JP3202588B2 - 非接触データ送受信方法およびその装置 - Google Patents

非接触データ送受信方法およびその装置

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JP3202588B2
JP3202588B2 JP09279896A JP9279896A JP3202588B2 JP 3202588 B2 JP3202588 B2 JP 3202588B2 JP 09279896 A JP09279896 A JP 09279896A JP 9279896 A JP9279896 A JP 9279896A JP 3202588 B2 JP3202588 B2 JP 3202588B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工場の生産ライ
ンや物流ライン、オフィスの入退出管理等で工具や荷
物、または人に非接触カード等の応答器をもたせて、ま
たこの応答器には固有のIDコードや製品番号や製造時
のデータ等を登録し、非接触でデータを通信、管理する
非接触データ送受信方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の非接触データ送受信装置
の構成を示すブロック図、図16は2つの応答器の離間
距離と受信レベルの一般的な関係を示す特性図、図17
は応答器間の距離による周波数と共振回路のインピーダ
ンスとの一般的な関係を示す特性図である。図15にお
いて、1は質問器、2は通信エリア3内において、質問
器1と通信を行う応答器である。質問器1は発振部(O
SC)21、変調部22、送信部23、受信部24、復
調部25および制御部26から構成される。そして発振
部21の出力端は変調部22の入力端に接続され、さら
にこの変調部22の出力端は送信部23に接続されてい
る。制御部26はCPU等により構成される。そしてこ
の制御部26は変調部22および復調部25に接続され
ている。
【0003】応答器2は受信部27、電源回路28、復
調部29、電源電圧検知部30、制御部31、メモリ3
2、変調部33、送信部34およびコンデンサC2から
構成される。そして受信部27は電源回路28および復
調部29に接続される。電源回路28は電源電圧検知部
30に接続され、さらにこの電源電圧検知部30は充電
用のコンデンサC2に接続される。なお、電源回路28
は受信部27で受信した質問器1からの高周波信号を整
流して直流にし、コンデンサC2に蓄電して応答器2の
全ての電源として利用するものである。なお、電源電圧
検知部30は電源回路28の電圧を検出する。送信部3
4は変調部33に接続され、また制御部31は復調部2
9、変調部33、メモリ32、および電源電圧検知部3
0にそれぞれ接続される。
【0004】従来の非接触カード装置においては、質問
器1から応答器2に対して非接触でコマンド信号を送出
し、応答器2はその信号から固有のIDコードやデータ
を返送するものである。この場合、質問器1からのコマ
ンド信号の到達領域を通信エリア3とし、そのエリアに
入っている応答器2のみが通信を許されるものである。
【0005】まず、質問器1が通信エリア3内にいる応
答器2に対して読み出しのコマンド信号を送出する。コ
マンド信号は応答器2に対するコマンドをASK(Am
plitude Shift Keying)等で変調
したものである。応答器2は受信部にて受信した質問器
1からのコマンド信号を復調するとともに、その信号を
整流し、充電用コンデンサC2に充電したものを内部電
源とする。またコマンド信号を応答器2の内部クロック
としても利用する。なお、受信部27は受信効率を上げ
るためQ値の高い並列共振回路(図に示してない)にて
構成される。そしてコマンドの内容により応答器2内に
あるメモリ32からIDコードやデータを読み出し、高
周波信号に変調をかけて返送する。なお、図15に示し
た応答器2において、受信部27を構成する並列共振回
路と充電用コンデンサC2、及び送信部以外は1チップ
のICに組み込まれ、低コスト化を図ることが考えられ
る。
【0006】応答器2は質問器1からのコマンド信号を
受信すると、半波または全波整流をして直流に変換し、
外付けの充電コンデンサC2に充電していく。そして充
電電圧を電源電圧検知部30にて検知し、応答器2内部
のICが動作可能な電圧になった時点でICが一度リセ
ットされ、質問器1からのコマンドの復調が可能とな
る。電源電圧検知部30の出力がオンとなるまでは内部
ICの正常動作が保証されないため、メモリアクセス、
変復調等の動作は行われないようにしている。なお、こ
れらは質問器1と応答器2が通信エリア3内で一対一の
通信を行うことを前提としている。
【0007】しかし、応答器2が互いに接近して存在し
ている場合には、図16のように応答器2間の距離lが
狭くなるほど各応答器2の共振回路における質問器1か
らの信号の受信波形振幅が小さくなる。これは2つの応
答器2の各共振回路において、図17に示すように接近
する距離で共振する共振周波数が異なっているからであ
る。なお、図17の横軸は周波数、縦軸は共振回路のイ
ンピーダンスを示しており、インピーダンスの高い周波
数が共振回路の共振周波数であり、この傾きが鋭いほど
共振回路のQ値が高いことを示している。この現象は2
つの応答器2が接近している場合に、共振回路同士の結
合により生じるものであり、各応答器2の共振回路を構
成するコンデンサの容量をC、コイルのインダクタンス
をL、2つの共振回路の結合係数をkとすると共振周波
数fc、fp1、fp2は次式で近似できる。
【0008】
【数1】
【0009】
【数2】
【0010】
【数3】
【0011】ここで、結合係数kは0〜1の値をとり、
接近することによりkは1に近づき、fp1、fp2は
fcから遠ざかる。このように応答器2が接近した状態
では各応答器2の共振回路の共振周波数が製造時に設定
した周波数fcから離れるので、質問器1が応答器2の
元の共振周波数fcの搬送波で送信しても、応答器2側
では共振がずれていることから受信波形振幅が減少し、
充電コンデンサに十分な電源電圧を充電することができ
ない。よって応答器2内のICの動作電源を十分に得る
ことが不可能であることから、内部の各ブロックに電源
が供給されず、質問器1が送信するコマンドを復調する
ことやメモリ32とのアクセスが不可能であった。
【0012】また、上述の共振周波数のずれは、製造時
のばらつきや周囲温度によるばらつきに比べてはるかに
大きいため、製造時等のばらつきでは内部ICを動作さ
せる電源を得ることが可能である場合でも、上述のよう
な状態では内部ICを動作させることは不可能であり、
内部回路を用いて応答器2の共振回路の補正を行うこと
はできないという問題がある。なお、上記式(2),
(3)は2枚の応答器2が重なったときの式で、応答器
2が3重になったときには上記式(2),(3)は当て
はまらないが、同様の理由により共振回路の共振周波数
は変化してしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は上述のように、応答器が接近した状態では
各応答器の共振回路の共振周波数が製造時に設定した周
波数fcから大きく離れるので、質問器が応答器の元の
共振周波数fcの搬送波で送信しても、応答器側では共
振がずれていることから受信波形振幅が減少し、充電コ
ンデンサに十分な電源電圧を充電することができない。
よって応答器内のICの動作電源を十分に得ることが不
可能であることから、内部の各ブロックに電源が供給さ
れず、質問器が送信するコマンドを復調することやメモ
リとのアクセスが不可能になることである。
【0014】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、通信エリアにおいて、複数の応
答器が接近することにより、各応答器の共振回路の共振
周波数が製造時に設定した周波数fcから離れた場合で
も、応答器側での受信波形振幅の低下を極力避け、各応
答器が十分な電源電圧を得ることを目的とするものであ
る。
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】 請求項の発明は、応答
器が互いに接近して存在する可能性がある通信エリア
に、質問器が送信する搬送波の周波数を遷移させて送信
し、一方、応答器は安定な動作が可能な状態になったと
きにその旨を質問器に送信し、これを受けた質問器はそ
のときの搬送波の周波数を記憶し、それ以降、応答器と
の通信を記憶した周波数で送信する機能を有するもので
ある。
【0017】請求項の発明は、請求項の非接触デー
タ送受信装置において、質問器がある一定時間毎に一定
な周波数間隔で遷移させる機能を有するものである。
【0018】請求項の発明は、請求項の非接触デー
タ送受信装置において、質問器が、ある一定時間毎にラ
ンダムな周波数を選定して遷移させる機能を有するもの
である。
【0019】請求項の発明は、請求項の非接触デー
タ送受信装置において、質問器が、ある一定時間毎にあ
らかじめ設定された周波数を選定して遷移させる機能を
有するものである。
【0020】請求項の発明は、請求項の非接触デー
タ送受信装置において、複数の応答器がホルダーで固定
された状態に設定する機能を有するものである。
【0021】請求項の発明は、請求項の非接触デー
タ送受信装置において、質問器が、ある一定の割合で周
波数を遷移させる機能を有するものである。
【0022】請求項の発明は、請求項1の非接触デー
タ送受信装置において、応答器のうち、送信を終えた応
答器が共振回路の共振周波数を異ならせる機能を有する
ものである。
【0023】請求項の発明は、請求項1の非接触デー
タ送受信装置において、応答器のうち、送信を終えた応
答器が共振回路のQ値を低くする機能を有するものであ
る。
【0024】請求項の発明は、質問器に変調部と、信
号制御手段と、抵抗、可変コンデンサおよびコイルの直
列共振回路からなる送信手段と応答器からの応答用デー
タを受信する受信手段と、復調部とを、また応答器には
変調部と、コイルとコンデンサの並列共振回路により構
成された送受信手段と、この送受信手段からの信号を復
調する復調手段と、質問器からの搬送波を応答器の内部
電源に変換する内部電源手段と、応答器の送受信手段か
らの信号を制御する制御手段と、データを記憶するメモ
リと、応答器の内部供給電圧を検出する内部電源検出手
段と、内部電源検出手段が検出する電圧より高い電圧を
検出する電源電圧検出手段を設けたものである。
【0025】請求項10の発明は、応答器が互いに接近
して存在する可能性がある通信エリアに、質問器が送信
する搬送波の周波数を遷移させて送信し、応答器は動作
可能状態に達した後、共振回路の共振周波数を質問器が
送信する固定の周波数の搬送波にて補正し、質問器はコ
マンドデータを固定の周波数の搬送波で送信し、応答器
は補正した共振回路にて質問器との以降の通信を行う機
能を有するものである。
【0026】請求項11の発明は、質問器に変調部と、
信号制御手段と、抵抗、送信手段と、応答器からの応答
用データを受信する受信手段と、復調部、および送信手
段からの搬送波の送信周波数を遷移させるように制御す
る制御部を設け、また応答器には変調部と、コイルとコ
ンデンサの並列共振回路により構成され、質問器に対し
信号を送信および受信する送受信手段と、復調手段と、
質問器からの搬送波を直流に変換し、かつその直流電力
を応答器の内部電源とする内部電源手段と、応答器の送
受信手段からの信号に対応して並列共振回路の共振周波
数を遷移させるように制御する制御手段、およびデータ
を記憶するメモリとを設け、さらに並列共振回路には制
御手段によって並列共振回路に対し、選択的に並列接続
される複数のコンデンサを設けたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図によってこの発明の実施
の一形態を説明する。 実施の形態1.図1はこの発明における非接触データ送
受信装置の一実施例を示すブロック図、図2は質問器と
応答器が一対一で通信を行ったときの時間的な信号の流
れを示す流れ図、図3は搬送波周波数変化による応答器
電源電圧の変化を示す特性図、図4は質問器と複数の応
答器の通信フローを示すフロー図、図5、図6および図
7は周波数の遷移方法を示す遷移図、図8は質問器の送
信回路の一例を示す回路図である。
【0028】図1において、1は質問器、2は通信エリ
ア3内において、質問器1と通信を行う応答器である。
応答器2において、4は送受信部で、コイルL1とコン
デンサC1を有し、かつ周波数fcで共振する並列共振
回路5により構成される。6は復調部で、送受信部4の
出力端に接続される。7は制御部で復調部6の出力端に
接続される。また8は電源部で、送受信部4の出力端に
接続され、さらにこの電源部8には充電用のコンデンサ
C2が接続される。9は電源部8と制御部7との間に接
続されたは第1の電源電圧検知部、10は電源部8と制
御部7との間に接続された第2の電源電圧検知部、11
はメモリで、制御部7に接続される。12は制御部7の
出力端にスイッチ13を介して接続された変調部、14
は制御部7とスイッチ13との間に設けたタイマであ
る。なお、図1において点線で囲まれた部分はICで1
チップ化され、低コスト化を図ることが考えられるが、
これに限定されるものではない。また送受信部4は送信
部と受信部を別々に構成してもよい。
【0029】次に図1において、各ブロックへの信号の
流れについて説明する。すなわち応答器2は質問器1か
らの搬送波を電源部8にて直流に変換し、外部接続され
た充電用のコンデンサC2に充電して内部ICの電源と
している。したがって並列共振回路5のQ値は高く設定
されている。送受信部4で受信された質問器1からの搬
送波は電源部8にて半波、または全波整流して直流に変
換している。
【0030】さらに、この整流された電流はコンデンサ
C2に充電される。第1の電源電圧検知部9および第2
の電源電圧検知部10はコンデンサC2の充電電圧を検
知し、その出力は制御部7に伝送される。ここでは充電
用のコンデンサC2に充電される電源電圧を第1の電源
電圧検知部9および第2の電源電圧検知部10にて監視
している。第1の電源電圧検知部9は正常な通信をする
ことができるくらい十分な電源電圧を保持している状態
を検知するブロックであり、一方、第2の電源電圧検知
部10は従来のものと同じくメモリ11への書き込み等
の交信中、または交信の最初のリセット(パワーオンリ
セット)等に用い、ICの動作可能な電源電圧を監視す
るブロックである。また制御部7はメモリ11とのアク
セス、質問器1へ送信するデータの符号化等を行う。変
調部12で変調された信号は送受信部4に伝送され、送
受信部4は質問器1への返信信号を発生する。
【0031】ここで第1の電源電圧検知部9および第2
の電源電圧検知部10が検知する電圧のしきい値をそれ
ぞれV1,V2とすると、図3に示すように、V1>V
2の関係に設定する。これは応答器2が、質問器1の搬
送波から十分な電源電圧を得ながら通信を行えるように
するためであるが、V1=V2に設定してもよい。ここ
で充電用コンデンサC2の充電電圧がV1を越えた時点
で、応答器2は停止状態いわゆるスリープモード(SL
EEP MODE)から受信可能状態いわゆるウエイク
アップモード(WAKEUP MODE)になる。
【0032】そこで、図2を用いて質問器1と応答器2
の信号の通信手順について述べる。まず質問器1は周波
数fcの無変調波、または応答器2に受信可能信号を返
信させるコマンドを一定時間送信する。応答器2が重な
る状態ではなく、一台のみ通信エリア3内に存在してい
る場合には、応答器2の並列共振回路5はfcに共振さ
れていることから、質問器1が送信する周波数fcの搬
送波から第1の電源電圧検知部9のしきい値V1以上の
電源電圧を得ることが可能である。そこで応答器2は受
信可能状態になったことを通知する受信可能信号を質問
器1に返信する。受信可能信号としては専用のある固有
の符号や各応答器の固有のIDコード等を用いることが
考えられる。
【0033】質問器1は受信可能信号を受信すると、応
答器2がコマンドを復調でき、かつ十分な電源電圧を保
持している状態になっていると判断し、コマンドで変調
した搬送波を送信する。応答器2は搬送波から電源電圧
を生成するとともに、コマンドを復調し、制御部7によ
りメモリ11とのアクセスを行う。メモリ11とのアク
セスはメモリ11内のデータの読み出し、またはメモリ
11へのデータの書き込みである。
【0034】応答器2に搭載されるメモリ11は、通信
エリア3外でもデータが喪失しないようにするため、不
揮発性メモリであるEEPROMなどが考えられる。メ
モリ11内のデータを読み出した制御部7はそのデータ
にCRC(Cyclic Redundancy Ch
ecks)処理等を行い、データとともに変調部12に
伝送し、返信用信号を生成する。変調部12からの信号
は送受信部4に伝送され、質問器1に返信される。返信
の方法としては、送受信部4のインピーダンスをデータ
にあわせて変化させるものや、内蔵の発振器からの高周
波信号に変調をかけて送信する方法などが考えられる。
なお、送信時はスイッチ13はONとなっており、制御
部7と変調部12は接続された状態になっている。
【0035】一方、図4に示すように、通信エリア3内
で複数の応答器2a,2bが重なって存在するときに
は、各々の応答器2a,2bの共振回路の共振周波数は
図17、または式(2)、式(3)のようになってい
る。図17では2つの応答器2a,2bが接近する距離
により、共振回路の共振周波数が異なっているが、応答
器毎の共振周波数はほぼ同じものになる。そこで質問器
1は通信の始めに周波数fcを送信し、その後は周波数
を変化させた搬送波を通信エリア3に放出する。
【0036】質問器1が送信する搬送波の周波数の遷移
例を図5、図6および図7に示す。図5では質問器1は
送信する搬送波の周波数を一定時間T1毎に上げていく
ようにする。この一定時間T1は、応答器2の充電用コ
ンデンサの充電電圧が第1の電源電圧検知部9のしきい
値であるV1に達してからある期間を持たせ、受信可能
信号を返信する電力を保持させるものであり、また質問
器1が応答器2から受信可能信号を受信しているときに
搬送波の周波数を変化させないようにするためである。
なお、Trは応答器2からの受信可能信号が返送されて
くる時間である。
【0037】一方、図6では一定時間T1毎に周波数を
遷移させるが、その遷移の仕方をランダム、または固定
の周波数に狙いを定めて変化させる。これは応答器2の
重なる距離がその厚み等からあらかじめ推測が可能であ
り、共振回路の共振周波数fp1がある程度把握できる
場合に用いると、応答器2からの受信可能信号が返送さ
れてくる時間Trが短縮されるという効果がある。例え
ば、応答器2がカード状で、複数の応答器2を接近させ
た状態で携帯するような装置では、カード状の応答器2
を格納するホルダーを作り、その中に複数の応答器2を
固定した状態で格納できるようにする。各応答器2の共
振回路の共振周波数はホルダーに格納した状態であらか
じめ測定しておき、質問器1は通信時にその周波数を使
用することにより、周波数を多数遷移させることなく通
信を開始することが可能となる。
【0038】また、図7では周波数fcで一定時間送信
した後、搬送波の周波数を一定の割合で上昇させた例で
ある。この場合には第1の電源電圧検知部9による検知
とともに、搬送波のレベルを計測するブロックを応答器
2に搭載し、もっとも受信振幅がとれる時点でパルス状
の受信可能信号を送信することなどが考えられる。これ
により、質問器1は受信可能信号が返送されたときの周
波数を時間Trから認識することが可能であり、その周
波数を記憶する。その後の通信には記憶した周波数を用
いることで、送信する搬送波の周波数と応答器2の共振
周波数が一致していることから、もっとも効率的に電力
を供給することが可能となる。
【0039】なお、質問器1の送信部の回路例を図8に
示す。15は発振器、16は変調部、17は制御部、2
0はアンプ、18は送信部で、この送信部18は抵抗R
1とコンデンサCv、コイルL2からなる直列共振回路
で構成し、コンデンサCvの容量を図5、図6あるいは
図7の方法にあわせてCPUの信号により可変に設定で
きるようにする。
【0040】図4において、質問器の送信する搬送波の
周波数がfp1の時に、応答器2aと2bはほぼ同時に
受信可能信号を質問器1に返送する。質問器1では各応
答器2aと2bがほぼ同時に返信したことで混信状態を
認識するが、これにより複数の応答器2a,2bが通信
エリア3に、しかも接近した状態で存在していることを
把握する。一方、1つの応答器2aまたは2bのみが存
在する場合には、質問器1は受信可能信号を正常に受信
でき、しかも周波数fcを送信中に返信があるので、そ
の時には質問器1は1つの応答器2aまたは2bとの通
信を行うように設定され、前述のような交信方法によ
り、正常な通信が行われる。
【0041】質問器1は複数の応答器2a,2bが返信
を行ったことを認識すると、応答器からの受信可能信号
が返信されたときに送信していた周波数fp1を記憶
し、以降の通信にはfp1を用いる。図4では周波数f
p1にて、コマンドで変調した信号を各応答器2a,2
bに送信する。各応答器2a,2bはコンデンサC2の
充電電圧がV1以上になっていることから内部のICを
安定して動作させることができるほどの十分な電源電圧
を保持している状態であるので、復調部にて質問器1か
らのコマンドで変調された搬送波を復調し、その結果を
制御部7に伝送する。
【0042】ここでコマンドには、メモリ11内のデー
タを読み出すコマンド、または書き込むコマンドと書き
込みデータ等が考えられるが、それとともに、各応答器
2a,2bが接近して通信エリア3内に存在しているこ
とを示すコマンドを付加する。これは受信可能信号のよ
うに質問器1が受信する信号が混信状態にならないよう
に、あらかじめ応答器にその事実を通達し、メモリ11
内のデータ等を同時に送信させないようにする。同時に
返信させないようにするために、各応答器2a,2bは
図1に示すタイマ14をセットし、スイッチ13をON
する時間を異ならせることで各々に返信時間が重複しな
いようにすることなどが考えられる。なお、複数存在す
るコマンドが含まれていない場合、または応答器が1台
しかいないことを示すコマンドの場合には、タイマ14
をセットせずにスイッチ13をONにしておくことで、
応答器はすぐに応答用データを返送することができるの
で、通信時間の短縮を図ることができる。図4ではコマ
ンドを認識した後、まず応答器2aがデータを返信し、
その後応答器2bがデータの送信を行ったことを示して
いる。
【0043】なお、質問器1の搬送波から内部のICに
用いるクロックを抽出する応答器の場合、搬送波の周波
数が通信毎に異なるため、搬送波の周波数により通信時
間に違いが生じることから、質問器1は送信している搬
送波の周波数を考慮にいれて通信時間を計測できるよう
にCPUを設定する。
【0044】このように質問器1が通信エリア3に存在
する応答器2a,2bに対して、送信する搬送波の周波
数をある一定間隔で、または徐々に遷移させ、一方各応
答器2a,2bは充電用コンデンサに充電した電源電圧
を第1の電源電圧検出部9にて検出し、ある電源電圧値
に達したときに安定に動作できる状態であることを示す
信号を質問器1に返信し、質問器1はその時の送信周波
数を以降の通信に使用することにより、複数の応答器2
a,2bが接近して通信エリア3に存在した場合に生ず
るお互いの共振回路の結合による受信波形振幅の低下の
問題を回避し、各応答器2a,2bが十分な電源電圧を
得ることが可能となり、質問器1との通信が可能とな
る。
【0045】なお、上述の例では質問器1の送信周波数
をfcを基準に高い周波数で変化させるようにしている
が、これは通信時間を短縮させるためのものであり、図
17、式(2)、式(3)に示したように低い周波数で
も共振する周波数があることから、fc以下の周波数で
遷移させても同様の効果を得ることができる。なお、低
い周波数の場合、式(3)で近似できることから、結合
係数が最大の1の場合でも周波数fp2のばらつきは以
下の式の範囲で近似される。
【0046】
【数4】
【0047】よって、質問器1は応答器2a,2bの共
振回路の結合による周波数のばらつきの範囲を限定でき
ることから、搬送波の周波数を式(4)の範囲で前述の
方法で遷移させればよい。また、接近する応答器の数は
2つによらず、さらに多数の応答器が接近している状態
でも、上述の方法を用いることにより、同様の効果を得
ることが可能となる。
【0048】実施の形態2.次に実施の形態2について
説明する。図9は質問器と応答器の通信エリアでの存在
位置を示す図、図10は質問器と応答器の通信フロー
図、図11は応答器の受信部の回路図、図12は応答器
の受信部の他の例を示す回路図、図13は質問器と応答
器の通信フロー図、図14は応答器の受信部の他の例を
示す回路図である。
【0049】図9のように、密着、又はある一定の間隔
で複数の応答器2a,2bが接近して存在しているとき
に、質問器に近い場所に存在する応答器2aは正常な波
形で受信できるが、質問器との通信距離が応答器2aよ
りやや離れている応答器2bは、お互いの共振回路の結
合の影響や、応答器2aの内部回路の電流値が変わるこ
とで応答器2aの内部インピーダンスが変化し、それに
より応答器2bの共振回路に生じる外乱の影響によって
受信波形が歪み、正常な通信ができない場合がある。こ
れらは充電用コンデンサに充電された電源電圧は図3の
V1以上になるが、受信波形の歪みによりコマンドの復
調ができなくなったり、または搬送波からクロックを取
り出せなくなることから発生する問題である。また共振
回路の結合により前述のような受信波形振幅の低下も起
こる可能性が非常に高くなっている。
【0050】そこでこの問題を解決するために、返信を
終了した応答器は共振回路の共振点をずらす方法などが
考えられる。その通信状態の例を図10に示す。質問器
1は先に示した実施例の方法により、通信の最初に送信
する搬送波の周波数をfcで送信し、応答器2a,2b
からの応答が無い場合にはその周波数を変化させる。こ
こで応答器2a,2bは周波数fp1にて共振をしてい
るので、質問器1が周波数fp1の搬送波を送信したと
きに受信可能信号を返送する。質問器1は受信可能信号
が混信していることを検知し、コマンドで変調したもの
を周波数fp1にて送信する。しかし、応答器2aはそ
の信号を正常に受信し、復調してコマンドを認識するこ
とが可能であるが、応答器2bは受信波形の歪みからコ
マンドを復調することができない。ここで応答器2aは
コマンドに従い、メモリ11内のデータの読み出しやメ
モリ11へのデータ書き込みを行い、データの返送、ま
たは実行完了の信号を質問器1に返送する。
【0051】一方、応答器2aはコマンド信号から自分
に接近した応答器が存在していることを把握できるの
で、質問器1に返信した後に他の応答器2bの共振回路
に影響を与えないようにする。たとえば図11のような
回路を用いることが考えられる。すなわち図11におい
て、21はFET、R2はこのFETに直列に接続した
抵抗である。この図においてFET21を導通させるこ
とにより共振回路のQ値を低くし、図10の休止モード
いわゆるデッドモード(DEAD MODE)になるよ
うにする。
【0052】また図12においてはFET21に直列に
コンデンサC2が接続されている。この図においてはF
ETを導通させて共振回路の共振周波数をfcから大き
く離れるようにすることで、同様に図10の休止モード
いわゆるデッドモード(DEAD MODE)になる。
これにより応答器2aの共振回路は応答器2の共振回路
に結合の影響を与えることがなくなり、応答器2bの共
振回路の共振周波数はfp1からもともとの共振周波数
であるfcに戻る。
【0053】質問器1は受信可能信号が混信していたこ
とから複数の応答器2a,2bが存在していることを認
識しているので、応答器2aからの返信信号を受信後、
他の応答器2bからの返信信号の待機状態となるが返信
がないことから、他の応答器2bはコマンドを認識でき
なかったことを把握する。ここで応答器2aが図11ま
たは図12の方法により共振回路の結合の影響をなくす
動作を行ったことを認識しているので、再度送信するコ
マンドの搬送波周波数をfp1からfcに戻す。fcで
送信されたコマンド信号を応答器2bが受信すると、応
答器2aの共振回路の影響が無くなっているので、正常
な波形で、しかも受信波形振幅も大きくとることができ
るので、コマンドの復調が可能であり、コマンドにした
がってデータの返送等を行う。ここで質問器は周波数f
cの搬送波を使ってコマンドを送信した後、返信の信号
がなかった場合には、応答器2a,2b以外にも接近し
た状態の応答器が存在していると判断する。応答器2a
が、返信後に他の応答器の共振回路との結合の影響をな
くす動作を行っていることから、応答器2bとさらに接
近している応答器の共振回路の共振周波数はfc、fp
1とは異なるものになっている。そこで質問器1は再度
周波数を遷移させ、上述の方法を繰り返し行う。これに
より全ての応答器との通信を行うことが可能となる。
【0054】応答器2bからデータを受信した質問器1
が再度応答器2a,2bと通信する場合には、質問器1
から交信を終了したことを通知するコマンドを送信する
ことなどが考えられる。その場合、図12の方法では応
答器2aの共振回路が共振している周波数で送信する
か、図11の方法では周波数fcで送信パワーを上げて
送信したり、応答器2a側で受信信号を増幅すること
で、交信終了を通知するコマンドを把握した後、応答器
2aは共振回路を元の状態に戻すようにする。その後は
再度同じ方法で、各応答器2a,2bとの通信を行うこ
とができる。
【0055】一方、応答器は、共振回路で受信した質問
器1からの信号をフィルタに通して、ある帯域の周波数
のみを復調部6に入力し、外乱の影響を避けるようにし
ている。その帯域は、通信エリア3に応答器が1台のみ
存在したときに最適になるように、質問器1が送信する
搬送波の周波数fcやコマンドデータのビットレート等
に設定されている。またASKの場合は抱絡線検波回路
もこのビットレートにて最適化され、ICに1チップ化
されている。しかし、前述のように質問器1が搬送波周
波数を変化させてコマンド等を送信する方法では、質問
器1が送信するデータのビットレート等も応答器2に設
定されているビットレート等とは異なってしまう。
【0056】そこで質問器1は送信する搬送波の周波数
を固定とし、各応答器2a,2bが共振回路の共振周波
数のずれを補正する方法を図13、図14に示す。図1
4において、複数のスイッチSW3,SW4・・・SW
nが用いられ、それらのスイッチにはそれぞれコンデン
サC3,C4・・・Cnが直列に接続されている。まず
質問器1は交信の始めに通信エリア3内で搬送波の周波
数を式(4)の範囲で遷移させる。これは通信エリア3
内で接近している各応答器2a,2bが、動作可能状態
の電源電圧(図3のV2)以上になるようにするためで
ある。搬送波の周波数の遷移方法としては図7のように
ある一定の割合で遷移させることなどが考えられる。応
答器2は遷移された周波数を受信することにより、動作
可能な電源電圧(V2)を保持することができるが、安
定な動作を行うことができる電源電圧(図3のV1)ま
では、共振回路の共振周波数が質問器1の送信する搬送
波の周波数と一致していないため、達することができな
い。そこで図14のような回路で共振回路の共振周波数
の補正を行う。
【0057】各応答器2a,2bの共振回路はL1とC
1と並列に、C3〜Cnのコンデンサとそれと直列に接
続されたスイッチSW3〜SWnにより構成されてい
る。質問器1は搬送波の周波数を遷移させた後、1台の
応答器2aと通信するときに用いる搬送波の周波数fc
の無変調波を送信する。このとき各応答器2a,2bは
制御部7からの信号により、スイッチSW3〜SWnを
徐々に、または設定された順番、タイミングでONさせ
る。スイッチがONになると、共振回路に並列に接続さ
れているコンデンサC3〜Cnにより共振回路の共振周
波数が変化する。各応答器2a,2bは図1の第1の電
源電圧検知部9にて充電用コンデンサに充電されている
電源電圧を監視し、安定な動作が可能な電源電圧を保持
しているかを確認する。電源電圧がV1以上になること
で、各応答器2a,2bの共振回路の共振周波数はfc
に近づき、共振周波数の補正が行われたことになる。
【0058】図13において、応答器2aと応答器2b
では補正前の共振回路の共振周波数はほぼ同じであり、
また図14のスイッチSW3,SW4・・・SWnをO
Nするタイミングを等しくしてることから、ほぼ同時に
安定な動作が可能である電源電圧V1を保持し、ほぼ同
時に受信可能信号を返信する。受信可能信号を返信した
後は、各応答器2a,2bの共振回路の共振周波数は、
質問器1が送信する搬送波の周波数fcにほぼ補正され
ている。以降の通信に関しては前述の方法により行なわ
れる。
【0059】なお、図14ではスイッチSWをON/O
FFさせることで共振回路の共振周波数を可変にしてい
るが、スイッチSWの代りにFETを接続し、FETの
導通/非導通により共振周波数を変化させてもよい。こ
こでは充電コンデンサC2に充電された電源電圧を第1
の電源電圧検知部9にて監視する方法を示したが、共振
回路の共振周波数を補正していくにしたがって受信波形
振幅が増幅されることを検知し、最も振幅が大きいとき
の共振回路を使用するようにしてもよい。
【0060】質問器1はコマンドの送信時に搬送波の周
波数をfcに設定していることから、通信エリア3内に
応答器が1台のみ存在しているときと同じビットレート
で通信を行うことが可能となる。また各応答器2a,2
bは共振回路の結合により発生する共振回路の共振周波
数のずれを補正し、搬送波の周波数がfcのときに安定
した通信が可能な電源電圧を保持することができ、受信
する信号のビットレートも他の応答器2bが接近してい
ないときと同じものとなる。よって各応答器2a,2b
はIC内のフィルタや復調部6のコンデンサ容量、抵抗
値、等の定数が製造時に搬送波周波数fcでの通信に適
したものになっていることから、各応答器2a,2bが
接近した状態でも、最適な動作が可能となる。なお、前
述したように3枚以上の応答器が重なる状態では、式
(2),(3)は適用できないが、質問器1から同様の
方法による各応答器への信号があれば各応答器は十分動
作できる電源電圧を確保できる。
【0061】
【0062】
【発明の効果】 請求項の発明は、応答器が互いに接近
して存在する可能性がある通信エリアに、質問器1が送
信する搬送波の周波数を遷移させて送信し、一方応答器
は安定な動作が可能な状態になったときにその旨を質問
器1に送信し、これを受けた質問器1はそのときの搬送
波の周波数を記憶し、それ以降、応答器との通信を記憶
した周波数で送信する機能を有しているので、複数の応
答器が接近して通信エリアに存在した場合に、お互いの
共振回路の結合により共振周波数が変化することで発生
する受信波形振幅の低下を避け、各応答器が十分な電源
電圧を得ることができ、質問器1との正常な通信が可能
となるなどの効果がある。
【0063】請求項の発明は、請求項において、質
問器1がある一定時間毎に一定な周波数間隔で遷移させ
る機能を有しているので、複数の応答器が接近して通信
エリアに存在した場合に、お互いの共振回路の結合によ
り共振周波数が変化することで発生する受信波形振幅の
低下を避け、各応答器が十分な電源電圧を得ることがで
き、質問器1との正常な通信が可能となるなどの効果が
ある。
【0064】請求項の発明は、請求項において、質
問器1が、ある一定時間毎にランダムな周波数を選定し
て遷移させる機能を有しているので、複数の応答器が接
近して通信エリアに存在した場合に、お互いの共振回路
の結合により共振周波数が変化することで発生する受信
波形振幅の低下を避け、各応答器が十分な電源電圧を得
ることができ、質問器1との正常な通信が可能となるな
どの効果がある。
【0065】請求項の発明は、請求項において、質
問器1が、ある一定時間毎にあらかじめ設定された周波
数を選定して遷移させる機能を有しているので、複数の
応答器が接近して通信エリアに存在した場合に、お互い
の共振回路の結合により共振周波数が変化することで発
生する受信波形振幅の低下を避け、各応答器が十分な電
源電圧を得ることができ、質問器1との正常な通信が可
能となるとともに、遷移する周波数を少なくして通信時
間の短縮を図ることが可能となるなどの効果がある。
【0066】請求項の発明は、請求項において、複
数の応答器がホルダーで固定された状態に設定する機能
を有しているので、複数の応答器が接近して通信エリア
に存在した場合に、お互いの共振回路の結合により共振
周波数が変化することで発生する受信波形振幅の低下を
避け、各応答器が十分な電源電圧を得ることができ、質
問器1との正常な通信が可能となるとともに、各応答器
の共振回路の共振周波数のずれを固定とすることができ
るなどの効果がある。
【0067】請求項の発明は、請求項において、質
問器1が、ある一定の割合で周波数を遷移させる機能を
有しているので、複数の応答器が接近して通信エリアに
存在した場合に、お互いの共振回路の結合により共振周
波数が変化することで発生する受信波形振幅の低下を避
け、各応答器が十分な電源電圧を得ることができ、質問
器1との正常な通信が可能となるとともに、各応答器は
受信波形振幅が最大の時の搬送波の周波数で以降の通信
を行うことが可能となるなどの効果がある。
【0068】請求項の発明は、請求項1において、応
答器のうち、送信を終えた応答器が共振回路の共振周波
数を異ならせる機能を有しているので、複数の応答器が
接近して通信エリアに存在した場合に、お互いの共振回
路の結合により共振周波数が変化することで発生する受
信波形振幅の低下を避け、各応答器が十分な電源電圧を
得ることができ、質問器1との正常な通信が可能とな
る。さらに、送信を終えた応答器が共振回路の共振周波
数を異ならせる機能を有しているので、他の応答器は送
信を終えた応答器の共振回路の結合の影響を受けずに以
降の通信を行うことが可能となるなどの効果がある。
【0069】請求項の発明は、請求項1において、応
答器のうち、送信を終えた応答器が共振回路のQ値を低
くする機能を有しているので、複数の応答器が接近して
通信エリアに存在した場合に、お互いの共振回路の結合
により共振周波数が変化することで発生する受信波形振
幅の低下を避け、各応答器が十分な電源電圧を得ること
ができ、質問器1との正常な通信が可能となる。さらに
送信を終えた応答器が共振回路のQ値を低くする機能を
有しているので、他の応答器は送信を終えた応答器の共
振回路の結合の影響を受けずに以降の通信を行うことが
可能となるなどの効果がある。
【0070】請求項の発明は、質問器1に抵抗、可変
コンデンサおよびコイルの直列共振回路からなる送信手
段と、応答器からの応答用データを受信する受信手段
と、復調部とを、また応答器にはコイルとコンデンサの
並列共振回路により構成された送受信手段と、内部電源
電圧検出手段が検出する電圧より高い電源電圧を検出す
る電源電圧検出手段を有しているので、複数の応答器が
接近して通信エリアに存在した場合に、お互いの共振回
路の結合により共振周波数が変化することで発生する受
信波形振幅の低下を避け、各応答器が十分な電源電圧を
得ることができ、質問器との正常な通信が可能となるな
どの効果がある。
【0071】請求項10の発明は、応答器が互いに接近
して存在する可能性がある通信エリアに、質問器が送信
する搬送波の周波数を遷移させて送信し、応答器は動作
可能状態に達した後、共振回路の共振周波数を質問器が
送信する固定の周波数の搬送波にて補正し、質問器はコ
マンドデータを固定の周波数で送信し、応答器は補正し
た共振回路にて質問器との以降の通信を行う機能を有し
ているので、複数の応答器が接近して通信エリアに存在
した場合に、お互いの共振回路の結合により共振周波数
が変化することで発生する受信波形振幅の低下を避け、
各応答器が十分な電源電圧を得ることができ、質問器と
の正常な通信が可能となる。さらに、質問器がコマンド
等を送信する周波数を固定とし、各応答器が共振回路の
共振周波数をその固定の周波数に補正するので、応答器
のIC内のフィルタや復調部の定数が最適なままの通信
が可能となるなどの効果がある。
【0072】請求項11の発明は、応答器の共振回路の
補正が、共振回路と並列に接続された複数のコンデンサ
によって行われるので、複数の応答器が接近して通信エ
リアに存在した場合に、お互いの共振回路の結合により
共振周波数が変化することで発生する受信波形振幅の低
下を避け、各応答器が十分な電源電圧を得ることがで
き、質問器との正常な通信が可能となる。さらに請求項
10と同様に、質問器がコマンド等を送信する周波数を
固定とし、各応答器が共振回路の共振周波数をその固定
の周波数に補正するので、応答器のIC内のフィルタや
復調部の定数が最適なままの通信が可能となる。さらに
共振回路の共振周波数を複数のコンデンサにより補正す
るので、回路構成を簡単に、かつこの簡単な回路構成に
おいて補正ができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明における非接触データ送受信装置の一
実施例を示すブロック構成図である。
【図2】質問器と応答器が一対一で通信を行ったときの
時間的な信号の流れを示す流れ図である。
【図3】搬送波周波数変化による応答器電源電圧の変化
を示す特性図である。
【図4】質問器と複数の応答器の通信フローを示すフロ
ー図である。
【図5】質問器が送信する搬送波の周波数を一定時間T
1毎に上げていく遷移方法を示す遷移図である。
【図6】質問器が送信する搬送波の周波数を一定時間T
1毎にランダム、または固定の周波数に狙いを定めて変
化させていく遷移方法を示す遷移図である。
【図7】質問器が送信する搬送波の周波数を所定の周波
数で一定時間送信した後、搬送波の周波数を一定の割合
で上昇させせていく遷移方法を示す遷移図である。
【図8】この発明における非接触データ送受信装置の質
問器の送信回路の一例を示す回路図である。
【図9】この発明の非接触データ送受信装置において、
質問器と各応答器の通信エリア内における存在位置を示
した図である。
【図10】この発明における非接触データ送受信装置の
質問器と応答器の通信フロー図である。
【図11】この発明における非接触データ送受信装置の
応答器の受信部の回路図である。
【図12】この発明における非接触データ送受信装置の
応答器の受信部の他の例を示す回路図である。
【図13】この発明における非接触データ送受信装置の
質問器と応答器の通信フロー図である。
【図14】この発明における非接触データ送受信装置の
応答器の受信部の他の例を示す回路図である。
【図15】従来の非接触データ送受信装置を示すブロッ
ク構成図である。
【図16】2つの応答器間の距離と受信レベルの一般的
な関係を示す特性図である。
【図17】応答器間の距離による周波数と共振回路のイ
ンピーダンスとの一般的な関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 質問器 2 応答器 3 通信エリア 4 送受信部 5 並列共振回路 6 復調部 7 制御部 8 電源部 9 第1の電源電圧検知部 10 第2の電源電圧検知部 11 メモリ 12 変調部 18 送信部 L1 コイル C1 コンデンサ C2 充電用コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/59 G06F 13/00 351 G06K 17/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問器から応答器に対し、コマンドやデ
    ータを送信し、上記応答器はこのコマンドに対し内部の
    メモリとアクセスするとともに、上記応答器から上記質
    問器に対し応答用データを送信する非接触データ送受信
    装置において、上記応答器が互いに接近して存在する可
    能性がある通信エリアに、上記質問器は送信する搬送波
    の周波数を遷移させて送信し、上記応答器は内部動作電
    源の電圧が設定された電圧値以上になったときに、安定
    な動作が可能な状態になったことを通知する信号を上記
    質問器に送信し、上記質問器はその信号を受信したとき
    の搬送波の周波数を記憶し、上記周波数の記憶時点以
    降、上記応答器との通信を、上記記憶した周波数で送信
    することを特徴とする非接触データ送受信方法。
  2. 【請求項2】 請求項において、質問器はある一定時
    間毎に一定な周波数間隔で遷移させることを特徴とする
    非接触データ送受信方法。
  3. 【請求項3】 請求項において、質問器は、ある一定
    時間毎にランダムな周波数を選定して遷移させることを
    特徴とする非接触データ送受信方法。
  4. 【請求項4】 請求項において、質問器は、ある一定
    時間毎にあらかじめ設定された周波数を選定して遷移さ
    せることを特徴とする非接触データ送受信方法。
  5. 【請求項5】 請求項において、複数の応答器はホル
    ダーで固定された状態に設定することを特徴とする非接
    触データ送受信方法。
  6. 【請求項6】 請求項において、質問器は、ある一定
    の割合で周波数を遷移させることを特徴とする非接触デ
    ータ送受信装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、上記応答器のうち、
    送信を終えた応答器は共振回路の共振周波数を異ならせ
    ることを特徴とする非接触データ送受信方法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、上記応答器のうち、
    送信を終えた応答器は共振回路のQ値を低くすることを
    特徴とする非接触データ送受信方法。
  9. 【請求項9】 質問器から応答器に対し、コマンドやデ
    ータを送信し、上記応答器はこのコマンドに対し内部の
    メモリとアクセスするとともに、上記応答器から上記質
    問器に対し応答用データを送信する非接触データ送受信
    装置において、上記質問器には変調部と、信号制御手段
    と、抵抗、可変コンデンサおよびコイルからなる直列共
    振回路で構成した送信手段と、応答器からの応答用デー
    タを受信する受信手段と、復調部とを設け、また上記応
    答器には変調部と、コイルとコンデンサの並列共振回路
    により構成され、上記質問器に対し信号を送信および受
    信する送受信手段とこの送受信手段からの信号を復調す
    る復調手段と、上記質問器からの搬送波を直流に変換
    し、かつその直流電力を上記応答器の内部電源とする内
    部電源手段と、上記応答器の送受信手段からの信号を制
    御する制御手段と、データを記憶するメモリと、上記応
    答器の内部全般に供給する電圧を検出する内部電源検出
    手段と、上記内部電源検出手段が検出する電圧より高い
    電圧を検出する電源電圧検出手段を設けたことを特徴と
    する非接触データ送受信装置。
  10. 【請求項10】 質問器から応答器に対し、コマンドや
    データを送信し、上記応答器はこのコマンドに対し内部
    のメモリとアクセスするとともに、上記応答器から上記
    質問器に対し応答用データを送信する非接触データ送受
    信装置において、上記応答器が互いに接近して存在する
    可能性がある通信エリアに、上記質問器は送信する搬送
    波の周波数を遷移させて送信し、上記応答器は動作可能
    状態に達した後、共振回路の共振周波数を質問器が送信
    するあらかじめ設定された固定の周波数の搬送波にて補
    正し、上記質問器はコマンドデータを上記固定の周波数
    の搬送波で送信し、上記応答器は補正した共振回路にて
    上記質問器との以降の通信を行うことを特徴とする非接
    触データ送受信方法。
  11. 【請求項11】 通信エリアにおいて、互いに接近して
    存在する複数の応答器に対し、質問器からコマンドやデ
    ータを送信し、上記応答器はこのコマンドに対し内部の
    メモリとアクセスするとともに、上記応答器から上記質
    問器に対し応答用データを送信する非接触データ送受信
    装置において、 上記質問器には変調部と、信号制御手段と、抵抗、可変
    コンデンサおよびコイルからなる直列共振回路とで構成
    した送信手段と、応答器からの応答用データを受信する
    受信手段と、復調部、および上記送信手段から送信する
    搬送波の送信周波数を遷移させるように制御する制御部
    を設け、また上記応答器には変調部と、コイルとコンデ
    ンサの並列共振回路により構成され、上記質問器に対し
    信号を送信および受信する送受信手段と、この送受信手
    段からの信号を復調する復調手段と、上記質問器からの
    搬送波を直流に変換し、かつその直流電力を上記応答器
    の内部電源とする内部電源手段と、上記応答器の送受信
    手段からの信号に対応して上記並列共振回路の共振周波
    数を遷移させるように制御する制御手段、およびデータ
    を記憶するメモリとを設け、 さらに上記応答器の並列共振回路には上記制御手段によ
    って上記並列共振回路に対し、選択的に並列接続される
    複数のコンデンサを設けたことを特徴とする非接触デー
    タ送受信装置。
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