JP7381263B2 - 検出システム及び検出方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、発信端末の位置を推定する技術の一つとして、室内の人物の位置を検出して、この検出位置から電波が発信された場合の受信装置での受信強度の理論値を算出し、理論値と実測値との比較を行うことで発信端末の所持者を推定する技術が開示されている。
そのため、発信端末の所持者を高精度に検出するには、直接波と反射波の合成波の理論値を計算せねばならず、その計算には強反射体の位置情報が既知である必要があった。
本発明は、特定の空間で発信された電波を高い反射率で反射する強反射体の位置を検出することができる検出システム及び検出方法を提供することを目的とする。
近年、スマートフォンやタブレット端末は小型化しており、このような発信端末を鞄や着衣に隠し持っていても外見からは分からないため機密情報を扱う部屋に容易に持ち込むことができる。
このため、以下に説明する実施形態では、発信端末としてスマートフォンやタブレット端末を想定する。しかし、発信端末はこれらの端末に限定されず、電波を発信する端末であれば他の種類の端末であってもよい。
ここで、所定値以上の電波反射率を有する強反射体が存在すると、強反射体で反射した反射波が十分な強度をもって受信装置に到達する場合がある。強反射体としては鉄などの金属で作られた什器などが例示されるが、その電波反射率はおおよそ90~100%である。
本実施形態の検出システムは、上記のセキュリティシステムの構築にあたり、機密性の高い部屋で発信端末が発信した電波を所定値以上の電波反射率で反射する強反射体の位置情報を取得するために使用される。
作業中の人物40は、強反射体の検出に用いる電波を発信させる発信端末41を高く掲げて持っている。これは人物40の身体によって発信端末41の発信電波が遮蔽されることによる影響を軽減するためである。
部屋20は、図1に示すように壁面23、壁面24、壁面25、壁面28(不図示)により囲まれており、加えて床面21と天井面22により区画されている。また、木製扉26も存在している。
さらに部屋20には、鉄などの金属でできた物体210が存在している。金属性の物体は、電波が反射してもその前後で強度の低下がほとんど見られない強反射体であることが知られている。
なお、本実施形態の検出システムは、鉄骨210のような目視できない強反射体を検出することができるが、目視可能な強反射体についてもその位置情報を取得するために使用してもよい。
以上の部屋20の内部の構造に関する情報は、特定の原点を基準とする世界座標系で表現されて既知であり、後述するようにシステム主装置の記憶部に構造情報として記憶されている。
位置検出装置200は人物40を検出できるよう設置され、図1に示すように、部屋の隅のおおよそ人の腰から肩の高さに設置されるのが好適である。複数個の位置検出装置200が備わっていてもよい。
また、本発明における「位置取得部」は、位置検出装置200に限られない。「位置取得部」は、発信端末41が電波を発信する発信位置を取得する手段であれば足りる。「位置取得部」は、何らかの形で発信端末41の発信位置を検出システムに入力可能であればよく、例えば、様々な態様のインタフェースや受信手段を採用できる。例えば、作業者が発信端末41の位置を測定した測定結果を手入力で入力するためのHMI(Human Machine Interface)でもよく、外部装置から発信端末41の発信位置の情報を受信する通信インタフェースや通信装置であってもよい。
図3に、第1実施形態の検出システムの概略構成の一例のブロック図を示す。検出システムは、既に説明した受信装置300、位置検出装置200のほか、システム主装置100を備える。
なお、受信装置300及び位置検出装置200とシステム主装置100との間は、例えば、Ethernet(登録商標)、RS232C、RS485などの規格に則った有線方式、またはWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などを利用した無線方式に基づく通信手段であってよく、説明は省略する。
システム主装置100は、例えばCPU(Central Processing Unit)、やMPU(Micro-Processing Unit)などのプロセッサを備える。このプロセッサが、記憶部110に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、以下に説明するシステム主装置100の各機能を実現する。
さらに記憶部110には、構造情報111と、強反射点情報112が記憶されている。記憶部110に記憶されている情報は、適宜システム主装置100の各部とやり取りされる。
例えば、図2(a)に示すように床面の隅を原点とした座標系(世界座標系)を定義し、壁面A23~壁面D28、天井面22、床面21、扉26、図示しない什器類の大きさ、位置などの幾何情報、壁面などの表面の形状を規定する数式情報および表面の材質情報、電波の反射率などがBIM(Building Information Model)などのモデル化手法にて表現された情報である。強反射点情報112については後述する。
その一例を図4に示す。発信端末41の位置から発信されて受信装置300へ到達する電波の伝播経路として、発信端末41から受信装置300へ直接到達する直接波のほか、壁面24で反射して受信装置300へ到達する反射波1、壁面28で反射して受信装置300へ到達する反射波2、及び壁面25で反射して受信装置300へ到達する反射波3が示されている。
すなわち、伝播情報算出部130は、発信端末41から放射したレイのうち、受信結果に影響を与える反射波が辿る軌跡を選択して処理対象とする。反射を繰り返したり長い距離を伝播して強度が低下した電波は無視できるからである。
理論値算出部140は、伝播情報算出部130が出力した伝播経路の伝播情報に基づいて、この伝播経路を通って受信装置に到達した電波の受信強度の理論値を算出する。
図4の例では、反射波1が強反射体で反射したと仮定した場合の反射波1と直接波の合成波の角度スペクトルの理論値を算出する。
図5のアレイアンテナのモデル図を用いて、このような場合の合成波理論値の求め方を説明する。
ここでは、例えば4個のアンテナ素子を並べ、整数k(k=1~4)を用いて個々のアンテナ素子(チャンネル)の番号を表す場合を想定する。
k番目のアンテナ素子に到達する電波Ek(t)は、次式(1)により表わされる。
ここで、アンテナ素子同士の距離を一般的な値であるλ/2とし、sin(θ2)-sin(θ1)=Bとおくと、Ek(t)(k=1、2,3,4)の位相項の正弦角が180度回転する位相差φは、番号1のアンテナの場合にπとなり、番号2のアンテナの場合にπ(B-1)となり、番号3のアンテナの場合にπ(2B-1)となり、番号4のアンテナの場合にπ(3B-1)となる。
図6(a)がφ=0~97、319~360度の場合の角度スペクトルを示し、図6(b)がφ=97~180度の場合の角度スペクトルを示し、図6(c)がφ=180~236度の場合の角度スペクトルを示し、図6(d)がφ=236~319度の場合の角度スペクトルを示す。
図6(a)~図6(d)において横軸は、図2(b)を用いて説明したように受信装置300の正面を0度とした場合の左右方向の角度を表している。
そこで、理論値算出部140は、複数通りの合成波理論値を算出することによって実測値と合成波理論値との一致を確保する。
図7は、実測値バッファ120に格納された実測値と、理論値バッファ150に格納された直接波理論値及び合成波理論値の一例を示す。図7の例は、理論値算出部140が1つの反射波について3通りの合成波理論値1~合成波理論値3を算出した場合を示す。
強度比較部161は、例えば、理論値と実測値との差分を算出し、差分が最も小さい理論値が実測値に最も近いと判断してよい。例えばこの差分は、理論値と実測値を正規化して、角度毎の差分の総和として求めればよい。又は、理論値と実測値の近似の程度を表す量として、その角度毎の差分の総和の逆数を求めてもよいし、理論値と実測値の正規化相関を求めてもよい。
反対に直接波理論値が実測値に最も近い場合には、強度比較部161は、実測値が直接波の角度スペクトルと判断して、伝播情報算出部130が算出した反射波の伝播経路上の反射点が強反射点でないと判断する。
強度比較部161は、強反射点の判断結果を強反射点情報112に格納する。
図8(a)を参照する。図8(a)は図1に示した部屋20を天井から床に向かって見下ろした様子を示しており、位置検出装置200、受信装置300及び強反射体210の位置が示されている。
また、説明の簡単化のため、図8(a)の平面図では壁面に沿って1次元的に並んだ座標1~60を定義したが、部屋20を縦方向及び横方向に分割して2次元座標を定義してもよい。
強度比較部161は、反射面位置が強反射点である場合には対応する判定結果フィールドに値「1」を格納し、反射面位置が強反射点でない場合には対応する判定結果フィールドに値「0」を格納する。初期状態では、図8(b)に示すように全て「0」にリセットされている。
部屋20内を移動する際には、発信端末41が壁面から比較的近い位置(例えば壁面から1m以内の範囲)を維持するように壁面に沿って移動する。発信端末41が壁面から遠く離れると、直接波に比べて反射波の伝播距離が長くなり、たとえ強反射体で反射した反射波であっても大幅に強度が低下してしまう。この結果として合成波を検出できなくなり、強反射体で反射したか否かが分からなくなるからである。
図9(a)に示すように、受信装置300は発信端末41から直接到来する直接波を支配的に受信している。また、部屋20には、各壁面で反射して受信装置300に到来する反射波1~反射波3も存在する。
なお、図9(a)には直接波と反射波1~反射波3のみが図示されているが、部屋20には、発信端末41から各方向へ発信される他の反射波も存在している。
強度比較部161は、受信装置300が実際に受信した電波強度の実測値を、直接波理論値及び合成波理論値の各々と比較する。
反射波1が反射した座標9には強反射体が存在し、反射波1の伝播距離は直接波の伝播距離と同等である。このため反射波1は十分な強度をもって受信装置300に到達する。
このため、強度比較部161は、座標9が強反射点であると判断できるので、図10(b)に示すように座標9の判定結果フィールドに値「1」を格納する。
図10(a)の場合と同様に、反射波1が反射した座標10には強反射体が存在し反射による反射波1の減衰を無視できる。また、反射波1と直接波との距離減衰の差分も無視できるので、実測値は、直接波理論値よりも合成波理論値に近くなる。
このため、強度比較部161は、座標10が強反射点であると判断できるので、図11(b)に示すように座標10の判定結果フィールドに値「1」を格納する。
このとき伝播情報算出部130は、直接波と同等の伝播距離を有する反射波1及び4の伝播経路を算出する。
理論値算出部140は、直接波理論値と、直接波と反射波1の合成波理論値と、直接波と反射波4の合成波理論値を算出する。
強反射体検出部170は、強反射点情報112を参照して、座標9から座標10に強反射体が存在すると判定する。
出力部180は、強反射体検出部170の判定結果を外部装置へ出力する。
ステップS100において位置検出装置200は、部屋20に存在する人物40の位置を検出して、発信端末41の位置としてシステム主装置100に送信する。
ステップS110において受信装置300は、到来方向ごとの受信強度を測定して、その実測値を得る。その結果をシステム主装置100に送信して、システム主装置100は実測値バッファ120に格納する。
受信強度の実測値が、ノイズと判定される所定値以上の場合(ステップS120:Y)には、処理はステップS130へ進む。
ステップS170において強度比較部161は、反射波の伝播経路上の反射点を、強反射点として強反射点情報112に記憶する。
反対に、実測値に最も近い理論値が合成波理論値でない場合(ステップS160:N)には、伝播情報算出部130が算出した伝播経路上の反射点を強反射点として強反射点情報112に記憶せずに処理を終了する。
第1実施形態に係る検出システムは、発信端末41から発信され測定空間における反射を伴って受信装置300まで到達する経路と経路上の反射点とを算出し、発信端末41から受信装置300へ直接到達する直接波と反射を伴う経路を通って受信装置300に到達する反射波との合成波の理論値を算出し、発信端末41からの電波を受信装置300で受信した実測値と合成波の理論値との差分に基づいて、反射点が強反射点であるか否かを判定し、強反射点に基づいて強反射体の位置を検出する。
このため、測定空間において発信端末41から発信される電波を反射する強反射体の位置を検出できる。
以上、第1実施形態にかかる検出システムについて構成と動作を説明したが、本発明の範囲はそれに限定されない。
第2実施形態の検出システムを以下に説明する。第2実施形態の検出システムの構成は、図3を参照して説明した第1実施形態の検出システムの構成と同様であり、同様の機能については重複説明を省略する。
上記の通り、強反射点情報112の判定結果フィールドの初期値は、強反射点でないことを示す「0」に設定されている。このため、強反射点情報112を更新しなければ、今回の反射点の座標に対応する判定結果フィールドの値は、強反射点でないことを示す「0」に維持される。
ステップS200~S220の処理は、図13のステップS100~S120の処理と同様である。
ステップS230において伝播情報算出部130は、発信端末41から受信装置300へ直接到達する直接波の伝播経路を算出する。理論値算出部140は、直接波理論値を算出する。ステップS240において強度比較部161は、受信装置300が得た実測値と、直接波理論値とを比較する。
受信波が反射波の強い影響を受けておらず直接波が支配的な強度で受信されている場合(ステップS250:N)には、ステップS260~S290を省略し、強反射点情報112を更新せずに処理を終了する。
ステップS270において理論値算出部140は、反射波と直接波の合成波の受信強度の角度スペクトルの理論値(合成波理論値)を算出する。
ステップS280において強度比較部161は、受信装置300が得た実測値を、合成波理論値と比較する。
第2実施形態の理論値算出部140は、発信端末41から受信装置300へ直接到達する直接波の理論値を算出し、実測値と直接波の理論値との差分が所定値以上である場合に合成波の理論値を算出する。
これにより、直接波が支配的な強度で受信装置300に受信されており、強反射体で反射した電波が受信装置300に到達していないと考えられる場合に、合成波理論値の計算を省略して、処理量を削減できる。
次に、第3実施形態の検出システムを説明する。第3実施形態の検出システムは、第2実施形態の検出システムと同様に、直接波が支配的な強度で受信装置300に受信されていない場合のみに合成波理論値を計算し、直接波が支配的な強度で受信装置300に受信されている場合に合成波理論値の計算を省略する。
第3実施形態の検出システムのシステム主装置100は、ピーク特定部190を備える。また、比較決定部160は方向比較部162を備える。
位置検出装置200は、発信端末41の検出位置を比較決定部160へ出力する。
方向比較部162は、位置検出装置200が検出した発信端末41の検出位置に基づいて、受信装置300から見た発信端末41の方向を算出する。
位置検出装置200と受信装置300とが十分近い場合には、位置検出装置200から見た発信端末41の方向を、受信装置300から見た発信端末41の方向として用いてもよい。
ここで、受信波が反射波の強い影響を受けておらず、直接波が支配的な強度で受信されている場合には、実測値から特定した電波の受信方向は受信装置300から見た発信端末41の方向と一致する。
このため、方向比較部162は、受信装置300から見た発信端末41の方向と実測値から特定した電波の受信方向との差分が所定値以上である場合には、受信波が反射波の強い影響を受けており、直接波が支配的な強度で受信されていないと判断する。
直接波が支配的な強度で受信されている場合には、理論値算出部140は、合成波理論値の計算を省略する。このため、強度比較部161は、その後の処理を行わず強反射点情報112を更新しない。
ステップS300~S320の処理は、図13のステップS100~S120の処理と同様である。
ステップS330においてピーク特定部190は、実測値の角度スペクトルにおいて受信強度が最も高い角度を、電波の受信方向として特定する。方向比較部162は、位置検出装置200が検出した発信端末41の検出位置に基づいて、受信装置300から見た発信端末41の方向を算出する。
受信装置300から見た発信端末41の方向と電波の受信方向との差分が所定値以上である場合(ステップS340:Y)に方向比較部162は、受信波が反射波の強い影響を受けており直接波が支配的な強度で受信されていないと判断して、処理はステップS350へ進む。
一方で、受信装置300から見た発信端末41の方向と電波の受信方向との差分が所定値未満である場合(ステップS340:N)に方向比較部162は、受信波が反射波の強い影響を受けておらず直接波が支配的な強度で受信されていると判断する。
この場合には、ステップS260~S290を省略し、強反射点情報112を更新せずに処理を終了する。
第3実施形態の理論値算出部140は、受信装置300から見た発信端末41の方向と実測値から求めた電波の受信方向との差分が所定値以上である場合に、合成波の理論値を算出する。
これにより、直接波が支配的な強度で受信装置300に受信されており、強反射体で反射した電波が受信装置300に到達していないと考えられる場合に、合成波理論値の計算を省略して、処理量を削減できる。
Claims (8)
- 測定空間内の発信端末からの電波をアレイアンテナにて受信する受信装置と、システム主装置とを備え、前記発信端末からの前記電波を所定値以上の反射率で反射する強反射体の位置を検出する検出システムであって、
前記システム主装置は、
前記受信装置の位置及び前記測定空間の形状を含む構造情報を記憶しておく記憶部と、
前記発信端末が電波を発信する発信位置を取得する位置取得部と、
前記構造情報及び前記発信位置に基づいて、当該発信位置から発信され前記測定空間における反射を伴って前記受信装置まで到達する経路、及び当該経路上の反射点を算出する伝播情報算出部と、
前記発信端末から前記受信装置へ直接到達する直接波と前記強反射体での反射を伴う前記経路を通って前記受信装置に到達する反射波との合成波の受信強度の角度スペクトルの理論値である合成波理論値を算出する理論値算出部と、
前記発信端末からの前記電波を前記受信装置で受信した受信強度の角度スペクトルの実測値と前記合成波理論値との差分に基づいて、前記反射点が前記所定値以上の反射率を有する強反射点であるか否かを判定する比較決定部と、
前記強反射点に基づいて前記強反射体の位置を検出する強反射体検出部と、
を備える検出システム。 - 前記理論値算出部は、前記直接波の経路長と前記反射波の経路長との差分が閾値以下の場合に、前記合成波理論値を算出する請求項1に記載の検出システム。
- 前記理論値算出部は、前記直接波の受信強度の角度スペクトルの理論値である直接波理論値を算出し、
前記比較決定部は、前記実測値と前記直接波理論値との差分を算出し、前記実測値と前記直接波理論値との差分よりも前記実測値と前記合成波理論値との差分が小さい場合に、前記反射点が前記強反射点であると判定する請求項1又は2に記載の検出システム。 - 前記伝播情報算出部は、当該発信位置から発信され前記測定空間における反射を伴って所定の減衰量以下で前記受信装置まで到達する複数の経路、及びこれら複数の経路上の反射点をそれぞれ算出し、
前記理論値算出部は、前記複数の経路を通って前記受信装置に到達するそれぞれの反射波と前記直接波との前記合成波理論値をそれぞれ算出し、
前記比較決定部は、前記実測値と前記合成波理論値との差分の最小値が前記実測値と前記直接波理論値との差分よりも小さい場合に、前記実測値と前記合成波理論値と差分が最小の経路の反射点が、前記強反射点であると判定する請求項3に記載の検出システム。 - 前記理論値算出部は、前記直接波の受信強度の角度スペクトルの理論値である直接波理論値を算出し、前記実測値と前記直接波理論値との差分が第2の所定値以上である場合に、前記合成波理論値を算出する請求項1又は2に記載の検出システム。
- 前記理論値算出部は、前記受信装置から見た前記発信端末の方向と前記実測値から求めた前記電波の受信方向との差分が第3の所定値以上である場合に、前記合成波理論値を算出する請求項1又は2に記載の検出システム。
- 前記伝播情報算出部は、当該発信位置から発信され前記測定空間における反射を伴って前記受信装置まで到達する複数の経路、及びこれら複数の経路上の反射点をそれぞれ算出し、
前記理論値算出部は、前記複数の経路を通って前記受信装置に到達するそれぞれの反射波と前記直接波との前記合成波理論値をそれぞれ算出し、
前記比較決定部は、前記実測値と前記合成波理論値と差分が最小の経路の反射点が、前記強反射点であると判定する請求項5又は6に記載の検出システム。 - 測定空間内の発信端末からの電波を所定値以上の反射率で反射する強反射体の位置を検出する検出方法であって、
前記発信端末が電波を発信する発信位置を取得し、
前記発信端末からの電波をアレイアンテナにて受信する受信装置の位置と前記測定空間の形状とを含み予め記憶装置に記憶された構造情報と、前記発信位置と、に基づいて、当該発信位置から発信され前記測定空間における反射を伴って前記受信装置まで到達する経路、及び当該経路上の反射点を算出する伝播経路算出ステップと、
前記発信端末から前記受信装置へ直接到達する直接波と前記強反射体での反射を伴う前記経路を通って前記受信装置に到達する反射波との合成波の受信強度の角度スペクトルの理論値である合成波理論値を算出する理論値算出ステップと、
前記発信端末からの前記電波を前記受信装置で受信した受信強度の角度スペクトルの実測値と前記合成波理論値との差分に基づいて、前記反射点が前記所定値以上の反射率を有する強反射点であるか否かを判定する比較判定ステップと、
前記強反射点に基づいて前記強反射体の位置を検出する強反射体検出ステップと、
を含むことを特徴とする検出方法。
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