JPH0995351A - 容器の蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】飲み口が露出することがなく、蓋を開くと始め
て飲み口が露出されるとともに、必要に応じて再封が可
能な容器の蓋を提供することを目的とする。 【解決手段】紙製であって外周側にリング状部２１を備
える蓋２０の内表面に第１のフィルム２５と剥離可能な
樹脂層２６を介して第２のフィルム２７とを接合し、蓋
２０を取外すと第２のフィルム２７が容器本体１０のフ
ランジ１７に接合された状態で残存するようにしたもの
であって、第２のフィルム２７の開口２８が飲み口を構
成するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は容器の蓋に係り、と
くに容器本体の上部開口を閉塞する蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば液体飲料を充填した紙製あるいは
合成樹脂製の容器本体の上部開口を閉塞するために、従
来はアルミニウム箔から成るシート状の蓋材が用いられ
ていた。このような蓋材は、アルミニウム箔とポリエチ
レンフィルムとのラミネート構造をなし、ポリエチレン
フィルムが内側になるように容器本体のフランジ部分に
接合されてシールされるようにしていた。

【０００３】合成樹脂成形体から成り、プルタブを成形
によって設けるようにした蓋も一部で用いられている。
このような蓋は、例えば紙との複合構造をなしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】アルミニウム箔とポリ
エチレンフィルムとのラミネート構造の蓋材から成る容
器の蓋は、従来より広く用いられているものであって、
陳腐化して新鮮味に乏しい欠点がある。またこのような
蓋材を除去すると、容器本体の上部開口が全部開封され
るとともに、この蓋材によって再封することができな
い。

【０００５】プルタブ方式の開封を行なう蓋において
も、１度開封を行なうと再封することができない。また
プルタブ方式の蓋であって、紙と合成樹脂との複合構造
になるものは、シール工程が面倒になる欠点を有してい
る。

【０００６】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、蓋を開くと飲み口が露出するととも
に、必要に応じて再封することが可能な容器の蓋を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、容器本体の上
部開口を閉塞する蓋において、前記蓋の内表面に接合さ
れている第１のフィルムと、開口を有し、前記第１のフ
ィルムの上に剥離可能に接合され、蓋が取外されると容
器本体側に接合された状態で残る第２のフィルムと、を
それぞれ具備する容器の蓋に関するものである。

【０００８】蓋が取外されると容器本体側に接合された
状態で残る第２のフィルムの開口が飲み口または内容物
の取出し口を構成するものであってよい。またこのよう
な蓋は板紙から構成されるとともに、第１のフィルムが
ポリエチレンテレフタレート樹脂から構成され、第２の
フィルムがポリエチレン樹脂から構成されてよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１および図２は本発明の一実施
の形態に係る容器の蓋を備える簡易容器に関するもので
ある。この簡易容器は紙製のカップ状をなす容器本体１
０を備えている。この容器本体１０の胴の下端側は図２
に示すように内側へ折返されて折返し部１１を形成して
おり、この折返し部１１によって底板１２を結合するよ
うにしている。すなわち底板１２の周縁部に下方へ折曲
げられた周璧１３を一体に形成するとともに、この周璧
１３を容器本体１０の胴の下端部と折返し部１１とによ
って挟着することにより、底板１２を容器本体１０に結
合するようにしている。

【００１０】容器本体１０の上端側は上部開口１６から
構成されるとともに、この開口１６の周縁部がフランジ
１７から構成されている。フランジ１７は容器本体１０
の上部開口１６の周縁部を外側へカールさせて押し潰す
ことによって形成されるようになっている。

【００１１】そしてフランジ１７を備える上部開口１６
が蓋２０によって閉塞されるようになっている。蓋２０
は板紙から構成されるとともに、周縁部を絞ってリング
状部２１を一体に形成し、このようなリング状部２１の
内周側の部分で容器本体１０のフランジ１７に嵌着させ
るようにしている。

【００１２】次に上記蓋２０の構造について説明する
と、図４に示すように紙から成る蓋２０の内側には接着
剤層２４を介してポリエチレンテレフタレート樹脂から
成る第１のフィルム２５が接合されている。そしてこの
ような第１のフィルム２５の上側には剥離可能な接着
層、例えばホットメルト層２６を介してポリエチレン樹
脂から成る第２のフィルム２７が接合されている。しか
もこの第２のフィルム２７はとくに図５に示すように円
形の開口２８を備えている。この開口２８が飲み口を構
成するものである。

【００１３】容器本体１０の上部開口１６を閉塞するよ
うに嵌着されている蓋２０を取外すと、図３に示すよう
に剥離可能な接着層２６のところで第１のフィルム２５
と第２のフィルム２７とが分離し、第１のフィルム２５
が蓋２０と一緒に除去されるのに対し、開口２８を有す
る第２のフィルム２７は容器本体１０のフランジ１７の
外表面に接合された状態で残存するようになり、残存す
る第２のフィルム２７の開口２８によって図５に示すよ
うに飲み口が露出されるようにしている。

【００１４】このように本実施の形態に係る容器の蓋２
０は、その内表面にフィルム同士が互いにピール性があ
る２枚のフィルム２５、２７を剥離可能な接着剤層２６
を介して互いに貼合わせたものである。容器本体１０内
に所定の内容物を充填した後に、このような蓋２０はそ
の外周側の部分において熱板または超音波シールによっ
て容器本体１０のフランジ１７の表面に接合されてシー
ルされるようになっている。

【００１５】このようにして蓋２０によって密封シール
された容器本体１０の蓋２０を除去すると、剥離可能な
接着剤層２６によって蓋２０側のフィルム２５と容器本
体１０側のフィルム２７とが互いに剥離され、第１のフ
ィルム２５が蓋２０側に接合されたままで除去されると
ともに、容器本体１０の上部開口１６を第２のフィルム
２７が覆った状態になる。ここでこの第２のフィルム２
７の開口２８によって飲み口が露出することになる。

【００１６】このような構造の蓋２０によれば、密封さ
れた状態の蓋２０を除去すると飲み口を構成する開口２
８が露出するようになり、蓋２０によって汚損から守ら
れていた開口２８が露出する。よって衛生的な構造の蓋
２０を提供できるようになる。また蓋２０を除去した後
においても、蓋２０はそのままの形態を維持し、外周側
にリング状部２１を一体に備えた構造になっているため
に、取外した蓋２０を用いて再びキャッピングを行なう
ことが可能になり、再封可能な蓋２０の構造となる。

【００１７】このような蓋の構造は、簡易容器の蓋とし
て新鮮味があり、新規性に富んだ構造になる。また蓋２
０はその主体部が紙から構成されており、廃棄の際に容
易に焼却することができ、環境汚染の心配がない。また
蓋２０が紙から構成されるために、その外表面に美麗な
印刷を任意に施すことができる。

【００１８】蓋２０を除去したときに容器本体１０の上
部開口１６を閉塞した状態で残存する第２のフィルム２
７に形成されている開口２８は図５に示すように大きな
円形口から構成されているために、飲み口が大きく開い
ている構造になり、このためにとくに飲料容器に用いた
場合に、飲み易い容器を提供することが可能になる。

【００１９】なお第２のフィルム２７に形成されている
開口２８の形状については、図６に示すようにほぼ扇形
の開口２８に構成してよい。あるいはまた図７に示すよ
うに第２のフィルム２７の外周側の一部を欠如させて開
口２８を形成するようにしてもよい。

【００２０】またこのような構造の蓋２０において、接
着剤層２４をも剥離可能な接着剤層から構成し、蓋２０
を除去すると接着剤層２４によって第１のフィルム２５
と第２のフィルム２７とがともに容器本体１０側に残る
ようにしてもよい。

【００２１】このような構造によれば、蓋２０を除去す
ると互いに剥離可能な接着剤層２６を介して接合された
第１のフィルム２５と第２のフィルム２７との積層構造
によって容器本体１０の上部開口１６が閉塞された状態
になる。従って内容物を取出す場合にはこの後さらに第
１のフィルム２５を除去して第２のフィルム２７の開口
２８を露出させればよい。このような構造はヨーグルト
やデザート用の容器として用いるのに好適である。

【００２２】図８および図９は別の実施の形態を示して
いる。この形態は蓋２０がツーピースの部材から構成さ
れている。すなわち蓋２０は板状をなす本体部の外周側
に別ピースから成るリング状部２１を結合するようにし
ている。リング状部２１の上端側は内側へ屈曲されて屈
曲部３２を形成しており、屈曲部３２の下端が蓋２０の
上面を押える構造になっている。そしてこのような蓋２
０の内表面に、第１のフィルム２５と第２のフィルム２
７とが接合されている。図９に示すように蓋２０を除去
すると、第２のフィルム２７のみが容器本体１０側に残
存し、開口２８が露出することになる。従ってこのよう
な構成によっても、上記の実施の形態と同様の作用効果
を奏することが可能になる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明は、容器本体の上部
開口を閉塞する蓋の内表面に第１のフィルムを接合する
とともに、この第１のフィルムの上に開口を有し、蓋が
取外されたると容器本体側に接合された状態で残る第２
のフィルムとを接合するようにしたものである。

【００２４】従って蓋を除去すると、少なくとも第２の
フィルムが容器本体側に残るようになり、その開口によ
って飲み口等を形成することが可能になる。従って蓋を
開くと飲み口となる開口が露出するようになり、衛生的
な容器の蓋を提供することが可能になる。また必要に応
じて再封することが可能になる。

【００２５】蓋を板紙から構成するとともに、第１のフ
ィルムをポリエチレンテレフタレート樹脂から構成し、
第２のフィルムをポリエチレン樹脂から構成することに
よって、安価であって第２のフィルムが剥離可能に容器
本体側に残存する容器の蓋を提供することが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態に係る容器の蓋を用いた容器
の分解斜視図である。

【図２】容器を蓋で閉塞した状態の縦断面図である。

【図３】蓋を除去する動作を示す縦断面図である。

【図４】蓋の要部拡大断面図である。

【図５】蓋を除去した状態の平面図である。

【図６】別の形態の蓋を除去した状態の平面図である。

【図７】さらに別の形態の蓋を除去した状態の平面図で
ある。

【図８】別の形態の蓋を示す容器の縦断面図である。

【図９】蓋を除去する動作を示す容器の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 容器本体 １１ 折返し部 １２ 底板 １３ 周璧 １６ 上部開口 １７ フランジ ２０ 蓋 ２１ リング状部 ２４ 接着剤層 ２５ 第１のフィルム（ポリエチレンテレフタレート樹
脂） ２６ 剥離可能な接着剤層 ２７ 第２のフィルム（ポリエチレン樹脂） ２８ 開口 ３２ 屈曲部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体の上部開口を閉塞する蓋におい
   て、 前記蓋の内表面に接合されている第１のフィルムと、 開口を有し、前記第１のフィルムの上に剥離可能に接合
   され、蓋が取外されると容器本体側に接合された状態で
   残る第２のフィルムと、 をそれぞれ具備する容器の蓋。
2. 【請求項２】前記第２のフィルムの開口が飲み口または
   内容物の取出し口を構成することを特徴とする請求項１
   に記載の容器の蓋。
3. 【請求項３】前記蓋が板紙から構成されるとともに、前
   記第１のフィルムがポリエチレンテレフタレート樹脂か
   ら構成され、前記第２のフィルムがポリエチレン樹脂か
   ら構成されることを特徴とする請求項１の記載の容器の
   蓋。