JP3650317B2 - 電磁場受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導を用いて非接触状態で電力供給を行うリーダライタ等の電磁場送信装置と非接触ICカード等の電磁場受信装置とからなる非接触通信システムに係り、特に自装置のインピーダンスを動的に変化させることにより、電磁場送信装置からの受信電力量を制御することができる電磁場受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、非接触型のICカードやRFタグに代表される、電磁誘導を用いて電力伝送と通信を行う電磁場受信装置が注目されている。電磁場受信装置は、電池を内蔵せず、リーダライタ等の電磁場送信装置から電磁誘導により供給される電力を用いて内部回路を駆動し、内部処理および通信動作を行う。電力伝送に電磁誘導を利用する利点としては、電磁場送信装置と通信する際に、機械的な接触端子が不要なため、端子の接触不良等の故障が少ないという点がある。さらに、電磁場送信装置に挿入したり、電磁場送信装置と有線接続したりする必要が無く、電磁場送信装置にかざして使用すればよいので、使い勝手が良く、操作性に優れているという点が挙げられる。
【0003】
電磁場受信装置は、高いセキュリティを実現する手段として、本人認証や電子決済等のサービスでの利用が期待されている。しかし、このような高度な処理を行うには、複雑な演算処理や暗号処理等の高機能な動作が必要となり、ICチップ内部のCPUが高速に演算処理を行ったり、専用演算回路が動作したりするために、ICチップの消費電力が大きくならざるを得ない。しかるに、電磁誘導を用いて電力伝送を行う電磁場受信装置では、電波法等の法規によって電磁場送信装置の出力が制限されていたり、電磁場送信装置と電磁場受信装置のインピーダンスの整合が狭い範囲内でしか効率が高くなく、電磁場受信装置の電力受信効率が低かったりするために、往々にして電磁場受信装置の電力が不足し、操作が制限されていた。
【0004】
すなわち、電磁場受信装置を電磁場送信装置から離れた状態で使用するなどの高い操作性と、電磁場受信装置にて高機能な処理を行うことは相反する関係にある。実際、電子マネー等のサービスで使用する高機能処理を行う非接触ICカードでは、電磁場送信装置に密着した状態でしか動作せず、入退室管理サービス等で使用するIDカード等の低機能な非接触ICカードしか、かざして使用する等の高い操作性を得ることはできなかった。電磁場受信装置の特長のひとつは、電磁場送信装置から離れた状態で操作できることにあるため、このように電磁場受信装置が動作できる範囲が狭いと、利用者にとっては不便であり、また誤動作の原因であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の電磁場受信装置では、電磁場送信装置から電力供給を受けて動作することができる動作可能領域が狭いという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、通信距離や対向角度の幅広い範囲において電力伝送の効率を高めることにより、動作可能領域の拡大を図ることができる電磁場受信装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電磁場送信装置から送信された電磁波を受信するアンテナ回路(20,21)と、このアンテナ回路で受信した前記電磁波から自装置の駆動用電力を得る整流回路(22)と、この整流回路の出力電圧を定電圧化する定電圧回路(23)とを備え、電磁誘導を用いて非接触状態で前記電磁場送信装置から電力供給を受ける電磁場受信装置において、前記電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御回路(31)を有し、このインピーダンス制御回路は、前記電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御回路を有し、このインピーダンス制御回路は、前記自装置のインピーダンスを所定量変化させ、この制御によって変動した前記整流回路の出力電圧が所望の電圧設定値に接近したか否かを判定し、この判定結果に応じて前記整流回路の出力電圧が前記電圧設定値に近づくように次回の制御において前記インピーダンスを変化させる方向を決定する動作を繰り返し行うことにより、前記電磁場送信装置からの受信電力量を制御するものである。
本発明の電磁場受信装置の動作を概して言うと、電磁場受信装置の入出力インピーダンスを微小に変化させた際の、整流回路の出力電圧の変動と、あらかじめ設定した所望の電圧設定値から、あらかじめ設定したプログラムに基づき、整流回路の出力電圧が所望の電圧設定値に近づくよう電磁場受信装置の入出力インピーダンスの微小な変化の方向を決定し、再び電磁場受信装置の入出力インピーダンスを微小に変化させる、という動作を連続的に行い、内部回路の消費電力量が変動したり、電磁場送信装置と電磁場受信装置との間の距離や角度の変動により受信電力量が変動したりしても、内部回路の駆動に過不足ない適切な電力量を受信するよう動作することを特徴とする。整流回路の出力電圧を検出するのは、電磁場受信装置が受信する電力量と、電磁場受信装置の内部回路の動作に必要な電力量との差を検知するためである。定電圧回路は、内部回路の駆動に必要な電力を供給しており、内部回路の消費電力が変動しても、その出力電圧値は一定である。この一定の出力電圧値を得るためには、整流回路の出力電圧値はあるしきい値以上無ければならず、そのしきい値は定電圧回路の性能によって決まるが、やはり一定である。よって、内部回路の消費電力量にかかわらず、整流回路の出力電圧値が前記しきい値以上であれば、電磁場受信装置が受信する電力量が、内部回路の動作に必要な電力量を上回っており、内部回路が駆動できると検知することができる。よって、該しきい値より大きく、また過剰な電力を受信しないような、整流回路の出力電圧値をあらかじめ電圧設定値として設定しておき、整流回路の出力電圧を前記所望の電圧設定値に近づけることで、内部回路の駆動に過不足ない適切な電力量を受信する。
また、前記インピーダンス制御回路は、前記所望の電圧設定値を含む、下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲を設定し、|VH−VL|を1回の前記制御動作による前記整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、前記下限値VLを前記定電圧回路の出力が定格値を得るのに最低限必要な前記整流回路の出力電圧Vthよりも大きく設定し、|VL−Vth|を1回の前記制御動作による前記整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、前記整流回路の出力電圧が前記第1の電圧許容範囲内である場合に、前記制御動作を停止するものである。
また、前記インピーダンス制御回路は、前記第1の電圧許容範囲に加えて、下限値VL−ΔV2(VL−ΔV2<VL)及び上限値VH+ΔV1(VH+ΔV1>VH)の第2の電圧許容範囲を設定し、制御動作停止中に、前記整流回路の出力電圧が前記第2の電圧許容範囲から外れたとき、前記制御動作を再開するものである。
【0009】
また、本発明の電磁場受信装置の1構成例として、前記インピーダンス制御回路は、容量素子と電子スイッチとを直列に接続した直列接続回路を前記アンテナ回路と並列に複数個配置した可変容量回路(28)と、前記整流回路の出力電圧を検出する電圧検出回路(26)と、この電圧検出回路の検出結果に基づいて、前記整流回路の出力電圧が前記所望の電圧設定値となるよう前記可変容量回路の各電子スイッチの状態を決定するプログラム回路(27)と、このプログラム回路の決定に従って前記可変容量回路の各電子スイッチのオン/オフを制御するスイッチ制御回路(29)と、前記電子スイッチのスイッチングクロックを生成するスイッチングクロック生成回路(30)とを含み、前記電圧検出回路は、前記整流回路の出力電圧を所定のしきい値と比較する出力電圧比較部(26b)を含み、この出力電圧比較部は、前記整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値として前記VL−ΔV2が設定され、前記整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値として前記VLが設定された第1のシュミットトリガ(26b−1)と、前記整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値として前記VHが設定され、前記整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値として前記VH+ΔV1が設定された第2のシュミットトリガ(26b−2)と、この第2のシュミットトリガの出力を論理反転させるインバータ(26b−3)と、前記第1のシュミットトリガの出力と前記インバータの出力の論理和をとるOR回路(26b−4)とからなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
[実施の形態の1]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる非接触通信システムの構成を示すブロック図である。図1の非接触通信システムは、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2とから構成される。電磁場送信装置1は、電磁場受信装置2への電力供給のためにデータ送信時以外のときにも無変調のキャリア波を送信している。そして、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2は、データを送信するとき、キャリア波を変調してデータを重畳する。
【0011】
電磁場送信装置1は、無変調のキャリア波を発生するキャリア波発生回路10と、キャリア波発生回路10から出力された無変調のキャリア波または変調されたキャリア波を送信したり、電磁場受信装置2から送信された応答波を受信したりするためのアンテナコイル11と、アンテナコイル11の共振状態を得るための同調回路12とを有している。
【0012】
なお、図1では、データの送信時にキャリア波を変調する変調回路、電磁場受信装置2からの応答波を受信して復調する復調回路、電磁場受信装置2へのデータを生成したり、復調回路で復調されたデータを処理したりする制御回路等の回路については記載を省略している。アンテナコイル11と同調回路12はアンテナ回路を構成している。
【0013】
電磁場受信装置2は、電磁場送信装置1から送信されたキャリア波を受信したり、応答波を送信したりするためのアンテナコイル20と、アンテナコイル20が電磁場送信装置1のキャリア波の周波数で共振して同調状態を得るための同調回路21と、アンテナ回路20,21で受信されたキャリア波を整流して電磁場受信装置2の各回路駆動用の電力を得る整流回路22と、この整流回路22の出力電圧を定電圧化する定電圧回路23と、キャリア波から自装置に対する質問データを取得したとき、この質問データに対する応答データを生成して、アンテナ回路20,21から応答波として送信させる内部ロジック回路24とを有している。
【0014】
また、電磁場受信装置2は、整流回路22の出力電圧を検出する電圧検出回路26と、電圧検出回路26の検出結果と所定のインピーダンス制御プログラムに従って、電磁場送信装置1から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御を行い、電磁場受信装置2の受信電力量を制御するプログラム回路27と、容量素子と電子スイッチとを直列に接続した直列接続回路をアンテナ回路20,21と並列に複数個有し、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを電子スイッチのオン/オフによって調整可能な可変容量回路28と、プログラム回路27の出力に応じて可変容量回路28の電子スイッチを制御するスイッチ制御回路29と、プログラム回路27及びスイッチ制御回路29の基準動作クロックであるスイッチングクロック信号を生成するスイッチングクロック生成回路30とを有している。
【0015】
アンテナコイル20と同調回路21はアンテナ回路を構成している。また、電圧検出回路26、プログラム回路27、可変容量回路28、スイッチ制御回路29及びスイッチングクロック生成回路30は、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを制御するインピーダンス制御回路31を構成している。
インピーダンス制御回路31の動作に必要な動作電圧は、内部ロジック回路24の駆動用の定電圧回路23の出力を用いてもよいし、定電圧回路23とは別に、インピーダンス制御回路31の駆動用の定電圧回路を設けてもよい。
【0016】
スイッチングクロック生成回路30は、予め設定されたクロック周波数に基づき自発的に発振動作を行ってもよい。ただし、通常の電磁場受信装置は、通信および内部ロジック回路24の動作に必要なクロックをアンテナコイル20に誘起した電圧から生成する内部回路クロック生成回路(不図示)を有しており、この内部回路クロック生成回路の出力を分周することでもスイッチングクロック信号が得られるので、電磁場受信装置2の構成を簡略化するためにはこの方法を用いるのが良い。
【0017】
ここで、本発明の概念を図2を用いて説明する。整流回路22の出力電圧Vregは、電磁場送信装置1の送信出力、電磁場受信装置2の内部回路の消費電力、電磁場送信装置1及び電磁場受信装置2の回路パラメータ、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度等の影響を受ける。電磁場受信装置2の入出力インピーダンス以外のパラメータを固定して考えると、整流回路22の出力電圧Vregと電磁場受信装置2の入出力インピーダンスの関係は、図2のように単調に上に凸の特性となり、整流回路22の出力電圧Vregが局所的に高くなるような入出力インピーダンスの特性値、つまり特異点は持たない。
【0018】
いま、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスをSとし、このときの整流回路22の出力電圧VregをV1とする。ここで、インピーダンス制御回路31により電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを△Sだけ変化させ、S+△Sにすると、図2の特性に応じて、整流回路22の出力電圧VregはV2に変動する。
【0019】
プログラム回路27は、この整流回路22の出力電圧VregのV1からV2への変動と、あらかじめ設定された所望の電圧設定値Vsと現在の出力電圧V2との差に基づいて、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスをSからS+△Sへ変化させた制御によって整流回路22の出力電圧Vregが電圧設定値Vsに接近したか否かを判定し、この判定結果に応じて次回の入出力インピーダンスの制御方向(インピーダンスの増加または減少)を決定して、再び電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを変化させる。
【0020】
プログラム回路27は、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを制御し、この制御によって変動する整流回路22の出力電圧Vregに基づいて次回の入出力インピーダンスの制御方向を決定する、という一連の動作を繰り返し行うことで、整流回路22の出力電圧Vregをあらかじめ設定された電圧設定値Vsに近づける。
【0021】
この繰り返し動作を高速に行うことで、電磁場受信装置2の内部回路の消費電力が変動したり、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化して、整流回路22の出力電圧−電磁場受信装置2の入出力インピーダンス特性が変化したりしても、整流回路22の出力電圧Vregを所望の電圧設定値Vsの近傍に保持することができ、電磁場受信装置2の内部回路の駆動に過不足ない適切な電力量を電磁場送信装置1から受けることができる。
【0022】
次に、本実施の形態の電磁場受信装置2の動作を図3を用いて説明する。図3は電磁場受信装置2のインピーダンス制御回路31の動作を説明するためのフローチャート図である。
電磁場受信装置2が電磁場送信装置1に接近して、アンテナ回路20,21が電磁場送信装置1からの無変調のキャリア波を受信すると、整流回路22は、このキャリア波を全波整流し、定電圧回路23は、整流回路22の出力電圧Vregを定電圧化する。また、図示しない内部回路クロック生成回路は、キャリア波からクロック成分を抽出してクロック信号を生成する。
【0023】
内部ロジック回路24は、定電圧回路23から電力供給を受け、クロック信号に同期して動作する。
次に、電磁場送信装置1から発せられた質問に対して、電磁場受信装置2は応答を返送する。すなわち、電磁場送信装置1の図示しない変調回路は、キャリア波発生回路10から出力された無変調のキャリア波を質問コマンドで変調する。これにより、変調されたキャリア波(質問波)が電磁場送信装置1のアンテナ回路11,12から送信される。
【0024】
電磁場受信装置2のアンテナ回路20,21が変調されたキャリア波を受信すると、内部ロジック回路24内の復調回路(不図示)は、このキャリア波を復調する。内部ロジック回路24内のCPU(不図示)は、この復調により電磁場送信装置1からの質問コマンドを受信した場合、質問コマンドに対する内部演算処理を行う。
【0025】
質問コマンドに対する内部演算処理としては、CPUによる演算、内部ロジック回路24内の不揮発メモリ(不図示)からのデータ読み出し、不揮発メモリへのデータ書き込みもしくは消去、応答データの生成などがある。
そして、内部ロジック回路24内の変調回路(不図示)は、CPUによって生成された応答データでキャリア波を変調する。これにより、変調されたキャリア波(応答波)が電磁場受信装置2のアンテナ回路20,21から送信される。
【0026】
以上のように、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間で質問と応答のシーケンスが行われる一方で、インピーダンス制御回路31は、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスの制御を開始している。本実施の形態では、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスの制御を可変容量回路28の回路特性を変化させることで実現する。
【0027】
電磁場受信装置2が電磁場送信装置1に接近して、定電圧回路23(あるいは図示しない他の定電圧回路)の出力電圧がインピーダンス制御回路31の駆動に最低限必要な電圧に達したとき、インピーダンス制御回路31は動作を開始する。動作開始時、プログラム回路27は、可変容量回路28の回路特性Sn を初期値Sstart に設定する(図3ステップ101)。
【0028】
通常、インピーダンス制御回路31が動作を開始するのは、電磁場受信装置2が電磁場送信装置1の送信電磁界内にあって、かつ電磁場送信装置1と距離が離れているときであるため、電磁場送信装置1と距離が離れていても、電磁場受信装置2の受信電力量が大きくなるような値に初期値Sstart を設定することが好ましい。
そして、プログラム回路27は、電圧検出回路26によって検出された整流回路22の出力電圧値VregをVaとして保持する(ステップ102)。
【0029】
次に、プログラム回路27は、スイッチングクロック信号に同期して、前記可変容量回路28の回路特性Sn を微小量変化させてSn+1 にする(ステップ103)。なお、ここでは説明の都合上、インピーダンス制御回路31が動作を開始した後の最初の制御方向をSn+1 の方向としたが、Sn-1 の方向に変化させてもよい。
【0030】
このように可変容量回路28の回路特性Sn を変化させると、電磁場受信装置全体のインピーダンスが変わるため、電力伝送状態が変動し、整流回路22の出力電圧Vregが変動する。このときの出力電圧Vregは、可変容量回路28の変化後の回路特性Sn によって一意に決定されるので、出力電圧変動に要する一定の時間が経過した後、出力電圧Vregは概略一定となる。
【0031】
前記出力電圧変動に要する一定の時間は、電磁場受信装置2の回路パラメータによって決定されるが、特に整流回路22に含まれる、出力電圧Vregを平滑化するための平滑容量素子(不図示)の充電時間が主な要因となって決定される。通常の電磁場受信装置2では、この平滑容量素子が数十pFから数nF程度であることを考慮すると、前記出力電圧変動に要する一定の時間は概略1μsecとなる。
【0032】
そこで、プログラム回路27は、可変容量回路28の回路特性Sn を変化させてから前記一定の時間よりも長い時間Δtが経過した後(ステップ104)、電圧検出回路26によって検出された整流回路22の出力電圧値VregをVbとして保持する(ステップ105)。
【0033】
そして、プログラム回路27は、出力電圧VregのVaからVbへの変動が所望の電圧設定値Vsに近づく変動であるか否かを判定し(ステップ106,107,113)、回路特性Sn の次回の制御方向(Sn+1 またはSn-1 )を決定する。
【0034】
出力電圧Vregが電圧設定値Vsに接近したか否かは、Δt時間前の出力電圧Vaと現在の出力電圧Vbを比較し(ステップ106,112)、さらに出力電圧Vbと電圧設定値Vsを比較することによって判定する(ステップ107,113)。具体的な判定のアルゴリズムは図3のフローチャートに従うが、この判定のアルゴリズムを表形式で表すと表1のようになる。
【0035】
【表1】
Figure 0003650317
【0036】
表1において、処理Aは、整流回路22の出力電圧Vregが電圧設定値Vsに近づいたと判定して、インピーダンス制御回路31の次回の制御方向を今回と同方向にすることを意味する。また、処理Bは、出力電圧Vregが電圧設定値Vsから遠ざかったと判定して、インピーダンス制御回路31の次回の制御方向を今回と逆方向にすることを意味する。
【0037】
すなわち、Δt時間前の出力電圧Vaと現在の出力電圧Vbの大小を比較することで、出力電圧Vregが増えたか減ったかの増減方向を判定し、出力電圧Vbと電圧設定値Vsの大小を比較することで、電圧設定値Vsが現在の出力電圧Vregを増やす方向にあるのか減らす方向にあるのかを判定する。
【0038】
これら2つの判定結果より、表1に基づいて、出力電圧Vregが電圧設定値Vsに近づいたと判定した場合は、次回の制御において可変容量回路28の回路特性Sn を今回と同方向に変化させ、電圧設定値Vsから遠ざかったと判定した場合は、次回の制御において可変容量回路28の回路特性Sn を今回と逆方向に変化させる。
【0039】
実際の判定では、プログラム回路27は、ステップ106においてVb−Va>0が成立し、かつステップ107においてVs−Vb≧0が成立した場合、またはVb−Va>0が不成立で、かつステップ113においてVs−Vb≧0が不成立の場合、次回の制御方向を今回と同方向のSn+1 としてステップ102に戻る。
【0040】
また、プログラム回路27は、ステップ106においてVb−Va>0が不成立で、かつステップ113においてVs−Vb≧0が成立した場合、またはステップ106においてVb−Va>0が成立し、かつステップ107においてVs−Vb≧0が不成立の場合、次回の制御方向を今回と逆方向のSn-1 としてステップ108に進む。
【0041】
ステップ108〜111の処理は、ステップ109において制御方向をSn-1 とする以外はステップ102〜105と同じである。
そして、プログラム回路27は、ステップ112においてVb−Va>0が成立し、かつステップ113においてVs−Vb≧0が成立した場合、またはステップ112においてVb−Va>0が不成立で、かつステップ107においてVs−Vb≧0が不成立の場合、次回の制御方向を今回と同方向のSn-1 としてステップ108に戻る。
【0042】
また、プログラム回路27は、ステップ112においてVb−Va>0が不成立で、かつステップ107においてVs−Vb≧0が成立した場合、またはVb−Va>0が成立し、かつステップ113においてVs−Vb≧0が不成立の場合、次回の制御方向を今回と逆方向のSn+1 としてステップ102に進む。
以上のステップ102〜113の処理がΔtごとに行われる。
【0043】
なお、図3、表1では、Va=VbのときにはVb<Vaと同じ処理を行い、Vb=VsのときにはVb<Vsと同じ処理を行っているが、Va=VbのときにVb>Vaと同じ処理を行い、Vb=VsのときにVb>Vsと同じ処理を行うようにしてもよい。
【0044】
以上のように、電磁場受信装置2のインピーダンス制御回路31は、可変容量回路28の回路特性Sn の制御と、整流回路22の出力電圧Vregの検出と、この検出結果に基づく回路特性Sn の次回の制御方向の決定とを繰り返し行うことで、出力電圧Vregを電圧設定値Vsに近づける。前述のように、整流回路22の出力電圧変動に要する一定の時間が概略1μsecなので、インピーダンス制御回路31の繰り返し動作周波数、すなわちスイッチングクロック周波数(=1/Δt)の上限は概略1MHzである。
【0045】
また、電磁場受信装置2は人が携帯するものなので、インピーダンス制御回路31は、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化しても、電磁場受信装置2の内部回路の駆動に過不足ない適切な受信電力量が電磁場送信装置1から得られるよう追従動作する必要があるので、ある程度高速に動作しなければならない。また、電圧設定値Vsが電磁場送信装置1との通信に最低限必要な電圧値である場合、出力電圧Vregが電圧設定値Vsに達する時間が長くなると、通信のオーバーヘッドになり得る。したがって、インピーダンス制御回路31の繰り返し動作周波数の下限は1kHz程度が妥当である。
【0046】
図4は、インピーダンス制御回路31による繰り返し制御と整流回路22の出力電圧Vregとの関係の1例を示す図である。ここでは、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度、電磁場送信装置1の送信出力、及び電磁場受信装置2の内部回路の所要電力量に時間的な変動がないものとする。また、図4に示す時刻t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8,t9の各間隔は、スイッチングクロック周期Δtと等しい。
【0047】
整流回路22の出力電圧Vregは、インピーダンス制御回路31の繰り返し制御により、初期値V1から次第に増加して電圧設定値Vsに近づき、時刻t4以降は電圧設定値Vsを挟んでV3とV4の間を往復している。これは、時刻t1,t2では、インピーダンス制御回路31の次回の制御方向が同一方向に決定され、時刻t3以降の各時刻では、次回の制御方向が逆方向に決定されたことを意味する。
【0048】
このように、インピーダンス制御回路31の動作により、整流回路22の出力電圧Vregは、電圧設定値Vsに近づき、電圧設定値Vsを超えると、インピーダンス制御回路31の制御方向が周期的に反転(図4の例ではΔt毎に反転)するのに合わせて、電圧設定値Vsの近傍で振動状態となる。
【0049】
電磁場送信装置1の送信出力が小さい場合や、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が大きい場合には、出力電圧Vregが取りうる最大値が電圧設定値Vsを下回る場合がある。この場合のインピーダンス制御回路31による繰り返し制御と出力電圧Vregとの関係を図5に示す。
【0050】
整流回路22の出力電圧Vregは、インピーダンス制御回路31の繰り返し制御により、初期値V1から次第に増加して電圧設定値Vsに近づく。しかし、可変容量回路28の回路特性Sn を制御しても電圧設定値Vsに達しない条件であるため、出力電圧Vregは、電圧設定値Vsに最大限近づいたところで、インピーダンス制御回路31の制御方向が周期的に反転(図5の例では2Δt毎に反転)するのに合わせて、電圧設定値Vsに最大限近づいたV5の近傍で振動状態となる。
【0051】
以上のように、インピーダンス制御回路31は、整流回路22の出力電圧Vregが電圧設定値Vsに近づくよう動作し、与えられた条件下で最大限接近させた後は、制御方向を周期的に反転(以下、この動作を周回動作と呼ぶ)させる。電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化すると、可変容量回路28の容量値に対する出力電圧Vregの特性が変動するため、電磁場送信装置1から受ける受信電力量が変動する。しかし、本実施の形態の電磁場受信装置2においては、インピーダンス制御回路31の繰り返し動作を高速に行うため、このような特性変化にも十分追従し、内部回路の駆動に過不足ない適切な電力量を受信するよう動作する。
【0052】
図5、図6の例では、出力電圧Vregが電圧設定値Vsに最大限近づいたところで、インピーダンス制御回路31が周回動作を始め、出力電圧Vregが振動状態を示すが、このような振動状態は、電磁場受信装置2の受信電力的には問題が無くても、通信にとってはあまり好ましくない。ここで、周回動作が通信にとって好ましくない理由を説明する。非接触ICカードシステムに代表される非接触通信システムでは、通常、電磁場送信装置1から電磁場受信装置2への通信に振幅変調を用いる。電磁場受信装置2では、アンテナ回路20,21に誘起する電圧または整流回路22の出力電圧Vregの変動を復調することで電磁場送信装置1から送信されたデータを得る。しかしながら、インピーダンス制御回路31による周回動作によっても受信電力は変動する。復調回路単体では、周回動作による受信電力の変動と電磁場送信装置1の変調出力による受信電力の変動の区別がつかないため、周回動作による受信電力の変動が大きいと、変調信号と誤って復調してしまい、通信エラーの原因となる。一方、電磁場受信装置2から電磁場送信装置1への通信時には、負荷変調方式と呼ばれる方式を使用しており、電磁場受信装置2側で自装置の入出力インピーダンスを変動させることで、電磁場送信装置1側の出力電圧の振幅を変動させ、その変動を検出することで電磁場受信装置2からのデータを取得している。よって、電磁場送信装置1側から見れば、出力電圧の変動が負荷変調によるものなのか、周回動作によるものなのかを区別できないため、通信エラーの原因となる。以上の点から、周回動作は通信にとって好ましくないと言える。
【0053】
そこで、可変容量回路28の回路特性Sn がSn+1 とSn-1 の間を繰り返し往復する状態、若しくは出力電圧Vregの振動状態を検知することで、インピーダンス制御回路31の周回動作を検知し、周回動作を検知したとき回路特性Sn の制御を停止する動作停止手段をインピーダンス制御回路31(プログラム回路27)に設けることが望ましい。あるいは、電圧設定値Vsを含む、下限値VL及び上限値VHの電圧許容範囲をあらかじめ設定し、出力電圧Vregがこの電圧許容範囲内である場合に制御を停止する動作停止手段を設けてもよい。
【0054】
なお、動作停止手段による制御の停止後に、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化したり、電磁場受信装置2の内部回路の駆動に必要な電力量が変化したりして、出力電圧Vregが変動する場合がある。よって、プログラム回路27は、制御の停止後も、出力電圧Vregの変動を検知して、出力電圧Vregが前記電圧許容範囲を外れたときは、可変容量回路28の回路特性Sn の制御を再開するのがよい。
【0055】
整流回路22の出力電圧Vregが前記電圧許容範囲内である場合に制御を停止する動作停止手段をプログラム回路27に設ける場合、|VH−VL|、すなわち上限値VHと下限値VLの差の絶対値は、可変容量回路28の回路特性Sn を1回制御することによる出力電圧Vregの変動量よりも大きい必要がある。その理由は、前記電圧許容範囲が1回の制御による出力電圧Vregの変動量より小さいと、出力電圧Vregが前記電圧許容範囲内に入らず、制御を停止することができなくなるためである。
【0056】
また、下限値VLは、定電圧回路23の出力が定格値を得るのに最低限必要な整流回路22の出力電圧Vthより大きく、かつ|VL−Vth|が1回の制御による出力電圧Vregの変動量より大きくなるように設定するのがよい。その理由は、動作停止手段による制御の停止後に、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化したり、電磁場受信装置2の内部回路の駆動に必要な電力量が変化したりして、出力電圧Vregが下限値VLを下回り、制御動作を再開したとき、1回の制御により出力電圧Vregが最低限必要な電圧Vthを下回ってしまうのを防ぐためである。
【0057】
図6は、動作停止手段を有する場合のインピーダンス制御回路31の動作を説明するためのフローチャート図であり、図3と同一の処理には同一の符号を付してある。プログラム回路27は、ステップ102において電圧検出回路26で検出された整流回路22の出力電圧Va=Vregが前記電圧許容範囲内であるか否かを判定し(ステップ114)、出力電圧Vaが前記電圧許容範囲外である場合はステップ103に進み、前記電圧許容範囲内である場合は、可変容量回路28の回路特性Sn の制御を行わずに、一定時間Δtだけ待機した後(ステップ115)、ステップ102に戻る。
【0058】
同様に、プログラム回路27は、ステップ108において検出された出力電圧Vaが前記電圧許容範囲内であるか否かを判定し(ステップ116)、出力電圧Vaが前記電圧許容範囲外である場合はステップ109に進み、前記電圧許容範囲内である場合は時間Δtだけ待機した後(ステップ117)、ステップ108に戻る。以上のステップ102〜117の処理がΔtごとに行われる。
【0059】
図7は、動作停止手段を有する場合のインピーダンス制御回路31の制御と整流回路22の出力電圧Vregとの関係の1例を示す図である。ここでは、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度、電磁場送信装置1の送信出力、及び電磁場受信装置2の内部回路の所要電力量に時間的な変動がないものとする。
【0060】
整流回路22の出力電圧Vregは、インピーダンス制御回路31の繰り返し制御により、初期値から次第に増加して電圧設定値Vsに近づき、下限値VL及び上限値VHの電圧許容範囲内に入る。このとき、動作停止手段が制御動作を停止させることにより、以降は出力電圧Vregの時間変動がなくなる。これに対して、動作停止手段がない場合には、前述のように出力電圧Vregは電圧設定値Vsの近傍で振動状態となる。
【0061】
電磁場送信装置1がキャリア波を振幅変調して信号を送信するなどして、送信電力が時間経過に伴って等価的に変動する場合には、この変動に合わせて出力電圧Vregも変動する。したがって、出力電圧VregがVHまたはVLの近傍にある場合には、送信電力の変動に伴って、制御動作の停止と再開とが繰り返され、通信エラーを起こす可能性がある。
【0062】
そこで、インピーダンス制御回路31が制御動作を停止するときのしきい値と制御動作を再開するときのしきい値とを変えることで、通信エラーを防ぐことができる。すなわち、プログラム回路27には、VH,VLが制御を停止するときのしきい値として予め設定され、VH+ΔV1,VL−ΔV2が制御を再開するときのしきい値として予め設定されている。
【0063】
そして、プログラム回路27は、図8に示すように、制御動作中に整流回路22の出力電圧Vregが下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲内に入った場合(VL<Vreg<VH)、制御動作を停止し、動作停止後、出力電圧Vregが下限値VL−ΔV2及び上限値VH+ΔV1の第2の電圧許容範囲から外れた場合(Vreg>VH+ΔV1またはVreg<VL−ΔV2)、制御動作を再開する。上記ΔV1およびΔV2を、電磁場送信装置1が振幅変調することで変動する出力電圧Vregの変動幅より大きくなるように適切に設定することで、出力電圧VregがVHまたはVLの近傍で変動しても、制御動作の停止と再開とが繰り返されることがなくなる。
【0064】
次に、以上のような電磁場受信装置2のインピーダンス制御を実現する可変容量回路28の構成について詳細に説明する。図9は可変容量回路28の構成を示す回路図である。可変容量回路28は、容量素子C0をアンテナ回路20,21と並列に配置し、さらに容量素子Cv(Cv1,Cv2,Cv3,・・・,Cvi)と例えばトランジスタ等からなる電子スイッチS(S1,S2,S3,・・・,Si)とを直列に接続した直列接続回路をアンテナ回路20,21と並列に複数個配置したものである。なお、容量素子C0は必須の構成ではない。
【0065】
プログラム回路27は、図2〜図8を用いて説明した制御アルゴリズムに従って可変容量回路28の回路特性Sn を制御すべく各電子スイッチSのオン/オフ状態を決定する。スイッチ制御回路29は、プログラム回路27の決定を受けて、可変容量回路28の電子スイッチSをオン/オフさせるための制御信号CTLをスイッチングクロック生成回路30からのスイッチングクロック信号に同期して出力する。
【0066】
可変容量回路28の電子スイッチSは、制御信号CTLに応じてオンまたはオフ状態となる。電子スイッチSがオン/オフすることにより、可変容量回路28の回路特性Sn 、すなわち可変容量回路28の容量値が変化するので、これにより電磁場送信装置1から見た電磁場受信装置2の入出力インピーダンスが変化する。
【0067】
図3、図6のステップ103で説明した回路特性Sn+1 がオン状態の電子スイッチSを1個増したときの回路特性であるとすれば、ステップ109で説明した回路特性Sn-1 はオン状態の電子スイッチSを1個減らしたときの回路特性である。こうして、可変容量回路28の回路特性Sn を変化させ、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを変化させることができる。
【0068】
可変容量回路28の回路特性Sn の可変範囲(容量値の可変範囲)及び回路特性Sn がとり得る状態の数(可変容量回路28内の直列接続回路の個数)は、以下のように設定するのが良い。すなわち、電磁場受信装置2の内部回路の動作に必要な所要電力量と、電磁場送信装置1の送信出力とから、可変容量回路28の回路特性Sn を制御することによって得られる最大の動作距離や対向角度を決定する。
【0069】
そして、決定した動作距離や対向角度の範囲内において電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度が変化し、可変容量回路28の回路特性Sn に対する出力電圧Vregの特性が変動したとしても、回路特性Sn を制御すれば出力電圧Vregを電圧設定値Vsの近傍に到達させることができるように前記回路特性Sn の可変範囲を設定すればよい。
【0070】
また、この回路特性Sn の可変範囲内において、回路特性Sn がとり得る状態の数を決定する。この際、1回の制御による出力電圧Vregの変動量が大きいと、出力電圧Vregを低下させるときに電磁場受信装置2の内部回路の駆動に最低限必要な電圧Vthを下回って動作不良を起こす危険性があるので、このような危険性を避け得る程度に出力電圧Vregが変動するよう、1制御当たりの回路特性Sn の変化量を設定する。
【0071】
さらに、1回の制御による出力電圧Vregの変動量が大きいと、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2間の通信エラーを起こし誤動作する可能性があるので、1回の制御による出力電圧Vregの変動量の上限を通信エラーが起こらない程度に抑えることとし、これに基づいて1制御当たりの回路特性Sn の変化量を設定するのがよい。
【0072】
また、スイッチングクロック周波数との兼ね合いであるが、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離や角度の変動速度に、可変容量回路28の回路特性制御による受信電力量制御が追従できるよう回路特性Sn の状態数を少なく設定するのがよい。
【0073】
このように、回路パラメータや使用目途等によって1制御当たりの回路特性Sn の変化量及び回路特性Sn がとり得る状態数の最適値は異なるが、概して言うと、回路特性Sn がとり得る状態数は概略3〜100程度がよい。また、電磁場受信装置2を人間が手に持って動作させることと、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2間の通信の安定性とを考慮すると、前記状態数は概略5〜50程度である方がより好ましい。さらに、本実施の形態の電磁場受信装置2を1つのICチップ内で構成するためには、回路規模等をかんがみ、前記状態数は概略10〜30程度であるほうがより好ましい。
【0074】
可変容量回路28の各容量素子C0,Cv1〜Cviに対する容量値の分配は、荒く決めるなら全て等量な容量値を用いても差し支えない。しかし、より望ましくは、回路パラメータを用いて図2に示すような入出力インピーダンスに対する出力電圧Vregの特性をシミュレーション等を用いて計算し、所望の動作範囲内で可変容量回路28の回路特性Sn を変化させながら上記特性を調べ、その範囲をカバーするように各容量値を割り振るのが良い。このようにして容量値を決定すると、等間隔や指数関数的な数値列等の単純な配列にはならず、各容量素子C0,Cv1〜Cviの容量値は概略数pFから数十pF程度となる。
【0075】
[実施の形態の2]
本発明は、非接触で通信を行う携帯可搬の電磁場受信装置なら、どのようなものであっても差し支えなく、RFタグ、携帯情報端末などにも利用できる。しかし、より有用な適用領域はICカードシステムである。そこで、本実施の形態では、電磁場送信装置1をISO/IEC14443で標準化されたリーダライタとし、電磁場受信装置2をISO/IEC14443で標準化された非接触ICカードとして、非接触通信システム(非接触ICカードシステム)を詳細に説明する。
【0076】
図10は、本発明の第2の実施の形態となる非接触通信システムの構成図である。本実施の形態においても、電磁場送信装置1及び電磁場受信装置2の構成は実施の形態の1と同様であるので、実施の形態の1の符号を用いて説明する。
電磁場送信装置1は、図10に示すようにコンピュータ等の制御端末3によってその動作を制御されている。電磁場送信装置1と電磁場受信装置2は電磁誘導で結合されており、これを用いて、電磁場送信装置1から電磁場受信装置2に電力を供給している。また、同時に通信も電磁誘導で行う。
【0077】
電磁場送信装置1は周波数13.56MHzのキャリヤ周波数の電磁波をアンテナコイル11から送信しており、その出力は概略1W程度である。また、電磁場送信装置1からのデータ送信は、13.56MHzのキャリア波を概略106kbaudの速度で概略10%のASK(Amplitude Shift Keying)変調することによって行う。
【0078】
電磁場受信装置2のアンテナコイル20は、銅エッチングによって印刷形成されたスパイラルコイルを図10のようにカード部材内部に埋め込んだもので、その外周寸法は最大でも概略5cm×8cm程度である。ターン数は電磁場送信装置1のキャリヤ周波数が13.56MHzであり、これに対してアンテナコイル20と同調回路21と可変容量回路28とで受信することをかんがみ、4ターンで自己インダクタンスが0.917μHのアンテナコイル20を使用した。なお、電磁場送信装置1については、5ターンで自己インダクタンスが2.89μHのアンテナコイル11を使用した。
【0079】
図11は整流回路22及び定電圧回路23の構成を示す回路図である。整流回路22は、4つのダイオード22aを用いた全波整流回路と、出力電圧Vregを平滑化するための平滑容量素子22bとから構成される。平滑容量素子22bの容量値は10nFとした。
定電圧回路23は、整流回路22の出力電圧Vregを入力とするレギュレータ23aによって構成され、出力電圧Vregを電磁場受信装置2の内部回路の動作電圧に定電圧化して出力する。
【0080】
同調回路21は、図9に示すように、アンテナコイル20と並列に接続された65pFの容量素子Caと、アンテナコイル20と直列に接続された120pFの容量素子Cbとから構成される。なお、容量素子CaもしくはCbの1つを取り除いて、この容量素子を取り除いた箇所に可変容量回路28を挿入することも可能であるが、アンテナ回路20,21に近づくに従って、電子スイッチSに印加される電圧が高くなり、電子スイッチSの耐圧を上回る可能性が高くなる。この電圧は同調回路21で降圧されるので、可変容量回路28は同調回路21の後段に配することが好ましい。
【0081】
また、可変容量回路28については、容量素子Cvと電子スイッチSとからなる直列接続回路の数を20個とし、容量素子CvにCv1〜Cv20、容量素子Cv1〜Cv20と接続された電子スイッチSにそれぞれS1〜S20の符号を付与するものとする。表2に容量素子C0,Cv1〜Cv20の容量値を示す。容量素子C0については必ずしも必要ではないが、ここでは20pFとした。
【0082】
【表2】
Figure 0003650317
【0083】
内部ロジック回路24は、その駆動電力を定電圧回路23から得ており、内部には、主にカードの機能動作を行うCPU等のディジタル回路と、電磁場送信装置1との通信を行うための変調回路及び復調回路を有する。通常、CPU等のディジタル回路は、制御端末3との通信手段、クロックを自立発振で生成する基準周波数発生回路、バッファメモリ、初期応答や衝突防止等の通信プロトコルの制御手段、内部ロジック回路24の動作に必要な内部クロック信号をキャリア波から生成する内部回路クロック生成回路、CPU、RAM、ROM、電気的に書き換え/消去可能な不揮発メモリ(EEPROM、フラッシュメモリ、強誘電体メモリ等)を含む。
【0084】
復調回路は、電磁場送信装置1によって変調されアンテナ回路20,21で受信したキャリヤ波から通信信号を抽出し、変調回路は、電磁場受信装置2の入出力インピーダンスを変化させることにより、キャリヤ波に対して負荷変調を行う。内部ロジック回路24の動作に必要な電力は概略50mWである。
【0085】
図12はインピーダンス制御回路31の詳細な構成を示すブロック図である。スイッチ制御回路29は、プログラム回路27の決定に基づいて、制御信号CTLを可変容量回路28へ出力する。ここで、制御信号CTLにより可変容量回路28の全ての電子スイッチS1〜S20をオンにした状態を初期状態S0とすると、初期状態S0から電子スイッチS1〜S20を1つずつ順次オフにしていったときの可変容量回路28の等価容量値は、表2に示す各容量素子C0,Cv1〜Cv20の容量値から表3のようになる。表3において、S1は初期状態S0から電子スイッチS1をオフにした状態を示し、S2は電子スイッチS1,S2をオフにした状態を示す。
【0086】
【表3】
Figure 0003650317
【0087】
電圧検出回路26は、1スイッチングクロック毎に整流回路22の出力電圧Vregの変動を検出して、検出結果をプログラム回路27に出力する出力電圧変動検出部26aと、整流回路22の出力電圧Vregを所定のしきい値と比較して比較結果をプログラム回路27に出力する出力電圧比較部26bとから構成される。
【0088】
出力電圧変動検出部26aは、スイッチングクロック生成回路30から出力されたスイッチングクロック信号に同期して整流回路22の出力電圧Vregを保持するサンプルホールド回路26a−1と、サンプルホールド回路26a−1によって保持された1スイッチングクロック前の整流回路22の出力電圧Vregと現在の出力電圧Vregとを比較して、この比較結果をプログラム回路27に出力するコンパレータ26a−2とを有している。
【0089】
サンプルホールド回路26a−1によって保持された1スイッチングクロック前の出力電圧Vregは、図3、図6で説明した出力電圧Vaに相当する。したがって、プログラム回路27は、コンパレータ26a−2の比較結果に基づいてステップ106,112の処理を実行することができる。
【0090】
出力電圧比較部26bは、第1のシュミットトリガ26b−1と、この第1のシュミットトリガ26b−1としきい値が異なる第2のシュミットトリガ26b−2と、この第2のシュミットトリガ26b−2の出力を論理反転させるインバータ26b−3と、シュミットトリガ26b−1の出力とインバータ26b−3の出力の論理和をとるOR回路26b−4とを有している。
【0091】
第1のシュミットトリガ26b−1の2つのしきい値としては、整流回路22の出力電圧Vregが低下するときのしきい値として前述のVL−ΔV2が設定され、出力電圧Vregが上昇するときのしきい値としてVLが設定される。
また、第2のシュミットトリガ26b−2の2つのしきい値としては、出力電圧Vregが低下するときのしきい値としてVHが設定され、出力電圧Vregが上昇するときのしきい値としてVH+ΔV1が設定される。
【0092】
図13は、シュミットトリガ26b−1の出力X、シュミットトリガ26b−2の出力Y、インバータ26b−3の出力Z及びOR回路26b−4の出力OUTと整流回路22の出力電圧Vregとの関係を示す図である。図12のような回路構成とすることで、整流回路22の出力電圧Vregが下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲内に入った場合(VL<Vreg<VH)、出力電圧比較部26b(OR回路26b−4)の出力OUTは「H」レベルから「L」レベルに変わり、出力電圧Vregが下限値VL−ΔV2及び上限値VH+ΔV1の第2の電圧許容範囲から外れた場合(Vreg>VH+ΔV1またはVreg<VL−ΔV2)、出力電圧比較部26bの出力OUTは「L」レベルから「H」レベルに変わる。
【0093】
プログラム回路27は、制御動作中に出力電圧比較部26bの出力OUTが「L」レベルに変わったとき、制御動作を停止し、動作停止後に出力電圧比較部26bの出力OUTが「H」レベルに変わったとき、制御動作を再開する。こうして、図8を用いて説明した、制御動作の停止と再開の繰り返しを防止する動作を実現することができる。
【0094】
本実施の形態では、定電圧回路23の定格出力が2Vで、この定格出力が安定して得られるのに必要な整流回路22の出力電圧Vregが概略4Vであり、かつ電磁場送信装置1の出力の変調度が10%であることより、この変調による出力電圧Vregの変動にも誤動作しないよう、第1のシュミットトリガ26b−1のしきい値VL−ΔV2,VLをそれぞれ4.5V,5.5Vとし、第2のシュミットトリガ26b−2のしきい値VH,VH+ΔV1をそれぞれ6.5V,7.5Vとした。
【0095】
プログラム回路27は、図6に示すアルゴリズムに従って動作するよう内部ロジックが設定されている。ただし、プログラム回路27の動作停止手段は、制御動作中に出力電圧比較部26bの出力OUTが「L」レベルになったとき制御動作を停止させる。
スイッチングクロック生成回路30は、アンテナ回路20の誘起電圧(キャリア波)からクロック信号を抽出するクロック抽出回路30aと、クロック抽出回路30aによって生成されたクロック信号を分周してスイッチングクロック信号を生成する分周回路30bとから構成される。スイッチングクロックの周波数は約333kHzに設定した。
【0096】
可変容量回路28の状態、整流回路22の出力電圧Vreg及び定電圧回路23の出力電圧の時間変動の1例を図14に示す。図14は、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2とが正対し、電磁場送信装置1と電磁場受信装置2との間の距離がそれぞれ5mm、10mm、15mm、40mmのときの動作例を示す図である。
【0097】
図14の例では、時刻0において電磁場送信装置1からキャリア波の送信を開始している。キャリア波は、106kbaudで10%振幅変調されている。キャリア波を振幅変調しているビット列は1/0の繰り返しとした。電磁場送信装置1の出力が発生してから約6μsec後に、電磁場受信装置2のインピーダンス制御回路31が動作を開始する。この動作開始後はスイッチングクロック生成回路30から出力される333kHzのスイッチングクロックに同期して可変容量回路28の状態が変動する。
【0098】
初期状態では、整流回路22の出力電圧Vregが電圧設定値Vs以下であるため、全ての距離において、出力電圧Vregが電圧設定値Vsに近づくようインピーダンス制御回路31が制御動作を行い、この結果、出力電圧Vregが時間経過とともに増加する。
【0099】
出力電圧Vregが第1のシュミットトリガ26b−1のしきい値VL=5.5Vを超えると、インピーダンス制御回路31の制御動作が停止する。例えば、距離5mmでは、概略70μsec後に出力電圧Vregがしきい値VLを超え、制御動作が停止している。距離5mm、10mm、15mmの場合、何れもインピーダンス制御回路31の制御動作によって、出力電圧Vregが下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲内に入り、制御動作が停止している。制御動作停止時の可変容量回路28の状態は、電磁場送信装置1との距離によって異なることが分かる。
【0100】
また、制御動作停止後は、電磁場送信装置1の送信出力の10%振幅変調によって整流回路22の出力電圧Vregが周期的に上がったり下がったりしているが、シュミットトリガ26b−1,26b−2のヒステリシスにより、インピーダンス制御回路31が制御動作を再開することは無く、上記10%振幅変調信号を正しく受信することができる。
【0101】
一方、距離40mmの場合、可変容量回路28の容量値を調整しても、出力電圧Vregが前記第1の電圧許容範囲内に入らないため、出力電圧Vregが電圧設定値Vsに最大限近づいたところで、インピーダンス制御回路31が周回動作をしている。この周回動作時は出力電圧Vregが振動状態となるが、制御動作による出力電圧Vregの変動値が5%以下と十分に小さくなるよう可変容量回路28の各容量値を設定しているため、上記10%振幅変調信号を正しく受信することができる。
また、いずれの距離においても、定電圧回路23の出力電圧は定格の2Vとなり、内部ロジック回路24の動作に十分な電力が供給される。
【0102】
次に、従来の電磁場受信装置における整流回路の出力電圧及び定電圧回路の出力電圧の時間変動の1例を図15に示す。この従来の電磁場受信装置は、本実施の形態の電磁場受信装置2において入出力インピーダンスを固定したものであり、その他の回路パラメータ等の条件については電磁場受信装置2と同じである。ここでは、電磁場送信装置と電磁場受信装置とが正対し、電磁場送信装置と電磁場受信装置との間の距離を10mm、20mm、30mm、40mmとした。
【0103】
図15の例では、電磁場送信装置と電磁場受信装置間の距離が大きくなるにつれて整流回路の出力電圧Vregが低下し、距離40mmにおいては、定電圧回路の出力電圧が定格の2Vに達していないことから、距離40mm以上では内部ロジック回路の動作に十分な電力が得られないことが分かる。
以上より、本発明では、電磁場送信装置から電力供給を受けて動作することができる動作可能領域(空間)を拡大できることが分かる。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御回路を電磁場受信装置に設け、このインピーダンス制御回路が、整流回路の出力電圧が所望の電圧設定値となるよう自装置のインピーダンスを変化させる制御動作を繰り返し行うので、電磁場受信装置の内部回路の消費電力量が増大したり、電磁場送信装置と電磁場受信装置との間の距離や角度が変化して電磁場送信装置からの受信電力量が変化したりしても、内部回路の駆動に過不足ない適切な電力量を受信することができる。その結果、電磁場受信装置の動作可能領域(空間)を拡大することができる。
【0105】
また、インピーダンス制御回路が、容量素子と電子スイッチとを直列に接続した直列接続回路をアンテナ回路と並列に複数個配置した可変容量回路と、整流回路の出力電圧を検出する電圧検出回路と、電圧検出回路の検出結果に基づいて、整流回路の出力電圧が所望の電圧設定値となるよう可変容量回路の各電子スイッチの状態を決定するプログラム回路と、プログラム回路の決定に従って可変容量回路の各電子スイッチのオン/オフを制御するスイッチ制御回路と、電子スイッチのスイッチングクロックを生成するスイッチングクロック生成回路とを含み、プログラム回路による電子スイッチの状態決定と、スイッチ制御回路による電子スイッチの制御と、電圧検出回路による整流回路の出力電圧検出とを1スイッチングクロック毎に繰り返し行うことにより、電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを段階的、かつ容易に変化させることができ、インピーダンス制御を動的に行って、電磁場送信装置からの受信電力量を制御するインピーダンス制御回路を容易に実現することができる。
【0106】
また、電圧検出回路が出力電圧変動検出部を含み、出力電圧変動検出部を、スイッチングクロック生成回路から出力されたスイッチングクロックに同期して整流回路の出力電圧を保持するサンプルホールド回路と、このサンプルホールド回路によって保持された出力電圧と整流回路の現在の出力電圧との大小を比較するコンパレータとから構成することにより、整流回路の出力電圧の変動を1スイッチングクロック毎に検出することができる。
【0107】
また、インピーダンス制御回路が、所望の電圧設定値を含む、下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲を設定し、|VH−VL|を1回の制御動作による整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、下限値VLを定電圧回路の出力が定格値を得るのに最低限必要な整流回路の出力電圧Vthよりも大きく設定し、|VL−Vth|を1回の制御動作による整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、整流回路の出力電圧が第1の電圧許容範囲内である場合に制御動作を停止することにより、インピーダンスの制御方向が周期的に反転する周回動作を回避することができ、通信エラーの発生を回避することができる。
【0108】
また、インピーダンス制御回路が、第1の電圧許容範囲に加えて、下限値VL−ΔV2(VL−ΔV2<VL)及び上限値VH+ΔV1(VH+ΔV1>VH)の第2の電圧許容範囲を設定し、制御動作中に、整流回路の出力電圧が第1の電圧許容範囲内に入ったとき、制御動作を停止し、制御動作停止中に、整流回路の出力電圧が第2の電圧許容範囲から外れたとき、制御動作を再開することにより、制御動作の停止と再開とが繰り返されることを防止でき、通信エラーの危険性を回避することができる。
【0109】
また、電圧検出回路が出力電圧比較部を含み、出力電圧比較部を、整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値としてVL−ΔV2が設定され、整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値としてVLが設定された第1のシュミットトリガと、整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値としてVHが設定され、整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値としてVH+ΔV1が設定された第2のシュミットトリガと、第2のシュミットトリガの出力を論理反転させるインバータと、第1のシュミットトリガの出力とインバータの出力の論理和をとるOR回路とから構成することにより、出力電圧比較部を用いることで、制御動作の停止と再開の繰り返しを防止する動作を容易に実現することができる。
【0110】
また、アンテナ回路で誘起した電圧のクロック成分を分周してスイッチングクロックを生成することにより、スイッチングクロックを簡易な構成で生成することができる。
【0111】
また、スイッチングクロックの周波数を1kHz以上1MHz以下とすることにより、電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御とこれに付随する整流回路の出力電圧検出とを正確に実行でき、かつインピーダンス制御に要する時間を短くして、電磁場送信装置に応答を返すまでの時間を短くすることができる。
【0112】
また、直列接続回路の個数を3個以上100個以下とすることにより、1つの電子スイッチの状態変化による整流回路の出力電圧変化を適切な量にすることができ、整流回路の出力電圧を低下させるときに出力電圧が電磁場受信装置の各回路の最低必要電圧を下回って動作不良を起こすという危険性及び通信の不安定性を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態となる非接触通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の動作概念を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態におけるインピーダンス制御回路の動作を説明するためのフローチャート図である。
【図4】 インピーダンス制御回路による繰り返し制御と整流回路の出力電圧との関係の1例を示す図である。
【図5】 インピーダンス制御回路による繰り返し制御と整流回路の出力電圧との関係の他の例を示す図である。
【図6】 動作停止手段を有する場合のインピーダンス制御回路の動作を説明するためのフローチャート図である。
【図7】 動作停止手段を有する場合のインピーダンス制御回路の制御と整流回路の出力電圧との関係の1例を示す図である。
【図8】 インピーダンス制御回路の動作としきい値との関係を示す図である。
【図9】 本発明の第1の実施の形態における可変容量回路の構成を示す回路図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態となる非接触通信システムの構成図である。
【図11】 本発明の第2の実施の形態における整流回路及び定電圧回路の構成を示す回路図である。
【図12】 本発明の第2の実施の形態におけるインピーダンス制御回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図13】 電圧検出回路の出力電圧比較部内の各回路の出力と整流回路の出力電圧との関係を示す図である。
【図14】 本発明の第2の実施の形態における可変容量回路の状態、整流回路の出力電圧及び定電圧回路の出力電圧の時間変動の1例を示す図である。
【図15】 従来の電磁場受信装置における整流回路の出力電圧及び定電圧回路の出力電圧の時間変動の1例を示す図である。
【符号の説明】
1…電磁場送信装置、2…電磁場受信装置、3…端末装置、10…キャリア波発生回路、11…アンテナコイル、12…同調回路、20…アンテナコイル、21…同調回路、22…整流回路、23…定電圧回路、24…内部ロジック回路、26…電圧検出回路、27…プログラム回路、28…可変容量回路、29…スイッチ制御回路、30…スイッチングクロック生成回路、31…インピーダンス制御回路、26a…出力電圧変動検出部、26b…出力電圧比較部、26a−1…サンプルホールド回路、26a−2…コンパレータ、26b−1、26b−2…シュミットトリガ、26b−3…インバータ、26b−4…OR回路、30a…クロック抽出回路、30b…分周回路、Ca、Cb、C0、Cv…容量素子、S…電子スイッチ。

Claims (2)

  1. 電磁場送信装置から送信された電磁波を受信するアンテナ回路と、このアンテナ回路で受信した前記電磁波から自装置の駆動用電力を得る整流回路と、この整流回路の出力電圧を定電圧化する定電圧回路とを備え、電磁誘導を用いて非接触状態で前記電磁場送信装置から電力供給を受ける電磁場受信装置において、
    前記電磁場送信装置から見た自装置のインピーダンスを変化させるインピーダンス制御回路を有し、このインピーダンス制御回路は、前記自装置のインピーダンスを所定量変化させ、この制御によって変動した前記整流回路の出力電圧が所望の電圧設定値に接近したか否かを判定し、この判定結果に応じて前記整流回路の出力電圧が前記電圧設定値に近づくように次回の制御において前記インピーダンスを変化させる方向を決定する動作を繰り返し行うことにより、前記電磁場送信装置からの受信電力量を制御する手段と、
    前記所望の電圧設定値を含む、下限値VL及び上限値VHの第1の電圧許容範囲を設定し、|VH−VL|を1回の前記制御動作による前記整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、前記下限値VLを前記定電圧回路の出力が定格値を得るのに最低限必要な前記整流回路の出力電圧Vthよりも大きく設定し、|VL−Vth|を1回の前記制御動作による前記整流回路の出力電圧の変動量よりも大きく設定し、前記整流回路の出力電圧が前記第1の電圧許容範囲内である場合に、前記制御動作を停止する手段と、
    前記第1の電圧許容範囲に加えて、下限値VL−ΔV2(VL−ΔV2<VL)及び上限値VH+ΔV1(VH+ΔV1>VH)の第2の電圧許容範囲を設定し、制御動作停止中に、前記整流回路の出力電圧が前記第2の電圧許容範囲から外れたとき、前記制御動作を再開する手段とを有することを特徴とする電磁場受信装置。
  2. 請求項記載の電磁場受信装置において、
    前記インピーダンス制御回路は、
    容量素子と電子スイッチとを直列に接続した直列接続回路を前記アンテナ回路と並列に複数個配置した可変容量回路と、
    前記整流回路の出力電圧を検出する電圧検出回路と、
    この電圧検出回路の検出結果に基づいて、前記整流回路の出力電圧が前記所望の電圧設定値となるよう前記可変容量回路の各電子スイッチの状態を決定するプログラム回路と、
    このプログラム回路の決定に従って前記可変容量回路の各電子スイッチのオン/オフを制御するスイッチ制御回路と、
    前記電子スイッチのスイッチングクロックを生成するスイッチングクロック生成回路とを含み、
    前記電圧検出回路は、前記整流回路の出力電圧を所定のしきい値と比較する出力電圧比較部を含み、
    この出力電圧比較部は、
    前記整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値として前記VL−ΔV2が設定され、前記整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値として前記VLが設定された第1のシュミットトリガと、
    前記整流回路の出力電圧が低下するときのしきい値として前記VHが設定され、前記整流回路の出力電圧が上昇するときのしきい値として前記VH+ΔV1が設定された第2のシュミットトリガと、
    この第2のシュミットトリガの出力を論理反転させるインバータと、
    前記第1のシュミットトリガの出力と前記インバータの出力の論理和をとるOR回路とからなることを特徴とする電磁場受信装置。
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