JPH07288495A - 電磁波伝播を迅速に予測するための技法 - Google Patents

電磁波伝播を迅速に予測するための技法

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JPH07288495A
JPH07288495A JP8101195A JP8101195A JPH07288495A JP H07288495 A JPH07288495 A JP H07288495A JP 8101195 A JP8101195 A JP 8101195A JP 8101195 A JP8101195 A JP 8101195A JP H07288495 A JPH07288495 A JP H07288495A
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Steven J Fortune
ジョナサン フォーチュン スチーヴン
Reinaldo A Valenzuela
エー. ヴァレンズエラ レイナルド
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AT&T Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 RF伝播の予測を最適化するための技法を提
供する。 【構成】 三次元環境、例えば、建物が複数の表面を含
む複数の二次元断面としてモデム化される。各表面は、
反射係数と透過係数に対応付けられる。一つの基準送信
機位置と複数の基準受信機位置が選択される。各基準受
信機位置に対して、RF伝播経路が基準送信機位置との
関係で決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般的には電磁波の伝播
を予測するためのシステム及び方法、より詳細には、無
線通信システムの室内適用範囲領域の予測の効率を最適
化するための技法に関する。
【0002】
【従来の技術】RF通信リンクを確立するタスクは、特
に室内環境においては、建物構造要素(例えば、コンク
リート、金属仕切り)が放射パターンに、複雑で、重大
な影響を与えるために挑戦的である。アンテナの配置
は、室内RF通信リンクの全体としての有効性の決定に
おける一つの致命的な要因である。RF伝播の観点から
は、取り巻く環境が非常に複雑であり、適当なアンテナ
位置に到達するために試行錯誤的な方法を使用すること
が必要となる。
【0003】正確なRF伝播計算を遂行するのに伴う複
雑さのために、RF場強度を簡略的に推定或は予測する
ための様々な技法が開発されてきた。伝播モデムの幾つ
かの例が、J.W.McKownとR.L.HamiltonによってIEEE Net
work Magazine (Vol.5、No.6、pp.27-30、1991年12
月号)に掲載の論文『Ray tracing as a design toolfo
r radio networks 』、及びW.Honcharenko 、H.L.Berto
ni 、J.Dailing 、J.Qian、及びH.D.Yee らによって、I
EEE Transactions on Vehicular Technology(Vol.41、
No.4、 pp.496-504、 1992年11月)に掲載の論文
『Mechanisms Governing UHF propagation on single f
loors in mordern office buildings )において説明さ
れているので参照されたい。これらRFモデルはRF場
の強度の計算を一つ或はそれ以上の簡素化想定を実現す
ることによって簡単にする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の伝播予測技法に
よって実現される簡素化想定は、多くの実際的な現実世
界の用途に対しては、充分に計算効率を向上することが
できない。例えば、上に引用の『Ray Tracing as a Des
ign Tool for Radio Networks 』という論文において開
示されている電磁波線追跡予測技法は、現場において複
数のアンテナ位置を比較し、迅速に評価する目的には時
間が掛かり過ぎる。必要とされるのは、室内RF通信シ
ステムを分析的に特性化し、最適化するための改良され
た近似技法である。これら用途に対しては、一般には、
予測場強度値と実測場強度値との間に完全な一致を得る
必要はない。むしろ、複数の可能な室内通信システム設
計の代替を比較評価する目的に対しては、要求されるサ
ービス領域を通じての様々な所での平均場強度値を特性
化することが重要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】RF伝播の予測を最適化
するための技法が開示される。三次元環境、例えば、建
物が、各々の表面が反射係数と透過係数を持つ、複数の
表面としてモデル化される。これら複数の表面は、複数
の平行の平面を使用して三次元環境を複数の体積間隔に
分割することによって決定される。各体積間隔に対し
て、この間隔内の表面が平坦な断面領域上に投影され
る。複数のラインセグメントがこの断面領域内に複数の
三角形の壁が形成されるように挿入され、これら複数の
三角形の壁と複数の表面によって、各断面領域が複数の
三角形領域に分割される。各々の経路が第一と第二の伝
播経路の終点を持ち、n個の三角形を横断する複数のR
F伝播経路が、ある断面領域を横断して、第一の伝播経
路の終点を含む複数の三角形から選択されたn番目の三
角形を識別することによって追跡される。各n番目の三
角形に対して、伝播経路を横断する三角形の壁が決定さ
れ、この三角形の壁を共有する(n−1)番目の三角形
が識別される。nが1だけ減分され、決定と識別のステ
ップが、第二の経路の終点に到達するまで再帰的に反復
される。これらの伝播経路の終点は、複数の基準受信機
位置及び/或は基準送信機位置を表わす。上に説明のア
プローチは、RF伝播を予測するための迅速な技法を提
供する。
【0006】
【実施例】当業者においては、室内或は屋外環境内での
無線伝播が電磁波線追跡アプローチを使用して予測でき
ることが一般的に知られている。ここで開示される予測
技法は電磁波線追跡の動作環境内において採用すると効
果的である。電磁波線追跡アプローチに関しては、一例
が前述の“Ray Tracing as a Design Tool for Radio N
etworks ”と言う標題の論文に説明されているのでこれ
を参照されたい。
【0007】図1に示されるように、電磁波線追跡技法
においては、RFエネルギが三次元空間を移動する電磁
波線14として表わされる。電磁波線14は、基準送信
機位置(T)12の所から開始して、直線方向に、ある
表面、例えば、RF妨害物16、18、或は20に遭遇
するまで進む。電磁波線14の経路は、RF妨害物1
6、18、20の性質と組合わせによって決定される。
例えば、電磁波線14は、RF妨害物16を直線経路に
沿って通過するが、但し、電磁波線のエネルギはこの過
程で低減される。RF18は、電磁波線18を光学の法
則に従って反射し、RF妨害物20は電磁波線を散乱さ
せる。散乱の結果、単一の単一方向に進む入射電磁波線
14が多くの反射電磁波線に分割され、各反射電磁波線
は異なる方向に進む。さらに、単一の入射電磁波線のエ
ネルギは相対的に数の増えた多数の反射電磁波線の間で
分散される。一つ或はそれ以上の鋭いコーナを持つRF
妨害物の場合は、回折効果によって電磁波線14が曲げ
られる。複数の表面、例えば、RF妨害物16、18、
及び20に遭遇した後、電磁波線14は、基準受信機位
置(R)22において受信される。
【0008】基準送信機ポイント(T)12は、そこに
通信システムの固定された要素、例えば、システムの基
地局アンテナが設置されることが望まれるテストポイン
トとして概念化される。基準受信機位置(R)22は携
帯通信デバイスの潜在的な動作位置として概念化され
る。通常、基準送信機位置(T)12と建物を通じてあ
ちこちに位置する複数の基準受信機位置(R)22との
間の信頼できるリンクを提供することが要求される。伝
播経路損失は、可逆的であるために、トランシーバ及び
/或は受信機は、実際には、基準送信機ポイント(T)
12から動作することに注意する。同様にして、トラン
シーバ及び/或は送信機は、実際には、基準受信機ポイ
ント(R)22から動作する。
【0009】上で説明のように、基準送信機ポイント
(T)12は、システム基地局アンテナに対するトライ
アル位置を表わす。理想的には、このアンテナは、建物
内の最適RFカバレッジを提供する位置に設置され、シ
ステム基地局アンテナが信号を送信した場合、その建物
内の本質的に全ての位置において受信されるRFパワー
が所定の値を超えるようにされるべきである。このよう
にして、信頼できるRF通信リンクが建物全体を通じて
提供され、一方において、ナル或は弱い信号の領域が最
小に或は存在しないようにされる。
【0010】電磁波線14のRFエネルギが反比例のパ
ワー関係を使用して三次元環境内の任意に選択されたポ
イントで計算される。ここで、受信されるパワーは、T
12と任意に選択されたポイント、例えば、R22との
間の伝播経路の距離に反比例する。妨害物を通じての反
射、回折、散乱、及び透過に起因する減衰についても考
慮される。これら反比例のパワー関係及び減衰の計算
は、当業者においては周知であり、例えば、S.Ramo、J.
R.Whinner 、及びT.Van Duzer らによって、1967年
に、John Wiley & Sons 社から出版された著書『Fields
and Waves in Communications Electronics』において
説明されているので参照されたい。
【0011】表面、例えば、RF妨害物16、18、及
び20は、建物の壁、仕切り、及び/或は他の構造要
素、包囲された領域、その他であり得る。これら構造要
素には、例えば、鋼鉄製の構造部材、鋼鉄で強化された
コンクリート、金属性の仕切り、非金属性の仕切り、配
管、電気コンジット、板金の空気ダクト、アルミニウム
裏打ちガラスファイバ絶縁、金属性のドア、家具、その
他の物体が含まれる。伝播のコンピュータシミュレーシ
ョンは、これら妨害物の一つのモデムを要求する。図2
の説明に移るが、このモデルは、好ましくは、三次元空
間内に分布するセットの二次元表面、つまり、長方形か
ら構成される。例えば、水平表面202は天井を表わ
し、水平表面204は床を表わし、垂直表面206は壁
を表わす。各表面は、その妨害物に対応する透過及び/
或は反射係数を規定するRF妨害物仕様と関連する。透
過係数は、RF妨害物を通過するRFパワーの量をその
妨害物に入射したRFパワーで割った値として定義され
る。同様に、反射係数は、反射されたRFパワーの入射
RFパワーに対する比である。このようにして、RF妨
害物仕様を使用して、典型的な構造要素、例えば、板状
のロック壁、鋼鉄にて強化されたコンクリートの床、ぎ
ざぎざの付けられた鋼鉄製の天井のRF特性を記述する
ことができる。
【0012】図2の例においては、水平の表面202、
204と垂直の表面206によって囲まれた領域内で動
作するRF通信システムのカバレッジを最適化すること
が要望される。従って、この領域が、格子状の基準受信
機位置208、210、214を生成するように分割さ
れる。基準送信機位置(T)212が選択され、各基準
受信機位置208、210、214において受信される
RFパワーが後に説明される三角形分割技法を使用して
予測される。
【0013】理論的には、T212からある基準受信機
位置208、210、或は214までの事実上全ての伝
播経路を考えることができるが、これは計算の効率を落
とす結果となる。実際には、実際に考慮される経路の数
は、任意の伝播経路に対して許される方向の変化の数に
上限をおくことによって限定される。与えられた受信機
位置、例えば、受信機位置208によって受信されるR
Fエネルギが、T212から受信機位置208までの個
々の伝播経路に起因する個々の伝播損失を総和すること
によって計算される。
【0014】与えられた伝播経路のRF伝播損失を計算
するためには、当業者に周知の様々な方法を採用するこ
とができる。例えば、水平と垂直の両方の偏波に対する
透過と反射係数を再帰的分析アプローチを使用して各表
面に対して計算することができる。再帰的分析について
は、S.Ramo、J.R.Whinner 、及びT.Van Duzer らによっ
て、1967年に、John Wiley & Sons 社から出版され
た著書『Fields and Waves in Communications Electro
nics』において説明されているので参照されたい。この
再帰的分析アプローチの適用において、計算の効率を向
上させ、一方において、殆どの実際的な通信システムの
設計問題に対しては充分な精度の結果を与えるような簡
素化についての想定が行なわれる。例えば、全てのアン
テナ、例えば、T212及び/或は受信機位置208、
210、214において使用されるアンテナは、垂直の
半波長ダイポールであるものと想定される。さらに、各
表面、例えば、垂直表面206及び水平表面202、2
04は、RFエネルギを実質的に鏡面反射するものと想
定される。この想定はおおむね滑らかな表面、例えば、
壁に対しては妥当である。さらに、全ての表面が、これ
ら表面がx、y、z軸を含む任意の二つの軸に平行なラ
インによって形成される平面内に位置するものと概念化
できるという意味において、直角であると想定される。
この想定は、今日存在する多くの建物に対して妥当であ
る。但し、与えられた建物が湾曲した、斜めの、不規則
の、及び/或は任意の角度を持つ表面を含む場合は、こ
れら表面は、計算の効率を犠牲にして、より複雑な数式
を使用して表現することもできる。
【0015】各表面に対して、反射係数と透過係数がサ
ンプリングされる。つまり、実験的に測定される。送信
と受信アンテナのパターンも、当業者において周知であ
り、例えば、前述のRamoの著書において説明されている
従来の場強度計算を使用してサンプリングされる。サン
プリングは、一度当り10サンプルという高い解像度に
て遂行し、サンプリングされた値は、検索テーブル内に
格納される。
【0016】伝播予測プロセスは、T212と指定され
る基準受信機位置を結ぶ直接RF伝播経路に対する受信
パワー値の計算を行なうことから開始される。この直接
経路は、基準送信機位置210から基準受信機位置21
2への直線経路であり、これは、表面、例えば、壁を通
過する場合も或はそうでない場合も考えられるが、但
し、表面からの反射は含まない。この直接経路の受信パ
ワー値は、標準の自由空間伝播公式を使用して計算され
るが、ここでは、自由空間損失は総経路長の関数として
概念化される。これら自由空間伝播公式は、当業者にお
いては周知であり、例えば、Ramoの参考書に記述されて
いるためにこれを参照されたい。自由空間損失に加え
て、透過損失も考慮されるべきである。透過損失は、伝
播経路が妨害物、例えば、表面を通過する時に発生す
る。この透過損失(つまり、透過係数)は、実験的な測
定、及び/或は前述のRamoの参考書に記述されている手
順を使用して決定及び正規化される。例えば、直接経路
が任意の妨害物を含まない場合は、透過係数、つまり、
正規化された損失は、1であり、一方、妨害物がRF信
号を完全にブロックする場合は、正規化された透過損失
は0である。直接経路に対する総伝播損失が自由空間損
失と正規化された透過損失の積として計算される。受信
機位置210の所で直接経路から受信されるパワーは、
総直接経路伝播損失から決定される。これら計算は当業
者には周知であり、例えば、Romoの参考書に説明される
従来の方法を使用して遂行することができる。
【0017】次に、全ての一反射RF伝播経路に対する
受信パワーが計算され、続いて、二つの反射を含む全て
の経路に対して受信パワーが計算される。一反射経路
は、一つの表面からの一つの反射を含み、一方、二反射
経路は、第一の表面からの第一の反射と、これに続く第
二の表面からの第二の反射を含む。この受信パワーの計
算プロセスが任意の要求される反射の数を網羅するまで
反復される。但し、高次の反射は、低次の反射と比べ
て、基準受信機位置210において受信される総パワー
にあまり大きな影響を与えない。さらに、可能な高次経
路の数は、低次経路の数よりもかなり多く、これらは、
計算効率を低下させ、精度の有効な改善にはあまり寄与
しない。
【0018】これら反射経路に対する受信パワー値は、
上に述べた自由空間伝播公式を使用して計算される。但
し、この自由空間損失に加えて、反射及び透過損失も考
慮される。反射損失は、表面上に入射する電磁エネルギ
の反射に起因する。これら損失は正規化される。つま
り、1の反射損失が、入射電磁エネルギの全てがその表
面から反射する完全反射を意味するような反射係数とし
て指定される。0の正規化反射係数は、表面上に入射し
た電磁エネルギが全く反射されないことを意味する。反
射損失は、Ramoの参考書に詳細に説明されている手順に
従って決定するか、或は実験的に測定される。反射経路
が任意の妨害物を通過するときは、反射経路の透過損失
も考える必要がある。これら透過損失については直接経
路損失との関連で既に上で説明された。
【0019】与えられた反射経路に対する総経路損失
は、自由空間損失と、正規化反射損失と、任意の正規化
透過損失との積として計算される。与えられた反射経路
に対する総経路損失が決定されると、この反射経路から
その受信機ポイントにおいて受信されるパワーを計算す
ることが可能である。この計算は、当業者において周知
であり、Ramoの参考書に説明される方法を使用して遂行
される。指定される反射の数までの全ての反射経路に対
する損失が計算されたら、基準受信機位置210におけ
る総受信機パワーが上で考慮された直接経路と反射経路
に対する受信されたパワー値のスカラ和として計算され
る。注意すべき点は、反射経路損失と直接経路損失が、
単に、総計算損失に関心のある方向でのアンテナのパワ
ー利得を掛けることによって、異なるタイプのアンテナ
に対してスケーリングできることである。
【0020】この明細書と図面の中で使用されている基
準送信機位置と基準受信機位置の概念は、伝播経路損失
を決定するための分析の目的上のものであることを理解
されたい。伝播経路損失は可逆的であるために、これら
の位置の役割を、送信機位置が受信機位置となり、受信
機位置が送信機位置となるように交換することが可能で
ある。さらに、実施においては、室内無線システムは、
基準受信機位置の所に送信機と受信機の両方を使用し、
基準送信機位置の所に送信機と受信機の両方を使用する
こともできる。別の方法として、送信機を受信機位置の
所で使用し、受信機を送信機位置の所で使用することも
できる。一例として、伝播予測の目的で選択された基準
送信機位置は、代表的には、システム基地局に対して提
唱される位置であり、これはトランシーバを含み、一
方、受信機位置は一般位置内に選択され、この中で携帯
ユニットが使用される。これら携帯ユニットは、トラン
シーバを含むこともできる。
【0021】電磁波線追跡技法が伝播経路損失を計算す
るために使用される場合は、イメージング技法を採用す
ることができる。基準受信機位置210から開始して、
伝播経路がRFエネルギが伝わる方向と反対の方向であ
る後ろ向きに追跡される。追跡プロセスが第一の反射性
の表面に遭遇すると、基準受信機位置210のイメージ
の位置が、第一の反射性表面と相対的に決定される。こ
の受信機アンテナイメージの位置が受信機アンテナの一
次のイメージ位置として概念化され、この伝播経路が第
一の反射性表面から後ろ向きに第二の反射性の表面に遭
遇されるまで追跡される。第二の反射性表面付近の一次
イメージのイメージ位置が決定され、二次イメージ位置
として概念化される。このプロセスが新たな反射性表面
に遭遇しなくなるまで反復される。こうして、基準経路
の総経路長を、基準送信機位置212と最も高次のイメ
ージ位置の間の距離に言及して計算することができる。
【0022】ある表面上に反射するあるポイント(つま
り、基準受信機位置210)のイメージに対する座標
は、その表面に水平の軸に対応する座標を垂直に反射す
ることによって見つけることができる。例えば、座標
(a、b、c)を持つ基準受信機位置210を想定す
る。一つの反射表面、例えば、垂直長方形206は、y
z平面に水平に位置し、また、x軸に沿って距離Dの所
に位置する。この基準受信機位置210のイメージは、
座標(2D−a、b、c)を持つ。このようにして、複
数の反射を伴う任意の一つの経路に対する受信機位置2
10の最も高次のイメージの座標は、次々と、受信機位
置210の座標を考慮下の経路を定義する一連の反射表
面上に反射させることによって見つけることができる。
【0023】任意の反射経路を反射経路に沿って送信機
位置212から受信機位置210に伝わる入射RFエネ
ルギを反射する一連の表面を規定することによって単純
に一意的に指定することができる。例えば、表面1、表
面2、表面3、表面4と指定される4つの表面があるも
のと想定する。反射経路3−4−2は、送信機位置21
2から表面3、表面4、表面2と進み、次に基準受信機
ポイント210へと至る一つの経路を指定する。基準受
信機位置210の最も高次のイメージに対する座標が一
旦決定されると、総反射経路長がこのイメージを基準受
信機位置210に結合するラインの長さとして計算され
る。このラインがイメージ経路として概念化される。こ
のイメージ経路は、実際の反射経路に対する伝播経路損
失を計算するのに要求される数学的煩雑さを大幅に低減
する。一旦反射経路が上に説明のように特性化される
と、反射経路損失と経路時間遅延を当業者において周知
の従来の方法を使用して決定することができる。これら
方法は、例えば、前述のRamoの参考書に説明されている
のでこれを参照されたい。イメージ化プロセスを使用す
る電磁波線追跡プロセスが説明されたが、これは単に解
説の目的で行なわれたものであり、ここに開示される実
施例は、イメージ化プロセスを使用しない電磁波線追跡
技法との関連で採用することもできる点に注意する。
【0024】電磁波線追跡技法の一つの要件は、ある与
えられた伝播経路が方向を変えることなしに通過する全
ての壁を識別できる能力である。この機能の遂行の相対
的な容易さ或は困難さは、電磁波線追跡手順の全体とし
ての効率に著しい影響を持つ。例えば、従来の電磁波線
追跡アプローチは、ある与えられた伝播経路内の個々の
RF妨害物をその経路内の個々の全てのラインセグメン
トと比較する。この比較は、約n* r回の計算を要求す
る。ここで、nは、RF妨害物の数であり、rは、伝播
経路内のラインセグメントの数である。例えば、図3に
示される伝播経路を考える。この経路は基準送信機位置
(T)312の所から開始し、ラインセグメント320
に沿ってRF妨害表面である第一の壁314を通過して
進み、RF反射表面である第二の壁306から反射さ
れ、ラインセグメント326を基準受信機位置(R)3
10に向かって進む。注意すべき点は、RF妨害表面、
例えば、第一の壁314は、RF伝播経路の方向は変え
ないが、但し、入射RFエネルギを減衰することであ
る。RF反射表面、例えば、それぞれ、第二、第三、第
四の壁306、302、304は、光学の法則に従って
RF伝播経路の方向を変えるが、入射RFエネルギの減
衰は、あることもないこともある。この例においては、
従来の電磁波線追跡アプローチを使用された場合は、図
解されるRF伝播経路を特性化するために、約(4RF
妨害物)* (4ラインセグメント)、つまり、16回の
計算が必要となる。
【0025】現存の電磁波線追跡方法は図3に示される
伝播経路に対して計算を約16回遂行することを必要と
するが、実際に横切るRF妨害物の数は16よりもかな
り小さい。後に詳細に説明される新規の空間データ構造
を利用することによって、要求される計算の数を概ね実
際に横断するRF妨害物の数にまで低減することが可能
である。上に説明の例においては、ここに開示される技
法を使用すると、要求される計算の数が約16から約1
4に低減される。
【0026】次に図3を参照しながら伝播経路損失を計
算するための新規の技法について説明する。これら技法
は、電磁波線追跡の背景において、計算上の効率を高め
るために使用される。図3は、RF伝播経路の三次元表
現を示す。つまり、第一、第二、第三、第四の壁31
4、306、302、304、基準送信機位置T31
2、基準受信機位置R310、ラインセグメント32
0、322、324、326を含む全ての要素がX軸3
30、Y軸332、Z軸334を持つ三次元空間内に示
される。ある任意の伝播経路を、基準送信機位置T31
2、基準受信機位置R310、及びRF伝播経路の方向
を変える原因となる全ての表面(例えば、第二、第三、
第四の壁306、302、304)を規定することによ
って一意的に指定することができる。注意すべき点は、
第一の壁314は、伝播経路を変える原因とはならず、
特定の伝播経路を識別するためには参照される必要がな
いことである。
【0027】ある与えられたRF伝播経路内の幾つかの
表面、例えば、第一の壁314は、入射RFエネルギの
方向を変えることには寄与しないが、これらRF妨害表
面も基準受信機位置R310の所でのRF場の強度を予
測するために識別する必要がある。これら方向変換を起
こさない表面を識別するために、従来の技法は、三次元
環境内の個々の全ての表面をある特定の伝送経路内の個
々のラインセグメントと比較する。この比較プロセス
は、約(n* r)回の計算を必要とする。ここで、nは
表面の数であり、rは伝播経路内のラインセグメントの
数である。但し、このプロセスは、後に詳細に説明され
るように、大幅に簡素化することができる。
【0028】図3との関連で上に説明されたように、無
線通信システムに対する動作環境は三次元であり、複数
の壁、例えば、RF反射表面及び/或はRF妨害表面を
含む。これら三次元環境を数学的に簡素化された形式に
て示すことが可能である。これは一つ或はそれ以上の二
次元断面領域(例えば、xy平面内の領域)を使用して
達成することができる。ここで、各断面領域は、三次元
内のある有限レンジの値(z)を横断しての三次元環境
(つまり、xyz空間)の一部分を近似する。
【0029】各断面領域は、複数の表面、例えば、壁及
び/或は仕切りを表わす複数のラインセグメントを含
む。断面領域の一例が図4に示されるが、これは、図3
のxy平面内への二次元投影である。図4は、壁及び/
或は仕切りに対応するラインセグメント420、42
2、424、426を含む。基準受信機位置R410と
基準送信機位置T412も示される。断面領域は、好ま
しくは、ある与えられたセットの壁或は仕切りの容積が
その前後で一定にとどまる部分を表わすように選択され
る。ラインセグメントによって表わされる壁/或は仕切
りは、RF反射、RF減衰、及び/或はRF散乱材料か
ら構成される。
【0030】実際上の問題として、ある与えられた環境
を表わすために要求される個別の二次元断面領域の数は
比較的小さい。無線通信システムに対する動作環境は典
型的には複数の互いに直交する表面を持つ建物或は構造
物を含むために、これら環境は、特に、断面領域を使用
する数学的表現の簡素化された形式に適する。垂直水平
いずれの断面領域を採用することもできるが、水平断面
領域(つまり、図3と4のxy平面内の領域)の使用が
解説の目的で示される。これは、水平断面領域の使用
が、床から天井に延びる(或は床からつり天井に延び
る)壁を持つ典型的な建物の場合に好都合であるためで
ある。例えば、典型的な建物の単一の階は、床に対する
第一の断面領域、天井に対する第二の断面領域、及び床
と天井間の第三の断面領域によって表わすことができ
る。つり天井が使用されている場合は、第四の断面領域
によってつり天井を表わし、第五の断面領域によって実
際の天井とつり天井の間の空間を表わすことができる。
こうして、複数の二次元断面領域が無線通信システムの
三次元動作環境を表わすために使用される。
【0031】図3に示されるように、RF伝播経路は三
次元空間内の一つ或はそれ以上のラインセグメント32
0、322、324、326から構成される。この伝播
経路は三次元伝播経路を二次元断面領域、例えば、図4
の断面領域内に投影することによって簡素化することが
できる。与えられた伝播経路が複数の断面領域を横断す
る場合は、この投影プロセスは、複数の二次元サブ経路
を生成し、各サブ経路は、ある与えられた二次元断面領
域に対応する。伝播経路の三次元から二次元への投影は
当業者において周知の数学的技法を使用して達成するこ
とができる。
【0032】図4は図3の三次元RF伝播経路から投影
された二次元断面領域とサブ経路を表わす。分析される
べき投影された伝播経路は一つ以上の断面領域を通過す
ることがあり得るが、この場合は、図3の三次元RF伝
播経路が複数の二次元断面領域内に投影されなければな
らない。図4は、単に、この一例を示す。三次元環境の
複数の二次元断面領域への投影の結果として、RF伝播
経路損失を予測するための計算の効率が向上される。
【0033】ある与えられた動作環境が複数の断面領域
に分割されたら、各断面領域が、一つ或はそれ以上の三
角形分割ラインセグメント430、432、434、4
36、438(図4)をこの断面領域内に組み込むこと
によって複数の三角形領域に分割される。全断面領域
が、その断面領域内の全てのポイントがそれら複数の三
角形領域の一つの中に入るか、或は二つのこれら三角形
領域の間の境界上に落ちるようになるまで分割される。
これらの三角形領域は、壁を表わすラインセグメント、
三角形分割ラインセグメント、壁を表わすラインセグメ
ントの一部分、及び/或は三角形分割ラインセグメント
の一部分の様々な組合わせから形成される。例えば、第
一の三角形は壁406の一部分、全ラインセグメント4
30、及びラインセグメント434の一部分から形成さ
れる。第二の三角形は、全ラインセグメント438、全
ラインセグメント404、及びラインセグメント406
の一部分から形成される。
【0034】平坦断面領域の複数の三角形領域への分割
は当業者に周知の任意の様々な数学的三角形分割技法を
使用して遂行することができる。開示される伝播予測技
法は、使用される三角形分割アルゴリズムのタイプとは
無関係に計算の効率を向上させる。但し、計算効率の最
適化を達成するためには、各断面領域を採用される三角
形分割ラインセグメントの数が各断面領域内の壁及び/
或は仕切りを表わすラインセグメントの総数とおおむね
等しくなるように分割することが重要である。この最適
化された数のラインセグメントを使用する適当な三角形
分割スキームが当業者においては周知である。
【0035】この三角形分割された領域は一つ或はそれ
以上のRF伝播経路を迅速に分析するための分析的なフ
レームワークを提供する。この技法の有効性は、一つの
三角形とその三角形のラインセグメントが与えられる
と、そのラインセグメントを共有する他の一意の三角形
を簡単に見つけることができるという認識に基礎をお
く。例えば、三角形分割された断面領域がコンピュータ
表現内に格納されている場合は、この他の一意の三角形
を見つけるためにたった一つのポインタアクセスのみが
要求される。
【0036】図5に示されるRF伝播予測方法が図3と
4との関連で先に述べられた技法に従って生成された二
次元断面領域の各々に適用される。図5に示されるよう
に、このプログラムは、ブロック501において開始
し、ここで、任意に選択された三次元伝播経路がその後
の分析のために提出される。この選択された伝播経路が
ブロック503において、各サブ経路が二つの水平平面
によって区画され、ある特定の垂直間隔に対応する容積
を占拠するように複数の伝播サブ経路に分割される。次
に(ブロック505)、各サブ経路、並びに垂直間隔内
の各表面がそのサブ経路に対応する一つの投影された断
面領域を形成するように二次元内に投影される。
【0037】ブロック507において、各投影された断
面領域が一つ或はそれ以上の三角形分割ラインセグメン
トを使用して三角形分割される。三角形分割された断面
領域の一例が図4との関連で説明された。ブロック50
9において、ある伝播経路の終点を含む三角形を見つけ
るための探索が遂行される。この三角形の各セグメント
に対して(ブロック511)、プログラムは、その伝播
経路がそのラインセグメントを横断するか否かを確かめ
るためのテスト(ブロック513)を遂行する。その伝
播経路がラインセグメントを横断する場合は、プログラ
ムの制御は、ブロック515に進む。ブロック513に
おける結果が否定的である場合は、制御はブロック51
2、そしてブロック511へと進み、ここで三角形のも
う一つのセグメントがテストされる。
【0038】ブロック515において、プログラムはブ
ロック511においてテストされた横断されたラインセ
グメントを共有するもう一つの三角形を識別する。注意
すべき点として、三角形領域に分割された領域の場合
は、二つの三角形のみが、一つのラインセグメントのあ
る与えられた部分を共有する。従って、第一の三角形内
のある与えられたラインセグメントが一旦識別される
と、このラインセグメントを共有する第一の三角形に隣
接して、一つの、そしてたった一つの、第二の三角形が
存在する。ブロック515において識別された三角形の
各セグメントが、ブロック517と519において、伝
播経路がそのラインセグメントを横断するか否か決定す
るためにテストされる。伝播経路がそのラインセグメン
トを横断する場合は、プログラム制御はブロック515
にループバックし、ここで、横断されたラインセグメン
トを共有するもう一つの三角形が見つけられる。伝播経
路がそのラインセグメントを横断しない場合は、プログ
ラム制御はブロック521に進み、ここで三角形の次の
ラインセグメントが考察される。
【0039】ブロック523において、その伝播経路が
ブロック521において考慮された三角形のラインセグ
メントを横断するか否かを確かめるテストが遂行され
る。横断する場合は、プログラム制御はブロック515
にループバックし、ここでその横断されたラインセグメ
ントを共有するもう一つの三角形が識別される。ブロッ
ク523の結果が否定的である場合は、ブロック525
に進み、ここでその三角形が伝播経路の終点を含むこと
が決定される。ブロック527において、ブロック50
1において開始された上記の一連の動作において分析さ
れた伝播経路の特性化が完了する。制御はブロック52
9に進み、ここでもう一つの伝播経路が特性化されるべ
きか否かを確かめるためのテストが遂行される。必要で
ない場合は、プログラムはブロック531において終端
する。特性化されるべきもう一つの経路が存在する場合
は、プログラム制御はブロック501にループバック
し、上に説明のプロセスが特性化されるべき新たな伝播
経路に対して遂行される。
【0040】図5との関連で説明された方法は、伝播経
路によって訪れられる三角形の数に数においておおむね
比例する計算を遂行する。一方、訪れられる三角形の数
は、伝播経路によって横断されるラインセグメントの数
によって与えられる。図5の方法によって要求される計
算の総数は、実際の壁及び/或は仕切りを表わす横断さ
れたラインセグメントの数におおむね比例し、実際の壁
及び/或は仕切りを表わさない三角形分割ラインセグメ
ントに比例するものではない。注意すべき点は、平均的
にいって、ある与えられた断面領域内のラインセグメン
トのおおむね半分が実際の壁及び/或は仕切りを表わ
す。
【0041】上に説明の実施例は単に本発明の原理を解
説するためのものであり、当業者においては本発明の範
囲から逸脱することなく様々な変更態様を考案できるこ
とが理解されるべきである。従って、このような変更態
様も特許請求の範囲内に包含されると解釈されるべきで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】RF場の強度を予測するために採用される電磁
波線追跡技法を図解する斜視図である。
【図2】三次元環境の格子状の基準受信機位置への分割
を図解する斜視図である。
【図3】基準送信機位置から基準受信機位置への伝播経
路を図解する三次元の線図である。
【図4】二次元平面内に投影された図3の伝播経路を示
す。
【図5】電磁波線追跡と三角形分割によってRF伝播を
予測するための方法を説明する流れ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイナルド エー. ヴァレンズエラ アメリカ合衆国.07733 ニュージャーシ ィ,ホルムデル,パートリッジ ラン 17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の表面を含む三次元環境内の複数の
    伝播経路に沿ってのRF伝播の予測を最適化するための
    方法であって、この方法が、 (a)複数の伝播経路を含む三次元環境を複数の二次元
    断面領域に投影するステップ、及び (b)ニ次元断面領域を複数の三角形領域に分割するス
    テップを含み、前記複数の伝播経路が二次元断面領域に
    投影されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 複数の表面によって特性化される三次元
    環境内の複数の伝播経路に沿ってのRF伝播の予測を最
    適化するための方法であって、各表面が (i)反射エネルギの入射RFエネルギに対する比を指
    定する反射係数、及び (ii)表面を通過するRFエネルギの表面に入射した
    RFエネルギに対する比を指定する透過係数を持ち、こ
    の方法が、 (a)複数の伝播経路を含む三次元環境を複数の二次元
    断面領域に投影するステップ、及び (b)ニ次元断面領域を複数の三角形領域に分割するス
    テップを含み、前記複数の伝播経路が二次元断面領域に
    投影されることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 複数の表面によって特性化される三次元
    環境内のRF伝播の予測を最適化するための方法であっ
    て、各表面が(i)反射エネルギの入射RFエネルギに
    対する比を指定する反射係数、及び(ii)表面を通過
    するRFエネルギの表面に入射したRFエネルギに対す
    る比を指定する透過係数を持ち、この方法が、 (a)三次元環境内の基準送信機位置を選択するステッ
    プ、 (b)三次元環境内の複数の基準受信機位置を選択する
    ステップ、及び (c)各基準受信機位置に対して、基準受信機位置と基
    準送信機位置との間の少なくとも一つのRF伝播経路を
    決定するステップを含み、基準送信機位置が一つの伝播
    経路の終点を表わし、複数の基準受信機位置がそれぞれ
    伝播経路の複数の終点を表わし、この方法がさらに、 (d)三次元環境を複数の平行の平面を使用して三つの
    次元の任意の一つに沿っての複数の間隔に分割するステ
    ップ、 (e)各間隔に対して、各間隔内のRF伝播経路と表面
    を二次元断面領域に投影するステップ、及び (f)複数のラインセグメントを各断面領域内に挿入す
    ることによって複数の三角形壁を形成するステップを含
    み、これら複数の三角形の壁と投影された表面が一体と
    なって複数の三角形の領域を形成し、この方法がさらに (g)各投影されたRF伝播経路に対して、断面領域内
    のn個の三角形領域を通じて投影されたRF伝播経路
    を、第一の伝播経路の終点を含む複数の三角形領域から
    選択されたn番目の三角形領域を見つけて、追跡するス
    テップ、 (h)各三角形領域に対して、伝播経路を横断する三角
    形の壁を決定し、この三角形の壁を共有する(n−1)
    番目の三角形領域を識別するステップ、及び (j)nを1減分し、(h)に規定される決定と識別の
    ステップを第二の伝播経路の終点に到達するまで反復す
    るステップを含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(c)が基準送信機位置を
    直線経路を横断して任意の基準受信機位置に結ぶ一つの
    直接経路、並びに基準送信機位置を一つ或はそれ以上の
    表面からの反射を介してある与えられた基準受信機位置
    に結ぶ一つ或はそれ以上の反射経路を含む複数のRF伝
    播経路を決定するステップをさらに含むことを特徴とす
    る請求項3の三次元環境内でRF伝播の予測を最適化す
    るための方法。
  5. 【請求項5】 複数の反射経路が最大m個までの反射を
    持つ全ての反射経路が考慮されるように決定され、ここ
    でmは0より大きな整数を表わすことを特徴とする請求
    項4のRF伝播の予測を最適化するための方法。
  6. 【請求項6】 各RF伝播経路が複数の表面を横断し、
    この方法がさらに、 自由空間伝播に対する伝播損失を反射係数の大きさの二
    乗と複数の横断された表面に対応する透過係数の積とし
    て規定する伝播要素を計算するステップを含むことを特
    徴とする請求項5のRF伝播の予測を最適化するための
    方法。
  7. 【請求項7】 各受信機位置における受信されたRFパ
    ワーの局所平均を各基準受信機位置に到達する全ての伝
    播要素のスカラ和として計算するステップがさらに含ま
    れることを特徴とする請求項6のRF伝播の予測を最適
    化するための方法。
  8. 【請求項8】 三次元環境内のRF伝播を予測するため
    の方法であって、この方法が、 (a)基準送信機位置と少なくとも一つの基準受信機位
    置を選択するステップ、及び (b)前記基準送信機位置と前記各基準受信機位置の間
    の複数の伝播経路を決定するステップを含み、これらの
    伝播経路が前記基準送信機位置を直線経路に沿って前記
    基準受信機位置の一つに結ぶ少なくとも一つの直接経路
    と、前記基準送信機位置を少なくとも一つの表面を介し
    て前記複数の基準受信機位置の一つに結ぶ少なくとも一
    つの反射経路を含み、この方法がさらに、 (c)前記各表面を反射されたエネルギの入射RFエネ
    ルギに対する比を指定する反射係数と、表面を通過する
    RFエネルギの入射RFエネルギに対する比を指定する
    透過係数とに関連付けるステップ、 (d)三次元環境とこれら複数の伝播経路を複数の二次
    元断面領域内に投影するステップ、 (e)これら複数の二次元断面領域を複数の三角形領域
    に分割するステップ、及び (f)各伝播経路に対して、基準RFパワーレベルを生
    成する基準送信機位置の所の基準送信機からのRFエネ
    ルギの自由空間伝播に対する伝播損失を表わす伝播経路
    要素を計算するステップを含み、この伝播損失が反射係
    数の大きさの二乗と透過係数の積に等しく、この方法が
    さらに、 (g)各基準受信機位置に対して、その基準受信機位置
    に対応する全ての伝播経路要素のパワーのスカラ和に等
    しい受信パワーの局所平均を計算するステップを含むこ
    とを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 一つの反射性表面を含む前記各反射経路
    の伝播要素がレイイメージ化手順を使用して計算され、
    この手順が、 (a)少なくとも一つの基準受信機位置から開始して、
    反射経路を後ろ向きに、RFエネルギの伝わる方向とは
    反対の方向に、第一の反射性表面に遭遇するまで追跡す
    るステップ、 (b)第一の反射性表面の回りの第一の基準受信機位置
    のイメージを第一の反射表面を含む平面の回りの反射さ
    れた基準受信機位置として決定するステップ、及び (c)総反射経路長を基準送信機ポイントと第一の基準
    受信機位置のイメージとの間の距離として計算するステ
    ップを含むことを特徴とする請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 m個の表面(mは1よりも大きい)を
    含む各反射経路の伝播要素がイレイメージ化手順を使用
    して計算され、この手順が、 (a)少なくとも一つの基準受信機位置から反射経路を
    後方に、RFエネルギの伝わる方向とは反対の方向に、
    m番目の表面に遭遇するまで追跡するステップ、 (b)m番目の表面の回りのm番目の基準受信機位置イ
    メージをm番目の表面を含む一つの平面の回りの反射さ
    れた基準受信機位置として決定するステップ、 (c)m番目の表面から反射経路を後ろ向きに(m−
    1)番目の表面に遭遇するまで追跡するステップ、 (d)(m−1)番目の表面の回りの(m−1)番目の
    イメージを(m−1)番目の表面を含む一つの平面の回
    りの反射されたn番目の基準受信機位置のイメージとし
    て決定するステップ、 (e)ステップ(c)と(d)を反射経路を後ろ向きに
    基準送信機位置に至るまで再帰的に反復するステップ、
    及び (f)総反射経路長を基準送信機ポイントとステップ
    (e)において決定された最後の基準受信機位置のイメ
    ージとの間の距離として計算するステップを含むことを
    特徴とする請求項8の方法。
  11. 【請求項11】 三次元環境内のRF伝播を予測するた
    めの方法であって、この方法が、 (a)三次元環境内からの一つの基準送信機位置と少な
    くとも一つの基準受信機位置を選択するステップを含
    み、ここでこの三次元環境が複数の表面によって特性化
    され、各表面が(i)反射されるエネルギの入射RFエ
    ネルギに対する比を指定する反射係数、及び(ii)表
    面を通過するRFエネルギの表面に入射したRFエネル
    ギに対する比を指定する透過係数を持ち、この方法がさ
    らに、 (b)前記基準送信機位置と前記各基準受信機位置との
    間の複数の伝播経路を決定するステップを含み、この複
    数の伝播経路が前記基準送信機位置を直線経路に沿って
    前記基準受信機位置の一つに結ぶ少なくとも一つの直接
    経路と、前記基準送信機位置を少なくとも一つの表面を
    介して前記複数の受信機位置の一つに結ぶ少なくとも一
    つの反射経路を含み、基準送信機位置が一つの伝播経路
    の終点を表わし、複数の受信機位置がそれぞれ伝播経路
    の複数の終点を表わし、 (c)三次元環境を複数の平行の平面を使用してこれら
    三つの次元の任意の一つに沿う複数の間隔に分割するス
    テップ、 (d)各間隔に対して、各間隔内の複数のRF伝播経路
    と表面を二次元断面領域に投影するステップ、及び (e)複数のラインセグメントを各断面領域に挿入して
    複数の三角形の壁を形成するステップを含み、ここでこ
    れらの複数の三角形の壁と投影された表面が一体となっ
    て複数の三角形を形成し、 (f)各投影されたRF伝播経路に対して、断面領域内
    のn個の三角形を通過する投影されたRF伝播経路を、
    第一の伝播経路の終点を含む複数の三角形から選択され
    たn番目の三角形を見つけることによって追跡するステ
    ップ、 (g)n個の三角形の各々に対して、伝播経路を横断す
    る三角形の壁を決定し、この三角形を共有する(n−
    1)番目の三角形を識別するステップ、 (h)nを1だけ減分し、(g)おいて規定される決定
    と識別のステップを、第二の伝播経路の終点に到達する
    まで再帰的に反復するステップ、 (j)各伝播経路に対して、基準RFパワーレベルを生
    成する基準送信機位置の所の基準送信機からのRFエネ
    ルギの自由空間伝播に対する伝播損失を表わす伝播経路
    要素を計算するステップを含み、ここで、この伝播損失
    が反射係数の大きさの二乗と透過係数の積に等しく、こ
    の方法がさらに、 (k)各基準受信機位置に対して、その基準受信機位置
    に対応する全ての伝播経路要素のパワーのスカラ和に等
    しい受信パワーの局所平均を計算するステップを含むこ
    とを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 三次元環境内のRF伝播を予測するた
    めの方法であって、この方法が、 (a)基準送信機位置と少なくとも一つの基準受信機位
    置を選択するステップ、及び (b)前記基準送信機位置と前記各基準受信機位置との
    間の複数の伝播経路を決定するステップを含み、これら
    の伝播経路が前記基準送信機位置を直線経路に沿って前
    記複数の基準受信機位置の一つに結ぶ少なくとも一つの
    直接経路と、前記基準送信機位置を少なくとも一つの反
    射表面を介して前記基準受信機位置の一つに結ぶ少なく
    とも一つの反射経路を含み、この方法がさらに、 (c)前記各反射表面を反射されるエネルギの入射RF
    エネルギに対する比を指定する反射係数と、表面を通過
    するRFエネルギの入射RFエネルギに対する比を指定
    する透過係数とに関連付けるステップ、 (d)三次元環境を複数の平行の平面を使用してこれら
    三つの次元の任意の一つに沿う複数の間隔に分割するス
    テップ、 (e)各間隔に対して、各間隔内の複数のRF伝播経路
    と表面を二次元断面領域に投影するステップ、及び (f)複数のラインセグメントを各断面領域に挿入して
    複数の三角形の壁を形成するステップを含み、ここでこ
    れらの複数の三角形の壁と投影された表面が一体となっ
    て複数の三角形を形成し、この方法がさらに、 (g)各投影されたRF伝播経路に対して、断面領域内
    のn個の三角形を通過する投影されたRF伝播経路を、
    第一の伝播経路の終点を含む複数の三角形から選択され
    たn番目の三角形を見つけて、追跡するステップ、 (h)n個の三角形の各々に対して、伝播経路を横断す
    る三角形の壁を決定し、またこの三角形を共有する(n
    −1)番目の三角形を識別するステップ、 (j)nを1だけ減分し、(h)おいて規定される決定
    と識別のステップを、第二の伝播経路の終点に到達する
    まで再帰的に反復するステップ、及び (k)各伝播経路に対して、基準RFパワーレベルを生
    成する基準送信機位置の所の基準送信機からのRFエネ
    ルギの自由空間伝播に対する伝播損失を表わす伝播経路
    要素を計算するステップを含み、ここで、この伝播損失
    が反射係数の大きさの二乗と透過係数の積に等しく、こ
    の方法がさらに、 (m)各基準受信機位置に対して、その基準受信機位置
    に対応する全ての伝播経路要素のパワーのスカラ和に等
    しい受信パワーの局所平均を計算するステップを含むこ
    とを特徴とする方法。
JP8101195A 1994-04-06 1995-04-06 電磁波伝播を迅速に予測するための技法 Withdrawn JPH07288495A (ja)

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