JP3651334B2 - 記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばディジタルVTR等のように、映像信号や音声信号等のデータを記録または再生する記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新しい放送方式として、HDTV(高精細度TV:high definition television)方式が開発されており、米国においては、既にDTV放送として放送が開始されている。
【0003】
DTV放送は、映像信号をISO/IEC13818規格として開示されているMPEG(Moving Picture Experts Group)2方式で符号化し、高能率符号化された多チャンネルの音声信号とともにディジタル放送として放送するものである。ディジタル放送では、映像信号を圧縮符号化しており、少ない周波数帯域で多くのチャンネルを伝送することができ、高画質化や多チャンネル化が可能となった。
【0004】
このような状況のなかで、HDTV方式に対応した取材用機器やスタジオ用機器等も多数開発されている。しかしながら、HDTV方式に対応した取材用機器やスタジオ用機器等は高価であるため、新たにHDTV放送用素材を一から作り直すことは、コストや時間の面からも極めて困難である。そこで、映画のフィルムをTV用に変換して放送用素材が作られている。例えば、米国のDTV放送においては、映画素材をもとに作成した素材を放送することが一般的となっている。
【0005】
素材に映画のフィルムを用いた場合、映画フィルムは、1秒間のコマ数が24枚、すなわちフレーム周波数が24Hzの順次走査信号(以下、24p信号と称する)であるので、一般的なフレーム周波数30HzのTV信号を扱うVTRに記録するためには、フレーム周波数の変換が必要となる。映画をTV信号に変換することは、一般的にはテレシネ変換と呼ばれている。テレシネ変換は、映画フィルムの1コマから、時系列の順に2フィールド、3フィールド、2フィールド、3フィールドのフィールド画像を作成することを繰り返すことにより、フレーム周波数を変換する。
【0006】
しかしながら、テレシネ変換された信号を従来のVTRで記録した場合には、同じフィールド画像の繰り返しが存在するため、編集に制限が生じる。すなわち、編集点を元のフィルムのコマの切れ目と一致させる必要があるため、映画素材をそのまま、すなわちフレーム周波数24HzでVTRに記録することが望まれていた。
【0007】
以上説明した24p信号を記録するVTRの一例として、HDTV信号を圧縮符号化し、SMPTE(Society of Motion Picture and Television Engineers)279M規格で開示されているD5方式のVTRに記録再生する、いわゆるHD−D5方式のVTRを用いて24p信号を記録する方法について説明する。
【0008】
図11は、フレーム周波数30Hz(フィールド周波数60Hz)の映像信号を記録再生するHD−D5方式のVTRを利用して、24p信号を記録再生するための信号処理部の構成の一例を示したブロック図である。
【0009】
図11において、入力端子1040には、走査線数1125本、有効走査線数1080本、フィールド周波数60Hzの飛び越し走査方式の映像信号(以下、60i信号と称する)、あるいは走査線数1125本、有効走査線数1080本、フレーム周波数24Hzの順次走査方式の映像信号(24p信号)が入力される。
【0010】
また、入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、同じくディジタル音声信号のチャンネル3とチャンネル4の音声信号が入力される。ここで、音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は20ビットである。
【0011】
初めに、入力端子1040に、走査線数1125本、有効走査線数1080本、フィールド周波数60Hzの飛び越し走査方式の映像信号(60i信号)が入力された場合について説明する。60i信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数は、30Hzとなる。
【0012】
入力端子1040には、60i信号が入力され、入力処理手段1005で、入力から映像データが取り出される。圧縮符号化手段1007においてフィールド単位でDCT(Discrete Cosine Transform)を用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。映像符号化データは、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、多重化手段1009に送られる。外符号は、リードソロモン符号RS(128,120)符号であり、120バイトの映像データに対し8バイトの外符号パリティが付加される。
【0013】
次に、音声信号の処理方法について説明する。
【0014】
図11において、入力端子1030,1031からのディジタル音声信号は、それぞれ入力処理手段1000,1001に入力される。入力処理手段1000,1001において、記録すべき20ビットの音声データが取り出される。取り出された音声データは、サンプリング周波数変換手段1002をそのまま通過する。
【0015】
次に、サンプリング周波数変換手段1002を通過した音声データは、シャフリング手段1003において、それぞれのチャンネル毎で、フィールド内でサンプルの順番を入れ替えるいわゆるシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段1004において外符号パリティが付加され、多重化手段1009に送られる。
【0016】
図12は、音声1チャンネル、1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図12において縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図12において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。外符号はリードソロモン符号RS(16,8)であり、図12に示すように音声データ8バイト分に対し8バイトの外符号パリティが付加される(1バイトは8ビットで構成される)。音声サンプルは、1サンプルが20ビットなので1サンプル当たり2.5バイトが必要であり、図12に示すように1チャンネル、1フィールド当たりで記録可能な音声サンプル数は、85/2.5×3×8=816(サンプル)となる。
【0017】
一方、映像信号のフレーム周波数が30Hz(フィールド周波数が60Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりの音声サンプル数は、48000/60=800(サンプル)となる。すなわち、上記で示したように1チャンネル1フィールド当たりで記録可能な音声サンプル数は、800サンプルを超えているため、テープ上に、入力された音声データを全て記録することが可能である。
【0018】
次に、記録信号を記録媒体である磁気テープに記録するヘッド(磁気ヘッド)を搭載し、これを回転させて磁気テープに記録させるためのドラム構成を図13に示す。図13に示すように、8A,8B,8C,8Dの4個の記録ヘッドを一組として、180度対向した位置に同様に8E,8F,8G,8Hの4個のペア記録ヘッドが取り付けられている。隣り合うヘッド同士には、アジマス角が付けられており、例えば、8Aと8Cおよび8Bと8Dに同一アジマス角、8Aと8Bおよび8Cと8Dに異なるアジマス角が付けられている。また、記録ヘッドと90度ずれた位置に、同じく4個を一組とした再生ヘッドが2組180度対向する位置に取り付けられている。図13のヘッド構成で、4個の記録ヘッドを用いて同時にテープ上に記録を行う。ドラムが180度回転すると4本のトラックがテープ上に形成され、ドラムが180度回転して記録された4本のトラックをセグメントと呼ぶ。1フィールド期間(1/60秒)に、ドラムが540度回転するため、1フィールド期間は3セグメントに分割される。
【0019】
図14にテープ上のトラックパターンを示す。トラックA,B,C,Dは、それぞれ、図13の記録ヘッド8A〜8Dによって記録されたものである。また、記録ヘッド毎にヘッドのチャンネル番号を付加し、1個のセグメントは、CH0からCH3の4チャンネルに分割され、1フィールド期間は4チャンネル3セグメント、合計12トラックに分割されてテープ上に記録される。
【0020】
次に、多重化手段1009では、外符号付加手段1004からの音声データ1032と、外符号付加手段1008からの映像データ1033とを多重化する。多重化された映像データと音声データは、それぞれ記録されるヘッドのチャンネル毎に分割され、ID付加手段1010においてID番号を付加される。ID番号は、同期信号を付加した記録再生時の最小単位である同期ブロック毎に付加され、同期ブロックの種類や順番を識別するために付加されている。
【0021】
テープ上のトラック内のフォーマットを図15に示す。1本のトラックは、2個のビデオセクタ(ビデオセクタ1,2)と、4個のオーディオセクタ(オーディオセクタ1〜4)に分割される。ビデオセクタは、それぞれ256個の同期ブロックで構成され、また、オーディオセクタは、それぞれ4個の同期ブロックで構成される。ビデオセクタとオーディオセクタの間および各オーディオセクタ間には、セクタ単位で記録を行う場合、隣のセクタを消去することのないようエディットギャップが設けられている。また、図15のオーディオセクタに示したA1,A2,A3,A4の記号は、それぞれ、チャンネル1、チャンネル2、チャンネル3、チャンネル4の音声信号を示しており、例えば、A1で示されたオーディオセクタには、チャンネル1の音声だけが記録される。つまり、音声信号はそれぞれのチャンネル毎に独立して、テープ上のオーディオセクタに記録される。
【0022】
ID番号の定義を図16に示す。図16に示すように、ID番号は、8ビットのID0と8ビットID1の計2バイトで構成される。ID0は、9ビットのブロック番号(B0〜B8)のうち、下位8ビット(B0〜B7)で構成される。ブロック番号は同期ブロック毎に付加されており、図17にブロック番号の詳細を示す。ブロック番号は、同期を確立するために設けられたプリアンブル部(Pre0,Pre1)、ポストアンブル部(Post)を除いて、ビデオセクタでは、000hから0FFh、オーディオセクタでは、180hから183h、1C0hから1C3hである。上記の数値に続くhの記号は、その数値が16進数であることを示し、以下の文章においても同じ表現を用いる。図16に示すID1は、ビデオセクタとオーディオセクタで定義を一部変えている。ビデオセクタでは、ID1は、LSB側から、ブロック番号のMSB(B8)、セグメント番号(S0,S1)、トラック番号のMSB(C)、フィールド番号(F0,F1)、セクタ番号(SC)となる。
【0023】
セグメント番号は、セグメントを判別するためのもので、0から2の3つ値をとる。トラック番号のMSBは、トラックのチャンネルを判別するためのもので、CH0,CH1のトラックでは0、CH2,CH3のトラックで1となる。フィールド番号は、入力信号のフィールド番号を表しており、0から3までの4つ値となる。セクタ番号は、セクタ同士を判別するためのもので、0または1の値となる。
【0024】
一方、オーディオセクタでは、ID1は、LSB側から、ブロック番号のMSB(B8)、セグメント番号(S0,S1)、トラック番号のMSB(C)、フィールド番号(F0,F1)、サンプル数フラグ(F2)、セクタ番号(SC)となる。サンプル数フラグは、音声信号の5フィールドシーケンスを識別するために設けており、1フィールド期間の音声サンプル数が、801サンプルであるか800サンプルであるかを示している。ブロック番号のMSB、セグメント番号、トラック番号のMSB、フィールド番号、セクタ番号の定義は、ビデオセクタと同じである。
【0025】
また、図17において、同一のブロック番号が付加された同期ブロックは、セクタ番号で識別する。
【0026】
次に、ID付加手段1010の出力に、内符号付加手段1011において内符号パリティを付加し内符号ブロックを構成する。
【0027】
図18は、内符号ブロックを含む同期ブロックの構成を示しており、同期ブロックは同期信号(SYNC)と内符号ブロック(ID0,ID1,DATA,PARITY)から構成される。内符号はリードソロモン符号RS(95,87)であり、内符号ブロックは、2バイトのID部と85バイトのデータ部と、それらに対して付加された8バイトの内符号パリティから構成される。
【0028】
次に、同期信号付加手段1012において、内符号ブロックに対して2バイトの同期信号を先頭に付加し、図18に示すような同期ブロックを構成する。同期信号付加手段1012の出力は、変調手段1013において8−14変調され、記録信号1034がテープ上に記録される。
【0029】
一方、テープから再生された再生信号1035は、復調手段1014において、変調手段1013とは逆の処理、すなわち8−14復調され、同期信号検出手段1015において同期信号を検出し、同期確立が図られる。
【0030】
そして、内符号誤り訂正手段1016において、内符号ブロック単位で誤り訂正が行われ、ID検出手段1017において、ID番号が検出される。そして、分離手段1018において、映像データ1037と音声データ1036とに分離される。分離された映像データ1037は、外符号誤り訂正手段1024において誤り訂正が行われる。誤り訂正された映像データは、圧縮復号化手段1025において圧縮復号化され、もとの60i信号が復元される。そして、出力処理手段1027において映像同期信号の付加等が行われてHDTV信号となり、出力端子1041より出力される。圧縮復号化手段1025においては、圧縮符号化手段1007と逆の処理が行われる。
【0031】
一方、分離された音声データ1036は、それぞれの音声チャンネル毎に、外符号誤り訂正手段1019において誤り訂正が行われる。誤り訂正後の音声データは、デシャフリング手段1020において、チャンネル毎にシャフリングされたデータをもとの順番に戻すデシャフリング処理が行われる。デシャフリングされた音声データは、サンプリング周波数逆変換手段1021をそのまま通過し、2チャンネルずつにまとめて、出力処理手段1022、1023において、AES/EBUで規定されたシリアルディジタル信号に変換され、出力端子1038,1039より出力される。
【0032】
次に、入力端子1040に、走査線数1125本、有効走査線数1080本、フレーム周波数24Hzの順次走査方式の映像信号(24p信号)が入力された場合について説明する。
【0033】
フレーム周波数24Hzの映像信号を記録する場合は、信号処理部全体の等価的な周波数を、フレーム周波数30Hz(フィールド周波数60Hz)の映像信号を記録する場合に比べて24/30に落として記録を行い、VTRの動作するフレーム周波数が24Hzとなる
入力端子1040には、映画素材から作成された走査線数1125本、有効走査線数1080本、フレーム周波数24Hzの順次走査方式の映像信号(24p信号)が入力される。
【0034】
入力処理手段1005で、入力から映像データが取り出される。圧縮符号化手段1007において24p信号の読み出し順序を変えて擬似的な飛び越し走査信号に変換した後、フィールド単位でDCT(Discrete Cosine Transform)を用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。映像符号化データは、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、多重化手段1009に送られる。外符号は、リードソロモン符号RS(128,120)符号であり、120バイトの映像データにつき8バイトの外符号パリティが付加される。映像データのデータ量は、60i信号を記録する場合と、24p信号を記録する場合で、1フィールド当たりのデータ量は全く同一となる。従って、全く同一のブロック構成を用いて、等価的な動作周波数を、60i信号の場合と比べて、24/30倍とすることで24p信号を記録することができる。
【0035】
次に、24p信号を記録する場合の音声信号の処理方法について説明する。
【0036】
図11において、入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、チャンネル3およびチャンネル4のディジタル音声信号が入力される。音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は20ビットである。
【0037】
入力処理手段1000,1001において、記録すべき音声データが取り出される。取り出された音声データは、サンプリング周波数変換手段1002において、サンプリング周波数が変換される。
【0038】
次に、サンプリング周波数の変換について詳しく説明する。
【0039】
映像信号のフレーム周波数が30Hzの場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フレーム当たりの音声サンプル数は、48000/30=1600(サンプル)となるが、フレーム周波数が24Hzの場合、1チャンネル1フレーム当たりの音声サンプル数は、48000/24=2000(サンプル)となり、フレーム当たりのサンプル数が異なるため、このままでは記録ができない。
【0040】
そこで、ディジタルフィルタを用いて音声のサンプリング周波数を、48000×24/30=38400(Hz)に変換する。サンプリング周波数38.4kHzに変換された音声信号の1チャンネル1フレーム当たりの音声サンプル数は、38400/24=1600(サンプル)となり、フレーム周波数30Hzの場合と同一となり、以降同一の信号処理方式を用いてテープ上に記録することが可能となる。
【0041】
以上の理由により、サンプリング周波数変換手段1002において、サンプリング周波数が48kHzから38.4kHzに変換される。
【0042】
次に、サンプリング周波数が変換された音声データは、シャフリング手段1003において、シャフリングが行われる。シャフリング方法は、60i信号の場合と異なっていてもよいが、60i信号の場合と同一にすれば回路構成が簡単となる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段1004において外符号パリティが付加され、多重化手段1009に送られる。外符号付加手段1004の動作は60i信号の場合と同一で、図12に外符号の構成を示す。図12は音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図12において縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図12において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。外符号はリードソロモン符号、RS(16,8)であり、図12に示すように音声データ8バイト分につき8バイトの外符号パリティが付加される。音声サンプルは、1サンプルが20ビットなので1サンプル当たり2.5バイトが必要であり、図12に示すように1チャンネル1フィールド当たりで記録可能な音声サンプル数は、85/2.5×3×8=816(サンプル)となる。一方、サンプリング周波数が38.4kHzに変換された音声データの1チャンネル1フィールド当たりの音声サンプル数は、38400/48=800(サンプル)である。従って、記録可能な音声サンプル数が800サンプル以上となり、十分な記録容量が確保されている。
【0043】
多重化手段1009以降の処理は、60i信号が入力された場合と全く同一であるが、それぞれのブロックの等価的な動作周波数が、24/30倍されている。また、60i信号の場合と24p信号の場合で、1フィールド当たりのデータ量が全く等しいため、ID付加手段1010で付加するID番号も全く同一となる。また、記録信号1034の周波数も60i信号の場合に比べて24/30倍されているが、ドラム回転数も24/30倍とすることでテープ上に記録されるトラックのトラック幅やトラックの傾き等は全く同一となる。
【0044】
また、再生側の処理も60i信号の場合とほぼ同一であるが、音声データはサンプリング周波数逆変換手段1021で、サンプリング周波数が、38.4kHzから48kHzに変換され、出力端子1038,1039から出力される。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、音声のサンプリング周波数を変換するためにディジタルフィルタを使用する。そのため、ディジタルフィルタのタップ数やビット数の制限によって、変換後の音質が劣化するという問題点があった。また、サンプリング周波数が下がるため、元々の音声の周波数帯域を制限しなければ折り返し歪みが発生するため、入力する音声の周波数帯域を制限する必要が生じてしまうという問題点があった。
【0046】
本発明は、上記問題点を解決するもので、従来の構成のVTRの大部分をそのまま利用しながら音声信号の音質を劣化させずに、24p信号等のフレーム周波数の異なる映像信号を音声信号とともに記録再生できるVTRを提供することを目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フレーム周波数が異なる複数の映像信号を記録する装置であって、映像信号の1フィールドまたは1フレーム当たりに記録する音声信号のデータ量の差を、付加する積符号の外符号のパリティ数を変えることで吸収し、1フィールドまたは1フレーム当たりの音声信号の総データ量を同一とし、フレーム周波数に依らず記録媒体上の同一サイズの記録エリアに音声記録データを記録するものである。
【0048】
これにより、映像信号のフレーム周波数が変わっても、音声信号のサンプリング周波数を変換することなく、映像信号と音声信号とを記録することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、第1の動作モードとして第1の映像信号と第1の音声信号とを、第2の動作モードとして前記第1の映像信号よりフレーム周波数が低い第2の映像信号と前記第1の音声信号と単位時間当たりのデータ量がほぼ同一の第2の音声信号とを、動作モードにより選択的に記録する装置であって、動作モードに応じて、前記第1の映像信号または前記第2の映像信号を入力し、入力された映像信号とフレーム周波数が同一の映像記録データを得る映像処理手段と、動作モードに応じて、前記第1の音声信号または前記第2の音声信号を入力し、対応する第1または第2の映像信号の1フィールドまたは1フレーム期間内に入力される音声信号に外符号と内符号から構成される積符号を付加して音声記録データを得る音声処理手段と、前記映像記録データと前記音声記録データとを、記録媒体にディジタル記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、第2の動作モードにおいて、前記音声処理手段で音声信号に付加される外符号のパリティ数を、第1の動作モードの場合より少なくし、動作モードに関わらず音声記録データを前記記録媒体の同一サイズの記録エリアに記録することを特徴とするものである。
【0050】
また、本発明の第2の発明は、第1の動作モードとして第1の映像信号と第1の音声信号とを、第2の動作モードとして前記第1の映像信号よりフレーム周波数が低い第2の映像信号と前記第1の音声信号と単位時間当たりのデータ量がほぼ同一の第2の音声信号とを、動作モードにより選択的に記録する装置であって、動作モードに応じて、前記第1の映像信号または前記第2の映像信号を入力し、入力された映像信号とフレーム周波数が同一の映像記録データを得る映像処理手段と、動作モードに応じて、前記第1の音声信号または前記第2の音声信号を入力し、対応する第1または第2の映像信号の1フィールドまたは1フレーム期間内に入力される音声信号に外符号と内符号から構成される積符号を付加して音声記録データを得る音声処理手段と、前記映像記録データと前記音声記録データとを、記録媒体にディジタル記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、1フィールドまたは1フレーム期間当たりの音声記録データのデータ量が、第1の動作モード時と第2の動作モード時とで同じになるように、第1の動作モード時は音声記録データにダミーデータを付加し、動作モードに関わらず音声記録データを前記記録媒体の同一サイズの記録エリアに記録することを特徴とするものである。
【0051】
また、本発明の第3の発明は、第1の映像データと第1の音声データとを記録媒体にディジタル記録する第1の記録フォーマットをもとに、さらに音声拡張データを記録可能とした第2の記録フォーマットで記録する、または前記第1の映像データよりフレーム周波数が低い第2の映像データと第2の音声データとを記録可能とした第3の記録フォーマットで記録する装置であって、前記第1の記録フォーマットは、前記第1の映像データと前記第1の音声データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、前記第2の記録フォーマットは、前記第1の映像データと前記第1の音声データと前記音声拡張データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、前記第3の記録フォーマットは、前記第2の映像データと前記第2の音声データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、前記第1の映像データを入力し、前記第1または第2の記録フォーマットのデータ形式の第1の映像記録データを得る、または前記第2の映像データを入力し、前記第3の記録フォーマットのデータ形式の第2の映像記録データを得る映像処理手段と、前記第1の音声データを入力し、前記第1の記録フォーマットのデータ形式の第1の音声記録データを得る第1の音声処理手段と、前記音声拡張データを入力し、前記第2の記録フォーマットのデータ形式の第2の音声記録データを得る第2の音声処理手段と、前記第2の音声データを入力し、前記第3の記録フォーマットのデータ形式の第3の音声記録データを得る第3の音声処理手段と、前記第1の映像記録データと前記第1、2の音声記録データとを、または前記第2の映像記録データと前記第3の音声記録データとを記録媒体に記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、第1の音声記録データと第2の音声記録データとにダミーデータを追加し、記録媒体上に記録されるデータ量を第3の音声記録データと同一とすることを特徴とするものである。
【0052】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0053】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0054】
図1は、走査線数1125本、有効走査線数1080本、フレーム周波数24Hzの順次走査方式の映像信号(24p信号)、または走査線数1125本、有効走査線数1080本、フィールド周波数60Hzの飛び越し走査方式の映像信号(60i信号)を、4チャンネル分の音声信号とともに記録再生を行うディジタルVTRの構成を一例として示したブロック図である。
【0055】
また、ドラム上のヘッド配置は、図13と同一、テープ上のトラックパターンも図14と同一で、1フィールド期間は4チャンネル3セグメント、合計12トラックで構成される。
【0056】
本発明は、24p信号を記録再生する場合と、60i信号を記録再生する場合で、映像データ1フィールド当たりの音声サンプル数が異なるが、これを音声データに付加する外符号パリティ数を変化させて1フィールド当たりの音声サンプル数の差を吸収し、1フィールド当たりの音声記録データの総量を同一とすることで、記録媒体上の同一サイズの記録エリアに音声記録データを記録できるようにしたものである。
【0057】
以下、図1を用いて詳細に説明する。なお、図1において、図11で示した従来例と同一の符号を付加したものは、従来例と同一の動作を行うものであるとする。
【0058】
まず、入力端子1040に、24p信号が入力された場合について、以下で説明する。24p信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数が24Hzとなる。
【0059】
入力処理手段1005で、入力から映像信号データが取り出される。次に、圧縮符号化手段1007において24p信号の読み出し順序を変えて擬似的な飛び越し走査信号に変換した後、フィールド単位でDCT(Discrete Cosine Transform)を用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。
【0060】
映像符号化データは、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、外符号が付加された映像データ6は、多重化手段1009に送られる。
【0061】
次に音声信号の処理について説明する。図1において、入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、同じくチャンネル3およびチャンネル4のディジタル音声信号が入力される。音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は20ビットである。
【0062】
入力処理手段1000,1001において、各々記録すべき音声データが取り出され、シャフリング手段1において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段2において外符号パリティが付加される。図2は、音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図2において、縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図2において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。図2に示すように外符号はRS(16,10)であり、音声データ10バイトにつき6バイトの外符号パリティが付加される。
【0063】
図2に示すように1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり2.5バイトが必要であるため、85/2.5×3×10=1020(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が24Hz(フィールド周波数が48Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/48=1000(サンプル)であるため、十分な記録容量が確保されている。
【0064】
次に、多重化手段1009において、音声データ5と映像データ6を多重化する。多重化された映像データと音声データは、それぞれ記録されるヘッドに対応するチャンネル毎に分割され、ID付加手段1010においてID番号が付加される。
【0065】
次に、ID付加手段1010の出力には、内符号付加手段1011において内符号パリティが付加される。内符号ブロックの構成は図18に示したものと同一であり、2バイトのID部と85バイトのデータ部に対し、8バイトの内符号パリティが付加される。内符号パリティを付加した後、同期信号付加手段1012において、2バイトの同期信号を先頭に付加し、図18に示すような、同期ブロックを構成する。同期信号付加手段1012の出力は、変調手段1013において8−14変調され、記録信号7がテープ上に記録される。
【0066】
テープ上には、図15と同一のフォーマットで、2個のビデオセクタと、4個のオーディオセクタが構成される。
【0067】
次に、入力端子1040に、走査線数1125本、有効走査線数1080本、フィールド周波数60Hzの飛び越し走査方式の映像信号(60i信号)が入力された場合について以下で説明する。60i信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数は30Hzとなる。
【0068】
入力処理手段1005で、入力から映像信号データが取り出され、圧縮符号化手段1007において、フィールド単位でDCTを用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。映像符号化データは、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、多重化手段1009に送られる。圧縮符号化手段1007および外符号付加手段1008の動作は、24p信号が入力された場合と全く同じであるが、等価的な動作周波数が24p信号の場合と比較して30/24倍されている。
【0069】
次に、60i信号が入力された場合の音声信号の処理について説明する。
【0070】
入力端子1030、入力端子1031には、サンプリング周波数が48kHz、ビット数が20ビットであるAES/EBUで規定されたディジタル音声信号が入力される。入力処理手段1000,1001において記録すべき音声データが取り出され、シャフリング手段1において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎で外符号付加手段2において外符号が付加される。60i信号の場合、シャフリング手段1および外符号付加手段2の動作方法は24p信号の場合と異なり、動作モードを切り替えて処理を行う。図2は音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。外符号は、図2で示すRS(16,8)であり、音声データ8バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0071】
図2に示すように1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり2.5バイトが必要であるため、85/2.5×3×8=816(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が30Hz(フィールド周波数が60Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/60=800(サンプル)であるので、十分な記録容量が確保されている。
【0072】
多重化手段1009以降の処理は、24p信号が入力された場合と全く同一であるが、それぞれのブロックの等価的な動作周波数が、30/24倍されている。
【0073】
記録信号7の周波数も24p信号の場合に比べて30/24倍されているが、ドラム回転数も30/24倍とすることでテープ上に記録されるトラックのトラック幅やトラックの傾き等は全く同一となる。
【0074】
以上のように、本実施の形態においては、24p信号を記録する場合と、60i信号を記録する場合において、音声データに付加する外符号パリティ数を変えることで、外符号長を等しくし、音声記録データ量を同一としている。そうすることで、フレーム周波数が異なる映像信号を記録する場合において、音声信号のサンプリング周波数やビット数を保ったまま、音声データを記録テープ上の全く同一サイズの記録エリア上に記録することが可能となった。すなわち、音声信号のサンプリング周波数を変換しないため音質劣化は発生しない。
【0075】
また、1フィールド当たりに記録する音声データのデータ量が同一であるため、多重化手段1009以降、変調手段1013までをすべて共用化できコストダウンが可能となる。
【0076】
なお、本実施の形態では、60i信号を記録再生する場合が第1の動作モードに相当し、24p信号を記録再生する場合が第2の動作モードに相当する。
【0077】
また、本実施の形態における入力処理手段1005、圧縮符号化手段1007、外符号付加手段1008によって映像処理手段が構成され、また、入力処理手段1000、入力処理手段1001、シャフリング手段1、外符号付加手段2によって音声処理手段が構成される。また、多重化手段1009、ID付加手段1010、内符号付加手段1011、同期信号付加手段1012、変調手段1013によって記録処理手段が構成される。
【0078】
なお、本実施の形態においては、映像信号とともに音声信号を記録するとしたが、音声信号に限定するものではなく、例えば記録されている信号の属性等を表すメタデータ(meta data)を記録してもよい。
【0079】
また、本実施の形態においては、フレーム周波数24Hzの映像信号とフィールド周波数60Hzの信号を選択して記録するものとしたが、この組み合わせに限定するものではなく、例えば、フィールド周波数50Hzとフィールド周波数60Hzの映像信号を選択して記録するものであってもよい。フィールド周波数が50Hzの場合でも、音声データの外符号をRS(16,10)とすることで、十分な記録領域が確保される。
【0080】
また、本実施の形態においては、シャフリング手段1と外符号付加手段2の動作モードを24p信号の場合と60i信号の場合で切り替えるとしたが、入力信号の種類別に専用のシャフリング手段と外符号付加手段を持ってもよい。
【0081】
また、多重化手段1009の位置も本構成に限定されるものではなく、外符号付加手段2、外符号付加手段1008等と共用化してもよい。
【0082】
また、24p信号を記録する場合、音声データに付加する外符号パリティ数が減少し誤り訂正能力が若干低下するが、もともと内符号を付加し積符号を構成しており、十分な訂正能力を持っているため、この程度の能力低下では全く問題は生じない。
【0083】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2による記録再生装置の構成を示すブロック図である。図3は、24p信号または60i信号を、4チャンネル分の音声信号とともに記録再生を行うディジタルVTRの構成を一例として示したブロック図である。また、ドラム上のヘッド配置、テープ上のトラックパターン等は実施の形態1と同一とする。
【0084】
本実施の形態は、24p信号を記録再生する場合と、60i信号を記録再生する場合で、映像データ1フィールド当たりの音声サンプル数が異なるが、これを音声データに付加する外符号パリティ数を同一とした上で、ダミーデータを付加することで1フィールド当たりの音声サンプル数の差を吸収し、1フィールド当たりの音声記録データの総量を同一とし、記録媒体上の同一サイズの記録エリアに音声記録データを記録できるようにしたものである。
【0085】
以下、図3を用いて詳細に説明する。図3において、図11で示した従来例と同一の符号を付加したブロックは、従来例と同一の動作を行うものであり、また図1で示した実施の形態1と同一の符号を付加したブロックは、実施の形態1と同一の動作を行うものであるので、詳細な説明は省略する。
【0086】
まず、入力端子1040に24p信号が入力された場合について以下で説明する。24p信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数が24Hzとなる。映像信号の処理は、実施の形態1と同一なのでここでは省略し、音声信号の処理について説明する。
【0087】
図3において、入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、同じくチャンネル3およびチャンネル4のディジタル音声信号が入力される。音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は20ビットである。
【0088】
入力処理手段1000、1001において、記録すべき音声データが取り出され、シャフリング手段10において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段11において外符号パリティが付加される。図4は音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図4において縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図4において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。図4に示すように外符号はRS(18,10)であり、音声データ10バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0089】
図4に示すように1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり2.5バイトが必要であるため、85/2.5×3×10=1020(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が24Hz(フィールド周波数が48Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/48=1000(サンプル)であるため、十分な記録容量が確保されている。
【0090】
次に、多重化手段1009において、音声データ15と映像データ6とを多重化する。
【0091】
多重化された映像データと音声データとは、それぞれ記録されるヘッドに対応するチャンネル毎に分割され、ID付加手段13においてID番号が付加される。ID番号は、実施の形態1と比較して同期ブロックの数が増加しているため、実施の形態1とは若干異なる番号となる。ID付加手段13以降の処理は実施の形態1と同一なのでここでは省略する。
【0092】
次に、入力端子1040に、60i信号が入力された場合について以下で説明する。60i信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数は30Hzとなる。60i信号が入力された場合も、映像信号の処理は実施の形態1と同一なのでここでは省略し、音声信号の処理について説明する。
【0093】
入力端子1030、1031には、サンプリング周波数が48kHz、ビット数が20ビットであるAES/EBUで規定されたディジタル音声信号が入力される。入力処理手段1000、1001において記録すべき音声データが取り出され、シャフリング手段10において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎で外符号付加手段11において外符号が付加される。60i信号の場合、シャフリング手段10および外符号付加手段11の動作方法は24p信号の場合と異なり、動作モードを切り替えて処理を行う。外符号は、図4で示すRS(16,8)であり、24p信号の場合と同じく音声データ8バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0094】
図4に示すように1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり2.5バイトが必要であるため、85/2.5×3×8=816(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が30Hz(フィールド周波数が60Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/60=800(サンプル)であるので、十分な記録容量が確保されている。
【0095】
次に、ダミーデータ発生手段12において同期ブロック6個分に相当するデータ量のダミーデータを発生する。図4にダミーデータのブロックの構成を合わせて示しているが、60i信号の場合にダミーデータを追加することで、24p信号の場合と60i信号の場合とで、テープ上に記録する、誤り訂正符号を含む音声データの総量を同一としている。なお、図4においては、ダミーデータ部は外符号に含まれない。
【0096】
多重化手段1009以降の処理は、24p信号が入力された場合と全く同一であるが、それぞれのブロックの等価的な動作周波数が、30/24倍されている。また、記録信号16の周波数も24p信号の場合に比べて30/24倍されているが、ドラム回転数も30/24倍とすることでテープ上のに記録されるトラックのトラック幅やトラックの傾き等は全く同一となる。
【0097】
以上のように、本実施の形態においては、24p信号を記録する場合と、60i信号を記録する場合において、音声データに付加する外符号パリティ数を同一とし、外符号長が異なるが、ダミーデータを追加することで音声記録データ量を同一としている。そうすることで、フレーム周波数が異なる映像信号を記録する場合において、音声信号のサンプリング周波数やビット数を保ったまま、音声データを記録テープ上の全く同一サイズの記録エリア上に記録することが可能となった。すなわち、音声信号のサンプリング周波数を変換しないため音質劣化は発生しない。
【0098】
また、1フィールド当たりに記録する誤り訂正符号を含む音声データのデータ量が同一であるため、多重化手段1009以降、変調手段1013までの回路構成を全て共用化できコストダウンが可能となる。
【0099】
また、外符号パリティの数を同一としているため、誤り訂正回路の共用化が可能となる。
【0100】
なお、本実施の形態では、60i信号を記録再生する場合が第1の動作モードに相当し、24p信号を記録再生する場合が第2の動作モードに相当する。
【0101】
また、本実施の形態における入力処理手段1005、圧縮符号化手段1007、外符号付加手段1008によって映像処理手段が構成され、また、入力処理手段1000、入力処理手段1001、シャフリング手段10、外符号付加手段11、ダミーデータ発生手段12によって音声処理手段が構成される。また、多重化手段1009、ID付加手段13、内符号付加手段1011、同期信号付加手段1012、変調手段1013によって記録処理手段が構成される。
【0102】
なお、本実施の形態においては、映像信号とともに音声信号を記録するとしたが、音声信号に限定するものではなく、例えば記録されている信号の属性等を表すメタデータ等を記録してもよい。
【0103】
また、本実施の形態において、ダミーデータ部分にメタデータ等の制御データを記録してもよい。この場合、外符号が構成されない6個の同期ブロックを集めて新たな外符号ブロックを構成すれば、テープ上で発生する誤りに対する誤り訂正能力がさらに向上する。例えば、制御データを3個の同期ブロックに記録し、残りの3個の同期ブロックに外符号パリティを記録し、RS(6,3)符号を構成することで誤り訂正能力が向上する。
【0104】
また、本実施の形態においては、フレーム周波数24Hzの映像信号とフィールド周波数60Hzの信号を選択して記録するものとしたが、この組み合わせに限定するものではなく、例えば、フィールド周波数50Hzとフィールド周波数60Hzの映像信号を選択して記録するものであってもよい。フィールド周波数が50Hzの場合でも、音声データの外符号をRS(18,10)とすることで、十分な記録領域が確保される。
【0105】
また、本実施の形態においては、シャフリング手段10と外符号付加手段11の動作モードを24p信号の場合と60i信号の場合で切り替えるとしたが、入力信号の種類別に専用のシャフリング手段と外符号付加手段を持ってもよい。
【0106】
また、多重化手段1009の位置も本実施の形態における構成に限定されるものではなく、外符号付加手段11、外符号付加手段1008等と共用化してもよい。
【0107】
また、24p信号を記録する場合、音声データ数に対する外符号パリティ数が減少し誤り訂正能力が若干低下するが、もともと内符号を付加し積符号を構成しており、十分な訂正能力を持っているため、この程度の能力低下では全く問題は生じない。
【0108】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3による記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【0109】
本実施の形態においては、4チャンネルの48kHzでサンプリングされた24ビットデータのディジタル音声信号が記録再生可能な記録再生装置の構成の一例を示している。
【0110】
図5において、図1で示した実施の形態1と同一の符号を付加したブロックは実施の形態1と同一の動作を行うものであり、図3で示した実施の形態2と同一の符号を付加したブロックは実施の形態2と同一の動作を行うものであり、また、図11で示した従来例と同一の符号を付加したブロックは、従来例と同一の動作を行うものである。
【0111】
本実施の形態においては、従来例とほぼ同じブロック構成を用いながら、ビットレートを増大させることで従来フォーマットにおけるオーディオセクタを拡大し、そこに増加した音声データを記録するものである。
【0112】
図6に、従来のテープフォーマットと本実施の形態によるテープフォーマットの違いを示す。図6において、Gの記号を記した部分は、エディットギャップ部であることを示す。本実施の形態においては、テープ上に記録する記録信号のビットレートを上げて記録し、記録ビットレートを上げる、すなわちトラック方向の記録密度を上げることによって、各データ領域の面積を、データ量などはそのままで縮小することによって発生する空きエリアを用いて、各オーディオセクターをトラック方向に拡大し、拡大したエリアに音声データ24ビットの下位4ビット分のデータおよびダミーデータを記録するか、もしくは24p信号を記録するために増加した音声データを記録するものである。
【0113】
本実施の形態においても、ドラム上のヘッド配置は、図13に示したものと同一、テープ上のトラックパターンも図14に示したものと同一で、1フィールド期間は4チャンネル3セグメント、合計12トラックで構成される。
【0114】
まず、入力端子1040に、60i信号が入力された場合について以下で説明する。60i信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数は30Hzとなる。
【0115】
入力処理手段1005で、入力から映像信号データが取り出され、圧縮符号化手段1007において、フィールド単位でDCTを用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。映像符号化データには、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、外符号が付加された映像符号化データ31は、多重化手段25に送られる。
【0116】
次に60i信号が入力された場合の音声信号の処理について説明する。
【0117】
図5において、入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、チャンネル3およびチャンネル4のディジタル音声信号が入力される。音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は24ビットであるとする。
【0118】
入力処理手段1000、1001において記録すべき音声データ24ビットが取り出され、上位20ビット分はシャフリング手段1003に出力される。シャフリング手段1003において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリング方法は、従来例と全く同一とする。シャフリングされた上位20ビット分の音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段1004において外符号が付加される。図7は音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図7において、縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図7において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。また、ダミーデータは外符号ブロックを構成しない。外符号付加手段1004の動作は、従来例の場合と同一で、音声データ上位20ビット分に付加する外符号は、図7に示すようにRS(16,8)であり、音声データ8バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0119】
図7に示すように音声データ上位20ビットについて1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり2.5バイトが必要であるため、85/2.5×3×8=816(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が30Hz(フィールド周波数が60Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/60=800(サンプル)であるので、十分な記録容量が確保されている。
【0120】
次に、入力処理手段1000、1001において取り出された音声24ビットデータのうちの下位4ビット分の音声データは、シャフリング手段20に出力される。シャフリング手段20において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた下位4ビット分の音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段21において外符号が付加される。外符号付加手段21では、音声データの下位4ビット分を2サンプル分集めて8ビットで1バイトデータとする。外符号は上位ビットと同様に図7に示すRS(16,8)であり、音声データ8バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0121】
図7に示すように音声データ下位4ビット分の1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり0.5バイトが必要であるため、85/0.5×8=1360(サンプル)であり、800サンプル以上なので、下位ビットに関しても十分な記録容量が確保されている。
【0122】
ダミーデータ発生手段22は、図7に示すようなダミーデータを同期ブロック8個分、すなわち(85バイト×8)ワード発生する。多重化手段23では、外符号付加手段1004の出力する音声データの上位20ビット分と外符号付加手段21の出力する音声データの下位4ビット分とダミーデータ発生手段22の出力するダミーデータを多重化する。多重化手段23の出力する音声データは、図7に示すように1チャンネル1フィールド当たり合計で72個(=4×18)の同期ブロックを構成する。1フィールド当たりのトラック数が12個なので、1トラックには、1チャンネル当たり6個の同期ブロックが記録されることになる。
【0123】
次に、選択手段24は多重化手段23の出力を選択して音声データ30を出力する。そして、多重化手段25では、音声データ30と映像データ31を多重化する。
【0124】
多重化された映像データと音声データは、それぞれ記録されるヘッドに対応するチャンネル毎に分割され、ID付加手段26においてID番号が付加される。付加されるID番号の定義は、従来例の図16において説明したものと同一とする。
【0125】
次に、ID付加手段26においてオーディオセクタに付加するID番号について説明する。図8は、付加するID番号のうちのブロック番号の値を示すものである。図8に示すように、オーディオセクタ内の前半4個の同期ブロックに付加するブロック番号は、従来例の図17で示したID番号と同一の番号を付ける。つまり、ID番号のうちブロック番号は、180hから183h、または1C0hから1C3hとなる。一方、各セクタの後半2個の同期ブロックについては、従来例の図17で示したID番号には存在しない番号を付ける。つまり、ID番号のうちブロック番号は、184h〜185h、1C4h〜1C5hとなる。なお、同一ブロック番号を付加したブロックは、セクタ番号で区別する。
【0126】
各セクタの前半4個の同期ブロックには、従来例と全く同一の形式で音声データのうち上位20ビットのデータが記録され、各セクタの後半2個の同期ブロックに、音声データのうち下位4ビットのデータおよびダミーデータが記録される。
【0127】
次に、ID付加手段26の出力には、内符号付加手段1011において内符号パリティが付加される。内符号ブロックの構成は図18に示したものと同一であり、2バイトのID部と85バイトのデータ部に対し、8バイトの内符号パリティが付加される。内符号パリティを付加した後、同期信号付加手段1012において、2バイトの同期信号を先頭に付加し、図18に示すような、同期ブロックを構成する。同期信号付加手段1012の出力は、変調手段1013において8−14変調され、記録信号32がテープ上に記録される。記録信号のビットレートは、従来フォーマットに比べて数パーセント程度増加する。また、ビットレートが増加した分だけ、多重化手段25、ID付加手段26、内符号付加手段1011、同期信号付加手段1012、変調手段1013の動作周波数が、従来例に比して増加する。
【0128】
テープ上には、図9に示すようなフォーマットで、2個のビデオセクタ(ビデオセクタ1、ビデオセクタ2)と、4個のオーディオセクタ(オーディオセクタ1〜オーディオセクタ4)が構成される。図9で、A1と示した部分にはチャンネル1の音声データが独立して記録され、同様に、A2にチャンネル2、A3にチャンネル3、A4にチャンネル4の音声データが記録される。
【0129】
ビデオセクタとオーディオセクタの間および各オーディオセクタ間には、エディットギャップが設けられている。また、各オーディオセクタは従来例で示した図15のフォーマットと同一のチャンネル配置である。図9に示すように、セグメント単位で、音声チャンネルの各オーディオセクタへの配置を変えることで、テープ上の長手方向に欠陥が発生した場合に特定のチャンネルにエラーが集中することを防止している。各オーディオセクタには、6個の同期ブロックが配置され、各ビデオセクタには256個の同期ブロックが配置される。また、既に説明を行ったように、各オーディオセクタ内の同期ブロックのうち前半の4個の同期ブロックに付加されたID番号は、従来例と全く同一となる。
【0130】
以上のような構成で図9に示すテープフォーマットで記録されたテープを、図11に示すような従来の構成のVTRで再生した場合、各オーディオセクタに記録されている同期ブロックのうち前半4個の同期ブロックに記録されている上位20ビット分の音声データは、同期ブロックに付加されたID番号が同一であり、また、シャフリング方法や外符号付加方法が全く同一であるため、そのまま再生することが可能である。一方、ID番号が異なる各オーディオセクタの後半2個の同期ブロックに記録されている下位4ビット分の音声データは、ID番号が異なるためエラーとして扱われ無視される。以上の理由により、24ビットの音声データが記録されているテープのうち、上位20ビット分の音声データを再生することができ、フォーマットの下位互換が保たれる。24ビットの音声データのうち上位20ビット分を取り出して、20ビットの音声データとして再生しても全く問題はない。
【0131】
図9のテープフォーマットは、図15のテープフォーマットに比べてデータ量が数パーセント程度増加しているため、図9のテープフォーマットで記録されたテープを従来のVTRで再生した場合、テープから再生される再生信号の周波数が数パーセント増加するが、±50倍速程度までの高速再生やテープ再生速度を15%程度変えて再生するプログラム再生のために、装置自体が予め余裕を持っているので、この程度の増加であれば問題は生じない。
【0132】
また、逆の場合、図15に示すテープフォーマットで記録されたテープを、図5に示すような本実施の形態におけるVTRで再生した場合(具体的な構成は、省略するが、記録と逆の処理を行うことは、当業者にとって自明である)、各オーディオセクタに記録されている上位20ビット分の音声データは、同期ブロックに付加されたID番号が同一であるためそのまま再生することが可能であり、フォーマットの上位互換が保たれる。この場合、下位4ビットにはゼロを挿入して、24ビットのデータとして再生するが、この場合でも音質の劣化を生じることはない。
【0133】
次に、24p信号が入力された場合について以下で説明する。24p信号が入力された場合、VTRの動作するフレーム周波数が24Hzとなる。
【0134】
入力処理手段1005で、入力から映像信号データが取り出され、次に圧縮符号化手段1007において24p信号の読み出し順序を変えて擬似的な飛び越し走査信号に変換した後、フィールド単位でDCTを用いた圧縮符号化が行われて、データ量が約1/4に圧縮された映像符号化データを得る。映像符号化データには、外符号付加手段1008において、誤り訂正のために外符号パリティが付加され、外符号が付加された映像符号化データ31は、多重化手段25に送られる。圧縮符号化手段1007および外符号付加手段1008の動作は、60i信号が入力された場合と全く同じであるが、等価的な動作周波数が、60i信号の場合と比較して24/30倍されている。
【0135】
入力端子1030には、AES/EBUで規定されたディジタル音声信号のチャンネル1とチャンネル2の音声信号が入力される。また、入力端子1031には、チャンネル3およびチャンネル4のディジタル音声信号が入力される。音声信号のサンプリング周波数は48kHz、ビット数は24ビットであるとする。
【0136】
入力処理手段1000、1001において記録すべき音声データ24ビットが取り出され、シャフリング手段27において、それぞれのチャンネル毎でシャフリング処理が行われる。シャフリングされた音声データには、それぞれのチャンネル毎に外符号付加手段28において外符号が付加される。図10は音声1チャンネル1フィールド当たりの外符号と内符号から構成される積符号の構成を示している。図10において縦方向が外符号ブロック、横方向が内符号ブロックとなる。但し図10において内符号ブロックの内符号パリティは省略している。外符号は図10に示すように、RS(18,10)であり、音声データ10バイトにつき8バイトの外符号パリティが付加される。
【0137】
図10に示すように1チャンネル1フィールド当たりに記録可能な音声サンプル数は、1サンプル当たり3バイトが必要であるため、85/3×4×10=1120(サンプル)となる。すなわち、フレーム周波数が24Hz(フィールド周波数48Hz)の場合、48kHzでサンプリングされたディジタル音声信号の、1チャンネル1フィールド当たりのサンプル数は、48000/48=1000(サンプル)であるので、十分な記録容量が確保されている。
【0138】
次に、選択手段24において、外符号付加手段28の出力を選択し音声データ30を出力し、多重化手段25において、音声データ30と映像データ31を多重化する。
【0139】
多重化される音声データ30は、図10に示すように1チャンネル1フィールド当たり合計で72個の同期ブロックを構成する。すなわち、多重化される音声データのデータ量は、図7と図10に示すように60i信号を記録する場合と24p信号を記録する場合で1フィールド当たり全く同一のデータ量となる。
【0140】
多重化手段25以降の処理は、60i信号が入力された場合と全く同一であるが、それぞれのブロックの等価的な動作周波数が、24/30倍されている。
【0141】
記録信号32の周波数も60i信号の場合に比べて24/30倍されているが、ドラム回転数も24/30倍とすることでテープ上に記録されるトラックパターンのトラック幅や、トラックの傾きは全く同一となる。
【0142】
以上のように、本実施の形態においては、フレーム周波数が異なる映像信号を記録再生する場合、音声信号のサンプリング周波数やビット数を保ったまま、記録テープ上の同一形状のトラック上に、すなわち全く同一サイズの記録エリア上に記録することが可能となり、音声信号の音質劣化は発生しない。
【0143】
また、本実施例においては、60i信号を記録する場合と、24p信号を記録する場合で、音声データに付加する外符号パリティの個数を同一としたため、誤り訂正回路を共用化することが可能となり、コストダウンが可能となる。
【0144】
また、60i信号を記録する場合は、ダミーデータを挿入し、24p信号を記録する場合と記録する同期ブロックの数を同じとしているため、多重化手段25以降変調手段1013まで全く同一のハードウエアを用いることが可能となった。
【0145】
さらに、ダミーデータを挿入するのではなく、例えば記録されている信号の属性等を表すメタデータ等を記録しても良いことはいうまでもない。
【0146】
さらに、ダミーデータ領域にメタデータ等の制御データを記録する場合に、外符号が構成されない8個の同期ブロックを集めて新たな外符号ブロックを構成すれば、テープ上で発生する誤りに対する誤り訂正能力がさらに向上する。例えば、メタデータを4個の同期ブロックに記録し、残りの4個の同期ブロックに外符号パリティを記録し、RS(8,4)符号を構成することで誤り訂正能力が向上する。
【0147】
なお、本実施の形態における入力処理手段1005、圧縮符号化手段1007、外符号付加手段1008によって映像処理手段が構成され、入力処理手段1000、入力処理手段1001、シャフリング手段1003、外符号付加手段1004によって第1の音声処理手段が構成され、入力処理手段1000、入力処理手段1001、シャフリング手段20、外符号付加手段21によって第2の音声処理手段が構成され、入力処理手段1000、入力処理手段1001、シャフリング手段27、外符号付加手段28によって第3の音声処理手段が構成される。
【0148】
また、多重化手段23、選択手段24、多重化手段25、ID付加手段26、内符号付加手段1011、同期信号付加手段1012、変調手段1013によって記録処理手段が構成される。
【0149】
なお、本実施の形態においては、映像信号とともに音声信号を記録するとしたが、音声信号に限定するものではなく、例えば記録されている信号の属性等を表すメタデータとしてもよい。
【0150】
また、本実施の形態においては、フレーム周波数24Hzの映像信号とフィールド周波数60Hzの信号を選択して記録するものとしたが、この組み合わせに限定するものではなく、例えば、フィールド周波数50Hzとフィールド周波数60Hzの映像信号を選択して記録するものであってもよい。フィールド周波数が50Hzの場合でも、音声データの外符号をRS(18,10)とすることで、音声データを記録するために十分な記録領域が確保される。
【0151】
また、本実施の形態においては、シャフリング手段27と外符号付加手段28、シャフリング手段1003と外符号付加手段1004およびシャフリング手段20と外符号付加手段21の3系列の処理手段を持つとしたが、シャフリング手段27と外符号付加手段28を実現するために必要なメモリ量は、シャフリング手段1003と外符号付加手段1004で必要なメモリ量とシャフリング手段20と外符号付加手段21で必要なメモリを加算したものより大きいので、シャフリング手段27、シャフリング手段1003、シャフリング手段20を共用化することも可能である。同様に、外符号付加手段28、外符号付加手段1004、外符号付加手段21も共用化が可能である。これらのブロックを共用化した場合、多重化手段23、選択手段24を持つ必要がなく、必要なメモリも共用化できるため、コストダウンが可能である。
【0152】
また、多重化手段25の位置も本実施の形態における構成に限定されるものではなく、多重化手段23、選択手段24、外符号付加手段1008等と共用化してもよい。
【0153】
また、24p信号を記録する場合、外符号パリティ数に対する音声データ数が増加し、誤り訂正能力が若干低下するが、もともと内符号を付加し積符号を構成しており、十分な訂正能力を持っているためこの程度の能力低下では全く問題はない。
【0154】
また、記録されたテープを再生するためには、手動で24p信号か60i信号かを切り替えて動作周波数を変更すればよい。また、テープカセット上にフォーマット識別用の穴等をあけておき記録フォーマットを判別するようにすれば、フォーマットの自動判別が可能となる。
【0155】
なお、24p信号を記録する場合、24p信号を記録できるVTRがこれまで存在しなかったため、互換を考える必要はないが、各実施の形態に示すようにテープ上のトラック形状は60i信号を記録する場合と同一としておけばハードウエア構成を簡単にすることができる。
【0156】
また、本実施の形態においては、テープ上に記録する記録信号のビットレートを上げて記録し、記録ビットレートを上げる、すなわちトラック方向の記録密度を上げることによって、各データ領域の面積を、データ量などはそのままで縮小することによって発生する空きエリアを用いて、各オーディオセクタをトラック方向に拡大し、拡大したエリアに音声データの下位4ビット分のデータおよびダミーデータあるいは24p信号を記録するために増加した音声データを記録するものである。本実施の形態では、各オーディオセクタにおいて、オーディオセクタ内の同期ブロックの数を増やし、オーディオセクタをトラック方向に連続的に拡大することで、新たなエディットギャップを設ける必要がないので記録周波数の増大を最小限にすることができる。なお、各オーディオセクタをトラック方向に拡大するのではなく、テープの両端部分を含む全く別領域を設けて増加した音声データを記録してもよいことはいうまでもない。しかし、チャンネル毎に独立して編集することを考えれば、チャンネル毎に独立したセクタを設けて、各セクタ間にエディットギャップを設ける必要があり、エディットギャップを増やした分だけ記録周波数が増大する。
【0157】
また、本実施の形態1,2において、1フィールドまたは1フレーム期間に入力された音声信号に対して積符号を付加するとしたが、1フィールドまたはフレーム期間に限定するものではなく、映像データを処理する所定の期間内であればよい。
【0158】
また、前記各実施の形態においては、入力映像信号フォーマットは走査線数1125本、有効走査線数1080本の映像信号におけるフィールド周波数60Hzとフレーム周波数24Hzの組み合わせであるとしたが、走査線数1125本、有効走査線数1080本の映像信号におけるフィールド周波数60Hzの飛び越し走査信号とフィールド周波数50Hzの飛び越し走査信号の組み合わせや、走査線数750本、有効走査線数720本の映像信号におけるフレーム周波数60Hzの順走査信号とフレーム周波数48Hzの順次走査信号の組み合わせあるいはフレーム周波数30Hzの順次走査信号とフレーム周波数24Hzの順次走査信号の組み合わせであってもよい。また、走査線数525本の現行TV方式の映像信号における、フィールド周波数60Hzの飛び越し走査信号とフレーム周波数24Hzの順次走査信号の組み合わせや、フレーム周波数60Hzの順次走査信号とフレーム周波数48Hzの順次走査信号の組み合わせであってもよい。
【0159】
上記いずれの組み合わせであっても、外符号を構成する音声データ数と外符号パリティ数の比率を映像信号の組み合わせに応じて変化させることで、音声信号のサンプリング周波数やビット数を同一とすることができる。
【0160】
また、フィールド周波数60Hzと表記したものは、フィールド周波数59.94Hzであってもよいし、フレーム周波数24Hzと表記したものは、フレーム周波数23.976Hzであってもよい。
【0161】
【発明の効果】
本発明によれば、60i信号と24p信号等のように、フレーム周波数が異なる映像信号を記録する場合でも、音声信号の音質劣化を生じさせることなく、記録再生を行うことができる。また、フレーム周波数が低い映像信号(例えば、24p信号等)を記録再生するVTRを、これより高いフレーム周波数の映像信号(例えば、60i信号)を記録再生する従来のVTRと全く同一のドラム、ヘッド構成を用いて、ハードウエアの大部分を共用しながら若干の変更を加えるだけで簡単に実現することが可能となる。
【0162】
また、従来のVTRと全く同一のドラム、ヘッド構成を用いて、ハードウエアの大部分を共用できるため、開発期間や開発コストを減少させることが可能となる。
【0163】
また、より高音質な音声信号を記録した場合でも、従来のVTRとの上位互換および下位互換を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】同記録再生装置における音声信号の積符号ブロックの構成図
【図3】本発明の実施の形態2による記録再生装置の構成を示すブロック図
【図4】同記録再生装置における音声信号の積符号ブロックの構成図
【図5】本発明の実施の形態3による記録再生装置の構成を示すブロック図
【図6】同記録再生装置におけるテープフォーマットと従来のテープフォーマットを比較した図
【図7】同記録再生装置における音声信号の積符号ブロック(60i信号の場合)の構成図
【図8】同記録再生装置における同期ブロック毎のID番号の値を示す図
【図9】同記録再生装置におけるテープ上の記録パターンの一例を示す図
【図10】同記録再生装置における音声信号の積符号ブロック(24p信号の場合)の構成図
【図11】従来の記録再生装置の構成の一例を示すブロック図
【図12】同記録再生装置における音声信号の積符号ブロックの構成図
【図13】同記録再生装置におけるドラム上でのヘッド配置図
【図14】同記録再生装置におけるテープ上でのトラック配置を示した図
【図15】同記録再生装置におけるテープ上での記録パターンを示す図
【図16】同記録再生装置における同期ブロック毎に割り当てられたID番号の定義の説明図
【図17】同記録再生装置における同期ブロック毎のID番号の値を示す図
【図18】同記録再生装置における同期ブロックおよび内符号ブロックの構成図
【符号の説明】
1 シャフリング手段
2 外符号付加手段
1000、1001 音声信号の入力処理手段
1005 映像信号の入力処理手段
1007 圧縮符号化手段
1008 外符号付加手段
1009 多重化手段
1010 ID付加手段
1011 内符号付加手段
1012 同期信号付加手段
1013 変調手段

Claims (7)

  1. 第1の動作モードとして第1の映像信号と第1の音声信号とを、第2の動作モードとして前記第1の映像信号よりフレーム周波数が低い第2の映像信号と前記第1の音声信号と単位時間当たりのデータ量がほぼ同一の第2の音声信号とを、動作モードにより選択的に記録する装置であって、
    動作モードに応じて、前記第1の映像信号または前記第2の映像信号を入力し、入力された映像信号とフレーム周波数が同一の映像記録データを得る映像処理手段と、
    動作モードに応じて、前記第1の音声信号または前記第2の音声信号を入力し、対応する第1または第2の映像信号の1フィールドまたは1フレーム期間内に入力される音声信号に外符号と内符号から構成される積符号を付加して音声記録データを得る音声処理手段と、
    前記映像記録データと前記音声記録データとを、記録媒体にディジタル記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、
    第2の動作モードにおいて、前記音声処理手段で音声信号に付加される外符号のパリティ数を、第1の動作モードの場合より少なくし、動作モードに関わらず音声記録データを前記記録媒体の同一サイズの記録エリアに記録することを特徴とする記録再生装置。
  2. 第1の動作モードとして第1の映像信号と第1の音声信号とを、第2の動作モードとして前記第1の映像信号よりフレーム周波数が低い第2の映像信号と前記第1の音声信号と単位時間当たりのデータ量がほぼ同一の第2の音声信号とを、動作モードにより選択的に記録する装置であって、
    動作モードに応じて、前記第1の映像信号または前記第2の映像信号を入力し、入力された映像信号とフレーム周波数が同一の映像記録データを得る映像処理手段と、
    動作モードに応じて、前記第1の音声信号または前記第2の音声信号を入力し、対応する第1または第2の映像信号の1フィールドまたは1フレーム期間内に入力される音声信号に外符号と内符号から構成される積符号を付加して音声記録データを得る音声処理手段と、
    前記映像記録データと前記音声記録データとを、記録媒体にディジタル記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、
    1フィールドまたは1フレーム期間当たりの音声記録データのデータ量が、第1の動作モード時と第2の動作モード時とで同じになるように、第1の動作モード時は音声記録データにダミーデータを付加し、動作モードに関わらず音声記録データを前記記録媒体の同一サイズの記録エリアに記録することを特徴とする記録再生装置。
  3. 第1の映像データと第1の音声データとを記録媒体にディジタル記録する第1の記録フォーマットをもとに、さらに音声拡張データを記録可能とした第2の記録フォーマットで記録する、または前記第1の映像データよりフレーム周波数が低い第2の映像データと第2の音声データとを記録可能とした第3の記録フォーマットで記録する装置であって、
    前記第1の記録フォーマットは、前記第1の映像データと前記第1の音声データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、
    前記第2の記録フォーマットは、前記第1の映像データと前記第1の音声データと前記音声拡張データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、
    前記第3の記録フォーマットは、前記第2の映像データと前記第2の音声データとに、外符号と内符号からなる積符号を付加して記録するものであり、
    前記第1の映像データを入力し、前記第1または第2の記録フォーマットのデータ形式の第1の映像記録データを得る、または前記第2の映像データを入力し、前記第3の記録フォーマットのデータ形式の第2の映像記録データを得る映像処理手段と、
    前記第1の音声データを入力し、前記第1の記録フォーマットのデータ形式の第1の音声記録データを得る第1の音声処理手段と、
    前記音声拡張データを入力し、前記第2の記録フォーマットのデータ形式の第2の音声記録データを得る第2の音声処理手段と、
    前記第2の音声データを入力し、前記第3の記録フォーマットのデータ形式の第3の音声記録データを得る第3の音声処理手段と、
    前記第1の映像記録データと前記第1、2の音声記録データとを、または前記第2の映像記録データと前記第3の音声記録データとを記録媒体に記録するための処理を行う記録処理手段とを備え、
    第1の音声記録データと第2の音声記録データとにダミーデータを追加し、記録媒体上に記録されるデータ量を第3の音声記録データと同一とすることを特徴とする記録再生装置。
  4. 第2の記録フォーマットは、ビットレートを増加させることで第1の記録フォーマットの音声データ記録エリアを記録トラック方向に連続的に拡大し、拡大された音声データ記録エリアに第2の音声記録データを記録することを特徴とする請求項3記載の記録再生装置。
  5. 第3の記録フォーマットは、ビットレートを増加させることで第1の記録フォーマットの音声データ記録エリアを記録トラック方向に連続的に拡大し、拡大された部分を含む音声データ記録エリアに第3の音声記録データを記録することを特徴とする請求項3記載の記録再生装置。
  6. ダミーデータが記録される領域に制御データを記録することを特徴とする請求項2または3に記載の記録再生装置。
  7. 制御データに外符号パリティを付加して記録することを特徴とする請求項6に記載の記録再生装置。
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