JP3654106B2 - 液体注入方法および液体注入装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体注入方法および液体注入装置に関するもので、例えば電子部品にICチップの保護材料を注入する方法および装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、電子部品にICチップの保護を目的として液状の熱硬化性樹脂を注入する液体注入装置としては、図9に示すものが知られている。この液体注入装置は、液体103を保持しバルブ105の操作により大気開放可能なタンク101と、このタンク101内を減圧する真空ポンプ114と、タンク101に設けられタンク101内の液体103を攪拌する攪拌翼115と、液体103を被注入部品129に定量注入するノズル部123と、ノズル部123の先端123aおよび被注入部品129を内部に保持する密閉チャンバ124と、密閉チャンバ124内を減圧する真空ポンプ128と、タンク101の底部101aとノズル部123とを繋ぐ配管119とを備えて構成されている。
【0003】
これにて、タンク101内を減圧するとともにタンク101内の液体103を攪拌して液体内に溶け込んでいる気体を除去する脱泡工程、タンク101内の減圧、攪拌を止め、バルブ105を開けタンク101内を大気開放するとともに密閉チャンバ124内を減圧し、密閉チャンバ124内に保持された被注入部品129にノズル部123より液体103を注入する液体注入工程が順に実行されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、脱泡工程中に、タンクの底部101aとノズル部123とを繋ぐ配管119内に停留している液体中に溶けている気体が集まり、配管119内に気泡が発生する。そして、液体注入工程で配管119内の気泡を含む液体を被注入部品129に注入すると、液体注入量の精度が低下したり、注入された液体内の気泡が被注入部品129の性能を劣化するという欠点がある。
【0005】
これに対して、被注入部品129に液体の注入を開始する前に、図9に示すバルブ150を開操作し、配管119内の気泡を含む液体を配管151を通して減圧された密閉チャンバ124内の容器152に排出し、配管119内にタンク101内の液体103を供給しておくというものがある。
【0006】
こうすることで、被注入部品129に液体の注入を開始する前に、気泡を含まない液体で配管119内を満たすことができ、前記の欠点を克服することができるが、以下のような問題が生じる。
【0007】
配管119から容器152に排出された気泡を含む液体を再利用しようとすると、容器152を密閉チャンバ124から取り出した後、液体注入工程が完了し次回の脱泡工程が開始される前に、容器152内の液体をタンク101に設けられた図示しない供給口からタンク101内に戻さなくてはならない。このとき、密閉チャンバ124から取り出した後の容器152内の液体が、液体注入装置外部の大気と長時間触れていると、大気中の異物(ほこり等)を取り込んでしまう可能性があるため、厳重に密閉して保管しなくてはならないという問題と、作業者の時間的ロスが発生する。
【0008】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、タンクとノズル部とを繋ぐ配管内の液体を大気に触れることなく回収し、再利用できる液体注入方法および液体注入装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項4に記載の発明では、ノズル部(23)から被注入部品(29)に液体(3)を注入する注入工程(S3)を実行する前に、脱泡を完了した液体(3)を保持する第1のタンク(1)内を加圧し、同時に第2のタンク(2)内を減圧し、加圧した第1のタンク(1)とノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)内に第1のタンク(1)内の液体を流し込み、この配管(19)内の液体を押し出して、第2のタンク(2)とノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)を介して第2のタンク(2)内に移動する移動工程(S2)を有することを特徴としている。
【0010】
これによると、脱泡を完了した液体(3)を保持し加圧された第1のタンク(1)内の圧力と減圧された第2のタンク(2)内の圧力との差により、加圧した第1のタンク(1)とノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)内に第1のタンク(1)内の液体を流し込み、この配管(19)内の液体を押し出して、第2のタンク(2)とノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)を介して第2のタンク(2)内に大気に触れることなく移動させ、回収、再利用することができる。また、第2のタンク(2)内の液体をそのまま利用できるため、従来行なわれていた排出された気泡を含む液体を密閉チャンバ(24)内から取り出す作業工程が不要となり、従って生産に寄与しない時間の短縮ができる。
また、請求項2に記載の発明のように、複数のタンク(1、2)は2つのタンク(1、2)からなり、2つのタンク(1、2)のうち、一方のタンク(1)を第1のタンクとするとともに、他方のタンク(2)を第2のタンクとして、脱泡工程、移動工程、および注入工程を順次行なった後、前記一方のタンク(1)を第2のタンクとするとともに、前記他方のタンク(2)を第1のタンクとして、脱泡工程、移動工程、および注入工程を順次行なうことにより、回収した液体を容易に再利用することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明における第1のタンク(1)内の加圧が大気圧であることを特徴としている。
【0012】
これによると、大気開放により加圧が達成できるため、高価な加圧手段を必要としない。
【0013】
また、請求項4に記載の発明では、脱泡工程が第1のタンク(1)内を減圧するとともに、第1のタンク(1)内の液体(3)を攪拌することを特徴としている。
【0014】
これによると、第1のタンク(1)内に保持された液体(3)が高粘度液体であっても効果的に脱泡を行うことができる。
【0015】
また、請求項5ないし請求項9に記載の発明では、内部に液体(3、4)を保持する第1、第2のタンク(1、2)と、これら第1、第2のタンク(1、2)内を加圧または減圧するタンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)と、第1、第2のタンク(1、2)内の液体(3、4)を被注入部品(29)に注入する共通のノズル部(23)と、第1のタンク(1)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)と、この配管(19)の経路を開閉するバルブ(21)と、第2のタンク(2)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)と、この配管(20)の経路を開閉するバルブ(22)とを備え、共通のノズル部(23)より被注入部品(29)に第1のタンク(1)内の液体(3)を注入する前に、タンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)にて第1のタンク(1)内を加圧し、かつ第2のタンク(2)内を減圧した状態とし、第1のタンク(1)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)の経路を開閉するバルブ(21)、および第2のタンク(2)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)の経路を開閉するバルブ(22)を開いて、第1のタンク(1)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)内に第1のタンク(1)内の液体を流し込み、この配管(19)内の液体を押し出して、第2のタンク(2)と共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)を介して第2のタンク(2)内に移動させる構成としたことを特徴としている。
【0016】
この液体注入装置によれば、請求項1に記載の液体注入方法を実施することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、第1のタンク(1)を第2のタンクとし、第2のタンク(2)を第1のタンクとして、両タンク(1、2)の役割を交換することにより、請求項2に記載の液体注入方法を行なうことができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明では、請求項5または請求項6に記載の液体注入装置において、タンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)の一部を構成するタンク加圧手段(5、6、7、8)が大気開放手段であることを特徴としている。
【0018】
これによると、請求項3に記載の発明と同様に、大気開放により加圧が達成できるため、高価な加圧手段を必要としない。
【0019】
また、請求項8に記載の発明では、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の液体注入装置において、第1、第2のタンク(1、2)に設けられ、第1、第2のタンク(1、2)内の液体(3、4)を攪拌する攪拌手段(15、16、17、18)を備えたことを特徴としている。
【0020】
これによると、請求項4に記載の発明と同様に、第1、第2のタンク(1、2)内に保持された液体(3、4)が高粘度液体であっても効果的に脱泡を行うことができる。
【0021】
また、請求項9に記載の液体注入装置においては、共通のノズル部(23)の先端部(23a)を内部に設け、被注入部品(29)を内部に保持する密閉容器(24)と、この密閉容器(24)内を減圧する容器減圧手段(25、26、27、28)を備えたことを特徴としている。
【0022】
これによると、ノズル部(23)から被注入部品(29)への液体(3)の注入を減圧下で行うことができ、注入時の空気の巻き込みを防止することができる。
【0023】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は本発明における第1の実施形態の液体注入装置を示す配管線図である。1はタンクであり、内部に図示しない液体供給口から供給された液体3を保持している。また、2もタンクであり、内部に図示しない液体供給口から供給された液体4を保持している。タンク1の上面部図中左側にはタンク1内の空間と外部の大気とを連通または遮断する大気開放手段の一部であるバルブ5が設けられており、バルブ5の上部には、バルブ5を通してタンク1内に外部の大気を導入する際に、大気中のほこり等の侵入を防止すると同時に大気吸入音を低減するためのフィルタ機能を備えた大気開放手段の一部であるサイレンサ7が配置されている。このバルブ5とサイレンサ7とでタンク1のタンク加圧手段を構成している。また、タンク2の上部面図中左側には、タンク1と同様に大気開放手段であるバルブ6とサイレンサ8が配置されている。このバルブ6とサイレンサ8とでタンク2のタンク加圧手段を構成している。
【0026】
また、タンク1の上面部図中右側にはタンク1内の空間と配管11とを連通または遮断するバルブ9が設けられており、タンク2の上面部図中右側にもタンク2内の空間と配管11とを連通または遮断するバルブ10が設けられている。配管11のバルブ9、10と反対側の端は、配管11内に侵入してくる液体のミストを捕獲するトラップ12と配管13とを介して真空ポンプ14に接続している。バルブ9、バルブ10、配管11、トラップ12、配管13および真空ポンプ14でタンク減圧手段を構成している。
【0027】
そして、タンク1、タンク2のタンク加圧手段およびタンク減圧手段でタンク加減圧手段を構成している。
【0028】
また、タンク1の上面部中央にはモータ17が配置されており、モータ17のタンク1内に延びた回転軸の先端には、タンク1内の液体3を攪拌する攪拌翼15が設けられている。この攪拌翼15とモータ17とで、タンク1の攪拌手段を構成している。タンク2の上面部中央にもモータ18が配置されており、モータ18のタンク2内に延びた回転軸の先端には、タンク2内の液体4を攪拌する攪拌翼16が設けられている。この攪拌翼16とモータ18とで、タンク2の攪拌手段を構成している。
【0029】
タンク1の底部1aには例えばフッ素樹脂チューブからなる配管19の一端が接続されており、配管19の他端はノズル部23に接続されている。そして、タンク1の下方には配管19の経路を開閉するバルブ21が設けられている。また、タンク2の底部2aには配管20の一端が接続されており、配管20の他端はノズル部23に接続されノズル部23内の上部(図中左側上部)にて配管19と連通している。そして、タンク2の下方には配管20の経路を開閉するバルブ22が設けられている。
【0030】
ノズル部23は、その先端部23aが密閉チャンバ24内に配置されており、ノズル部23の先端部23aの下方には被注入部品29が配置されている。ノズル部23内には、上端が配管19、20と連通し、下端が先端部23aに繋がる配管35が設けられている。配管35の経路中央付近にはハウジング233が配置されており、このハウジング233内にプランジャ232が摺動可能に嵌合している。このプランジャ232は、図示しない空気圧駆動機構によりハウジング233内を軸方向(図1上下方向)に移動するようになっている。
【0031】
配管35のハウジング233の上流側にはバルブ231が配置され、配管35のハウジング233の下流側にはバルブ234が配置されており、このバルブ231、234とプランジャ232とハウジング233とにより液体の吐出機構を構成している。
【0032】
密閉チャンバ24の図中右方には配管25が接続しており、配管25の密閉チャンバ24と反対側の端は、配管25内に侵入してくる液体のミストを捕獲するトラップ26と配管27とを介して真空ポンプ28に接続している。配管25、トラップ26、配管27および真空ポンプ28で、密閉チャンバ24の容器減圧手段を構成している。
【0033】
ここで、バルブ5、6、9、10、21および22はバルブ開閉手段であるソレノイドにより開閉動作を行うソレノイドバルブであり、バルブ231およびバルブ234は空気圧により開閉動作を行うエアバルブである。
【0034】
また、制御装置100は、所定の作業手順に従って、各バルブ5、6、9、10、21、22、231、234、各モータ17、18、真空ポンプ14、28およびプランジャ232を制御し、図2に示すように、タンク1内の脱泡工程S1、タンク1とノズル部23間の配管19内の液体をタンク2へ移動する移動工程S2、およびノズル部23より液体を被注入部品29に注入する注入工程S3を順次行うように構成されている。
【0035】
次に、上記した液体注入装置において液体注入方法を説明すると、まず、図示しない液体供給口から第1のタンクをなすタンク1内に液体3(本例では、硬化前のフロロシリコーンゲル)を供給する。そして、タンク1に設けられたバルブ5と第2のタンクをなすタンク2に設けられたバルブ10と配管19の経路中に設けられたバルブ21と配管20の経路中に設けられたバルブ22とを閉じ、タンク1に設けられたバルブ9を開けておく。この状態において真空ポンプ14を作動させて、タンク1内を減圧するとともに、モータ17を作動させ攪拌翼15を回転させて液体3を攪拌し、液体3中に溶け込んでいる気体を除去する。
【0036】
次に、モータ17を停止させ、バルブ9を閉じた後バルブ5を開き、タンク1内を大気圧とする。次に、バルブ6を閉じた後バルブ10を開き、タンク2内を減圧する。この状態においてバルブ21とバルブ22とを所定時間開くと、タンク1内の圧力とタンク2内の圧力の差により、第1のタンクであるタンク1内の液体3が配管19から配管20に流れ込み、配管19および配管20の内部に停留していた液体は第2のタンクであるタンク2内に押し出される。
【0037】
次に、バルブ22を閉じ、密閉チャンバ24内を真空ポンプ28を作動させて減圧する。そして、ノズル部23内の配管35内に停留していた液体を排出した後、ノズル部23の先端23aから液体を吐出し、被注入部品29に液体を注入する。このときのノズル部23の作動としては、まず、プランジャ232を最大下降位置まで下降させておく。次にバルブ231を開くとともにプランジャ232を上昇させ、1回の吐出分の液体をハウジング233内に取り込む。次にバルブ231を閉じバルブ234を開きプランジャ232を再び下降させると、ハウジング233内の液体はノズル部23の先端部23aから吐出する。
【0038】
上述の液体注入方法によると、脱泡を完了した液体3を保持し大気圧とされたタンク1内の圧力と減圧されたタンク2内の圧力との差により、第1のタンクであるタンク1の底部1aとノズル部23とを繋ぐ配管19内の液体を大気に触れることなく第2のタンクであるタンク2に回収できる。
【0039】
なお、被注入部品29に液体を注入することでタンク1内の液体3を使い切る前に、図示しない液体供給口からタンク2内に液体4を追加供給し、タンク2を第1のタンクとし、タンク1を第2のタンクとして、上述の液体注入方法を繰り返すことにより、タンク2内に回収した液体を再利用することができる。なお、このとき注入作業を連続して行うことができれば、ノズル部23内の配管35内に液体は長時間停留しないため、配管35内の液体を排出する必要はない。
【0040】
さらに、タンク1とタンク2の役割を交互に交換することで、大気に触れることなく回収した液体は常に再利用することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図3に基づいて説明する。
【0042】
上記したように、第1の実施形態では、ノズル部23から被注入部品29に液体を注入する前に、脱泡を完了した液体3を保持する第1のタンクであるタンク1内を大気圧とし、同時に第2のタンクであるタンク2内を減圧し、バルブ21とバルブ22とを所定時間同時に開くことによって、タンク1の底部1aとノズル部23とを繋ぐ配管19内に停留している液体を、配管20を通してタンク2に回収し、タンク1とタンク2の役割を交換することで回収した液体を再利用している。
【0043】
これに対し、本第2の実施形態では、図3に示すように、ノズル部23内で配管19および配管20と連通する回収専用配管30を設け、この配管30を通して液体を回収しようとするものである。なお、第1の実施形態と同様の部分については、第1の実施形態と同じ符号をつけてその説明を省略する。
【0044】
図3に示すように、ノズル部23内の上部(図中左側上部)において配管19、配管20および配管35と連通する配管30は、ノズル部23より上方に配置されており、タンク1とタンク2との間で分岐している。この分岐点とタンク1の側面部を繋ぐ配管31には、その経路中にバルブ33が設けられており、分岐点とタンク2の側面部を繋ぐ配管32には、その経路中にバルブ34が設けられている。
【0045】
なお、ここで、バルブ33およびバルブ34はバルブ開閉手段であるソレノイドにより開閉動作を行うソレノイドバルブである。
【0046】
また、制御装置200は、所定の作業手順に従って、各バルブ5、6、9、10、21、22、33、34、231、234、各モータ17、18、真空ポンプ14、28およびプランジャ232を制御し、第1の実施形態と同様に、図2に示すように、タンク1内の脱泡工程S1、タンク1とノズル部23間の配管19内の液体をタンク2へ移動する移動工程S2、およびノズル部23より液体を被注入部品29に注入する注入工程S3を順次行うように構成されている。
【0047】
次に、上記した構成の液体注入装置において液体注入方法を説明すると、第1の実施形態と同様にして、第1のタンクであるタンク1内の液体3中に溶け込んでいる気体を除去した後、タンク1内を大気圧とし、第2のタンクであるタンク2内を減圧する。このときバルブ33およびバルブ34は閉じられている。この状態においてバルブ21とバルブ34とを所定時間開くと、タンク1内の圧力とタンク2内の圧力の差により、タンク1内の液体3が配管19から配管30、配管32に流れ込み、配管19、配管30および配管32の内部に停留していた液体はタンク2内に押し出される。
【0048】
次に、バルブ34を閉じ、密閉チャンバ24内を真空ポンプ28を作動させて減圧する。そして、ノズル部23内の配管35内に停留していた液体を排出した後、ノズル部23の先端23aから液体を吐出し、被注入部品29に液体を注入する。
【0049】
上述の液体注入方法によると、脱泡を完了した液体3を保持し大気圧とされたタンク1内の圧力と減圧されたタンク2内の圧力との差により、第1のタンクであるタンク1の底部1aとノズル部23とを繋ぐ配管19内の液体を大気に触れることなく第2のタンクであるタンク2に回収できる。
【0050】
なお、被注入部品29に液体を注入することでタンク1内の液体3を使い切る前に、図示しない液体供給口からタンク2内に液体4を追加供給し、タンク2を第1のタンクとし、タンク1を第2のタンクとして、上述の液体注入方法を繰り返すことにより、タンク2内に回収した液体を再利用することができる。さらに、タンク1とタンク2の役割を交互に交換することで、大気に触れることなく回収した液体は常に再利用することができる。
【0051】
(他の実施形態)
上記各実施形態においては、脱泡を完了した液体3を保持し大気圧とされたタンク1内の圧力と減圧されたタンク2内の圧力との差により、第1のタンクであるタンク1の底部1aとノズル部23とを繋ぐ配管19内の液体を大気に触れることなく第2のタンクであるタンク2に回収し、その後、被注入部品29に液体を注入することでタンク1内の液体3を使い切る前に、図示しない液体供給口からタンク2内に液体4を追加供給し、タンク2を第1のタンクとし、タンク1を第2のタンクとして、前述の液体注入方法を繰り返している。
【0052】
ところが、これに限らず、脱泡工程の時間と移動工程および注入工程の合計時間とを同一とし、タンク2内に液体4を追加供給し、タンク2の脱泡工程の開始にあわせて、タンク1の移動工程を開始し、タンク1の底部1aとノズル部23とを繋ぐ配管19内の液体を大気に触れることなく脱泡工程中のタンク2に回収し、その後タンク1とタンク2の役割を交互に交換させてもよい。
【0053】
また、上記各実施形態において、液体注入装置は、内部に液体を保持するタンクを2つ備えていたが、タンクが3つ以上であって、第1のタンクの役割と第2のタンクの役割を順次変えていくものであってもよい。また、第1のタンクおよび第2のタンクはそれぞれ複数であってもよい。
【0054】
また、上記第1の実施形態において、配管19、配管20および配管35はノズル部23内で連通していたが、図4に示すように、配管35をノズル部23から突出させ、その突出した配管35の先端と配管19および配管20とを連通させてもよい。
【0055】
また、上記第2の実施形態において、配管19、配管20、配管30および配管35はノズル部23内で連通していたが、図5に示すように、配管35をノズル部23から突出させ、その突出した配管35の先端と配管19、配管20および配管30とを連通させてもよい。
【0056】
また、上記第2の実施形態において、配管19、配管20、配管30および配管35はノズル部23内の同じ位置で連通していたが、図6に示すように、配管19および配管20と連通する配管36を設け、配管30、配管35および配管36をノズル部23内で連通させてもよいし、図7に示すように、配管19および配管20と連通する配管36を設け、かつ配管35をノズル部23から突出させ、その突出した配管35の先端と配管30および配管36とを連通させてもよい。
【0057】
また、上記第2の実施形態において、配管19内または配管20内の液体をタンクに回収する配管30をタンク1とタンク2との間で分岐させ、分岐した片方の配管31をタンク1の側面に接続し、分岐した他方の配管32をタンク2の側面に接続していたが、図8に示すように、ノズル部23とタンク1の側面およびタンク2の側面とをそれぞれ繋ぐ配管37および配管38を独立して設けてもよい。
【0058】
また、上記第2の実施形態および図5〜8に示した実施形態において、液体の回収専用の役割をする配管は、タンク1の側面およびタンク2の側面に接続していたが、タンクの上面等他の面に接続してもよい。
【0059】
また、上記各実施形態において、バルブ5、6、9、10、21、22、33および34はソレノイドバルブであったが、空気圧等他の駆動源により開閉動作するバルブであったり、手動により開閉するバルブであってもよい。
【0060】
また、上記各実施形態において、ノズル部23内のバルブ231およびバルブ234は、空気圧により駆動するエアバルブであったが、他の駆動源により駆動するものであってもよい。
【0061】
また、上記各実施形態において、ノズル部23内のプランジャ232は、空気圧により駆動するものであったが、油圧によって駆動するものであったり、サーボモータ等によって駆動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す液体注入装置の配管線図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における液体注入方法の工程フロー図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す液体注入装置の配管線図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す液体注入装置の要部配管線図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す液体注入装置の要部配管線図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す液体注入装置の要部配管線図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す液体注入装置の要部配管線図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す液体注入装置の要部配管線図である。
【図9】従来技術による液体注入装置の配管線図である。
【符号の説明】
1、2 タンク
5、6 バルブ(タンク加減圧手段の一部、タンク加圧手段の一部、大気開放手段の一部)
9、10 バルブ(タンク加減圧手段の一部、タンク減圧手段の一部)
14 真空ポンプ(タンク加減圧手段の一部、タンク減圧手段の一部)
15、16 攪拌翼(攪拌手段の一部)
19、20 配管(タンク1、2の底部1a、2aとノズル部23とを繋ぐ配管)
21、22 バルブ
23 ノズル部
24 密閉チャンバ(密閉容器)
28 真空ポンプ(容器減圧手段の一部)
30 配管
35 配管(ノズル部23内の配管)
100、200 制御装置
Claims (9)
- 内部に液体(3、4)を保持する複数のタンク(1、2)のうち第1のタンク(1)内を減圧する脱泡工程(S1)と、
前記脱泡工程(S1)の後、脱泡した前記第1のタンク(1)内を加圧するとともに、第2のタンク(2)内を減圧し、前記第1のタンク(1)とノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)内に前記第1のタンク(1)内の液体を流し込み、前記配管(19)内の液体を押し出して、前記第2のタンク(2)と前記ノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)を介して前記第2のタンク(2)内に移動させる移動工程(S2)と、
前記移動工程(S2)の後、前記第1のタンク(1)を加圧して、前記第1のタンク(1)と前記ノズル部(23)とを繋ぐ前記配管(19)を介してノズル部(23)から被注入部品(29)に液体(3)を注入する注入工程(S3)とを有することを特徴とする液体注入方法。 - 前記複数のタンク(1、2)は2つのタンク(1、2)からなり、
前記2つのタンク(1、2)のうち、一方のタンク(1)を前記第1のタンクとするとともに、他方のタンク(2)を前記第2のタンクとして、前記脱泡工程、前記移動工程、および前記注入工程を順次行なった後、
前記一方のタンク(1)を前記第2のタンクとするとともに、前記他方のタンク(2)を前記第1のタンクとして、前記脱泡工程、前記移動工程、および前記注入工程を順次行なうことを特徴とする請求項1に記載の液体注入方法。 - 前記第1のタンク(1)内の加圧が大気圧であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体注入方法。
- 前記脱泡工程が前記第1のタンク(1)内を減圧するとともに、前記第1のタンク(1)内の液体(3)を攪拌することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の液体注入方法。
- 内部に液体(3、4)を保持する第1、第2のタンク(1、2)と、
これら第1、第2のタンク(1、2)内を加圧または減圧するタンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)と、
前記第1、第2のタンク(1、2)内の前記液体(3、4)を被注入部品(29)に注入する共通のノズル部(23)と、
前記第1のタンク(1)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)と、
この配管(19)の経路を開閉するバルブ(21)と、
前記第2のタンク(2)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)と、
この配管(20)の経路を開閉するバルブ(22)とを備え、
前記共通のノズル部(23)より前記被注入部品(29)に前記第1のタンク(1)内の液体(3)を注入する前に、前記タンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)にて前記第1のタンク(1)内を加圧し、かつ前記第2のタンク(2)内を減圧した状態とし、前記第1のタンク(1)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(19)の経路を開閉する前記バルブ(21)、および前記第2のタンク(2)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ配管(20)の経路を開閉する前記バルブ(22)を開いて、前記第1のタンク(1)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ前記配管(19)内に前記第1のタンク(1)内の液体を流し込み、前記第1のタンク(1)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ前記配管(19)内の液体を押し出して、前記第2のタンク(2)と前記共通のノズル部(23)とを繋ぐ前記配管(20)を介して前記第2のタンク(2)内に移動させる構成としたことを特徴とする液体注入装置。 - 前記第1のタンク(1)を前記第2のタンクとし、前記第2のタンク(2)を前記第1のタンクとして、両タンク(1、2)の役割を交換することが可能であることを特徴とする請求項5に記載液体注入装置。
- 前記タンク加減圧手段(5、6、7、8、9、10、11、12、13、14)の一部を構成するタンク加圧手段(5、6、7、8。)が、大気開放手段であることを特徴とする請求項5または6に記載の液体注入装置。
- 前記第1、第2のタンク(1、2)に設けられ、前記第1、第2のタンク(1、2)内の液体(3、4)を攪拌する攪拌手段(15、16、17、18)を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載の液体注入装置。
- 前記共通のノズル部(23)の先端部(23a)を内部に設け、前記被注入部品(29)を内部に保持する密閉容器(24)と、この密閉容器(24)内を減圧する容器減圧手段(25、26、27、28)を備えたことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1つに記載の液体注入装置。
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