JP3652034B2 - 電動補助自転車のチェーンケース固定構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補助動力ユニットを備える電動補助自転車のチェーンを覆うチェーンケースの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
人力による駆動力を電動モータによる補助動力によって補う電動補助自転車が提案され、既に実用に供されているが、この種の電動補助自転車に限らず一般の自転車においても、チェーンケースは車体フレームに固定された複数のステーにビス止めによって固定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チェーンケースの従来の固定構造においては、ステーやビス等の部品点数が増えるとともに、ステーの車体フレームへの溶接作業やチェーンケースのステーへのビス止め作業の工数が増えるという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができ、部品点数と作業工数の削減を図ることができる電動補助自転車のチェーンケース固定構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、クランク軸近傍に補助動力ユニットを配置し、クランク軸に結着されたドライブスプロケットと後車軸に回転可能に支承されたホイールスプロケットとの間に巻装されたチェーンの少なくとも一部をチェーンケースによって覆う電動補助自転車において、前記チェーンケースの前端部周縁の少なくとも一部を内側に折り曲げて内折り部を形成するとともに、前記補助動力ユニットを覆うカバーの側端面に差込部を形成し、チェーンケースの前端部を、これに形成された前記内折り部をカバーの前記差込部に形成された溝に差し込んで固定するとともに、同チェーンケースの後端部を車体フレームに固定されたステーにビス止めすることによって固定することを特徴とする。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記カバーの差込部をカバーの前記ドライブスプロケットに対向する面の上下及び前側の3箇所に形成したことを特徴とする。
【0007】
更に、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記カバーの差込部の溝壁に突起を突設したことを特徴とする。
【0008】
従って、請求項1記載の発明によれば、チェーンケースの前端部は差込構造によってカバーに固定されるため、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるとともに、ステーやビス等の部品点数及びステーの溶接作業やチェーンケースのビス止め作業の工数が削減される。又、差込構造によってチェーンケースとカバーとの隙間が無くなるため、チェーンを確実に保護することができるとともに、チェーンケースとカバーとの合わせ部の外観性が高められる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、チェーンケースの前端部はカバーの上下及び前の3箇所に形成された差込部によって位置決めされて正確、且つ、確実に固定される。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、カバーの差込部に差し込まれたチェーンケース部分(内折り部)がカバーの差込部に突設された突起によってカバー側に押し付けられるため、該チェーンケースがカバーにガタ無く確実に固定される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車の側面図、図2は同電動補助自転車のカバーとチェーンケース部分の正面図、図3は同電動補助自転車のチェーンケース前端部の破断側面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図4のB部拡大詳細図である。
【0012】
先ず、図1に基づいて電動補助自転車1の概略構成を説明する。
【0013】
図1において、2は車体の前方上部に位置するヘッドパイプであり、該ヘッドパイプ2にはハンドルステム3が回動自在に挿通している。そして、ハンドルステム3の上端にはハンドル4が結着され、同ハンドルステム3の下端にはフロントフォーク5が結着されており、該フロントフォーク5の下端部には前輪6が回転自在に軸支されている。
【0014】
又、前記ヘッドパイプ2からはメインパイプ7が車体後方(図1の左方)に向かって斜め下方に延設されており、該メインパイプ7の後端にはラグ8によって左右一対のシートステー9がメインパイプ7と側面視で一直線を成すように連結されるとともに、シートチューブ10がメインパイプ7とシートステー9に対して直交するように後方に向かって斜め上方に傾斜して連結されている。そして、シートチューブ10内にはシートポスト11が上下動可能に嵌合保持されており、該シートポスト11の上端にはシート12が支持されている。
【0015】
ところで、車体の略中央下部であって、上記シートチューブ10の下端部後方には補助動力ユニット13が配されており、この補助動力ユニット13は金属製のブラケット14を介してシートチューブ10の下端部に固定されている。この補助動力ユニット13は人力による駆動系と電動モータによる駆動系を並設して構成され、これにはクランク軸15が回転自在に支承されており、該クランク軸15の左右両端にはクランク16が取り付けられ、各クランク16の端部にはペダル17が軸支されている。
【0016】
そして、上記補助動力ユニット13は樹脂製のカバー18によって覆われており、図2に示すように、このカバー13は左右に2分割された分割片18−1,18−2を接合一体化して構成され、その前面には矩形の開口部18aが形成されている。尚、図2において、13aは補助動力ユニット13のボスである。
【0017】
又、前記シートチューブ10上には逆U字状を成すバッテリボックス19が脱着可能に取り付けられている。尚、バッテリボックス19内にはシュリンクパックされた複数のDセル(単一電池)から成るバッテリ20が収納されている。
【0018】
一方、補助動力ユニット13からは左右一対のチェーンステー21が車体後方に向かって略水平に延設されており、該チェーンステー21の各後端部はブラケット22によって前記シートステー9の各後端部に連結されており、左右一対のブラケット22間には後輪23が後車軸24によって回転自在に軸支されている。そして、後車軸24の右端部(図1の手前側)であって、右側のブラケット20の内側には小径のホイールスプロケット25が不図示のワンウェイクラッチを介して回転可能に支持されており、該ホイールスプロケット25と前記クランク軸15の右側に結着された大径のドライブスプロケット26(図3及び図4参照)との間には無端状のチェーン27が巻装されている。
【0019】
而して、上記チェーン27の一部は金属製のチェーンケース28によって覆われているが、このチェーンケース28は本発明に係る固定構造によって前記カバー18とチェーンステー21に固定されている。
【0020】
即ち、チェーンケース28はその前端部28Aが前記ドライブスプロケット26の周囲を囲むように略円形に成形され、この前端部28Aからは幅の狭い細長部28Bが車体後方に向かってチェーンステー21の上方をこれに沿って一体に延設されている。そして、このチェーンケース28の下端縁を除く部分(つまり、前端部28Aの前半部の半円状部分の外周縁とこれに連なる細長部28Bの上端縁)には、内側へ略直角に折り曲げられた内折り部28aが形成されている。
【0021】
又、チェーンケース28の前端部28Aの中央部には、図3及び図4に示すように、内側に向かって凹状を成す円錐状部28bが形成されており、この円錐状部28bの中央にはクランク軸15が貫通するための円孔28cが形成されている。
【0022】
他方、樹脂製の前記カバー18のチェーンケース28に対向する右側端面には、図4に示すように、クランク軸15が貫通するための円孔18bが開口しており、この円孔18bの周囲の上下及び前側の3箇所には差込部29,30,31が一体に形成されている。
【0023】
ここで、前側の差込部31の構成の詳細を図5に示すが、この差込部31においては、側面視円弧状で逆L字状断面を有する突片31aがカバー本体18Aから外側方に向かって一体に突設されており、該突片31aとカバー本体18Aとの間には、上下方向に貫通する溝32が形成されており、この溝32は前方に向かって開口している。そして、突片31aの溝壁(溝32の一部を形成する壁)31a−1には3つの球面状突起31b(図3参照)が上下方向に適当な間隔で内側に向かって一体に突設されており、カバー本体18Aの突起31bに対向する部分には孔18cが形成されている。
【0024】
尚、図3に示すように、上下の差込部29,30にも突片29a,30aがそれぞれカバー本体18Aから外側方に向かって一体に突設されており、これらの突片29a,30aとカバー本体18Aとの間には前後方向に貫通する不図示の溝が形成されており、上側の突片29a側に形成された溝は上方に向かって開口し、下側の突片31a側に形成された溝は下方に向かって開口している。そして、上側の突片29aの溝壁には2つの球形状突起29aが突設され、下側の突片30aの溝壁には1つの球形状突起30bが突設されている。
【0025】
而して、チェーンケース28は次の要領で固定される。
【0026】
即ち、クランク軸15にチェーンケース28の前端部28Aに形成された前記円孔28cを通して該チェーンケース28を円孔28cの縁がクランク軸15に当接するまで前側に引き出し、その内折り部28aを前側と上下側の差込部29,30,31の溝に差し込む。そして、その状態のままチェーンケース28をその内折り部28aが前側の差込部31に当接するまで車体後方に引く。すると、図3及び図4に示すように、チェーンケース28の前端部28Aが上下及び前側の3箇所の差込部29,30,31に差し込まれて正確に位置決めされて固定されるが、このとき、差込部29〜30に差し込まれたチェーンケース28の内折り部28aが差込部29〜31の突片29a〜31aに突設された各突起29b〜31bによってカバー18側に押し付けられるため、該チェーンケース28がカバー18にガタ無く確実に固定される。
【0027】
上述のようにチェーンケース28の前端部28Aが差し込まれてカバー18に固定されると、図1に示すように、チェーンステー21の後部に立設されたステー33にチェーンケース28の後端部をビス34によってネジ止めして固定すれば、チェーンケース28がカバー18とチェーンステー21に確実に固定される。
【0028】
以上のように、本実施の形態におけるチェーンケース28の固定構造においては、該チェーンケース28の前端部は差込構造によってカバー18に固定されるため、チェーンケース28を簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるとともに、このチェーンケース28の前端部28Aを車体フレームに固定するために従来要していたステーやビス等が不要となり、部品点数が削減されるとともに、ステーの溶接作業やチェーンケース28のビス止め作業の工数が削減される。
【0029】
又、差込構造によってチェーンケース28とカバー18との隙間が無くなるため、チェーン27を確実に保護することができるとともに、チェーンケース28とカバー18との合わせ部の外観性が高められる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1記載の発明によれば、チェーンケースの前端部は差込構造によってカバーに固定されるため、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるととも、ステーやビス等の部品点数及びステーの溶接作業やチェーンケースのビス止め作業の工数が削減される。又、差込構造によってチェーンケースとカバーとの隙間が無くなるため、チェーンを確実に保護することができるとともに、チェーンケースとカバーとの合わせ部の外観性が高められるという効果が得られる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、チェーンケースの前端部はカバーの上下及び前の3箇所に形成された差込部によって位置決めされて正確、且つ、確実に固定されるという効果が得られる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、カバーの差込部に差し込まれたチェーンケース部分(内折り部)がカバーの差込部に突設された突起によってカバー側に押し付けられるため、該チェーンケースがカバーにガタ無く確実に固定されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車の側面図である。
【図2】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車のカバーとチェーンケース部分の正面図である。
【図3】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車のチェーンケース前端部の破断側面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4のB部拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 電動補助自転車
13 補助動力ユニット
15 クランク軸
18 カバー
21 チェーンステー(車体フレーム)
24 後車軸
26 ドライブスプロケット
27 チェーン
28 チェーンケース
28A チェーンケース前端部
28a 内折り部
29〜31 差込部
29b〜31b 突起
31a−1 溝壁
32 溝
33 ステー
34 ビス
【発明の属する技術分野】
本発明は、補助動力ユニットを備える電動補助自転車のチェーンを覆うチェーンケースの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
人力による駆動力を電動モータによる補助動力によって補う電動補助自転車が提案され、既に実用に供されているが、この種の電動補助自転車に限らず一般の自転車においても、チェーンケースは車体フレームに固定された複数のステーにビス止めによって固定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、チェーンケースの従来の固定構造においては、ステーやビス等の部品点数が増えるとともに、ステーの車体フレームへの溶接作業やチェーンケースのステーへのビス止め作業の工数が増えるという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができ、部品点数と作業工数の削減を図ることができる電動補助自転車のチェーンケース固定構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、クランク軸近傍に補助動力ユニットを配置し、クランク軸に結着されたドライブスプロケットと後車軸に回転可能に支承されたホイールスプロケットとの間に巻装されたチェーンの少なくとも一部をチェーンケースによって覆う電動補助自転車において、前記チェーンケースの前端部周縁の少なくとも一部を内側に折り曲げて内折り部を形成するとともに、前記補助動力ユニットを覆うカバーの側端面に差込部を形成し、チェーンケースの前端部を、これに形成された前記内折り部をカバーの前記差込部に形成された溝に差し込んで固定するとともに、同チェーンケースの後端部を車体フレームに固定されたステーにビス止めすることによって固定することを特徴とする。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記カバーの差込部をカバーの前記ドライブスプロケットに対向する面の上下及び前側の3箇所に形成したことを特徴とする。
【0007】
更に、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記カバーの差込部の溝壁に突起を突設したことを特徴とする。
【0008】
従って、請求項1記載の発明によれば、チェーンケースの前端部は差込構造によってカバーに固定されるため、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるとともに、ステーやビス等の部品点数及びステーの溶接作業やチェーンケースのビス止め作業の工数が削減される。又、差込構造によってチェーンケースとカバーとの隙間が無くなるため、チェーンを確実に保護することができるとともに、チェーンケースとカバーとの合わせ部の外観性が高められる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、チェーンケースの前端部はカバーの上下及び前の3箇所に形成された差込部によって位置決めされて正確、且つ、確実に固定される。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、カバーの差込部に差し込まれたチェーンケース部分(内折り部)がカバーの差込部に突設された突起によってカバー側に押し付けられるため、該チェーンケースがカバーにガタ無く確実に固定される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車の側面図、図2は同電動補助自転車のカバーとチェーンケース部分の正面図、図3は同電動補助自転車のチェーンケース前端部の破断側面図、図4は図3のA−A線断面図、図5は図4のB部拡大詳細図である。
【0012】
先ず、図1に基づいて電動補助自転車1の概略構成を説明する。
【0013】
図1において、2は車体の前方上部に位置するヘッドパイプであり、該ヘッドパイプ2にはハンドルステム3が回動自在に挿通している。そして、ハンドルステム3の上端にはハンドル4が結着され、同ハンドルステム3の下端にはフロントフォーク5が結着されており、該フロントフォーク5の下端部には前輪6が回転自在に軸支されている。
【0014】
又、前記ヘッドパイプ2からはメインパイプ7が車体後方(図1の左方)に向かって斜め下方に延設されており、該メインパイプ7の後端にはラグ8によって左右一対のシートステー9がメインパイプ7と側面視で一直線を成すように連結されるとともに、シートチューブ10がメインパイプ7とシートステー9に対して直交するように後方に向かって斜め上方に傾斜して連結されている。そして、シートチューブ10内にはシートポスト11が上下動可能に嵌合保持されており、該シートポスト11の上端にはシート12が支持されている。
【0015】
ところで、車体の略中央下部であって、上記シートチューブ10の下端部後方には補助動力ユニット13が配されており、この補助動力ユニット13は金属製のブラケット14を介してシートチューブ10の下端部に固定されている。この補助動力ユニット13は人力による駆動系と電動モータによる駆動系を並設して構成され、これにはクランク軸15が回転自在に支承されており、該クランク軸15の左右両端にはクランク16が取り付けられ、各クランク16の端部にはペダル17が軸支されている。
【0016】
そして、上記補助動力ユニット13は樹脂製のカバー18によって覆われており、図2に示すように、このカバー13は左右に2分割された分割片18−1,18−2を接合一体化して構成され、その前面には矩形の開口部18aが形成されている。尚、図2において、13aは補助動力ユニット13のボスである。
【0017】
又、前記シートチューブ10上には逆U字状を成すバッテリボックス19が脱着可能に取り付けられている。尚、バッテリボックス19内にはシュリンクパックされた複数のDセル(単一電池)から成るバッテリ20が収納されている。
【0018】
一方、補助動力ユニット13からは左右一対のチェーンステー21が車体後方に向かって略水平に延設されており、該チェーンステー21の各後端部はブラケット22によって前記シートステー9の各後端部に連結されており、左右一対のブラケット22間には後輪23が後車軸24によって回転自在に軸支されている。そして、後車軸24の右端部(図1の手前側)であって、右側のブラケット20の内側には小径のホイールスプロケット25が不図示のワンウェイクラッチを介して回転可能に支持されており、該ホイールスプロケット25と前記クランク軸15の右側に結着された大径のドライブスプロケット26(図3及び図4参照)との間には無端状のチェーン27が巻装されている。
【0019】
而して、上記チェーン27の一部は金属製のチェーンケース28によって覆われているが、このチェーンケース28は本発明に係る固定構造によって前記カバー18とチェーンステー21に固定されている。
【0020】
即ち、チェーンケース28はその前端部28Aが前記ドライブスプロケット26の周囲を囲むように略円形に成形され、この前端部28Aからは幅の狭い細長部28Bが車体後方に向かってチェーンステー21の上方をこれに沿って一体に延設されている。そして、このチェーンケース28の下端縁を除く部分(つまり、前端部28Aの前半部の半円状部分の外周縁とこれに連なる細長部28Bの上端縁)には、内側へ略直角に折り曲げられた内折り部28aが形成されている。
【0021】
又、チェーンケース28の前端部28Aの中央部には、図3及び図4に示すように、内側に向かって凹状を成す円錐状部28bが形成されており、この円錐状部28bの中央にはクランク軸15が貫通するための円孔28cが形成されている。
【0022】
他方、樹脂製の前記カバー18のチェーンケース28に対向する右側端面には、図4に示すように、クランク軸15が貫通するための円孔18bが開口しており、この円孔18bの周囲の上下及び前側の3箇所には差込部29,30,31が一体に形成されている。
【0023】
ここで、前側の差込部31の構成の詳細を図5に示すが、この差込部31においては、側面視円弧状で逆L字状断面を有する突片31aがカバー本体18Aから外側方に向かって一体に突設されており、該突片31aとカバー本体18Aとの間には、上下方向に貫通する溝32が形成されており、この溝32は前方に向かって開口している。そして、突片31aの溝壁(溝32の一部を形成する壁)31a−1には3つの球面状突起31b(図3参照)が上下方向に適当な間隔で内側に向かって一体に突設されており、カバー本体18Aの突起31bに対向する部分には孔18cが形成されている。
【0024】
尚、図3に示すように、上下の差込部29,30にも突片29a,30aがそれぞれカバー本体18Aから外側方に向かって一体に突設されており、これらの突片29a,30aとカバー本体18Aとの間には前後方向に貫通する不図示の溝が形成されており、上側の突片29a側に形成された溝は上方に向かって開口し、下側の突片31a側に形成された溝は下方に向かって開口している。そして、上側の突片29aの溝壁には2つの球形状突起29aが突設され、下側の突片30aの溝壁には1つの球形状突起30bが突設されている。
【0025】
而して、チェーンケース28は次の要領で固定される。
【0026】
即ち、クランク軸15にチェーンケース28の前端部28Aに形成された前記円孔28cを通して該チェーンケース28を円孔28cの縁がクランク軸15に当接するまで前側に引き出し、その内折り部28aを前側と上下側の差込部29,30,31の溝に差し込む。そして、その状態のままチェーンケース28をその内折り部28aが前側の差込部31に当接するまで車体後方に引く。すると、図3及び図4に示すように、チェーンケース28の前端部28Aが上下及び前側の3箇所の差込部29,30,31に差し込まれて正確に位置決めされて固定されるが、このとき、差込部29〜30に差し込まれたチェーンケース28の内折り部28aが差込部29〜31の突片29a〜31aに突設された各突起29b〜31bによってカバー18側に押し付けられるため、該チェーンケース28がカバー18にガタ無く確実に固定される。
【0027】
上述のようにチェーンケース28の前端部28Aが差し込まれてカバー18に固定されると、図1に示すように、チェーンステー21の後部に立設されたステー33にチェーンケース28の後端部をビス34によってネジ止めして固定すれば、チェーンケース28がカバー18とチェーンステー21に確実に固定される。
【0028】
以上のように、本実施の形態におけるチェーンケース28の固定構造においては、該チェーンケース28の前端部は差込構造によってカバー18に固定されるため、チェーンケース28を簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるとともに、このチェーンケース28の前端部28Aを車体フレームに固定するために従来要していたステーやビス等が不要となり、部品点数が削減されるとともに、ステーの溶接作業やチェーンケース28のビス止め作業の工数が削減される。
【0029】
又、差込構造によってチェーンケース28とカバー18との隙間が無くなるため、チェーン27を確実に保護することができるとともに、チェーンケース28とカバー18との合わせ部の外観性が高められる。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1記載の発明によれば、チェーンケースの前端部は差込構造によってカバーに固定されるため、チェーンケースを簡単な構造で容易、且つ、確実に固定することができるととも、ステーやビス等の部品点数及びステーの溶接作業やチェーンケースのビス止め作業の工数が削減される。又、差込構造によってチェーンケースとカバーとの隙間が無くなるため、チェーンを確実に保護することができるとともに、チェーンケースとカバーとの合わせ部の外観性が高められるという効果が得られる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、チェーンケースの前端部はカバーの上下及び前の3箇所に形成された差込部によって位置決めされて正確、且つ、確実に固定されるという効果が得られる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、カバーの差込部に差し込まれたチェーンケース部分(内折り部)がカバーの差込部に突設された突起によってカバー側に押し付けられるため、該チェーンケースがカバーにガタ無く確実に固定されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車の側面図である。
【図2】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車のカバーとチェーンケース部分の正面図である。
【図3】本発明に係るチェーンケース固定構造を備える電動補助自転車のチェーンケース前端部の破断側面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図4のB部拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 電動補助自転車
13 補助動力ユニット
15 クランク軸
18 カバー
21 チェーンステー(車体フレーム)
24 後車軸
26 ドライブスプロケット
27 チェーン
28 チェーンケース
28A チェーンケース前端部
28a 内折り部
29〜31 差込部
29b〜31b 突起
31a−1 溝壁
32 溝
33 ステー
34 ビス
Claims (3)
- クランク軸近傍に補助動力ユニットを配置し、クランク軸に結着されたドライブスプロケットと後車軸に回転可能に支承されたホイールスプロケットとの間に巻装されたチェーンの少なくとも一部をチェーンケースによって覆う電動補助自転車において、
前記チェーンケースの前端部周縁の少なくとも一部を内側に折り曲げて内折り部を形成するとともに、前記補助動力ユニットを覆うカバーの側端面に差込部を形成し、チェーンケースの前端部を、これに形成された前記内折り部をカバーの前記差込部に形成された溝に差し込んで固定するとともに、同チェーンケースの後端部を車体フレームに固定されたステーにビス止めすることによって固定することを特徴とする電動補助自転車のチェーンケース固定構造。 - 前記カバーの差込部は、カバーの前記ドライブスプロケットに対向する面の上下及び前側の3箇所に形成されることを特徴とする請求項1記載の電動補助自転車のチェーンケース固定構造。
- 前記カバーの差込部の溝壁に突起を突設したことを特徴とする請求項1又は2記載の電動補助自転車のチェーンケース固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29900196A JP3652034B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 電動補助自転車のチェーンケース固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29900196A JP3652034B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | 電動補助自転車のチェーンケース固定構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10138974A JPH10138974A (ja) | 1998-05-26 |
JP3652034B2 true JP3652034B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=17866958
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1996
- 1996-11-11 JP JP29900196A patent/JP3652034B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10138974A (ja) | 1998-05-26 |
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