JPS6119054Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は缶胴端部に蓋板を装着した缶胴の密
封装置に関するものである。

（従来の技術・問題点） 従来、缶胴の端部を蓋板で閉鎖するには、蓋板
の嵌装部にパツキングを介装させたり、蓋板の周
縁部に形成した環状巻曲部を缶胴外壁へ挿入させ
て締付けるようにしたものが知られていたが、十
分な気密性能が得られない問題点があつた。

また蓋材の剛性が小さいことから、蓋板の径が
大きい場合には、摘み片を引き上げて開口する際
に、力が効率よく周縁部に伝わらず、余分な力を
必要とするという問題点があつた。

（問題点を解決する手段・作用） 然るにこの考案は、蓋板の周縁部に断面逆Ｕ字
状の環状溝部を形成して、該部を缶胴端部へ嵌挿
させて、缶胴の内外側面と前記環状溝部の当接面
を互いに固着させたので、極めて気密性能の高い
気密装置が得られる。

また切取溝を有する蓋板の中央部から外方に向
けて複数のリブを放射状に設け、リブの一つに摘
み片を突設したので、摘み片の引き上げに際して
蓋板に大きな剛性が得られ、リブを通して力が伝
わるので可及的に小さな力での開缶が可能とな
る。

以下この実施例を説明する。

（実施例 １） 紙製の缶胴１の内外側面に熱溶着可能な合成樹
脂をコーテイングすることにより溶着フイルム層
２，２を形成すると共に、蓋板３ａは合成樹脂製
の円板の周縁部に、前記缶胴１の内径にほぼ等し
い外径とした立上り壁４を形成し、該立上り壁４
の上端部外側には断面逆Ｕ字状の環状溝部５を形
成し、該環状溝部５を前記缶胴１の端部に嵌挿さ
せて、缶胴１の内外側面の溶着フイルム層２，２
と環状溝部５の内面の当接部を互いに熱溶着させ
てある。

前記蓋板３ａは射出成型により成形したもの
で、蓋板３ａの上面に、中央部から外方に向けて
突条からなる補強リブ９ａが放射状に設けてある
と共に、１本の突条の上面一側には摘み片１１が
突設してある。又摘み片１１を介して破切する為
の断面Ｖ字状の環状切取溝８は第４図に示した如
く、蓋板３ａの周縁部下面に設けるもの、第５図
に示した如く、環状溝部５を構成した立上り壁の
内側面に設けるもの、或いは第６図に示した如
く、前記立上り壁の外側面に設けるもの等があ
る。図中７は被せ蓋である。

（実施例 ２） 第７図乃至第９図はこの考案の他の実施例を示
すもので、紙製の缶胴１の内外側面には前記と同
様に溶着フイルム層２，２が形成してあり、蓋板
３には周縁部に断面逆Ｕ字状の環状溝部５が形成
してあり、環状溝部５を缶胴１の端縁部に嵌挿し
て、当接面を互いに熱溶着させてある。

前記蓋板３は種々の合成樹脂フイルムを使用し
て成形できるものである。熱溶着可能な樹脂の場
合には前記溶着フイルム層２，２に対して直接熱
溶着することができるが、熱溶着の困難な樹脂の
場合には環状溝部５の内面に、別途溶着フイルム
層を形成しておく必要がある。

また溶着フイルム層を形成すれば蓋板は必ずし
も合成樹脂製に限定されるものではなく、例えば
金属製としてもよい。

前記蓋板３の中央部には、下側を開口させた断
面状の補強リブ９，９が形成してあり、下面に
は紙板１０を貼着して補強リブ９，９による凹入
部を塞ぐことにより、缶内容物が補強リブ９，９
内に侵入しないようにしてある。尚、この補強リ
ブ９，９は図示の状態と逆に上側に開口させた断
面状とすることもできる。図中６は金属製の底
蓋である。

上記各実施例においては缶胴と缶蓋との固着を
熱溶着により行つたが、接着剤を用いて貼着して
もよい。又缶胴１についても紙製に限定されるも
のでは無く、金属製又は合成樹脂製、或いは紙に
金属箔を層着した缶胴とすることもできる。合成
樹脂製の缶胴の場合には、上記蓋板と同様熱溶着
の可、不可に応じて溶着フイルム層２，２を設け
る場合と、直接の場合とがある。

（考案の効果） 即ちこの考案によれば、缶胴端部へ、蓋板の周
縁部に設けた環状溝部を嵌挿して、缶胴端部と環
状溝部の当接面を互いに固着させたので、極めて
気密性能の高い缶胴密封装置を提供できる効果が
ある。又開封後も前記環状溝部は缶胴端部に嵌挿
した状態のまま残ることとなるので、金属缶胴を
使用した場合に、端縁部を発錆等より保護すると
共に、スプーン或いは被せ蓋等と缶胴との金属同
士の摺接を回避できる等の効果がある。缶胴の内
外側面へ熱溶着可能な合成樹脂層をコーテイング
し、又は蓋板に設けた環状溝部の内面に熱溶着可
能な合成樹脂層をコーテイングすれば、この考案
の実施に当つて缶胴又は蓋板の材質に制約を受け
ない効果がある。

また蓋板には突条を放射状に設け、１本の突条
に摘み片を突設したので、摘み片を引き上げた際
の上向きの力は、突条を経て蓋板の周縁部へ確実
に伝わることとなる。したがつて力に無駄が生じ
ることなく、可及的に小さな力で蓋を開口するこ
とができ、径の大きな蓋であつても極めて容易に
開口することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の一部破切平面図、
第２図は同じく一部縦断面図、第３図は第１図中
−線における拡大断面図、第４図乃至第６図
は同じく実施例における変形例を示す一部拡大縦
断面図、第７図はこの考案の他の実施例の一部を
破切した平面図、第８図は第７図中−線にお
ける断面図、第９図は他の実施例の一部拡大縦断
面図である。 １……缶胴、２……溶着フイルム、３，３ａ…
…蓋板、５……環状溝部、６……底蓋、７……被
せ蓋、８……切取溝、９，９ａ……補強リブ、１
０……紙板、１１……摘み片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 缶胴端部へ切取溝を有する蓋板を装着してな
   る密封装置において、前記蓋板は周縁部に断面
   逆Ｕ字状の環状溝部が形成してあり、該環状溝
   部が缶胴端縁部に嵌挿されて、缶胴の内外側面
   と環状溝部の当接面が互いに固着してあり、前
   記蓋板には複数の補強リブが中央から外方に向
   けて放射状に設けてあり、一つの補強リブには
   摘み片が突設してあることを特徴とする缶胴の
   密封装置。 ２ 補強リブは、下側を開口部とした断面状と
   し前記開口部はシートにより閉塞された実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の缶胴の密封装
   置。 ３ 固着は熱溶着とした実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の缶胴の密封装置。 ４ 缶胴の蓋板への固着は、缶胴端部の内外側面
   にコーテイングされた合成樹脂層を介した熱溶
   着とした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   缶胴の密封装置。 ５ 蓋板の缶胴への固着は蓋板に形成した断面逆
   Ｕ字状の環状溝部の内側面にコーテイングされ
   た合成樹脂を介した熱溶着とした実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の缶胴の密封装置。