JP3655668B2 - プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケル−水素蓄電池などの、充電可能な電池を内蔵した機器の充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、充電可能な電池(以下、二次電池と呼ぶ)を内蔵していて、一般の商用電源を使用する場合にはアダプタを用い、商用電源を使用しない場合には、内蔵の二次電池を用いて動作する機器がある。例えば、近年のパーソナルコンピュータの小形化・携帯化に伴い、上記のように二次電池を内蔵したプリンタが種々提案されている。このようなプリンタにおいては、一般に、内蔵蓄電池(二次電池)の充電をプリンタ本体で行なうよう構成されている。近年、二次電池の充電に先立って二次電池のリフレッシュ放電が実行可能な装置も提案されるようになって来た。プリンタ本体においてリフレッシュ放電を行なう場合、比較的大きな電流を消費する必要があり、場合によっては抵抗器からの発熱量が大きくなることから、形状の大きな抵抗器を二次電池の放電のための負荷として用いる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、二次電池のリフレッシュ放電をプリンタ内部で行なうためには、大きな抵抗器が必要であり、二次電池を内蔵する上述のようなプリンタの小形・軽量化の大きな障害となっていた。
【発明の目的】
上記の事情に鑑み、本発明は、二次電池を内蔵し、二次電池のリフレッシュ放電を行なう機能を持たせつつ、しかも小形化が可能なプリンタの提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のプリンタは、二次電池と、前記二次電池を電源とするステッピングモータを用いて画像形成処理を行なうものにおいて、前記ステッピングモータを前記二次電池の負荷として前記二次電池のリフレッシュ放電を行なうリフレッシュ放電制御手段と、前記二次電池の電圧値であって、前記リフレッシュ放電制御手段によるリフレッシュ放電時の電圧値を検出する検出手段と、前記検出手段に検出された電圧値に応じて前記ステッピングモータの励磁相の数を切り替える切替手段とを有する構成としている。更に、前記プリンタは、少なくとも前記画像形成処理を行なうモードと前記リフレッシュ放電を行なうモードを含む複数の動作モードで動作可能であり、前記複数の動作モードのいずれのモードで動作するかを選択する選択手段を有することを特徴としている。
【0005】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0006】
図1は本発明の実施例としての、サーマルラインプリンタ1の外観を示す斜視図である。本実施例のプリンタ1は、A4サイズの幅の感熱紙を記録紙として用いるもので、ほぼ直方体の形状のハウジング3を有している。ハウジング3には、制御回路・駆動回路・駆動モータ・サーマルラインヘッド・プラテンなどが収納されている。
【0007】
ハウジング3には、カバー2が設けられている。カバー2は、ハウジング3の上面の2箇所2X、2Xで回動可能に支持されている。図1中実線でカバー2を閉じた状態を、2点鎖線でカバー2を開いた状態を示す。
記録紙Pは、カバー2の支持部2X、2X間でカバー2とハウジング上面との間に形成された、記録紙挿入口4からプリンタ1内部へ導入され、画像形成が行なわれる。プリンタ1の内部に導入された記録紙Pは、その紙面に画像が形成され、カバー2と、ハウジング前面との間に形成された記録紙排出口5から排紙される。
【0008】
カバー2には、プリンタ1の動作状態を示す表示器(LED)7、8、9が設けられてい。表示器7は、電源のオン・オフ及びエラーが発生しているかどうかを示す。表示器8は、データが受信可能であるかどうかを示す。表示器9は、内蔵二次電池に関する情報を表示する。
【0009】
また、ハウジング3の上面には、パワースイッチ6が設けられている。パワースイッチ6はプッシュスイッチで、押されている間だけスイッチが閉じ、通常はスイッチは開放状態となっている。
本実施例のプリンタ1においては、パワースイッチ6の操作方法(操作時間・回数)に応じて、プリンタ1の電源のオン・オフ、内蔵二次電池のリフレッシュ放電・充電といった動作モードの切換が行なわれるようになっている。CPU10は、ポートPort8に入力される信号SWにより、パワースイッチ6の操作状態を検知する。すなわち、スイッチ6が閉じられている間は、ポートPort8の電位が下がることから、パワースイッチ6が押されている時間の検知、ダブルクリックか否かの判定が行なわれる。
【0010】
図2は、本実施例のプリンタ1の制御を説明するブロック図である。
プリンタ1の駆動を制御するCPU(中央処理装置)として、16メガバイトのアドレス空間を有する1チップCPU10が用いられている。
CPU10は、アドレスポート AB0〜AB23 および データポート DB0〜DB15 を介して、EPROM21、DRAM22、フォントROM23、G/A(ゲートアレイ)26と接続されている。
CPU10はアドレスポート AB0〜AB23 を介してアドレスバスABへアドレスを指定するアドレスデータを送出し、また、データポート DB0〜DB15 を介してデータをデータバスDBより送受信する。
【0011】
EPROM21にはプリンタ1の駆動を制御するプログラムや各種初期データが書き込まれている。DRAM22は、ホストコンピュータ等からプリンタ1に転送された印字データに基づいて画像出力のためのビットマップを展開する領域、インターフェースからのデータを蓄える領域、その他各種処理の作業領域として使用されるダイナミックラムである。フォントROM76には、印字データをDRAM74上にビットマップ展開する際に使用する文字フォントデータが格納されている。
【0012】
また、CPU10は、ゲートアレイ(G/A)26を介して、インターフェイス(I/F)27とのデータのやりとりや、LED7、8、9の駆動などの処理を行う。
インターフェース(I/F)27は、ホストコンピュータなどから転送されてくる印字データを受信するためのプリンタインターフェース(セントロニクス社仕様準拠)で、8本のデータ線と3本の制御線を有している。
【0013】
8本のデータ線PDATA1〜8は、ホストコンピュータからの印字データの転送に用いられ、3本の制御線は、印字データをプリンタに読み込ませる信号(/DATASTB)、プリンタがデータを受け取れないことを示す信号(BUSY)、プリンタがデータを読みとったことを示す信号(ACK)、の信号の転送にそれぞれ用いられる。なお、本明細書においては、ロー・アクティブの信号およびロー・アクティブの信号を受けるポートは、その信号あるいはポートを表す文字列の前に「/」を付して示すものとする。
【0014】
CPU10のアナログポート AN2 には、二次電池電圧(または外部電源電圧)の分圧 V_Batt が印加される。CPU10はポート AN2 に印加された電圧値のA/D変換値に基づき二次電池電圧(または外部電源電圧)を検知している。この電圧値は、後述する充電完了の検知の際にも参照されるが、二次電池100と電圧検知手段としてのCPU10とは比較的近接した位置にあるため、電圧検出の際に外乱の影響を受ける可能性が低く、正確な電圧値の検出が可能となっている。
【0015】
リセットIC24は、検知された電源電圧がある値以下になると、リセット信号(/RESET)をCPU10のポート/RESETに出力する。CPU10は、リセット信号を受けると、動作を停止する。従って、電源電圧が所定の電圧値以下になると、印字動作は停止することになる。
【0016】
カバー2には用紙センサ25が設けられており、用紙センサの出力信号が、CPU10のポートPTOPに入力される。用紙センサ25は、カバー2を閉じた状態で用紙搬送路に臨むように配置されており、用紙搬送路の記録紙の有無を検知する。カバー2を開いた状態では、用紙センサ25は常に用紙を検出しないようになっている。従って、このセンサ25の出力信号をモニタすることにより、記録紙がセットされてプリント動作が可能な状態かどうかを知ることができる。
【0017】
Xtal15は、基準クロックの発生回路である。Xtal15が発生した基準クロックに基づいて、CPU10はEPROM21からプログラムを読みだし、このプログラムと、受信データに基づいて、DRAM22に印字データがビット展開される。DRAM22上のデータはゲートアレイ26に転送され、さらに転送クロックCLKに同期して、2分割された印字データDATA1およびDATA2としてサーマルヘッド40に転送される。
【0018】
なお、サーマルヘッド40の発熱抵抗体(図示せず)の発熱エネルギーは、CPU10の Port1〜Port4 から送出されるストローブ信号(詳しくは後述)により制御される。言い換えれば、印字データDATA1およびDATA2により駆動されるべき発熱抵抗体が特定され、印字データ転送後に印加されるストローブ信号によって当該発熱抵抗体が画像形成に必要なエネルギーを発生するよう駆動される。
【0019】
サーマルヘッド40の温度検出のためにサーミスタ41が設けられている。サーミスタ41の出力電圧はCPU10のアナログ入力ポート AN1 に印加される。CPU10は、印加された値(アナログ値)のA/D変換値に基づいて、サーマルヘッド40の温度を検知している。
【0020】
また、CPU10はポート A・/A・B・/B からモータ駆動回路430へ、モータ134の駆動を制御するための駆動制御信号を送出している。モータ駆動については後に詳述する。
【0021】
ポート PON1 は、スイッチ素子としてのFET52をオン・オフするための信号を送出する。ポート PON2 は、スイッチ素子としてのFET51をオン・オフするための信号を送出する。なお、外部電源(ACアダプタ)が接続されている時にはスイッチ素子としてのトランジスタ53がオンとなり、ポートPort7に入力される信号/ADPT.INが”L”となる。CPU10は、/ADPT.INのレベルに基づいて、外部電源が接続されているか否かを検知する。
【0022】
パワースイッチ6がオンされると、FET51またはFET52がオンされ、DC−DCコンバータ50に外部電源または二次電池から電圧が供給される。DC−DCコンバータ50は、CPU10、EPROM21、DRAM22、ROM23等の駆動電源Vcc(5ボルト)を出力する。なお、前述のように、パワースイッチ6は、プッシュスイッチで、通常はスイッチはオフ状態であり、押されている間だけオンになる構成となっている。
【0023】
なお、一旦信号 PON1 および PON2 によってFET51・FET52が共にオフされると、DC−DCコンバータ50に電源が供給されなくなり、CPU10に駆動電圧Vccが供給されなくなる。従って、FET51・52がオフされた場合には、パワースイッチ6を再度操作して、再起動することになる。
【0024】
本プリンタ1は駆動電源として、ニッケル−カドミウム蓄電池100を内蔵しており、これから約 14.4 ボルトの電圧を得ている。また、本実施例のプリンタ1には電源コネクタ70が設けられており、ACアダプタ80が接続可能となっている。ACアダプタ80は、プリンタ1の駆動電圧を供給するための定電圧回路82に加えて、定電流回路81を有している。定電圧回路82は、コネクタ70、FET51を介して、DC−DCコンバータに接続される。定電流回路81は、コネクタ70を介して、充電制御回路60に接続される。
【0025】
本実施例のプリンタ1は、プリンタ1側の制御によって、ACアダプタ80内部の定電流回路81により出力される電流を用いて内蔵二次電池の充電を行なっている。充電時にのみ必要となる定電流回路81をプリンタ1本体ではなく、ACアダプタ80側に設けたことにより、プリンタ1の軽量化・コンパクト化に寄与している。
【0026】
本実施例のプリンタ1は、内蔵二次電池(ニッケル−カドミウム電池)100のリフレッシュ放電・充電機能を有する。内蔵二次電池100のリフレッシュ放電・充電制御は、充電制御回路60により行なわれる。CPU10のPort5より/CHARGE信号が充電制御回路60に出力されると、充電制御回路60は、定電流回路81からの電流により、二次電池100の充電を開始する。ニッケル−カドミウム電池は、充電進行中は充電に伴って電池電圧が上昇し、充電の末期で若干電池電圧が低下した後に平行電圧に達するという特性がある。この充電末期の電圧の低下を検出することにより、充電の完了を知ることができる。
【0027】
リフレッシュ放電が行なわれる場合には、CPU10のPort6から/REFRESH信号が出力されて定電流回路81からの電流は二次電池100には印加されなくなる。さらに、ACアダプタ80が接続されているにもかかわらず、FET51がオフFET52がオン状態とされ、充電制御回路60による二次電池100のリフレッシュ放電が開始される。
【0028】
本実施例のプリンタのサーマルヘッド40は2560ドット(2560個)の発熱抵抗体が横一列に並んだラインサーマルヘッドである。1番目から1280番目のドットのデータ(オン・オフを示すデータ)はDATA1として、1281番目から2560番目のドットデータはDATA2として、CPU70からサーマルヘッド40へと送られる。なお、前述のように、サーマルヘッド40に送られるドットデータはシリアルデータとして、転送クロックCLKに同期して送られる。
【0029】
感熱紙への印字は、2560個の発熱抵抗体を4ブロックに分割し、2ブロックずつタイミングをずらして駆動している(2分割駆動)。発熱抵抗体の4つのブロックは、ストローブ信号/STB1〜/STB4を"L"にすることにより、印字データ(ドットデータ)に従って通電され発熱する。なお、このブロック化は一時に大量の電流が流れて二次電池を消耗させることを防ぐために行われるものである。したがって、二次電池が十分に充電されている時、あるいは、外部電源が接続されている場合など電源の消耗が問題にならない場合には、4つのブロック全てを同時に駆動することも可能である。
【0030】
本実施例のプリンタ1は、印刷モードに加えて、内蔵二次電池リフレッシュモード、内蔵二次電池充電モードの3つのモードで動作可能となっている。そして、これら3つのモードの切り換えと電源のオン・オフを、パワースイッチ6の操作方法の違いによって行なうよう制御されている。
【0031】
図3は、パワースイッチ6の操作による動作モードの移行を説明する遷移図である。
停止状態を基準にモード遷移について説明する。なお、以下の説明において、停止状態をモード0(M0と略す)、印字モードをM1、リフレッシュモードをM2、充電モードをM3とする。また、パワースイッチ6が押したままになっている時間が500ms(ミリ秒)以下の場合をクリック、1sec (秒)以上押したままになっている場合を長押しとする。パワースイッチ6の操作状態(時間・回数)は、前述のように、CPU10のポートPort8に入力される信号SWによって検知される。
【0032】
停止状態(M0)において、パワースイッチ6が1回クリックされると、電源がオンされ、印刷モード(M1)に移行する。印刷モード(M1)において、ホストコンピュータなどからの印字データの受信が無い状態が所定時間以上続くと、自動的に停止状態(M0)に戻り電源がオフされる。また、印刷モード(M1)において、パワースイッチ6が2回連続でクリック(ダブルクリック)された場合にも、停止状態(M0)に移行する。
停止状態(M0)において、パワースイッチ6が長押しされると、内蔵二次電池のリフレッシュモード(M2)に移行する。このまま、操作が行なわれなければ、リフレッシュ放電完了後自動的に充電モード(M3)へ移行し、充電が完了すると、自動的に停止状態(M0)に戻る。
リフレッシュモードをスキップする場合には、リフレッシュモード(M2)においてさらにパワースイッチ6を長押しして充電モード(M3)へ移行することができる。
【0033】
なお、モードが印刷モード(M1)・リフレッシュモード(M2)・充電モード(M3)のいずれのモードであっても、パワースイッチ6をダブルクリックすることにより、停止状態(M0)に戻ることができる。
【0034】
図4は、本実施例の充電システムの主要部である、ACアダプタ80と充電制御回路60およびCPU10との接続を説明する概略回路図である。なお、図4では、FET51、52を模式的にスイッチ51S、52Sとして表示している。
【0035】
充電制御回路60はスイッチ素子60Sとそのオン・オフを制御するマイクロプロセッサμPを有している。マイクロプロセッサμPは、CPU10からの /CHARGE信号・/REFRESH信号に基づいてスイッチ素子60Sの切換を行なう。
【0036】
充電が行なわれる時には、スイッチ51Sがオンされ、ACアダプタ80の定電圧回路82から制御回路に電源が供給される。また、スイッチ52Sがオフされ、二次電池100とプリンタ本体の各回路との接続は遮断される。
一方、マイクロプロセッサμPは、スイッチ60Sをオンして、ACアダプタ80の定電流回路81と二次電池100とを接続し、充電を行なう。
【0037】
リフレッシュ放電が行なわれる時には、スイッチ51Sがオフ、スイッチ52Sがオンされて、二次電池100のみが電源として使用されるようにする。リフレッシュ放電中は、たとえACアダプタ80が接続されていても、ACアダプタ80の定電圧回路82からの電圧は使用されない。もしも定電圧回路がプリンタの各回路に接続されていると、二次電池電圧が14.4ボルトより低くなると、プリンタには電源回路82から電圧が供給され、二次電池の放電が行われなくなる。リフレッシュ放電時には、二次電池電圧が0ボルト近くまで下がるため、上記のような不都合が起きないよう、リフレッシュ放電時には、スイッチ51をオフしている。この時、マイクロプロセッサμPは、スイッチ60Sをオフとして、二次電池100と定電流源81の接続を遮断する。なお、リフレッシュ放電が完了すると、上述のように、スイッチ51Sがオン、52Sはオフされ、スイッチ60Sがオンされて、充電が開始される。
なお、リフレッシュ放電時には、マイクロプロセッサμPは、二次電池の電圧を検知し、リフレッシュの進行状況をモニタする。
【0038】
図5は、リフレッシュ放電・充電制御処理を示すフローチャートである。
リフレッシュ放電モードが選択されていると(Y:S1)、CPU10は、カバー2に設けられたLED9を点灯してリフレッシュ・充電モードであることを表示し、同時に充電制御回路60へリフレッシュ放電開始を意味する/REFRESH信号を送る。なお、リフレッシュ放電動作中に再度スイッチ6が長押しされた場合、あるいは、リフレッシュ放電モードに移行後直ちに充電モードが選択された場合には、リフレッシュ処理はスキップされて(N:S5)、充電処理へ移行する。
【0039】
本実施例のプリンタにおいては、リフレッシュ処理は、主としてモータ32を励磁することにより行なう。ニッケル−カドミウム電池は、一定の電流値で放電を行なうと常に100%近い放電率が得られる。このため、一定の放電電流を確保する目的で、制御回路系の動作を固定する(CPU10のポートの入出力を一定にする、メモリのアクセスを一定にする)と共に、定電流駆動するステッピングモータ32を励磁している。このように、通常の動作時の負荷である回路系・ステッピングモータ32をリフレッシュ放電の負荷として用いているため、放電専用に別途抵抗器を設ける必要が無くなる。
【0040】
更に、回路の動作状態を変化させたり、モータ32の励磁相を1相と2相との間で切り換えることにより、抵抗器を増やすことなく電流量の調整が可能となる。すなわち、残容量の多少に応じて電流量を増減することにより、放電時間の短縮を図ることができる。
放電中は、所定のタイミングで二次電池100の電圧値を検出し、電圧値が終止電圧に到達するとリフレッシュ処理を終了する(S9)。尚、放電中にリフレッシュ処理をスキップして充電処理に移行する操作(パワースイッチの長押し)が行われると、制御はS5からS11へと進む。
リフレッシュ放電が終了すると、図4に示す各スイッチの切換を行なって(S11)、充電を開始する(S13)。充電は、充電末期の電圧低下を検出すると充電完了と判断して(S15)、充電を終了して、電源をオフする。
【0041】
図6は、図5のS7に示されるリフレッシュ放電を示す処理である。リフレッシュ放電は、前述のように一定の電流値で放電を行なうことが好ましい。しかし、ニッケル−カドミウム電池は、一定の電流値で放電していても、終止電圧に達する直前に大きく出力電圧値が減少するという特性がある。このため、残量が少ない場合に大きい電流で放電していると終止電圧を大きく下回る可能性がある。この点からは、放電電流は小さい方が望ましい。一方、電池の残量が多い場合には、放電電流が小さいと放電に時間がかかるという問題がある。
このため、本実施例のプリンタにおいては、図5のフローチャートのS9の判定のために検出される電圧値と現在のモータ32の励磁相の数に基づいて、電池の残量を求め(S21)、残量が所定値より大きい場合にはモータ32を2相励磁して(S23)、大電流で放電を行なう。残量が少なくなって来ると、単相励磁に切り換えて(S25)、小電流で放電を行なっている。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明の充電システムによれば、通常使用される回路系・駆動系をリフレッシュ放電の負荷として使用するため、放電専用の負荷を設ける必要が無く、機器本体を小形・軽量化することが可能となった。また、ステップモータを放電の負荷としているため、一定電流での放電が可能であり、高い放電率を得られる。更に、モータの励磁相を、電池の残量に応じて切り換えることができるため、リフレッシュ放電の時間を短縮することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるサーマルラインヘッドプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】サーマルラインヘッドプリンタの制御を説明するためのブロック図である。
【図3】パワースイッチの操作とモードの移行を示す遷移図である。
【図4】本発明の実施例の充電システムの概略回路図である。
【図5】本発明の実施例のリフレッシュ・充電制御を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施例の放電処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 カバー
3 ハウジング
10 CPU
26 ゲートアレイ
40 サーマルヘッド

Claims (4)

  1. 二次電池と、前記二次電池を電源とするステッピングモータを用いて画像形成処理を行なうものにおいて、
    前記ステッピングモータを前記二次電池の負荷として前記二次電池のリフレッシュ放電を行なうリフレッシュ放電制御手段と、
    前記二次電池の電圧値であって、前記リフレッシュ放電制御手段によるリフレッシュ放電時の電圧値を検出する検出手段と、
    前記検出手段に検出された電圧値に応じて前記ステッピングモータの励磁相の数を切り替える切替手段と、を有することを特徴とする、プリンタ
  2. 前記プリンタは、少なくとも前記画像形成処理を行なうモードと前記リフレッシュ放電を行なうモードを含む複数の動作モードで動作可能であり、前記複数の動作モードのいずれのモードで動作するかを選択する選択手段を有することを特徴とする、請求項1のプリンタ。
  3. 前記リフレッシュ放電制御手段は、前記二次電池の電圧に基づいて放電の完了を検知することを特徴とする、請求項またはのプリンタ。
  4. 前記切替手段は、前記検出手段に検出された電圧値が所定値より大きい場合には前記ステッピングモータの励磁相の数を複数にし、前記検出手段に検出された電圧値が所定値以下の場合には前記ステッピングモータの励磁相の数を単数にすることを特徴とする、請求項1から3のいずれかのプリンタ。
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