JP3653976B2 - 光カチオン硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光カチオン硬化性樹脂組成物に関し、詳しくは、光カチオン重合性のシルセスキオキサン化合物を含む光カチオン硬化性樹脂組成物に関する。本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物は、光硬化性に優れ且つ表面硬度と弾性とのバランス等に優れた硬化物を形成可能であるので、光カチオン硬化性コーティング剤組成物として好適である。
【0002】
【従来の技術】
紫外線(UV)開始重合又は紫外線開始硬化の分野においては、多官能アクリレート及び不飽和ポリエステル等を用いた光開始ラジカル重合が広く検討され、また工業的に利用されている。
【0003】
しかし、このラジカル重合は空気中等の酸素によって阻害されるという問題がある。特にコーティング剤組成物をラジカル重合によって硬化させる場合、この組成物の膜厚が薄くなるほど酸素による重合阻害の影響は顕著となり、組成物を速やかに且つ完全に硬化させるためには不活性雰囲気下で硬化させなければならないという制限がある。
【0004】
これに対して光開始カチオン重合は、上記光開始ラジカル重合とは異なり酸素による重合阻害を受けないため、空気中においても完全に重合させることが可能である。特に、モノマーとしてエポキシド又はオキセタン化合物を用いた組成物によると、耐熱性が良く、接着力に優れ、且つ耐薬品性の良好な硬化物を得ることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記エポキシド又はオキセタン化合物をモノマーとした光カチオン硬化性組成物から形成された硬化物は、基本的な骨格構造がポリエーテルであるため、例えばコーティング剤として用いる場合に表面硬度が不足しやすいという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、硬化物の表面硬度等の特性を調節可能な光カチオン硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の光カチオン硬化性モノマーからなる組成物に、オキセタニル基を有するシルセスキオキサン化合物を添加することにより、得られる硬化物の表面硬度が向上することを見出した。更に、上記シルセスキオキサン化合物は他の光カチオン硬化性モノマーとの相溶性が良好であることから、これらを任意の割合で混合することにより硬化物の物性を調節可能であることを見出して本発明を完成したのである。
【0008】
即ち、本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物は、下記式(I)に示す構造式で表される化合物を加水分解・縮合して得られる光カチオン重合性シルセスキオキサン化合物(a)と、
上記(a)以外の光カチオン重合性化合物(b)と、
カチオン性光重合開始剤(c)と、
を含んでおり、且つ下記式(I)におけるR が下記式(II)に示す構造式で表される有機官能基であることを特徴とする。
【0009】
【化3】
Figure 0003653976
【0010】
発明によると、上記光カチオン重合性シルセスキオキサン化合物(a)(以下、「シルセスキオキサン化合物(a)」という。)と、光カチオン重合性化合物(b)との混合割合によって、この組成物から形成される硬化物の物性を任意に調節可能である。従って、用途に併せて硬化物の表面硬度や弾性等のバランスを設計することにより、この組成物を種々の分野に利用することができる。例えば、実用上十分な弾性を維持できる範囲で表面硬度を向上させた硬化膜を形成する組成とすれば、本発明の組成物をハードコーティング剤として好適に利用できる。
【0011】
上記式(I)におけるRは、下記式(II)に示す構造式で表される有機官能基である。
【0012】
【化4】
Figure 0003653976
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、オキセタニル基を有する化合物を「オキセタン化合物」と表す。
【0014】
(1)シルセスキオキサン化合物(a)について
本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物におけるシルセスキオキサン化合物(a)は、原料として上記式(I)に示す構造式で表されるケイ素化合物を用い、この化合物を加水分解・縮合して得られたものである。
ここで、上記加水分解はpH7以上の雰囲気下で行うことが好ましい。これは、酸性雰囲気下で加水分解を行うとオキセタニル基が開環しやすく、これにより系がゲル化する恐れがあり、またオキセタニル基が消費されてシルセスキオキサン化合物(a)の硬化性が低下するためである。この加水分解はpH9〜13の雰囲気下で行うことが特に好ましい。pHが9未満であると、上記ケイ素化合物の加水分解・縮合速度が小さいためシルセスキオキサン化合物(a)の製造効率が低下する。一方、pHが13を超える場合には、アルカリ剤等の使用量が多くなるため経済的ではなく、また反応系からアルカリ剤等を除去する工程が煩雑となる。
【0015】
上記式(I)におけるRは、上記式(II)に示す構造式で表される基である。この式(II)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rがエチル基であることが特に好ましい。また、Rは炭素数2〜6のアルキレン基であり、Rがプロピレン基であることが特に好ましい。これは、このようなオキセタン化合物の入手或いは合成が容易なためである。また、本発明の組成物を光カチオン硬化性コーティング剤組成物として用いる場合には、シルセスキオキサン化合物(a)におけるR又はRの炭素数が7以上であると、この組成物から形成された皮膜の表面硬度が不足しやすいので好ましくない。
【0016】
上記式(I)におけるXは、加水分解性を有する基であれば特に限定されないが、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましい。また、この化合物一分子中には三つのXが含まれるが、これらは全て同じ基であってもよいし二種以上の異なる基であってもよい。
尚、他の加水分解性基としてはハロゲン原子が挙げられるが、この場合には加水分解によりハロゲン化水素が生じるので反応系が酸性雰囲気となりやすく、このためオキセタニル基が開環する恐れがある。
【0017】
上記「アルコキシ基」としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−及びi−プロポキシ基、n−、i−及びt−ブトキシ基等が挙げられる。また、「シクロアルコキシ基」の例としてはシクロヘキシルオキシ基等が、「アリールオキシ基」の例としてはフェニルオキシ基等が挙げられる。このうち、アルコキシ基の加水分解性が良好であることから、Xが炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましい。また、原料の入手が容易であることや、シルセスキオキサン化合物(a)を製造する際における加水分解反応が制御しやすいことから、Xがエトキシ基であることが特に好ましい。
【0018】
上記式(I)に示す化合物を加水分解する際、系をpH7以上の雰囲気とすることが好適であり、そのため通常は系内にアルカリ剤を添加する。このアルカリ剤としては、アンモニア、4級アンモニウム塩、有機アミン類等が使用可能であり、塩基性触媒としての活性が良好であるため4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
加水分解時におけるその他の反応条件については特に限定されないが、好ましい反応温度は10〜120℃(より好ましくは20〜80℃)であり、好適な反応時間は2〜30時間(より好ましくは4〜24時間)である。
また、この加水分解時に用いる有機溶媒は特に限定されず、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、トルエン、1,4−ジオキサン、ヘキサン、リグロイン等を用いることができる。このうち、反応系を均一に溶解し得るものが好ましい。
【0019】
本発明の組成物におけるシルセスキオキサン化合物(a)は、上記式(I)に示す化合物の加水分解・縮合によって生成されたものであれば、ハシゴ状、カゴ状及びランダム状のいずれの構造を有するシルセスキオキサン化合物からなるものであってもよい。また、この組成物は、一種類のシルセスキオキサン化合物のみを含有してもよいし、構造又は分子量の異なった二種以上のシルセスキオキサン化合物を含んでもよい。
【0020】
シルセスキオキサン化合物(a)は、その数平均分子量が600〜5,000であることが好ましく、1,000〜3,000であることが更に好ましい。数平均分子量が600未満であると、本発明の組成物から形成される皮膜において十分な硬度が得られない場合がある。一方、数平均分子量が5,000を超えると、シルセスキオキサン化合物(a)の粘度が高くなり過ぎて取り扱いが困難となるとともに、他の成分との相溶性が低下する場合がある。
特に、この組成物をコーティング剤組成物として用いる場合には、シルセスキオキサン化合物(a)における数平均分子量1,000〜3,000のシルセスキオキサン化合物の割合が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることが更に好ましい。
尚、本明細書中における数平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量である。
【0021】
(2)光カチオン重合性化合物(b)について
本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物における光カチオン重合性化合物(b)としては、シルセスキオキサン化合物(a)以外の化合物であれば特に限定されず、ビニルオキシ基、エポキシ基又はオキセタニル基等の光カチオン重合性基を有する化合物から選択された一種又は二種以上を用いることができる。
この化合物一分子の有する光カチオン重合性基の数は特に限定されないが、硬化性を向上させるためには二官能以上の光カチオン重合性化合物(b)を用いることが好ましい。
【0022】
光カチオン重合性化合物(b)の具体例としては、ビニルオキシ基をもつものとしてエチルビニルエーテル等を、エポキシ基をもつものとしてビスフェノールFジグリシジルエーテル等を、オキセタニル基をもつものとして1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン等を挙げることができる。
【0023】
このうち、前述のように耐熱性が良く、接着力に優れ、且つ耐薬品性の良好な硬化物を形成可能であるため、エポキシド又はオキセタン化合物を用いることが好ましい。また、エポキシドに比べて一般に光重合速度がより速く、しかもより高い重合度が得られやすいことから、光カチオン重合性化合物(b)としてはオキセタン化合物を用いることが特に好ましい。
尚、光カチオン重合性化合物(b)は、この「オキセタン化合物」として上記式(I)で示される化合物を含んでもよく、また上記式(I)に示す化合物の加水分解・縮合又は他の副反応によって生成された、シルセスキオキサン化合物以外のオキセタン化合物を含んでもよい。
【0024】
(3)カチオン性光重合開始剤(c)について
本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物におけるカチオン性光重合開始剤(c)としては、一般的に使用されているカチオン性光重合開始剤のいずれもが使用可能である。例えば、ジアリルヨードニウム塩及びトリアリールスルホニウム塩等が好ましく用いられる。
【0025】
(4)各成分の混合割合について
本発明の組成物においては、この組成物中に占めるシルセスキオキサン化合物(a)の割合が増すとともに硬化物の表面硬度が向上する傾向にある。また、このシルセスキオキサン化合物(a)は珪素化合物であることから、硬化物に難燃性を付与させる効果や、硬化物の耐熱性を向上させる効果等も期待できる。一方、シルセスキオキサン化合物(a)のみからなる組成物は、例えばコーティング剤として用いる場合、硬化膜の表面硬度には優れるものの弾性が低く、このため膜の機械的強度が不足する。これに対して本発明の組成物によると、シルセスキオキサン化合物(a)及び光カチオン重合性化合物(b)との混合割合を調節することにより、硬化物の物性バランスをとることができる。
【0026】
ここで、本発明におけるシルセスキオキサン化合物(a)は、同程度の分子量で比較した場合、例えば一次元ポリシロキサンであるシリコーンにオキセタニル基を導入した化合物に比べて、一般に他の光カチオン重合性化合物との相溶性に優れる。このため、シルセスキオキサン化合物(a)と光カチオン重合性化合物(b)との混合割合を広い範囲から選択することができるので、硬化物の物性を調節しやすいという利点がある。
尚、本発明の組成物において(a)成分と(b)成分とは必ずしも完全に相溶する必要はなく、この組成物の安定性や硬化物の物性等を考慮して実用化可能な程度の相溶性を有すればよい。
【0027】
上記(a)成分と上記(b)成分との好ましい混合割合は、各成分の組成及び本発明の組成物の用途によって異なるが、(a)成分/(b)成分が重量比で5/95〜95/5の範囲であることが好ましく、10/90〜90/10の範囲であることがより好ましい。(a)成分と(b)成分との合計重量に対していずれかの成分が5重量%未満であると、その成分の添加効果が十分に発揮されない場合がある。
【0028】
また、上記(c)成分の添加量は、(a)成分と(b)成分との合計重量に対して通常1〜10重量%の範囲とすることが好ましく、3〜5重量%とすることがより好ましい。
【0029】
本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物は、上記(a)〜(c)成分の他に、粘度調節剤、レベリング剤、安定剤、シランカップリング剤等の一般的な添加剤を含むことができる。また、この組成物は有機溶媒を含んでもよいが、その含有量は組成物全体に対して20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0031】
(1)シルセスキオキサン化合物(a)の合成
(合成例1)
下記式(III)に示すケイ素化合物を加水分解・縮合して、シルセスキオキサン化合物Aを得た。以下において、この式(III)に示すケイ素化合物を「Oxe−TRIES」という。
【0032】
【化5】
Figure 0003653976
【0033】
(1)攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール30ml、水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、「Me4NOH」とも表す)の10%水溶液0.91g(H2O;45.6mmol、Me4NOH;1.0mmol)、水2.42g(134.4mmol)を仕込んだ後、Oxe−TRIES19.23g(60.0mmol)、を徐々に加え、室温で24時間攪拌放置した。このとき、反応系のpHは11.5であった。
(2)反応終了後、系内にトルエン100mlを加え、分液ロートを用いて反応溶液を飽和食塩水により水洗した。
(3)分液ロートの水層が中性になるまで水洗を繰り返した後、有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧下でトルエンを留去させることで目的のシルセスキオキサン化合物Aを得た。このシルセスキオキサン化合物Aの数平均分子量は1,800であった。
【0034】
(合成例2)
下記式(IV)に示すケイ素化合物を加水分解・縮合して、シルセスキオキサン化合物Bを得た。以下において、この式(IV)に示すケイ素化合物を「Epx−TRIES」という。
【0035】
【化6】
Figure 0003653976
【0036】
(1)攪拌機及び温度計を備えた反応器に、イソプロピルアルコール30ml、Me4NOHの10%水溶液0.91g(H2O;45.6mmol、Me4NOH;1.0mmol)、水2.42g(134.4mmol)を仕込んだ後、Epx−TRIES16.70g(60.0mmol)を徐々に加え、室温で24時間攪拌放置した。このとき、反応系のpHは11.5であった。
(2)反応終了後、合成例1と同様の処理を行って、シルセスキオキサン化合物Bを得た。得られたシルセスキオキサン化合物Bの数平均分子量は1,500であった。
【0037】
(2)光カチオン硬化性樹脂組成物の調
下記表1に示す割合で、合成例1及び2で得られたシルセスキオキサン化合物A又はB、下記(V)に示す光カチオン重合性化合物(b)、及び、カチオン性光重合開始剤(c)としてのビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート((a)と(b)との合計重量に対して2.5重量%)を混合して、実施例1〜及び比較例1、2の光カチオン硬化性樹脂組成物を調した。このとき、実施例1〜の組成物はいずれも透明であり、各成分の相溶性が良好であることを示した。
【0038】
【表1】
Figure 0003653976
【0039】
【化7】
Figure 0003653976
【0040】
(3)光カチオン硬化性樹脂組成物の評価
実施例1〜及び比較例1、2の光カチオン硬化性樹脂組成物につき、下記の方法により硬化性、鉛筆硬度及び弾性を評価した。その結果を下記表2に示す。
【0041】
(1)硬化性
各組成物を、バーコーターを用いてガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、下記の条件により紫外線照射を行い、表面のタックがなくなるまでの照射回数を測定した。
[UV照射条件]
ランプ:80W/cm高圧水銀ランプ
ランプ高さ:10cm
コンベアスピード:10m/min
照射雰囲気:大気中
【0042】
(2)鉛筆硬度
各組成物を、バーコーターを用いて鋼板上及びガラス基板上に約20μmの厚さに塗布し、上記照射条件で5回の紫外線照射を行って硬化膜を得た。この硬化膜につき、JIS K 5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定した。
【0043】
(3)弾性
上記(2)で得た硬化膜につき、ナイフ先で硬化膜を基板から剥がそうとした際の剥がれやすさ及びその感触を官能評価した。評価結果は、〇;しなやかで剥がれにくい、△;若干しなやかさが少ない、×;パリパリと剥がれる、の3段階で表した。
【0044】
【表2】
Figure 0003653976
【0045】
表2から判るように、シルセスキオキサン化合物を含まない比較例1の組成物から形成された硬化膜に対し、本発明の組成物から形成された硬化膜は、実施例1から4へとシルセスキオキサン化合物の混合割合が増すにつれてその硬度がキズ、ハクリともに向上した。そして、実施例1〜の硬化膜はいずれも適度な弾性を有するものであった。
一方、光カチオン重合性化合物を含まない比較例2の組成物は、実施例4に比べて更に硬度の高い膜を形成したが、この硬化膜は弾性に欠けるため、いったん傷がつくとその部分から剥離しやすいものであった。
また、実施例1〜の組成物はいずれも良好な光硬化性を示したが、エポキシ基をもつシルセスキオキン化合物Bを用いた参考例1に比べて、オキセタニル基をもつシルセスキオキサン化合物Aを用いた実施例3は光硬化性が更に高いことが判る。
【0046】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明の光カチオン硬化性樹脂組成物は、シルセスキオキサン化合物(a)と光カチオン重合性化合物(b)とを含み、このシルセスキオキサン化合物(a)と他の成分との相溶性が比較的高いことから、これらの成分の混合割合によって硬化物の物性を任意に調節可能である。従って、例えば表面硬度と弾性とのバランスに優れた硬化物を形成することができるので、本発明の組成物はコーティング剤組成物等として有用である。また、シルセスキオキサン化合物(a)は光カチオン重合速度の大きいオキセタニル基を有するので、本発明の組成物は光硬化性が良好である。

Claims (1)

  1. 下記式(I)に示す構造式で表される化合物を加水分解・縮合して得られる光カチオン重合性シルセスキオキサン化合物(a)と、
    上記(a)以外の光カチオン重合性化合物(b)と、
    カチオン性光重合開始剤(c)と、
    を含んでおり、且つ下記式(I)におけるR が下記式(II)に示す構造式で表される有機官能基であることを特徴とする光カチオン硬化性樹脂組成物。
    Figure 0003653976
    Figure 0003653976
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