JP2012173942A - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができるようにする。
【解決手段】近接非接触通信装置1は可動機構を有しており、可動機構により、共振回路を構成するアンテナコイル21の開口面積が変化する。アンテナコイル21の開口面積の変化に応じて、共振回路の共振周波数が一定になるように、筺体内の可変コンデンサの静電容量が変更される。本技術は、例えば、電磁波を出力して通信する近接非接触通信装置に適用できる。
【選択図】図2
【解決手段】近接非接触通信装置1は可動機構を有しており、可動機構により、共振回路を構成するアンテナコイル21の開口面積が変化する。アンテナコイル21の開口面積の変化に応じて、共振回路の共振周波数が一定になるように、筺体内の可変コンデンサの静電容量が変更される。本技術は、例えば、電磁波を出力して通信する近接非接触通信装置に適用できる。
【選択図】図2
Description
本技術は、通信装置に関し、特に、サイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができるようにする通信装置に関する。
FeliCa(登録商標)などの非接触ICカードは、電源を内蔵せず、リーダライタが発生する電磁波(磁界)から電力を得て動作する。リーダライタが発生する電磁波の周波数と共振回路の共振周波数の関係が規定の設定周波数からずれると、磁界送電効率が下がり、通信距離性能が低下する。
そこで、共振回路を構成するアンテナコイルのインダクタンス(L)やコンデンサの静電容量(C)を調整可能として、共振周波数を容易に調整可能としたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、近年、いわゆるUSBドングルタイプなど、様々な形状のリーダライタが登場しており、デザイン等の制約から、サイズの小型化も進んでいる。通信装置のサイズが小型化されると、装置内に収納されているアンテナコイルの開口面積も小さくなる。アンテナコイルの開口面積が小さくなると、リーダライタが発生させる磁界の領域も小さくなるため、非接触ICカード側の磁界受電効率が下がり、通信距離性能が低下するという問題があった。即ち、近接非接触通信装置のサイズの小型化により、通信距離が短くなってしまうという問題があった。
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、サイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができるようにするものである。
本技術の一側面の通信装置は、搬送波としての電磁波を出力するアンテナコイルと可変コンデンサとからなる共振回路と、前記共振回路が出力する前記搬送波を制御することにより、データを送信する近接非接触通信部と、前記アンテナコイルの開口面積を変化させるとともに、前記アンテナコイルの開口面積の変化に応じて、前記共振回路の共振周波数が一定となるように、前記可変コンデンサの静電容量を変更する可動機構とを備える。
本技術の一側面においては、搬送波としての電磁波を出力するアンテナコイルと可変コンデンサとからなる共振回路が出力する搬送波を制御することにより、データが送信される。可動機構により、アンテナコイルの開口面積が変化し、アンテナコイルの開口面積の変化に応じて、共振回路の共振周波数が一定となるように、可変コンデンサの静電容量が変更される。
通信装置は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
本技術の一側面によれば、サイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができる。
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(USBドングルタイプの近接非接触通信装置の例)
2.第2の実施の形態(トークンタイプの近接非接触通信装置の例)
3.第3の実施の形態(携帯通信機器に含まれる近接非接触通信装置の例)
1.第1の実施の形態(USBドングルタイプの近接非接触通信装置の例)
2.第2の実施の形態(トークンタイプの近接非接触通信装置の例)
3.第3の実施の形態(携帯通信機器に含まれる近接非接触通信装置の例)
[近接非接触通信装置のブロック図]
図1は、本技術が適用された近接非接触通信装置の構成例を示すブロック図である。
図1は、本技術が適用された近接非接触通信装置の構成例を示すブロック図である。
図1の近接非接触通信装置1は、近接非接触通信チップ11と共振回路12とにより構成されている。
近接非接触通信チップ11は、電磁誘導式のリーダライタとしての近接非接触通信を制御するICチップである。近接非接触通信とは、通信する装置どうしの距離が、数10cm以内となって可能となる通信を意味し、通信する装置どうし(の筐体)が接触して行う通信も含まれる。
より具体的には、近接非接触通信チップ11は、共振回路12に電流を流して電磁波を発生することにより、磁界を形成する。そして、近接非接触通信チップ11は、共振回路12が出力する搬送波としての電磁波を制御(変調)することにより、データを送信する。アンテナコイル21と可変コンデンサ(キャパシタ)22とを並列接続してなる共振回路12の共振周波数が搬送波の周波数に対応し、共振回路12は、一定の共振周波数(例えば、13.56MHz)に保ち、搬送波(電磁波)を出力する。
例えば、図1の近接非接触通信装置1は、ISO/IEC 14443やISO/IEC 15693のリーダライタの機能、NFC(Near Field Communication)規格であるISO/IEC 18092のリーダライタ機能を実行する。
なお、近接非接触通信装置1は、ISO/IEC 14443またはISO/IEC 15693のICカードや、ISO/IEC 18092のターゲットなどの、トランスポンダ側の通信機能を備えていてもよい。
近接非接触通信装置1は、アンテナコイル21の形状(平面上の配置)を変化させる可動機構を備えている。可動機構によってアンテナコイル21の形状が変化すると、アンテナコイル21のインダクタンスが変化するが、可変コンデンサ22の静電容量も同時に変化させることにより、近接非接触通信装置1では、共振周波数が常に一定となるような構造とされている。
<1.第1の実施の形態>
[近接非接触通信装置の第1の構造]
図2は、近接非接触通信装置1の第1の構造であり、USBドングルタイプとした近接非接触通信装置1の斜視図である。
[近接非接触通信装置の第1の構造]
図2は、近接非接触通信装置1の第1の構造であり、USBドングルタイプとした近接非接触通信装置1の斜視図である。
図2Aは、可動機構により近接非接触通信装置1が伸びている状態の斜視図であり、図2Bは、可動機構により近接非接触通信装置1が縮んでいる状態の斜視図である。
図2の近接非接触通信装置1は、第1の筺体31と第2の筺体32とからなり、第2の筺体32側にはUSBコネクタ33が設けられている。アンテナコイル21は、ループアンテナであり、第1の筺体31と第2の筺体32の周辺部にループして配置されている。
後述する図3に示す可動機構42(例えば、スライドレール)により第1の筺体31または第2の筺体32が、図2A中、矢印の方向にスライドすることにより、近接非接触通信装置1全体が伸縮する。
第1の筺体31と第2の筺体32の左右の側面には、アンテナコイル21を内部に配したガイド41a乃至41dが設けられている。ガイド41a乃至41dは、図2Aの近接非接触通信装置1が伸びている状態では、直線状となって第1の筺体31と第2の筺体32内に収納され、図2Bの近接非接触通信装置1が縮んでいる状態では、折り曲げられて飛び出し、第1の筺体31と第2の筺体32の外側に拡がる。第1の筺体31と第2の筺体32の側面の四辺のうち、ガイド41a乃至41dが設けられていない、短辺側の前後の側面のアンテナコイル21は、固定されている。
図3は、図2の近接非接触通信装置1を上面からみた図である。
図3Aは、図2Aに対応し、伸びている状態の近接非接触通信装置1を上面からみた図であり、図3Bは、図2Bに対応し、縮んでいる状態の近接非接触通信装置1を上面からみた図である。
近接非接触通信装置1が伸びている状態では、アンテナコイル21のループの平面形状は、細長の長方形となっている。一方、近接非接触通信装置1が縮んでいる状態では、アンテナコイル21のループの平面形状は、ガイド41a乃至41dが折れ曲がることで、六角形となっている。近接非接触通信装置1が伸びている状態と縮んでいる状態とで、アンテナコイル21のループ内の面積(以下、開口面積という。)を比較すると、縮んでいる状態の方が、伸びている状態のときよりも大きい。即ち、可動機構42は、長方形のアンテナコイル21の長辺の二辺を折り曲げることで、アンテナコイル21の開口面積を大きくする。
次に、近接非接触通信装置1内の可変コンデンサ22について説明する。
可変コンデンサ22は、図4Aに示すように、2枚の電極板43aと43bを対向配置して構成される。2枚の電極板43aと43bのうち、一方の電極板43aが第2の筺体32側に固定され、他方の電極板43bが第1の筺体31側に固定されている。そして、可動機構42により第1の筺体31または第2の筺体32の一方がスライドすることで、2枚の電極板43aと43bの重なり合う部分の面積が変化し、可変コンデンサ22の静電容量が変化する。
即ち、近接非接触通信装置1が伸びている状態では、対向する2枚の電極板43aと43bは、ぴったりと重なっている。一方、近接非接触通信装置1が縮んでいる状態では、近接非接触通信装置1内の可変コンデンサ22は、図4Bに示すように、第2の筺体32が、可動機構42により、第1の筺体31側へスライドし、電極板43aも移動する。2枚の電極板43aと43bの重なり合う部分の面積は、伸びている状態よりも小さくなる。
図3Aおよび図3Bの斜線で示される領域は、2枚の電極板43aと43bの重なり合う部分の面積を示している。
[開口面積とインダクタンスおよび静電容量との関係]
ここで、図5を参照して、アンテナコイル21の開口面積と、アンテナコイル21のインダクタンスおよび可変コンデンサ22の静電容量との関係について説明する。
ここで、図5を参照して、アンテナコイル21の開口面積と、アンテナコイル21のインダクタンスおよび可変コンデンサ22の静電容量との関係について説明する。
図5Aおよび図5Bに示すように、アンテナコイル21の全長(外周の長さ)を一定にしたまま縦と横の長さを変化させて開口面積を変えたときの、アンテナコイル21のインダクタンスと可変コンデンサ22の静電容量の変化を検証した。例えば、図5Aのアンテナ形状は、縦18.5mm×横55mmで、開口面積は1017.5mm2であり、図5Bのアンテナ形状は、縦28.5mm×横45mmで、開口面積は1282.5mm2である。四角形における開口面積は、正方形に近づくほど大きくなり、正方形で最も大きくなる。
図5Cは、アンテナコイル21の開口面積と、アンテナコイル21のインダクタンスとの関係を示している。図5Cは、アンテナコイル21の開口面積が大きくなるほど、インダクタンスが増加することを示している。
図5Dは、アンテナコイル21の開口面積と、13.56MHzの共振周波数にするための可変コンデンサ22の静電容量との関係を示している。図5Dは、13.56MHzの共振周波数にするためには、アンテナコイル21の開口面積が大きくなるほど、静電容量を小さくする必要があることを示している。
以上より、近接非接触通信装置1を伸びた状態から縮んだ状態にし、開口面積をより大きくした場合、アンテナコイル21のインダクタンスが増加し、13.56MHzの共振周波数にするためには、静電容量を小さくする必要がある。
図3Aおよび図4Aに示される、近接非接触通信装置1が伸びている状態の、アンテナコイル21のインダクタンスをL1とし、可変コンデンサ22の静電容量をC1とする。この場合、共振回路12の共振周波数f0は、次式(1)で表すことができる。
近接非接触通信装置1を縮ませると、アンテナコイル21を収納したガイド41a乃至41dが外側に拡がり、アンテナコイル21の開口面積が大きくなるので、アンテナコイル21のインダクタンスは、△Lだけ増加し、(L1+△L)となる。また、アンテナコイル21の開口面積が大きくなるので、アンテナコイル21から発生する磁界の領域が広くなる。
一方、近接非接触通信装置1を縮ませると、2枚の電極板43aと43bの重なる面積が小さくなるため、可変コンデンサ22の静電容量は、△Cだけ減少し、(C1−△C)となる。
ここで、可変コンデンサ22の静電容量の減少量△Cは、近接非接触通信装置1を縮んでいる状態にしたときのアンテナコイル21のインダクタンスの増加に対して、共振周波数が、伸びている状態と同一のf0となるように算出されている。そして、可変コンデンサ22の静電容量が(C1−△C)となるように、近接非接触通信装置1を縮んでいる状態にしたときの2枚の電極板43aと43bの重なり部分の面積が設計されている。
その結果、近接非接触通信装置1を縮ませたときの共振回路12の共振周波数も、
となる。即ち、アンテナコイル21のインダクタンスの増加に対して、可変コンデンサ22の静電容量が減少し、共振回路12は同一の共振周波数f0を保っている。なお、現実的には、伸縮前後の共振周波数は、完全に同一ではなくても、それと同等とみなせる所定の範囲内に入っていればよい。
以上のように、USBドングルタイプとした近接非接触通信装置1では、可動機構42により、近接非接触通信装置1を伸縮させることができる。この可動機構42は、アンテナコイル21の開口面積を変化させるとともに、開口面積の変化に応じて、共振回路の共振周波数が一定となるように、可変コンデンサの静電容量を変更する。即ち、可動機構42は、アンテナコイル21の開口面積を大きくしたとき、可変コンデンサの静電容量を小さくし、アンテナコイル21の開口面積を小さくしたとき、可変コンデンサの静電容量を大きくする。
近接非接触通信装置1が伸びた状態では、アンテナコイル21の開口面積が小さく、磁界の発生領域も小さくなるので、通信距離が短くなる。従って、ユーザは、伸びた状態で近接非接触通信装置1を使用することで、通信距離を短くした近接非接触通信を行うことができる。通信距離が短いので、スキミングを防止したいときなどに有用である。
逆に、伸びた状態では磁界の発生領域が小さくなるので、磁界が鎖交せず、通信相手側で十分な起電力が得られないため動作せず、通信ができない場合も考えられる。例えば、通信相手としての非接触ICカードのアンテナの位置が、近接非接触通信装置1のアンテナコイル21から離れた外側にあるような場合である。そのような場合、可動機構42により、近接非接触通信装置1を縮んだ状態とすることで、アンテナコイル21の開口面積を大きくして、磁界の発生領域を広くすることができる。これにより、装置自体のサイズを小型にした場合に、通信距離が短くなってしまうという問題を解決し、装置自体のサイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができる。
そして、近接非接触通信装置1を縮んだ状態とした場合であっても、上述したように、共振周波数は一定に保たれる。近接非接触通信では、共振周波数が設定値(規定値)からずれると、信号波形が劣化したり、磁界送電効率が低下する。近接非接触通信装置1では、共振周波数が常に一定に保たれるので、磁界送電効率が低下することはない。即ち、近接非接触通信装置1の磁界送電効率を改善することができる。
また、例えば、近接非接触通信装置1の近傍にある金属が浮遊容量として影響し共振周波数がずれた場合でも、可動機構42により近接非接触通信装置1を伸縮させることにより、金属の影響を含んだ状態で共振周波数を一定に保つように調整することができる。即ち、近接非接触通信装置1の近傍にある金属の影響を抑制することができる。
なお、例えば、USBドングルタイプの近接非接触通信装置1をリーダライタとして機能させ、カード形状の非接触ICカードと通信を行う場合、USBドングルタイプの形状は、細長形状であるので、非接触ICカードを近接非接触通信装置1の上に置く場合に安定性に欠ける。そこで、アンテナコイル21を収納したガイド41a乃至41dを外側に拡げることで、ガイド41a乃至41dがカード受けとしても機能し、非接触ICカードを近接非接触通信装置1の上に置く場合に安定性が向上するという効果も奏する。
上述した例では、アンテナコイル21の形状を四角形(長方形)または六角形としたが、この例に限らず、アンテナコイル21の形状は、可動の前後で、アンテナコイル21の開口面積が変化する形状であればよい。
<2.第2の実施の形態>
[近接非接触通信装置の第2の構造]
図6は、近接非接触通信装置1の第2の構造であり、トークンタイプとした近接非接触通信装置1の斜視図である。
[近接非接触通信装置の第2の構造]
図6は、近接非接触通信装置1の第2の構造であり、トークンタイプとした近接非接触通信装置1の斜視図である。
図6Aは、アンテナコイル21の開口面積が小さい状態の近接非接触通信装置1の斜視図であり、図6Bは、アンテナコイル21の開口面積を大きくした状態の近接非接触通信装置1の斜視図である。
図6の近接非接触通信装置1は、トークンのようなコイン状(薄型の円柱形状)を形成し、本体部51とボタン52とにより構成される。ボタン52は、本体部51の上面または下面の一方に設けられ、押圧により上下に移動する構造とされている。以下では、ボタン52が上側の位置にあるときをオフ状態、ボタン52が押圧により下に移動され、本体部51の面と同一面の位置となったときをオン状態と呼ぶことにする。
また、本体部51の側面の外周には、ループアンテナ21がポリイミド膜等でカバーされたフレキシブルケーブル53が配置されている。フレキシブルケーブル53は、図6Aに示されるように、ボタン52がオフ状態にあるとき、本体部51の側面に収納された状態となる。また、図6Bに示されるように、ボタン52がオン状態となったとき、フレキシブルケーブル53の本体部51内に収納されていた部分が飛び出し、アンテナコイル21の開口面積が大きくなる。
図7は、図6の近接非接触通信装置1内の可変コンデンサ22の構造を示す図である。
図7Aは、ボタン52がオフ状態のときの近接非接触通信装置1を上から見た状態に対応し、図7Bは、ボタン52がオン状態のときの近接非接触通信装置1を上から見た状態に対応する。
可変コンデンサ22は、半円状の2枚の電極板61aと61bを対向配置して構成されている。また、半円状の電極板61aと61bの円中心部に、ボタン52と連結した可動機構62(例えば、ねじ軸と歯車)が設けられている。可動機構62は、2枚の電極板61aと61bの一方を、円中心を軸に回転させることで、静電容量を変化させる。
図8は、上下に配置された2枚の電極板61aと61bと可動機構62の概略の斜視図である。
上下に配置された2枚の電極板61aと61bのうち、下側の電極板61bは固定され、上側の電極板61aが、ボタン52の上下動に連動して回転する。ボタン52がオフ状態のときに(図8A)、2枚の電極板61aと61bの重なり合う部分の面積は、ボタン52がオン状態のときに(図8B)、2枚の電極板61aと61bが重なり合う部分の面積より大きい。
図7Aおよび図7Bにおいて、斜線で示される領域は、2枚の電極板61aと61bが重なり合う部分を示している。
ボタン52のオン状態とオフ状態を比較すると、ボタン52がオフ状態のときは、アンテナコイル21の開口面積が小さく、可変コンデンサ22の静電容量が大きくなっている。このときのアンテナコイル21のインダクタンスがL1であり、可変コンデンサ22の静電容量がC1である。
そして、ボタン52がオン状態のときは、アンテナコイル21の開口面積が大きく、可変コンデンサ22の静電容量が小さくなっており、このときのアンテナコイル21のインダクタンスは、オフ状態のときより△Lだけ増加した(L1+△L)であり、可変コンデンサ22の静電容量は、オフ状態のときより△Cだけ減少した(C1−△C)である。
従って、上述した式(1)および式(2)より、ボタン52がオン状態のときと、オフ状態のときで、共振周波数f0が一定に保たれている。
これにより、ボタン52とオフ状態にして近接非接触通信を行わせることで、通信距離を短くした近接非接触通信を行うことができる。一方、ボタン52をオン状態にして近接非接触通信を行わせることで、磁界の発生領域を広くするとともに、通信距離性能を上げることができる。従って、トークンタイプとした第2の構造の近接非接触通信装置1においても、装置自体のサイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができる。
なお、上述した例では、ボタン52をオンおよびオフの2状態とし、2状態で共振周波数f0が一定に保たれているとしたが、ボタン52の移動位置を無段階として、ボタン52の移動量に応じて、共振周波数f0が常に一定となるように、半円状の電極板61aの回転角度(に対応する静電容量)を制御することもできる。この場合、磁界の発生領域や通信距離性能を2段階でなく、所望のレベルに(無段階に)設定することができる。
また、ボタン52を省略し、ユーザが手動でフレキシブルケーブル53を引き出したり、押し入れたりするようにして、可動機構62がフレキシブルケーブル53の移動(出入り)に連動して、2枚の電極板61aと61bの一方を回転させるようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
[携帯通信機器への組み込み例]
図9は、本技術を適用した近接非接触通信装置1が組み込まれた携帯通信機器の例を示している。
[携帯通信機器への組み込み例]
図9は、本技術を適用した近接非接触通信装置1が組み込まれた携帯通信機器の例を示している。
図9Aは、アンテナコイル21の開口面積が小さい状態の携帯通信機器81の斜視図であり、図6Bは、アンテナコイル21の開口面積を大きくした状態の携帯通信機器81の斜視図である。
携帯通信機器81は、2枚の薄板状の第1の筺体91と第2の筺体92とで構成され、下側の第2の筺体92に対して、上側の第1の筺体91を長手方向にスライドする機構(不図示)を備えている。例えば、携帯通信機器81は、上側の第1の筺体91に電話番号等を表示する液晶パネルを配置し、スライドにより表出する第2の筺体92の上面に数字や文字を入力する入力ボタンが配置された携帯電話機である。
携帯通信機器81には、近接非接触通信装置1としての近接非接触通信チップ11と共振回路12が組み込まれている。携帯通信機器81内の近接非接触通信機能を使用するとき、例えば、ユーザは、メニューよりリーダライタの機能を選択して、携帯通信機器81の第1の筺体91を長手方向にスライドさせる。
第1の筺体91がスライド機構により長手方向にスライドしたとき、長方形の形状に配されたループアンテナ21は、図9Bに示されるように、長方形のスライド方向と平行な二辺の長さが長くなる。これにより、ループアンテナ21の開口面積を、スライド前の図9Aの状態よりも大きくして、近接非接触通信機能を使用することができる。例えば、スライド前のループアンテナ21の大きさが、通信相手の非接触ICカードのアンテナの大きさよりも小さいときに有効である。
図10は、図9の携帯通信機器81内の可変コンデンサ22の構造を示す図である。
図10Aは、図9Aの携帯通信機器81を上から見た状態に対応し、図10Bは、図9Bの携帯通信機器81を上から見た状態に対応する。
携帯通信機器81内の可変コンデンサ22は、図4を参照して説明した2枚の電極板43aと43bと同様の構造とされている。即ち、可変コンデンサ22としての2枚の電極板の一方が第1の筺体91側に配置され、他方が第2の筺体92側に配置されている。そして、第1の筺体91がスライド機構により長手方向にスライドしたとき、重なり合っていた2枚の電極板の一方が、一部のみ重なり合うように移動する。
図10Aのスライド前の状態のアンテナコイル21のインダクタンスがL1であり、可変コンデンサ22の静電容量がC1である。図10Bのスライド後の状態のアンテナコイル21のインダクタンスが(L1+△L)であり、可変コンデンサ22の静電容量が(C1−△C)である。従って、上述した式(1)および式(2)より、スライド前後で、共振周波数f0が一定に保たれている。
これにより、スライドさせない状態で近接非接触通信を行わせることで、通信距離を短くした近接非接触通信を行うことができる。一方、第1の筺体91をスライドさせた状態で近接非接触通信を行わせることで、磁界の発生領域を広くするとともに、通信距離性能を上げることができる。従って、図9の携帯通信機器81においても、装置自体のサイズを小型にしつつ、通信距離性能を上げることができる。
上述した実施の形態は、いずれも、アンテナコイル21の開口面積の変化に対応して、可変コンデンサの静電容量を無段階に変更させることが可能なものである。共振周波数を一定に保つ手段として、固定容量値のコンデンサを複数並べてメカニカルスイッチで選択し、コンデンサの静電容量を切り替える方法も考えられる。しかし、特に、携帯通信機器81では、落下によるメカニカルスイッチの破損なども考えられ、信頼性に問題がある。本技術のように、2枚の電極板の少なくとも一方をスライドして面積を変える方法によれば、メカニカルスイッチが不要となるので、信頼性が向上する。
本技術は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 近接非接触通信装置, 11 近接非接触通信チップ, 12 共振回路, 21 アンテナコイル, 22 可変コンデンサ(キャパシタ), 42 可動機構, 43aと43b 電極板, 62 可動機構, 61aと61b 電極板
Claims (5)
- 搬送波としての電磁波を出力するアンテナコイルと可変コンデンサとからなる共振回路と、
前記共振回路が出力する前記搬送波を制御することにより、データを送信する近接非接触通信部と、
前記アンテナコイルの開口面積を変化させるとともに、前記アンテナコイルの開口面積の変化に応じて、前記共振回路の共振周波数が一定となるように、前記可変コンデンサの静電容量を変更する可動機構と
を備える通信装置。 - 前記可動機構は、前記アンテナコイルの開口面積を大きくしたとき、前記可変コンデンサの静電容量を小さくする
請求項1に記載の通信装置。 - 前記可動機構は、前記可変コンデンサを構成する2枚の電極板の一方をスライドさせることで、前記可変コンデンサの静電容量を小さくする
請求項2に記載の通信装置。 - 前記可動機構は、対向配置された2枚の電極板の一方を所定の位置を軸に回転させることで、前記可変コンデンサの静電容量を小さくする
請求項2に記載の通信装置。 - 前記可動機構は、長方形の前記アンテナコイルの長辺の二辺を折り曲げることで、前記アンテナコイルの開口面積を大きくする
請求項2に記載の通信装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2011-02-21 JP JP2011034652A patent/JP2012173942A/ja active Pending
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