17で絞られる光量に基づき行われ、共焦点光路側つまりは、検出ビーム12により多くの光量を与える比率とされ、検出ビーム12,22は、それぞれ適切な光量を備えている。
【0038】
以上の構成により、共焦点画像、非共焦点画像を同時に検出することが可能となり、検出器18、24からの画像信号を、切換器35により切り換えれば、容易かつ瞬時に共焦点画像、非共焦点画像をモニタ36により選択表示することが可能となる。また、従来のようにミラー71,74を進退自在にするための機械的に可動する部分を必要としないので、安価かつ小型である。
【0039】
<第2の実施の形態の変形例>
図3に示すように、図2の構成に新たに、以下の構成を追加したものである。すなわち、レーザ光源1とビームスプリッタ3の光路上にシャッタ33を配設し、また白色光源29の光をシャッタ32および集光レンズ27を通し、結像レンズ9と対物レンズ10との間の光路に配設したビームスプリッタ25により、試料11に照射するように構成し、試料11からの反射光は光検出器24で検出されるように構成したものである。なお、26、30はそれぞれ検出ビームを示している。
【0040】
この場合、光検出器24としては、例えば1次元CCDからなるラインセンサーを用いる必要がある。
尚、シャッタ32,33を設けているのは、レーザー光源1と白色光源29が同時点灯している場合には光検出器24に2つの光源1,29の反射光が戻るので、これを防ぐためにシャッタ32,33を使って光源の選択を可能にしてある。
【0041】
図3の構成においては、レーザ光源1が選択された場合には図2と同様な作用効果が得られ、さらに光源1,29の選択により非共焦点画像と落射画像が得られる。
【0042】
<第3の実施の形態>
図4に示すように、図1においてビームスプリッタ3と集光レンズ16の間に配設されているビームスプリッタ13と、ビームスプリッタ13からの分割された検出ビームを集光レンズ19を介して検出する検出器20を設けず、新たに以下の構成を追加した点のみが異なる。すなわち、結像レンズ9と対物レンズ10との間の光路に配設したビームスプリッタ25により、分割された検出ビームを集光レンズ27を介して検出できるように非共焦点画像用検出器28を配設し、さらに検出器18,28からの画像信号を表示するモニタ36と、モニタ36に入力される検出器18,28からの画像信号を電気的に切換える切換器35を備えている点が異なる。
【0043】
この検出器28としては、CCD等のように二次元の光を検出可能なもの、もしくは、二次元に走査された光を検出するに十分な検出口を持つ0次元の光を検出できるものを用いる。これ以外の点は、図1と同一である。
【0044】
このような構成のものにおいて、レーザ光源1から出射されるレーザビーム2はビームスプリッタ3を通過し、ガルバノメータミラー4に入射する。ここでレーザービーム2は偏向されてX方向に走査される。次に瞳伝送レンズ5,6によってガルバノメータミラー7に入射する。
【0045】
ここでレーザービーム2は偏向されてY方向に走査される。尚、図面上では簡単のためガルバノメータミラー4、7は同一方向にレーザービーム2を偏向するかの如く示したが、実際は試料上をX−Y二次元方向に走査し得るようになっている。
【0046】
二次元に走査されたレーザービーム2は、瞳投影レンズ8、結像レンズ9を通過し対物レンズ10に入射する。そして、試料11上にレーザースポットを生じ、そのレーザースポットで試料11をX−Yの二次元方向に走査する。試料11で反射されたレーザービームは、入射した時と同じ光路を通り、即ち、対物レンズ10、結像レンズ9、瞳投影レンズ8、ガルバノメータミラー7、瞳伝送レンズ6、5、ガルバノメータミラー4を通りビームスプリッタ3に戻ってくる。ビームスプリッタ3で反射された検出ビーム12は集光レンズ16により点状に集光され、この位置に配置されたピンホール17により絞られる。さらに、検出器18により検出された共焦点画像を得る。
【0047】
また、ビームスプリッタ25により分割された検出ビーム26は集光レンズ27により集光され、検出器28により検出された非共焦点画像を得る。ビームスプリッタ25は図面上の位置にとらわれず、ガルバノメータミラー7と対物レンズ10の間であればよい。
【0048】
さらに、光偏向器としてのガルバノメータミラー7を、ビデオレートによる走査が可能なものを用いれば、通常のTVカメラを用いて検出することも可能となる。
【0049】
また、ビームスプリッタ25の分割比は、ピンホール17で絞られる光量に基づき行われ、共焦点光路側つまりは、検出ビーム12により多くの光量を与える比率とされ、検出ビーム12,26は、それぞれ適切な光量を備えている。
【0050】
以上の構成により、共焦点画像、非共焦点画像を同時に検出することが可能となり、検出器18、28からの画像信号を、切換器35により切り換えれば、容易かつ瞬時に共焦点画像、非共焦点画像をモニタ36により選択表示することが可能となる。また、従来のようにミラー71,74を進退自在にするための機械的に可動する部分を必要としないので、安価かつ小型である。
【0051】
<第4の実施の形態>
図5に示すように、図1においてビームスプリッタ3と集光レンズ16の間に配設されているビームスプリッタ13と、ビームスプリッタ13からの分割された検出ビームを集光レンズ19を介して検出する検出器20を設けず、新たに以下の構成を追加したものである。
【0052】
すなわち、図1のレーザ光源1とビームスプリッタ3の光路上にシャッタ33を配設し、また白色光源29の光をシャッタ32および集光レンズ27を通し、結像レンズ9と対物レンズ10との間の光路に配設したビームスプリッタ25により、試料11に照射するように構成し、さらに集光レンズ27とシャッタ32の間の光路にハーフミラー30を配設し、これにより反射された光を検出器31により検出するように構成したものである。そして、検出器18,31からの画像信号を表示するモニタ36と、モニタ36に入力される検出器18,31からの画像信号を電気的に切換える切換器35を備えているこれ以外の点は、図1と同一である。
【0053】
この場合、検出器31としては、CCD等のように二次の光を検出可能なものであればよい。
尚、シャッタ32,33を設けているのは、レーザー光源1と白色光源29が同時点灯している場合には光検出器31に2つの光源1,29の反射光が戻るので、これを防ぐためにシャッタ32,33を使って光源の選択を可能にしてある。
【0054】
図5のような構成のものにおいて、レーザ光源1から出射されるレーザビーム2はビームスプリッタ3を通過し、ガルバノメータミラー4に入射する。ここでレーザービーム2は偏向されてX方向に走査される。次に瞳伝送レンズ5、6によってガルバノメータミラー7に入射する。ここでレーザービーム2は偏向されてY方向に走査される。
【0055】
尚、図面上では簡単のためガルバノメータミラー4、7は同一方向にレーザービーム2を偏向するかの如く示したが、実際は試料上をX−Y二次元方向に走査し得るようになっている。二次元に走査されたレーザービーム2は、瞳投影レンズ8、結像レンズ9を通過し対物レンズ10に入射する。
【0056】
そして、試料11上にレーザースポットを生じ、そのレーザースポットで試料11をX−Yの二次元方向に走査する。試料11で反射されたレーザービームは、入射した時と同じ光路を通り、即ち、対物レンズ10、結像レンズ9、瞳投影レンズ8、ガルバノメータミラー7、瞳伝送レンズ6、5、ガルバノメータミラー4を通りビームスプリッタ3に戻ってくる。ビームスプリッタ3で反射された検出ビーム12は集光レンズ16により点状に集光され、この位置に配置されたピンホール17により絞られる。
【0057】
さらに、検出器18により検出された共焦点画像を得る。また、白色光源29より出射された光は、ハーフミラー30を通過し、結像レンズ27、ビームスプリッター25、対物レンズ10を介し試料11を落射照明し、同様の経路を戻り、ハーフミラー30により反射された検出器31により検出され、通常顕微鏡の落射照明画像を得る。このとき、レーザー光源1と白色光源29からの照明光はシャッタ32、33で選択可能とし、共焦点画像及び非共焦点画像を得るときにはシャッタ33が開、シャッタ32が閉になりレーザー光源1が選択され、通常顕微鏡の落射照明画像を得る時にはシャッタ33が閉、シャッタ32が開になり白色光源29が選択される。
【0058】
ただし、レーザー光源1が選択された場合には、第3の実施の形態と同じ構成となり、検出器31では、非共焦点画像を得ることができる。つまり、照明光を選択することにより、検出器31では非共焦点画像と通常顕微鏡の落射照明画像を得ることが可能となる。また、ビームスプリッタ25は図面上の位置にとらわれず、ガルバノメータミラー7と対物レンズ10の間であればよい。
【0059】
ここで、通常顕微鏡の落射照明画像と非共焦点画像の両方を検出器31で検出する場合には、検出器31からの信号をそれぞれ別に処理する回路を設ければよい。
【0060】
なお、通常顕微鏡の落射照明画像を検出するものとしては、通常はTVカメラが用いられ、さらに光偏向器としてビデオレートによる走査が可能なものを用いれば、非共焦点画像も通常のTVカメラを用いて検出することも可能となる。また、ビームスプリッタ25の分割比は、ピンホール17で絞られる光量を鑑みて、共焦点光路側つまりは、検出ビーム12により多くの光量を与える比率とされ、検出ビーム12、26は、それぞれ適切な光量を備えている。
【0061】
以上の構成により、共焦点画像と、通常顕微鏡の落射照明画像及び、非共焦点画像を照明光の切り換え及び電気的な信号の切り換えのみで選択することが可能となり、容易かつ瞬時に共焦点画像、通常顕微鏡の落射照明画像及び、非共焦点画像を選択することが可能となる。また、機械的に可動する部分をほとんど必要としないので、安価かつ小型である。
【0062】
<変形例>
なお、第1〜4の実施の形態にて光偏向器としては、ガルバノメータミラーを用いて説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、ポリゴンミラー、音響光学素子等を用いることも可能である。また、ビームスプリッタは、プリズムタイプやプレートタイプ等、その機能を発揮するものであればどのような型のものでも良い。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、共焦点画像と、非共焦点画像を同時に検出可能であると共に、容易かつ瞬時に共焦点画像と、非共焦点画像とを選択することが可能で、安価かつ小型となる共焦点走査型光学顕微鏡を提供することができる。
【0064】
また、共焦点画像と非共焦点画像及び非共焦点画像と通常顕微鏡の落射照明画像の切換をそれぞれ容易かつ瞬時に行うことができ、安価で小型な共焦点走査型光学顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共焦点走査型光学顕微鏡の第1の実施の形態を説明するための光学系統図。
【図2】本発明の共焦点走査型光学顕微鏡の第2の実施の形態を説明するための光学系統図。
【図3】本発明の共焦点走査型光学顕微鏡の第2の実施の形態の変形例を説明するための光学系統図。
【図4】本発明の共焦点走査型光学顕微鏡の第3の実施の形態を説明するための光学系統図。
【図5】本発明の共焦点走査型光学顕微鏡の第4の実施の形態を説明するための光学系統図。
【図6】従来の共焦点走査型光学顕微鏡の第1の例を説明するための光学系統図。
【図7】従来の共焦点走査型光学顕微鏡の第2の例を説明するための光学系統図。
【図8】従来の共焦点走査型光学顕微鏡の第2の例を説明するための光学系統図。
【符号の説明】
1…レーザ光源、2…レーザビーム、3…ビームスプリッタ、4…ガルバノメータミラー、5,6…瞳伝送レンズ、7…ガルバノメータミラー、8…瞳投影レンズ、9…結像レンズ、10…対物レンズ、11…試料、12…検出ビーム、13…ビームスプリッタ、14,15…検出ビーム、16…集光レンズ、17…ピンホール、18,19…検出器、20…検出器、21…ビームスプリッタ、22…検出ビーム、23…集光レンズ、24…検出器、25…ビームスプリッタ、26…検出ビーム、27…集光レンズ、29…白色光源、30…検出ビーム、31…検出器、32,33…シャッタ、35…切換器、36…モニタ。

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、
    前記光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、
    前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、
    前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号を出力する第2の検出器と、
    前記第1及び第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、
    前記モニタに入力される前記第1および第2の検出器からの画像信号を電気的に切換える切換器と、
    前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタと、
    を具備したことを特徴とする共焦点走査型光学顕微鏡。
  2. 第1の光源と、
    前記第1の光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、
    前記第1の光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより前記試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、
    前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、
    前記試料上に前記第1の光源とは異なる白色光を出射する第2の光源と、
    前記第1の光源または前記第2の光源による前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号または落射照明画像信号を出力する第2の検出器と、
    前記第1および第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、
    前記モニタに入力される前記第1および第2の検出器からの画像信号を電気的に切換える切換器と、
    前記第1の光源と前記第2の光源の切換を行う光源切換器と、
    前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタと、
    を具備したことを特徴とする共焦点走査型光学顕微鏡。
  3. 光源と、
    前記光源から発した光を試料上に集光する対物レンズと、
    前記光源と前記対物レンズの間に配置されていて前記対物レンズに入る光の入射角度を変化させることにより試料上をそれぞれ直交する方向に走査する光偏向部材と、
    前記試料からの光を共焦点絞りを通過させて検出して共焦点画像信号を出力する第1の検出器と、
    前記試料からの光を検出して非共焦点画像信号を出力する第2の検出器と、
    前記第1および第2の検出器によりそれぞれ検出された画像信号を表示するモニタと、
    前記試料からの光を、前記第2の検出器より前記第1の検出器に多くの光量を与える比率で、前記第1の検出器に入射する光路と前記第2の検出器に入射する光路とに分割するビームスプリッタと、
    を具備し、
    前記第1の検出器からの共焦点画像信号と前記第2の検出器からの非共焦点画像信号を同時に検出可能にしたことを特徴とする共焦点走査型光学顕微鏡。
  4. 前記モニタに、前記第1及び第2の検出器からの画像信号を各々表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の共焦点走査型光学顕微鏡。
  5. 前記モニタに、前記第1及び第2の検出器からの画像信号を一つの画像として同時に表示することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の共焦点走査型光学顕微鏡。
  6. 前記光源切換器は、
    前記第1の光源の光路上に配置された第1のシャッタと前記第2の光源の光路上に配置された第2のシャッタを使い光源の選択をするものであり、
    共焦点画像信号及び非共焦点画像信号を得る時には前記第1のシャッタが開、前記第2のシャッタが閉となり、
    落射照明画像信号を得るときには前記第1のシャッタが閉、前記第2のシャッタが開となることを特徴とする請求項2記載の共焦点走査型光学顕微鏡。
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