JP3654197B2 - 電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラム - Google Patents

電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラム Download PDF

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    • H04B7/0617Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the transmitting station using simultaneous transmission of weighted versions of same signal for beam forming

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラムに関し、特にいわゆるレイラウンチング処理を使用した幾何光学的手法による電波伝搬特性予測方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおける基地局や親機等の配置を援助するために電波伝搬シミュレータが用いられる。電波伝搬シミュレータによって任意の受信点での受信電力や、遅延拡がりを評価して、しかるべき送信局の設置場所を決定し、その結果、配置するべき基地局数の削減等の効率化が達成される。
【0003】
電波伝搬シミュレーションは大別して、統計的手法によるものと決定論的手法によるものとがある。統計的手法では、距離や周波数などを引数とする伝搬損失推定式を与え、そのパラメータを決定する際に、伝搬損失の実測定で得られた多数のデータをもとに多変量解析等により決定する手法である。一方、決定論的手法においては、アンテナから放射される電波を多数の電波線(レイ)の集まりと考え、各レイが幾何光学的に反射透過を繰り返して伝搬し、そして観測点に到達するレイを合成して伝搬損、遅延量を求める手法である。
【0004】
幾何光学的手法は、さらにイメージング法とレイラウンチング法とに大別される。イメージング法は送受信点間を結ぶレイの反射透過経路を、反射面に対する鏡映点を求めて決定する手法である。反射透過経路は、送受信点、反射透過物が規定された場合に一意に求まるため、イメージング法は厳密なレイの伝搬経路を探索する手法である。一方、レイラウンチング法は、アンテナから放射されるレイを受信点に関わり無く一定の方向に放射し、反射透過によるレイの伝搬経路を求め、受信点付近を通過したレイを当該受信点に到達したレイとみなす手法であり、たとえば特開平9−33584号公報に開示されている。
【0005】
レイラウンチング法は、送受信点間を結ぶレイの伝搬経路の解をイメージング法のように厳密に求めるのではなく近似的に与えるため、伝搬経路探索に要する時間が短く出来るという特徴がある。
【0006】
図13は観測領域020、送信点009、受信点010、2つの内容物001、002とが与えられた場合のレイラウンチング法の動作について説明する図である。本図では、簡単のため2次元平面に限定して動作の説明をするが、実際には3次元空間内で動作させる場合がある。
【0007】
まず、送信点009から伝搬経路003の方向にレイを放射する。当該方向に放射したレイが観測領域内に存在する内容物に衝突するか否かを観測領域内の全ての内容物に対して調べる。当該レイは内容物001と反射点012において衝突し、その結果、透過レイ011ならびに反射レイ004が生成される。反射により生成されたレイ004は、さらに内容物002と衝突し、同じように透過レイ013ならびに反射レイ008が生成される。反射レイ008は受信点010近傍を通過するため、当該レイを観測点における到来波として扱う。
【0008】
具体的には、伝搬経路である経路003,004,008、各々の伝搬距離の合計から規定される受信強度ならびに到来遅延時間が図14のように記録される。図14の横軸101はレイが送信点009から観測点010まで経路003,004,008を経由して到達するのに要した遅延時間を、縦軸102は当該経路を通過したレイが有する受信強度を表す。
【0009】
送信点009から伝搬経路003の方向へ放射されたレイについて、透過波011ならびに013についても、伝搬経路003,004,008と同様の反射透過レイ探索を繰り返し、受信点010近傍をレイが通過した場合には、伝搬経路008の場合と同様に到来波として扱い、以上の処理を探索終了条件を満たすまで続ける。探索終了条件は、反射透過点での受信電界強度が所定値を下回った場合などとする。なお、本発明では、上記までの処理をレイラウンチング処理と呼ぶことにする。
【0010】
送信点009から伝搬経路003の方向へ放射されたレイの反射透過経路探索が終了した後、例えば伝搬経路006のように、送信点009から放射するレイの放射角度を変えて同様のラウンチング処理を行い、これを送信点009の全ての放射方向もしくは事前に規定した一部の放射方向について調べる。最終的には、受信点010に対する遅延プロファイルである図15が得られる。図15の横軸201は送信点009からレイが到来するまでの遅延時間を、縦軸202は当該経路を通過したレイが有する受信強度を表す。受信電力は図15に示した全てのパスの受信強度の和で与えられ、歪の程度を示す遅延拡がりは遅延時間の標準偏差により与えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
レイラウンチング法は、送受信点間を結ぶレイの伝搬経路の解をイメージング法のように厳密に求めるのではなく近似的に与えるため、伝搬経路探索に要する時間はイメージング法に比べて短く出来るが、しかし、大規模な建造物や、建造物内部に極めて多数の什器(図13の内容物001や002など)が設置されている場合には、やはり長い計算時間を要する。
【0012】
本発明の目的は、並列計算機を用いてレイラウンチング法を高速化する電波伝搬特性予測システム及びその方法並びにプログラムを提供することである。
【0014】
課題を解決するための手段
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、互いにネットワークを介して接続された複数の中央演算ユニット(CPU)と、これ等全てのCPUからアクセス自在な記録装置とを含み、前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して前記各CPUに優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当てて、前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行い、前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行し、前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を前記記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測システムが得られる。
【0015】
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測システムであって、互いにネットワークを介して接続された複数の中央演算ユニット(CPU)と、これ等全てのCPUからアクセス自在な記録装置と、前記CPUの各々に対して設定され、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表とを含み、前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行い、前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を前記記録装置に記録し、前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測システムが得られる。
【0016】
そして、前記優先度は、レイラウンチング処理の処理時間が大なるレイの優先度を、処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低くなるよう設定したことを特徴とする。
【0017】
また、前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々は、前記観測空間内に予め設定された被射影対象への前記レイの射影による第一の像を取得する第一の像取得手段と、前記被射影対象への前記内容物の各々の射影による第二の像を取得する第二の像取得手段と、前記第一の像と第二の像の各々とが互いに交差するかどうかを判定する判定手段と、この判定結果が交差を示す場合に、該当する内容物を前記レイに対する遮蔽物検出対象として絞り込む検出対象絞り込み手段とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、前記被射影対象はM個(Mは2以上の整数)設定されており、i=1(iは1〜M)の被射影対象に対して前記第一の像取得手段、第二の像取得手段、判定手段および検出対象絞り込み手段をそれぞれ実行制御し、前記検出対象絞り込み手段にて絞り込まれた内容物に対してi=2の被射影対象に対して前記第一の像取得手段、第二の像取得手段、判定手段および検出対象絞り込み手段をそれぞれ実行制御し、以後これを繰り返してi=Mの被射影対象まで同様な実行制御をなす制御手段を、前記CPUの各々は更に含むことを特徴とする。
【0019】
更に、前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々は、前記観測空間内に複数の被射影対象i(i=1〜M:Mは2以上の整数)を設定し、前記内容物の一部もしくは全部の集合を表す群k(k=0〜M)を規定し、群0を前記観測空間内に規定された全ての前記内容物の集合とした場合、前記レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得する手段と、群i−1より一つの内容物を選択し、当該内容物の前記被射影対象iへの射影による像Bを取得する手段と、前記像AとBとが交差しているか否かを調べ、前記像AとBとが交差している場合に当該内容物を群iに選択的に取込む内容物選択取込み処理を実施する手段と、前記群i−1の他の全ての内容物についてもそれぞれ前記内容物選択取込み処理を実施して、群iに含まれる内容物の選択的取込み処理を行う手段と、iを1から順にMとなるまで前記内容物の選択取込み処理を実施し、最終的に群Mに含まれて絞り込まれた内容物に対して遮蔽物の検出を行う手段とを含むことを特徴とする。
【0020】
そして、前記被射影対象iとして3次元空間上に規定される線もしくは面とし、前記被射影対象のそれぞれに異なる直線もしくは平面を割当てることを特徴とし、また、i=1〜L(Lは2≦L<Mの整数)の被射影対象に対しては前記直線を割当て、i=L+1〜Mに対しては前記平面を割当てることを特徴とする。また、前記iの設定に際して、前記レイの前記被射影対象に対する射影の長さが小なる程、iを小に設定することを特徴とする。
【0021】
更に、前記レイの予め定められた所定平面に対する仰角の絶対値をtとし、前記被射影対象の前記所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、前記tの値に応じて前記被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTiとの差が大きくなるように前記被射影対象iの設定を行うことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して複数のCPUの各々に優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当て、前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行い、前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行し、前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を共通記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測方法が得られる。
【0024】
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、複数のCPUの各々に、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表を設け、前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行い、前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を共通記録装置に記録し、前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測方法が得られる。
【0025】
そして、前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、 前記観測空間内に予め設定された被射影対象への前記レイの射影による第一の像を取得する第一のステップと、前記被射影対象への前記内容物の各々の射影による第二の像を取得する第二のステップと、前記第一の像と第二の像の各々とが互いに交差するかどうかを判定する第三のステップと、この判定結果が交差を示す場合に、該当する内容物を前記レイに対する遮蔽物検出対象として絞り込む第四のステップとを含むことを特徴とする。
【0026】
また、前記被射影対象はM個(Mは2以上の整数)設定されており、i=1(iは1〜M)の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、この第四のステップにて絞り込まれた内容物に対してi=2の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、以後これを繰り返してi=Mの被射影対象まで同様な処理を実行するようにしたことを特徴とする。
【0027】
更に、前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、前記観測空間内に複数の被射影対象i(i=1〜M:Mは2以上の整数)を設定し、前記内容物の一部もしくは全部の集合を表す群k(k=0〜M)を規定し、群0を前記観測空間内に規定された全ての前記内容物の集合とした場合、前記レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得するステップと、群i−1より一つの内容物を選択し、当該内容物の前記被射影対象iへの射影による像Bを取得するステップと、前記像AとBとが交差しているか否かを調べ、前記像AとBとが交差している場合に当該内容物を群iに選択的に取込む内容物選択取込み処理を実施するステップと、前記群i−1の他の全ての内容物についてもそれぞれ前記内容物選択取込み処理を実施して、群iに含まれる内容物の選択的取込み処理を行うステップと、iを1から順にMとなるまで前記内容物の選択取込み処理を実施し、最終的に群Mに含まれて絞り込まれた内容物に対して遮蔽物の検出を行うステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
また、前記被射影対象iとして3次元空間上に規定される線もしくは面とし、前記被射影対象のそれぞれに異なる直線もしくは平面を割当てることを特徴とし、また、i=1〜L(Lは2≦L<Mの整数)の被射影対象に対しては前記直線を割当て、i=L+1〜Mに対しては前記平面を割当てることを特徴とする。更に、前記iの設定に際して、前記レイの前記被射影対象に対する射影の長さが小なる程、iを小に設定することを特徴とし、また前記レイの予め定められた所定平面に対する仰角の絶対値をtとし、前記被射影対象の前記所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、前記tの値に応じて前記被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTとの差が大きくなるように前記被射影対象iの設定を行うことを特徴とする。
【0030】
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して複数のCPUの各々に優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当てるステップと、前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行うステップと、前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行するステップと、前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を共通記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行するステップとを含むことを特徴とするプログラムが得られる。
【0031】
本発明によれば、3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
複数のCPUの各々に、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表を設けておき、前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行うステップと、前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を共通記録装置に記録するステップと、前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行するステップとを含むことを特徴とするプログラムが得られる。
【0032】
本発明の作用を述べる。所定送信点より放出される複数のレイに対する各レイラウンチング処理の演算を、複数のCPUにより同時に並行して処理させるよう構成する。かかる方法によれば、送信点より放出される複数のレイを分割して各CPUへ割り振り、同時にレイラウンチング処理を実施することになるので、計算時間の短縮が達成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態の構成を示す図である。N個の中央演算ユニット(CPU1〜N)A02〜A05、共通記録装置A01、ネットワークA06からなり、各CPUは他の全てのCPUとネットワークA06を介して通信することが可能である。共通記録装置A01は全てのCPU1〜Nから読み書きが可能である。
【0034】
共通記録装置A01はCPUのいずれかの内部に配置される場合があり、この場合、当該CPU以外のCPUはネットワークA06を経由して共通記録装置A01にアクセスする。共通記録装置A01はネットワークA06上に配置される場合がある。共通記録装置A01は、遅延プロファイルの読み書きや、各CPUを制御するための動作プログラムを格納する等に使用されるものである。
【0035】
次に、図2を用いて本発明の第一の実施の形態における電波伝搬特性予測法について説明する。図2は送信点B04から放射されるレイ(例えば、B05)の一例を表す。2次元平面的に描いているが、実際にはレイは3次元的に放射される。図2に示すように、12本のレイを3つのグループB01,B02,B03に分け、各グループにそれぞれ異なるCPUを割り当てる。必ずしも均等な数でのレイのグループ化はしなくともよい。
【0036】
各CPUでは、それぞれに割り当てられたレイについて、図13で説明したレイラウンチング処理を実行する。異なるCPUにおいて実行されたレイラウンチング処理の結果は、全てのCPUで読み書き可能である記録装置A01に記録されることで集積が行なわれ、ぞの結果、図15に相当する遅延プロファイルが最終的に得られる。
【0037】
このように、放射されるレイをグループ化し、異なるCPUで並列にレイラウンチング処理を行なうことによって、全てのレイを1つのCPUだけで処理する場合に比べて計算速度の高速化が達成される。
【0038】
次に図3を用いて、本発明の第二の実施の形態におけるレイの割り当て処理について説明する。図3は本発明の第二の実施の形態における各CPUで実施される処理の流れ図を示した図である。各CPU1〜Nにおいては、図3に示した処理がそれぞれ並行して実施される。送信点から放出されるレイにそれぞれ優先度を設定し、レイと当該レイの優先度を表す優先度表を設定する。この優先度表は、全てのCPUで同一のものを持つ場合、各CPUでそれぞれ異なる優先度表を持つ場合とがある。
【0039】
各CPUにおいて処理が開始されると、当該CPUは送信点から放出されるレイの中から、高い優先度のレイを選択する(ステップD01)。ただし、処理開始直後に複数のCPUで同じレイが選択されることを避けるように、レイは各CPUにおいて選択される。処理D02において、選択されたレイが他のCPUで既にレイラウンチング処理が行なわれたか否かを判定する。この判定は、全てのCPUから読み書きが可能な共通記録装置上に記録してある個所を参照することで実施される。当該レイが既に他のCPUでレイラウンチング処理されている場合には、ステップD05へ進み、レイラウンチング処理が未だ実施されていない場合にはステップD03へ進む。
【0040】
ステップD03では、共通記録装置に当該レイの処理を行なう旨のマーク付けを行い、ステップD04において当該レイに対してレイラウンチング処理を行なう。ステップD04では、当該レイのレイラウンチング処理の結果を全てのCPUで読み書き可能である記録装置A01に記録することで集積を行い、図15に相当する遅延プロファイルの生成を行なう。
【0041】
ステップD04でレイラウンチング処理が完了すると、ステップD05へ進み、ステップD05では選択中のレイが最後のレイであるか否かが判定される。最後のレイと判定されればステップD06へ進み、処理を終了する。ステップD05において最後のレイと判定されなければ、ステップD07へ進み、優先度表を参照し、その後、ステップD08において次に優先度の高いレイを決定し、ステップD01において当該レイを新たに選択し、以下、上記と同様の処理を最後のレイに到達するまで繰り返す。
【0042】
図4は図3で説明した優先度表の一例を示す図であり、全てのCPUで共通の優先度表を持つ場合の例である。本優先度を共通記録装置A01内に格納すれば、各CPUはこの共通記録装置を参照することによって優先度を知ることが可能となる。図4に示した表においては、上位に位置するレイほど高い優先度をもち、この優先度の順にレイラウンチング処理が図3で説明した流れ図に従って実施される。
【0043】
いま、3つのCPUでシステムが構成されているとし、C21,C22,C23のように、CPU−1.CPU−2,CPU−3に、それぞれレイ−1、レイ−2、レイ−3を初期設定として割り当て、それぞれのCPUにおいて同時に処理が開始される場合を考える。その後、まずCPU−2において処理が完了すれば、当該CPUへC24のように次に優先度が高いレイ−4が割り当てられてレイラウンチング処理が行なわれる。
【0044】
その後、さらに、C23で割り当てたレイ3の処理がCPU−3において終了すれば、当該CPUへレイ−5をC25のように割り当てて前記処理が実施される。同様に、処理が終了したCPUから順に次々とレイは割り当てられ、最後のレイ−Mに到達するまでレイラウンチング処理は繰り返し各CPUにおいて実施される。各CPUは、前記優先度ならびに共通記録装置を参照して処理が未だ行なわれていない次の優先度のレイがどれであるかを把握し、一方、処理をこれから開始するレイについては他のCPUへ周知させるために当該CPUが処理を行なったことを表すマーク付け(例えば、”1”等のフラグを立てる)が共通記録装置上で行なわれる。
【0045】
異なるCPUにおいて実行されたレイラウンチング処理の結果は、全てのCPUで読み書き可能である共通記録装置A01に記録されることで集積が行なわれ、その結果、図15に相当する遅延プロファイルが最終的に得られる。
【0046】
CPUの処理能力が異なる場合、処理能力が高い(すなわち、計算速度が速い)CPUであるほど、より高速にレイラウンチング処理が完了する。あるいは、レイの放射角度によっても処理に要する時間は異なる。本発明の実施の形態によると、早く処理が終わったCPUから順に次々とレイラウンチング処理を実行することによって、各CPUの処理能力に応じて適応的にレイの割り当てが可能となり、最小計算時間で全ての処理を完了させることが可能となる。
【0047】
図5は第二の実施の形態におけるレイの割り当て手法の新たな実施例を示す図である。図5は10個のレイ、レイ−1〜レイ−10が送信点から放射される場合に、4つのCPU−1〜CPU−4、それぞれにおけるレイの優先度表を示したものであり、数字が小さいほど高い優先度を示す。図5のように、本実施例では各CPUにおいてそれぞれ異なる優先度表をもつ。図3に示した処理に従うと、各CPUは、当該CPUに割り当てられたレイの優先度の順にかつ他のCPUで未だレイラウンチング処理が行なわれていないレイから順に平行してレイラウンチング処理を行なう。
【0048】
図5に示した優先度による実施例によると、図4で示した実施例と同様、早く処理が終わったCPUから各々の優先度表に従って順に次々とレイラウンチング処理を実行するために、各CPUの処理能力に応じて適応的にレイの割り当てが可能となり、最小計算時間で全ての処理を完了させることが可能となる。また、本実施例によるとレイラウンチング処理の対象となるレイの順番を各CPUで任意に設定できるため、例えば、計算に長い時間を要する放射角度のレイの優先度を処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低く設定することによって、1つのレイあたりの計算時間を均等化することが可能となる。
【0049】
図3に示した処理のためのプログラムは共通記録装置A01に予め記録しておき、処理開始時に、各CPU−1〜Nに対して、このプログラムをロードして、各CPUで動作させるようにしても良く、また各CPU内の図示せぬ記録手段にそれぞれ記録しておくようにしても良いものである。
【0050】
ここで、図3の処理ステップD04におけるレイラウンチング法では、レイの伝搬経路上の反射透過点を検出するために、観測空間内に存在するすべての内容物について当該レイと衝突するか否かを調査しなくてはならない。3次元空間内でレイと内容物とが交差するか否かは多元方程式を解く必要があり、相応の計算量が要求される。すなわち、この反射透過点の検出のためには、反射面を表す3次元空間上に規定される式と、レイを表す3次元空間上に規定される式とを連立させてこれを解くという算出手法が採られることが一般的であるので、相応の計算量が必要となる。よって、観測空間内の内容物が多くなるに従って調査に要する計算量は増加し、伝搬特性を評価する際に要する時間が増大する。
【0051】
そこで、本発明では、上述したように、複数のCPUを並列に動作させて、互いに異なるレイに関する上記計算を行うことで、計算時間の短縮化を図るものであるが、更なる時間短縮のために、レイが内容物と交差して遮蔽物となるかどうかの計算量をより少なくする手法を、本願発明者等は、特願2000−304294号明細書に提案している。この手法につき以下に、図6〜図12を参照しつつ説明する。
【0052】
図6は遮蔽物検出方法を示す流れ図である。3次元空間上に観測領域が与えられ、当該観測領域内に壁や什器等の内容物が与えられ、調査対象となるレイが与えられることを前提とする(ステップ301)。当該レイは、レイラウンチングアルゴリズムにおいてアンテナから放射されたレイや反射透過により生成されるレイを指し、具体的には従来技術の説明において説明した図13における伝搬経路003や004等を指すものとする。
【0053】
内部変数iを定義し、初期値として、i=1を設定する(ステップ302)。そして、当該レイの被射影対象iへの射影による像Aを決定する(ステップ303)。ここで、被射影対象iとして、3次元空間上に規定される直線や平面を用い、その数はM個とする。直線としては、本例では、x軸、もしくはy軸、もしくはz軸を設定するものとし、また平面として、xy平面、もしくはyz平面、もしくはzx平面を設定するものとする。そして、被射影対象iはそれぞれ異なるものを設定する。
【0054】
被射影対象が直線である場合の射影法に関しては、例えば、レイの両端点から被射影直線へ向けた垂線の交点を調べ、その両端に位置する点を結ぶ線分を像Aとする(後述の図8参照)。この場合、特に被射影対象がx軸、y軸、もしくはz軸である場合、レイの両端点の座標の同一軸の値(例えば、被射影対象がx軸ならば、x座標の値)の最大値と最小値とを結ぶ線分が像Aとなる。被射影対象が平面である場合の射影法に関しては、例えば、レイの両端点から被射影平面へ向けた垂線の交点を調べ、その両端に位置する点を結ぶ線分を像Aとする(後述の図9参照)。
【0055】
次に、内容物の集合を与える群i−1のうち、どれかひとつの内容物を選択する(ステップ304)。なお、群0は観測領域内に設定した全ての内容物の集合とする。そして、選択された内容物の被射影対象iへの射影による像Bを決定する(ステップ305)。被射影対象が直線である場合の射影法に関しては、上述した例と同様に、選択された内容物の頂点から被射影線へ向けた垂線の交点を調べ、その両端の最外郭に位置する点を結ぶ線分を像Bとする。この場合、特に被射影対象がx軸、y軸、もしくはz軸である場合、内容物の頂点座標の同一軸の値(例えば、被射影対象がx軸ならば、x座標の値)の最大値と最小値とを結ぶ線分が像Bとなる。
【0056】
被射影対象が平面である場合の射影法に関しては、上述した例と同様に、選択された内容物の頂点から被射影平面へ向けた垂線の交点を調べ、その最外郭に位置する点を結ぶ領域を像Bとする。次に、像Aと像Bとが交差するか否かを判定し(ステップ306)、交差していればステップ308へ進み、当該内容物を群iに取り込み、交差していなければステップ307へ進み、選択中の内容物を遮蔽物検索対象からはずす処理を行う。そして、選択中の内容物が群i−1内で最後の内容物であれば(ステップ309)、次のステップ310へ進み、最後の内容物でなければステップ312へ進み、群i−1内の未選択の次の内容物を選択して、再びステップ305へ戻る。
【0057】
ステップ310では、iの値が被射影対象の数Mを超えているかどうかを調べ、超えていればステップ311へ進む。また、超えていなければステップ313へ進み、iの値を1だけ増加させた後に、ステップ303へ戻る。ステップ311においては、群Mに属する内容物に対して、3次元空間内での遮蔽物検出を実施し、具体的な反射透過点の算出を行う。ここで、遮蔽物検出ならびに反射透過点の検出には、上述したように、多元連立方程式が用いられることになる。
【0058】
被射影対象iの設定に関しては、例えば、iの値が小さいものには直線を被射影対象として設定し、iの値が大きいものには平面を被射影対象として設定することができる。
【0059】
図6に示した動作を、図7〜図10を用いて説明する。図7はM=5の場合の被射影対象iの設定の一例を示した図である。図7のように、iの値が小さいものには、直線を被射影対象として設定し、iの値が大きいものには、平面を被射影対象として設定している。直線として、x、y、z軸それぞれを設定し、平面として、xy面、zx面を設定している。図6に示した動作例によると、図7に示した被射影対象1から順に被射影対象5までを調べ、各被射影対象への内容物ならびに調査対象のレイの像を比較することによって、群1から群5に含まれる内容物の選定を順次行ってゆく。群iに対する内容物の選択は、群i−1に含まれる内容物それぞれについて、被射影対象iへの射影による像Bならびに調査対象レイの被射影対象iへの射影による像Aを比較することによって実施される。ただし、群0は観測領域に含まれる全ての内容物である。
【0060】
図8は、i=1である場合に、被射影対象1、すなわち被射影対象がx軸である場合の射影の様子を示した図である。401は内容物を、405は調査対象レイを、それぞれ表している。内容物401の各頂点から被射影対象であるx軸407への垂線の交点を求め、その最外郭の両端に位置する点を結んだ線分が内容物401から被射影対象1への像404である。
【0061】
一方、レイ405の両端点から被射影対象であるx軸407への垂線の交点を求め、その両端に位置する点を結んだ線分がレイ405から被射影対象1への像406である。像404と像406とが決定されると、両者が交わるかどうかを比較する。図8では、像404と像406とは交わらないため、内容物401は群1に含まれる内容物から除外され、遮蔽物検出の対象からはずされる。
【0062】
同様に、群0に規定される他の内容物についても、上述の内容物追加処理を実施して群1の内容物の選択的な取り込み処理を行う。さらに、被射影対象2ならびに3、すなわち被射影対象がそれぞれy軸ならびにz軸の場合に関しても、上述の内容物の選択取り込み処理を行う。
【0063】
図9はi=4の場合、すなわち図7に示すように、被射影対象がxy平面である場合の射影の様子を示した図である。501は群3に属する内容物を示し、504は調査対象のレイを示す。内容物501の各頂点から被射影面へ向けた垂線の交点を調べ、その最外郭に位置する点を結ぶ領域が被射影対象4への射影による像502である。レイ504の両端点から被射影面へ向けた垂線の交点を調べ、その両端に位置する点を結ぶ線分が被射影対象4への射影による像503である。
【0064】
像503と像502とが決定されると、両者が交わるかどうかを比較する。図9では、像503と像502とが交わるため、内容物501は群4に含まれる内容物として選択的に取り込まれる。同様に、群3に選択的に取り込まれた他の内容物についても、上述の内容物追加処理を実施して群4の内容物の選択取り込み処理を行う。さらに、被射影対象5、すなわち被射影対象がzx面の場合に関しても、上述の内容物選択取り込み処理を行い、群5の内容物選択取り込み処理を行う。群5に含まれる内容物に対して3次元空間内での遮蔽物検出を行い、最終的には調査対象であるレイが通過する遮蔽物の検出ならびに反射透過点の決定を行う。
【0065】
図10はM=5の場合の群iの様子を包含図で示した図である。606、601、602、603、604、605はそれぞれ群0〜群5を示す。各群の内容物選択取り込み処理を行うことによって、iが大きくなるにしたがって順次群の大きさが小さくなってゆき、遮蔽物検出の対象となる内容物を絞り込まれる様子が示されている。最終的に、3次元空間内でのレイと群5に絞り込まれた内容物とが交差するか否かは、多元連立方程式を解く必要があることは前述したとおりである。この多元連立方程式の算出結果により、調査対象レイの内容物における反射透過点の検出がなされることになるのである。
【0066】
従来方法では、観測領域内の全ての内容物、すなわち群0である606に含まれる全ての内容物について、多元連立方程式を解く必要があるが、この方法によれば、群5である605に含まれて絞り込まれた内容物についてのみ、多元連立方程式を解けばよく、処理時間の短縮が可能となる。
【0067】
以上の述べた処理動作から、この処理動作を実現するための機能ブロックが、図11に示すように得られることになる。図11を参照すると、レイの射影像取得部1は、調査対象レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得する機能を有するものである。また、内容物の射影像取得部2は、群i−1に含まれる内容物を選択して、当該内容物の被射影対象iへの射影による像Bを取得する機能を有するものである。
【0068】
射影像交差判定部3は、像AとBとが交差するかどうかを判定する機能を有しており、検出対象絞り込み部4はこの射影像交差判定部3により像AとBとが交差すると判定された時に、その内容物を群iに選択的に取り込み、そうでない場合には、この内容物を遮蔽物検出対象からはずす処理を行う機能を有する。
【0069】
反射透過点検出部5は、最終的に絞り込まれた群Mに属する内容物に対して、遮蔽物検出処理および反射透過点検出処理を行うものであり、上述した多元連立方程式を解く処理をなすものである。
【0070】
制御部6はCPUからなり、読出し専用メモリ(ROM)などの記録媒体7に予め格納された動作制御プログラムを読込んで、このプログラムの制御手順に従って各部1〜5を制御して、図6に示した動作処理を実行制御する機能を有するものである。
【0071】
なお、上述した被射影対象i(iは射影の順番を示す)の設定方法について述べる。一例として、図7に示したように、iの値が小さいものには、直線を被射影対象として設定し、iの値が大きいものには、平面を被射影対象として設定するのが良い。すなわち、平面上への射影に比べ、直線上への射影を行うほうが、計算量は小さいため、先に直線による射影により遮蔽物検出対象となる内容物の絞り込みを行えば、処理量が削減されるからである。
【0072】
また、被射影対象iの他の設定方法として、調査対象のレイの予め定められた所定平面に対する仰角(絶対値、以下同じ)をtとし、また被射影対象iのこの所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、tの値に応じて被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTとの差が大きくなるように、このiの設定を行うこともできる。
【0073】
その理由を以下に述べると、一般に、観測領域は有限領域であるため、調査対象のレイの仰角と、被射影対象iの仰角との差が大きい場合、当該レイの被射影対象iへの像は、その占有領域が小さく、多くの交差しない内容物の検出が可能となる。従って、iが小さいほど、tとTとの差が大きくなるように、被射影対象iの設定を行うことによって、調査対象のレイと交差しない内容物を早めに遮蔽物検出対象から除外することが可能となり、処理量が削減される。
【0074】
このiの設定に関して、より分かり易くするために、図12を参照すると、所定平面として、例えば、xy平面をとり、調査対象レイ701の当該xy平面に対する仰角tが10度とする。このとき、被射影対象がx軸とz軸であり、両者の順番iを設定する場合、x軸のxy平面に対する仰角Tx は0度であり、z軸のxy平面に対する仰角Tz は90度となる。従って、tとTx との差およびtとTz との差は、図12にも示しているように、それぞれ10度および90度となる。よって、本例では、z軸のほうがx軸よりも、iについては小に設定され、z軸がx軸よりも早く被射影対象として選定されることになる。
【0075】
このことは、すなわち、調査対象レイ701のz軸に対して射影された像703が、x軸に対して射影された像702よりも、長さが小である方のiを小さく設定することに他ならない。
【0076】
【発明の効果】
本発明の第一の実施形態によると送信点より放出される複数のレイを分割して各CPUへ割り振り、同時にレイラウンチング処理を実施することにより計算時間の短縮が達成される。CPUの処理能力が異なる場合、処理能力が高い(すなわち、計算速度が速い)CPUであるほど、より高速にレイラウンチング処理が完了する。あるいは、レイの放射角度によっても処理に要する時間は異なる。本発明の第二の実施形態のうち図4で示した実施例によると、早く処理が終わったCPUから順に次々とレイラウンチング処理を実行することによって、各CPUの処理能力に応じて適応的にレイの割り当てが可能となり、最小計算時間で全ての処理を完了させることが可能となる。
【0077】
更に本発明の第二の実施形態における図5に示した優先度による実施例によると、レイラウンチング処理の対象となるレイの順番を各CPUで任意に設定できるため、例えば、計算に長い時間を要する放射角度のレイの優先度を処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低く設定することによって、1つのレイあたりの計算時間を均等化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一の実施形態におけるレイのグループ化を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施形態における各CPUで実施される処理の流れ図である。
【図4】本発明の第二の実施形態における優先度表の一例を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施形態におけるレイの割り当て手法の別の実施例を示す図である。
【図6】本発明の実施例に使用するレイラウンチング処理の動作例を示すフローチャートである。
【図7】被射影対象の設定レイを示す図表である。
【図8】被射影対象がx軸の場合の射影の一例を示す図である。
【図9】被射影対象がxy面の場合の射影の一例を示す図である。
【図10】群iの包含図を示す図である。
【図11】レイラウンチング処理をなす場合の構成を示す概略機能ブロック図である。
【図12】被射影対象のiの設定方法の一例を説明するための図である。
【図13】レイラウンチング法を説明する図である。
【図14】一本のレイに対する観測点におけるパスプロファイルの例を示す図である。
【図15】レイラウンチング法によって得られる観測点におけるパスプロファイルである。
【符号の説明】
A01 共通記録装置
A02〜A05 CPU
A06 ネットワーク
401,501 内容物
405,504 調査対象レイ
402,403 内容物の各頂点からのx軸に対する垂線
404,503 像A
404,502 像B
601〜606 群

Claims (30)

  1. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、
    互いにネットワークを介して接続された複数の中央演算ユニット(CPU)と、
    これ等全てのCPUからアクセス自在な記録装置とを含み、
    前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して前記各CPUに優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当てて、前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行い、前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行し、前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を前記記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測システム。
  2. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測システムであって、
    互いにネットワークを介して接続された複数の中央演算ユニット(CPU)と、
    これ等全てのCPUからアクセス自在な記録装置と、
    前記CPUの各々に対して設定され、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表とを含み、
    前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行い、前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を前記記録装置に記録し、前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測システム。
  3. 前記優先度は、レイラウンチング処理の処理時間が大なるレイの優先度を、処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低くなるよう設定したことを特徴とする請求項1または2記載の電波伝搬特性予測システム。
  4. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々は、
    前記観測空間内に予め設定された被射影対象への前記レイの射影による第一の像を取得する第一の像取得手段と、
    前記被射影対象への前記内容物の各々の射影による第二の像を取得する第二の像取得手段と、
    前記第一の像と第二の像の各々とが互いに交差するかどうかを判定する判定手段と、
    この判定結果が交差を示す場合に、該当する内容物を前記レイに対する遮蔽物検出対象として絞り込む検出対象絞り込み手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜いずれか記載の電波伝搬特性予測システム。
  5. 前記被射影対象はM個(Mは2以上の整数)設定されており、i=1(iは1〜M)の被射影対象に対して前記第一の像取得手段、第二の像取得手段、判定手段および検出対象絞り込み手段をそれぞれ実行制御し、前記検出対象絞り込み手段にて絞り込まれた内容物に対してi=2の被射影対象に対して前記第一の像取得手段、第二の像取得手段、判定手段および検出対象絞り込み手段をそれぞれ実行制御し、以後これを繰り返してi=Mの被射影対象まで同様な実行制御をなす制御手段を、前記CPUの各々は更に含むことを特徴とする請求項記載の電波伝搬特性予測システム。
  6. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々は、
    前記観測空間内に複数の被射影対象i(i=1〜M:Mは2以上の整数)を設定し、前記内容物の一部もしくは全部の集合を表す群k(k=0〜M)を規定し、群0を前記観測空間内に規定された全ての前記内容物の集合とした場合、
    前記レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得する手段と、
    群i−1より一つの内容物を選択し、当該内容物の前記被射影対象iへの射影による像Bを取得する手段と、
    前記像AとBとが交差しているか否かを調べ、前記像AとBとが交差している場合に当該内容物を群iに選択的に取込む内容物選択取込み処理を実施する手段と、
    前記群i−1の他の全ての内容物についてもそれぞれ前記内容物選択取込み処理を実施して、群iに含まれる内容物の選択的取込み処理を行う手段と、
    iを1から順にMとなるまで前記内容物の選択取込み処理を実施し、最終的に群Mに含まれて絞り込まれた内容物に対して遮蔽物の検出を行う手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜いずれか記載の電波伝搬特性予測システム。
  7. 前記被射影対象iとして3次元空間上に規定される線もしくは面とし、前記被射影対象のそれぞれに異なる直線もしくは平面を割当てることを特徴とする請求項5または6記載の電波伝搬特性予測システム。
  8. i=1〜L(Lは2≦L<Mの整数)の被射影対象に対しては前記直線を割当て、i=L+1〜Mに対しては前記平面を割当てることを特徴とする請求項記載の電波伝搬特性予測システム。
  9. 前記iの設定に際して、前記レイの前記被射影対象に対する射影の長さが小なる程、iを小に設定することを特徴とする請求項5〜8いずれか記載の電波伝搬特性予測システム。
  10. 前記レイの予め定められた所定平面に対する仰角の絶対値をtとし、前記被射影対象の前記所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、前記tの値に応じて前記被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTiとの差が大きくなるように前記被射影対象iの設定を行うことを特徴とする請求項記載の電波伝搬特性予測システム。
  11. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、
    前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して複数のCPUの各々に優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当て、
    前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行い、
    前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行し、
    前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を共通記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測方法。
  12. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法であって、
    複数のCPUの各々に、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表を設け、
    前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行い、
    前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を共通記録装置に記録し、
    前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行することを特徴とする電波伝搬特性予測方法。
  13. 前記優先度は、レイラウンチング処理の処理時間が大なるレイの優先度を、処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低くなるよう設定したことを特徴とする請求項11または12記載の電波伝搬特性予測方法。
  14. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、 前記観測空間内に予め設定された被射影対象への前記レイの射影による第一の像を取得する第一のステップと、
    前記被射影対象への前記内容物の各々の射影による第二の像を取得する第二のステップと、
    前記第一の像と第二の像の各々とが互いに交差するかどうかを判定する第三のステップと、
    この判定結果が交差を示す場合に、該当する内容物を前記レイに対する遮蔽物検出対象として絞り込む第四のステップと、
    を含むことを特徴とする請求項11〜13いずれか記載の電波伝搬特性予測方法。
  15. 前記被射影対象はM個(Mは2以上の整数)設定されており、i=1(iは1〜M)の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、この第四のステップにて絞り込まれた内容物に対してi=2の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、以後これを繰り返してi=Mの被射影対象まで同様な処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項14記載の電波伝搬特性予測方法。
  16. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、 前記観測空間内に複数の被射影対象i(i=1〜M:Mは2以上の整数)を設定し、前記内容物の一部もしくは全部の集合を表す群k(k=0〜M)を規定し、群0を前記観測空間内に規定された全ての前記内容物の集合とした場合、
    前記レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得するステップと、
    群i−1より一つの内容物を選択し、当該内容物の前記被射影対象iへの射影による像Bを取得するステップと、
    前記像AとBとが交差しているか否かを調べ、前記像AとBとが交差している場合に当該内容物を群iに選択的に取込む内容物選択取込み処理を実施するステップと、
    前記群i−1の他の全ての内容物についてもそれぞれ前記内容物選択取込み処理を実施して、群iに含まれる内容物の選択的取込み処理を行うステップと、
    iを1から順にMとなるまで前記内容物の選択取込み処理を実施し、最終的に群Mに含まれて絞り込まれた内容物に対して遮蔽物の検出を行うステップと、
    を含むことを特徴とする請求項11〜13いずれか記載の電波伝搬特性予測方法。
  17. 前記被射影対象iとして3次元空間上に規定される線もしくは面とし、前記被射影対象のそれぞれに異なる直線もしくは平面を割当てることを特徴とする請求項15または16記載の電波伝搬特性予測方法。
  18. i=1〜L(Lは2≦L<Mの整数)の被射影対象に対しては前記直線を割当て、i=L+1〜Mに対しては前記平面を割当てることを特徴とする請求項17記載の電波伝搬特性予測方法。
  19. 前記iの設定に際して、前記レイの前記被射影対象に対する射影の長さが小なる程、iを小に設定することを特徴とする請求項15〜18いずれか記載の電波伝搬特性予測方法。
  20. 前記レイの予め定められた所定平面に対する仰角の絶対値をtとし、前記被射影対象の前記所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、前記tの値に応じて前記被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTとの差が大きくなるように前記被射影対象iの設定を行うことを特徴とする請求項19記載の電波伝搬特性予測方法。
  21. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記送信点より放出される前記複数のレイにそれぞれ優先度を設定して複数のCPUの各々に優先度の高いレイから順に一つずつレイを割り当てるステップと、
    前CPUの各々において、それぞれ割り当てられたレイに対して前記レイラウンチング処理を同時に行うステップと、
    前記レイラウンチング処理が終了した前記CPUから順に未だCPUへの割り当てが行なわれていない次の優先度のレイを選択し、前記各CPUは選択したレイに対して前記レイラウンチング処理を実行するステップと、
    前記CPUの各々において、選択された前記レイを当該CPUにおいて処理することを表す内容を共通記録装置へ記録すると共に、前記記録装置を参照して前記レイの選択を行い、最後のレイに到達するまでレイの選択処理ならびにレイラウンチング処理を繰り返し実行するステップとを含むことを特徴とするプログラム。
  22. 3次元空間上に規定される観測空間内に複数の内容物、送信点及び受信点が与えられ、前記送信点より異なる放射角度で複数の電波線(レイ)が放出され、前記レイは当該レイの進行に伴う前記内容物との衝突により反射ならびに透過を繰り返しておこし、前記反射ならびに透過が繰り返される間、前記レイが前記受信点の近傍を通過した時に通過時刻と強度の情報とを得るレイラウンチング処理をなすようにした電波伝搬特性予測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    複数のCPUの各々に、前記送信点より放出される前記複数のレイの各々の優先度を表す優先度表であってかつその内容が前記CPUにおいて互いに異なる優先度表を設けておき、
    前記CPUの各々において、当該CPUが有する前記優先度表を参照して未だ自CPUならびに他CPUにおいて前記レイラウンチング処理が行なわれていないレイのうち最も優先度の高いレイを選択し、前記各CPUは選択された前記レイに対して前記レイラウンチング処理を行うステップと、
    前記レイラウンチング処理は全てのCPUにおいて同時に実行され、前記各CPUはレイラウンチング処理を行なうレイに対して当該レイの処理を行なう旨を示す内容を共通記録装置に記録するステップと、
    前記各CPUはあるレイが他CPUにおいてレイラウンチング処理が行なわれたか否かを前記記録装置を参照することで把握し、前記各CPUでは最後のレイに到達するまで前記レイの割り当て処理ならびに前記レイラウンチング処理を繰り返し実行するステップとを含むことを特徴とするプログラム。
  23. 前記優先度は、レイラウンチング処理の処理時間が大なるレイの優先度を、処理能力が高いCPUにおいては高く、処理能力が低いCPUにおいては低くなるよう設定したことを特徴とする請求項21または22記載のプログラム。
  24. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、 前記観測空間内に予め設定された被射影対象への前記レイの射影による第一の像を取得する第一のステップと、
    前記被射影対象への前記内容物の各々の射影による第二の像を取得する第二のステップと、
    前記第一の像と第二の像の各々とが互いに交差するかどうかを判定する第三のステップと、
    この判定結果が交差を示す場合に、該当する内容物を前記レイに対する遮蔽物検出対象として絞り込む第四のステップと、
    を含むことを特徴とする請求項21〜23いずれか記載のプログラム。
  25. 前記被射影対象はM個(Mは2以上の整数)設定されており、i=1(iは1〜M)の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、この第四のステップにて絞り込まれた内容物に対してi=2の被射影対象に対して前記第一から第四のステップを実行し、以後これを繰り返してi=Mの被射影対象まで同様な処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項24記載のプログラム。
  26. 前記レイラウンチング処理において前記内容物のうち前記レイと衝突して遮蔽する遮蔽物を検出するために、前記CPUの各々において、 前記観測空間内に複数の被射影対象i(i=1〜M:Mは2以上の整数)を設定し、前記内容物の一部もしくは全部の集合を表す群k(k=0〜M)を規定し、群0を前記観測空間内に規定された全ての前記内容物の集合とした場合、
    前記レイの被射影対象iへの射影による像Aを取得するステップと、
    群i−1より一つの内容物を選択し、当該内容物の前記被射影対象iへの射影による像Bを取得するステップと、
    前記像AとBとが交差しているか否かを調べ、前記像AとBとが交差している場合に当該内容物を群iに選択的に取込む内容物選択取込み処理を実施するステップと、
    前記群i−1の他の全ての内容物についてもそれぞれ前記内容物選択取込み処理を実施して、群iに含まれる内容物の選択的取込み処理を行うステップと、
    iを1から順にMとなるまで前記内容物の選択取込み処理を実施し、最終的に群Mに含まれて絞り込まれた内容物に対して遮蔽物の検出を行うステップと、
    を含むことを特徴とする請求項21〜23いずれか記載のプログラム。
  27. 前記被射影対象iとして3次元空間上に規定される線もしくは面とし、前記被射影対象のそれぞれに異なる直線もしくは平面を割当てることを特徴とする請求項25または26記載のプログラム。
  28. i=1〜L(Lは2≦L<Mの整数)の被射影対象に対しては前記直線を割当て、i=L+1〜Mに対しては前記平面を割当てることを特徴とする請求項27記載のプログラム。
  29. 前記iの設定に際して、前記レイの前記被射影対象に対する射影の長さが小なる程、iを小に設定することを特徴とする請求項25〜28いずれか記載のプログラム。
  30. 前記レイの予め定められた所定平面に対する仰角の絶対値をtとし、前記被射影対象の前記所定平面に対する仰角の絶対値をTとし、前記tの値に応じて前記被射影対象の設定を可変し、iが小さいほどtとTとの差が大きくなるように前記被射影対象iの設定を行うことを特徴とする請求項29記載のプログラム。
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