JP3649865B2 - 脚式移動ロボットの脚構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚式移動ロボットの脚構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
二足歩行型ロボット等の脚式移動ロボットは、その移動時に、離床させた脚部の足平部を進行方向前方に振り出して着床させるのであるが、このとき、ロボットの進行方向への該足平部の振り出しの最大速度は、ロボット全体の移動速度よりも速いものとなる。このため、ロボットを比較的高速で移動させようとした場合、振り出した足平部が予期せぬ障害物に衝突すると、該足平部から脚部に大きな衝撃が加わって、該脚部の関節機構等が破損したり、あるいは、障害物を破損したりする虞れがあった。
【0003】
このような事態を回避するためには、足平部の先端部にゴム等の弾性材を取着したり、足平部の前部をゴム等の弾性材で構成することが考えられる。しかしながら、前者の手法では、足平部の先端部に取着する弾性材が足平部の前後方向に厚いものとすると、ロボットが例えば階段を昇降する場合等に該弾性材が邪魔なものとなりやすく、また、該弾性材を薄くすると、足平部が障害物に衝突した際の衝撃を十分に緩和することができない。
【0004】
また後者の手法では、ロボットの移動時の足平部の離床に際して、その離床を人間の場合と同様に最終的に足平部の爪先側で行おうとした場合に、該足平部の前部で床からの抗力(床反力)を十分に受けることができなくなって、ロボットの移動をスムーズに行うことが困難となってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、ロボットの移動時にその足平部が障害物に当たった際に該障害物が破損したり、足平部から脚部に衝撃が伝わって該脚部が損傷を受けるような事態を防止することができると同時に、ロボットの通常的な移動時にはその足平部が床からの抗力を十分に受けつつ該ロボットが支障なく移動することができる脚式移動ロボットの脚構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の脚式移動ロボットの脚構造の第1の態様はかかる目的を達成するために、脚部の下端部に足平部を具備した脚式移動ロボットの脚構造において、前記足平部上に、少なくとも該足平部の前後方向に移動自在なスライド体と、該スライド体を該足平部上の所定の位置に付勢する付勢手段とを設け、前記脚部を前記スライド体に支持せしめたことを特徴する。
【0007】
かかる本発明の第1の態様によれば、前記脚式移動ロボットの移動時に、該ロボットの足平部が障害物に衝突して、該足平部の前後方向で衝撃を受けると、ロボットの脚部を支持した前記スライド体が前記付勢手段の付勢力に抗して足平部の前後方向に移動し、これにより、足平部から脚部に衝撃が伝わるのが緩和されると同時に、障害物が足平部から受ける衝撃も緩和される。また、ロボットの通常の移動状態では、脚部を支持するスライド体は前記付勢手段によって足平部上の所定の位置に付勢されているので、脚部が足平部に対して前後方向に動くことはない。さらに、上記のように足平部の障害物への衝突時に衝撃が緩和されるので、足平部は、金属等の硬質のものであっても支障はない。
【0008】
従って、本発明の第1の態様の脚式移動ロボットの脚構造によれば、ロボットの移動時にその足平部が障害物に当たった際に該障害物が破損したり、足平部から脚部に衝撃が伝わって該脚部が損傷を受けるような事態を防止することができると同時に、ロボットの通常的な移動時にはその足平部が床からの抗力を十分に受けつつ該ロボットが支障なく移動することができる。
【0009】
かかる本発明の第1の態様では、例えば前記スライド体が前記足平部の後方側に移動したとき、該スライド体に当接するストッパが該足平部に設けられ、前記付勢手段は、該スライド体を前記ストッパに当接する位置に付勢する。
【0010】
これによれば、通常時は、前記スライド体が前記付勢手段の付勢力によって前記ストッパに当接する位置で足平部に対して停止しているが、足平部がその前方の障害物に衝突すると、前記スライド体が前記付勢手段の付勢力に抗して前方に移動し、これにより、足平部から脚部に衝撃が伝わるのを緩和することができると同時に、障害物が足平部から受ける衝撃も緩和することができる。
【0011】
あるいは、本発明の第1の態様では、例えば前記スライド体と一体的に前記足平部の前後方向に移動自在で且つ該足平部の前後方向と直交する方向に移動自在な係止部材が該スライド体に取付けられると共に、該係止部材が前記スライド体と共に前記足平部の前後方向に移動するとき、該係止部材が該足平部の前後方向と直交する方向に移動しつつ当接可能なカム面を有するカム部材が前記足平部上に固設され、前記付勢手段は、該係止部材を前記カム面に圧接させるように該係止部材を該足平部の前後方向と直交する方向に付勢し、該カム部材のカム面は前記スライド体が前記所定の位置から前記足平部の前方側及び後方側のいずれかに移動したとき、前記付勢手段の付勢力に逆らう向きに該係止部材を移動させるような形状に形成されている。
【0012】
これによれば、前記スライド体に取付けた係止部材を前記付勢手段により圧接させた前記カム部材のカム面は、前記スライド体が前記所定の位置から前記足平部の前方側及び後方側のいずれかに移動したとき、前記付勢手段の付勢力に逆らう向きに該係止部材を移動させるような形状に形成されているので、通常時は、該スライド体が前記所定の位置に存する状態で安定に保持される。そして、足平部がその前方あるいは後方の障害物に衝突したとき、前記係止部材が、前記カム面に当接したまま前記付勢手段の付勢力に逆らう向きに移動しつつ、スライド体と共に足平部の前方側あるいは後方側に移動する。これにより、足平部がその前方の障害物に衝突したときと後方の障害物に衝突したときとのいずれの場合であっても、足平部から脚部に衝撃が伝わるのを緩和することができると同時に、障害物が足平部から受ける衝撃も緩和することができる。
【0013】
このように前記係止部材を備えた場合、例えば該係止部材は、前記足平部の左右方向に移動自在に前記スライド体に取付けられ、前記カム部材のカム面は、平面視でV字形状又はU字形状に形成されている。
【0014】
これによれば、スライド体や係止部材、カム部材に係わる構造を足平部の厚み方向に比較的薄いものとしつつ、簡単に構成することができる。
【0015】
次に、本発明の脚式移動ロボットの脚構造の第2の態様は前記の目的を達成するために、脚部の下端部に足平部を具備した脚式移動ロボットの脚構造において、前記足平部の少なくとも前部を、該足平部と平行な方向の荷重が付与されたとき弾性変形を生じ、且つ該足平部の上下方向の荷重が付与されたときには弾性変形が抑制される緩衝部材により構成したことを特徴とする。
【0016】
かかる本発明の第2の態様によれば、前記脚式移動ロボットの移動時に、該ロボットの足平部がその前方の障害物に衝突すると、該足平部の前部に該足平部と平行な方向の荷重が付与されるため、前記緩衝部材が弾性変形を生じ、これにより、該足平部から脚部に衝撃が伝わるのが緩和される。また、該緩衝部材は、足平部の上下方向の荷重に対してはその弾性変形が生じにくいため、ロボットの通常の移動時には、該足平部は、その前部の緩衝部材を含めて床からの抗力を支障なく受けることができる。
【0017】
従って、本発明の第2の態様の脚式移動ロボットの脚構造によれば、ロボットの移動時にその足平部が障害物に当たった際に該障害物が破損したり、足平部から脚部に衝撃が伝わって該脚部が損傷を受けるような事態を防止することができると同時に、ロボットの通常的な移動時にはその足平部が床からの抗力を十分に受けつつ該ロボットが支障なく移動することができる。
【0018】
かかる本発明の第2の態様では、より具体的には、前記緩衝部材は、例えば六角柱状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立した姿勢ではちの巣状に相互に接合して成る。あるいは、前記緩衝部材は、円柱状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立した姿勢で相互に接合して成る。あるいは、前記緩衝部材は、波板状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立し且つ該足平部の前後方向に延在する姿勢で相互に接合して成る。
【0019】
このような緩衝部材の構成をとることで、足平部と平行な方向の荷重が付与されたとき弾性変形を生じ、且つ該足平部の上下方向の荷重が付与されたときには弾性変形が抑制される緩衝部材を簡単に構成することができる。
【0020】
また、上記のような緩衝部材の構成を採用した場合、前記緩衝部材の周囲を被覆して該緩衝部材の内部を密封すると共に、該緩衝部材の前記各板体により画成された空間を該板体に穿設された孔を介して相互に連通させ、該緩衝部材の内部の空間にパイプを介して連通させたエア室を備えることが好ましい。
【0021】
このようにすることで、ロボットの移動時に足平部がその前方の障害物に衝突すると、前記緩衝部材が前後方向で縮むようにして弾性変形を生じ、このとき、該緩衝部材の内部の空間の空気が前記パイプを介して前記エア室に流れる。そして、このときパイプを流れる空気の通過抵抗によって、足平部が障害物から受けた衝撃力を吸収する効果を生じる。また、足平部と障害物との衝突状態が解除されれば、前記エア室に流れた空気は、前記緩衝部材内に戻り、それが、該緩衝部材を復元させるように作用する。
【0022】
従って、このような本発明によれば、足平部の障害物への衝突時の衝撃を円滑に緩和することができると同時に、その衝突状態が解除された後に、脚式移動ロボットの移動を行うことも可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施形態の脚式移動ロボット(本実施形態では二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図、図2は図1のII−II線断面図である。
【0024】
図1及び図2を参照して、1は二足歩行型ロボットの脚部(図では二つの脚部のうちの一方のみを示す)、2は足平部である。
【0025】
脚部1は、図示しない二足歩行型ロボットの胴体下部の股関節から下方に延設され、その中間部と下部とにはそれぞれ膝関節3及び足首関節4を備えている。そして、脚部1の下端部は方形板状の基体5により形成され、この基体5は、足首関節4の下側で該足首関節4に6軸力センサ6を介して取付けられている。尚、6軸力センサ6は、ロボットの移動時に足平部2が床から受ける力やモーメントを検出するためのものである。
【0026】
足平部2は、金属等の硬質材料により大略平板状に形成され、その底面には、ゴム等の弾性材7が固着されている。
【0027】
足平部2の上面部の両側部よりの箇所には、足平部2の前後方向に延在する一対のスライドレール8,8が敷設され(図2参照)、これらのスライドレール8,8上を足平部2の前後方向に移動自在な方形板状のスライド体9が、該スライドレール8,8に係合されている。
【0028】
そして、このスライド体9上に、前記脚部1の基体5が例えばバネにより構成された弾性体10を介して支持されている。尚、弾性体10は、足平部2の着床時に脚部1に作用する鉛直方向の衝撃を緩和するもので、バネの代わりにゴムブッシュ等を用いてもよい。
【0029】
また、スライド体9上には、前記脚部1の基体5及び弾性体10の四方を囲むようにしてガイド板11が立設され、このガイド板11によって、脚部1の鉛直方向の軸回り回転動作が制限されると共に、弾性体10の箇所での脚部1の前後左右方向の剪断的な変形も制限されるようになっている。
【0030】
スライド体9の後方には、スライドレール8,8の間で足平部2の上面部の後部側の箇所に固設されたストッパ12がスライド体9の後面部に当接して配置されている。また、スライド体9の前方には、スライドレール8,8の間で足平部2の上面部の前部側の箇所に固設されたバネ受け部材13がスライド体9の前面部に対向して配置され、このバネ受け部材13とスライド体9の前面部との間に、付勢手段としてのバネ14が足平部2の前後方向に圧縮した状態で介装されている。この構成により、スライド体9は、その後面部がストッパ12に当接する位置にバネ14により付勢されている。
【0031】
以上のように構成された本実施形態の脚構造では、ロボットの移動(歩行)に際して、遊脚側の足平部2を前方に振り出した時に、足平部2がその前方のなんらかの障害物(図示せず)に衝突すると、脚部1を支持したスライド体9が、バネ14の付勢力に抗して足平部2の前方側にスライドレール8,8上を脚部1と共に移動する。
【0032】
これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、スライド体9の上記のような移動によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0033】
また、ロボットの通常の移動時には、前記バネ14のバネ定数を適切に設定しておくことで、スライド体9はその後面部がストッパ12に当接した状態に保持され、ひいては足平部2は脚部1に対して固定的な状態に保持される。そして、これに加えて足平部2は、硬質なものであるので、ロボットの通常の移動時には、該足平部2は、床からの抗力を適正に支障なく受けることができ、スムーズな足運びでロボットを移動させることができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態を図3及び図4を参照して説明する。図3は本実施形態の脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図、図4は図3のIV−IV線断面図である。
【0035】
尚、本実施形態の説明において、前記第1の実施形態のものと同一構成部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0036】
図3及び図4を参照して、本実施形態では、前記第1の実施形態と同様に足平部2上を前後方向に移動自在に設けられて脚部1を支持するスライド体9の前部から支軸15を介して略L字形状のアーム片16が足平部2の前方側に延設され、該アーム片16は、支軸15の回りに足平部2の左右方向に揺動自在とされていると共に、スライド体9と一体的に足平部2の前後方向に移動自在とされている。そして、該アーム片16の先端部にローラ17(係止部材)が回転自在に枢着されている。
【0037】
また、図4に示すようにローラ17に対向して、平面視でV字形状のカム面18aを有する板状のカム部材18が足平部2の上面部に固設され、このカム面18aにローラ17が当接されている。尚、カム部材18のカム面18aの前後端部には、足平部2の前後方向でのローラ17の移動範囲、従ってスライド体9の前後方向の移動範囲を制限するための突起18b,18bが形成され、スライド体9は、ローラ17が一方の突起18bに当接する位置と他方の突起18bに当接する位置との間で前後方向に移動自在とされている。
【0038】
さらに、スライド体9の前部には、前記アーム片16と足平部2の左右方向に間隔を存してバネ受け部材19が固設され、このバネ受け部材19とアーム片16との間に、付勢手段としてのバネ20が左右方向に向いた姿勢で介装されている。このバネ20は、ローラ17をカム部材18のカム面18aに圧接させる方向(本実施形態では足平部2の左方向)にアーム片16を付勢している。
【0039】
以上説明した以外の構成は、前記第1の実施形態で説明したものと同一である。但し、前記図1及び図2に示したストッパ12、バネ受け部材13及びバネ14は本実施形態では備えられていない。
【0040】
このような本実施形態の脚構造では、バネ20が、ローラ17をカム部材18のV字形状のカム面18aに圧接させる方向に付勢しているため、図4に示すようにローラ17がカム面18aの最も凹んだ箇所(カム面18aの前後方向の中央箇所)に当接した状態から、スライド体9と共に前後に移動しようとすると、バネ20の付勢力がカム面18aの法線方向に作用し、その力の前後方向成分によって、ローラ17は、カム面18aの最も凹んだ箇所に戻ろうとし、従って、スライド体9の前後方向の移動位置は、ロボットの通常的な移動時には、基本的には、ローラ17がカム面18aの最も凹んだ箇所に当接した状態での位置に保持される。
【0041】
そして、この状態で、足平部2が例えばその前方のなんらかの障害物(図示せず)に衝突すると、脚部1を支持したスライド体9が、ローラ17と共にバネ20の付勢力に抗して足平部2の前方側に移動する(このとき、ローラ17は、カム面18aに沿って足平部2の右側に移動する)。
【0042】
これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、スライド体9の上記のような移動によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、足平部2がその後方の障害物(図示せず)に衝突すると、脚部1を支持したスライド体9が、上記の場合と逆に、足平部2の後方側に移動し、これによって、足平部2がその前方の障害物に衝突した場合と同様に、衝突時の衝撃を緩和して脚部1の足首関節4等が損傷を受けたり、障害物が損傷を受けるような事態を防止することができる。
【0044】
また、ロボットの通常の移動時には、前記バネ14のバネ定数を適切に設定しておくことで、スライド体9はローラ17がカム面18aの最も凹んだ箇所に当接した状態での位置に保持され、これに加えて足平部2は、硬質なものであるので、ロボットの通常の移動時には、該足平部2は、床からの抗力を適正に支障なく受けることができ、スムーズな足運びでロボットを移動させることができる。
【0045】
尚、本実施形態では、係止部材としてのローラ17を足平部2の左右方向に動くようにしたが、足平部2の上下方向に動くようにして、本実施形態と同様のカム部材を起立させた姿勢で設け、そのカム部材のカム面にその上方からローラ17を圧接させるようにしてもよい。但し、本実施形態のようにローラ17を左右方向に移動させるように構成することで、足平部2の厚み方向(上下方向)でのカム部材18やアーム片16を薄いものとすることができるので、構成の小型化という点で有利である。
【0046】
また、本実施形態では、係止部材としてローラ17を使用したが、カム面18aとの摩擦係数の小さいものであれば、他の形態の部材を使用してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、係止部材としてローラ17をアーム片16を介してスライド体9に取り付けるようにしたが、例えばスライド体9に穿設したシリンダ孔に係止部材を摺動自在に挿着すると共にバネによって、該係止部材をスライド体9の一側面あるいは下面から突出させ、その突出させた係止部材を本実施形態と同様のカム部材のカム面に圧接させるようにしてもよい。
【0048】
また、本実施形態では、カム部材18のカム面18aをV字形状に形成したが、U字形状に形成するようにしてもよい。
【0049】
また、前記第1及び第2の実施形態では、スライド体9を前後方向にのみ移動し得るようにしたが、さらに左右方向にも移動できるようにして、足平部2の左右方向の衝撃を緩和するようにすることも可能である。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態を図5乃至図7を参照して説明する。図5は本実施形態の脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図、図6は図5のVI−VI線断面図、図7は図6の要部の部分的斜視図である。
【0051】
尚、本実施形態の説明において、前記第1の実施形態のものと同一構成部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0052】
図5を参照して、本実施形態では、前記第1の実施形態と同様に大略平板状に形成された足平部21を具備しており、この足平部21は、その前部が後述する緩衝部材22により構成され、残りの部分23が金属等の硬質材料により構成されている。以下、部分23を硬質部23という。
【0053】
そして、足平部21の底面には、足平部21の緩衝部材22及び硬質部23を併せてゴム等の弾性材7が固着されている。また、足平部21の硬質部23上には、前記第1の実施形態と同一構成の脚部1がバネ等により構成された弾性体10を介して支持され、さらに、第1の実施形態と同様に脚部1の基体5及び弾性体10の四方を囲むようにしてガイド板11が立設されている。
【0054】
前記緩衝部材22は、図6及び図7に示すように、六角柱状に形成された多数の板体22aを足平部21の上下方向(鉛直方向)に起立した姿勢でハチの巣状に接着剤等により相互に接合して成るハニカム構造に形成されている。尚、このように形成された緩衝部材22は、足平部21の底面の弾性材7や足平部21の硬質部23に接着剤等により固着されている。また、板体22aは樹脂や硬質ゴム、紙等の材料により形成されている。
【0055】
このような本実施形態の脚構造では、足平部21の前部を構成する前記緩衝部材22は、足平部21の上下方向の荷重に対しては、変形を生じにくいため、ロボットの通常的な移動時には、足平部21が床から受ける抗力によって撓んだりすることがなく、該抗力を十分に足平部21で受けることができる。従って、足平部21の離床・着床の繰り返しによるロボットの移動を円滑に行うことができる。
【0056】
一方、ロボットの移動時に足平部21がその前方の障害物(図示せず)に衝突すると、該足平部21の前部の緩衝部材22には、足平部21にほぼ平行な方向で前方から外力が加わり、この時、緩衝部材22は、前後方向につぶれるようにして変形を生じる。
【0057】
これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、緩衝部材22の変形によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0058】
次に、本発明の第4の実施形態を図8及び図9を参照して説明する。図8は本実施形態の脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の平面視的断面図、図9は図8の要部の部分的斜視図である。
【0059】
尚、本実施形態の脚構造では、前記第3の実施形態のものと足平部の前部の緩衝部材の構成のみが相違しているので、他の構成部分については、前記第3の実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0060】
図8及び図9を参照して、本実施形態では足平部21の前部を構成する緩衝部材24は、円柱状に形成された多数の板体24aを足平部21の上下方向に起立した姿勢でマトリクス状に配置して、接着剤等により相互に接合した構成とされ、このように構成された緩衝部材24は、足平部21の底面の弾性材7や足平部21の硬質部23に接着剤等により固着されている。尚、板体24aは第3の実施形態と同様、樹脂や硬質ゴム、紙等の材料により形成されている。
【0061】
このような本実施形態の脚構造においても、前記第3の実施形態のものと同様に、足平部21の前部を構成する前記緩衝部材24は、足平部21の上下方向の荷重に対しては、変形を生じにくいため、ロボットの通常的な移動時には、床からの抗力を十分に足平部21で受けることができ、足平部21の離床・着床の繰り返しによるロボットの移動を円滑に行うことができる。
【0062】
また、ロボットの移動時に足平部21がその前方の障害物(図示せず)に衝突したときには、緩衝部材24は、前後方向につぶれるようにして変形を生じ、これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、緩衝部材24の変形によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0063】
次に、本発明の第5の実施形態を図10及び図11を参照して説明する。図10は本実施形態の脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の平面視的断面図、図11は図10の要部の部分的斜視図である。
【0064】
尚、本実施形態の脚構造では、前記第3あるいは第4の実施形態のものと足平部の前部の緩衝部材の構成のみが相違しているので、他の構成部分については、前記第3あるいは第4の実施形態と同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0065】
本実施形態では足平部21の前部を構成する緩衝部材25は、図11に示すように波板状に折り曲げ形成された多数の板体25aを、図10に示すように足平部21の上下方向に起立させ且つ足平部21のほぼ前後方向に延在させた姿勢で足平部21の幅方向に間隔を存して並列させ、これらの板体25aを足平部21の硬質部23及び足平部21の底面の弾性材7に接着剤等により固着することで、該硬質部23及び弾性材7を介して相互に接合した構成とされている。尚、板体25aは第3の実施形態と同様、樹脂や硬質ゴム、紙等の材料により形成されている。
【0066】
このような本実施形態の脚構造においても、前記第3あるいは第4の実施形態のものと同様に、足平部21の前部を構成する前記緩衝部材25は、足平部21の上下方向の荷重に対しては、変形を生じにくいため、ロボットの通常的な移動時には、床からの抗力を十分に足平部21で受けることができ、足平部21の離床・着床の繰り返しによるロボットの移動を円滑に行うことができる。
【0067】
また、ロボットの移動時に足平部21がその前方の障害物(図示せず)に衝突したときには、緩衝部材25は、前後方向につぶれるようにして変形を生じ、これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、緩衝部材25の変形によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。
【0068】
尚、本実施形態では板体25aを折り曲げて波板状に形成したが、湾曲させて波板状に形成するようにしてもよい。
【0069】
また、前記第3乃至第5の実施形態では、緩衝部材22,24,25を足平部21の前部のみに設けたが、足平部21の後部にも、前部と同様の緩衝部材を設けて、足平部21がその後方の障害物に衝突した際の衝撃を緩和するようにしてもよく、さらには、足平部21の左右の側部にも同様の緩衝部材を設けて、足平部21がその側方の障害物に衝突した際の衝撃を緩和するようにしてもよい。
【0070】
また、前記第3乃至第5の実施形態では、緩衝部材22,23,24の上面あるいは下面(緩衝部材22,23,24と弾性材7との間の箇所)に伸縮しにくい薄い板を貼るようにしてもよく、このようにすると、足平部21の上下方向に対する剛性を高めることができる。特に、緩衝部材22,23,24の上面及び下面の両者に薄い板を貼ると、鉛直方向に対する剛性を効果的に高めることができる。
【0071】
また、前記第3乃至第5の実施形態では、緩衝部材22,23,24の内部の空間に発泡材を充填するようにしてもよく、このようにすると、足平部21の上下方向の剛性を高めることができると同時に、障害物に衝突したときの衝撃吸収効果をより高めることができる。
【0072】
次に、本発明の第6の実施形態を図12乃至図14を参照して説明する。図12は本実施形態の脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図、図13は図12のXIII−XIII線断面図、図14は図13の要部の部分的斜視図である。
【0073】
尚、本実施形態のものは、前記第3の実施形態のものと基本構成が同一であるので、同一構成部分については第3の実施形態のものと同一の参照符号を用いて説明を省略する。
【0074】
図12及び図13を参照して、本実施形態では、足平部21は、その前部と後部とが、前記第3の実施形態の緩衝部材と同様に多数の六角柱状の板体22aからハニカム構造に形成して成る緩衝部材22,22により構成され、足平部21のこれらの緩衝部材22,22の間の中間部分が金属等から成る硬質部23とされている。
【0075】
そして、この硬質部23上に、前記第1の実施形態と同一構成の脚部1がバネ等により構成された弾性体10を介して支持され、さらに、第1の実施形態と同様に脚部1の基体5及び弾性体10の四方を囲むようにしてガイド板11が立設されている。また、足平部21の底面には、ゴム等の弾性材7が固着されている。
【0076】
また、本実施形態では、足平部21の前部及び後部の緩衝部材22,22をそれぞれ構成する六角柱状の板体22aには、図14に示すように貫通孔22bが穿設されており(但し、足平部21の左右の両側面部に位置する板体22aを
除く)、六角柱状の板体22aの内部の空間は、該貫通孔22bを介して相互に連通されている。
【0077】
さらに、足平部21の前部の緩衝部材22には、その上面部及び前面部を塞ぐようにして例えばビニル等の可撓性のカバー26が固着されている。同様に、足平部21の後部の緩衝部材22には、その上面部及び後面部を塞ぐようにして可撓性のカバー26が固着されている。これにより、各緩衝部材22の内部の空間は、密封されている。
【0078】
また、本実施形態では、足平部21の側部寄りの箇所には、前後の緩衝部材22,22の内部を連通させるためのパイプ27が前後方向に延在して配置され、このパイプ27は、その前端部及び後端部がそれぞれ前部側の緩衝部材22及び後部側の緩衝部材22の内部に挿入されている。これにより、前後の緩衝部材22,22の内部はパイプ27を介して連通されている。尚、パイプ22は、図示しないブラケットを介して足平部21の硬質部23や前記ガイド板11等に固定されている。また、本発明の構成に対応させると、後部側の緩衝部材22の内部の空間はエア室28を構成するものである。
【0079】
以上のように構成された本実施形態の脚構造においても、前記第3乃至第5の実施形態のものと同様に、足平部21の前部及び後部を構成する前記緩衝部材22は、足平部21の上下方向の荷重に対しては、変形を生じにくいため、ロボットの通常的な移動時には、床からの抗力を十分に足平部21で受けることができ、足平部21の離床・着床の繰り返しによるロボットの移動を円滑に行うことができる。
【0080】
また、ロボットの移動時に足平部21がその前方の障害物(図示せず)に衝突したときには、足平部21の前部側の緩衝部材22が、前後方向につぶれるようにして変形を生じ、これにより、上記の衝突時の衝撃が足平部2から脚部1の足首関節4等に伝わるのが緩和され、脚部1の足首関節4等が損傷を受けるのを防止することができる。同時に、緩衝部材25の変形によって、障害物に加わる衝撃力も緩和され、該障害物が損傷を受けるような事態を回避することができる。さらに、上記のように前部側の緩衝部材22が変形を生じるときには、該緩衝部材22内の空気がパイプ27を介して後部側の緩衝部材22の内部(エア室28)に流れ、このときパイプ27を流れる空気の通過抵抗によって、足平部21が障害物から受けた衝撃力を吸収する効果を生じる。従って、足平部21が障害物に衝突した際の衝撃を効果的に緩和することができる。
【0081】
また、足平部21とその前方の障害物との衝突状態が解消すれば、後部側の緩衝部材22の内部(エア室28)に流れた空気は、パイプ27を介して前部側の緩衝部材22の内部に戻るため、衝突時に変形した前部側の緩衝部材22は、ある程度元の形状に復元される。従って、ロボットの移動を続行することもできる。
【0082】
尚、上記のような作動は、足平部21がその後方の障害物に衝突した場合にも同様に行われるものである。この場合には、後部側の緩衝部材22が前後方向につぶれるように変形すると共に、後部側の緩衝部材22の内部の空気がパイプ27を介して前部側の緩衝部材22内に流れることで、足平部21がその後方の障害物に衝突した際の衝撃が緩和される。
【0083】
尚、本実施形態では、足平部21の前部及び後部の緩衝部材22,22を前記第3の実施形態と同様のハニカム構造としたが、足平部21の前部及び後部の緩衝部材のいずれか、あるいは両者を前記第4あるいは第5の実施形態で説明したような構造としてもよい。
【0084】
また、本実施形態では足平部21の前後部のみに緩衝部材22を設けるようにしたが、足平部21の左右の両側部にも前記第3乃至第5の実施形態で説明したような構造の緩衝部材を設けると共に、それらの左右の緩衝部材の内部を本実施形態と同様に連通させ、足平部21の左右方向での衝撃を緩和するようにしてもよい。
【0085】
さらに、本実施形態では、エア室28を後部側の緩衝部材22の内部に形成したが、例えば緩衝部材22を足平部21の前部側にのみ設ける(足平部21の後部は前記第3乃至第5の実施形態と同様に硬質部23とする)と共に、足平部21の硬質部23上等の適宜の箇所に筐体により密封されたエア室を形成しておき、そのエア室と前部側の緩衝部材22の内部の空間をパイプを介して連通させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】本発明の第3の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図。
【図6】図3のVI−VI線断面図。
【図7】図3の要部の部分的斜視図。
【図8】本発明の第4の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の平面視的断面図。
【図9】図8の要部の部分的斜視図。
【図10】本発明の第5の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の平面視的断面図。
【図11】図10の要部の部分的斜視図。
【図12】本発明の第6の実施形態における脚式移動ロボット(二足歩行型ロボット)の脚の下部の構成をその一部を破断面で示した側面図。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図。
【図14】図13の要部の部分的斜視図。
【符号の説明】
1…脚部、2,21…足平部、9…スライド体、12…ストッパ、14,20…バネ(付勢手段)、17…ローラ(係止部材)、18…カム部材、18a…カム面、22,24,25…緩衝部材、22a,24a,25a…板体、22b…孔、27…パイプ、28…エア室。

Claims (9)

  1. 脚部の下端部に足平部を具備した脚式移動ロボットの脚構造において、前記足平部上に、少なくとも該足平部の前後方向に移動自在なスライド体と、該スライド体を該足平部上の所定の位置に付勢する付勢手段とを設け、前記脚部を前記スライド体に支持せしめたことを特徴する脚式移動ロボットの脚構造。
  2. 前記スライド体が前記足平部の後方側に移動したとき、該スライド体に当接するストッパが該足平部に設けられ、前記付勢手段は、該スライド体を前記ストッパに当接する位置に付勢することを特徴とする請求項1記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  3. 前記スライド体と一体的に前記足平部の前後方向に移動自在で且つ該足平部の前後方向と直交する方向に移動自在な係止部材が該スライド体に取付けられると共に、該係止部材が前記スライド体と共に前記足平部の前後方向に移動するとき、該係止部材が該足平部の前後方向と直交する方向に移動しつつ当接可能なカム面を有するカム部材が前記足平部上に固設され、前記付勢手段は、該係止部材を前記カム面に圧接させるように該係止部材を該足平部の前後方向と直交する方向に付勢し、該カム部材のカム面は前記スライド体が前記所定の位置から前記足平部の前方側及び後方側のいずれかに移動したとき、前記付勢手段の付勢力に逆らう向きに該係止部材を移動させるような形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  4. 前記係止部材は、前記足平部の左右方向に移動自在に前記スライド体に取付けられ、前記カム部材のカム面は、平面視でV字形状又はU字形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  5. 脚部の下端部に足平部を具備した脚式移動ロボットの脚構造において、前記足平部の少なくとも前部を、該足平部と平行な方向の荷重が付与されたとき弾性変形を生じ、且つ該足平部の上下方向の荷重が付与されたときには弾性変形が抑制される緩衝部材により構成したことを特徴とする脚式移動ロボットの脚構造。
  6. 前記緩衝部材は、六角柱状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立した姿勢ではちの巣状に相互に接合して成ることを特徴とする請求項5記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  7. 前記緩衝部材は、円柱状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立した姿勢で相互に接合して成ることを特徴とする請求項5記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  8. 前記緩衝部材は、波板状に形成された複数の板体を前記足平部の上下方向に起立し且つ該足平部の前後方向に延在する姿勢で相互に接合して成ることを特徴とする請求項5記載の脚式移動ロボットの脚構造。
  9. 前記緩衝部材の周囲を被覆して該緩衝部材の内部を密封すると共に、該緩衝部材の前記各板体により画成された空間を該板体に穿設された孔を介して相互に連通させ、該緩衝部材の内部の空間にパイプを介して連通させたエア室を備えたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の脚式移動ロボットの脚構造。
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