JP3652427B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池などで発電された直流電力を、商用交流の電力系統と連系して、該電力系統に回生するために好適に実施されるインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
サンシャイン計画等の省エネルギ促進事業に伴って、太陽光発電等で各家庭などで発電された電力を電力系統に回生することが行われるようになってきている。このとき、発電された直流の電力を電力系統に同期・連系して、該電力系統に回生するためのインバータ装置が必要となる。
【0003】
図6は、典型的な従来技術のインバータ装置1の電気回路図である。このインバータ装置1は、PWMインバータ2と、絶縁トランス3と、同期整流回路4と、連系リアクトル5と、図示しない前記PWMインバータ2および同期整流回路4の制御回路とを備えて構成されている。このインバータ装置1は、太陽電池6で発電された直流の電力を、商用交流の電力系統7に回生するために用いられる。
【0004】
前記PWMインバータ2は、2つのトランジスタst1,st2から成る直列回路と、同様にトランジスタst3,st4から成る直列回路とが、相互に並列に前記太陽電池6の端子間に接続され、トランジスタst1,st2の接続点およびトランジスタst3,st4の接続点がそれぞれ前記絶縁トランス3の一次巻線3aの両端子に接続されるブリッジ回路によって構成されている。このPWMインバータ2は、太陽電池6の出力電圧をEbとするとき、前記絶縁トランス3へパルス振幅±Eb、たとえば200V、パルス周波数fp、たとえば5〜20kHzの高周波パルスを、図7(a)において参照符α1で示されるような電力系統7の系統周波数fs、たとえば50または60Hzの変調信号によってパルス幅変調を行い、図7(a)において参照符α2で示すような1パルス毎に正負反転した高周波電圧Vpを前記絶縁トランス3の一次巻線3aへ出力する。
【0005】
前記絶縁トランス3の二次巻線3bからの出力電圧は、同期整流回路4に入力される。この同期整流回路4は、前記PWMインバータ2と同様に、4つのトランジスタsr1,sr2;sr3,sr4のブリッジ回路によって構成されている。したがって、この同期整流回路4からは、図7(b)において参照符β1で示すように、前記図7(a)において参照符α2で示すPWMインバータ2の出力電圧が、前記変調信号に同期して整流されて出力されてゆく。
【0006】
前記同期整流回路4からの出力電圧は、連系リアクトル5によって平滑化され、前記電力系統7へは、図7(b)において参照符β2で示すような、系統周波数fsの電流Isが供給されることになる。
【0007】
なお、図7では、PWMインバータ2および同期整流回路4での変復調動作を理解し易くするために、前記パルス周波数fpと系統周波数fsとの比を実際よりも小さく、すなわちパルスの密度を粗くして表している。
【0008】
図8は、上述のように構成されたインバータ装置1の系統周波数fsに対する等価回路である。前記PWMインバータ2、絶縁トランス3および同期整流回路4は、系統連系インバータと称される。その系統連系インバータによって構成される高周波電圧源8からの出力電圧は、連系リアクトル5で平滑化されて電力系統7に入力される。前記PWMインバータ2でのパルス周波数fpは、前述のように系統周波数fsよりも充分高く、たとえば200倍以上となり、したがって連系リアクトル5からの出力電流↑Is(↑は、以下ベクトルであることを表す)のリップル成分は小さく、正弦波電流であると見なして考えると、前記電流Is基本波成分は、前記高周波電圧源8の出力電圧を↑Vrとし、電力系統7の系統電圧を↑Vsとするとき、
↑Is=(↑Vr−↑Vs)/jωL …(1)
で表すことができる。ただし、ω=2πfsであり、Lは連系リアクトル5のインダクタンスである。
【0009】
したがって、連系リアクトル5での電圧降下ωLIsが、電圧Vs,Vrよりも充分小さいとき、図9から明らかなように、前記電力系統7に流込む電流Isの大きさの調節は、高周波電圧源8の出力電圧Vrを電力系統7の系統電圧Vsとほぼ同じにし、これらの電圧↑Vr,↑Vsの位相差θを変化することによって実現可能であることが理解される。
【0010】
このように従来技術では、電流↑Isを電圧↑Vrまたは↑Vsとほぼ同相として、電力系統7に回生される電力を電流Isの大きさに比例させ、かつ該回生される電力の大きさが前記位相差θ、すなわち図7(c)において参照符γ1で示す系統電圧↑Vsに対する参照符γ2で示す電圧↑Vrの進み量で制御されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術のインバータ装置1では、以下のような問題が存在する。
【0012】
▲1▼電力系統7側へ回生される電力の制御は、電圧Vrの位相制御によって行われるので、このような位相の制御は振幅の制御よりも困難であり、制御が煩雑になる。
【0013】
▲2▼電力系統7に接続される負荷のインピーダンス変動などによって電力系統7の系統電圧Vsが変動すると、該電力系統7側に回生される電力および無効電力(jωLIs2 )が変化してしまう。
【0014】
▲3▼系統電圧Vsに歪が含まれていると、電流Isの歪が非常に大きくなってしまい、所望とする定電流を安定して供給することができない。
【0015】
▲4▼電力系統7側への電力の安定供給のためには、連系リアクトル5に大きなインダクタンスを必要とする。すなわち、たとえば系統電圧Vsが200V、供給電力Pが3kW、連系リアクトル5での端子間電圧VLを40Vとすると、
Is=P/Vs=3000/200=15A
であり、連系リアクトル5のインダクタンスLには、
L=VL/2πfsIs=40/2π×50×15=8.5mH
が必要となる。このとき、連系リアクトル5に蓄積されるピークエネルギは、約2ジュールとなる。
【0016】
一方、この連系リアクトル5のインダクタンスLを小さくすると、前記式(1)から、系統電圧Vsに対する該インバータ装置1での発生電圧Vrの位相差θが小さくなるとともに、振幅も非常に近い値となり、前記▲2▼および▲3▼で示す問題点がさらに顕著になる。
【0017】
本発明の目的は、電力系統などの負荷側に供給する電力の安定化を、簡便な構成で高効率に行うことができるインバータ装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るインバータ装置は、予め定める第1の周波数の変調信号で変調され、予め定める第2の周波数の高周波電圧を発生する高周波電圧源と、前記高周波電圧源からの高周波電圧を高周波電流に変換する電圧−電流変換手段と、前記電圧−電流変換手段からの高周波電流を復調・整流して、該高周波電流の振幅に比例したレベルで前記第1の周波数の低周波電流を出力する復調・整流手段とを含むことを特徴とする。
【0019】
上記の構成によれば、T型やπ型のインピーダンス−アドミッタンス変換器などで実現される電圧−電流変換手段によって、入力側の高周波電圧源を電流源に変換する。したがって、電力系統などの負荷側に所望とする電流、すなわち電力を、該負荷側の電圧に拘りなく、安定して供給することができる。また、負荷側に供給される電力の制御も容易に行うことができる。さらにまた、位相を制御するための煩雑な制御回路や精密な制御を不要とすることができるとともに、連系リアクトルなどの損失要素がなく、構成を簡略化することができるとともに、高効率化を図ることができる。
【0020】
また請求項2の発明に係るインバータ装置では、前記復調・整流手段は商用交流の電力系統に接続され、前記第1の周波数は系統周波数であることを特徴とする。
【0021】
上記の構成によれば、たとえば各家庭などで太陽光発電等で発電された電力を電力系統に回生するために好適に用いられ、省エネルギ化のために用いられるインバータ装置を低コストに供給することができる。
【0022】
さらにまた請求項3の発明に係るインバータ装置では、前記電圧−電流変換手段は、直列素子がリアクトル、かつ並列素子がコンデンサ、または直列素子がコンデンサ、かつ並列素子がリアクトルであるT型またはπ型の4端子回路で実現され、前記リアクトルとコンデンサとは、両者が構成する共振回路の共振周波数が前記第2の周波数となる定数に選ばれていることを特徴とする。
【0023】
上記の構成によれば、前記電圧−電流変換手段は、H型を含むT型またはO型を含むπ型の4端子回路から成るインピーダンス−アドミッタンス変換回路で実現される。したがって、簡便で小型のLC共振回路によって実現することができる。
【0024】
また請求項4の発明に係るインバータ装置では、前記電圧−電流変換手段は、一方の入力端子と一方の出力端子との間に相互に同一のインダクタンスの第1および第2のリアクトルが直列接続され、前記第1および第2のリアクトルの接続点間と他方の入力端子および他方の出力端子との間にコンデンサが接続されて構成されるT型の4端子回路で実現され、前記第1および第2のリアクトルとコンデンサとは、各第1および第2のリアクトルとコンデンサとが構成する各共振回路の共振周波数が前記第2の周波数となる定数に選ばれていることを特徴とする。
【0025】
上記の構成によれば、パルス幅変調回路などで実現される高周波電圧源からの出力の高調波を抑制することができ、該高調波による損失を抑えることができるとともに、ノイズの発生を抑えることもできる。
【0026】
さらにまた請求項5の発明に係るインバータ装置では、前記電圧−電流変換手段は、前記第1および第2のリアクトルのインダクタンスを1/2とし、前記他方の入力端子と他方の出力端子との間に前記第1および第2のリアクトルと等しいインダクタンスの第3および第4のリアクトルを直列に接続し、該第3および第4のリアクトルの接続点に前記コンデンサを接続するH型の4端子回路で実現されることを特徴とする。
【0027】
上記の構成によれば、電圧−電流変換手段と高周波電圧源との間のラインおよび電圧−電流変換手段と復調・整流手段との間のラインなどから侵入したコモンモードノイズを除去することができ、前記ノイズが電力系統などの出力側へ出てゆかないようにすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1〜図4に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0029】
図1は、本発明の実施の一形態のインバータ装置11の電気的構成を示すブロック図である。このインバータ装置11は、太陽電池12で発電された直流電力を、商用交流の電力系統13の系統電圧Vsおよび系統周波数fsで、所望とする定電流で、該電力系統13側に回生するための系統連系インバータとして使用される。このインバータ装置11は、大略的に、PWMインバータ14と、インミッタンス変換器15と、絶縁トランス16と、同期整流回路17と、フィルタコンデンサCfと、図示しない前記PWMインバータ14および同期整流回路17の制御回路とを備えて構成されている。なお、前記インミッタンス変換器15のインミッタンスとは、インピーダンスおよびアドミタンスを包含して表すものとする。
【0030】
前記PWMインバータ14は、2つのトランジスタST1,ST2から成る直列回路と、同様にトランジスタST3,ST4から成る直列回路とが、相互に並列に前記太陽電池12の端子間に接続され、トランジスタST1,ST2の接続点およびトランジスタST3,ST4の接続点がそれぞれ前記インミッタンス変換器15の両端子に接続されるブリッジ回路によって構成されている。
【0031】
太陽電池12で発電された予め定める略一定の電圧Ebの直流電流は、このPWMインバータ14によって、前記制御回路から供給される前記電力系統13側へ供給すべき電力に対応し、かつ予め定める第1の周波数である電力系統13の系統周波数fsに対応した変調信号で変調された予め定める第2の周波数、たとえば20kHzの高周波電圧Vpに変換される。
【0032】
すなわち、このPWMインバータ14において、前記図示しない制御回路からのゲート信号に応答して選択的に前記トランジスタST1,ST4またはST2,ST3が導通することによって、前記インミッタンス変換器15へ、パルス振幅±Eb、たとえば200V、パルス周波数fp、たとえば前記20kHzの高周波電圧を、図2(a)において参照符α11で示されるような、電力系統13の系統周波数fs、たとえば50または60Hzおよび該電力系統13側へ伝達すべき電力に対応した変調信号によってパルス幅変調を行い、図2(a)において参照符α12で示すような1パルス毎に正負反転した高周波電圧Vpを出力する。このPWMインバータ14と前記太陽電池12とは、高周波電圧源を構成する。
【0033】
なお、図2では、PWMインバータ14および同期整流回路17での変復調動作を理解し易くするために、前記パルス周波数fpと系統周波数fsとの比を実際よりも小さく、すなわちパルスの密度を粗くして表している。
【0034】
前記PWMインバータ14から出力される高周波電圧Vpは、後述する電圧−電流変換手段であるインミッタンス変換器15において、図2(b)で示すように、該高周波電圧Vpのパルス幅に比例した振幅の電流Ipに変換される。インミッタンス変換器15からの出力電流Ipは、絶縁トランス16の一次巻線16aに与えられる。絶縁トランス16の二次巻線16bからの出力電流は、同期整流回路17に入力される。
【0035】
前記同期整流回路17は、前記PWMインバータ14と同様に、4つのトランジスタSR1,SR2;SR3,SR4のブリッジ回路を備えて構成されている。この同期整流回路17において、絶縁トランス16の出力電流は、前記図示しない制御回路からのゲート信号に応答して選択的に前記トランジスタSR1,SR4またはSR2,SR3が導通することによって、図2(c)において参照符γ11で示すように、前記変調信号に同期して整流され、さらにフィルタコンデンサCfによって、参照符γ12で示すように平滑化される。こうして前記電力系統13の系統電圧Vsおよび系統周波数fsであり、電力系統13へ回生すべき所望とするレベルの電流Isが作成され、該電力系統13へ回生される。
【0036】
前記PWMインバータ14、絶縁トランス16および同期整流回路17は系統連系インバータと称される。また、絶縁トランス16によって、PWMインバータ14側と、電力系統13側とが高周波でリンクされており、該インバータ装置11の故障時に電力系統13側へ直流が流込むことを防止して、電力系統13の保護が図られている。
【0037】
前記インミッタンス変換器15は、一対の入力端子T1,T1aと、出力端子T2,T2aとを備える4端子回路で実現される。具体的には、たとえば図3(a)で示すT型の4端子回路15a、前記4端子回路15aを改良した図3(b)で示すH型の4端子回路15b、図3(c)で示すπ型の4端子回路15cまたは前記π型の4端子回路15cを改良した図3(d)で示すO型の4端子回路15dなどで実現される。
【0038】
図3(a)で示すT型の4端子回路15aでは、一方の入力端子T1と一方の出力端子T2との間には2つのインピーダンス素子Zs1、Zs2の直列回路が介在され、これらの接続点と、共通に接続される他方の入力端子T1aおよび他方の出力端子T2aとの間には、インピンーダンス素子Zpが介在される。直列のインピーダンス素子Zs1,Zs2がリアクトルであるときには、並列のインピーダンス素子Zpはコンデンサであり、インピーダンス素子Zs1,Zs2がコンデンサであるときには、インピーダンス素子Zpはリアクトルに選ばれる。
【0039】
また、前記T型の4端子回路15aを改良した図3(b)で示すH型の4端子回路15bでは、前記直列のインピーダンス素子Zs1,Zs2がそれぞれ1/2のインピーダンス素子Zs11,Zs12に形成され、かつ他方の入力端子T1aと他方の出力端子T2aとの間に、前記入力端子T1および出力端子T2との間と同様に、Zs1/2およびZs2/2の直列のインピーダンス素子Zs11a,Zs12aが介在される。
【0040】
これによって、インミッタンス変換器15bの入力端子T1,T1aと出力端子T2,T2aとの間で、コモンモードノイズを除去することができる。
【0041】
これに対して、図3(c)で示すπ型の4端子回路15cでは、入力端子T1と出力端子T2との間に直列のインピーダンス素子Zsが介在され、このインピーダンス素子Zsの両端子と、共通に接続される入力端子T1aおよび出力端子T2aとの間に並列のインピーダンス素子Zp1,Zp2がそれぞれ介在されている。
【0042】
また、このπ型の4端子回路15cが改良された図3(d)で示すO型の4端子回路15dでは、前記インピーダンス素子Zsが1/2のZs1とされて、かつ入力端子T1aと出力端子T2aとの間に前記Zs/2のインピーダンス素子Zs2が介在される。
【0043】
以下に、図4を参照して、本発明のインバータ装置11の動作を詳述する。図4は、図1の等価回路図である。なお、この図4においてインミッタンス変換器15は、前記図3(a)で示すT型の4端子回路15aとし、前記直列のインピーダンス素子Zs1,Zs2をリアクトルとし、そのインダクタンスをL1,L2とし、並列のインピーダンス素子Zpをコンデンサとし、その静電容量をCとする。前記太陽電池12およびPWMインバータ14によって構成される高周波電源21からの高周波電圧V1の周波数をfpとするとき、前記インピーダンス素子Zs1,Zs2;ZpのインダクタンスL1,L2および静電容量Cは、
【0044】
【数1】
【0045】
を満たすように選ばれる。ただし、L=L1=L2。
【0046】
また、前記絶縁トランス16、同期整流回路17および電力系統13を負荷22とし、高周波電圧源21から該インミッタンス変換器15への入力電圧を↑V1、入力電流を↑I1とし、該インミッタンス変換器15から負荷22への出力電圧を↑V2、出力電流を↑I2とし、インピーダンス素子Zpを流れる電流を↑I3とすると、
↑I1=↑I2+↑I3 …(3)
↑V1=jωL↑I1+jωL↑I2+↑V2 …(4)
jωL↑I2+↑V2=↑I3/jωC …(5)
が成立する。
【0047】
したがって、式(5)から、
↑I3=jωC↑V2−ω2 LC↑I2 …(6)
が求められ、これを式(3)に代入すると、
↑I1=↑I2+jωC↑V2−ω2 LC↑I2 …(7)
が求められ、さらにこれを式(4)に代入すると、
が求められる。
【0048】
また、前記式(7)から、
が求められる。ただし、ω=2πfp、L=L1=L2である。
【0049】
ここで、L,Cが前記高周波電圧源21の電源周波数fpと共振するときには、ω2 LC=1となり、前記式(8)および式(9)は、以下のような行列で表すことができる。
【0050】
【数2】
【0051】
ただし、
【0052】
【数3】
【0053】
となる。
【0054】
したがって、前記インミッタンス変換器15の入力端子T1,T1a側のインピーダンス↑Z1は、
↑Z1=Z02 /↑Z2 …(12)
となる。
【0055】
したがって、前記インピーダンスZ1は、出力端子T2,T2a側のインピーダンス↑Z2の逆数、すなわちアドミッタンスに比例する。このようにインミッタンス変換器15において、一対の端子T1,T1aとT2,T2aとにおいて、一方の端子、たとえばT1,T1a側のインピーダンスは、他方の端子、すなわちT2,T2a側に接続されたアドミッタンスに比例することが理解される。
【0056】
さらに、前記式(10)から、
↑I2=↑V1/jωL …(13)
であり、すなわちインミッタンス変換器15の出力電流↑I2は、該インミッタンス変換器15の入力電圧↑V1に比例し、負荷電圧↑V2および負荷インピーダンス↑Z2には無関係となることが理解される。
【0057】
同様に、図3(c)で示すπ型の4端子回路15cにおいて、↑Zs=jωL,↑Zp1=↑Zp2=1/jωCの場合も、入出力の関係は式(10)で表されるようになり、同様の効果を有する。
【0058】
このように本発明に従うインバータ装置11では、電力系統13側へ供給すべき電力、すなわち電流Isに対応したパルス幅を有するパルスを容易に発生することができ、太陽電池12およびPWMインバータ14から成る高周波電圧源21を、インミッタンス変換器15によって高周波電流源に変換するので、負荷22である電力系統13の系統電圧Vsおよび波形歪などに拘りなく、常に所望とする前記一定の電流Is、すなわち一定の電力を安定して回生することができる。また、複雑な制御回路等を不要とすることができるとともに、回生すべき電力をPWMインバータ14における変調パルス幅を調整することによって容易に制御することができる。さらにまた、従来技術で述べた連系リアクトル5が不要となり、変換効率を向上することもできるとともに、インミッタンス変換器15は受動素子のみで構成されるので、高信頼化および低ノイズ化を図ることもできる。また、定電流源となる該インバータ装置11は、並列運転が可能であり、発電容量の増加に対しても容易に対応することもできる。
【0059】
なお、前記インミッタンス変換器15は、端子T1,T1aに対して、端子T2,T2aが対称であり、したがって電流I1は、電圧V2に比例することになる。また、電源が高周波電流源である場合には、該インミッタンス変換器15の出力は、高周波電圧源となる。さらにまた、絶縁トランス16は、該インミッタンス変換器15の入力側に挿入されても同様の効果を得ることができる。また、同期整流回路17は、上述のようなトランジスタSR1〜SR4を用いる構成に限らず、電力系統13の系統周波数fsの成分を復調するものであれば、他の復調回路が用いられてもよい。
【0060】
また本発明は、上述のように電力系統13側へ電力を回生する構成に限らず、図5で示すインバータ装置31のように、負荷22に対して所望とする定電流Isを供給する必要がある場合に、好適に実施することができる。すなわち、高周波電圧源21をインミッタンス変換器15によって高周波電流源に変換することによって、所望とする負荷電流Isに対応した高周波電圧Vpを高周波電流Ipに変換し、同期整流回路17で復調することによって、所望とする負荷電流Isを安定して得ることができる。これによって、モータにおける定トルク運転などに好適に用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明に係るインバータ装置は、以上のように、高周波電圧源からの高周波電圧をT型やπ型のインピーダンス−アドミッタンス変換器などで実現される電圧−電流変換手段によって高周波電流に変換した後、復調・整流手段によって復調・整流して出力する。
【0062】
それゆえ、電力系統などの負荷側に所望とする電流、すなわち電力を、該負荷側の電圧に拘りなく、安定して供給することができる。また、負荷に供給される電力の制御も容易に行うことができる。さらにまた、位相を制御するための煩雑な制御回路や精密な制御を不要とすることができるとともに、連系リアクトルなどの損失要素がなく、構成の簡略化および高効率化を図ることができる。
【0063】
また請求項2の発明に係るインバータ装置は、以上のように、復調・整流手段を商用交流の電力系統に接続し、前記第1の周波数を系統周波数とする。
【0064】
それゆえ、たとえば各家庭などで太陽光発電等で発電された電力を電力系統に回生するために好適に用いられるインバータ装置を低コストに供給することができる。
【0065】
さらにまた請求項3の発明に係るインバータ装置は、以上のように、電圧−電流変換手段を、H型を含むT型またはO型を含むπ型の4端子回路から成るインピーダンス−アドミッタンス変換回路で実現し、かつそれらを構成するリアクトルとコンデンサとの共振周波数を前記第2の周波数とする。
【0066】
それゆえ、前記電圧−電流変換手段を、簡便で小型のLC共振回路によって実現することができる。
【0067】
また請求項4の発明に係るインバータ装置は、以上のように、電圧−電流変換手段を、一方の入力端子と一方の出力端子との間に相互に同一のインダクタンスの第1および第2のリアクトルが直列接続され、前記第1および第2のリアクトルの接続点間と他方の入力端子および他方の出力端子との間にコンデンサが接続されて構成されるT型の4端子回路で実現し、各第1および第2のリアクトルとコンデンサとが構成する各共振回路の共振周波数を前記第2の周波数とする。
【0068】
それゆえ、パルス幅変調回路などで実現される高周波電圧源からの出力の高調波を抑制することができ、該高調波による損失を抑えることができるとともに、ノイズの発生を抑えることもできる。
【0069】
さらにまた請求項5の発明に係るインバータ装置は、以上のように、前記電圧−電流変換手段を、H型の4端子回路で実現する。
【0070】
それゆえ、インバータ部で発生したコモンモードノイズを除去することができ、前記ノイズが電力系統などの出力側へ出てゆかないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のインバータ装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1で示すインバータ装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】図1で示すインバータ装置におけるインミッタンス変換器の構成例を示すブロック図である。
【図4】前記インミッタンス変換器をT型の4端子回路で構成した場合における図1の構成の等価回路図である。
【図5】本発明の実施の他の形態のインバータ装置を説明するためのブロック図である。
【図6】典型的な従来技術のインバータ装置の電気回路図である。
【図7】図6で示すインバータ装置の動作を説明するための波形図である。
【図8】前記図6で示すインバータ装置の動作を説明するための等価回路図である。
【図9】図6で示すインバータ装置による電力回生動作を説明するためのベクトル図である。
【符号の説明】
11 インバータ装置
12 太陽電池
13 電力系統
14 PWMインバータ(高周波電圧源)
15 インミッタンス変換器(電圧−電流変換手段)
15a インミッタンス変換器(T型)
15b インミッタンス変換器(H型)
15c インミッタンス変換器(π型)
15d インミッタンス変換器(O型)
16 絶縁トランス
17 同期整流回路(復調・整流手段)
21 高周波電圧源
22 負荷
31 インバータ装置
Claims (5)
- 予め定める第1の周波数の変調信号で変調され、予め定める第2の周波数の高周波電圧を発生する高周波電圧源と、
前記高周波電圧源からの高周波電圧を高周波電流に変換する電圧−電流変換手段と、
前記電圧−電流変換手段からの高周波電流を復調・整流して、該高周波電流の振幅に比例したレベルで前記第1の周波数の低周波電流を出力する復調・整流手段とを含むことを特徴とするインバータ装置。 - 前記復調・整流手段は商用交流の電力系統に接続され、前記第1の周波数は系統周波数であることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
- 前記電圧−電流変換手段は、直列素子がリアクトル、かつ並列素子がコンデンサ、または直列素子がコンデンサ、かつ並列素子がリアクトルであるT型またはπ型の4端子回路で実現され、
前記リアクトルとコンデンサとは、両者が構成する共振回路の共振周波数が前記第2の周波数となる定数に選ばれていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。 - 前記電圧−電流変換手段は、一方の入力端子と一方の出力端子との間に相互に同一のインダクタンスの第1および第2のリアクトルが直列接続され、前記第1および第2のリアクトルの接続点間と他方の入力端子および他方の出力端子との間にコンデンサが接続されて構成されるT型の4端子回路で実現され、
前記第1および第2のリアクトルとコンデンサとは、各第1および第2のリアクトルとコンデンサとが構成する各共振回路の共振周波数が前記第2の周波数となる定数に選ばれていることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。 - 前記電圧−電流変換手段は、前記第1および第2のリアクトルのインダクタンスを1/2とし、前記他方の入力端子と他方の出力端子との間に前記第1および第2のリアクトルと等しいインダクタンスの第3および第4のリアクトルを直列に接続し、該第3および第4のリアクトルの接続点に前記コンデンサを接続するH型の4端子回路で実現されることを特徴とする請求項4記載のインバータ装置。
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