JP3652054B2 - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池や光センサ等に関し、特に薄膜シリコン太陽電池に非常に好適な光電変換装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薄膜結晶Si(シリコン)については、半導体素子に関わる様々な分野で研究が行われている。半導体集積回路に代表される半導体デバイスの分野での研究例については、例えば、『SOI構造形成技術』(古川静二郎編著:産業図書1987)に詳しく解説されているので、以下に、光電変換装置として使用される太陽電池に関して述べる。
【0003】
太陽電池の分野においては、結晶Siウエハーを用いた結晶Si太陽電池が実用化されているが、大量の結晶Siウエハーを用いる必要があるので、原料不足や高価な原料コストの問題等を解決できる、薄膜多結晶Siを用いた低コストで且つ高効率な薄膜多結晶Si太陽電池の開発、実用化が大いに期待されている。
【0004】
このような薄膜多結晶Si太陽電池の研究例を列挙すれば、日本国内では、ZMR(溶融再結晶化)法による薄膜多結晶Si下地層上へ、熱CVD法による薄膜多結晶Si光活性層を製膜する方式 1 (例えば、Proc.1st.WCPEC(1994)1287-1290 、同1311-1314 、同1394-1397 、特開平2-28315 、特開平3-228324、特開平4-91482 、特開平6-204539、特開平7-135332、特開平7-226528、特開平7-335660を参照)、また、レーザーアニール法による薄膜多結晶Si下地層上へ、p(プラズマ)−CVD法による薄膜多結晶Si光活性層を製膜する方式 2 (例えば、Proc.1st.WCPEC(1994)1575-1578 、特開平6-163957、特開平7-94766 を参照)、さらに、SPC(固相結晶化)法を用いてp−CVD法で形成されたアモルファスSi(a−Si)を多結晶化する方式 3 (例えば、Proc.1st.WCPEC(1994)1315-1318 、特開平2-28315 、特開平6-204539、特開平7-135332、特開平7-335660を参照)、さらにまた、プラズマ溶射法によりSi粒を溶融、射出して多結晶Si層を形成する方式 4 (例えば、特開平5-315258、特開平5-315259、特開平5-315260、特開平5-326414、特開平6-208960、特開平6-208961を参照)などがある。
【0005】
また、日本国外においては、LPE法を用いて液相から薄膜多結晶Siを成長させる方式 5 (例えば、Proc.1st.WCPEC(1994)1254-1257 、同1398-1401 、同1339-1342 、同1579-1582 、同1250-1253 、同1391-1393 を参照)が研究されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜多結晶Si太陽電池を低コスト且つ高効率に製造するにあたって、上記研究例の問題点を列挙すると下記の通りである。
【0007】
方式 1 では、ZMR法での大面積再結晶化速度が遅く、且つ精密な温度制御が必要なため低コスト量産化には適していない。
【0008】
方式 2 では、レーザーアニール法での大面積再結晶化速度が遅いため低コスト量産化に適していない。また、再結晶化した結晶粒径が最大で約1μm程度と充分大きくできず、結晶粒界の存在度が高くなるため、そこでの再結合の影響が大きくなり、高効率化に適していない。さらに、p−CVD法を用いているため、主光活性層の形成に数時間を要し、低コスト化に不向きな問題がある。
【0009】
方式 3 では、SPC法を適用するa−Si層の形成に数時間を要し、さらにその固相結晶化に10時間程度を要するため、低コスト量産化に問題がある。また、再結晶化した結晶粒径が最大約1μm程度で充分大きくできず、結晶粒界の存在度が高くなるため、そこでの再結合量が多くなってしまい高効率化に適していない。
【0010】
方式 4 では、膜形成速度は非常に速いが、膜厚の制御性に問題があり、現状では結晶Siウエハーと同じ程度の数百μmの厚さとなってしまい、省原料化できないため低コスト化に問題がある。
【0011】
方式 5 では、現状では太陽電池級の大面積素子に適した装置開発が難しく、また、膜形成速度も充分ではないため低コスト量産化に問題がある。また、基板として結晶Siウエハーが用いられているためSiの省原料化にならない問題がある。
【0012】
このため、薄膜多結晶Si太陽電池を低コストで製造するには、使用基板が安価であり、さらに薄膜多結晶Si形成速度が充分高速である必要があり、この条件を満たす安価な薄膜多結晶Si基板の提供が課題となる。
【0013】
また、薄膜多結晶Si太陽電池を高効率とするには、薄膜多結晶Siの結晶粒径が充分大きく、また入射光の利用効率が高い素子構造とする必要がある。
【0014】
そこで、本発明では上述の諸問題を解決する薄膜多結晶Si太陽電池をはじめとする、製造が容易でしかも特性の優れた光電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の光電変換装置の製造方法は、少なくとも表面が金属材料から成る基板上に、酸化アルミニウムの結晶酸化物層、第1の結晶シリコン層、該第1の結晶シリコン層と同一の導電型で且つこれよりも不純物濃度が低い第2の結晶シリコン層、及び前記第1及び第2の結晶シリコン層と異なる導電型の非単結晶シリコン層を順次積層させ、前記第1の結晶シリコン層及び非単結晶シリコン層から出力を導出するようにした光電変換装置の製造方法であって、前記酸化アルミニウムの結晶酸化物層上に、シリコンとアルミニウムとの共融によって形成された液相を介して前記第1の結晶シリコン層を結晶成長させたことを特徴とするものである。これによれば、例えば薄膜多結晶Siの原料として安価なガラス粉末を使用し、さらに充分高速な結晶成長を可能とすることによって薄膜多結晶Si基板を安価に供給し、これを用いた薄膜多結晶Si太陽電池を低コストで製造可能とすることができる。
【0016】
また、液相を介した結晶成長であることを利用して、薄膜多結晶Si層の結晶粒径の充分な拡大を可能とし、さらに、薄膜多結晶Si表面のランダムな凹凸構造と、裏面金属による効率的な反射によって光封じ込め効果を導入することによって、高効率な薄膜多結晶Si太陽電池の製造を可能とすることができる。
【0017】
また、基板を構成する金属材料としては、例えば、タングステン,タンタル,モリブデン,ニオブ,クロム,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,ジルコニウム,マンガン,及びプラチナなどがある。
【0018】
また、基板としては前記金属材料だけのものの他に、ガラス,カーボン,またはセラミックを主体とする支持基板上に前記金属膜が形成されているものが用いられる。
【0019】
また、少なくとも第1の結晶シリコン層が多結晶状態であるとともに、その結晶方位が基板の主面に垂直な方向へ主に<111>方位に選択配向していることを特徴とする。これによれば、特に薄膜多結晶Siの表面をほぼ平坦にすることができ、前述の薄膜多結晶Si層の表面のランダムな凹凸構造の形成の際に、その構造を基板全域に渡ってほぼ均一に、しかも容易に形成することを可能とし、特に反射率の低い優れた太陽電池用基板及び太陽電池を得ることができる。
【0020】
また、第1の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度が1018〜1022/cm3 、第2の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度が1016〜1019/cm3 であることを特徴とする。このように、少なくとも2層構造にするのは、第1の薄膜多結晶Si層のみではドーピング不純物濃度が高すぎて、オージェ再結合機構によるキャリアの再結合が問題となり、太陽電池の光活性層に適した品質が得られにくいからである。また、第2の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度において、上記に指定した範囲を逸脱すると、太陽電池特性における開放電圧の低下などの特性低下を生じる。また、第1の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度における下限値を逸脱すると、素子裏面における表面再結合が大きくなることによって、太陽電池特性における開放電圧の低下などの特性低下を生じる。
【0021】
また、第1の結晶シリコン層の厚さが30μm以下であり、第2の結晶シリコン層の厚さが1〜50μm であることを特徴とする。これは、薄膜多結晶Siの厚さが薄すぎると入射光の充分な利用ができなくなることにより短絡電流が減るためであり、逆に厚すぎると膜質にもよるが一般に開放電圧が低下するためである。
【0022】
また、少なくとも第2の結晶シリコン層の表面が粗面状であって、その反射率が波長400〜1000nmの光に対して5%以下であることを特徴とする。これは、太陽電池の特性向上のためには表面反射率を下げることが重要となるが、本発明においては、薄膜多結晶Si表面をRIE法などのドライエッチング技術を用いて、微細且つランダムな凹凸構造としているため、従来技術による表面反射率よりも格段に小さい表面反射率を実現し、より高効率な太陽電池の作製を可能としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1に示すように、Mo基板1上にSiO(シリカ)を主成分とする粉末、フラックス体(金属粉末や液体など)、バインダ、溶剤等から成るペースト層2をプリント法により塗布し、乾燥させる。ここで、SiOを主成分とする粉末としては、SiO粉末又はSiOを含むガラス粉末を用いる。フラックス体としては、Siより酸化されやすい、Al(アルミニウム)を含有したものを用い、必要に応じて、Sn(錫)、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、Ga(ガリウム)などとの混合物を用いる。なお、本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置において、金属材料から成る基板としては、上記のように、Mo(モリブデン)基板又はSUS(ステンレス)基板を、支持基板上に高融点金属薄膜を形成したものとしては、カーボン、石英ガラス又はアルミナを主成分とするセラミックに、Mo薄膜をスパッタ法により形成したものを用いるが、以下、基板による差が問題となる場合を除いて、Mo基板を用いる例に基づき説明する。
【0024】
次に、このペースト層2を塗布・乾燥した基板を所定の条件下で熱処理し、フラックス体を溶融させて液相を形成させる。熱処理条件は、SiとAlの共融点である577℃以上とし、必要に応じてAlの融点である660℃を越える温度とする。雰囲気としては、Ar(アルゴン)ガスや、N(窒素)ガスなどの不活性ガス雰囲気、あるいは還元性のあるH(水素)と不活性ガスとを適当な比で混合したガス雰囲気とする。また、圧力は、真空等、減圧条件が望ましいが、常圧であってもよい。熱処理時間は昇温、降温時間を除いて正味1時間程度とする。
【0025】
上述のように液相が形成される条件で熱処理を行うと、SiO2 は溶融Alによって還元されてSiとなって液中に溶出し、逆に溶融Alは酸化されてAl2 3 (アルミナ)となり、図2に示すように多結晶状態でMo基板1の表面に堆積して結晶酸化物層である酸化アルミニウム(Al2 3 )層3を形成する。
【0026】
一方、SiOが還元されて液相中へ溶出したSiは適当な過飽和条件下において上述したAl層3上へ析出し結晶成長していく。このとき、液相を介した結晶成長であるために、太陽電池として用いるのに充分な粒径を得ることができる。ここで、過飽和条件の形成には、例えば、熱処理中に基板に対して垂直な方向で、基板表面側(結晶Si成長面側)に対して基板裏面側の温度が低くなるように温度勾配をつければよい。このようにして、図2に示すように、Mo基板1上にAl層3を介して薄膜の多結晶Si層4が得られる。
【0027】
この多結晶Si層4について、その断面をSEMで観察したところ、膜厚は、約1〜30μmであり、粒径は数μm以上であることが確認された。また、X線回折法で構造分析を行ったところ、特に<111>の結晶方位に選択配向した傾向のある多結晶Si層となっていることが確認された。この結果、得られた多結晶Si層4の表面はほぼ平坦となった。このことは後に行うエッチングや膜形成を基板面内で均一に行うのに好適なものであり、例えば後述するRIE法による多結晶Si層の表面のランダムな凹凸構造の形成に際しても、ほぼ基板全域に渡って均一に形成することができた。また、電気抵抗率測定を行ったところ、約10-2〜10-5Ω・cmの値が得られた。さらに、薄膜多結晶Si層4中のAlの存在度をSIMSによって分析したところ、1018〜1021/cm3 の値が確認された。これらの結果から、キャリア濃度は、1018〜1021/cm3 と推定された。このとき、低電気抵抗率、すなわち高ドープ(高キャリア濃度)の膜は、後に述べるように素子化において素子の裏電極として機能させることができる。
【0028】
次に、図3に示すように、上記で得られた多結晶Si層4を第1の結晶Si層として、この上にCVD法やスパッタ法などの真空成膜技術を用いて多結晶状態の第2の結晶Si層5を積層する。第2の結晶Si層5のドーピング濃度は、第1の結晶Si層4とあわせて太陽電池の光活性層として好適に機能するように約1016〜1018/cm3 とした。このとき、第1の結晶Si層4と第2の結晶Si層5を合わせた膜厚は、約5〜50μmとした。なお、第2の結晶Si層5を比較的低温下で高速に製膜する方法としては、特にcat-CVD 法がある。
【0029】
次に、このようにして得られた光活性層の表面をRIE(Reactive Ion Etching)法を用いてドライエッチングし、図4に示すような表面をランダムな凹凸構造を有する粗面状とした。このRIE法による表面ランダム凹凸構造の形成については、例えば、Technical Digest of the International PVSEC-9(1996)93-96、109-110 及び特願平8-138442に述べられている。この表面構造は、単純な素子化には必ずしも必要ではないが、特に薄膜多結晶Si太陽電池など、入射光の利用効率を高めたい要求がある場合には、優れて効果的である。ここで図7に示すように、第2の結晶Si層5の表面の反射率について、Texture構造と呼ばれる通常のウエットエッチングにより形成されたほぼ規則的な凹凸構造と比較した場合について説明する。破線で示すように、Texture構造の場合、可視光領域を含む波長400〜1000nmの光において、反射率が10%以上であるのに対して、このランダムな凹凸構造を有する第2の結晶Si層5の場合、5%以下であり非常に好適な反射率であった。
【0030】
次に、図5に示すように、この光活性層である第2の結晶Si層5の導電型とは逆の導電型の第3の非単結晶Si層6を成膜し、pn接合を形成した。非単結晶Si層6の形成については、第2の結晶Si層5と同様な真空薄膜形成技術を用いることができる。また、非単結晶Si層6は、結晶Si膜であっても、アモルファスのa−Si膜であってもよい。後者の場合、いわゆるヘテロ接合となるが、第2の結晶Si層5と第3の非単結晶Si層(a−Si層)6の間に、真性型のa−Si層を厚さ20〜400Åで挿入すると特性向上により好適である(特願平7-313293)。
【0031】
次に、このようにpn接合形成した薄膜Si層上へ、ITOに代表される透明導電膜7をスパッタ法などによる真空成膜技術を用いて形成する。その後、この上に表取り出し電極8を、蒸着法、メッキ法、プリント法等の公知の技術を用いて形成する。なお、図6に示すように、ITOの代わりにSiN膜やSiO膜の保護層10をCVD法などの真空成膜技術を用いて形成し、これを表電極形状にパターニングし、非単結晶Si層6に接続される表取り出し電極を形成してもよい。なお、ITO膜あるいは、SiN膜またはSiO膜の厚さは、AR(Anti-Reflection )機能を果たすように所定の厚さに制御する。
【0032】
一方、裏電極は、前記したように高濃度にドープされた薄膜多結晶Si層(第1の結晶Si層4)がその機能を果たすが、この裏電極のための取り出し電極9についても、表取り出し電極8の形成の際に同時に形成される。すなわち、ウエットあるいはドライエッチング技術、あるいはレーザースクライブ技術、さらにはメカニカルスクライブ技術などを用いて素子表面からエッチング、あるいはスクライブを行い、第1の結晶Si層4を露出させて、この露出部分に裏電極用取り出し電極9を表取り出し電極8と同様同様に形成すればよい。以上により、非常に高効率な薄膜多結晶Si太陽電池Pを形成することができる。
【0033】
次に他の実施の形態について説明する。
基板としては、上述の実施の形態と同様にMoを用いた。まず、図8に示すように、Mo基板21上にSiO2 を含むガラス粉末、バインダ、溶剤からなるペーストであるガラスペースト22をプリント法により塗布し、乾燥させる。次に、このペーストを塗布・乾燥した基板を所定の条件下で熱処理し、基板上にガラス薄膜を形成する。
【0034】
次に、図9に示すように、このガラス薄膜23上にフラックス層24を形成する。フラックス層24としては、Siより酸化されやすいAlを含有したものを用い、必要に応じて、Sn、In、Zn、Sb、Bi、Gaなどとの混合物を用いる。
【0035】
次に、このフラックス層24を形成したMo基板21を所定の条件下で熱処理し、フラックス層24を溶融させて液相を形成させる。熱処理条件は、SiとAlの共融点である577℃以上とし、必要に応じてAlの融点である660℃を越える温度とする。なお、ここでAl以外の元素を用いている場合においては、用いている元素のうち、Siとの共融温度が最も低いものの共融温度を熱処理条件の最低温度とし、必要に応じてそれより高温度の条件で熱処理を行うものとする。雰囲気としては、Arガスや、Nガスなどの不活性ガス雰囲気、あるいは還元性のあるHと不活性ガスとを適当な比で混合したガス雰囲気とする。また、圧力は、真空等、減圧条件が望ましいが、常圧であってもよい。熱処理時間は昇温、降温時間を除いて正味1時間程度とする。
【0036】
上述のように液相が形成される条件で熱処理を行うと、発明の実施の形態と同様の原理で、ガラス薄膜中のSiOは溶融Alによって還元されてSiとなって液中に溶出し、逆に溶融Alは酸化されてAlとなり、ガラス薄膜中に取り込まれてAl層を形成する。一方、ガラス薄膜中から液相中へ溶出したSiは適当な過飽和条件下において上述したAl層上へ析出し、結晶成長していく。このようにして、図10に示すように、Mo基板21上に結晶酸化物層であるAl層25を介して薄膜多結晶Si層26が得られる。以降の素子化工程について上述した実施の形態と同様にして行うことにより、この実施の形態においても高効率で優れた太陽電池を完成させることができる。
【0037】
なお、本発明では、光電変換置として太陽電池を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、位置検出センサ,輝度センサ,カラーセンサ等の光センサ等にも適用が可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更し実施が可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光電変換装置の製造方法によれば、安価な材料であるSiOを主成分とする粉末を用いて薄膜多結晶Si基板を得ることが可能となり、また高速製膜の効果も加わって、薄膜多結晶Si太陽電池や光センサ等の光電変換装置の作製コストの大幅な低減を実現することができる。
【0039】
また、薄膜多結晶Si層の結晶粒径の充分な拡大と、光封じ込めに適したランダムな表面凹凸構造の導入と裏面金属による効率的な反射によって、高効率な薄膜多結晶Si太陽電池等の光電変換装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図2】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図3】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図4】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図5】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置を説明する断面図。
【図6】本発明の光電変換装置の製造方法に係る他の光電変換装置を説明する断面図。
【図7】半導体膜形成用基板の表面の光の波長と反射率との関係を示すグラフ。
【図8】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図9】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【図10】本発明の光電変換装置の製造方法に係る光電変換装置の作製工程を示す断面図。
【符号の説明】
1,21:Mo基板(基板)
2:ペースト層
3:酸化アルミニウム層(結晶酸化物層)
4:第1の結晶シリコン層
5:第2の結晶シリコン層
6:非単結晶シリコン層
P:太陽電池(光電変換装置)

Claims (5)

  1. 少なくとも表面が金属材料から成る基板上に、酸化アルミニウムの結晶酸化物層、第1の結晶シリコン層、該第1の結晶シリコン層と同一の導電型で且つこれよりも不純物濃度が低い第2の結晶シリコン層、及び前記第1及び第2の結晶シリコン層と異なる導電型の非単結晶シリコン層を順次積層させ、前記第1の結晶シリコン層及び非単結晶シリコン層から出力を導出するようにした光電変換装置の製造方法であって、前記酸化アルミニウムの結晶酸化物層上に、シリコンとアルミニウムとの共融によって形成された液相を介して前記第1の結晶シリコン層を結晶成長させたことを特徴とする光電変換装置の製造方法
  2. 前記第1の結晶シリコン層が多結晶状態であり、且つその結晶方位が基板面に垂直な方向へ<111>方位に選択配向していることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法
  3. 前記第1の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度が1018〜1022/cmで、且つ前記第2の結晶シリコン層のドーピング不純物濃度が1016〜1019/cmであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法
  4. 前記第1の結晶シリコン層の厚さが30μm以下で、且つ前記第2の結晶シリコン層の厚さが1〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法
  5. 前記第2の結晶シリコン層の表面が粗面状で、且つその反射率が波長400〜1000nmの光に対して5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置の製造方法
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