JP5526321B2 - 宇宙空間用硬化性組成物、宇宙空間用硬化物、及び、宇宙空間用複合膜 - Google Patents

宇宙空間用硬化性組成物、宇宙空間用硬化物、及び、宇宙空間用複合膜 Download PDF

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Description

本発明は、宇宙空間用硬化性組成物、その硬化物、及び、前記硬化物とフィルムとの宇宙空間用複合膜に関する。
低高度軌道(高度約100〜1,000km)は、地球観測衛星や、スペースシャトル、国際宇宙ステーション等の有人宇宙機等に広く利用される軌道である。スペースシャトルの登場によって宇宙往還が可能となると、この軌道環境に曝露される材料が著しいエロージョン(侵食)を受けることが明らかとなった。低地球軌道での大気の主成分は原子状酸素であり、この中を宇宙機が飛行すると、宇宙機の大気に曝露されている部分の表面は反応性の高い原子状酸素の衝突によって著しく劣化すると言われている(原子状酸素の他、酸素イオン、原子状窒素等、活性なガス種も同様に存在し、影響があるとの報告もある。)。
この問題に対して、例えば、特許文献1には、宇宙用構造材料の表面にシリコーン系樹脂膜からなる絶縁膜を塗布することにより、耐原子状酸素性を向上させる方法が開示されている。
また、宇宙機は低温(宇宙空間への放射)から高温(強い太陽光の入射)に至る過酷な温度サイクルを受けるため、その外部表面に熱制御材料(フィルムや塗料等)を使用している。これらの熱制御材料は、ポリイミド等の耐熱有機フィルム等が多く用いられるが、有機材料は紫外線によって着色する問題があり、着色したフィルムは太陽光吸収率(太陽光からの熱入力の受けやすさの指標であり、太陽光エネルギーの吸収のしやすさを表す。)が上昇するために、太陽光の照射によってより高温となり、さらに熱劣化や高温で促進された紫外線劣化が進みやすくなる傾向があった。
この問題はシリコーン膜でも同様であり、特許文献2には、ポリイミドフィルムの上にシリコーン系樹脂膜からなる絶縁膜を塗布することにより、耐原子状酸素性を向上させる方法が開示されているが、紫外線によって太陽光吸収率が増加することが報告されている(非特許文献1)。加えて、非特許文献1には、従来のシリコーン系樹脂には、アウトガスという新たな問題が発見されたことが開示されている。また、シリコーン膜は粘着性であり、意図しない接着や汚染物質の付着が生じ、取扱いに注意が必要なものである。特許文献2には、その対策として熱硬化性樹脂や無機フィラーの併用が好ましいことの記載があるが、併用によって硬化物の透明性を損ねる場合もあることが示唆されており、十分な対策とは言えなかった。
アウトガスとは、広義には材料から放出される低分子量成分のことであるが、非特許文献1には、シリコーン系樹脂膜が原子状酸素に曝露されたとき、揮発した成分が周辺に再付着することにより、例えば、太陽電池パネルの表面に吸着して太陽電池の出力を低下させたり、センサやカメラなどの光学機器の特性を低下させる、軌道上汚染と呼ばれる問題を引き起こすことが開示されている。また、アウトガスによる付着物が紫外線によって着色し、光線透過率を低下させることで、より上記機器の機能劣化が進むことが考えられる。
ポリイミドフィルムの耐原子状酸素性を向上させる方法としては、シリコーン系樹脂に替えてアルミニウムを必須成分とする無機膜も開示されている(特許文献3)。このような無機膜は、紫外線によって劣化しにくいという特徴を有しているが、その耐原子状酸素性は十分とは言えなかったうえ(特許文献3の実施例1において、所定の耐原子状酸素試験における複合膜の質量減少は1.264mgであり、質量変化率は−3.6%である。)、無機膜の形成には480℃という非常に高温を要することが開示されており、そのためその用途が高温処理に耐えられる基材に制限されるという問題があった。非特許文献1には、アルミニウムやシリコンの酸化物からなる硬質皮膜は、膜に損傷が入りやすく、損傷部分から侵食が発生する問題があって実用的ではないことが開示されている。
特開平5−270500号公報 特開2003−113264号公報 特開2004−225006号公報
日本航空宇宙学会主催、第51回宇宙科学技術連合講演会予稿集 1D17「ISSロシアサービスモジュール利用材料暴露実験搭載耐原子状酸素性ポリイミドフィルムおよび白色塗料の評価結果」 平成19年10月 石澤 淳一郎(宇宙航空研究開発機構)
前述したように、宇宙空間において使用する保護材料には、様々な性能を同時に求められるが、特許文献1〜3に記載されている保護材料では、十分な性能を備えていなかった。
本発明の目的は、下記(A)〜(E)のうち、(A)及び(C)を含む3つ以上に優れる宇宙空間用硬化性組成物、その硬化物、並びに、宇宙空間用複合膜を提供することである。
(A)原子状酸素耐久性
(B)紫外線による太陽光吸収率増加抑制性
(C)アウトガス抑制性
(D)表面非粘着性
(E)硬化膜追従性
上記の課題を解決するために、本発明では、シルセスキオキサン構成単位を含む特定のポリシロキサンを含む硬化性組成物が有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の上記課題は下記の<1>、<6>及び<7>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>と共に以下に記載する。
<1>式(1)で表されるポリシロキサンを含むことを特徴とする宇宙空間用硬化性組成物、
Figure 0005526321
(式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基若しくはオキセタニル基を有する一価の有機基を表し、前記アルキル基、アラルキル基、アリール基及び一価の有機基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で置換されていてもよく、式(1)で表されるポリシロキサン中のR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であり、wは正の数を表し、v、x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の数を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
<2>式(1)におけるxが正の数である、上記<1>に記載の宇宙空間用硬化性組成物、
<3>硬化触媒をさらに含む、上記<1>又は<2>に記載の宇宙空間用硬化性組成物、
<4>硬化触媒が光重合開始剤である、上記<3>に記載の宇宙空間用硬化性組成物、
<5>エポキシ化合物をさらに含む、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の宇宙空間用硬化性組成物、
<6>上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の宇宙空間用硬化性組成物を硬化した宇宙空間用硬化物、
<7>上記<6>に記載の宇宙空間用硬化物とフィルムとを含む宇宙空間用複合膜。
本発明によれば、下記(A)〜(E)のうち、(A)及び(C)を含む3つ以上に優れる宇宙空間用硬化性組成物、その硬化物、並びに、宇宙空間用複合膜を提供することができた。
(A)原子状酸素耐久性
(B)紫外線による太陽光吸収率増加抑制性
(C)アウトガス抑制性
(D)表面非粘着性
(E)硬化膜追従性
以下、本発明について詳細に説明する。
(宇宙空間用硬化性組成物)
本発明の宇宙空間用硬化性組成物(以下、単に「硬化性組成物」ともいう。)は、式(1)で表されるポリシロキサンを含むことを特徴とする。
また、本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、硬化触媒を含んでいてもよい。
Figure 0005526321
(式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基を表し、前記アルキル基、アラルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びオキセタニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で置換されていてもよく、式(1)で表されるポリシロキサン中のR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であり、wは正の数を表し、v、x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の数を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
本発明の宇宙空間用硬化物(以下、単に「硬化物」ともいう。)は、宇宙空間用硬化性組成物を硬化したものである。
また、本発明の宇宙空間用複合膜(以下、単に「複合膜」ともいう。)は、本発明の宇宙空間用硬化物とフィルムとを含む。
本発明の宇宙空間用硬化性組成物、本発明の宇宙空間用硬化物、及び、本発明の宇宙空間用複合膜は、下記(A)〜(E)のうち、(A)及び(C)を含む3つ以上に優れるものであり、下記(A)〜(E)のうち、(A)及び(C)を含む4つ以上に優れるものであることが好ましく、下記(A)〜(E)の全てに優れるものであることが特に好ましい。
(A)原子状酸素耐久性
(B)紫外線による太陽光吸収率増加抑制性
(C)アウトガス抑制性
(D)表面非粘着性
(E)硬化膜追従性
本発明の宇宙空間用硬化性組成物、宇宙空間用硬化物、及び、宇宙空間用複合膜における「宇宙空間」とは、低地球軌道(高度約100〜1,000km)、及び、地球から低地球軌道より遠い空間の全てを含むものであり、宇宙空間だけでなく、月のような衛星上や衛星内部、金星や火星のような惑星上や惑星内部も含む。
本発明の宇宙空間用硬化性組成物、宇宙空間用硬化物、及び、宇宙空間用複合膜は、原子状酸素(及び酸素イオンや原子状窒素等の活性ガス)に曝される宇宙機構成品に好適に適用できる。
具体的な用途としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
宇宙機における用途としては、熱制御系では、熱制御材に用いられる断熱フィルム、シート、織物、塗料や、太陽光反射材、熱伝導性接着剤、サーマルフィラーが例示でき、構造・構体系では、構体パネル(主に複合材料)、トラス、テザー(紐)、デブリバンパー(宇宙デブリから宇宙機を保護する板又はクッション材)が例示でき、電気・通信系では、太陽電池パドル(太陽電池セル保護カバーを含む。)、電線、絶縁用コーティング。ヒーター、アンテナ構成材料、これらの他では、アンテナ表面や曝露が必要なセンサ全般、カメラ・モニタ、照明及びそれらの保護カバー(電波透過レードームを含む。)、ロボットアームが例示できる。
また、宇宙服の外皮全般、宇宙往還機の断熱タイル及び窓材、月・惑星上宇宙基地又は探査機における建造物、探査車及び探査衛星(例えば、金星には原子状酸素が存在している。)、大型展開構造、宇宙インフレータブル(膨張)構造又はソーラセイル(太陽帆船;光子圧推進を使用した大型構造)のフィルム、シート、織物、発泡材及び形状記憶材料、宇宙エレベータのケーブル及びエレベータ筐体、運用末期宇宙機の軌道離脱(空気抵抗増加を利用したデオービット)用展開物のフィルム、シート及び発泡材が例示できる。
また、その他の用途例としては、上記用途に使用する場合における地球上での取扱い、打上げ又は宇宙運用時での損傷、劣化(吸湿、酸化等)及び汚染防止のための材料表面保護にも有効である。
<ポリシロキサン>
本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、式(1)で表されるポリシロキサンを含む。
Figure 0005526321
(式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基を表し、前記アルキル基、アラルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びオキセタニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で置換されていてもよく、式(1)で表されるポリシロキサン中のR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であり、wは正の数を表し、v、x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の数を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
式(1)におけるR1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基を表し、それぞれ同一であっても異なってもよい。
また、R1、R2及びR3の一価の有機基におけるアルキル基、アラルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びオキセタニル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で1つ以上置換されていてもよい。
また、式(1)で表されるポリシロキサン中のR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、又はオキセタニル基を有する一価の有機基であり、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であることが好ましく、少なくとも1つはアクリロイル基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であることがより好ましく、少なくとも1つはオキセタニル基を有する一価の有機基であることが更に好ましい。
1、R2及びR3における炭素数1〜6のアルキル基、及び、炭素数7〜10のアラルキル基は、直鎖状であっても、分岐状であっても、環構造を有していてもよい。
1、R2及びR3における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びオキセタニル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキシ基(=O)が好ましく挙げられる。
1、R2及びR3における炭素数1〜6のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
1、R2及びR3における炭素数7〜10のアラルキル基としては、フェニルアルキル基であることが好ましく、ベンジル基であることがより好ましい。
1、R2及びR3における炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基であることが好ましい。
1、R2及びR3における(メタ)アクリロイル基を含む一価の有機基としては、下記式(2)で表される基であることが好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を意味する。
Figure 0005526321
(式(2)中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
式(2)におけるR6としては、炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましく、プロピレン基であることがより好ましい。
1、R2及びR3におけるエポキシ基を含む一価の有機基としては、グリシジルオキシアルキル基であることが好ましい。
1、R2及びR3におけるオキセタニル基を含む一価の有機基としては、下記式(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005526321
(式(3)中、R7は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R8は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
式(3)におけるR7としては、水素原子、メチル基、又は、エチル基であることが好ましく、エチル基であることがより好ましい。
式(3)におけるR8としては、炭素数2〜6のアルキレン基であることが好ましく、プロピレン基であることがより好ましい。
式(1)におけるR1、R2及びR3としてはそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基を有する一価の有機基、エポキシ基を有する一価の有機基、オキセタニル基を有する一価の有機基、炭素数1〜6のハロアルキル基、及び、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基よりなる群から選ばれた基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜8のアラルキル基、炭素数6〜8のアリール基、(メタ)アクリロイル基を有する一価の有機基、オキセタニル基を有する一価の有機基、炭素数1〜6のハロアルキル基、及び、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基よりなる群から選ばれた基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、前記式(2)で表される基、及び、前記式(3)で表される基よりなる群から選ばれた基であることが更に好ましく、メチル基、前記式(2)で表される基、及び、前記式(3)で表される基よりなる群から選ばれた基であることが特に好ましい。
式(1)におけるwは正の数を表し、v、x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の数を表す。すなわち、式(1)で表されるポリシロキサンは、少なくともR1−SiO3/2単位を有する。
なお、本発明において、SiO4/2単位をQ単位、R1−SiO3/2単位をT単位、(R22SiO2/2単位をD単位、(R33SiO1/2単位をM単位ともいう。
w=1とした場合、vは、0〜5であることが好ましく、0〜4であることがより好ましく、0〜3であることが更に好ましい。
また、w=1とした場合、xは、0〜10であることが好ましく、0.1〜5であることがより好ましく、0.2〜3であることが更に好ましい。
また、w=1とした場合、yは、0〜5であることが好ましく、0〜3であることがより好ましく、0〜1であることが更に好ましい。
式(1)で表されるポリシロキサンは、紫外線による太陽光吸収率増加抑制性(以下、「耐紫外線性」ともいう。)の観点から、D単位を少なくとも含むことが好ましい。
また、式(1)で表されるポリシロキサンにおけるQ単位、T単位、D単位及びM単位の各単位を、それぞれ2種以上有していてもよい。
また、式(1)で表されるポリシロキサンは、炭素原子、水素原子、酸素原子及びケイ素原子よりなるポリシロキサンであることが好ましい。
式(1)で表されるポリシロキサンの数平均分子量(Mn)は、500〜20,000であることが好ましく、600〜15,000であることがより好ましく、700〜12,000であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物における式(1)で表されるポリシロキサンの含有量は、50〜100重量%であることが好ましく、70〜99.9重量%であることがより好ましく、80〜99重量%であることが更に好ましい。
式(1)で表されるポリシロキサンの製造方法は、特に制限はないが、特許第3653976号公報「光カチオン硬化性樹脂組成物」(東亞合成株式会社)、特許第4016495号公報「硬化性樹脂の製造方法」(東亞合成株式会社)、及び、国際公開第2004/076534号パンフレット「PROCESS FOR PRODUCING CATION-CURABLE SILICON COMPOUND」(東亞合成株式会社)に記載されている方法が好ましく例示できる。
具体的には、原料として、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基及び/又はハロゲン原子などの加水分解性基を1つ以上有するケイ素化合物、ジシロキサン化合物や加水分解性基を1つ以上有するシリコーン化合物を用い、これらの化合物を加水分解及び縮合して得る方法が好ましく例示できる。
また、式(1)で表されるポリシロキサンは、製造に使用したモノマー由来の未反応のアルコキシ基やシラノールを含んでいてもよい。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
また、式(1)で表されるポリシロキサンは、製造に使用したモノマー由来の側鎖官能基のうち、オキセタニル基に酸等が付加して開環した基を含んでもよく、また、(メタ)アクリルロイル基を有する一価の有機基が分解して生成したヒドロキシアルキル基を含んでもよい。その具体例としては、例えば、式(1)の一部に下記式(A)で表される構造及び/又は式(B)で表される構造が含まれるものであり、その含有量としては、原料由来の元のオキセタニル基を有する一価の有機基又は(メタ)アクリロイル基を有する一価の有機基のうちの50モル%以下であれば、本発明を実施するうえで差し支えなく、好ましくは30モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下である。
Figure 0005526321
Figure 0005526321
<硬化触媒>
本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、硬化触媒を含んでいてもよい。
硬化触媒としては、重合開始剤が好ましく、カチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤がより好ましく、光カチオン重合開始剤又は光ラジカル重合開始剤が更に好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、光重合開始剤を含有するものが好ましいが、硬化手段が熱である場合には、熱重合開始剤を含有するものが好ましい。より好ましい本発明の硬化性組成物は、光重合開始剤を含有する硬化性組成物である。
1.カチオン重合開始剤
カチオン重合開始剤は、紫外線等の光が照射されてカチオンを生成する化合物(光カチオン重合開始剤)又は加熱されてカチオンを生成する化合物(熱カチオン重合開始剤)であり、公知の化合物を用いることができる。以下、光カチオン重合開始剤を含有する組成物を、光カチオン硬化性組成物といい、熱カチオン重合開始剤を含有する組成物を、熱カチオン硬化性組成物という。
1−1.光カチオン重合開始剤
光カチオン重合開始剤としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、セレニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。これらのうち、ヨードニウム塩及びスルホニウム塩が好ましく、特に、芳香族ヨードニウム塩及び芳香族スルホニウム塩は、熱的に比較的安定であり、これらを含有する硬化性組成物が保存安定性のよいものとなりやすいため、好ましい光カチオン重合開始剤である。
光カチオン重合開始剤がヨードニウム塩又はスルホニウム塩である場合、対アニオンの例としては、BF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C654 -等が挙げられる。
前記芳香族ヨードニウム塩としては、(トリクミル)ヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
前記芳香族ヨードニウム塩としては、市販品を用いることができ、GE東芝シリコーン(株)製「UV−9380C」(商品名)、ローディア社製「RHODOSIL PHOTOINITIATOR2074」(商品名)、和光純薬工業(株)製「WPI−016」、「WPI−116」及び「WPI−113」(商品名)等が挙げられる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウム・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・ビステトラフルオロボレート、ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
前記芳香族スルホニウム塩としては、市販品を用いることができ、例えば、市販のトリアリールスルホニウム塩(芳香族スルホニウム塩)としては、ダウ・ケミカル日本(株)製の「サイラキュアUVI−6990」、「サイラキュアUVI−6992」及び「サイラキュアUVI−6974」(商品名)、(株)ADEKA製の「アデカオプトマーSP−150」、「アデカオプトマーSP−152」、「アデカオプトマーSP−170」及び「アデカオプトマーSP−172」(商品名)、和光純薬工業(株)製の「WPAG−593」、「WPAG−596」、「WPAG−640」及び「WPAG−641」(商品名)等が挙げられる。
前記芳香族ジアゾニウム塩としては、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボーレート等が挙げられる。
光カチオン硬化性組成物に含有される光カチオン重合開始剤の含有量は、前記式(1)で表されるポリシロキサンを含むカチオン重合性化合物の全体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜7重量部、更に好ましくは0.2〜5重量部である。光カチオン重合開始剤の含有量がこの範囲にあると、硬化性組成物の硬化性(短時間で硬化でき、エネルギーコストを抑制できる。)、得られる硬化物の硬度、原子状酸素耐久性、アウトガス抑制性、耐紫外線性等に優れる。
1−2.熱カチオン重合開始剤
熱カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、スルホニウム塩が好ましい。
熱カチオン重合開始剤における対アニオンの例としては、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、B(C654 -等が挙げられる。
前記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
前記スルホニウム塩としては、市販品を用いることができ、(株)ADEKA製「アデカオプトンCP−66」及び「アデカオプトンCP−77」(商品名)、三新化学工業(株)製「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」及び「サンエイドSI−100L」(商品名)等が挙げられる。
前記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
前記第四級アンモニウム塩としては、例えば、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
熱カチオン硬化性組成物に含有される熱カチオン重合開始剤の含有量は、前記式(1)で表されるポリシロキサンを含むカチオン重合性化合物の全体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜7重量部、更に好ましくは0.2〜5重量部である。熱カチオン重合開始剤の含有量がこの範囲にあると、硬化性組成物の硬化性、得られる硬化物の硬度、原子状酸素耐久性、アウトガス抑制性、耐紫外線性等に優れる。
<カチオン重合性化合物>
本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、硬化物の硬度や被着物との密着力を高めるために、式(1)で表されるポリシロキサン以外のカチオン重合性化合物を含有することが好ましい。
このカチオン重合性化合物は、前記式(1)で表されるポリシロキサン以外のカチオン重合性を有する化合物であり、例えば、エポキシ化合物(エポキシ基を有する化合物)、他のオキセタニル基を有する化合物(他のオキセタニル基含有化合物)、ビニルエーテル基を有する化合物(ビニルエーテル化合物)等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、前記式(1)で表されるポリシロキサンが少なくともオキセタニル基を有する場合、前記式(1)で表されるポリシロキサンにおけるオキセタニル基のカチオン重合を円滑に進める効果を奏するため、特に好ましい。
前記エポキシ化合物としては、単官能エポキシ化合物、多官能エポキシ化合物等が挙げられる。
多官能エポキシ化合物としては、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(例えば、ダイセル化学工業(株)製「セロキサイド2021P」(商品名))、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンの両末端がグリシジルエーテル化された化合物、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、m−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ポリブタジエンの内部エポキシ化物、ダイセル化学工業(株)製「エポフレンド」(商品名)等の、スチレン−ブタジエン共重合体における、二重結合が一部エポキシ化された化合物、KRATON社製「L−207」(商品名)等の、エチレン−ブチレン共重合体部及びイソプレン重合体部を備えるブロック共重合体における、イソプレン重合体部の一部がエポキシ化された化合物、ダイセル化学工業(株)製「EHPE3150」(商品名)等の、4−ビニルシクロヘキセンオキサイドの開環重合体において、ビニル基をエポキシ化した構造の化合物、Mayaterials社製「Q8シリーズ」における「Q−4」等の、グリシジル基を有するかご状シルセスキオキサン、Mayaterials社製「Q8シリーズ」における「Q−5」等の、エポキシ基を有する脂環タイプのかご状シルセスキオキサン、エポキシ基含有シルセスキオキサン化合物、エポキシ化植物油等が挙げられる。
本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、原子状酸素耐久性の観点から、多官能エポキシ化合物を含有することがより好ましい。
また、単官能エポキシ化合物としては、1,2−エポキシヘキサデカン等のα−オレフィンエポキサイド、フェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
他のオキセタニル基含有化合物としては、単官能オキセタン化合物、多官能オキセタン化合物等が挙げられる。
多官能オキセタン化合物としては、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(XDO)、ジ[2−(3−オキセタニル)ブチル]エーテル(DOX)、1,4−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(HQOX)、1,3−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(RSOX)、1,2−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ベンゼン(CTOX)、4,4’−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル(4,4’−BPOX)、2,2’−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ビフェニル(2,2’−BPOX)、3,3’,5,5’−テトラメチル〔4,4’−ビス(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ビフェニル(TM−BPOX)、2,7−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕ナフタレン(2,7−NpDOX)、1,6−ビス〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ〕−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン(OFH−DOX)、3(4),8(9)−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]−トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,2−ビス[2−[(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]エチルチオ]エタン、4,4’−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]チオジベンゼンチオエーテル、2,3−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ノルボルナン(NDMOX)、2−エチル−2−[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]−1,3−0−ビス[(1−エチル−3−オキセタニル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール(TMPTOX)、2,2−ジメチル−1,3−0−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール(NPGOX)、2−ブチル−2−エチル−1,3−0−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−プロパン−1,3−ジオール、1,4−0−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]−ブタン−1,4−ジオール、2,4,6−0−トリス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]シアヌル酸、ビスフェノールA及び3−エチル−3−クロロメチルオキセタン(以下、「OXC」と略す。)のエーテル化物(BisAOX)、ビスフェノールF及びOXCのエーテル化物(BisFOX)、フェノールノボラック及びOXCのエーテル化物(PNOX)、クレゾールノボラック及びOXCのエーテル化物(CNOX)、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンのシリコンアルコキサイド(OX−SC)等が挙げられる。
また、単官能オキセタン化合物としては、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(EHOX)、3−エチル−3−(ドデシロキシメチル)オキセタン(OXR−12)、3−エチル−3−(オクタデシロキシメチル)オキセタン(OXR−18)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(POX)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXA)等が挙げられる。
これらの中でも、ジシクロペンタジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、及び、エポキシ基含有シルセスキオキサン化合物が好ましく、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、及び、下記エポキシ基含有シルセスキオキサン化合物がより好ましい。また、耐紫外線性の観点では、エポキシ基含有シルセスキオキサン化合物やエポキシ基含有シリコーン化合物などのエポキシ基を有する有機−無機ハイブリッド化合物が特に好ましい。
Figure 0005526321
前記ビニルエーテル化合物としては、単官能ビニルエーテル化合物、多官能ビニルエーテル化合物等が挙げられる。
多官能ビニルエーテル化合物としては、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ノボラック型ジビニルエーテル等が挙げられる。
また、単官能ビニルエーテル化合物としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
本発明のカチオン硬化性組成物が、前記カチオン重合性化合物を含有する場合、このカチオン重合性化合物の含有量は特に限定されるものではないが、前記式(1)で表されるポリシロキサン100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは1〜25重量部である。カチオン重合性化合物の含有量がこの範囲にあると、硬化性組成物の硬化性、得られる硬化物の硬度、原子状酸素耐久性、アウトガス抑制性等に優れる。
また、本発明の硬化性組成物において、前記式(1)で表されるポリシロキサン以外のカチオン重合性化合物は、耐紫外線性の観点では、含有しないか、又は、25重量%以下の含有量であることが好ましく、含有しないか、又は、10重量%以下であることがより好ましく、含有しないか、又は、5重量%以下の含有量であることが更に好ましい。
3.増感剤
本発明のカチオン硬化性組成物が、光カチオン硬化性組成物である場合、光増感剤を含有してもよい。
光増感剤としては、光ラジカル重合開始剤が好適に使用できる。
本発明において用いることができる典型的な光増感剤は、クリベロがアドバンスド イン ポリマーサイエンス(Adv.in Polymer.Sci.,62,1(1984))で開示している化合物である。具体的には、ピレン類、ペリレン類、アクリジンオレンジ類、チオキサントン類、2−クロロチオキサントン類、ペンゾフラビン類等が挙げられる。これらのうち、チオキサントン類が、オニウム塩等の光カチオン重合開始剤の活性を高める効果を奏するため、特に好適である。
本発明の光カチオン硬化性組成物が、光増感剤を含有する場合、この光増感剤の含有量は、前記式(1)で表されるポリシロキサンを含むカチオン重合性化合物の全体100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは1〜5重量部である。光増感剤の含有量がこの範囲にあると、硬化性組成物の硬化性、得られる硬化物の硬度、原子状酸素耐久性、アウトガス抑制性等に優れる。
本発明の硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合、硬化速度を高める目的等で、光ラジカル重合開始剤を添加することもできる。
光ラジカル重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸2−〔2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ〕エチルエステル及びオキシフェニル酢酸2−〔2−ヒドロキシエトキシ〕エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−(4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル)−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;1−(4−フェニルチオフェニル)−2−(O−ベンゾイルオキシム)−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化性組成物が、光ラジカル重合開始剤を含有する場合、光重合開始剤の含有量は、式(1)で表されるポリシロキサン100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、1〜5重量部であることが更に好ましい。
本発明の硬化性組成物が、光硬化性組成物である場合には、硬化速度を高めたり、基材との密着性を高めたりする目的等で、光増感剤を添加してもよい。
好適な光増感剤としては、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、アセトフェノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物が、熱硬化性組成物である場合に含有される熱重合開始剤としては、ジクミルペルオキシド、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系化合物等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物が、熱重合開始剤を含有する場合、熱重合開始剤の含有量は、式(1)で表されるポリシロキサン100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましく、1〜5重量部であることが更に好ましい。
重合開始剤としては、市販されている重合開始剤を用いることができる。例えば、光ラジカル発生剤としては、DAROCUR1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社)が挙げられ、熱ラジカル発生剤としては、V−501(和光純薬工業(株))が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、前記式(1)で表されるポリシロキサンを含有し、更に、硬化性組成物から形成される硬化物の硬度等の物性を調整すること、又は、硬化性組成物の粘度及び硬化性等を調整することを目的として、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物(以下、(メタ)アクリレート化合物という。)等を配合することができる。
前記(メタ)アクリレート化合物の具体例は、エチレンオキサイド変性フェノールの(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノールの(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノールの(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノールの(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアリルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを付加反応させた化合物や、有機ポリイソシアネートとポリオールとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを付加反応させた化合物が挙げられる。
これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、及び、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。
これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及び、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のアルキレンオキサイド3モル付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(メタ)アクリレート化合物と併用される場合には、その配合割合は、特に制限されるものではないが、前記式(1)で表されるポリシロキサン100重量部に対する(メタ)アクリレート化合物の配合割合が、好ましくは0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは1〜25重量部である。
本発明の硬化性組成物には、無溶剤で使用する場合に粘度を低下させる目的や、被着体との密着性を高める目的等で、1分子中に1個のエチレン性不飽和基を有する化合物を加えてもよい。
前記エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基、又は、ビニル基が好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸のマイケル付加型のダイマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、パラクミルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)シトラコンイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化性組成物には、安価な成分で硬化収縮率を低減させる目的等で、有機ポリマーを配合することもできる。
好適なポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物において、前記(メタ)アクリレート化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び、有機ポリマーは、耐紫外線性の観点では、10重量%以下の含有量であることが好ましく、5重量%以下の含有量であることがより好ましく、含有しないか、又は、1重量%以下の含有量であることが特に好ましい。
本発明の重合性組成物には、保存安定性や熱安定性を高める目的で、ラジカル重合禁止剤や、酸化防止剤を添加してもよい。
使用する重合禁止剤や酸化防止剤は、特に限定されず、公知のラジカル捕捉剤を使用することができる。
ラジカル重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール系化合物が挙げられる。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールや2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、3−ヒドロキシチオフェノール等が挙げられる。α−ニトロソ−β−ナフトール、p−ベンゾキノン、銅塩等が挙げられる。また、和光純薬工業(株)のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩や、住友化学(株)の2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等も使用できる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−O−クレゾール等のイオウ系二次酸化防止剤や、リン系二次酸化防止剤等を併用して添加してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、塗布時のレベリング性を高める目的等のため、レベリング剤を添加してもよい。レベリング剤としては、シリコーン系ポリマー、フッ素原子含有ポリマー等、種々の物質を使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、この他にも、必要に応じて、シリカやアルミナ等の各種フィラー、金属微粒子、顔料等を配合してもよい。
<有機溶剤>
本発明の宇宙空間用硬化性組成物は、ハードコート等のように薄膜でコーティングされる場合や、使用する式(1)で表される化合物の縮合度が高く、高粘度である又は固体である場合には、有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤の種類は、特に限定するものではないが、式(1)で表される化合物及びその他の成分を溶解する有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;ジブチルエーテル等のエーテル;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
本発明の硬化性組成物は、原料成分を混合することにより得ることができる。混合の際には、従来、公知の混合機等を用いればよい。具体的には、反応用フラスコ、チェンジ缶式ミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパー、ヘンシェルミキサー、ニーダー、インクロール、押出機、3本ロールミル、サンドミル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射する方法、加熱する方法、活性エネルギー線照射及び加熱を併用する方法等の方法によって硬化させることができる。
活性エネルギー線の具体例としては、電子線、X線、紫外線、可視光等が挙げられるが、紫外線が特に好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物を硬化したものである。
また、本発明の硬化物は、硬化膜として好適に使用することができ、基材上の保護膜としてより好適に使用することができる。
本発明の複合膜は、本発明の硬化物とフィルムとを含む。
また、本発明の硬化物を有する複合膜及び硬化物を有する物品の製造方法は、本発明の硬化性組成物を基材の表面に塗布し、得られた被膜を硬化させる工程を備えることを特徴とする。
硬化性組成物が有機溶剤を含有する場合は、通常、塗膜形成後、有機溶剤を揮発させてから硬化させる。
本発明の複合膜に用いることができるフィルムとしては、特に制限はなく、必要に応じ、公知の材質を選択することができるが、中でも、ポリイミドフィルムを好適に使用することができる。
本発明において使用されるポリイミドフィルムとしては、特に制限はなく、例えばピロメリット酸二無水物をモノマーとして少なくとも重縮合したもの(東レ・デュポン社:カプトンH、カプトンE、カプトンEN、カプトンVなど、(株)カネカ:各種アピカル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物をモノマーとして少なくとも重縮合したもの(宇部興産(株)製:ユーピレックス−R、ユーピレックス−S)などが挙げられる。
前記ポリイミドフィルムは、厚みが7.5〜125μmであるものが好適である。
また、前記ポリイミドフィルムは、接着性改良のためにプラズマ放電処理やコロナ放電処理などの放電処理、アルカリ処理などの表面処理が施されていてもよいが、本発明においては必須ではない。
被膜の形成方法もまた、特に限定されず、基材の構成材料、形状等に応じて、適宜、選択される。基材がフィルム、シート等の平板状である場合には、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター等を用いて、被膜を形成することができる。また、ディップコート法、スキャット法、スプレー法等を用いることもできる。
本発明において、硬化性組成物が、光硬化性であるか、熱硬化性であるかにより、その硬化方法及び硬化条件が選択される。また、硬化条件(光硬化の場合、光源の種類、光照射量等であり、熱硬化の場合、加熱温度、加熱時間等である。)は、硬化性組成物に含有される重合開始剤の種類、量、他の重合性化合物の種類等によって、適宜、選択される。
本発明の硬化性組成物が、光硬化性組成物である場合、その硬化方法としては、従来公知の光照射装置等によって光照射を行えばよい。この光照射装置としては、例えば、波長400nm以下に発光分布を有する、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線(UV)無電極ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
前記被膜への光照射強度は、目的、用途等に応じて選択すればよく、光重合開始剤の活性化に有効な光波長領域(光重合開始剤の種類によって異なるが、好ましくは300〜420nmの波長の光が用いられる。)における光照射強度は、好ましくは0.1〜100mW/cm2である。
また、照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、前記被膜への光照射時間も、目的、用途等に応じて選択すればよく、前記光波長領域における光照射強度及び光照射時間の積として表される積算光量が、10〜7,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。より好ましくは200〜5,000mJ/cm2であり、更に好ましくは500〜3,000mJ/cm2である。積算光量が上記範囲にあれば、組成物の硬化が円滑に進行し、均一な硬化物を容易に得ることができる。
なお、光照射後0.1〜数分後には、ほとんどの被膜成分は、重合により指触乾燥するが、重合反応を促進するために、加熱を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物が、熱硬化性組成物である場合、その硬化方法及び硬化条件は、特に限定されない。
硬化温度は、好ましくは80℃〜200℃であり、より好ましくは100℃〜180℃である。また、硬化温度は、温度を一定としてもよいし、昇温させてもよい。更には、昇温と降温とを組み合わせてもよい。
硬化時間は、熱重合開始剤の種類、他の成分の含有割合等により適宜、選択されるが、好ましくは10〜360分であり、より好ましくは30〜300分であり、更に好ましくは60〜240分である。上記好ましい条件で被膜を硬化させることにより、膨れ、クラック等のない均一な硬化膜を形成することができ、この硬化膜を有する複合膜及び物品を得ることができる。
本発明の硬化膜を有する複合膜及び物品において、硬化膜の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜10μmである。
以下、本発明を、実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[評価方法]
<原子状酸素耐久性試験>
原子状酸素(AO)照射装置(PSI社製原子状酸素照射装置FAST−II:レーザデトネーション方式の原子状酸素照射装置)を使用し、ポリイミドフィルムを基材として表面に硬化性組成物を1〜3μm厚に塗布後、硬化させたテストピースに原子状酸素照射を行った。
レーザー装置:LT−612(Luminocs社製)
レーザー波長:CO2レーザー(10.6μm)
照射条件:
平均酸素量:52.7sccm/6Hz
AO速度:8.15km/s
照射時間:35.5時間
照射量:3×1020atoms/cm2
照射面積:3.14cm2
照射温度:室温
原子状酸素の照射前と照射後の硬化物の質量変化量(3回についての測定結果の平均値)は、基材も含めたテストピースの質量を、
真空度:7×10-3Pa以下
材料加熱温度:125±1℃
で6時間以上おいた後で、マイクログラム(μg)単位まで測定できるミクロ天秤(メトラーMT−5)で測定した結果から下式に従って算出した。
変化量(mg)=照射後テストピース質量−照射前テストピース質量
原子状酸素耐久性試験の評価基準は、上記で算出された変化量(mg)の数値を、下記に示す基準で評価した。
A:−0.019以上、B:−0.020〜−0.029、C:−0.030〜−0.039、D:−0.040〜−0.049、E:−0.050〜−0.059、F:−0.06〜−0.069、G:−0.070〜−0.079、H:−0.080〜−0.089、I:−0.090〜−0.099、J:−0.100〜−0.109、K:−0.110〜−0.119、L:−0.120〜−0.129、M:−0.130以下
Aが最も原子状酸素の曝露への耐性に優れ、Mが原子状酸素の曝露への耐性に劣る。
<耐紫外線試験(紫外線による太陽光吸収率増加抑制性)>
紫外線照射装置として、小型スペースチャンバ装置(山下電装(株)製紫外線照射装置UVS−10)を使用し、ポリイミドフィルム上に硬化性組成物を1〜3μm厚に塗布し硬化させたテストピースに、下記の条件で紫外線(UV)照射を行った。
真空度:1.1×10-4〜2.0×10-5Pa
試料温度:12.8〜81.5℃
光源:5kW Xeショートアークランプ
焦点距離:400〜450nm
均一性:誤差±3%
紫外線域光量:10solar(400nm以下)
照射率:10ESD/日(なお、ESDは、宇宙環境における太陽光照射日数相当の光量を示す。)
照射量:50ESD
〔太陽光吸収率評価〕
硬化物の太陽光吸収率(αs)の測定は、太陽光吸収率測定装置((株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計 U−4100にスペクトラロン塗布積分球を設置したもの)を使用し、下記の条件でUV照射前と照射後の太陽光吸収率(αs)を測定した。
走査波長:240〜2,800nm
測定方式:ダブルビーム直接比率測光方式
走査幅:1nm
波長精度:紫外・可視域 ±0.2nm、近赤外域 ±1.0nm
検出器:光電子増倍管/硫化鉛素子
耐紫外線試験評価(太陽光吸収率評価)は、UV照射前と照射後との太陽光吸収率(αs)の差の数値を下式に従って算出し、下記に示す基準で評価した。
太陽光吸収率変化=照射後テストピースの太陽光吸収率−照射前テストピースの太陽光吸収率
A:0.009以下
B:0.010〜0.014
C:0.015〜0.019
D:0.020〜0.024
E:0.025〜0.029
F:0.030以上
Aが最も紫外線による太陽光吸収率増加抑制性(耐紫外線性)に優れ、Fが最も紫外線による太陽光吸収率増加抑制性(耐紫外線性)に劣る。
<アウトガス試験(アウトガス抑制性)>
ポリイミドフィルムを基材として表面に硬化性組成物を1〜3μm厚に塗布し、硬化させたテストピースを作製し、ASTM(米国材料試験協会)E595試験方法に従って測定した。
〔測定条件〕
真空度:7×10-3Pa以下
材料加熱温度:125±1℃
放出ガス冷却温度:25±1℃
保持時間:24時間
測定項目:TML、CVCM
・TML(Total Mass Loss):質量損失比の定義
{(試験前試料重量−試験後試料重量)/試験前試料重量}×100(%)
TMLについてのアウトガス試験評価は、TMLの値を下記に示す基準で評価した。
A:0.399以下
B:0.400〜0.449
C:0.450〜0.499
D:0.500〜0.549
E:0.550〜0.599
F:0.600以上
Aが最も質量損失が少なく、性能が優れており、Fが最も質量損失が多く、性能が劣っている。
・CVCM(Collected Volatile Condensable Materials):再凝縮物質量比の定義
{(試験後コレクタプレート重量−試験前コレクタプレート重量)/試験前試料重量}×100(%)
CVCMについてのアウトガス試験評価は、CVCMの値を下記に示す基準で評価した。
A:0.000〜0.003
B:0.004〜0.007
C:0.008〜0.011
D:0.012〜0.015
E:0.016〜0.019
F:0.020以上
Aが最も再凝縮が少なく、性能が優れており、Fが最も再凝縮が多く、性能が劣っている。
<表面粘着性評価(表面非粘着性)>
ポリイミドフィルムを基材として表面に硬化性組成物を1〜3μm厚に塗布し、硬化させた後、硬化物の表面を指で触って、タックの有無を確認した。下記の評価基準で評価した。
○:表面粘着性なし。
×:表面粘着性あり。
○は表面粘着性がなく、物性として優れており、×は表面粘着性があり、物性に劣る。
<硬化膜の基材への追従性評価(硬化膜追従性)>
ポリイミドフィルムを基材として表面に硬化性組成物を1〜3μm厚に塗布し、硬化させた。4cm長のフィルム両端を互いに接触するように湾曲させて、硬化膜のクラックや剥がれの有無を目視及び電子顕微鏡で確認した。下記の評価基準で評価した。
○:目視及び電子顕微鏡で観察した場合に、硬化膜のクラック及び剥がれがない。
×:目視及び/又は電子顕微鏡で観察した場合に、硬化膜のクラック及び/又は剥がれがある。
○は硬化膜追従性に優れており、×は硬化膜追従性に劣る。
<ポリシロキサンの組成の求め方>
1)Q単位を含まないもの:
ポリシロキサンの1H NMRより算出した。原料が化学量論的に反応していることを確認した。
2)Q単位を含むもの:
1H NMR分析は、測定するポリシロキサン約1g及び内部標準物質であるヘキサメチルジシロキサン(以下、「HMDSO」という)約100mgを、それぞれ精秤して混合し、HMDSOのプロトンを基準として行った。この1H NMR分析により、T単位及びD単位の含有量及びアルコキシ基の含有量を求め、これらを基にしてQ単位の含有量を計算した。
29Si NMR分析を用いて、式(1)のv、w、x、yの比率を直接測定することもできる。この場合、通常の石英プローブではQ単位のSiの定量性が悪くなるので、SiフリーのNMRプローブを用い、ポリテトラフルオロエチレン管にポリシロキサン溶液を入れて測定を行うことが好ましい。
硬化物の組成は、固体プローブによる13C NMR及び29Si NMRにより測定することができる。固体NMR法は定量性があまり高くないが、蛍光X線分析により全体の元素組成比を求めたり、燃焼式CHN元素分析装置により、含まれるCとHとの比率を求めることにより、組成の測定値を整合させ、より確かな組成を決定することができる。R1、R2、R3等の側鎖が特定の赤外吸収スペクトルを示す場合には、標準物質を参照して組成物や硬化物に含まれる特定の側鎖の吸収スペクトルを測定して含有量を算出することもできる。
(ポリシロキサン1〜13の作製)
対応するシリコンモノマー及びシリコーンを、特許第3653976号公報、特許第4016495号公報、又は、国際公開第2004/076534号パンフレットと同様な方法により、加水分解共重縮合を行い、表1に示す組成のポリシロキサン1〜13をそれぞれ得た。
なお、表1に記載の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレン分子量標準との保持時間の比較に基づいて算出した。
Figure 0005526321
なお、表1に記載のポリシロキサンの構造における略記は、以下の通りである。
Figure 0005526321
(実施例1〜22)
表2に示す配合比(重量比)で、ポリシロキサン、硬化促進剤、重合開始剤、溶剤をそれぞれ配合し、硬化性組成物を得た。これを、バーコーターを使用して、厚み50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックス−R)に1〜3μmの膜厚で塗布し、紫外線で光硬化させたものを評価サンプルとした。
なお、上記光硬化は、硬化性組成物をバーコーターでフィルムに塗布した後、50℃で5分間乾燥し、ランプ(80W/cm、ランプ高さ:10cm、高圧水銀ランプ)を使用し、コンベアスピードが10m/min、積算光量が3,000mJ/cm2の条件で行った。
得られた評価サンプルを使用して、前述の原子状酸素耐久性試験、耐紫外線試験、アウトガス試験、表面粘着性試験、及び、硬化物の基材への追従性試験を行った。評価結果を表3に示す。
紫外線照射前のテストピースの太陽光吸収率は、いずれも0.229乃至0.246であり、原子状酸素照射前のテストピースの質量は、いずれも34.345mg乃至35.249mgであった。
Figure 0005526321
なお、表2中の略記は、以下に示す通りである。
DC1173:DAROCUR1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
Figure 0005526321
Figure 0005526321
(比較例1)
特開2003−113264号公報に記載の参考例1及び実施例1と同様な方法によって、比較例1の複合膜を作製した。
反応容器に、溶媒としてトリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)を所定量加え、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)100モルに対して、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製、X−22−161AS、n:9)70モル、3,5−ジアミノ安息香酸15モル及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン15モルを加え、窒素気流中、50℃で2時間撹拌して、ポリアミック酸を生成させ、次いで、その反応液を約200℃に昇温して、その温度で3時間撹拌して、ポリイミドシロキサンを生成させた。得られたポリイミドシロキサン溶液は、固形分濃度が42重量%で、ポリイミドシロキサンの対数粘度ηinhが0.2(数平均分子量:20,000)であった。
容器に、前記のポリイミドシロキサン溶液1,200重量部(固形分500重量部)、相溶性のエポキシ樹脂としてオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート180S65)100重量部、硬化剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製、キュアゾール2E4MZ)10重量部、及び、トリグライムを加えて均一溶液を得た。この塗布液は、無機系添加剤を使用しておらず、固形分濃度が23重量%で、粘度が100cpsであった。この塗布液を、マイクログラビアコーターを使用して、厚み50μmの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物系で未処理ポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックス−R)の片面に塗布し、乾燥装置において160℃で4分間加熱乾燥して、厚み3μmの透明な硬化膜を形成した。
得られた評価サンプルを使用して、前述の耐原子状酸素試験、耐紫外線試験、アウトガス試験、表面粘着性試験、及び、硬化物の基材への追従性試験を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0005526321
従来品である比較例1では、原子状酸素耐久性、紫外線による太陽光吸収率増加抑制性、及び、アウトガス抑制性について、劣る結果が得られた。
一方、実施例1〜22では、原子状酸素耐久性、紫外線による太陽光吸収率増加抑制性、アウトガス抑制性、表面非粘着性、及び、硬化膜追従性について、原子状酸素耐久性及びアウトガス抑制性を含む少なくとも3つの項目で優れた結果が得られた。
(実施例23〜25)
表4に示す配合比(重量比)で、ポリシロキサン、硬化促進剤、重合開始剤、溶剤をそれぞれ配合し、硬化性組成物を得た。これを、バーコーターを使用して、厚み50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックス−R)に1〜3μmの膜厚で塗布し、熱硬化させたものを評価サンプルとした。
なお、上記熱硬化は、硬化性組成物をバーコーターでフィルムに塗布した後、50℃で5分間乾燥し、実施例23では130℃で3時間、実施例24では130℃で3時間、実施例25では130℃で5時間加熱した。
得られた評価サンプルを使用して、前述の原子状酸素耐久性試験、耐紫外線試験、アウトガス試験、表面粘着性試験、及び、硬化物の基材への追従性試験を行った。評価結果を表5に示す。
Figure 0005526321
なお、表4中の略記は、以下に示す通りである。
V−501:4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)(和光純薬工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
IBA:2−メチルプロピルアルコール(イソブチルアルコール)
Figure 0005526321
Figure 0005526321

Claims (6)

  1. 式(1)で表されるポリシロキサン、及び、
    カチオン重合開始剤又はラジカル重合開始剤を含むことを特徴とする
    宇宙機構成品製造用硬化性組成物。
    Figure 0005526321
    (式(1)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基を表し、前記アルキル基、アラルキル基、アリール基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びオキセタニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で置換されていてもよく、式(1)で表されるポリシロキサン中のR1、R2及びR3のうち、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基、エポキシ基又はオキセタニル基を有する一価の有機基であり、wは正の数を表し、v、x及びyはそれぞれ独立に、0又は正の数を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ同一であっても異なってもよい。)
  2. 式(1)におけるxが正の数である、請求項1に記載の宇宙機構成品製造用硬化性組成物。
  3. 前記カチオン重合開始剤が、光カチオン重合開始剤であり、前記ラジカル重合開始剤が、光ラジカル重合開始剤である、請求項1又は2に記載の宇宙機構成品製造用硬化性組成物。
  4. エポキシ化合物をさらに含む、請求項1〜のいずれか1つに記載の宇宙機構成品製造用硬化性組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の宇宙機構成品製造用硬化性組成物を硬化した宇宙機構成品用硬化物。
  6. 請求項に記載の宇宙機構成品用硬化物とフィルムとを含む宇宙機構成品用複合膜。
JP2009192982A 2009-08-24 2009-08-24 宇宙空間用硬化性組成物、宇宙空間用硬化物、及び、宇宙空間用複合膜 Active JP5526321B2 (ja)

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