JP3649856B2

JP3649856B2 - カップ状容器

Info

Publication number: JP3649856B2
Application number: JP12641197A
Authority: JP
Inventors: 辰男椿; 利一小川
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Current assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date: 1997-04-28
Filing date: 1997-04-28
Publication date: 2005-05-18
Anticipated expiration: 2017-04-28
Also published as: JPH10305861A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はカップ状容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
シート状の剥離蓋を有するカップ状容器として、筒状胴部上端縁より外方へフランジを延設し、該フランジ上面に周縁部を剥離可能に固着させて容器体上端開口を閉塞するシート状の蓋板を設けてなるものが知られている。
これらは、例えばゼリー，ヨーグルト等の食品を収納し、使用の際には、例えば、蓋板周縁部の一部に一体に突設した把手を持って蓋板を容器体から剥離し、内容物を食する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の容器は、蓋板を剥がす際に、内容物の一部或いは、内容物の種類によっては内容物上方に若干存在する水分の一部が外部へ勢いよく飛びだす不都合を生じる場合がある。
何故この様な不都合が生じるかは不明であるが、これらの容器では、内容物充填時に加熱殺菌処理を行い、その為常温に冷却後に内容物上方の空気が減圧状態となり、この減圧状態に起因する何らかの作用で上記不都合を生じるのではないかと思われる。
本発明はこの様な点に鑑み、開蓋時に内容物等の飛散がなく、しかも、従来のこの種容器と比較して大きな構造上の変化のない優れた容器を提案するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本請求項１発明の容器は、上記課題を解決するため、上端開口の有底筒状胴部２上端縁より外方へフランジ３を延設してなる合成樹脂製の容器体４と、上記フランジ３上面に周縁部下面を剥離可能に固着させるとともに、容器体上端開口を閉塞するシート状の蓋板５を設けてなるカップ状容器に於いて、上記胴部２の周壁2a内面上端部に一端を開口してフランジ３上面内外方向中央部まで延びる周方向複数の放射状凹溝７と、各放射状凹溝７の外側端相互を連結してフランジ上面内外方向中央部を上記周壁2aに沿って延びる連結凹溝８とからなる外気導入用凹溝Ａを、少なくとも蓋板剥離開始部位に凹設してなることを特徴とするカップ状容器として構成した。
【０００５】
また、請求項２発明の容器は、上記外気導入用凹溝Ａを、フランジ３上面周方向全体に亘って凹設してなる請求項１記載のカップ状容器として構成した。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図面に示す如く、本発明容器１は、上端開口の有底筒状胴部２上端縁より外方へフランジ３を延設してなる容器体４と、上記フランジ３上面に周縁部を剥離可能に固着させるとともに、容器体上端開口を閉塞するシート状の蓋板５を設けてなるカップ状容器の改良に係わるものである。
上記容器体４は、合成樹脂により形成され、その胴部２は、図面に示す実施例の如く、有底円筒状であっても、他の筒状であっても良い。
【０００７】
また、蓋板５は、合成樹脂の単独シート或いは積層シート，或いは金属薄膜層を備えた合成樹脂の積層シート等、従来のこの種容器の蓋板５と同様構成のものが採用できる。また、その周縁下部をヒートシール等の従来のこの種容器に於ける固着方法により剥離可能に固着させて胴部上端開口を閉塞させる如く装着する。
蓋板５は、その周縁部より一体に把手６を突設している。この把手６は、図面に示す実施例の如く、周縁一部より一ヶ所突設させたものであっても良く、また、周縁部より複数ヶ所突設したものであっても、或いは、周縁部全体を容器体のフランジ３外周縁より突出させてフランジ状に設けたものであっても良い。
本発明容器は、上記したこの種容器に於いて、容器体４の胴部周壁2a内面上端部に一端を開口してフランジ３上面内外方向中央部まで延びる周方向複数の放射状凹溝７と、各放射状凹溝７の外側端相互を連結してフランジ上面内外方向中央部を上記周壁2aに沿って延びる連結凹溝８とからなる外気導入用凹溝Ａを凹設している。
【０００８】
上記外気導入用凹溝Ａは、図面に示す実施例の如く、フランジ３上面周方向全体に亘って凹設しても、或いはフランジ３上面の一部に凹設しても良い。但し、フランジ３上面の一部に設ける場合には、少なくとも蓋板剥離開始部位に設ける必要があり、剥離開始部位として具体的には把手形成部位が挙げられる。また、この把手形成部位は把手の形態によって相違し、把手６が蓋板５周縁部の一部より突設した一ヶ所の把手の場合には、把手６突設位置内方のフランジ３上面部分を中心に左右に広がる連結凹溝８及び該凹溝と連結する複数の放射状凹溝７を凹設して外気導入用凹溝Ａを構成する。また、把手６が複数存在する場合には、各把手６突設位置内方のフランジ３上面を中心として各々左右に広がる連結凹溝８及び該凹溝と連結する複数の放射状凹溝７を凹設して外気導入用凹溝Ａを構成する。更に、把手６が蓋板５の周縁部全体よりフランジ状に突設した形態のものにあっては、フランジ３上面周方向全体に亘って凹設する。
【０００９】
本実施例は、外気導入用凹溝Ａをフランジ３上面周方向全体に亘って凹設した例を示している。この場合の把手６の形態は、図示例の如き蓋板５周縁部一部より一ヶ所突設したものであっても、蓋板５周縁部より複数突設したものであっても、或いは、フランジ状に突設してものであっても採用できる。
この場合には、蓋板５の固着時に、蓋板の把手の形態に係わらず、周方向の位置決めの必要のない容易な閉蓋を行える。
【００１０】
この様な外気導入用凹溝Ａを設けることにより、開蓋の際、蓋板５をフランジ３上からその一部が剥離する段階で外気が容器体内に導入され、内容物上方の空間の負圧化を解消する如く構成している。その際、連結凹溝８を介して各放射状凹溝７から容器体胴部２内上端部に広範囲にわたって或いは全周にわたって外気が導入されて良好な負圧化の解消を行え、その結果、蓋板５を剥離した際に内容物の飛散等の不都合がない様に構成している。
【００１１】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明容器は、既述構成としたことにより、特に、周壁2a内面上端部に一端を開口してフランジ３上面内外方向中央部まで延びる周方向複数の放射状凹溝７と、各放射状凹溝７の外側端相互を連結してフランジ上面内外方向中央部を上記周壁2aに沿って延びる連結凹溝８とからなる外気導入用凹溝Ａを、少なくとも蓋板剥離開部位に凹設したので、開蓋の際に蓋板がフランジから剥離される段階で外気導入用凹溝を介して容器体内に外気が導入され、その結果、蓋板が容器体上端開口部分に差しかかった際には既に容器体内の負圧化が解消されており、内容物の飛散等の不都合を生じる虞はない。
【００１２】
また、従来のこの種容器と比較して大きな構造上の変化がなくて製造上の煩雑さを伴わず、安価に形成できる利点も兼ね備えている。
【００１３】
また、外気導入用凹溝Ａを、フランジ３上面周方向全体に亘って凹設してなるものにあっては、把手６の突設数等の蓋板５の形態に係わらず、蓋板の固着時にその周方向の位置決めを行う必要がなく、容易に蓋板の装着を行える利点を兼ね備えるとともに、開蓋時の外気導入が容器体胴部周壁全周部位に亘って行えるため、より確実な負圧化の解消を行え、ひいては内容物の飛散をより確実に防止することが出来るものである。
【００１４】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す半断面図である。
【図２】同実施例の蓋板を除去した状態の平面図である。
【図３】同実施例の容器体のフランジ部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
２…容器体胴部，2a…胴部周壁，３…フランジ，４…容器体，５…蓋板，
７…放射状凹溝，８…連結凹溝，Ａ…外気導入用凹溝

Claims

上端開口の有底筒状胴部２上端縁より外方へフランジ３を延設してなる合成樹脂製の容器体４と、上記フランジ３上面に周縁部下面を剥離可能に固着させるとともに、容器体上端開口を閉塞するシート状の蓋板５を設けてなるカップ状容器に於いて、上記胴部２の周壁2a内面上端部に一端を開口してフランジ３上面内外方向中央部まで延びる周方向複数の放射状凹溝７と、各放射状凹溝７の外側端相互を連結してフランジ上面内外方向中央部を周壁2aに沿って延びる連結凹溝８とからなる外気導入用凹溝Ａを、少なくとも蓋板剥離開始部位に凹設してなることを特徴とするカップ状容器。
上記外気導入用凹溝Ａを、フランジ３上面周方向全体に亘って凹設してなる請求項１記載のカップ状容器。