JP3651257B2 - ワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構 - Google Patents
ワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は母材に巻かれたファインワイヤーなどの極細線を、一定の張力に調整して一定の長さに巻き替える装置の張力検出部においてワイヤーのプーリーからの外れを早期に検出して、巻きぐせや傷がついたまま巻き取られることを防止するためのワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファインワイヤーなどの極細線( 以下、ワイヤーと称する) は、巻き替え装置を介して、所定の芯材に巻かれて出荷される。通常このワイヤーを巻き替える装置は、例えば図4に示すようにワイヤー1を繰り出す巻き出し部12と、それを所定の長さに巻き取る巻き取り部13と、巻き出し部12と巻き取り部13との間に配置されていて、巻き取り張力を検出し、検出値を電圧に変えて巻き出し部12にフイードバックする張力検出部14と、走行ライン上にワイヤー1をガイドするプーリー2,2’を有している。張力検出部14の位置では、ワイヤー1は鋭角的に走行方向が曲げられるようにしてプーリー2の溝に掛けられている。そして、このワイヤーを巻き替える装置では、通常、巻き出し部12から繰り出されたワイヤー1が走行ライン上に位置するプーリー2,2’の溝に沿って所定の張力をもって走行するようになっている。
【0003】
張力検出部14は、図5に示すようにほぼ直線状に形成されたアーム6’の一端がポテンショメーター7の軸7aに連結され、他端がプーリー2の軸に連結された構成となっている。このときアーム6’は、図4に示すワイヤー1とプーリー2とが接触する円弧状部分の中間点O1 とプーリー2の中心O2 とを結ぶ直線に対し垂直に近い所定範囲の角度をもって配置されている。また、プーリー2の軸の先端は、例えば図5に示すような六角形状のナット5’で止められている。また、ポテンショメーター7の軸7aにはバネ用フック8が取り付けられており、バネ用フック8の先端部には一端が図において簡略化した巻き替え装置本体の一部10に固定された引張バネ9の他端が取り付けられている。そして、アーム6’はワイヤー1がプーリー2の溝に沿って走行するようにセットされているときは、ワイヤー1の張力によってバネ9の引張力に打ち勝って所定の角度に回転させられる。ポテンショメーター7は、このときのアーム6’の回転角度を電圧に変えて図4に示す巻き出し部12にフィードバックするようになっている。巻き出し部12ではフィードバックされた電圧に基づいて図示しない制御部を介して、巻き出し回転速度を調整することによって張力を一定に保つようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ファインワイヤーなどの巻き替えに際しては、作業者のワイヤーセット操作のミスや、運転中のワイヤーのぶれによってワイヤー1がプーリー2から外れることがある。
しかし、従来の張力検出部14においては、図5に示すようにワイヤー1がプーリー2から外れてアーム6’に引っ掛かったとき、アーム6’の引っ掛かる位置がプーリー2に近いため、アーム6’はワイヤー1より相当量の力を受けていた。また、外れたワイヤー1はプーリー2の両側面の部品(プーリー2とアーム6’との間やプーリー2とナット5’との間)に引っ掛かり易く、その場合もワイヤー1の引っ掛かる位置がプーリー2に近いためワイヤー1より相当量の力を受けていた。このため、ワイヤー1がプーリー2から外れたときに、ポテンショメーター7を介して相当量の張力が検出されてしまいワイヤー1の外れが検出され難く、ワイヤーはアームや部品などに引っ掛かったまま走行してしまうことになり、ワイヤーに傷やねじれが発生していた。
【0005】
本発明はワイヤーの巻き替え装置の張力検出部においてワイヤーのプーリーからの外れを早期に検出して、傷やねじれなどがついた不良品の発生の防止が可能となるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明によるワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構は、
ワイヤーを一定の張力をもって巻き替える装置の張力測定部において、
L型に折り曲げられたアームと、
L型アームの一端に取付けられた、ワイヤーの張力を検出するための測定器と、
ワイヤーの張力とは反対方向の力が働くようにその測定器に設けられた引張バネと、
両側面に円環状の凹部が形成された、所定の張力をもってくの字状に掛けられたワイヤーの走行をガイドするためのプーリーと、
底面に対し鋭角なテーパ状の外周面が形成され、テーパ状の外周面の底面側部分がプーリーの一側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸の先端に取り付けられたナットと、
一端に勾配部が形成され、勾配部の先端がプーリーの他側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸を支持し、かつ、他端がL型アームの折曲部が形成された方向に沿って延び、勾配部からL型アームの折曲部に至るまでの間でワイヤーが引っ掛かることなく移動できるようにL型アームの他端に取り付けられたプーリー軸固定板とを有し、
かつ、L型アームは、他端から折曲部までの部分がワイヤーとプーリーとの接触箇所の中間点とプーリーの中心とを結ぶ直線に対しほぼ平行になるように配置されている。
【0007】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の実施形態について図を用いて説明する。
図1は本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
図2は、本実施形態における、プーリーとアームの一部を示す断面図である。
図3は、本実施形態の動作状態を示し、(a) はワイヤーがプーリーに正常にセットされた状態、(b) はワイヤーがプーリーから外れた状態をそれぞれ示す側面図である。
本実施形態のワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構は、L型に形成されたアーム6と、L型アームの変位(ここでは回転角度)を検出するためのポテンショメーター7と、引張バネ9と、ワイヤーの走行をガイドするためのプーリー2と、プーリー軸3に取り付けられたナット5と、プーリー軸固定板4とを有している。なお、ワイヤー巻き替え装置の基本構成は、図4に示す従来装置とほぼ同じである。
【0008】
アーム6は、L型に折り曲げられている。
ポテンショメーター7は、軸7aが連結部材6aを介してL型アーム6の一端6bに連結されている。またポテンショメーター7は、L型アームの回転角度をワイヤー1の張力として電圧に変換し、その信号を図示省略した制御部を介して図示しないワイヤー繰り出し部にフィードバックするような手段を備えている。また、ワイヤー1の張力がゼロの場合には図示省略した制御部を介して、図4に示すようなワイヤー繰り出し部などに設けられているワイヤーを走行させるための駆動手段に信号を送り、駆動手段の駆動を停止させるようになっている。
引張バネ9は、その一端が図において簡略化したワイヤー巻き替え装置本体の一部10に固定されると共に、他端がポテンショメーター7の軸7aに取り付けられたバネ用フック8に掛けられている。そして引張バネ9は、ワイヤー1の張力とは反対方向の力が働くようにバネ用フック8を引っ張っている。なお、引張バネ9は、ワイヤー1に所定値以上の張力が掛けられたときに伸び、ワイヤー1の張力が所定値以下になったときに縮むようになっている。
【0009】
プーリー2には、図2に示すようにワイヤーの走行をガイドするための溝2aが設けられており、プーリーの溝2a内には、ワイヤー1が所定の張力をもって図1に示すようにくの字状に掛けられている。また、プーリー2の両側面には円環状の凹部2b1 ,2b2 がそれぞれ形成されている。また、プーリー2は、軸受2cを介してプーリー軸3に回転可能に取り付けられている。
ナット5には、底面5aに対し鋭角なテーパ状の外周面5bが形成されている。そしてナット5は、テーパ状の外周面5bの底面5a側部分がプーリーの一側面に形成された円環状の凹部2b1 に入り込んだ状態でプーリー軸3の先端に取り付けられている。
プーリー軸固定板4には、一端に勾配部4aが形成されている。そしてプーリー軸固定板4は、勾配部4aの先端がプーリーの他側面に形成された円環状の凹部2b2 に入り込んだ状態でプーリー軸3を支持している。またプーリー軸固定板4の他端4bは、L型アームの折曲部6cが形成された方向に沿って延びていて、勾配部4aからL型アームの折曲部6cに至るまでの間でワイヤー1が引っ掛かることなく移動できるようにL型アームの他端6bにネジなどを介して取り付けられている。
そしてL型アーム6は、図3(a) に示すように他端6bから折曲部6cまでがワイヤーとプーリーとの接触箇所(円弧状部分)の中間点O1 とプーリーの中心O2 とを結ぶ直線に対しほぼ平行になるように配置されている。
【0010】
次に、本実施形態によるワイヤーの外れの検出動作について説明する。
通常、ワイヤー1が正しくセットされている時は、ワイヤー1の張力が初期状態のバネ9の引張力より大きくなっていて、図3(a) に示すようにL型アーム6は所定の角度にまで回転させられる。ワイヤーセットまたはワイヤーの巻き取りに際し、ワイヤー1がプーリー2からナット5側に外れたときは、ワイヤー1はナット5のテーパ状の外周面5aに沿って滑り落ちる(図示省略)。するとアーム6はバネ9の引張力によって戻され、ワイヤー1の張力がゼロとなる。これをポテンショメータ7を介して制御部に信号を送ることにより装置は駆動手段の駆動を停止させて、運転が停止する。
【0011】
またワイヤー1がプーリー軸固定板4側に外れたときは、ワイヤー1は固定板4の勾配部4aに沿って滑り落ちてL型アーム6に至り、更にL型アーム6の他端6bを滑り落ち、折曲部6cに引っ掛かる。
このときL型アーム6は、ワイヤー1をプーリー2に取付ける位置から折曲部6cまでワイヤー1の引張方向とはほぼ反対の方向に所定距離があけられているためワイヤー1が折曲部6cに引っ掛かったときには、ワイヤー1は相当弛められていて、その張力はバネ9の引張力以下に弱められる。するとアーム6はバネ9の引張力によって戻される。これをポテンショメータが、ワイヤー1の張力をゼロとして検出し、制御部に信号を送ることにより装置は駆動手段の駆動を停止させて、運転が停止する。これにより、ワイヤー1がプーリー2から外れた場合にプーリー2の側方の部品に引っ掛かったまま走行してワイヤーに傷やねじれが発生することを防ぐことができる。
なお、外周面5aおよび勾配部4aが、それぞれプーリーの凹部2b1 ,2b2 に入り込んでいるので、ワイヤー1は、プーリー2から外れたときに、プーリー2の凹部2b1 とプーリー軸固定板4またはプーリー2の凹部2b2 とナット5との隙間に挟まってしまうことはない。
【0012】
したがって、本実施形態によれば、ワイヤーがプーリーから外れたときには、プーリーの側方の部品にワイヤーが引っ掛かることを防ぐことができ、しかも、ワイヤー張力がゼロと検出されるので、ポテンショメーターを介したワイヤーの外れの検出を迅速且つ確実に行なうことができる。
【0013】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ワイヤーの巻き収り時に発生する、ワイヤーのプーリーからの外れを早期且つ確実に検出して、不良品の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における、プーリーとアームの一部を示す断面図である。
【図3】本実施形態の動作状態を示し、(a) はワイヤーがプーリーに正常にセットされた状態、(b) はワイヤーがプーリーから外れた状態をそれぞれ示す側面図である。
【図4】ファインワイヤー巻き替え装置の構成概念図である。
【図5】ファインワイヤー巻き替え装置に設けられた従来の張力検出部においてワイヤーがプーリーから外れた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワイヤー
2,2’ プーリー
2a 溝
2b1 ,2b2 円環状の凹部
3 プーリー軸
4 プーリー軸固定板
4a 勾配部
5,5’ ナット
5a テーパ状の外周面
6 L型アーム
6’ 直線状アーム
6a 連結部材
6b 他端部
6c 折曲部
7 ポテンショメーター
7a 軸
8 バネ用フック
9 引張バネ
12 巻き出し部
13 巻き取り部
14 張力検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は母材に巻かれたファインワイヤーなどの極細線を、一定の張力に調整して一定の長さに巻き替える装置の張力検出部においてワイヤーのプーリーからの外れを早期に検出して、巻きぐせや傷がついたまま巻き取られることを防止するためのワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファインワイヤーなどの極細線( 以下、ワイヤーと称する) は、巻き替え装置を介して、所定の芯材に巻かれて出荷される。通常このワイヤーを巻き替える装置は、例えば図4に示すようにワイヤー1を繰り出す巻き出し部12と、それを所定の長さに巻き取る巻き取り部13と、巻き出し部12と巻き取り部13との間に配置されていて、巻き取り張力を検出し、検出値を電圧に変えて巻き出し部12にフイードバックする張力検出部14と、走行ライン上にワイヤー1をガイドするプーリー2,2’を有している。張力検出部14の位置では、ワイヤー1は鋭角的に走行方向が曲げられるようにしてプーリー2の溝に掛けられている。そして、このワイヤーを巻き替える装置では、通常、巻き出し部12から繰り出されたワイヤー1が走行ライン上に位置するプーリー2,2’の溝に沿って所定の張力をもって走行するようになっている。
【0003】
張力検出部14は、図5に示すようにほぼ直線状に形成されたアーム6’の一端がポテンショメーター7の軸7aに連結され、他端がプーリー2の軸に連結された構成となっている。このときアーム6’は、図4に示すワイヤー1とプーリー2とが接触する円弧状部分の中間点O1 とプーリー2の中心O2 とを結ぶ直線に対し垂直に近い所定範囲の角度をもって配置されている。また、プーリー2の軸の先端は、例えば図5に示すような六角形状のナット5’で止められている。また、ポテンショメーター7の軸7aにはバネ用フック8が取り付けられており、バネ用フック8の先端部には一端が図において簡略化した巻き替え装置本体の一部10に固定された引張バネ9の他端が取り付けられている。そして、アーム6’はワイヤー1がプーリー2の溝に沿って走行するようにセットされているときは、ワイヤー1の張力によってバネ9の引張力に打ち勝って所定の角度に回転させられる。ポテンショメーター7は、このときのアーム6’の回転角度を電圧に変えて図4に示す巻き出し部12にフィードバックするようになっている。巻き出し部12ではフィードバックされた電圧に基づいて図示しない制御部を介して、巻き出し回転速度を調整することによって張力を一定に保つようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ファインワイヤーなどの巻き替えに際しては、作業者のワイヤーセット操作のミスや、運転中のワイヤーのぶれによってワイヤー1がプーリー2から外れることがある。
しかし、従来の張力検出部14においては、図5に示すようにワイヤー1がプーリー2から外れてアーム6’に引っ掛かったとき、アーム6’の引っ掛かる位置がプーリー2に近いため、アーム6’はワイヤー1より相当量の力を受けていた。また、外れたワイヤー1はプーリー2の両側面の部品(プーリー2とアーム6’との間やプーリー2とナット5’との間)に引っ掛かり易く、その場合もワイヤー1の引っ掛かる位置がプーリー2に近いためワイヤー1より相当量の力を受けていた。このため、ワイヤー1がプーリー2から外れたときに、ポテンショメーター7を介して相当量の張力が検出されてしまいワイヤー1の外れが検出され難く、ワイヤーはアームや部品などに引っ掛かったまま走行してしまうことになり、ワイヤーに傷やねじれが発生していた。
【0005】
本発明はワイヤーの巻き替え装置の張力検出部においてワイヤーのプーリーからの外れを早期に検出して、傷やねじれなどがついた不良品の発生の防止が可能となるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明によるワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構は、
ワイヤーを一定の張力をもって巻き替える装置の張力測定部において、
L型に折り曲げられたアームと、
L型アームの一端に取付けられた、ワイヤーの張力を検出するための測定器と、
ワイヤーの張力とは反対方向の力が働くようにその測定器に設けられた引張バネと、
両側面に円環状の凹部が形成された、所定の張力をもってくの字状に掛けられたワイヤーの走行をガイドするためのプーリーと、
底面に対し鋭角なテーパ状の外周面が形成され、テーパ状の外周面の底面側部分がプーリーの一側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸の先端に取り付けられたナットと、
一端に勾配部が形成され、勾配部の先端がプーリーの他側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸を支持し、かつ、他端がL型アームの折曲部が形成された方向に沿って延び、勾配部からL型アームの折曲部に至るまでの間でワイヤーが引っ掛かることなく移動できるようにL型アームの他端に取り付けられたプーリー軸固定板とを有し、
かつ、L型アームは、他端から折曲部までの部分がワイヤーとプーリーとの接触箇所の中間点とプーリーの中心とを結ぶ直線に対しほぼ平行になるように配置されている。
【0007】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の実施形態について図を用いて説明する。
図1は本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
図2は、本実施形態における、プーリーとアームの一部を示す断面図である。
図3は、本実施形態の動作状態を示し、(a) はワイヤーがプーリーに正常にセットされた状態、(b) はワイヤーがプーリーから外れた状態をそれぞれ示す側面図である。
本実施形態のワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構は、L型に形成されたアーム6と、L型アームの変位(ここでは回転角度)を検出するためのポテンショメーター7と、引張バネ9と、ワイヤーの走行をガイドするためのプーリー2と、プーリー軸3に取り付けられたナット5と、プーリー軸固定板4とを有している。なお、ワイヤー巻き替え装置の基本構成は、図4に示す従来装置とほぼ同じである。
【0008】
アーム6は、L型に折り曲げられている。
ポテンショメーター7は、軸7aが連結部材6aを介してL型アーム6の一端6bに連結されている。またポテンショメーター7は、L型アームの回転角度をワイヤー1の張力として電圧に変換し、その信号を図示省略した制御部を介して図示しないワイヤー繰り出し部にフィードバックするような手段を備えている。また、ワイヤー1の張力がゼロの場合には図示省略した制御部を介して、図4に示すようなワイヤー繰り出し部などに設けられているワイヤーを走行させるための駆動手段に信号を送り、駆動手段の駆動を停止させるようになっている。
引張バネ9は、その一端が図において簡略化したワイヤー巻き替え装置本体の一部10に固定されると共に、他端がポテンショメーター7の軸7aに取り付けられたバネ用フック8に掛けられている。そして引張バネ9は、ワイヤー1の張力とは反対方向の力が働くようにバネ用フック8を引っ張っている。なお、引張バネ9は、ワイヤー1に所定値以上の張力が掛けられたときに伸び、ワイヤー1の張力が所定値以下になったときに縮むようになっている。
【0009】
プーリー2には、図2に示すようにワイヤーの走行をガイドするための溝2aが設けられており、プーリーの溝2a内には、ワイヤー1が所定の張力をもって図1に示すようにくの字状に掛けられている。また、プーリー2の両側面には円環状の凹部2b1 ,2b2 がそれぞれ形成されている。また、プーリー2は、軸受2cを介してプーリー軸3に回転可能に取り付けられている。
ナット5には、底面5aに対し鋭角なテーパ状の外周面5bが形成されている。そしてナット5は、テーパ状の外周面5bの底面5a側部分がプーリーの一側面に形成された円環状の凹部2b1 に入り込んだ状態でプーリー軸3の先端に取り付けられている。
プーリー軸固定板4には、一端に勾配部4aが形成されている。そしてプーリー軸固定板4は、勾配部4aの先端がプーリーの他側面に形成された円環状の凹部2b2 に入り込んだ状態でプーリー軸3を支持している。またプーリー軸固定板4の他端4bは、L型アームの折曲部6cが形成された方向に沿って延びていて、勾配部4aからL型アームの折曲部6cに至るまでの間でワイヤー1が引っ掛かることなく移動できるようにL型アームの他端6bにネジなどを介して取り付けられている。
そしてL型アーム6は、図3(a) に示すように他端6bから折曲部6cまでがワイヤーとプーリーとの接触箇所(円弧状部分)の中間点O1 とプーリーの中心O2 とを結ぶ直線に対しほぼ平行になるように配置されている。
【0010】
次に、本実施形態によるワイヤーの外れの検出動作について説明する。
通常、ワイヤー1が正しくセットされている時は、ワイヤー1の張力が初期状態のバネ9の引張力より大きくなっていて、図3(a) に示すようにL型アーム6は所定の角度にまで回転させられる。ワイヤーセットまたはワイヤーの巻き取りに際し、ワイヤー1がプーリー2からナット5側に外れたときは、ワイヤー1はナット5のテーパ状の外周面5aに沿って滑り落ちる(図示省略)。するとアーム6はバネ9の引張力によって戻され、ワイヤー1の張力がゼロとなる。これをポテンショメータ7を介して制御部に信号を送ることにより装置は駆動手段の駆動を停止させて、運転が停止する。
【0011】
またワイヤー1がプーリー軸固定板4側に外れたときは、ワイヤー1は固定板4の勾配部4aに沿って滑り落ちてL型アーム6に至り、更にL型アーム6の他端6bを滑り落ち、折曲部6cに引っ掛かる。
このときL型アーム6は、ワイヤー1をプーリー2に取付ける位置から折曲部6cまでワイヤー1の引張方向とはほぼ反対の方向に所定距離があけられているためワイヤー1が折曲部6cに引っ掛かったときには、ワイヤー1は相当弛められていて、その張力はバネ9の引張力以下に弱められる。するとアーム6はバネ9の引張力によって戻される。これをポテンショメータが、ワイヤー1の張力をゼロとして検出し、制御部に信号を送ることにより装置は駆動手段の駆動を停止させて、運転が停止する。これにより、ワイヤー1がプーリー2から外れた場合にプーリー2の側方の部品に引っ掛かったまま走行してワイヤーに傷やねじれが発生することを防ぐことができる。
なお、外周面5aおよび勾配部4aが、それぞれプーリーの凹部2b1 ,2b2 に入り込んでいるので、ワイヤー1は、プーリー2から外れたときに、プーリー2の凹部2b1 とプーリー軸固定板4またはプーリー2の凹部2b2 とナット5との隙間に挟まってしまうことはない。
【0012】
したがって、本実施形態によれば、ワイヤーがプーリーから外れたときには、プーリーの側方の部品にワイヤーが引っ掛かることを防ぐことができ、しかも、ワイヤー張力がゼロと検出されるので、ポテンショメーターを介したワイヤーの外れの検出を迅速且つ確実に行なうことができる。
【0013】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ワイヤーの巻き収り時に発生する、ワイヤーのプーリーからの外れを早期且つ確実に検出して、不良品の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態における、プーリーとアームの一部を示す断面図である。
【図3】本実施形態の動作状態を示し、(a) はワイヤーがプーリーに正常にセットされた状態、(b) はワイヤーがプーリーから外れた状態をそれぞれ示す側面図である。
【図4】ファインワイヤー巻き替え装置の構成概念図である。
【図5】ファインワイヤー巻き替え装置に設けられた従来の張力検出部においてワイヤーがプーリーから外れた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワイヤー
2,2’ プーリー
2a 溝
2b1 ,2b2 円環状の凹部
3 プーリー軸
4 プーリー軸固定板
4a 勾配部
5,5’ ナット
5a テーパ状の外周面
6 L型アーム
6’ 直線状アーム
6a 連結部材
6b 他端部
6c 折曲部
7 ポテンショメーター
7a 軸
8 バネ用フック
9 引張バネ
12 巻き出し部
13 巻き取り部
14 張力検出部
Claims (1)
- ワイヤーを一定の張力をもって巻き替える装置の張力測定部において、L型に折り曲げられたアームと、L型アームの一端に取付けられた、ワイヤーの張力を検出するための測定器と、ワイヤーの張力とは反対方向の力が働くようにその測定器に設けられた引張バネと、両側面に円環状の凹部が形成された、所定の張力をもってくの字状に掛けられたワイヤーの走行をガイドするためのプーリーと、底面に対し鋭角なテーパ状の外周面が形成され、テーパ状の外周面の底面側部分がプーリーの一側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸の先端部に取り付けられたナットと、一端に勾配部が形成され、勾配部の先端がプーリーの他側面に形成された円環状の凹部に入り込んだ状態でプーリー軸を支持し、かつ、他端がL型アームの折曲部が形成された方向に沿って延び、勾配部からL型アームの折曲部に至るまでの間でワイヤーが引っ掛かることなく移動できるようにL型アームの他端に取り付けられたプーリー軸固定板とを有し、かつ、L型アームは、他端から折曲部までがワイヤーとプーリーとの接触箇所の中間点とプーリーの中心とを結ぶ直線に対しほぼ平行になるように配置されていることを特徴とするワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10659498A JP3651257B2 (ja) | 1998-04-16 | 1998-04-16 | ワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10659498A JP3651257B2 (ja) | 1998-04-16 | 1998-04-16 | ワイヤー巻き替え装置の張力測定部におけるワイヤーのプーリーからの外れを検出する機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11301928A JPH11301928A (ja) | 1999-11-02 |
JP3651257B2 true JP3651257B2 (ja) | 2005-05-25 |
Family
ID=14437504
Family Applications (1)
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